2015-12-11 23:53:25 更新

概要

人の選択は運命には抗えない。結果は変わらない。そもそも正しい選択って…。ゴミをポイ捨てしたらそれを拾うためにかがんだおばあちゃんが、子供の投げた暴投の野球ボールをかわしたとする。ゴミをポイ捨てしたのはまちがいか?さあ、あなたは…


前書き

転載と言えば転載ですが、以前の場所であまり書かないでこちらに来たのでほぼオニューです。勿論この作品はフィクションで実際の人物
、団体、事件とは一切関係ありません


提督二十代後半♂
海軍兵学校では成績は良かったが目立つほどではなかった。だが、ペーパーだけ人間ではなく実戦もできる。現在バツゼロ。女性経験なしの喪男。悪くないんだか付き合うには微妙な男。 しかし、真面目ではあるが所謂不器用な人。そのため人付き合いが得意ではない。


目が覚めると日が傾いていた。


どうやら居眠りをしていたようだ。


夏の日射しがずいぶんとジリジリとする。うざ


ったい……。寝直そうか寝直さまいか…。寝直


すのもめんどくさい。私は寝直さないことを選


択した。ところで、こんな風に人はいつも選択


を迫られている、というのを気づいているだろ


うか。何気ない日常で毎日のように…。消ゴム


を落としたら、拾うか、そのままにするか、拾


ってもらうのを待つか。今日はやる気がないか


ら部活をさぼろうか、手を抜こうか…。こんな


風にだ。あのときもまた選択を迫られていた。


今から一月ほど前のことだ。順を追って今から


一年前のとこから話そう。

………………………………………………………………………………………。


深海棲艦との戦いが始まり数年目の夏、


照りつける太陽、いよいよ夏本番


だなというのがこの鎮守府でも実


感できた。そう…なぜなら…翔鶴の服


が透けているからだ!正確に言うと翔


鶴はコードネームで、本名は『高崎翔


子』である。彼女を含めた艦娘と呼ば


れる少女たちは昔の艦の魂を入れて武


装した娘たちだ。それにより人間では


考えられない力が発揮されるとかなん


とか。今でこそそれは女性の役目だ


が、昔は男がやっていたが魂とうまく


同調できなかった。しかし、ある日男


と偽り志願した娘がいた。その娘はも


のすごい力を発揮し、後に調べたら女


だったと発覚し、そこから女性の役目


になったのだ。


だが、女性が艦娘になると少し変化し


てしまうものがある。例えば髪の毛の


色、目の色などだ。今目の前にいる


翔鶴は銀色っぽい髪の色をしている


普通ならありえないが、この界隈なら


普通だ。まあ、似合うからいいのだが。


話を戻すと、翔鶴は普段なら透けるよ


うな服ではないが今日は非番なので


カラーリングは変わらないが少し生地


の薄いのを着ている。もちろん胸当て等もない


ラフな感じだ。毎年正直目のやり場に困る。と


はいえど執務の手伝いをしてくれるのはありが


たい。


「どうかしましたか?提督?」


と正面からこちらにかがんで顔を寄せ


てくるもんだからダブルの意味で


ドキッとする。谷間がみえる…。


謙遜するのは構わないがもう少し自分


の魅力に自覚を持ってほしい。


等と考えているもんだから


「あのー、大丈夫ですか?」


「おお、すまんすまん。なんでもないよ」


と、心配されるのは毎年のことだ。


まったく誰のせいだと思ってんだよ…


まあ、だらだらやってもしょうがない


し、そろそろやりますかね。


「いつも私を秘書にしてくれなくて寂


しいのに、いっしょにいるときくらい


は…」


「ん?なんか言ったか?」


「もうっ、何でもないです!」


ひぃぃぃぃ!なんかいきなり怒った


よこいつ。深海棲艦と山の天気はわから


ないというが今何で怒られたのか、


その方がわからない。


どうしたもんかねぇ……






翔鶴は用があり執務室を出て、しばら


く静寂のなかでの執務が続く。


あまり嬉しくないが一人が好きなのか


も等と寂しいことを考えながら執務をこなして


ていると扉をコンコンと小さく叩く音がした


「入れ」


ガチャ、と扉を開けて入ってきたのは


「第四艦隊帰投したよ」


「ん、ご苦労だった響」


今帰投したのは遠征任務にあたってい


た第二艦隊。通称「栄光の第二艦隊」。


旗艦コードネーム「響」、本名『薗田響笛』を中


心とした遠征目的の艦隊だ。


その旗艦の響が入ってきたのだ。


別の鎮守府には友人がいるらしい。


「はい、今回の結果だよ。」


「よくやったぞ響。」


「その活躍ぶりから不死鳥(社畜)の通り名もある


よ。……嫌いだ…。」


この通り今では立派な社蓄である。


何とほぼ遠征だけで練度が75になった猛者でも


ある。まあ、実戦はあんまでないが、ケースバ


イケースバイで必要になるので、いると助かる


スーパーサブだ。


「じゃあ、補給してくるね」

「ああ、お疲れ様」


パタン、と扉が音をたてて響がでてす


ぐに次の訪問者がきた。バンッ!と、


あまり遠慮のない扉の開け方と共に


入ってきたのはコードネーム『瑞鶴』、


本名『高崎瑞希』だ。


勢いよく私の方に駆けてくるなり


「提督さんひーまー」


等と言い私の机にベターンとヘッドスライディ


ングを決め駄々をこねる。書類がバラけるから


やめろ。


「暇ってな…俺にどうしろと…」


「えー、どうしよー」


私も忙しく書類に目を落としながら答えて適当


に流す。


今回が初めてではなく時々こうして


暇を潰しにくるのだ。


もっとも悪い気はしないのだが。


「んじゃ、艦載機の整備でもしてろ」


「それも終わったー」


ますます俺にどうしろと言うのか…


「んじゃ、陽炎型ゲームがいいのか?」


「えっ?なにそれ?」


「陽炎型をお互いに言いあう遊びだ」


一般の人なら悩むのだが我々海軍で


は直ぐに終わる遊びだ。瑞鶴もしばらく考えた


後にその考えに至ったのかやめとく、と諦めて


くれた。そんなどうでもいい会話をしていると


部屋をノックする音がた。「入れ」ガチャ、と音


をたてて入ってきたのは


「翔鶴ただいま戻りました。」


実はこの翔鶴と瑞鶴は艦娘になる前も姉


妹であった。瑞鶴は艦の魂との同調であまり変


化したところがないのだが胸が小さくなったと


か。気のせいだろ


「ああ、直ぐに執務の手伝いをしてれ。今日は


忙しい」


「はい。瑞鶴もあまり提督の邪魔をしてはだめ


よ?」


「はーい。わかったわよ翔鶴姉。じゃあね~提


督ー」


「おう。しっかり休めよ」


このように実の姉妹でもコードネーム


で呼ぶのには訳がある。至ってシンプ


ルな訳だ。実名で呼びあえばやはり


プライベートと、仕事のメリハリが欠


けるからだ。逆に言えばそれほどこち


らの戦況もよくはないということなのだが…。


