やはり俺にはこの話の着地点が見えない。
暇つぶしに書いてみた程度です。
初投稿です。
ご指摘よろしくお願いします。
①
マラソン大会も終わり、あーしさんからの依頼も曖昧だが解決を迎えた。
高校生としてのイベントの大半を終え、このまま3年を迎えるのだろう。
3年生の2月頃からは自由登校になる学校が多々ある。進学校であるこの総武高校も例外ではない。
つまり俺が奉仕部として活動するのもあと1年無いのだろう。最初の頃はここから抜け出したいという気持ちが強かったが、今はどうだろうか?
この奉仕部という場所が自分にとってかけがえのない場所になっていることをこれまでの経験から学び、そして守るために奔走してきた。
「感情は理解できても、気持ちを理解できていない」
平塚先生の言葉が頭をよぎる。
学校祭、戸部や海老名からの依頼、生徒会選挙に至るまで、問題を解消することはできても、間違っている気がしてならない。
なにを間違えたのか。なぜ間違えたのか。明確な解を探していた。
世の中の恋愛脳どもは、自分が気にしている対象のすべての行動を肯定的に捉える。そして、勘違いを繰り返した結果自分自身を追い詰める。それも彼らにとってはそれもまた青春の楽しみなのだろう。しかし、勘違いをしない訓練されたぼっちである俺は、そんなミスをおかさないのだ。
ぼっちは恋愛に対しても最強の存在である。
まもなく3年になろうかというこの時期に焦って恋愛に走ろうとするリア充どもを横目にそんなことを考えていた。
そして、今日もただひたすら決められた授業を淡々とこなし、放課後が訪れた。
由比ヶ浜「ヒッキー!部活いく?」
八幡「あぁ、行く。予定があるわけでもないしな」
由比ヶ浜「そっか♪じゃあまた部室でね!」
お団子頭?みたいな今時女子高生この上ない由比ヶ浜はクラスメイトであり、俺が活動する奉仕部の一員である。
そう言い残すと由比ヶ浜は三浦たちの元へ戻っていく。俺はそれを確認すると部室へ足を向けた。
特別塔に近づくにつれ賑やかさが薄れていくこの道のりは嫌いではない。あと何回この通路を通るのだろうか?
2月のはじめ、空は曇っていた。それもあってかすでにあたりは薄暗い。
そういえばうちのプリチーな小町ちゃんは受験大丈夫かしら?総武高校に入れば妹で後輩。やだ!なにそれ!お兄ちゃん少し萌えちゃう!なんなら今この場で時計にメダルをはめ込んで召喚しちゃおうかしら?
そんなことを考えて歩いていると、気付けば部室の前だった。いつものように部室に入る。
ガタッ
八幡「ん?雪ノ下はまだなのか。珍しいな」
由比ヶ浜「やっはろー!ヒッキー廊下でなにしてるの?」
八幡「うす。いや、雪ノ下がまだ来てないんだ。俺たちより遅いなんて初めてじゃないか?」
由比ヶ浜「へぇー珍しいねぇーまぁでもゆきのんだって用事あるだろうし、今まで一番乗りだったことの方がむしろすごいかも!」
八幡「まぁな。しかしどうする?帰る?」
由比ヶ浜「そうだねー!帰るしか・・・なくないよ?!また自然に帰宅提案してるし?!」
八幡「あぁ、なんか前もたしかそんなことがあったような気がするな。てゆうかよく覚えてたな」
由比ヶ浜「そりゃあだって、あの時はビックリしたもん!あと…ヒッキーとの初めてふたりでお出かけした思い出だし…」
八幡「ん?あぁ…」
なぜか由比ヶ浜は上目遣いで俺を見てくるので、恥ずかしくて目を逸らした。てゆうかそんな顔で俺を見るな。俺のこと好きなんじゃないかって勘違いしちゃうだろ!
