提督「艦娘なんて必要ない!」 電「は?」
面白そうなお題を発見したので書いてみようと思いました。
※ あくまでも日常ものですので戦闘シーンなどは期待しないで下さい。
つまらないと思った方は静かにページを閉じてやってください。宜しくお願いします!
〜主な登場人物〜
提督
成人を迎える前にお迎えが来てしまった可哀想な青年。
死後の世界に行く直前、自称神?様にとある選択を迫られ、転生を決意。
生前が病弱だった事もあり、強い身体を望んだ事からサイヤ人に転生させられた。
電
本作のヒロイン。
普段は心優しい性格をしているが、稀に別人になる。
別人になると飛躍的に戦闘力が上昇、1人で戦艦すら凌駕出来るレベルに。
とある理由で左遷させられ、主人公と出会う。
明石
工作艦。大抵の物は何でも作ってくれる頼れるお姉さん。(自称)
電と同様、とある理由で左遷させられたが本人は全く気付いていない。
主人公の戦闘を影でサポートし、その度に電に怒られている。
神?様
主人公を転生させた謎の人物。
登場は最初だけでそこからは一切登場しません。
電「あの・・・言ってる意味がよく分からないのですが・・・」
提督「だから、俺が全部倒してきてやるって!あんな奴ら俺1人で楽勝だからさ」パンチパンチ
電「明石さん、この人何言ってるのです?」
明石「さ、さぁ・・・私もさっき会ったばかりだし」
電「電は何も聞かされてないから分からないのです。この人がこの鎮守府の司令官さんなのですか?」
明石「うーん・・・多分そうだと思うんだけど・・・」
提督「よっし。準備運動終わり!」
提督「早速その深海棲艦とやらを見に行くとするかね」
明石「ちょ、ちょっと待ってください!本気ですか?!」
提督「今の俺に出来ない事は何もないのだよ。まあ任せてくれ」
明石「人間が深海棲艦に勝てるわけないでしょ!海の藻屑にされますよ!」ガシ
提督「は、離せよ!ってか力強いなあんた!?」
明石「電ちゃんも見てないで手伝って!!」
電「はぁ・・・おかしな鎮守府に来てしまったのです・・・」
ハナセヨオマエラーーー!! ダメデス!!
ギャーギャー ワーワー
提督「と、思ってた時期が俺にもあったのです」
電「もぐもぐ・・・明石さん、次のポテトチップス開けて欲しいのです」
明石「はーい。ちょっと待っててね」ゴソゴソ
提督「・・・あのさぁ、その深海棲艦とかいうの倒しに行かなくていいの?」
明石「いいのいいの。この辺に深海棲艦はほとんど出ないから」ハイ ポテチ
電「なのです。ここは左遷鎮守府、電たちはお呼びじゃないのです」アリガトナノデス
提督(何だこの世界・・・思ってたとこと全然違うぞ・・・)
提督「あんの自称神、適当な世界に転生させやがって」
電「何をぶつぶつ言ってるのです?」モグモグモグ
明石「提督も食べませんか?ほら、遠慮しないで」
提督「」アカンコレ
提督「なるほどなるほど。色々分かってきたぞ」
提督「いやー、悪いねほんと。何せ急に提督?に任命されて、何も聞かされないままここに来たからさ」
明石「適当ですね・・・大本営も」
電「他に聞きたい事とかありますか?」
提督「いや、大丈夫。ありがと」
電「どういたしまして、なのです」モグモグ
提督(驚いたな・・・まさかここが日本で、しかも地名まで全部一緒なんて)
提督(つまりここは・・・パラレルワールド?って奴なのか?)
