陸軍に所属した艦娘たち
何の因果か気まぐれか・・・・・陸軍のとある基地に艦娘たちが所属するお話
此処は元々海軍の所有する鎮守府の一つであったが、今は陸軍の基地である。
ぶっちゃけて言うと、基地一つ作るのに莫大な金が掛かるのでいらなくなった鎮守府を陸軍が買い取って再利用していると言う事だ。
将軍「・・・・・・で、朝から何事かと思えば虫の息のイ級か」
早朝、深海棲艦が打ち上げられていると言う報告に海岸にて出向いた。
将軍「海軍の奴ら何やってるんだ。わざわざ俺たちに仕事をやったって事か?」
陸軍の使命は深海棲艦を陸地に上陸させない事だ。
海で戦う海軍と違って、我々は陸地とその周辺海域のみが仕事場である。
重要性では陸軍の方が少しだけ上であるが、仕事の量は比較的に海軍より少ない。
海軍の奴らは頑張っているからな・・・・・・いや、頑張っているのは艦娘であるが。
少尉「将軍、これどうします?」
銃を装備している兵士の一人が俺に向かってそう問う。
将軍「恐らくこいつは助からない」
その根拠はイ級から流れ出ている紫の液体・・・・・・つまり血である。
大漁に出ている事から放って置いても死ぬだろうと判断した。
「「!?」」
イ級が突然光出す。
その異様な光景にその場にいた兵士が全員銃を向けた。
吹雪「はじめまして、吹雪です。よろしくお願いいたしま・・・・・・す」
光が収まるとイ級だったのがセーラー服を着た女の子に変わった。
その女の子は俺たちが銃を向けている事を知り、怯えてしまう。
将軍「・・・・・・・はあ、銃を下ろせ。害はなさそうだ」
これが俺たち陸軍兵士と艦娘である吹雪との出会いだった。
俺たちは吹雪を連れて早々に塒(ねぐら)へと戻った。
将軍「ようこそ、俺たちの塒へ。歓迎しようじゃないか」
歓迎の拍手が起こり、吹雪は嬉しそうな表情を浮かべる。
吹雪「はい! 宜しくお願いします」
ぺこりと一礼するが
将軍「あぁ、勘違いするな。此処は海軍じゃなくて陸軍だからな」
吹雪「え?・・・・・・えぇ!?」
先程の表情は一気に消え失せた。
執務室で俺は吹雪に説明する。
吹雪「本当に陸軍なんですね」
将軍「あぁ。だから、お前さんの今後は上の指示まで解らない。まあ、悪いようにはしないはずだ」
気休めにしかならない言葉を掛ける。
こればかりは俺にはどうしようもないからな。
将軍「指示があるまではうちが面倒みる。って事で改めて短い間だと思うがよろしく」
吹雪「はい」
元気な子だな。
少尉「大変です!!」
突如として一人の兵士が駆け込んできた。
将軍「何だ?」
少尉「敵が・・・・・・深海棲艦がこちらに向かってきています!!」
やれやれ、今日は千客万来だな。
少しずつ投稿
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