2016-08-22 15:08:59 更新

千と千尋のあの曲よりです

初投稿なので、文章力は……(察し)でお願いします













空には、白い飛行機雲がかかっている

目で追いながら、思いを馳せた


準決勝前夜


怜「ふぅ……」


明日の準決勝は、チャンピオンのいる白糸台とや。昨日みたいには、させへんで


竜華「ときー?こんな時間にどうしたん?」


怜「ちょっと……星、見に行こかとおもてな」




怜「……きれい、やな」


竜華「うん……ほんまに」


小高い丘の上。東京とは思えない、満点の星空の下。


怜「明日、絶対かつで」


ぽつり、そんな声が怜の口からもれる


怜「ぜったい負けへん、みんなのためにも、ぜったいに……!」


怜の言葉は力強い……けれど、どこか儚さをもっている……


竜華「ねぇ怜……緊張してる?」


怜「そら、あたりまえやで」


正直いまにも、重圧で潰されそうな程には


むにゅっ


怜「いひゃい、りゅうひゃ」


竜華「あはは、ごめんなぁ」


竜華「怜、うちらが初めて会った時のこと、覚えてる?」


怜「もちろんや」












私は、小学生の頃から病弱だった。そのためか、麻雀というインドア競技に触れる時間はみんなより長かったのかもしれない。けれども、私は強くなりたいとは思わなかった。中学校の麻雀部でも、弱くてもいい、と思ってた



竜華「清水谷竜華や!目標はインターミドルで優勝すること!!」


彼女、竜華と出会うまでは










竜華「あはは……あの時はいろいろあったなぁ……」


怜「ほんと、びっくりしたで……」


竜華「ごめんごめん……なぁ、怜」


怜「?」


竜華「月、綺麗やな」


竜華「さ、もう戻って休も?みんな心配するで」


怜「……うん」


いつの間にか胸を締めるような重圧はなくなっていた。夜風が火照った頬を冷ましていく。

とても心地よい、どこか懐かしい感覚だった。













冷たい風。


怜「ん……」


そうだ、今は準決勝の途中。河を見ると自分の番が迫っていた。


怜(走馬灯……ちゅうやつかなぁ)


まだ、負けたくない。負けられない。竜華のためにも、チームのためにも。


怜(ここから先は……みんながくれた一巡先や!!)


キィン


怜(っ……2巡後、チャンピオンの大三元ツモ……)


だが


怜(どうやったらずらせるんや……!!)


未来は見えた。しかし、変える力のないもどかしさ。


未来の前に巣食う手足は


照「……ツモ。8000、16000」


静かな声に解かれて


怜(っー!!!)


叫びたいほど


怜(りゅーかっ……)


愛おしいのは


怜(……うちはもうここまででもいい)


ひとつのいのち


ゴッ


玄・煌「!?」


照「……」ゴッ


怜(うちの最後の全力……や!!)


怜「ツモ……ははは、おつかれさ……」


真夏の光


実況「き、決まったーー!!最後にチャンピオンの連荘を止めたのは、千里山の園城寺選手ー!!」


怜(あれ、ふわふわしとる……)


怜(りゅーか……)


あなたの肩に揺れてた


怜(だいすきやで)


木漏れ日































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