まあ、そういう意味では瑞鶴の翔鶴への呼び方


はギリギリなわけだ。


いくら戦時中と言えど実の姉妹でも


実名を呼びあえないのは見ていて悲し


い。1日でも早くこんな戦いは終らせ


たいものだ。


「あのー、提督?」


翔鶴がまた覗きこんでくるもんだから


少し後ずさってしまう。


「あ、すみません。あの、先程から声


をお掛けしているのですがお返事がな


いので…つい。」


と、少し申し訳なさそうに話す翔鶴。


正直可愛らしい。しかし、今は返事を


してやらねば


「あ、いやこちらもぼんやりしてた。


最近の思うところが色々あってな」


「またこの戦いについてですか?」


「!…ああ」


図星であったから少し驚いた、という


のが正直な感想だ。


「ふふ、驚かれましたか?」


「はは、まあそんなとこだな」


おっとそこまで見抜かれていたかあま


り軍人としてはよろしくないな…


「ここに来てから長いですから、その


くらい分かっちゃいます!」


少し得意気に言う翔鶴がまたかわい


い。そんなもんだから


「いつまでもこんな風に話せたらいい


な…」


等といきなりの発言をしてしまう。


しまったと思ったが時既に遅し。


翔鶴も顔を赤らめながら恥ずかしがっ


ている。お互いにこっ恥ずかしくなり


何も話さないまま沈黙が続くがそんな


沈黙を破ったのは翔鶴のほうだった。


「そ、そうですけど、わ、私は早くこ


の戦いを終わらせたいです…」


「そ、そうだな」


そう言う翔鶴の顔は少し悲しげであっ


た。いや、自信がないのだろうか。


その辺は少しコミュ症気味の私にはわ


からない。だがこれだけは言える。


はやく戦いを終わらせ望んだ未来を


掴みたい。それだけは確かだった。




「ガハハハッ!呑め呑めー!!」


夕食になると決まってこの食堂は騒が


しい。これには提督も苦笑いだ。そし


て呑め呑めと囃(はや)し立てているこ


ちらは戦闘機乗りのコードネーム


『赤松』さん。加賀に乗艦する赤松さ


んは今はただのおっさんにしか見えな


いが妖精にチェンジするなり空の猛者


へと早変わりする。妖精と飛行兵につ


いてはまた別の機会に詳しく話そう。


「おー!村田さんのいっきだー!」


「いけー!!」


「いいぞー!!村田ー!」


コードネーム『村田』。艦攻乗りの天


才であり、おやじくらいの年だがこち


らも妖精にチェンジするなり鬼のよう


に強くなる。


「あんま呑みすぎないでくださいよー」


「まったくです」


こちらはコードネーム『岩本』とコー


ドネーム『加賀』、本名『加賀知


子』。こちらは本名まで『加賀』とい


うミラクルだ。瑞鶴に乗艦する岩本は


まだ年は20代後半に見えるがその腕


は赤松に負けず劣らずで有名だ。風の


噂では赤松さんを越える撃墜数だと


か。まあ、赤松さんの撃墜数自体が不


明だからなんとも言えないのだが。そ


れにしても1日の地獄のような訓練に


耐えて、さらに騒ぐ元気があるとは赤


松さん達恐るべし。だいたい朝は6時


に起床、7時から一時間飛行兵は全員


まとまってランニング開始。そのあと


はひたすら筋トレ。昼を食べたら午後


は演習に反省会で疲れた体に鞭を打ち


レポートを書く。地獄に他ならな


い。実際新人は夕食は喉を通らな


い。赤松さんは一通り騒ぎ終わると酒


瓶を持ってこちらにふらふらとやって


きた。


「ほらほら~、提督も飲んだらどう


だ?」


「ははは……酒には弱いんで遠慮しま


す。明日もありますし。」


正直、赤松さん達のペースに付き合わ


されたら堪らない。


「なんだよー、んじゃ諦めるかー」


赤松さんは次なるターゲットを探しに


ふらふらと去っていった。南無、たぶ


ん新人だ。


「提督、そろそろ執務に…」


後ろから翔鶴に声をかけられハッとす


る。


「おっと、そうだな」


私達は執務に戻るために賑やかな食堂


を出た。食堂から執務室にいく間に加


賀が外にいるのが見えたが何をしてた


んだろうか。まあ、加賀は問題なんか


起こさないだろうが。




加賀side


月明かりに照らされた港で私はただた


だ三日月を見ていました。はあ、今頃


マザーはどうしているかしら。マザー


とは私が孤児院にいた頃に面倒を見て


くれた恩人です。私は月を見ながらマ


ザーが眠れない夜に月の話をしてくれ


たのを思い出す。月っていうのはただ


光を受けるだけじゃなくて、その光を


地球に反射させている。しかも形を変


えてね。だから加賀も先生や目上の人


に教えてもらったことは同僚や後輩に


教えてあげて月のようになり、いずれ


かは太陽のようになりなさいという話


だ。ですが素直でない私には中々難し


いのです、マザー。


「加賀さん?」


振り向くとそこにいたのは赤城さんで


した。


「ええ、何か用?」


「いえ、窓から加賀さんが見えたので


何かあったのかと…」


心配そうな赤城さんを見て少し心が痛


む。


「いえ、特にありませんが…」


私はそう言うと月を仰いだ。ああマ


ザー、私は上手くコミュニケーション


をとることができません。しばらく間


を開けて私は話し始めました。


「マザーの事を思い出していたので


す。」


私の言葉に赤城さんはピクッと反応す


る。


「その名前、久々に聞きました。」


「そうね。」


マザーは赤城さんや私の面倒をよくみ


てくれました。皺が寄った老婆でした


が物腰は柔らかく何時もどこか笑顔の


ように見える人でした。


「マザーは生まれも違う捨て子だった


私と加賀さんを育ててくれて色々な事


を教えてくれたものでしたね…」


「ええ、だけど私はマザーの教えを守


れず五航戦に上手く接することが出来


ていません…」


私が気を落とすと赤城さんは優しく諭


します。


「何もマザーはすぐにやれとは言って


ませんよ。少しずつでもいいじゃない


ですか、マザーもそれくらいなら許し


て下さいますよ。」


「ええ、努力するわ。でも何があって


も深海棲艦を本土へ、マザーのとこま


では例えこの身にかえても行かせませ


ん。そうでなくては私達がこの体に


なった意味がないでしょう?」


「ええ、なら体を冷やしてはダメ


よ?戻りましょう加賀さん。」


「そうね…。」


絶対に、絶対にマザーを守ります。見


ていて下さい、マザー。私達の勇姿を





In飛行兵部屋


夕食の後簡素な畳の部屋で男たちは談


笑をしていた。


「なあ、岩本ー。」


「なんですか村田さん」


酒を飲み直そうとしていた岩本に村田


が話をかける。


「おれら飛行兵だろ?」


「まあ、そうですけど。それがなに


か?」


「いやー、岩本は何で飛行兵になった


