提督の罪と艦娘
昔、1つの罪を犯した提督と艦娘の物語
完全オリジナルで行きます
オリジナルキャラ紹介(ssにするときは苗字で表記)
提督 本名、鹿黒零(かぐろ・れい)年齢20代後半の男性、階級は大佐。長身でありそこそこのイケメン、喫煙者、過去に何かあったようだが…?
戦う際は2つの剣を使う(日本刀とサーベル)、艦娘の仲は良好だが自分の犯した罪で信頼までは行っていない
5人で昔は「ファイブファイター」と言われていた、横須賀鎮守府提督
憲兵 本名、縋謙哉(すがる・けんや)年齢20代後半の男性、提督とは小さいころからの友人であり提督の過去を知っている
今でもその罪を犯した提督を心配し、一緒の鎮守府に入る。
大佐 本名、三垣香子(みがき・きょうこ)年齢20代の女性、提督や憲兵とは小さいころからの仲、提督の過去を後から聞く
自分が何かできなかったか、という風に悔やんでおり提督に積極的には話しかけない、小さい子から好かれやすい
佐世保鎮守府提督
中佐 本名、古野艇(ふるの・てい)年齢20代後半の男性、提督とは小さいころからの仲、階級が2人より低いのは自らの意志であるらしい
提督の過去を知っており、何度も説得している、鎮守府には所属出ず本営で働いている
陸大佐 本名、阿崎理名(あざき・りな)年齢20代後半の女性、提督とは小さいころからの仲、提督の過去を知っているが口には中々しない
他の4人と違って陸なのは体を動かすのが好きという理由で、提督の事を「零ちゃん」と呼ぶ
中将 本名、東側光之助(ひがしがわ・こうのすけ)50代後半の老人、提督の父親の代から提督の事を知っており、上層部で唯一過去を知る
左足を失っており、義足。
??? 提督が罪を犯す発端になった元凶、全てが謎に包まれているが肩の部分にマークが入っていたので海軍ではないかとの噂
煙草を吹かすため喫煙者と思われる
オリジナル設定
1 艦娘は人間より長く生きれるが戦いの中で発生する「轟沈」まで行くと消滅する、陸でも心臓を一突きなど人間と同じく急所を狙われると死なないが重傷を負う、同じ名前や性能の艦は存在するが「ピーマンが嫌い」「趣味は読書」「スポーツはやや苦手」等完璧に同じな艦はいない
2 陸軍海軍空軍は仲が悪いと言われるがあくまでも上層部のみで大佐以下は合同訓練等に参加するなどとても悪いまではいかない
3 軍上層部のみが知っている情報があるらしく上層部でも限られた人間しか知らない
4 民間人との関係は軍が守り、民が軍に税を支払うor軍に一時的(居ようと思えば所属)しなければならない
5 深海にも提督がいるのでは?との噂が広まってい居るが不明
6 艦娘は轟沈すると深海棲艦に変化する、記憶は「元艦娘」という事しか分からない(ごく一部除き)、治療方法は代償が多いが半分の確率で戻せる
7 深海棲艦の仲にもブラック鎮守府同様の行いが行われている所もあるようで姫などに嫌気がさした深海棲艦は自らの命を絶つか人間側に協力する
8 特殊な実験が行われている噂がある、人間・艦娘・深海棲艦・動物・植物・物質・無機物問わず犠牲になった者(物)がいる
9 国が降伏した後、1度だけ人間のみでとある戦いをした、犠牲者は数千人
・提督と艦娘の良好具合(見にくいですがご了承を…)
鹿黒→艦娘(良好ではあるが心までは開いていない、ただブラック鎮守府にはさせないという思いはある)
艦娘→鹿黒(とても信頼しているが謎が多いとは思っている、こっそり調査している)
深海棲艦→人間側(信頼できないが自分たちを極度に悪と見なさない人間もいるなという感じ)
深海棲艦→艦娘(自分たちの邪魔をするなら容赦はせんぞ)
鹿黒→深海棲艦(取りあえず攻撃するなら倒す、命令でも倒す)
軍→鹿黒(過去は知っているが警告はしない、一応自分たちに逆らってはいないな)