由比ヶ浜「ゆきのんが来るまで廊下で話そっかー!そういえばもうすぐバレンタインだね!ヒッキーはチョコとかもらったことあるの??無いよね??」
八幡「なんでもらったことない前提なんだよ。あるよ。毎年もらってるよ。むしろ毎年もらいすぎて配るまである」
由比ヶ浜「!」
八幡「小町の作るチョコは毎年苦いんだ。だからMAXコーヒーによく合う。」
由比ヶ浜「なんだぁー小町ちゃんか!」
八幡「あぁそうだよ。なんか悪いか?なぜか知らんが小町は毎年大量にチョコを配るからな。作るの手伝うともらえるんだ」
由比ヶ浜「働かされてるし?!」
しかし、うちの妹はいつも誰に配ってるんだ?まさか、あの川なんとかさんの弟に配ってないだろうな?早急に調べて、下剤を投入しなければ…
由比ヶ浜「ヒッキー…目が腐ってるよ…」
雪ノ下「由比ヶ浜さん、それはいつものことよ?腐りすぎて落ちていないのが不思議なくらいだわ」
由比ヶ浜「だよねー。腐ってるのはいつものことだよねー!ってゆきのん?!いつからいたの?!」
雪ノ下「今来たところよ。由比ヶ浜さん、比企谷くんに対してとても酷な質問をしていたから、いじめているのかと思ったわ」
由比ヶ浜「え?!いや、そんなつもりないよ!」
雪ノ下「その男がチョコレートをもらうなど円周率が割り切れるくらいありえない話よ?」
八幡「何度も言ってる気がするが、2人の会話なのにむやみに俺を傷付けるな。来てるなら部室の鍵をあけろよ」
やめて?マジでやめてね?円周率は最近小中の教育では3で教えているらしい。小町は3だと信じ込んでいる。あの子ほんとうに受験大丈夫かしら?ちなみに高校生にもなるπになる。高校生になっている雪ノ下πは多めに見ても2くらいだろう。ちなみに由比ヶ浜は6…いや7くらいか?
由比ヶ浜・雪ノ下「!」
雪ノ下「ひわいがや君?あなたから不快な視線を感じたのだけれど?」
由比ヶ浜「ヒッキー最低!マジできもい!(ムッ)」
八幡「いや、勘違いだ」
マジなんなの?このふたり?エスパーなの??それともサトリとかいう妖怪なの?妖怪のせいなのね?そうなのね?
バレンタインか。そこはこの比企谷八幡ぬかりなく孤高のボッチを貫く俺にはトラウマがある。
雪ノ下「ヒキガエル君?さらに目を腐らせている暇があったら、とっとと部屋に入ってくれないかしら?部屋が温まらないでしょう?あなたのために使われる電力に申し訳ないわ。それともあなたの部室はこの廊下ということでいいのかしら?」
比企谷「さりげなく俺のトラウマを引き出すのはやめろ。なんで昔のアダ名を知ってるんだよ」
バレンタインのトラウマを回想する前に別のトラウマを引き出してくれたことに感謝しなければならないのかもしれない。
そして、部室に足を踏み入れる。
比企谷「うす」
由比ヶ浜「やっはろー」
雪ノ下「こんにちわ」
何時もの時間がまた始まる。雪ノ下は今日も紅茶を入れ、由比ヶ浜は今日も一生懸命に会話を紡ぐ。それぞれが紅茶を手にしたところで、雪ノ下が切り出す。
雪ノ下「ところで2人は進級できるのかしら?」
由比ヶ浜「…あー現国で赤点とったからそこはやばいかも…」
比企谷「まぁ、俺は大丈夫だな」
雪ノ下「由比ヶ浜さん?あなたたしか文系を希望したのではなかった?」
由比ヶ浜「えへへ…」
雪ノ下「そう…追加の試験とかはあるのかしら?お手伝いは必要かしら?」
由比ヶ浜「え!勉強教えてくれるの?!やるやる!じゃあさ!今から3人でファミレスに行こうよ!」
比企谷「それ絶対に勉強しないパターンだろ」
由比ヶ浜「んなことないし!前にゆきのんと彩ちゃんと3人でしっかり勉強したもん!」
比企谷「あー、千葉県横断ウルトラクイズか」
由比ヶ浜「なにそれ?でもでも!なんか別の場所がいいってゆなら‥ゆきのんの家?とかは?」
雪ノ下「ごめんなさい。今はちょっと人を呼べるような状態じゃないの…」
由比ヶ浜「じゃあヒッキーの家は??小町ちゃんの様子も気になるし!」
比企谷「別にかまわんが小町ならたぶん塾だぞ?」
雪ノ下「目的は由比ヶ浜さんの進級なのだからそれでもいいでしょう。大変気持ち悪いけれど、あなたの家ということにしましょう」
比企谷「じゃあ来るなよ」
雪ノ下「嫌よ。由比ヶ浜さんをあなたの魔手から守らなければならないもの」
しかし、今日の雪ノ下雪乃はなにかおかしい。部活に遅れてくるのは仕方ないにしても、なにかこう違和感を感じる。いつもより俺、攻められすぎじゃないか?