んだ?と、思ってな」


先輩の村田からの質問にえらく驚いた岩本だが


、平静を装い淡々と応える。


「何でって、私は実家のためですか


ね。村田さんはなぜ?」


「聞くか?」


「ええ、是非教えて下さい。」


村田は自分の酒をくんだ分を一気に飲


み干すと話を始めた。


「俺も家族のためなんだがお前とは少


し違ってな。俺の娘が病気で寝込んで


しまったんだ。それもかなり重い病気


で手術にはとにかく金が必要だっ


た。だが、おれら夫婦にはとても娘の


治療費を出せる程の金はなかった。俺


の親も妻の親も他界、俺はしがないサ


ラリーマン、妻は主婦。どうしようも


なかった。そんなとき俺の目に海軍の


募集用紙が目に入った。高額な給


与、安定性。倍率は高かったが昔から


体の丈夫さだけには自信があった俺は


サラリーマンをやめて試験を受け


た。結果は……無念にも落ち


た…。」


暗い顔をする村田。岩本は慌てて次の


質問をした。


「え?でも村田さんは確かに今ここで


活躍してるじゃないですか!それなの


に落ちたって…」


岩本の不安そうな顔に気づいたのか慌


てて訂正する。


「ああ、すまない、すまない。一般枠


では落ちたんだ。お前は一般枠で入っ


たからわからんだろうが、実はもうひ


とつ枠があってな…」


「え!?そんなものが?」


「ああ、募集用紙には書いてなかった


が海軍の重役による推薦がある。テス


トを重役が見て見込みのありそうな奴


を推薦としてとる。私は将来性がある


と言われ推薦で入隊した。その時推薦


してくれた人が、紛れもなく今のここ


の鎮守府の提督だ。」


「へぇ、そんなことが…。なら提督は


村田さんにとっては恩人な訳ですね」


「ああ、お陰で治療費も集まり娘は回


復していっている。提督には感謝して


もしきれないよ。治療費が集まりきっ


ても俺は軍に残る。今度は俺が提督に


恩を返さなきゃだからな…」


「そうですね。頑張りましょう!ん


じゃいっちょ乾杯といきましょう」


岩本が近くの棚にある日本酒をポンッ


と開ける。


「ああ、そうだな。明日からまた頑張


ろう」


男達は酒を飲むと明日に備えて床につ


いた。









In執務室


「あの、提督」


「どうした。」


「何で村田さんを推薦で採用したんで


すか?」


「何でって…。勘だよ勘。並々ならぬ


気迫を感じてな…。子を守る親は強い


んだよ。動物にも人間にも通用する決


まりみたいなもんだ。お前もそのうち


分かるさ」


「せめて1回くらい女性経験を持って


から言ってくださいね?」


「うっ」






涼しくなってきた秋口のある朝、


騒がしい声が聞こえてきた。


いや、そのせいで起こされたのだ


ろうが。あらかた予想できるが、一応


その声の発生源に行く…………。






ここは喧嘩の絶えない空母部屋だ。


いや、正確には瑞鶴と加賀の仲が悪い


のが原因なのだが。


さて、覚悟を決めて入るか…


「おーい、朝からうるさい…んげぇ!」


と、言い切る前に顔面にものすごい速


さで何かが当たった。痛さの残る顔面


を擦りながら当たった物を見てみると


それは枕だった。意外に平和な喧嘩


らしい。部屋を見ると枕や布団が散ら


かり放題ではないか。


「だいたい、あんたがいつもと違うあ


んなところに寝てるから!」


「はあ?そのようなことは寝る前に確


認できたはずよ」


「むきぃぃ!あったまきたー!」


やはり加賀と瑞鶴の喧嘩だった。


まったくいい年してしょうがないやつ


らだ。軍人として恥ずかしい…。


と、そこへ加賀と瑞鶴の仲介をしてい


たらしい翔鶴が困り果てた様子でこち


らに助けを求めてきた。


「あ、あの、朝からすみません!実は


昨晩寝ているとき瑞鶴の寝相が悪く


て、加賀さんを何度も蹴ってしまいそ


れが火種になって…」



「なるほどな…」


まあここは場を和ますためにも冗談を


いれてみるか。


「ははは!二人とも気にくわないなら


演習でけりをつければいいじゃない


か!」


予想通り二人ともぴたりと止まりこち


らを見た。すると何故かお互いにまた


見合い双方納得したような顔をする。


えっ、嘘、まじで?いくらなんでもそ


こまでしないっすよね?


「ふふ、いいでしょう。ここで引導を


渡してあげましょう、五航戦」


えっ?


「望むところよ、覚悟しなさい!」


えー、まじかー。どうしてそこまです


るよー。


「もう!提督どうするんですかー!」



「あ、なんかごめん…」








~演習場~


演習場、端的に言えばそれは工廠の真


裏にある巨大な室内プールのことであ


る。


毎日各々がコンディション調整等に


使っている。


こうやって内部同士の演習でも使われ


ることもある。もっとも普段はこんな


下らない理由では使わないのだが…


今回は俺が言い出しっぺということも


あり止められずにいるわけだ。


「やられる準備はいいかしら?」


「ふふ、その減らず口閉じてあげ


る。岩本さん頼むわよ!」


「はいよ、嬢ちゃん。」


そういって瑞鶴の後ろから歩いてきた


彼は、30センチもない身長だ。岩本


さんが妖精さんになったバージョン


だ。


「頼みましたよ赤松さん。」


「おうよ、姉ちゃん!」


続いて加賀の後ろから出てきた「赤松」


さんも30センチほどしかない。


そう、この二人に限らず妖精には


色々いる。医療、建造、戦闘


と、色々こなすのだ。


そしてもうひとつ。


妖精も人間だということだ。どうして


こんなに小さくなれるかという


と……実はあまり知らない。まあ、小


さくなるにはそれ用の薬だかが必要だ


とか。それによりもとに戻る薬を飲む


まで妖精になったままだ。正直かなり


危険な薬だよな。


小さいときはすごいデフォルメ感


がするが、普通の時は青年、おっさん


といった感じだ。


と、ここでちょうど岩本さんと赤松さ


んが二人の矢筒に入った。どうやら搭


乗の準備を始めたらしい。


あーあ、やっぱ止まんねぇやい。


ここまでの移動中二人の話を聞い


た感じ、どうやらを零戦1機飛ばし


て、けりをつけさせるらしい。


そうなるとお互いに今出てきた二人で


戦うのだろう。模擬演習だからペイン


トボールを使うから死にはしない


が、緊張はやはりする。まあ、正直


興味深い勝負ではある。


ここでようやく二人がお互いに反対側


の岸に付いた。800メートル四方の巨


大なプールもこうともなれば小さ


い。ありがたい血税でできているから


文句は言えんが…。


そして、二人が矢を引きはじ


めて……………。放った!