艦娘→深海棲艦(倒されたくないから倒す、命令されたら倒すけど相手がその気がないのなら攻撃はしない)
艦娘→軍(一応所属の上司だがあまり信用はしていない)
軍→艦娘(ただの兵器としか見ていない)
軍→深海棲艦(何とかして潰したい)
鹿黒→軍(秘密が気になる)
鹿黒「………何の用だ、俺は現在進行形で忙しいんだ…」カリカリ
漣「いやいやいやいや、こんな美少女がいるんすよ?もっと構ってくれなきゃ駄々捏ねちゃうぞ☆」
鹿黒「ならば刀の餌食にでもなるか」スッ
漣「すんません冗談ですお仕事頑張って下さい」
こいつの名前は漣、一見美少女だが話の内容があれ、口調はネット用語をよく使う艦娘だ
悪い奴ではないが火に油を注ぐ性格なのでよく怒られてるが根は悪い奴じゃない
鹿黒「…何もしないのなら帰れ」
漣「……何も喋ってないですけど」
鹿黒「じゃあ何でずっとソワソワしている」
漣「…………こんなタイミングで1ついいですかご主人様」
目が変わる漣、その目はいつものようにバカをやるような目ではなく真剣な表情
漣「何か隠してるでしょ」
鹿黒「…何故そう思う」
漣「自分で気づいてないんですか?ご主人様、何か動揺すると指の小指と薬指立てる癖あるんですよ?」
鹿黒「-っ!?」バッ
漣「あはははは!引っかかりしましたねご主人様!」
鹿黒「貴様………ッ!」
漣「教えて」
漣「なに隠してるんですか」
漣「これでも最初の艦娘なんですよ、私」
鹿黒「ほぉう……最初の娘だから俺の秘密を教えろと?」
漣「あれ?これも気づいていない?」
漣「艦娘の間で話題ですよ、提督には秘密があるかも…って」
漣「その証拠にご主人様任務以外で私たちと中々喋らないし、妙に強いし、それに…毎日21時にどこか電話してる」
鹿黒「…誰から聞いた最後は…」
漣「それは教えれませんけど私じゃないです」
鹿黒「……これ以上俺に関わるな、命令だ」
漣「じゃああと1つ、ご主人様は私の事をどう思ってますか?」
鹿黒「思うも何も貴様は最初の艦娘だろう、戦艦などと比べたらアレだが決して弱くない…娘だ」
漣「じゃあ私だけじゃなくても信頼してます?艦娘…の事を」
鹿黒「………………も、勿論だ」
漣「何ですか今の間」
鹿黒「これ以上は何も言わん、分かったなら部屋に戻れ」
漣「まぁ今日はこれくらいで良いでしょう」ピョン
漣「でも…私たち、提督の秘密知りたいですから」
漣「助けになりたい、これだけは全員共通してます、では」ガチャ
鹿黒「助けになりたいねぇ…」ギィ
椅子の背もたれの部分を窓ガラス側に倒し足を浮かせる
鹿黒「…言ってくれるね、嬢ちゃん」
鎮守府近くの休憩スポット
58「つ、疲れたでち…」
168「なによ、毎日オリョールじゃない分我慢しなさい、週3~4ようちは」
58「そういう意味じゃないでち…ただ何のためにゴーヤ達は遠征に行っているんだろうか…って」
8「提督の事?」
19「まぁ謎が多いけどブラックな人じゃないって事は言えるのね」
ろー「でもろーちゃん達が帰っても…」
鹿黒『ご苦労だったな、ほら間宮券だ』
ろー「…ってだけで…」
401「でも当たり前だ!…って感じじゃないよね?気を使ってくれてるし」
19「でもなーんか距離を置かれてる気分なのね」
19「イク達は提督に喋りかけてるけどあっちからは中々ないのね」
26「確かに…」
168「忙しい時もあるけど絶対にそうじゃない時も他の大佐とかに電話してるわね」
まるゆ「大体決まった時間ですし…」
8「これは何かありそうですね」
19「じゃあ調べてみるのね!」ピュー
58「はやっ」
168「私たちも行きましょ!」ダッ
青葉と衣笠の部屋
青葉「…なるほど、確かに面白そうですね」
19「でしょ!」
衣笠「確かに決まった時間に電話するのは変よね~」
衣笠「衣笠さんも1回見たけどよく分からない単語ばっか話してたわ」
26「どんな内容?」
衣笠「うーん……詳しくは覚えてないけど…」
