重なり寄せる波の音は 番外編
「重なり寄せる波の音は」の番外編です。こちらを読む前に本編をお読みください。思いついた小ネタとかを書きます。たぶん更新頻度は低めです。
「重なり寄せる波の音は」とあまり関係のない設定とかどうでもいい話とか書きます。
台本形式とかにもチャレンジするかもしれません。
主人公とかはエピソードごとにバラバラ、時系列もバラバラ、キャラの性格とかも多少崩したりします。
神視点だけでなく、3人称視点や1人称視点の形式や、台本形式などもバラバラです。
というか、思いついたままに書きます。
リクエストなどあればなんでもどうぞ。(私の文章力で書ける範囲で頑張ります)
PV数があんまり伸びないのは、やっぱり求められていないSSなのかな……
嫌がられても、ネタがなくなるまで書き続けますけどね!
綾波が着任する数日前の話。
提督執務室。
提督と秘書艦である球磨が書類作業をしている。
「球磨。そういえば質問があるんだが」
提督が書類から目を離さずに言った。
「何だクマ?」
クマも同様に答える。
「艦娘の戦闘糧食あるだろ? すごいでかいやつ」
「あれがどうかしたクマ?」
「さっぱり味が想像できないんだが、美味いのか?」
「うーん……特に美味しくはないクマ……あ、食べてみるクマ?」
「あれ人間が食べても大丈夫なのか?」
「艦娘の食べ物って基本的に人間と同じクマよ。一つ持ってくるクマ」
球磨が執務室を出てしばらくすると、厚さ4cm、40cm四方のブロックを持ってきた。
「持ってきたクマよ」
「やはりでかいな。普通の携帯糧食の何倍あるんだこれ……
って、重っ! なんだこの重さ」
「たしか4kgあるクマ」
「……ちょっとかじってみるか」
「気をつけるクマ!」
提督がかじるがガチっと音がするだけで歯が全く通らない。
「か……硬い……歯が痛い……」
「プレス機で圧縮されているから人間の歯と噛む力じゃ無理クマ。
というわけでこれ」
球磨は懐から金づちを取り出した。
「こいつで小さく砕くクマ」
「艦娘は普通にそのまま食べるんだろ?
……噛み付かれたら恐ろしいな」
「薄い鋼板なら噛みちぎれるクマ」
「本当か……」
球磨は布を敷いた床の上に戦闘糧食を置いて、カナヅチを振り下ろす。
食料を割っているだけとは思えないようなバキバキという音が鳴り響く。
「なんかコンクリートか何かを砕いているような音だな」
「砕けたクマ。はいこれ。噛めないから粉にしたクマ」
「じゃあ少し……うわっ口が! 水分が一瞬で全部持って行かれた!」
「圧縮した時に水分も抜けてるクマ」
と、球磨は言いながらガリゴリと残った戦闘糧食を食べている。
提督は茶をすすりながら一息ついている。
「はぁー……ひどい目にあった。味はなんていうか、なかったな」
「重巡以上は2つとか3つ食べるらしいクマ。
呉の赤城さんなんかは8つくらい食べるとか」
「どこに入ってるんだろうな、そんなに……
補給線の関係で艦娘は陸軍所属になれないらしいな。
陸戦させても効果を上げそうなものだが」
「クマクマ。でも陸軍には提督がいないクマ。
海軍で良かったクマ」
「ああ、はいはい。
と、書類作業に戻るか」
「新しい艦娘が来る書類整理が大変クマ……」
リクエスト頂いた吹雪と提督の出会いのシーン。
大した出来事も無いので、一人称視点で心情描写を多めにしてみました。
頑張ったんですが、なかなか難しいです。
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雪が積もる。
音もなく、知らぬ間に。
少しずつ、少しずつ。
気が付けば、積もった雪で身動きは取れなくなっていた。
いつからだろう。心まで凍てついたのは。
この鎮守府に残ると決めてからだろうか。
回りの艦娘たちが、私に気を使って戦果の話などをしなくなってからだろうか。
もう司令官のお役に立てなくなってからだろうか。
既に埋もれてしまった戦友がそばにいる。
私の行く末もこの戦友と同じなのだろうか。
鎮守府に一台の車が到着した。
本日着任する新しい提督だ。
私は出迎えのために鎮守府の入口まで来ていた。
降りてきた将校は司令官に比べると随分と若い。
まぁ少佐と大将では当たり前ではあるのだけど。
提督はその出世速度から志願者が多い。
艦娘の戦果は全て提督が得る。
そのために多くの勲章を得られ、出世が並の将校とは比にならない。
提督になるためには、誰かの推薦が必要だ。
司令官が後任として推挙した人物。
この少佐は恐らく相当に優秀なのだろう。
十分な政治力または人脈も有しているのだと思う。
ぴしっとした将校服に、知的な印象を与える目。
仕草から育ちの良さが伺える。
いかにも将校といった雰囲気で、なかなか悪くない。
司令官に比べれば魅力は薄いけれど。
「初めまして。特型駆逐艦の吹雪です」
新しい提督に敬礼をして名乗る。
驚いたような反応をしている少佐。
それを隠そうとしているようだけど、バレていますよ。
大体の人は私が名乗ると驚く。
そして、「こんなに小さいのに」とか「想像と違っていた」などと言う。
この少佐も御多分に漏れず、そういう反応を示すのだろう。
「あなたが吹雪さんですか。
かつての活躍は聞いています。私の想像と違って驚きました」
ほら。やっぱりだ。
だが、続いた言葉は想像と違った。
「こんなに大人びているとは。もっと幼いと思っていました。
これからよろしくお願いします」
幼いと思っていた?