お互い真っ直ぐに飛んだ矢は、空中で


輝きそこから零戦が一機ずつ出て


きた。このときのお互いの距


離750メートル!直ぐに撃ち合うかと


思いきや、お互い直ぐに


旋回して円を描くようにして間合いを


とっている。何とかいい角度を見つけ


たいのだがお互いに照準に入らない。


ここで先に動いたのは赤松さんだっ


た。旋回をやめて真っ直ぐに飛び始め


た。これに真っ直ぐに付いていく岩本


さん。しかし、直ぐに赤松さんは動き


を見せた。真っ直ぐに窓側に飛ぶ赤松


さん。だがどうしたことか2機とも開


いている窓から演習場の外に出ていっ


てしまった。


「「「「え?」」」」


しばらく演習場で沈黙が続く。


私もあまりに困ったもんだから加賀さ


んに状況説明を求めることにした。


「えー、と加賀さん?」


加賀さんはしばらく無表情のまま黙り


こみ、少したち口を開いた。


「みんな優秀な子達ですから…」


はい、誤魔化しましたね。


と、そこへひと悶着している間に2 機


とも帰ってきた。着艦し、よう


やく二人が機体から出てきた。どうし


たことか赤松さんは物凄い剣幕で


言葉を捲し立てた。


「大変だ、姉ちゃん!漁船が深海棲


艦に襲われてらぁ!」


「赤松さん落ち着いていて下さい!正


確な位置と状況を!」


私が落ち着かせるとようやく一息着い


て話始めた。


「ああ、すまねぇ。場所はここから北


北東、敵は駆逐艦2、軽巡1、と、あ


まり大したこたぁねぇが、早くしねぇ


と!」


「ありがとうございます!赤松さ


ん!今から準備ができ次第出撃しま


しょう!」






先程までいざこざがあった瑞鶴、加


賀、慌てて準備をした翔鶴、究極の遠


征過労神響、眼鏡の霧島、お前のよう


な駆逐艦がいるか浦風の6人の出撃


だ。そして私は6人につけた無線で戦


闘海域の外の海域に船を留めて指示を


出す。まあ、過度な編成だが一刻を争


う事態だ、即刻殲滅を図る。


そこへ、旗艦の加賀から無線が入っ


た。


『敵艦隊捕捉。距離50キロ。第一次


攻撃隊の要をもとめます』


流石空母の目と偵察機だ。遠くまでみ


えるな。空母は他の艦種よりかなり目


がいい。10キロ先の砂粒も見えると


か…


『ああ、だが、まず随伴艦が漁船から


深海棲艦をおびきだし、漁船の退路を


確保しろ。それまで空母は前に出


ず、航空機を待機させ随伴艦とタイミ


ングを合わせろ。随伴艦が敵をおびき


だしたら総攻撃だ。回りにも十分注意


しろ。何が隠れているか分から


ん。』


『分かりました。ではいきます』


プツンッ、加賀からの無線が切れた。


「提督、大丈夫でしょうか?」


こちらは今回の私の護衛の赤城。よく


食べ、よく寝るが、それ故に強者


だ。


「まあ、大丈夫だろ。慢心さえしな


きゃな」


これには赤城も苦笑いだ。やはり艦の


頃の記憶を受け継ぐのは本当みたい


だ。不思議な話だ。







ドーーーンッッッ!加賀の艦載機が敵


の最後の駆逐艦を撃破。これで全部片


付き、漁船も無事港に帰ったとの連絡


も入った。加賀が一安心して息をつ


く。繊細な彼女は気を張りすぎるの


で、疲れやすい。だか、それが、それ


だけが彼女の最小にして最大の弱点


だ!後ろから迫り来る敵の残党であろ


う敵機の艦攻に疲労のため気付いてな


かったのだ!敵はごうごうと死の足音


を立てながら加賀に接近する。


「加賀!危ない!」


「加賀さん!」


瑞鶴、翔鶴の声は加賀に届かず加賀は


まだ気付いていない!


「くっ、間に合って!」


「間に合って下さい!」


瑞鶴、翔鶴が艦載機を急いで放つ。加


賀と敵機の距離はそう遠くない。二人


の艦載機は急速に敵機との距離を縮め


る。敵は単機と言えど雷撃されれば堪


らない。敵機が加賀を雷撃出来る距離


に入った!その瞬間、瑞鶴の艦載機が


敵機の左翼を、翔鶴の艦載機が敵機の


右翼を破壊して撃墜した。


ドーーーンッ!