鹿黒『第1号はどうなっている』『最悪……アレを使って…するしかないだろう…』
衣笠「…って」
まるゆ「アレ?」
ろー「第1号?」
8「何かの海軍用語でもなさそうですね」
401「1号なら2号もいるとか?」
青葉「まぁまぁ皆さん、ここで想像しても仕方がありません」
青葉「司令官は毎日決まった時間に誰かに電話をします、そこを狙うしかないです」
衣笠「つまり?」
青葉「つまり明日の21時前に執務室に盗聴器を仕掛けるんです」
青葉「明石さんにでも頼みましょう」
明石「いいですよ、私も気になってましたし」
青葉「おお!流石ですね」
夕張「でもその盗聴器を誰がどこにどのように仕掛けるかがポイントになるよね」
大淀「その点は心配いりません、提督は明日朝から軍会議です、2時間は戻らないのでそこが勝負かと」
26「じゃあ全員に連絡しよ!」
大淀「ですが放送を使うと提督にもばれます、ここは1人ずつ確実に伝えましょう」
衣笠「じゃあ作戦を練ってから…」
ヤイノヤイノ ヤッパ… ソウダネ!ココヲ…
「………」
「………」カチッ
「艦娘の動きを発見した」
「どうする?」
「……俺たちは裏の裏をかこう」
「明日、朝よろしくな」
「了解…」ブツン
「馬鹿め……1度警告したはずだぞ…」
鹿黒「……という訳で俺は本部で軍会議があるからよろしく頼む」
長門「あぁ、任せておけ」
鹿黒「と言っても2時間くらいで帰ってくるし深海の奴らが襲い掛かったら無線で連絡できるしな」
鹿黒「弾薬数とか疲労度もチェックした、任せるというか普通に過ごしてくれ」
長門「了解だ、気を付けてな」
鹿黒「あぁ」
後ろ向きに手を振る鹿黒、門の前には本営からの車が用意されている
鹿黒「………」コツコツ
長門「行ったぞ」ブツッ
青葉「了解しました、助かります長門さん」
長門「これくらいお安い御用だ、私も提督の事は気になっていたしな」
長門「しかし大きな事を起こしたな、バレたら言い訳が出来んぞ」
青葉「言い訳を言わない為に頑張ってるんじゃないですかー、もー」
青葉「発信機に反応しない特殊な電波の盗聴器2個を部屋に隠し、超小型カメラで映像を記録し、提督が今日のように鎮守府を離れたらもう1度確認」
青葉「今のところこれしかありません」
長門「そうだ…な」
長門(何やら胸騒ぎがするな……)
青葉「他の皆さんにも協力してもらってるんで長門さんもお願いしますねー」
長門「……ん、あ、あぁ!このビッグセブンに任せておけ!」
ブオオオーン…
鹿黒「……」
運転手「いいのですか鹿黒提督」
鹿黒「何がだ」
運転手「彼女達は女性でしょう、いくら艦娘とも言えども…」
鹿黒「お前はあいつらの強さを分かっていないだけだ、凄く強いぞ?」
鹿黒「そういえば…お前は本営が寄こした運転手だな」
運転手「えぇ」
鹿黒「…つまり本営の人間ではないという事だ」
運転手「それがどうかしましたか」
続けて鹿黒が問いかける
鹿黒「鎮守府というのは艦娘が集まる場所だ、映像にでも出ているが彼女たちは特殊な艤装をつけて戦っている」
鹿黒「……何で彼女が艦娘と分かった、彼女は訓練用の衣装でな、それはそれは提督の服に似ていてな、一般人じゃ見分けがつかない」
・提督の服との違い……横に赤いラインが入っている、階級ワッペンがない
鹿黒「答えろ運転手」
鹿黒「何故艦娘と分k…」
運転手「…………ククッ」クィッ
ガリガリガリ!!と車がガードレールにぶつかる
鹿黒「貴様!何者だ!」
運転手「やっぱ本営の人間って言った方が良かったかな!バレなかったらこのまま連れて行こうと思ったのに!」
鹿黒「どこだそこは!」
運転手「………」
鹿黒「チッ、答える気がないなら俺は勝手にさせてもらうぞ!」
バン!と勢いよく扉を開ける
運転手「なに…!?」
鹿黒「とぉっ!」
刀を道路に突き刺しながら自身の体を刀に預ける鹿黒
鹿黒(流石にやばいな…!)