そんなことを言われたのは初めてだ。
言葉に飾りのようなものは感じられなかった。
なにかの間違いではないのだろうか。
それはそうと、敬語を使われるのがくすぐったい。
司令官は敬語など使わなかったから非常に違和感がある。
「司令官なのですから、艦娘には敬語は必要ないですよ。
さんを付けずに呼び捨てで良いです」
「なるほど……同じ少佐で軍歴は吹雪さんの方が長いのでそのようにしたのですが。
わかりました。敬語はやめる。
吹雪と呼ぼう」
「はい。では執務室にご案内しますね」
「よろしく」
執務室に到着すると、空いていない箱などがいくつか積まれていた。
とてもすぐに執務が出来る状態ではないようだ。
「先ずはこれを何とかするか……
艦娘はまだ来ていないという話だが」
「ええ。数日中に新しい軽巡一隻と駆逐艦一隻が来る予定です。
それまでは様々な準備をする形になります。
今日は着任の挨拶などですね」
「しばらくは忙しそうだな。あぁそうだ。伊58というのは?」
「第四船渠にいます」
「ふむ。役割も理解しているな?」
いきなり核心的な話をされる。
重要な機密であり、必要なことだとは理解できるけど、気分は良くない。
おそらくこの人は非常に実際的で、またそうあろうとしている人なのだろう。
「……はい。その時には私が出撃、撃破します。
私がゴーヤを撃沈するときは、必ず私の手で」
戦友を事情も知らない艦娘たちに沈められるのは嫌だ。
私が最期まで見届けたい。
「状況次第だが善処しよう」
少佐の返事からは感情が感じられない。
この人に私の言葉が届いているのだろうか。
表情からは全く読めない。
「君は作戦成功の如何に問わず、処分するように命令されている」
……直接的過ぎる。
部下の艦娘に対してなら問題はないけど、私は少佐の艦娘じゃない。
不愉快だな。
「ええ、そのときはお願いします」
返事をする私を少佐はじっと見ている。
一体なんなんだと言うのか。
「怒ったり悲しんだりするかと思っていた。
やはり聞いていたよりも落ち着いている」
感心したように言った。
わざと私の反応を試していたのか。
「……楽しいですか? 人を試したりして」
嫌な男だ。
「お前を処分する命令を出す人間だ。
嫌ってくれれば良い」
少佐は謝るでもなく、そう言った。
そうか。この人は、嫌われようとしているのか。
バカな人だ。
そして真っ直ぐで、優しい人なんだ。
「つまらないことをしなくても、司令官……大将閣下以外の人を好きになったりしません」
私の言葉に少佐は少し驚いてみせて、笑いだした。
「そうか、すまない。そうだな。そうだった」
笑う表情は年相応より若く見える。
この顔の方が魅力的じゃないか。
まだ新人のこの司令官、手がかかりそうだ。
雪が解けることは決してない。
だけど先に暖かい春の陽光が待っていて欲しい。
切にそう願う。
少し張り切ったギャグを書いてみたかったんです。
下ネタです。ごめんなさい。
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Chapter28:写真からの分岐
私は手洗いの個室に入ると腰をかけて激しく拍動する心臓を落ち着ける。
「下着……こんなになってる……恥ずかしい……」
紙でふきとってから個室を後にする。
頬を両手でパシパシと叩いて、気持ちを切り替えてから部屋に向かった。
部屋に戻った私は驚愕した。
俄かには信じられない光景がそこには広がっていた。
部屋に戻った私の目に最初に入ったもの。
それは褌に上着を羽織っただけの司令官。
あろう事か私の下着を頭にかぶり、私の鞄を漁っている。
「えええぇぇ~……」
口からは言葉にならない声が漏れ出た。
鞄を漁るその姿は堂々としたものだ。
「純白の綿パンか。俺の想像通りだ。素晴らしい」
司令官は作戦会議の時のような真剣な顔でつぶやいている。
「ちょ、ちょっと何やっているんですか!」
「落ち着け! 艦娘のことを知るのは提督としての義務だ!」
「……私の下着をかぶるのはどういう関係が……」
「何を言っているんだ。少女のパンツがあればかぶる。紳士としての常識だろう?」
……どこの世界の紳士の常識なのだろう。
それが当然の権利かのように司令官は誇らしげだ。
「むっ……! これは……!?」
何かに気づいた司令官の手が止まる。
ゆっくりと引き上げたその手に握られたものは、赤茶色い染みがついた私の下着。
ひいいいい!