敵機の爆発音で加賀がようやく気づ


き2機が飛ぶ空を仰ぐ。そこには二機


の零戦。


「あれは五航戦の艦載機…。まさ


か!?」


加賀がハッとすると、瑞鶴、翔鶴が急


いで駆け寄ってきた。


「まったく危なっかしいったらありゃ


しない!しっかりしてよねっ!」


「大丈夫ですか!お怪我はありません


か?」







加賀side


まさか……五航戦に助けられるなん


て…。あまつさえ敵に完璧に背後をと


られるなど…。しかし、それは事


実、私の至らぬところと認めましょ


う…。悔しいですが仕方ありませ


ん。五航戦の二人がこちらに駆け寄っ


てきます。


「まったく危なっかしいったらありゃ


しない!しっかりしてよねっ!」


「大丈夫ですか!お怪我はありません


か?」


珍しく五航戦の黒い方にも心配されな


んと反応していいか分からない。私は


感情的に反応してしまいそうになる


が、抑える。ですがなんだか心配され


るとイライラさせられます。なぜだか


は分かりませんが腹のそこから心底イ


ライラさせられます。それを見てか五


航戦の黒い方がむっとする。なんだか


この顔にもイライラさせられま


す。まったくなんですか。


「何?なんかいいなさいよ!こっちが


どんだけハラハラしたか!」


やはりイライラします。ですがそれは


いつものものと違いただイライラさせ


られるものではありませんでした。そ


の瑞鶴の顔を見てふと気づいたので


す。私が二人に持っていた気持ち


に…。今までの二人に対して持ってい


た気持ちを隠していた霧が晴れたよう


な感じがしました。確かにだんまりが


過ぎたかもしれない。私は素直に気持


ちを述べることにした。


「ありがとう、瑞鶴、翔鶴。助かった


わ…」


私はそう言い残すと、素早くその場か


ら水しぶきをあげて立ちる。


「ちょっと!なんていったの!?聞こ


えないー!あー!て言うか決着ついて


ないー!まちなさーい!」


そう叫ぶ瑞鶴を翔鶴がなだめる。あ


あ、私はきっと二人に追い越される不


安と二人が成長していく期待が入り交


じった複雑な気持ちを抱いていた。


だけどそれをうまく伝えられなかった


だけ…。二人の成長に対する焦り、


先輩として、格上としての


プレッシャー、葛藤が邪魔していたの


だとやっと分かった。そう、だからこ


れからは二人としっかり向き合おう。


そう決めた。そして堂々と先輩として


後輩に残すもの、あげられるものをあ


げよう。だって自分の先輩が自分も分


からない情けない人だったら嫌だか


ら…。そう、だから今回の勝負は私の


負けにしてあげる。だけど私の子が負


けた訳じゃない。まだ、まだ負けてな


いから…。だから…。


「五航戦の子と一緒にしないで」


私はいつもの台詞を青い空に吐き捨て


た。その空は見事な秋晴れだった。






その夜、秋の夜らしく涼しく過ごしや


すい夜だったので、散歩をすることに


した。玄関から出ると、雲一つない空


に浮かぶ満月が照らす海がきれいだっ


た。


「いつもこうならいいんだがね…」


何でもない独り言を呟きながら歩いて


いると港で海を眺めながら座っている


一人の飛行兵がいた。あれは…赤松さ


んだ。


「赤松さん、どうしたんですか?」


私が声をかけるととっくりを持ちつつ


赤松さんが振り向いた。そのとっくり


の中には満月がゆらゆら揺れていて完


全に出来上がった赤松さんと絵をな


る。


「おー、提督じゃねーか!まあまあ、突っ立ってねぇで一緒に飲もうや!」


赤松さんがパンパンと自分の横を叩き


まあまあ、座れやと急かす。


「では、失礼します。」


私が腰を下ろすと早速とっくりを渡し


てきた。


「あ、ありがとうございます。」


「おらおら、いっつもしかめっ面してねぇで飲め飲め!」


赤松さんが私のとっくりに並々と酒を


注ぐ。


「ありがとうございます。やっぱりそう見えますか?」


「ああ。まあ、この酒飲んで気分転換でもしようや!」


では、と私が酒を飲むと…うまい


な…日本酒か…。私の好みだ。後がく


どくなくて飲みやすく、喉をすんなり


通る。そんな私の気持ちでも察したの


か赤松さんは


「はははは!!うまいだろ!こりゃ


なー俺の女房とお袋とまだがきんちょ


の子供が造ってくれてる日本酒さ!よ


しよし、飲め飲め飲め!」


さらに赤松さんはさらに上機嫌になる


と私のとっくりに酒を注ぐ。ふむ、久


しぶりに飲むとするか。


が、赤松さんのテンションはすぐに下


がり赤松さんはとっくりを悲しげに見


つめながら話を始めた。


「なあ、提督は何のために戦うんだ?」


いきなりの質問に私は戸惑ったが素直


に答えることにした。


「私は…私が生きるため、国を守るた


めです」


私は海を眺めながら言うと、赤松さん


も顔をあげて話始めた。


「やっぱりそうか。俺も家族のため


だ。だがよ、相手だって同じだ。なら


どうする?自分と同じ守るべきものの


ために戦ってるかもしれねぇし、んな


もんもねぇかもしれねぇ。なあ、どう


すんだ提督は?」


赤松さんのこの問答。戦う者なら誰


だって考えるだろう。相手の命を奪う


のだ。考えるなと言う方が無理な話だ


と思う。だからこそ私も答えを出して


いた。


「私はそれでも守るべきもののために


戦います。私には代えがたい大切なも


のにはかわりないから…」


「はははは!安心したぜ!俺もだ。守


るべきもののために殺すんだ……俺も


な。何よりも大切だからな。だけど人


として大事なものは殺すなよ。そ


らぁ、ただの殺人鬼以下だ。」


「はい。ですから、一刻も速く終わら


せましょう……なくさないように…失


わないためにも」


二人は一緒に酒を一気に飲み干す


と、はっーと息をついた。


「ま、明日からまた頑張ろうや」


「そうですね…」


私はこの時愛するもののために戦うこ


とを改めて決心した。だか、愛するも


のと愛するものを天秤にかけたら私は


どうすればいい?そんな疑問が残った。








最近寒くなってきたな。12月に入ってから


急に冷えてきて布団から出るのも嫌にな


る。というか寝室から出たくない。とりあえ


ず寒い。うん、寒い。そんなわけで布団から


意を決して出るわけだが……………寒い。


まあ、仕方ないからストーブでもつける


か。私が意を決して寝室から出て隣接してい


る執務室に行くと突然、ドサッ!廊下で何が


衝突したな。


「不知火に落ち度でもっ…」


加えて廊下からなぜか力ない断末魔みたいな


ものと共にドサッと、何かが倒れる音が聞こ


えたんだが………大丈夫か?急いで廊下に出


ると不知火がうつ伏せに倒れていたので一瞬


唖然と見つめてしまった。な、何があったん


だ?その様子はあまりにも酷い。目立った外


傷はないが虫の意気といったところだ。


「大丈夫か?」


私が声をかけると不知火は先程までの意気消


沈ぶりとはうって変わって倒れている体を


ゆっくり起こし私を見るなり驚きの発言をし


た。


「ん?おじさんだあれ?」


……え?







「うぉぉ!不知火よぉー!どーしてじゃー!」


こいつはコードネーム『利根』、実名利根川


未希。不知火が死んだみたいな言い方をして


るが実際は記憶喪失だ。あと、医務室で騒ぐ


な。


「私の料理を食べれば治るのではないか?」


この世にも恐ろしいことをいってるこいつは


コードネーム『磯風』、実名は磯田鳴海


だ。その恐ろしい料理は犬も食わぬどころか


土にも還らないと揶揄されるほどだ。


「ちょっと!クソ提督!何とかしなさいよ!」


続いてこの元気のいい子はコードネー


ム『曙』、実名は都中雅(みやこなかみや


び)。口はあれだががんばり屋で意外と優し


い。口はあれだけど。


「あ、あの…大丈夫でしょうか?」


「メシマズ!」


続いてコードネーム『潮』、実名は神田文代


とコードネーム『漣』、実名は笠間漣


(れん)だ。皆心配してきてくれたようですっ


かり狭い医務室はぎゅうぎゅうだ。まあ、こ


こにいないやつは忙しいだけだが。不知火は


記憶を全部は失っていないみたいで自分の名


前を覚えているところから見るに一部は覚え


てるみたいだ。騒がしい医務室に


「不知火さんが記憶喪失になったって本当ですか?」


入ってきたこいつはコードネーム


『赤城』、実名は赤城美穂だ。もはや医務室


はぎゅうぎゅうだがなんとか入るくらだ。赤


城が不知火に近寄り背を丸めて視線を合わせ


ると、赤城が口を開く前に不知火がもの凄い


落ち度を犯した。


「ねぇ、だあれこのおばちゃん?」


あー、いくら記憶喪失だからって…ほら赤城


が笑顔で怒ってるぞ。


ひぇぇ、怖い怖い。ん?まてよ…もしかし


て…。私は一つ気掛かりなことがあった。


「なあ、皆。もしかして不知火は記憶喪失じゃなくて幼児後退じゃないのか?」


「どういうことじゃ?」


利根の疑問はもっとだ。私だっていきなりこ


んなことを言われたら訳が分からない。


私は細かく噛み砕いて説明することにした。


「つまりだなさっき不知火は赤城のことをおばちゃんと言った。だが不知火くらいの年の子なら赤城を例えおばちゃんに見えたとしてもそうは言わずおねぇさんと言うだろ?あと、幼い言動、幸いにも不知火は記憶の全部は飛んでない。これらを加味すると最悪記憶喪失と幼児後退両方。これが有力じゃないか?」


「おー!なるほど!流石じゃな!」


利根は感心しているがこれに疑問を呈したの


は曙だった。


「って、余計悪いじゃない!」


「まあ、そうなるな」


「日向さんの真似しなくていい!」


おっとそんなつもりはなかったんだがこの際


気にしないでおこう。


「まあ、いつまでもここにいてもしょうがないあとは俺に任せて皆は部屋へ戻ってやることやれ」


はーいと、皆がずらずら出ていくなかに赤城


だけが笑顔で残っていた。


「ど、どうした?」


「まさか提督まで私のことをおばちゃんなんて思ってませんよね?」


「そ、そんなわけないだろ」


私はさらっと流すが赤城の笑顔がこい…。


しまった。否定しなかったのがまずかった


か…。なんでこう私は不器用なんだろう…。






赤城もでていったし妖精もいないし私が


コードネーム『不知火』、実名は不知火豊子


に問診をしよう。そうだなまず………


「なあ、不知火。」


私はしゃがんでベットに座る不知火に目線を


合わせて話を始めた。


「なあに?」


不知火にはいつもの眼光の鋭さはなく幼い無


垢な少女といったところだ。なんか違和感あ


るな……。


「何でさっきは廊下に倒れていたんだ?」


私の質問にうんうんと頭を抱えて悩みだ


す。その姿まで子供さながらだ。だがとうの


不知火は中々思い出せないようでしばらく悩


んだのち


「うーん思い出せないよぉ」


と思考放棄。困ったな…。はてさてどうした


ものか。私がしばらく悩んでいると医務室の


前にに人影が。


「ふふ、困っているんならうちを頼ってもええんよ?」


「お、おまえは浦風!」


「いやいや、静かにせえよ?と、提督さん不知火は大丈夫なんか?」


コードネーム『浦風』、実名は浦辺志保が部


屋に入るなり今まで整備に忙しくて来れな


かったことを手短に話すと不知火の顔を覗き


込む。不知火は勿論覚えてないだろうが…


「あ、浦風ちゃん」


…………ん?今、何て?