運転手「クソ!自分の身体能力に感謝するんだな鹿黒!」
鹿黒「……っ…!」
エッ…ナニガアッタノ…? ア、アノフクソウテイトクサンジャナイ? ナンデ
鹿黒(町中ってのがまずかったな…)
「……何してるんですか提督…」
鹿黒「…加賀…赤城もか」
加賀「い、今提督が車から…出て…」
鹿黒「危うく連れ去られそうになったんでな、少し無理やり…」
赤城「無理やりじゃないですよ!お怪我は!?」
鹿黒「剣が一本ダメになったくらいだ、…と、ここじゃまずい、近くの喫茶店にでも入ろう」
加賀「!え、えぇ…」
加賀「本営に呼び出された車に乗ったら艤装もつけてない長門さんを艦娘と見抜き問い詰めたら連れ去られそうになった、と…」
鹿黒「あぁ、本営の車もどうかも怪しいがな」
赤城「提督!」タッタッタ
鹿黒「すまんな赤城、どうだった?」
赤城「本営に連絡を入れ軍会議は不参加にしてもらい事故の対応もお願いしました、そして車は行き違いであったらしいです」
鹿黒「やはり嘘か……ナンバーを見ればよかったな」
加賀「とりあえず提督が無事で何よりです、赤城さんもお疲れ様でした」
赤城「いえいえ私は…」
鹿黒「ところで何で2人は町に?非番だったのは知ってるが…」
「「スイーツバイキングです!」」キラキラ
鹿黒「お、おう」
その後鹿黒の財布は大破した
一方艦娘side
長月「…とりあえず仕掛けたぞ」
青葉「お疲れ様です!」
長月「……しかし執務室にこのような事をしていいのか?ちょっとやり過ぎじゃ…」
青葉「色々と話し合った結果がこれです、それに真っ向から話してもあの人は絶対に口は割りません」
青葉「それに四六時中監視もしないので安心してください」
長月「う、うむ…」
青葉「…っと、明石さん?夕張さん?電波状況はどうですか?」ガガッ
明石『大丈夫よ、よく聞こえる』
夕張「執務室の机の裏に秘書官の机の裏に計2個、ここは中々バレませんよ」
明石「仮にバレても盗聴器とは普通考えませんからね」スッ
明石「そして最後は監視カメラ…」
明石「これで証拠を取り誰と話していたか確実に白状させます!」ババーン
夕張「良い子のみんなはマネしないでね」
明石「……夕張ちゃん?誰に向かって言ってるの?」
夕張「この作品を見てくれている方々」
明石「なにそれ」
鎮守府前
加賀「美味しかったですね」キラキラ
赤城「そうですね加賀さん」キラキラ
鹿黒の財布「」シクシク
鹿黒「泣くなよ」
加賀「しかし提督を襲った運転手が何者かが気になりますね」ヒソヒソ
赤城「独自に調査しましょうか」ヒソヒソ
鹿黒「………内緒話ならもっと小声で話せ」
赤城「!…まさか…聞いてました?」
鹿黒「逆に何故聞こえてないと思った赤城…とにかくこれ以上首を突っ込むな、俺が確かめるから、お前らは何もするな」
加賀「確かめるとは?」
鹿黒「明日本営に行く、勿論自分の車で行くから安全だとは思うがな」
加賀「ですが今日の件があります、提督1人は不安です」
加賀「艦娘でも他の提督でもいいですから誰かと一緒に行くべきだと思います」
加賀の言う通りだと思うがこれ以上彼女たちを巻き込んではならない…しかし万が一今日と同じ状況が起きないとは否定がしにくい
鹿黒「分かった、ただし同伴するのは他の提督だ、それでどうだ」
加賀「私たちだけでは頼りないと?」
鹿黒「仮にお前らと言っても帰りが危険すぎる、それに行くのは2人だが本営の中では数人と行動しよう」
鹿黒(こちらの目的もあるしな…)
鹿黒「済まないが俺はまだ仕事があるから先に行く、何かあったら来てくれ」スタスタ
加賀「ていと…」ポン
赤城「……」
加賀「赤城さん…」
赤城「加賀さんの気持ちも分かりますがこれ以上は疑いをかけるだけです、他の提督も行動すると言っていますし大丈夫だと思います」
赤城「ここはまだ動くべきではありません」
加賀「……っ!分かりました…」
鎮守府裏
鹿黒「…どうだ様子は」
「多少の動きは出ているな、21時の電話内容を聞きたいと何やら仕掛けているようだ」
鹿黒「まだ本営まで行っていないだけましか…」
「どうする零、このままだと…」
鹿黒「問題ない、予定をずらし今日の夜に艇に電話して本営に呼ばれたとカモフラージュして実行しよう」
「分かった、こちらから連絡しておく」
鹿黒「頼んだぞ……あとは光さんに連絡しておくから、夜の鎮守府は任せた」
「了解…気を付けてな」
「………」
加賀「…という訳よ」
一方その頃、空母のみで軽い話し合いが行われていた