急に始まっちゃって血が付いちゃったから捨てようと思ってたのに!
「や、やめてください!」
「待て!」
司令官は手で私を制止する。
おもむろに下着を顔に押し当てると、深呼吸をするように大きく息を吸う。
すーはーすーはー。
「ふざけるな! 畜生! 洗濯済みかっ!」
膝から崩れ落ちた司令官は床を拳で殴りつけ、怒りをぶつける。
目からは涙が流れる。それを耐えようともしていなかった。
「うおおあああーーー!!」
提督は叫ぶように涕泣する。
なんだか吹雪さんが死んでしまったかのような反応。
こんなに本気で悔しそうにしている司令官は見たことがない。
もう死んじゃえばいいのに。
こうなったらもう実力行使で止めるしかない。
「司令官、止めてくれないなら取り押さえます!」
司令官はゆらりと立ち上がり、こちらに向き直る。
褌に上着姿で。
「パンツをかぶった俺に勝てると思っているのか……?」
司令官の鍛え抜かれた肉体から闘気のようなものが立ち上って見える。
「来い!」
「ごめんなさい」
司令官は私に取り押さえられて土下座していた。
「下着が入っているって聞いて、テンション上がっちゃいました……」
兵学校で対人逮捕術の成績が優だった私に怪我人が勝てるわけないです。
艦娘は人を怪我させないように無力化する技術を習う。
怪我させてもいいなら、手足を振り回すか抱きついて押しつぶすだけでいいんだけど。
「謝りながらパンツを褌に入れないでください」
「うぅ……ぐす……」
「そんなことで泣かないでください……」
盗んだ下着を差し出す司令官は悔しそうだ。
なんだか苛めてるみたいで少し気の毒になってきた。
「そんなに私の下着なんか欲しいんですか……?」
「ぐす……欲しいです……」
「……」
仕方ないなぁ。
「わかりました。汚れてないの1枚ならいいですよ」
「いいんですか?」
「恥ずかしいんですから、誰にも言わないでくださいね」
「ヒャッハー!」
司令官は狂喜して腕を振り上げ、飛び上がった。
全身で喜びを表現している。
しかし、
「げぼぁ」
突然血を吐いて倒れた。
飛び上がった拍子に傷が開いたらしい。
司令官は兵たちの担架で運ばれていった。
手には私の下着を強く強く握り締めて。
褌姿の司令官を兵たち皆が最敬礼で見送る。
まるで英雄の凱旋のように。
なにこれ。
提督執務室で吹雪と提督が艦娘の状況について会議していた。
吹雪から聞かされた話は提督にとって、決して面白いものではなかった。
「そうか……黒潮が綾波をなぁ……うーむ……どうするべきか……」
提督は腕組みをして頭をひねる。
しかし一向に解決案は浮かばない。
提督が学んできた兵法書や教練書には、年頃の少女の気持ちなどは書いていなかった。
「吹雪はそういう状況はなかったのか?」
「ありましたよ。やっぱり。
いろんな艦娘がいましたからね」
「ふむ……どんな感じだったんだ?」
提督は何とか吹雪の話から打破する切っ掛け模索する。
「そうですね……ある戦艦二人はよく火花を散らしてました。
大将閣下にどちらが気に入られているかとかで。
姉妹艦なんかは仲がいいのと悪いので両極端でしたね」
「大将閣下はそういう場合どうしてたんだ?」
「放っておいてましたね。
艦娘はたくさんいますし、ほとんどの場合は自治されてました。
動いたのは、どうしてもって言うときだけです。
とは言っても皆さん根は良いので深刻な事態にはなりませんでした」
「黒潮に関してもその方がいいのか?」
「私はわかりませんが、ここは艦娘が少ないので提督が何かするべきかもしれません」
吹雪の言葉に提督はわからんと言いながら顔をしかめる。
「まぁ基本的には皆仲良かったですよ。
いない時に悪口言ったり、何かあっても適当に同調していれば大体円満です」
「……いない奴の悪口を言ってて、仲が良い?」
「え? 普通ですよ」
頭に疑問符の浮かぶ提督に、さも当然のように吹雪は答える。
「女の社会だなぁ……さっぱりわからん……」
「気に入らないことがあるとすぐ殴り合っちゃう男の人たちもわからないです。
しかも、それなのに仲直りも早いですし」
そう言いながら吹雪は肩をすくめる。
「吹雪はどうだったんだ?」
「え?」
「吹雪は嫌いな艦娘とかいなかったのか?」
「うーん……特にはいないですね。
私は古株でしたし、どっちかというと嫌われる側かもしれません。
……あ、そういえば」
吹雪はポンと手を叩く。
「誰かいたのか?」