「お、おい!不知火、今なんて?」


「え?浦風ちゃん?」


おお!覚えてるな。よし、これなら………


「何でさっき廊下に倒れていたか思い出せるか?」


「ゆっくり思い出せばええんよ?」


少しでも人を覚えているなら人的被害の場


合、加害者を思い出せないものだろうか。さ


らに不知火がうんうんと悩んだのちに何か思


い出したようにはっと顔をあげる。


「お、思い出したか!?」


「うーん、きんいろのかみのおねぇちゃんにぶつかったかな?すごいはやかったよー。それしかわからなや。」


金髪?おかしい…この鎮守府には金髪のやつ


なんて……あ。そういや今年もあの時期か。


「浦風!察しがついた。ここで不知火をみていてくれ」


私は浦風のええよという返事を聞くと心当た


りのあるところへ向かった。







空母部屋周辺、恐らく犯人はここら辺の近く


に…


「どこいったの!カデ…翔鶴ー!」


ほらいたよ。あの金髪の女が。

こいつはエンタープライズ。アメリカの艦娘


で正規空母だ。金髪、青目、色白、ボッキュ


ンボンでキャミソールに短パンと活発な女性


といった風貌だ。活発すぎてこちらとしては


毎年苦労するが、どこか憎めないのは何故だ


ろうか。だがそんなエンタープライズに呆れ


る奴もいるが。


「うるさいです。……はあ、また貴女ですか。」


ガチャッと自室の部屋を開けて出てきたのは


加賀。こいつはエンタープライズに呆れてい


る奴のうちの一人だ。毎年のことでもやはり


イライラするらしい。


「翔鶴は今個別鍛練でいないぞ」


私が後ろからエンタープライズにさらっと嘘


をはきつつ呆れた様子で言うなり凄い勢いで


その髪をなびかせこちらを振り向く。


「な、なんですってー!まさか毎年避けられてるんじゃ…」


「まあ、あり得る」


「あり得ます」


私と加賀が容赦なく叩くとそいつは打ちひし


がれてしまった。よしよし、そのまま騙され


てくれ。まあ、本当は翔鶴は今日のこの時間


は工厰にいるはずだがな。おっと、本命を忘


れるとこだった。


「それでだ、エンタープライズ、お前廊下で誰かにぶつからなかったか?」


「ああ、急いでたからよくわからなかったけど…。あ!なんか小さい子にぶつかったかも!」


かもって、どんだけ急いでたんだよ。てか朝


早くから来んじゃねぇよ。迷惑な奴め。まあ


いい。さっさと不知火を連れてくるか。


「おい、エンタープライズ。応接室で待ってろ。すぐにあいつを連れてくる。し…」


「え!翔鶴!?分かったわ!」


私の言葉を聞くや否や応接室方面に全速力で


走り去った。まだ最後まで言ってないんだ


が…。何か食い違いがある気がするけど…


まあ、いいか。








~応接室~

じーっ、と不知火がエンタープライズを見つ


めるが、あと一踏ん張りで思い出せそうで思


い出せないようだ。


「ねー、アドミラル光田?まさか翔鶴じゃない?」


「あほ、どうして少しでも翔鶴に見える。」


エンタープライズの的はずれな質問に呆れ


る。というか、やっぱり食い違いがあった


か。


「だってアドミラル光田は翔鶴連れてくるって言ってたでしょ!?」


「はあ?言ってねぇよ。翔鶴とは」


「卑怯よ!詐欺じゃない!」


「はあ!?ふざけんな!何が詐欺だよ!ってか、最後までちゃんと人のはなし聞いてから言えや!」


私たちがいがみあっていると不知が「あっ」と


何か思い出したように唐突に声をあげた。


「お、不知火、思い出したか!」


「………あと少し……何か心臓がバクバクする……」


心臓?普通頭じゃないのか?やっぱり艦娘と


は分からないな。うーん、どうしたもか。


しばらく応接室に静寂をまとった空気が流れ


るが、それはすぐに不知火によって破られ


た。


「あ、……何か……。」


「おっ、今度こそか?」


あのあどけない顔つきだった不知火がまたい


つもの少し無愛想な不知火に戻った。


「……はい。思い出しました。」


この淡々とした口調、声のドス、間違いない


元の不知火だ。口ぶりからすると幼児後退ま


で治ったか?何の拍子で戻ったのかと言え


ば、加害者のエンタープライズと会ったのが


原因だろうか。だがいきなり記憶も何もかも


戻るとは奥深く恐ろしいやつらだな艦娘と


は。


「で、お前に廊下で危害を加えたのはエンタープライズか?」


「はい、それはもう思いっきりぶつかられました。ギロッ」


ひぃぃ!やっぱり目付き悪いよこいつ。


その眼光で人殺せるよ…。


「ほ、ほれみろエンタープライズ。」


「うう、悪かったわよ。ごめんなさい不知火」


エンタープライズが申し訳なさそうにしゅん


とする。まあ、気持ちは分かるが、なんだろ


うかエンタープライズがしゅんとショボくれ


るのは凄くシュールだ。だが、なぜが不知火


は不安そうだ。


「どうした?調子でも悪いか?」


「いえ、問題ないです。ですが、こんなに騒いだお陰で…」


ガチャッ


「て、提督!何かあったんでか!?…あっ…」


一連の騒ぎを聞きつけたのであろうか。翔鶴


が来てしまった。ああ、めんどくさい…


「ふふふ、ここであったが73年目よ翔鶴!」


「あ、あはは…いらしてたんですねエンタープライズさん…」


翔鶴が顔をひきつらせる。当たり前だ、私が


翔鶴だったら私も同じ反応をするだろう。


「あのー、何か御用ですか?」


おっかなビックリで翔鶴が尋ねる。


「わかりきったこと言わせないで!勿論勝負よ、勝負!」


エンタープライズは張り切って勝負を挑むが


翔鶴の顔はひきつったままだ。実はこれが初


めてではなく幾度となく来るからあの翔鶴が


明らかな拒否反応を示しているのだ。エン


タープライズは気づいてないようだが…。


「止めてくれエンタープライズ。翔鶴は鍛練してきたばかりで疲れているんだ。」


「ええー!じゃあなんのために私は太平洋わたってきたの…」


いかにもがーんという効果音が聞こえそうな


顔をするエンタープライズ。勿論鍛練なんか


ないがな。そして対照的に翔鶴の顔が


パアァァと晴れる。そんなに嬉しいか。ま


あ、分からんでもないがな、その気持ち。


「まあ、そのなんだ、それについては申し訳ない。今日はもう暗いから泊まっていけ。いくら安全な太平洋言えど安全とは限らない。疲れもあるだろうからな。」