蒼龍「運転手の顔は見ていないんですか?」
加賀「提督が何も話さないのと連行されそうと言っているあたり他人なのは確かよ、帽子を被ってたのはガラス越しに見えたし深く被ってたのかも」
瑞鶴「それにしても危険な脱出方法を試みたわね…」
赤城「提督だからと言えば済みますがもし提督が怪我をしたら真っ先に狙われます」
飛龍「それは提督もまずいでしょうし…」
グラーフ「提督も運転手も何かを隠していることは事実だ…だが証拠が少なくて問おうにも問えん!」
加賀「しかし日々真相には近づいています」
赤城「提督に疑われることなく、私たちは私たちのやるべき事をしましょう」
雲龍「あの、少しいい?」
赤城「?どうしました雲龍さん」
雲龍「天城と葛城が連れてきてくれたんだけど…この子達が話があるって…」
「……」コクン
蒼龍「あ…!」
木曾「しかしまぁフタイチサンマルにもなって本営に呼ばれるとは、大変だな」
鹿黒「それが仕事だからな、あと今日の夜戦演習は早めに頼んだから、帰ったら嬢ちゃんたちに間宮券渡しといてくれ」スッ
木曾「まぁいいけどその嬢ちゃん呼びは止めた方がいいと思うぞ?俺も最初は戸惑ったし…」
鹿黒「おっと、すまんな、気を付ける」
古野「おい零!早くしろ!」
鹿黒「分かった!……じゃあな、頼んだぞ」
木曾「……本物だろうな、あいつ」
鹿黒「心配するな…あと2人同席してくれる、そいつらは本物だ」
木曾「分かった、鎮守府は任せてくれ」
鹿黒「あぁ、早朝には戻る」
木曾「絶対な」
鹿黒「あぁ……お前も、気を付けてな」スタスタ
木曾「………」
ガチャッ オセーヨ スマン ブオオーン…
木曾「行ったぜ」
球磨「しかしまぁ態々本営の方を呼んで行くとは…やるクマね」
木曾「盗聴器は残念だが代わりに3人も行ってくれたしな」
球磨「そうクマね、球磨達は戻って作戦でも練るクマ」
木曾「しかし…仲が良さそうだったな」
球磨「嫉妬クマ?まぁ幼馴染らしいし親しいのは当然だと思うクマ」
木曾「姉ちゃんは嫉妬してないのかよ…」シット
球磨「してない風に見えるクマか?球磨も1度は零でも零ちゃんでも言ってみてぇクマ、仲良さそうに聞こえるクマ」
木曾「………戻るか姉ちゃん」
球磨「そークマねぇ…」
車内
古野「んだ零、あの眼帯の艦娘彼女か?」
鹿黒「違う……俺の部下だよ、部下…フレンドリーに接しているがな…」
飛谷「それってもはや違うのでは…!?」
佐久間「こら失礼よ」
・飛谷勝(とびや・まさる) 20代半ばの男性、古野の部下であり階級は大尉、鹿黒の事を大体知ってる
・佐久間優(さくま・ゆう) 20代半ばの女性、同じく古野の部下で階級は大尉、鹿黒の事も知っている
鹿黒「しかし悪いな…お前ら2人も巻き添えにしてしまい」
飛谷「お互い様っすよ!俺たちも本営には何かあるって思ってましたし」
佐久間「まぁ階級が低いので無暗に行動できませんが先輩の連れとしてなら自然に来れましたしね」ニッコリ
古野「光さんが本営で待ってるしお前が何者かに連行されそうになったことも聞いた…が、ありゃ無茶過ぎだぞ零」
鹿黒「悪いとは思ってるよ艇…だがあのままだと本当に連れ去られそうになったしな」
古野「お前が無事で良かったが何かあったらどうするつもりだ…」
ガコン!ドスッ
飛谷「んお?先輩ここ道悪いんですか?」
古野「いや?コンクリートの道だけど」
鹿黒「じゃあ今の何かと衝突した音は?」
佐久間「いや……まさか…」
ドスッ!シューッ
鹿黒「後ろからだ…」
古野「なに!?俺は何も入れていないぞ!?」
飛谷「嘘でしょ…おい…!」
鹿黒「誰かいるの……」バッ
陽炎「あっ」
不知火「あっ」
黒潮「あっ」
鹿黒「あっ」
「「「「えええええええええ!?(何してるんだお前ら!・見つかってしまったぁ!)」」」」
陽炎「」セイザ
不知火「」セイザ
黒潮「」セイザ
飛谷(狭い)
古野「……お前の所の艦娘か」
鹿黒「あぁ……で、何故艇の車のトランクに潜り込んでいたか説明してもらおうか」ケンスチャ
佐久間「落ち着いて下さい!」
陽炎「いやー……実はね…」
不知火「遠征帰りに鎮守府裏の掃除でもしようと陽炎たちと話してたら…」
黒潮「偶々司令はんと憲兵さんが話してるのを見てな…」
古野(おい)
鹿黒「…見てたのか……」
陽炎「で、近くにいた天城さんと葛城さんに話して…空母の皆さんが話してるところにお邪魔して聞いてもらったら…」
不知火「偵察機で車とかを調べると言っていましたので隙を見て潜り込みました」