「ゴーヤですかねー……」
思いもよらない艦娘の名前が飛び出したことに驚く。
「……嫌いだったのか?」
吹雪は両手をひらひらと振って否定する。
「あ、いえ、嫌いっていうわけじゃないです。
ゴーヤは好きですよ。ただ潜水艦たちが……」
「潜水艦? ……あ、なるほど」
提督の納得したような顔に、吹雪が頷く。
「においか」
「においです」
二人の声が揃う。
「帰投直後の潜水艦の匂いは凄まじいですよ。まぁ仕方ないんですけど」
吹雪は思い出しているのか、眉間に皺が寄っている。
「潜行中の水は貴重だからなぁ……」
「私たち水上艦も髪とか十分に洗えないですし、きれいだとは言えないんですけど、
潜水艦たちは桁違いです。
水を使えず使いまわした手ぬぐいで体を拭くので、結局汚いままですし、
あの……用便の処理とかも……」
「浮浪者の方がマシだっていう手記もあるらしいな」
「ええ……水温が高い南西諸島や南方の海域の通商破壊なんか行ったときなんかもう……
作戦海域周辺では空調は騒音の元ですし、機関の熱で内部は加熱するしで凄いらしいです」
「地獄だな……」
「帰ってきた彼女たちに触ると、なんかヌルってするんですよ。
触った手に何かこびりついた感じしますし……
彼女たちが悪いわけじゃないんですけどね」
吹雪は引きつった笑いを見せる。
「お風呂もお湯の色が変わるんですよ。なんか茶色く。
なので、必ず帰投に合わせてお風呂を沸かしてすぐに入れるのが暗黙の規則になってました」
「ふむ……もしここに潜水艦が来たらその規則は採用しよう」
「本当に潜水艦たちの制服を水着にしたのは大将閣下の英断でした。
普通のセーラー服とかだったら、暑いし汚れが目立つしで大変だったと思います」
「さすが大将閣下だな……」
「ええ……」
ふと、提督は我に返った。
「あれ? 何の話をしてたんだっけ……?」
「あれ……?」
その日は艦娘たちの陸上訓練が行われていた。
吹雪の合図で、重機関銃を手に跳んだり走ったりと様々な運動をしていた。
「それじゃ小休止にします」
吹雪がそういうと、艦娘たちはへなへなと座り込む。
肩で息をしている艦娘たちは横になったり、あるいは手足を投げ出して座り込んでいた。
「ああ、そういえば今日は陸上訓練か」
吹雪が振り向くと、そこには提督がいた。
「司令官、どうしたんですか? 見学ですか?」
「いや、倉庫に古い資料があるはずだったんだが、見つからなくてな」
提督の後ろにも疲れた顔の兵が二人立っている。
埃にまみれていることから、倉庫をひっくり返していたのが伺える。
「提督……俺たちはいくら運動しても体力が伸びないのに何故こんな訓練があるんだ……?」
木曽が顔を上げて不満を述べる。
表情には疲労が色濃く出ていた。
艦娘は強い恒常性が働き成長をしない。
異常な再生能力と不老の弊害である。
「なんだ? 根を上げたのか?」
「そ……! そういうわけじゃないが……!」
提督に指摘されて、木曾は口を尖らせて顔を横に向ける。
「まぁ理由がわからずと言うのも納得できないか。
体の限界と動かし方を理解すれば、いざ動かすときに問題が起こりにくくなるからだ」
「体を動かす限界って言われても、うちら陸戦なんかせぇへんやろ」
「そうとは限らない。何が起こるかわからないのが戦場だ。
あらゆる状況に備えられるようにしておくのが重要だ」
「もし陸戦できたら艦娘はきっと最強クマ!」
「いやそうでもない。艦娘は弱点が思いのほか多い。
自分の特性を知っておくのも良いか。
吹雪、今は休憩中か?」
「はい、小休止をとっています」
提督は頷くと、兵たちを先に行かせた。
「まず艦娘は小規模な戦闘では最強の部類に近い。
なぜか分かるか?」
「凄い力と再生能力があるからです!」
白露が手を上げて元気に発言する。
艦娘たちの息もだいぶ整ってきているようだ。
「うむ。重機関銃を造作もなく扱え、怪我をしてもたちどころに再生する。
高密度で非常に強い骨格と筋肉を持っているため、44口径回転弾倉式拳銃も貫通できない。
体も小さいため潜伏も容易で、遮蔽物があれば装甲車相手にも負けないだろう」
提督の言葉で艦娘たちは少し誇らしげにしている。
「だが、規模が大きくなるとそうもいかない」
「以前提督は補給が大変だからと言っていたクマ」
「あぁ、それは理由のひとつだな。
費用対効果の面で運用しづらいというくらいだ。
では何が投入の妨げとなるか」
「人数が少ないことですか?」