明石「それにしても暇ですねぇ。やっぱり適度に仕事があった方がいいのかも」
電「司令官さん、何かお仕事とかないのです?」
提督「ん? あー、どうだろ。何せ何も説明されずにここに来たからなぁ」
提督(何か言ってた気もするけど・・・確か・・・)モヤモヤ
提督「・・・あっ」アオザメ
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神?「それでは、今からあなたに転生先の世界を
提督「色々ありがとうございました!胡散臭い話ですけど、あなたのこと信じてみますね!」シュタ
神?「!。あ、あのちょっと?!」
提督「それじゃ、行ってきます!」ケイレイ
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________
______
電「司令官さん?どうかしたのですか?」
明石「お腹痛いならトイレ行ってきた方がいいですよ。この部屋出て直ぐですから」
提督「バカ!そんなんじゃないし!」
提督(どうしよう・・・確かまだ何か言いかけてたよな・・・)
電「あ、あの、司令官さん・・・?」
提督「!。あ、ああ・・・ごめんごめん」
明石「ダメですよー、小さい女の子を不安にさせたら」
提督「・・・そうだよな。悪かった・・・えっと」
電「電なのです!」
提督「あ、うん・・・電」ナデナデ
電「はわわ・・・// 」
明石「どうやら、吹っ切れたみたいですね」
提督「まあ、ね。考えてても仕方ないし」
提督「この世界で頑張ってみる事にするよ」
明石「・・・そうですか。何かよく分からないですけど、これから宜しくお願いしますね!」ニコ
提督「うん、こちらこそ!」
明石「フルハウス!今度は流石に私の勝ちでしょ」
電「甘いのです。電はフォーカードなのです!」バーン
明石「?!。また負けた・・・」ガク
提督「あのさ、出撃しなくていいの?君ら艦娘なんだよね?」
電「なのです。でもこの鎮守府は艦娘たちの墓場、出撃するような事は滅多にないのです」
提督「そ、そうなのか・・・?」
提督(参ったな・・・これじゃこの世界に来た意味がないぞ)
明石「提督、この鎮守府の資材状況ってどうなってますか?」
提督「資材?ああ、ちょっと待ってて」
提督「・・・あんまりよろしくないな。素人の俺でも分かるぞ、こんだけ0が並んでたら」
電「だから言ったのです」
提督「何とかして集める方法とかないの?」
明石「ありますよ。一般的には大本営から支給されますけど、遠征という手段でも資材は集められます」
提督「ほう。じゃあ遠征に行ってこい!」
電「無理なのです。最低でもあと1人はいないと編成すら出来ません」
提督「何だよ・・・結局無理・・・ん?」
提督「遠征って何人いれば行けるの?」
電「最低2人なのです。でも明石さんは工作艦なので遠征は出来ないのです」
提督「・・・なるほど」ニヤリ
提督「おい明石、ちょっと来てくれ」
明石「?。何かするんですか?」
提督「ちょっとな。俺に妙案があるんだよ」
明石「は、はぁ・・・?」
電「この鎮守府に来てもう1週間ですか・・・特にやることもなくて暇なのです」
電「司令官さんと明石さんは、今日もどこかに出かけてしまいました。きっとお仕事のことだと想います」
電「・・・でも、1人ぼっちは寂しいのです」グスッ
ドガーン.....
電「!。い、今の衝撃は・・・まさか!」タタタ
・・・
ー 鎮守府 演習場跡地 ー
ザァァァァァ
明石「」ポカーン
提督「うーん。どうにも力の調整が難しいなこの技」
明石「な、何涼しい顔してるんですかっ!」
提督「悪い悪い、次はもう少し弱めるから。もう1回頼む」
明石「嫌ですよ!また大破したらどうするんですか!?」
明石「いい加減電ちゃんにバレますよ!もう今日の訓練は終わりです!」
提督「えー・・・せっかくコツ掴めて来たのになぁ」
明石「こっちの身が保ちませんよ。全く、戦闘狂はこれだから」ブツブツ
「こんなところで何してるのです?司令官さん」
明石「!」
提督「あ、電。やっぱバレちゃったか」
明石「電ちゃんこれはね!提督が
