2015-12-18 12:30:36 更新

概要

恋愛系です
男君出てきます
男が嫌ならブラウザバックを


前書き

百合を否定するつもりはありませんが
百合展開の中でどうしても男性的になってしまうソノダの
乙女な姿が見たかったのです
誰も作ってくれないなら、私が触媒になります

※更新不定期、遅いです
エタだけは避けたいと思っています



「静かに季節は変わるのですね……」




高くなった冬空を見上げ、ぽつりと呟く。


なんだか、詩家になった気分で、少し鼻が高くなる。


今度の大会用の歌詞ノートに付け足そうかな。




なんて考えごとをしていると、不意に背後から自分の名を呼ぶ声がした。




「なあ、園田さんだよな?」




懐かしいその声に、胸の鼓動が早くなった。


〜〜〜


「いやー、久しぶりだなー。三年ぶり?」


海未「何を言ってるのですか……中学校を卒業したのは、二年前ですよ」


「あれ、そうだっけ……」


海未「高校生なんだから、しっかりしてください!」


「ご、ごめん……」




その声の主は、同じ中学校に通っていた男君だった。


中学は共学の学校に通っていたため、当時は男の子と話す機会も多かった。


穂乃果はその性格上男の子と遊ぶことも多く、その繋がりで私も男の子とよく話をしたものだ。


特に男君は、穂乃果とたいそう仲が良く、私も気軽に話せる人物だった。




男「……相変わらず、怖いな」ボソッ


海未「何か言いましたか?」ギロッ


男「ナンデモアリマセン」




少し、穂乃果に似ているかもしれない。




男「そういえば、高坂さんとスクールアイドルをしてるんだよな!動画観たぜ」


海未「本当ですか!?ありがとうございます」


男「いやー、びっくりだよ。旧友がアイドルやってるなんてさ。ちょっとだけ、友だちに自慢してるんだぜ」ニヤリ


海未「といっても、草の根アイドルなんですけどね」クスッ




懐かしい友だちが、私たちの活動を見てくれているのはとても嬉しい。


草の根アイドルだからこそ、味わえる喜びなのかもしれない。




男「……そういえば、南さんも参加してるんだよな」


海未「……ええ、もちろん。あの衣装も、全てことりが作っているのですよ」


男「マジかよ!家庭科の成績がいいのは知ってたけどさ」


海未「正直、私も少し驚いています。なんせ親友が、高校に入って急に化けましたから」クスッ


男「だろうな」フフッ




男「……そうだ、連絡先教えてくれないか?もしかしたら、同窓会とかやるかもだから」


海未「……ええ、いいですよ。といっても、穂乃果かことりのもとに連絡が来たら、すぐに分かるんですけどね」


男「それは違いないな。……よし、登録っと。あとでまたメール送るから、届いたら返信してくれ」


海未「分かりました。なんだか引き留めてしまって、すみません」


男「いやいや、こっちから声かけたんだから、こちらこそごめんな」


海未「いえいえ。……では、後ほどメールで」


男「ああ、じゃあな」


~~~


男君と私との仲を一言で形容するなら、「程よい」といった感じだった。


穂乃果ほどに仲が良い訳ではなかったけど、「あの『穂乃果』が信頼しているなら」という理由で、互いに程よく信用していた。


それゆえ、男の子に用事があるときは、男君を頼っていた。


そしてそれは、ことりも同じだった。


私と違って女の子らしいことりは男の子に頼る機会も多く、そのような態度から彼女は男女見境なく人気だった。


男の子の場合、その好印象は好意に繋がることも多く、男君もそのうちの一人だった。


ことりに何度も頼られるうちに、男君は次第にことりに対して好意を抱き始めたらしい。


男君は、私に相談を持ちかけた。


「程よく」信頼できる私に。


~~~


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