「そうだな。艦娘になれるのは選ばれたひと握りの人間だけだ。
つまり人員補充ができない。そして、艦娘が居なくなれば艦だけが余ってしまう。
陸戦なんかで失えないということが大きい」
「でもそうそう死なないクマ」
「いや、そうでもない。防弾効果が高い艦娘だが、小銃弾は貫通する。
部位にもよるが、Ⅲ-A防弾服を着ているのと変わらないわけだ。
筋肉が薄く骨格によって守られていない部位は拳銃でも貫通させられる」
「筋肉が薄い場所ですか?」
綾波はぺたぺたと自分の体を触りながら質問する。
「下腹部や脇の下、首筋などは貫通されやすい。
大きな損傷を受けるのは目、耳、口や性器、肛門などだな。
路上爆弾などでも股下からの攻撃はひとたまりもない」
「ひいぃー……」
提督の話で艦娘たちは股を隠す。
「内臓がやられれば当分動けないし、脳がやられれば即死だ。
そして踏破能力にも重要な問題がある」
「踏破能力に問題……? 歩兵と同じ運用ができるんじゃないのか?」
「いや、艦娘は非常に重い。ましてや武装などしていれば尚更だ。
登攀などすれば滑落し、沼などにはまれば動けない。
密林や山岳、海浜は難しいということだな。十分に運用できるのは市街地だ」
「足場の良い市街地なら大活躍クマ!」
球磨が手を上げながら喜び勇むが、提督は首を横に振る。
「それも条件が付く。標高が低い市街地だけだ」
「標高がどうして低くないとダメなんですか?」
「慣れていて気づいていないかもしれないが、
艦娘にとって、標高0mであっても酸素分圧が低すぎるんだ。
それだけの出力で大量の力を消費するには大量の酸素が必要だ。
先ほどまでの訓練でわかっていると思うが、走ればすぐに息が切れ酸欠になる」
「酸素ボンベが要りますね!」
「これが酸素だけだとまた問題が起こる。
大量の酸素による代謝が起これば、当然熱が発生する。
今度は自分の体温により熱中症になるわけだな」
「弱点だらけじゃないですか……」
「だから陸戦用の装備が研究された。冷却液が循環し、酸素分圧を上げる服。
至るところに焼結体の合板を仕込んで小銃弾も跳ね返すものだ」
「それを着ればいいのか!」
艦娘たちはおぉーと歓声を上げる。
「いや、宇宙服の化物みたいなしろものでな。
非常に高価なのと、最初に言ったようにそもそも陸戦で使わないということでお倉入りになった」
おぉー……? と声が低くなる。
「ごく短時間で小規模な作戦、高い緊急性を要し、そこに偶然いれば陸戦に投入されるだろう」
「……微妙ですね」
「それでも無いとは言えない。できるようにしておくように」
提督はそう言い残すと、去っていった。
「何だか……やる気が」
その後の訓練はどの艦娘も覇気がなくなってしまった。
吹雪に喝を入れられるまでは。
長くなりそうなのでちょっと分けます。
あまり長くしたくないのと、描写力の関係であっさりしてしまっています。
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薄暗い小さな部屋。
地下なのだろうか、湿気を纏った空気が沈殿している。
清潔な場所とは言えず、何か異様な匂いと煙草の匂いが混ざり合い、吐き気さえ覚えるようだ。
小さな空間の隅に、少女たちが小さくうずくまっていた。
その中にひとり、一際可愛らしい少女がいた。
顔立ちは整っていながら少女らしい無垢な雰囲気を醸し出しており、
栗毛の長い髪がその容姿を飾り立てている。
しかし、少女の目は虚ろで意思などない人形のようだった。
その少女たちの横には椅子に座った男二人がいる。
絶えず小声で何か話しているようだが、外国語なのか何を話しているかはわからない。
部屋の先に幕が垂れており、隙間からは明るい光が漏れ出ている。
その先からざわざわと人の声が聞こえる。
時々何か怒号のような叫び声なども聞こえてくる。
幕の先からひとりの男が現れる。
ぼそぼそと何か話し、少女のひとりを幕の向こうへ連れて行った。
明るい照明で眩しいそこは舞台になっているのだろうか。
ちょうど幕の隙間から連れて行かれた少女と男が見える。
少女を連れて行った男が何か少女に言うと、少女は服を脱ぎ、全裸になった。
人々の声が大きくなり、それぞれが叫んでいるようだ。
しばらく叫び声が続いたあと、舞台の男が手を叩く。
少女は服を着て、舞台から降りていった。
また男が幕をくぐって少女たちの前に立つと、
栗毛の少女を指差し、来いとカタコトで命じた。