違和感を感じながらも部室を後にして俺の家に向かう。
いつもなら自転車で帰るが、今日は雨予報だったので電車を利用した。
3人で校門まで向かう道すがら、由比ヶ浜は疑問に思ったのか俺に尋ねてきた。いつも自転車というのもなかなか飽きるところがある。たまには電車を使うのも趣があるだろう。
駅まで向かう道中。由比ヶ浜は退屈をしたのか話題を提供してくれた。
ちなみに由比ヶ浜が赤点を取ったのは現国だけではなく、4教科ほど赤点だったらしい。その中で追試でしか単位を取れないのが現国だったのだ。
まじで大丈夫?
由比ヶ浜「ゆきのんはさぁー進路希望とか関係ないんだよね?」
雪ノ下「」
由比ヶ浜「ゆきのん?」
雪ノ下「あ、ごめんなさい。ぼーっとしていたわ…そうね。私の課は1クラスしかないもの必然的に次のクラスに行くことになるわね」
やはりおかしい。違和感の正体を探ろうと口をひ…
由比ヶ浜「ゆきのんどーしたの??なんか部室にいる時からなんか変だよねー?体調悪いの?」
雪ノ下「いえ、だいじょうぶよ。心配をかけてしまったかしら?それより比企谷くん?口を開けてどうしたのかしら?」
比企谷「ん、なんでもない」
雪ノ下「そう」
ふと目線を前に移すと雪ノ下の家のくるまが駐まっていた。
春乃「雪乃ちゃーん?」
雪乃「姉さん…」
春乃「比企谷くんに由比ヶ浜ちゃんもひゃっはろー!雪乃ちゃん少し借りていい?」
雪乃「ごめんなさい。少し待っててくれるかしら?」
由比ヶ浜「うん!いいよいいよ!ね?ヒッキー?」
比企谷「まー、いいんじゃないか。」
俺の返事を聞き、雪ノ下雪乃は雪ノ下さんの待つ車に向かった。
由比ヶ浜「なんの話してるんだろーね?」
比企谷「まぁ、身内の話だから俺らが気にしても仕方ねーだろ。」
言いながら少し胸の奥が少し騒ついた。守りたいと願った場所がいとも容易く崩れていくような、そんな予感がした。
暗闇が辺りを多い、街灯は取り残された
俺たち2人だけを照らしている。
由比ヶ浜「ヒッキー。ゆきのん居なくなったりしないよね?」
比企谷「さぁな。俺にはわからん」
由比ヶ浜も何かを感じているのだろう。おそらくそれは俺が感じているそれに限りなく近いものだ。
話していると雪ノ下が戻ってきた。
雪ノ下「お待たせしたわね。さあ、行きましょう。」
由比ヶ浜「うん♪」
雪ノ下「それと行き先は私の部屋に変更よ。2人に言っておきたい事があるの」
由比ヶ浜「そっか。うん!分かった!」
雪ノ下「そう。では車に乗ってちょうだい。」
比企谷「俺の意見はきかねーのかよ」
俺と由比ヶ浜、そして雪ノ下雪乃を一番最初に結んだ車。あの交通事故はここにいる誰にとってもけしていい思い出ではないだろう。
しかし、あの事故が俺たちを始めて結び付けたと言っても過言ではない。
始まりがこの車なら、終わりもこの車が告げるのではないだろうか?
言いようのない不安を感じながら車に乗り込む。そして音もなく車は走り出す。
春乃「雪乃ちゃんがお世話になったねー!君たちには感謝してるんだよねー♩」
雪ノ下「姉さん。少し黙っててくれないかしら」
遥乃「あれー?雪乃ちゃんまだ2人に話してないの??」
SSって大変ですね。心折れたのでここで打ち止めしておきます。
ちなみにこのあとの続け方も全く分からないので、書かないかもしれません。
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