飛谷「嘘!?」
古野「俺ら何してた!?」
黒潮「3人でスマホやったっけ?なんかしとったで」
鹿黒「ほぉう」
古野「ゲームじゃない!本営のメッセージを読んでいただけだ!次の日曜日にもう1度会議するっていう」スッ
鹿黒「本当だ、日付も21時26分、丁度鎮守府に着いたかどうかって時だな」
陽炎「最初に発見したのが私たちだったから私たちが一緒に行ってくれって話になったのよ」
陽炎(それに危ないかもしれないから提督のそばを離れるなって言う蒼龍さんの発言もあるし大丈夫だと思うけど…)
不知火「どうしますか?不知火たちが邪魔と言うなら帰りますか?ロスしますけど」
鹿黒「くっ……!」
佐久間「先輩……ここは行くしかないですね」ヒソヒソ
古野「あぁ……零!いいじゃねぇか、あと数分で本営に近づく」
鹿黒「分かった…が、必ず誰かと一緒にいろよ」
3人「「「分かった(わ・りました・で!)」」」
陽炎「いつ見ても威圧感があるわね…」
本営:地上20階地下3階、その他の設備も整っている、陸空軍もあるが艦娘は所持しないので海軍本営よりやや小さい、外部からの侵入は困難であり
主に海軍兵士、提督、将校、艦娘が出入りできる、正面や裏口から入る場合もパスワードと認証装置が必要であり艦娘や外部の人間は軍の者と行動しなければ入ることができない
東側「待ってたぞ零、艇、勝、優……おや、艦娘の子も一緒かい」
鹿黒「光さん…」
東側「とりあえず中に入れ、茶でも入れてやる」
黒潮「あの老人が東側中将?」ヒソヒソ
不知火「えぇ、何でも司令含む5人の父親代わりだそうです、雰囲気もピリピリしてませんし」ヒソヒソ
佐久間「さぁ行くわよ不知火ちゃんと黒潮ちゃんも」
不知火「えぇ」
黒潮「分かったで」
8人は本営の中へと入っていった
明石「あー……残念…だけどまぁ…」
夕張「陽炎ちゃん達が行ってくれましたしね、提督と距離が取れて良かったけど」
大淀「危険もあります」
大淀「艦娘なので死ぬことはないとは思いますが安全に戻って来られる可能性は0ではありません、まぁ提督が行っているので問題はないと思いますが」
明石「で、提督が憲兵の人と話しているのも見たと言っていますしね」
夕張「現在金剛さん達が問い詰めてるようなので吐くのを待つしかありません」
鎮守府3F 廊下
縋「……何の用だ艦娘さん」
金剛「ちょっと憲兵さんにお話がありマス」
縋「話?何も接点はないだろう」
金剛「そうネ……私と貴方じゃ接点はほぼ0…デスが」
金剛「提督となら繋がりはありマス」
霧島「なにも私たちは暴行をしようと言ってはいません、確認がしたいだけです」
榛名「3つあります、1つは今日、提督と鎮守府裏で話していたかどうか」
縋「……それは認めよう、確かに提督とは話していた」
榛名「2つ、提督や貴方を含め榛名たちに何を隠しているか…」
縋「隠してることは認める、しかし隠している内容までは言えない」
榛名「最後に……」
榛名「今日のお昼、明石さん達の所にいましたか?」
縋「…………認めよう」
比叡「なんのために?」
縋「提督からの願いでな、何やら鎮守府内があわただしいと言うので見てきてくれ、そして何か話していたら伝えてくれ…と」
金剛「伝えただけデスか?」
縋「あぁ、本人に確かめたらどうだ、俺が白状したと言ったらあいつも認めるだろう」
霧島「……聞きにくい事なのですが…何を隠しているんですか?司令や貴方…いえ、軍は」
縋「聞いてどうする」
霧島「実行に移します」
縋「移してどうする」
霧島「真実を…確かめるまでです」
縋「………1つ教えてやろう……戦争が終わったのは知っているな」
比叡「!え、えぇ…」
縋「その後、あることがもう1度起こったのだがそれが何かは知っているか」
榛名「……もう1度…?」
縋「知らないのならここで終わりだ、それが何か分かったらもう1度俺に話しかけてこい!」
縋「ただし、全部は無理だが半分は話してやる」スタスタ
金剛「…もう1度…何かが起こった…デスか」
霧島「お姉さま、1度纏めてみましょう」
霧島「縋憲兵の今の発言は……司令の秘密に、何か繋がります…」
一方本営 22時10分
10F 無人室(誰も使っていない作戦会議室のようなもの)
東側「ここなら誰も立ち寄らん、鍵もかけてあるし大丈夫だ」
鹿黒「助かるよ光さん」
飛谷「この部屋って何時まで使えます?」イススワル
東側「どんなに長くても30分だ、それ以上になると何を話していると勘付かれる」