少女はのそりと立ち上がって男についていく。
幕を通ると、そこはやはり舞台になっていた。
眩しい照明が少女を照らし、観客の様子は暗く見えない。
煙草の火だけが蛍のようにゆらゆらと明滅している。
観客席から聞こえる叫び声。
少女はその声の雰囲気から、競りをしているのだと気づいた。
舞台の男が「服、脱ギナサイ」と言う。
表情もなく、虚ろな目のままで少女は服に手をかけた。
にわかに、観客の後ろの方が慌ただしくなった。
食器などの割れる音が聞こえる。
「憲兵だ! 全員おとなしくしろ! 抵抗すれば容赦しない!」
同時に、舞台の男も観客も蜘蛛の子を散らすように逃げ始めた。
悲鳴やら怒号やらが至るところから響く。
少女はただその光景を見ていた。
やがて一人の軍服姿の男が舞台に現れた。
少女に「もう大丈夫だ」と肩に服をかける。
舞台袖にいた他の少女たちも同様にして、地下から連れ出されていった。
保護された少女たちは警察施設に集められた。
簡単な検査を受け、身元から保護者を調査、次々と両親や祖父母が現れ、帰っていった。
そんな中、栗毛の少女の保護者だけが迎えに来なかった。
栗毛の少女は言葉を失っていたのだ。
男性警官が何かを質問しようとしても、怯えてばかり。
女性警官が相手をしようとしても俯いたままで一言も言葉を話すことはなかった。
少女は日がな一日ただぼんやりと外を見ているだけだった。
「あの保護された子、いつまでもはおいておけないぞ」
「放り出したりしたら、また新聞などが騒ぐだろうし……」
警察内でも対処にほとほと困り果てていた。
少女がいつも通りぼんやりと外をみていると、
「やあ! 窓の外に何かあるのかクマ?」
と声をかけられた。
声のした方を見ると、机からひょっこりとクマのぬいぐるみが顔を出していた。
20cm程度のよくあるクマのぬいぐるみだ。
「僕の名前はクマだクマ。君の名前は?」
ぬいぐるみは左右に揺れながら話す。
クマを支持する手が見える。
誰かが机の下で腹話術をしているのは、すぐにわかった。
少女は特に興味を示さずにまた窓の外の方へ目をやる。
「ダメかー」などと言いながら、机の下から現れたのは若い女性警官。
まだ警官になりたてという風なその女性警官は、厄介事を押し付けられたのだろう。
「何か話してくれないと、お姉さんたち困っちゃうな」
たははと困った笑いをしながら、女性警官は近くに寄ってくる。
少女は特に何も話さない。
「どこに住んでいたとか、お姉さんにおしえてくれないかな?」
これまでにも幾度となく少女に投げかけられた言葉。
少女はなんの反応も示さない。
だが、ちらりと、クマのぬいぐるみに目をやった。
女性警官はそれを見逃さなかった。
「……この子に興味あるのかな?
クマクマー。クマが好きなの?
このぬいぐるみ、あげるね」
女性警官も少女の興味を引くことに必死だ。
少女にぬいぐるみを差し出した。
少女は手を伸ばしてぬいぐるみを受け取る。
わずかばかりだが、少女が反応を返したことに女性警官は手応えを感じる。
だが、その日はそれ以上は何を言っても、何も話すことはなかった。
ぬいぐるみは話がまとまらないので一旦保留します。
主要キャラを言葉を失ったキャラにするとか挑戦的すぎました。
私の文章力では書けません……
あ、ちなみに球磨の人間時代の過去でした。
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
艦娘用の兵舎に用意された艤装整備室。
駆逐艦たちが日々の日課である艤装の整備を行っていた。
「そういえば艤装ってなんでこんな形なんでしょうね……」
綾波は甲体艤装の部品を拭きながら呟いた。
毎日の艤装の手入れは艦娘の義務である。
細かい調整などは艤装技師などの技術が必要となるが、
出撃や遠征に出ていない限りは、必ず自分で簡単な分解清掃などを行う。
「なんや一体、薮から棒に……」
隣で同じように分解清掃をしている黒潮が突然のつぶやきに反応する。
「そりゃ、駆逐艦綾波やから駆逐艦綾波の形になってるんやろ」
当たり前のことを聞くなという風に黒潮は返す。
「いえ、綾波が綾波だとどうして船と似た形にする必要があるのかなって。
みんな同じ形の艤装の方が部品の生産とか便利なんじゃないんですか?」
綾波の言葉に黒潮の動きが止まる。
黒潮も全く考えたことがないことだった。
「それはあれや……んー……なんでやろ?