「うう、じゃあ、そうさせてもらうわ。私についてきた外で待ってる他の娘もいいかしら?」


「勿論だ。」


そう、太平洋は今となっては制海権を得た


が、数年前、深海棲艦との開戦時は相手に制


海権を取られていた。だが、日米の連携のた


めに最優先で制海権の奪還を図られたの


だ。割りと苦戦もしたな。結果、犠牲者も多


く出た。こちらが今ほど戦力が整っていな


かったせいもあるが、その数は甚大だっ


た。何せまず相手にろくに攻撃は届かない


わ、対してこちらは一発大破や轟沈は頻繁に


あった。それはそれはたまったもんじゃな


かった。今はこれだけ戦力が整っているのが


当時の人からすれば羨ましいだろう。それで


も被害は絶えないが……。でも当時よりはま


しだ。あいつらにもこんな装備つけさせてや


りたかったな……。






結局、一晩してエンタープライズたち


は任務があるからと帰っていった。嵐


のようなやつだったな。正直対応に疲


れたので今日は寝たい。


だがそんな私の疲れとは裏腹に明石や


大淀、駆逐艦の皆がやれイルミネー


ションやらクリスマスツリー等のクリ


スマスの準備をしていて賑やかだ。


はあ、今年もクリスマスが来ちゃう


よ。あと少しだよ。だいたい毎年クリ


スマスが来る度に私は日常から隔離さ


れているのだと思う。ここはラノベな


らかわいい部下がプレゼントの1つや


2つでもくれて、デートでもするんだ


ろうなと、真昼間からどうでもいい事


を考える二十代半ば独身甲田提督。


はあ……、私が雑念とも言えよう余計


な事を考えていると扉を静かに叩く音


がした。これは翔鶴だな。


「入れ」


「失礼します」


ガチャと静かに扉を開けて入ってきた


のは天使翔鶴。天使と言うのは、クリ


スマスになると翔鶴が何かしらしてく


れたり、プレゼントをくれたりと私に


浮き世を体験させてくれるからだ。こ


んな二十代半ばの男になんて気のきく


いい娘なんだろうか。


「提督、お話よろしいでしょうか?」


「ああ、構わん」


私は先程までの雑念を見せぬよう、あ


たかも真面目に執務をしていたように


装う。ふふふ、完璧だ。


「こ、今年もクリスマスが近いですね!」


「お、おう、そうだな」


いきなり声を大きくした翔鶴は少し驚


いた私に気付いたのかすみません、と


顔を少し紅潮させ小さな声で謝る。い


きなり大きな声出すんだから、心臓に


悪いよ。時々この娘はそうなんだよ


な…。


「なんだ、プレゼントでも今年もくれるのか?」


私が冗談半分、期待半分で聞くと


「…!は、はい!楽しみにしていて下さい!」


と、期待通りの返事と健気な笑顔が眩


しい。にしてもなんだ、何で翔鶴はと


きどき大きな声をいきなり出すんだ?


普段はあんなにおとなしいのに。


まあ、いい。ちょうどここにいるし頼


み事でもするか。


「あー、翔鶴。年末も近いから資材の確認を倉庫でしてきてくれないか?大本営がうるさくてな。」


「はい!お任せ下さい!」


「お、じゃあよろしく頼む」


元気よく返事をし、一礼して部屋を出


ていった翔鶴は倉庫に向かって行っ


た。その姿はやはり綺麗だ。私も普通


に生活をしていたらあのくらい綺麗な


嫁さんでもいたんだろうかと思うと悲


しくなる。


はあ………まあ、この生活に満足はし


てるんだけどな……。


なんだかな……。







翔鶴は今提督からの指示で倉庫に資


材確認をしに来たのだが資材の山に埋


もれている何か古ぼけた書類を見つけ


た。黄色に変色しているのを見る


とだいぶ前の書類であるというのがす


ぐに見てとれた。肌触りもざらざらな


それを読んでみると、


『旗艦甲田、その他連合艦隊隊員に命ずる。是をもって連合艦隊を解散し、諸君等の戦闘任務を終了とする。各自、次の世代の育成に当たり戦力の確保に勤めよ。』


と、書いてあるがさっぱりだ。


旗艦甲田?次世代?翔鶴にはよく分か


らないことばかりだ。


「えーと、よくわからないけど甲田提督は提督であって艦娘ではなく提督ですよね?どういうことでしょうか。

えーーと、えーーと」


「へー翔鶴姉ぇ面白いの持ってるじゃん。見せて見せてー」


何処からともなく現れた瑞鶴は翔鶴の


返事を待たずに背後から件の書類を奪


う。


「ず、瑞鶴!ちょっと!」


翔鶴が慌てて制止するも瑞鶴はすっか


り見入ってしまい、返す様子はない。


「へー、提督さん艦娘だったんだー。

しかも連合艦隊旗艦なんてかっこいいじゃん」


瑞鶴があまりにも的はずれな事を言う


ので思わず翔鶴は苦笑いしてしまっ


た。問題はそこではないのだが。


「ず、瑞鶴?提督は提督で男性であって女性じゃないのよ?」


「あ、そっか…………えーー!!」


ようやくおかしな点に気付き、驚く瑞


鶴にまた苦笑いをしてしまった翔鶴


だった。





結局二人は件の書類をどういうことか


提督に尋ねることにした。無礼とは分


かっているが、どうしても気になった


のだ。連合艦隊、旗艦甲田につい


て、聞きたいことは沢山あるが、とに


もかくにも執務室に行き提督に聞きに


行った。てっきり提督は話すのを渋る


のかと思っていた二人だったが、予想


に反して提督はあっさりとこのことに


ついて話してくれた。


「ああ、それか?何から話したらいい?」


「そんなあっさり……。」


瑞鶴はあまりにも提督があっさりと答


えてくれたので唖然とする。


「ま、知っといて損はないし、大本営からも口止めされてないしな。」


「じゃあ、旗艦甲田って?連合艦隊って今の連合艦隊みたいなやつ?第なんちゃら世代って?」


瑞鶴が興味津々に言葉を捲し立てて直


ぐに質問をする。その瑞鶴に反して提


督は落ち着いた様子で話を始めた。


「まあ、連合旗艦甲田だが、紛れもなく私の事だ。まあ、私の偽名だよ。

お前らで言うコードネームのようなものだ。それと、艦娘はいわゆる第2世代の改造人間と言うわけで、その改造人間第一世代が私を含む各鎮守府にいる提督ということだ。昔は私達第一世代が深海棲艦と戦っていてその時の私を旗艦とした連合艦隊だな。他に何かあるか?」