電?「明石さんには聞いてないのです。少し黙っててもらえますか?」ニコ
明石「ひぃぃ!」バッ
提督「おい、袖が伸びるだろ。あまり引っ張るなよ」
電「司令官さん、電は寂しかったのです。今度から何かする時は電も混ぜてほしいのです」
提督「悪かった。電をびっくりさせたくて内緒にしてたんだが」
提督「次からは電にも付き合ってもらうから、な?」ナデナデ
電「むぅ・・・// 約束・・・しましたよ?」
提督「おう、約束だ」
明石(怖い・・・電ちゃん怖い・・・)ガクブル
電「そういえば司令官さん、先程こっちの方で衝撃音が聞こえてきたのですけど・・・」
提督「え? ああ、あれは俺の
明石「あーーーっ!そろそろ今日の夕飯の準備をしないとー!(棒)」
電「夕飯・・・?」
提督「・・・無理矢理すぎるだろ。もう少し頭使えよ」
明石「仕方ないじゃないですか・・・!元はと言えば提督が!」ヒソヒソ
電「うーん・・・念のために少し哨戒に行ってくるのです」
提督「哨戒?」
明石「だ、大丈夫だと思うよ電ちゃん!そんな事しなくても!」
電「万が一の事があるのです。ちょっと行ってきます!」タッタッタ
明石「あっ!・・・行っちゃった」
提督「おい、これチャンスじゃないか?」
提督「俺らもこっそりその哨戒とやらをやろうぜ」
明石「あなたって人は・・・別に私は構いませんけど」
提督「よっしゃ!そうこなくっちゃな」
明石「でも私はあくまでも工作艦です。戦う力はあまりないので悪しからず」
明石「いざという時はちゃーんと守ってくださいよ?」
提督「分かってるって。そんじゃお先にー!」ババッ
明石「ちょ、ちょっと置いて行かないで本当に!!」バッ
提督「うおおおおおお!最高だなこの感じ!!」ヒャッハー
明石(だ、ダメだ・・・早すぎて追いつけない・・・)ゼーゼー
提督「よし、もうちょいスピード上げて・・・っと!」
ビューン ザァァァ
明石「あ、あんまりスピード出し過ぎると危険が!」
明石「・・・もう!!」
・・・
電「敵影なし・・・なのです」
電「ふぅ、特に深海棲艦の反応もなさそうですね。でも念のためにもう1周
ヒャッハー ザァァァァァ
電「!」バッ
提督「っと、もうちょいスピード上げられそうだな」
電「し、司令官さん?!」
提督「わっ電?!そこどいてくれーーーっ!!」キキーーッ
電「っ!」
バシャーン
提督「はぁはぁ・・・危なかったぁ。おい電、大丈夫か?」ポタポタ
電「・・・」ポタポタ
提督「はははっ、早く帰って着替えようぜ。風邪引いたら
電「司令官さん」
提督「ん?」
電?「帰ったら明石さんと3人で、ゆっくりお話ししましょうね」ニッコリ
提督「あ、ああ。別にいいけど」
・・・
明石「っ?!」ゾク
明石「き、気のせいかな。何か一瞬すごい殺気を感じた気が・・・」プルプル
この後、明石にとって恐ろしい事が起きたのは言うまでもない。
ドォォン
明石「!。またやってるよあの人・・・」
ザァァァァ.....
提督「はぁはぁ・・・ふぅ。いい汗かいた」
明石「ほどほどにしてくださいね。その仮艤装だって燃料使うんですから」スタスタ
提督「おー、明石。どうよ今の」
明石「何度見ても驚かされます。人間業じゃないですよどう見ても」
提督「まーな。深海棲艦にもこれ、通用するといいんだけど」
明石「そうですね・・・何とも言えません。提督のようなケースは私も初めてですし」
提督「データがない・・・か。なら今から取りに行くしかないだろ」
明石「え? まさか行く気ですか?!」
提督「当たり前だ。電がいない今がチャンス!」
明石「で、でももし万が一の事があったら・・・」
提督「なーに、今日は様子見だから。明石もデータが欲しいだろ?」
明石「それは・・・そうですけど・・・」
提督「なら決まりだ。行くぞ明石!」ババッ
明石「ちょ、私まだ艤装付けてませんよーーっ!!」
提督「中々見つかんないもんだな。もうちょい奥に行ってみるか?」
明石「あの提督、そろそろ電ちゃんが哨戒から帰ってくる時間ですよ」
明石「そろそろ戻った方が・・・」
提督「ここまで来てそれはないだろ。今日は深海棲艦を見るまで帰らないからな」