陽炎「あ、あの!」
古野「ん?どうしたお嬢さん」
陽炎「一体司令達は……何を隠しているの…?」
鹿黒「………大雑把に話すからよく聞け陽炎、実はな……」
鹿黒「上層部の中にブラックな奴が紛れ込んでいるらしい」ヒソヒソ
陽炎「え!?なんd…」モゴッ
鹿黒「声が大きい!俺たちはとある事件とその上の奴らの関係を探っているんだ」
黒潮「とある事件?」
鹿黒「…それはまだ言えないしこの話は危険だ、今は何も言わずついてきてくれ」
陽炎「分かったわ…」
不知火「そのうち話しますか?」
鹿黒「……そうだな………」
東側「話を切るようで悪いがわしらの目的を先にさせてくれんか?」
鹿黒「これは失礼」
東側「いいか、ここに本営の地図がある」パサッ
東側「一見普通の案内の紙に見えるが……これを見ろ」
東側が取り出したのは過去の本営の案内地図
東側「実はこの本営は1度一部だけを改装しててな、それと今の地図を照らし合わせると…!」
佐久間「!」
古野「……おいおい…マジかよ…」
不知火「3か所……黒い部分が重なり合っています…しかも改装前のを消すように…」
東側「そうじゃ、1つは地下2Fの訓練室の隣、現在は休憩室となっているが妙にスペースが広い」
東側「2つ目は3F会議室前廊下、2段式にして階段風に誤魔化してあることが確認された」
東側「そして最後は屋上、ここは21階だったのを取り壊し屋上にしている」
東側「場所がバラバラでな、1つに絞れないが確実にこの中に何かを隠していると思っている」
黒潮「全部怪しいなぁ…広い、盛り上げ、取り壊し…と」
鹿黒「しかし全部を探れないな、破壊して確かめるわけにもいかん」
飛谷「しかしどうやって手に入れたんすか?この昔の地図」
東側「軍を止めた男が1人おってな、それも改装前に…その男から入手したんじゃ」
東側「3か所を1度に改装した事を聞き無理言って譲ってもらった」
陽炎「あれ?中将さんはずっと海軍所属じゃないの?」
東側「1度除籍された時期があってな、その時に重なったんじゃ…」
鹿黒「……」
古野「……」
佐久間「…で、どうするんですか?確かめようがありません」
古野「いや……屋上だけなら何とかなるだろう、そこに行こうと思う」
鹿黒「俺も賛成だ、発見は出来なくても探索は出来るし誰かと会う可能性も低いしな」
不知火「では屋上に向かいましょう」ヌイッ
黒潮「うぅっ、流石に冷えるなぁ」
鹿黒「フタフタイチゴー…風も強くなってきたな」
飛谷「ぱっと見何も変わってないっすねー、とにかく周りを柵で囲まれてるくらい?」
佐久間「跡も完全に消されてるわね…」
東側「屋上はシロか?」
鹿黒「いやぁ…そうでも無いみたいだ…見ろよここのタイルを」
そこには右と左で若干色が違うコンクリートの床
陽炎「本当だ…少しだけど色が違う」
不知火「しかし暗くなってきましたね、明かりが減った気がします」
古野「なに言ってるんだ…さっきまで町の方や陸軍空軍は明かりがつきまくってただろう」
鹿黒「いや…艇、本当に暗くないか?」
佐久間「あ!町や陸空軍の本営の明かりが少しずつ消されています!」
黒潮「なんやて!?」
東側「さっきまでついてただろう!」
飛谷「携帯も繋がらないっす!」
鹿黒「やばい!何かが起きている!」
フッと、明かりが消え辺りは暗闇に包まれる
ナニガアッタノ!? ドウシタンダ!?
古野「騒ぎ始めたぞおい!」
不知火「ここは危険です!すぐに逃げましょう!」
飛谷「走れ!まだうちの本営は生きてる!」
佐久間(何故うちの本営だけ明かりが……全部暗くすればいいのに…)ハッ
佐久間(まさか場所を特定するため!?)
佐久間「ダメ!走っちゃ危険よ!」
ヒュッ、と何かが投げられる音がする
グサッ
飛谷「な……」
小型ナイフは飛谷の左腕に突き刺さる
古野「飛谷ぁ!」
東側「ナイフ……誰じゃ!誰かいるのか!」
「フフフ……まずは1人…ですね」
飛谷「ぐおおおおぅぅぅ…」ブシャッ……ドロッ…
陽炎「くっ!卑怯よ!」
「卑怯で結構、私は貴方方を潰す役があるので…」ヒュッ
黒潮「うわっ!」ドサッ
鹿黒「黒潮!」
間一髪交わしたが右肩に掠る
不知火「なんて命中率…」
古野「後ろを向いたら終わりだ!」
佐久間「しかし出入り口まで数メートル、更に飛谷が負傷しています!」
鹿黒(最悪だ…あっちはどこから投げてくるか分からないうえ明かりがついているから影が出来て居場所はバレバレ…)
鹿黒(しかし暗くすればどこに誰がいるかの確認が取れない!)