「えーと、つまり今各鎮守府にいる提督はみんな普通の人に見えても改造人間第一世代?だかというの?」


「まあ、そうなるな。元はお前らといっしょで人間だったわけだが、私達はお前らと違って体を強化細工をしてある。といっても艦の魂をいれるのより数倍弱いがな」


「提督、日向さんお好きなんですか?」


翔鶴が少しムスッと聞いてくる。翔鶴


にしてはやけに不機嫌そうだ。


「いや、普通だが」


が、提督はあっさりと否定。


「あ、そこはまあ、そうなるなじゃないんだ」


「と、話が脱線したが私達第一世代はずいぶんと性能が低くて、おまけに艤装と強化細工だけしかないんだな。」


「擬装って私達がつけてるあの既存の兵器じゃ深海棲艦に通用しないからって造ったれ?」


「ああ、だが私達はお前らと違い艦の魂がない。お前らの場合、艦の魂は各ステータスの上昇、大破をすると一定時間轟沈しない、練度を上げて艦の魂と同調し続けると更なる能力上昇が望める等の効果があるが、私達はそれが無かったから死ぬったら死ぬ、勝てないったら勝てない。だが、そこに救いの手があった。第一世代末期、遂に艦の魂を入れる技術が確立された。私が最も尊敬した恩師であり私の上司、初代連合艦隊司令長官によって作られた。これで押され続けた太平洋戦線も一気に巻き返し、奪還できたんだ。」


「へぇー、提督さんすごいじゃん」


「あら?二人ともあまり驚かないんだな。」


「最初はその系統の話は驚きましたが、ほとんどそちらの話は慣れましたし…」


翔鶴が苦笑いで返す。まあ、そうだよな。実際、私もそうだった。


「と、まあ最後になるが記念すべき初代艦娘は…」


提督が言いかけたところで、扉をコン


コンとノックし「鳳翔です」と、おしと


やかな声が扉越しに聞こえた


「おっと、すまんな二人とも。ちょうどだ。よし、入れ」


二人ともちょうどの意味がよくわから


ないまま鳳翔が入ってきた。


「ずいぶん懐かしい話をしてるんですね」


その顔は優しい顔つきで、見たものを


安心させる顔だ。


だが何か殺気にも似た何かを時々放つ


少し怖い奴でもある。


「まあな。ちょっと昔話をな。話を続けるがご存知お前らの先輩鳳翔さんこそが太平洋戦線を潜り抜け、太平洋戦線の奪還の立役者初代艦娘鳳翔だぞ」


「「……え?」」


あまりに突然の事に暫く二人はポカー


ンとしてから目を見開いてうそっ、と


あり得ないといったふうに驚く。


その横で鳳翔がそんな大袈裟です


よー。恥ずかしいです……と、頬を赤


らめる。


「え、え、鳳翔さんが!?」


まあ、瑞鶴落ち着けよ。取り敢えずそ


のポカーンと開けた口を閉じろ。


「まあ、そうなるな」


提督がまたまた日向の真似をする


が、驚きで二人がそれに突っ込む余裕


はないようだ。


「話を続けるが、大本営は艦娘を作れるようになってからは、早急に空母が必要と見て早めに空母を作ろうとしたが何故かどんな屈強な男が適正検査を受けても誰も空母鳳翔の適性はなく魂の同調ができなかった。そんな中どうしても深海棲艦との苦戦ぶりを見ていられなかった鳳翔さんは、男しか適正検査を受けられないもんだったから、女なのに男と偽り入隊し、空母鳳翔の適性を手に入れたのが今目の前にいる鳳翔だ。まあ、すぐに女とばれたけどな」


提督がはっはっはっと笑い、鳳翔が顔


を赤らめてやめてくださいよーと若干


いちゃついてるのも気にならないくら


い二人は驚きのあまり放心状態だっ


た。






空母鳳翔、今は戦線をほとんど退いて


いるが、若いときはその猛々しさと


いったら男以上だった。今は基本艦娘


は15歳程度で入隊し、適性調査を


し、適性があればこの世に1つしかな


い貴重な艦の魂を入れる。戦艦、空母


ならば17~20歳くらいに見た目が本


来のものから変わり、重巡なら


ば16~20程度、軽巡はおおよそその


まま、駆逐艦ならば10~15といった


具合だ。15歳程度というのも、ちょ


うどこの15くらいの歳の娘が艦の魂


と同調しやすいらしい。そして艦娘に


はもうひとつ特徴がある。艦娘になっ


たことによって変わった見た目のまま


ずっと変わらないと言うことだ。


つまり、その状態で体内時間が止ま


りっぱなしということだ。


無論筋力や体力がつくにはつくのだが


艦の魂に蓄積されるので彼女らの見た


目はいつまでも変わらない。


これも戦況を有利に運ぶためらしいが


、あまりにも残酷だ。


要するに終戦まで戦うか、死ぬまで戦


う、この2つの選択しかないのだか


ら。老いによる解雇はないのだ。


しかしこれらには例外がある。


ひとつは解体。これは甚大な損傷を受


けたり、不祥事を起こしたりした場


合。もうひとつは、鳳翔は適性はあっ


たのだが、20くらいなもんで艦娘に


なったせいで、適正年齢から外れてい


たせいで艦娘としての力を長くは維持


できず、力が衰えてしまっていって戦


線を離れることを余儀なくされた。


こういったことは鳳翔しかなかった。


しかし、その活躍ぶりは国民にも


知れ渡り、今や国内では英雄、国外で


もその名は広まった。翔鶴と瑞鶴がこ


の事を知らなかったのも無理はな


い。名前は何となく入隊する前から聞


いていたらしいのだが、あまりそちら


には関心がなく、どんなに凄い人かは


分からなかったらしい。今でこそ積め


る艦載機は少ないが、前はもっと積め


て、それはもう鬼のように強かった。


と、まあここまでが艦娘と鳳翔の歴史


だ。


後書き

ご意見ご感想お願いいたします。くださると作者は赤珊瑚ぐらいのスピードで成長するかもしれません。←おい!

暫くは本題に入れませんがちゃんと私なりにしめますのでご安心を。


久々の更新だー!待っていてくれていた方には申し訳ありませんでした。


このSSへの評価

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SS好きの名無しさんから
2018-11-07 16:07:06

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2015-12-12 08:40:53

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2015-10-29 11:53:08

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6件コメントされています

1: SS好きの名無しさん 2015-10-25 00:00:36 ID: 5RObUpkf

頑張れ応援する(^_^)/~

2: カヤバ 2015-10-25 01:01:07 ID: -RQSXzib

カヤバ(筆者)です!1さんありがとうございます!励みになります!赤珊瑚ほど美しくありませんが少しずつでも上手くなれたらと思いますので、お付き合いいただければ幸いです!

3: matu 2015-10-27 18:30:54 ID: YN87bt7D

がんばってください。(^-^)

4: カヤバ 2015-10-30 22:45:58 ID: CdyomXKv

カヤバです。またまたありがとうございます!最近早く寝てしまうので中々書けませんが近々また投下しますのでよろしくお願いいたします!

5: SS好きの名無しさん 2015-11-02 19:51:20 ID: 3yN79qFW

なんか変な改行が入ってるような気がする。まぁ、でも面白いから良いや

6: カヤバ 2015-11-05 17:32:22 ID: O9YvSl5V

5さんありがとうございます!改行はスマフォのメモ帳からコピーしているせいです。行数が合わないのです。張りつけたあとに改行しようにも投稿する画面だとどうにもうまくスマフォが動かなくて難しいのです。努力してなんとかしてみます。ありがとうございます!


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