明石「そ、そんなぁ・・・また電ちゃんに怒られる」ガク
提督「あーあ、一体いつになっ・・・ん? 何だあの影」
提督「おい明石、あの影は
明石「!」ピクッ
明石「こ、この反応・・・!深海棲艦が!!」バッ
提督「おーい!!そんな所で何してんだー?」オーイオーイ
明石「?!。何してんの提督?!」
・・・
電「!。水上電探に反応が・・・」
電「まさか・・・!」ババッ
提督「何だあれ・・・魚じゃないよな?」
明石「何言ってるんですか!深海棲艦に決まってるでしょ!!」
提督「まじで?!よっしゃ、迎え撃つぞ明石!」
明石「撃ちません!撤退しますよ撤退!」
明石「幸いな事にイ級が2隻のみ、これなら電ちゃん1人でも
イ級「」ザァァァ
イ級「」ザァァァ
明石「って、もうこっちに来てるーーーっ!?」
提督「下がってろ明石。ここは俺の必殺技で!」ググッ
提督「・・・よし、いくぞおおおお
ザァァァァ ドドドドド
イ級 ×2「」轟沈
提督「おおおお・・・あれ?」
明石「!。今の魚雷は・・・」クルリ
電「間一髪、何とか間に合ったのです」
電「司令官さん、お怪我はありませんか?」
提督「お、おう電。俺は何ともないぞ」
提督(またとられてしまった・・・)
明石「ありがとう電ちゃん。おかげでたす
電?「明石さん、司令官さんも」
明石「ひぃっ?!」サッ
提督「?。どした?」
電?「今度ばかりは見逃せないのです。後でゆっっくり、お話しましょうね」ニコ
明石(ああ・・・これ絶対やばいやつだ・・・)ガクガク
提督(可愛い笑顔だな。この笑顔は絶対に俺が守るぞ!)
提督「はぁ・・・腹減った」
明石「提督がいけないんですよ。今日は深海棲艦を見るまで帰らない、とか言うから」
明石「おかげで私までご飯抜きの刑に・・・」
提督「でもさぁ、見た感じ俺でも余裕で勝てそうだったぞ?」
明石「あれはただの駆逐艦です。深海棲艦の中でも1番弱い部類なんです」
提督「あーあ、電が邪魔しなきゃ俺の必殺技がドーン!と決まってたのにぃ」
明石「聞いてないし」
コンコン ガチャリ
電「た、大変なのです!」
明石「!。大変って、まさか深海棲艦がまた?!」
提督「いーなーずーまー、腹減ってもう倒れそうなんだけど・・・」
明石「こんな時にあなたって人は!」
電「いえ、深海棲艦じゃなくてですね・・・この鎮守府に新しい艦娘さんが来るらしいのです」
電「その事を司令官さんに言うのをすっかり忘れてて・・・」
提督「どうでもいいよ・・・それより飯を食わせてくれ・・・」
明石「どうでもよくはないでしょ。新戦力の確認は提督の義務です」
電「司令官さん、これが今日来る艦娘さんの資料なのです」スッ
提督「はぁ・・・もう腹減って文字読む気にすらならねーよ」
・・・
ザザーン.....ザザーン.....
??「ここが噂の左遷島・・・なるほど、噂通りでありますな」ニヤ
明石「それで電ちゃん、その新しい娘はいつ来るの?」
電「そ、それが・・・」
提督「今日だな。この紙に書いてある通りなら」
明石「今日?!そんな、いきなりすぎません?」
提督「俺に言うなよ」
電「電が司令官さんに伝えるのを忘れてしまったから・・・ごめんなさい司令官さん」
提督「ご飯作ってくれたら許してあげる」
明石「この馬鹿は放っておいて、一先ず迎えに行ってあげたほうがいいんじゃない?」
提督「馬鹿? ははっ、お前にだけは言われたくないな」
明石「馬鹿だから馬鹿って言って何か問題でも?」
提督「・・・工作艦の分際で、生意気だぞ明石」
明石「たかが人間風情が、艦娘様を舐めると痛い目に
ドゴーーーン.....パラパラパラ
「「「!!」」」
明石「ご、ごめんなさい電ちゃん!今のは決して提督を侮辱とかそういう邪心は一切ないから!」ドゲザー
電「?。何の話なのです?」
明石「・・・へ?」
提督「何かすごい衝撃だったな。大丈夫かよこの鎮守府」
電「行ってみるのです!」タタタ
提督「おい、いつまで地面に頭つけてんだよ馬鹿。置いてくからな」タタタ
明石「ちょ、え?! 置いてかないでってばーーーっ!!」
??「ふむ・・・やはり力づくはまずかったであります」
タッタッタッ ガラガラガラ.....