白露は知っとる?」
「あたしも知らないなー。提督に聞いてみようか?」
白露はポンと手を叩きながら提案した。
だが、黒潮と綾波はあまり乗り気ではない雰囲気だ。
「司令官のお仕事の邪魔にならないでしょうか……?」
「大丈夫大丈夫! 清掃終わったら行ってみようよ!」
「その度胸、少し羨ましいわ……」
提督執務室。
「艤装の形の意味?」
提督は白露の質問にオウム返しした。
「何事かと思ったらそんなことか……」
突然の来訪者たちに緊急の要件かと聞いた提督は肩の力が抜ける。
綾波は申し訳なさそうな顔をしていた。
「艦娘は軍艦の生まれ変わりでその力を得ているわけやろ?
でも別に艤装までそれに合わせる必要はないんやないか?」
「いや、役割効果とミルグラム実験の変形であるスタンフォード監獄実験が……」
「提督! 違うクマ!」
提督が言いかけたところで、球磨が制止する。
提督は少ししまったという顔をして、
「おっと、そう、お前たちは艦の生まれ変わりだからな。その形の方が扱いやすいんだよ」
と、続けた。
「……? 司令官は何を言おうとしたんですか?」
綾波が訝しげに提督の発言を聞きただす。
「いや、ちょっと勘違いしてしまった。
兵学校でもしっかり教わっただろう? 自分がどんな存在で、どんな艦の生まれ変わりか」
3人の駆逐艦たちは頷く。
「それさえしっかり意識していればいい。四角いだけの艤装なんて格好悪いだろう?
ほら、俺は忙しいんだ。待機に戻れ」
提督は来訪者たちを追い払う。
綾波たちは煙に巻かれたような感覚で提督執務室から退室した。
「司令官は何を隠しているんでしょうか……」
綾波は呟く。
「提督は意味のない隠し事はしないよ。
教えてくれないことは、たぶん知らなくてもいいことなんだよ」
白露は考え込んでいる綾波に、変わらない笑顔で答える。
そうなのかなぁと言いながら、綾波たちは待機に戻っていった。
「危なかったクマ……」
駆逐艦たちが帰っていったのを確認してから、球磨は洩らした。
「球磨、助かったよ。……それにしても知っていたのか」
「ふっふっふー。秘書官を長くやっていれば気づくことも多いクマ」
球磨は自慢げに胸を張る。
「ふむ……危うく役割効果が低下してしまうところだった。
まぁ十分に神経が安定してきているから大丈夫だとは思うが」
「第三神経は、思い込みでその方向に成長する。だったかクマ?」
「まぁ人間も思い込みは重要だが、第三神経は役割効果が非常に大きいらしい。
艤装の形、船体の形、艦娘の名前、艦の史実の教育、全てがその役割効果の為だ。
これを与えられない場合は、とてもじゃないが使い物にならないらしい」
「役割があるって、艦娘にとっても結構大事クマ。
自分が何者なのか悩まないで良いクマ」
意外な球磨の言葉に提督は感心する。
「深いな。俺なんか自分の役割についてわからなくなることがある」
「提督は球磨たちの提督クマ。それで十分クマ」
球磨は自信を持って断言する。
提督は可笑しそうに笑った。
「ははは、そうだな。提督として役目を果たさないとな。
じゃ、球磨。この書類の処理も頼む。命令だ」
「ちょ……! 命令するだけが提督じゃないクマー!」
艦娘の兵学校での授業のイメージ。
ちょっとエグいかもしれません。
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それなりに年季が入った壁や黒板。
席についているのは6人ほどの女生徒。
女生徒たちは奇妙な鉄の器具を背負っていて、年齢もある程度バラバラに見える。
ここは艦娘を育成するための特殊兵学校である。
転換処置を終えた艦娘たちは、ここで十分な訓練をしてから配属される。
訓練期間は2~5年。優秀者は2週間に及ぶ試験の後に配属が決定される。
この時の授業は道徳。思想教育の時間である。
「皆さん、今日の道徳は作文です。題材は“提督”。きちんと書いてきましたか?」
眼鏡をかけたやや気の強そうな教師が生徒たちを見回しながら質問した。
はーいと女生徒たちは元気に手を上げる。
「では読み上げてもらいますよ。それでは……出席番号1番から」
指名されて立ち上がった少女は、自らが書いた作文を目の高さに持ち上げる。
少し緊張したようにひと呼吸してから、朗読をはじめた。
「えーと、わたしのていとく。ていとくは じんるいのために すごくがんばっているひとです。
わたしは、かんむすめとして、ていとくのために がんばりたいと思います。
がんばってしんかいせいかんを ころして、ていとくに ほめてもらいたいです。
ていとくといっしょに アイスを食べたいです」
何度も引っかかりながら読み上げた少女が、不安そうに顔を上げる。