提督「あれ、 誰かいるぞ」
明石「あああああああっ!!やっと・・・やっと片付け終わったのに・・・」ガク
電「司令官さん、この方なのです。今日配属予定の」
あきつ丸「あきつ丸であります。貴官が提督殿・・・でありますか?」
提督(何かアニメで見たような口調だな・・・)
提督「お、おう。宜し
あきつ丸「失敬、するであります」シュタ
提督「え?」
電「!」サッ
パァン.....
電「っ・・・!」ググッ
提督「??。何してんの2人とも」
あきつ丸「ほぅ、中々の反射神経。電の名は伊達じゃないようでありますな」
電「し、司令官さんに・・・何する気だったのです?」パッ
あきつ丸「別に何も。ただ提督殿がこのあきつ丸の上官として相応しいかどうか、試しただけであります」
電「試す・・・?司令官さんを?」ピク
あきつ丸「本気で手をあげるつもりは当然なかったであります」
あきつ丸(まあ、避ける素振りぐらい見せて欲しかったでありますが)
提督「あー、何はともあれだ。これで遠征に出せる人数は揃ったってわけだろ?」
提督「なあ電・・・ってあれ」
電?「どんな理由があるにせよ・・・」
電?「司令官さんに手を上げようとする輩は、仲間として認めるわけにはいかないのです」キッ
あきつ丸「!」バッ
あきつ丸(ふっ・・・そっちこそ、同じ艦娘を見る目じゃないでありますよ)ニヤ
提督「2人ともそんなピョンピョンすんなよ!工廠が潰れるだろうが!!」
〜追加人物紹介〜
あきつ丸
陸軍出身の艦娘。肌の色が極端に白い。
特技は白兵戦で、戦闘狂な一面を持っている。
この鎮守府に異動になったのもそれが原因らしい・・・。
提督「電、とりあえず飯にしてくれ。工廠は俺らで片付けとくから」ポン
電「し、司令官さん・・・分かったのです」タタタ
あきつ丸(むっ、殺気が消えた・・・?)
明石「工廠・・・私の聖域・・・サンクチ
提督「いつまでブツブツ言ってんだよ気持ち悪い。お前も手伝え」ゲシ
明石「あうっ?!」
提督「えーっと、あきつ丸だったか?悪いけどお前も手伝ってくれ」
提督「これからこの工廠には色々世話になると思うから」
あきつ丸「・・・承知」
提督「さてと、今日は遠征ってのに出かけてみようと思う」
あきつ丸「遠征・・・でありますか」
電「・・・」ジー
提督「あきつ丸が来てやっと遠征出来るようになったからな」
あきつ丸「・・・電殿、そんな目で見ないで欲しいであります」
あきつ丸「左遷された者同士、ここは仲良くしておくのが得策でありましょう?」
電「電は、まだ認めてないのです」プイ
提督「何だよ、お前ら喧嘩でもしたのか?」
あきつ丸「やれやれ、随分嫌われてしまったようでありますな」
ガチャリ.....