教師は頷きながらにっこりと笑顔を返した。
「今は国語ではありませんから安心して良いですよ。良い作文ですね。提督への敬愛が伝わってきます」
他の女生徒から拍手が贈られて、少女はほっとした表情になる。
「ですが、提督にねだったりして迷惑をかけてはいけませんよ。では出席番号2番の方」
「はい」
続いて指名された少女は先ほどの少女よりも年長者だ。
自分の作文に自信があるのか、胸を張って立ち上がる。
「提督について。提督は作戦立案から私たち艦娘の対応まで多くの負担がかかっていると聞きます。
私たち艦娘がやるべきことを考えました。
先ずは課せられた任務を正しく遂行する。次に艦娘たちの問題は艦娘で解決し、提督に負担をかけない」
少女はハキハキと作文を読み上げていく。
教師の方へちらりと目をやると、頷きながら聞いている。
さらに自信をつけて、次へ読み進める。
「もし提督の能力に不備などあったならば、私たち艦娘が協力し、支えていきたいです。
そして提督を盛り立て、より良い執務を円滑に行えるようにしたいと思います」
読み終わった少女は、鼻息荒く作文を下げる。
次に来るであろう拍手と褒める言葉を受けるために。
しかし、拍手は来なかった。
不思議に思った少女が周囲を見ると、女生徒たち全員が白い目を向けていた。
「えっ?」
慌てて少女が教師を見る。
教師は先程までの表情とは打って変わって、厳しい表情をしていた。
「“提督の能力に不備などあったならば”だと……!?」
眼鏡の先の瞳は突き刺さるように冷たい。
「貴様は提督を疑うのか!」
教師は教卓を強く叩きながら怒鳴りつけた。
少女の顔から一瞬で血の気が引き、ガクガクと震えだす。
「ち……ちが……そんなつもりじゃ……」
少女が何か言おうとしているが、教師は全く耳を傾けず、教卓についた装置に向かって叫ぶ。
「教育班! 問題児だ。指導室へ連れて行け!」
言うやいなや、小銃を持った二人の男と、人ひとりが乗れる程度の小さな装輪車両が現れた。
男たちが銃口を少女に向けると、少女は震えながら手を頭の後ろで組む。
少女は助けを求めるように他の女生徒たちに視線を送るが、女生徒たちは無感情に眺めているだけだ。
少女の息は荒くなる。
小さな装輪車両が少女のそばまで進み出て、二つの機械の腕のようなものを伸ばす。
機械の腕は少女の左腕と髪の毛を強く掴んだ。
「い……痛っ!」
掴まれた腕がへし折れるかと思うほどの強い力だ。
そのまま装輪車両は後進を始める。
強く掴まれた腕と髪の毛がミシミシと引っ張られる。
髪の毛は何本かぶちりぶちりと音を立ててちぎれていく。
「いたいいたい! ごめんなさい! ごめんなさい!」
少女は涙を流して許しを請うが、まるで聞こえていないように、男たちは微動だにしない。
髪を守るような仕草のままズルズルと引きづられて、教室から姿を消していった。
しばらくは廊下から泣き叫ぶ声が聞こえたが、徐々に遠くなり、やがて聞こえなくなった。
教室に静寂が戻った。
笑顔に戻った教師が手を叩く。
「皆さん。提督を疑ってはいけません。提督は人類の英雄なのです。
良いですね? では、皆さんも」
はい、と教師が合図すると、女生徒たちは声を揃えて、言う。
「提督は人類の英雄です! 私たち艦娘は、人類と提督のために尽くします!」
教師は満足げに頷くと、「では次の人、読み上げてください」と何もなかったように授業を再開した。
生徒が5人になった教室での授業は滞りなく行われていく。
番外編!待ってました!
艦娘の食事量から繋がる戦闘糧食の設定などが流石です
次の番外編は吹雪でお願いします!
伝説となった戦いの話が読みたいのですが本編が一つ出来てしまいそうなので
ここは提督と吹雪の出会いのシーンなどを!!
これからも思いついたネタとかはばんばんアウトプットして頂けると嬉しいです。
短くてもいいので本編の後日談的なものも可能であれば読んでみたいですね。
皆さんコメント返しはコメントでしているようなので、こちらで。
>番外編!待ってました!
> 艦娘の食事量から繋がる戦闘糧食の設定などが流石です
>
>次の番外編は吹雪でお願いします!
>伝説となった戦いの話が読みたいのですが本編が一つ出来てしまいそうなので
> ここは提督と吹雪の出会いのシーンなどを!!
出会いのシーンを書いてみたんですけど、難しかったです。
あまり満足いかないので書き直すかもしれません……
>これからも思いついたネタとかはばんばんアウトプットして頂けると嬉しいです。
>
>短くてもいいので本編の後日談的なものも可能であれば読んでみたいですね。
後日談はちょっと貯めさせてください。
一定量貯まって形になったら、もしかしたら番外編じゃない形で書くかも……?