明石「ふぅ、ようやく工廠が片付きましたよ」
提督「お、ちょうどよかった。今から遠征に出ようと思ってたんだよ」
明石「グッドタイミングですね。ドッグの整備もバッチリですよ」
電「でも司令官さん、遠征と言っても色々あるのです」
電「それに明石さんは除くとして、電と軍曹さんの2人じゃ出来る遠征もかなり限られてしまうのです」
あきつ丸「いつから自分は軍曹になったのでありますか・・・?」
提督「いや、大丈夫。俺も出るから3人だよ」
電「え?」
あきつ丸「はっはっは。提督殿は面白い事を言いますなぁ」
あきつ丸「艤装もないのにどうやって出るつもりでありますか?」
提督「へーきへーき。さ、行くぞ2人とも」スタコラ
電「あっ!司令官さん待って欲しいのです!」タタタ
明石「行ってらっしゃーい」
ガチャ バタン
あきつ丸「・・・はぁ。左遷鎮守府の提督らしい、全く面白味のない冗談でありましたな」
明石「冗談かどうか」
あきつ丸「!」
明石「自分の目で確かめてみたら?意外と冗談じゃないかもしれないし」
あきつ丸「ふっ、まさか。人間に戦う力が無いからこその艦娘でありましょう?」
明石「・・・さーて、仕事仕事。今日のお昼は何にしようかなぁ〜」スタスタ
あきつ丸「ま、いいであります。左遷された以上、する事もないでありますから」
提督「んじゃ、2人とも俺の後にしっかり付いてくるように!」
あきつ丸 「提督殿、やはり危険であります」
電「そうなのです!司令官さんはここで待っていてください!」
電「遠征は軍曹さんと2人で行ってくるのです!」
提督「ノープロブレム!ほら行くぞ2人とも!」ババッ
電「あっ!」
あきつ丸(まさか・・・本当に行ってしまうとは)
あきつ丸「・・・こんな提督は初めてであります。自らが出撃するなんて」
あきつ丸「まあ、安全な所から戦いを眺めてるだけの、無能な提督よりかはマシでありますが」
電「そんな呑気な事言ってる場合じゃないのです!早く連れ戻さないと!」バッ
あきつ丸「やれやれ、本当に退屈しない鎮守府でありますな」
電「司令官さん!」
提督「遅いぞ電。待ちくたびれちゃったよ」
電「こんな遠くまで・・・もう1人で戻らせるわけにはいかないのです」ハァ
あきつ丸「提督殿、その艤装実に興味深いであります。人間でもここまでの速度が出せるとは」
提督「仮艤装って呼んでたな確か。よく分からないけど」
電「とにかく!司令官さんは電と軍曹さんから離れちゃダメなのです!」
電「絶対に!!」
提督「はーい」
ザァァァァ.....
電「!」ピク
あきつ丸「・・・ほぅ、早速お出ましでありますか」
電「最悪のタイミングなのです・・・」
提督「何だよ、どうした?」
あきつ丸「電殿、ここは自分に任せて欲しいであります」ババッ
電「・・・お願いします、軍曹さん」
提督「行っちゃった。電は行かなくていいの?」
電「電が行ったら誰が司令官を守るのです?」
提督「いや、別に俺は大丈夫なんだけど」
提督「それに・・・俺も深海棲艦見てみたいし!」バッ
電「もう!!怒りますよ司令官さん!」バッ
・・・
あきつ丸「はっはっは、戦艦といえどこの程度でありますか」
ル級「グッ・・・随伴!奴ノ足ヲ止メロ!!」
シーン.....
ル級「随伴・・・クソッ」
あきつ丸「久々に、いい運動になったであります」チャキン
ル級「舐メルナ・・・!接近戦ナラマダコッチニ分ガッ
ズバッ!!
あきつ丸「白兵戦を知らないとは」スタッ
ル級「ナ・・・ニガ・・・」バシャン
あきつ丸「・・・少し勉強不足でありますよ。戦艦ル級殿」
提督「あきつ丸ーー!無事かーーー?!」
あきつ丸「提督殿・・・また電殿に怒られても責任は取れないでありますよ」
提督「そう邪険にしなくてもいいじゃないか。一応心配して来たんだからさ」
あきつ丸「・・・心配でありますか」
電「司令官さん!!」
提督「遅いぞ電。人間の俺より遅いとは何事だ!」
電「うっ、それは・・・じゃなくて!」
提督「ははっ、冗談だよ。悪かった」ナデナデ
電「むぅぅ・・・//」
ル級「キサマ・・・マダ・・・ワタシハ・・・!」
提督「?。何だ今の声」
電「!」サッ
あきつ丸「はぁ・・・大人しく沈んでいればいいものを」
提督「えっ、これって・・・人?」
電「深海棲艦なのです。それも人型の」
提督「・・・まじかよ」
ル級「マダ・・・マダヤレル・・・」フラ
電「もう沈む寸前なのです。これ全部軍曹さんが・・・」
あきつ丸「些か腕が鈍っている様でありますな。でも・・・これで!」スッ
電「ま、待って
提督「ストップストップ!落ち着けよ軍曹」ガシ
あきつ丸「・・・何の真似でありますか?提督殿」
電「司令官さん・・・?」
提督「悪いけど、こいつは連れて帰る!」
更新はゆっくりまったりしていきますー
続きが楽しみです