飛谷「うっ…」ブハッ
「もう一丁!」ヒュッ
陽炎「うっ!」ザシッ
不知火「陽炎!」
3本目のナイフは陽炎の右足に突き刺さる
陽炎「いったぁ……」ブシャァァ…
佐久間「このままだと全員負傷します…」
古野「万事休す…か」
鹿黒「ふっ!」ザシッ
鹿黒が持っていた小型ナイフを暗闇に投げる
「どこを狙っているんですか…そら!」
古野「うごっ!」ザシッ
4本目は古野の腹に突き刺さる
古野「ぶはぁぁぁぁっ!」
陽炎「くっ…」
飛谷「はぁ……はぁ…」
鹿黒(駄目だ!完全に捉えられない!)
古野「……零…呼吸を合わせろ…」ボソッ
「まだまだぁ!」ガシッ
鹿黒「ぐおっ!?」ザシッ
5本目は鹿黒の左わき腹を掠り、」血が出る
不知火「司令!」
鹿黒「…あの時と同じにするのか…」
古野「…俺がお前に言った頼みだ…」
「フフフ…それでは、行きますよ」ヒュッ
不知火「うぁっ…!」ビリッ
東側「むぅ…!」ザシッ
6本目は不知火の腰と東側の右足を掠る
佐久間「くっ…!」
古野「これしか手段はない!閃光玉!」バッ
カッ!と辺りが光に包まれる
「なにっ…!またか…!」
陽炎(またか…?)
鹿黒「今のうちだ!佐久間と黒潮、不知火に光さんで艇と飛谷と陽炎を安全な場所に!」
不知火「司令はどうするのですか!?」
鹿黒「……一か八かだが奴らに攻撃を負わせないと…な!」ザシッ
「ぐおおおお…!」ブシャッ
東側「行くぞ不知火!零の邪魔をしてはならん!わしも君も傷を負っているんじゃ!」トビヤカカエ
佐久間「こっちよ!」ガチャ
「逃がしてなるか!」
佐久間「うぐっ!」ザシッ
7本目は佐久間の右手に突き刺さる
陽炎「佐久間さん!」
古野「チッ…ドアノブの場所は分かってたか…」
黒潮「生きて帰ってな…司令…」
鹿黒「あぁ……達者でな」
ガチャ
「ぐっ…!」
鹿黒の後ろに立っていた者は足から血を噴き出す
「……どうしてあいつの居場所が分かった」
鹿黒「移動するときに動いていたのが見えてたからな…それで貴様らのナイフで刺したわけだ」
「一旦引いてやる…さらばだ元リーダー…鹿黒零…」バッ
鹿黒「…………」
「…!」バッ
2人が立ち去った瞬間、辺りに光が戻ってきた
オオ!ナオッタ! アノヒカリハナニ?
鹿黒「……」カチッ
鹿黒「…」フーッ
屋上には1人の男と複数の血、そして煙草が1本確認できた
井垣「なにはともあれ東側中将…生きてて良かった」
東側「ご迷惑をおかけしてすみません井垣元帥殿」
井垣元仁(いかき・げんにん)海軍元帥、過去に秘密を持つ
井垣「とりあえず屋上の戦いの血が語っているように奇襲、と言ったところか…」
井垣「しかし済まなかった、もう少し対応が早ければ明かりを照らせたかもしれん」
東側「いえ…電話も繋がらなかったのです、仕方がありません」
井垣「しかしまぁ鹿黒大佐や古野中佐たちに怪我を負わせるとは…相手は何者なんじゃ…」
東側「………そうですなぁ…」
井垣「まさか東側中将…あの戦いを思い出しているのかね」
東側「それしか考えれず…」
井垣「とにかく忘れろ、あれは思い出してはならんし言ってもならん」
井垣「儂たちはあの戦いを繰り返してはならん」
東側「はぁ…」
鹿黒「…いや大丈夫だって」
浦風「何が大丈夫じゃ!わき腹から血が出て!それに陽炎姉さんたちや中佐たちだって一応治療中なのに書類とかダメじゃ!」リンゴムキムキ
ドーモ=カグロデス現在、鎮守府内治療室で手当てを受けていますが浦風ちゃんが書類整理をさせてくれません
鹿黒「確かに血が出たけど相手にも怪我負わせたし」
浦風「今日一日は安静にするんじゃけぇ、分かった?」
鹿黒「しかし」
浦風「分かったか?」
鹿黒「いy」
浦風「……」
鹿黒「はい」
浦風「よろしい、あと磯風は来ないから安心するんじゃ」
鹿黒「何故だ?」
浦風「今全力で谷風と浜風が特性料理を運ぶ磯風を阻止してるからじゃ」
鹿黒「浦風…」トゥンク
浦風(なんてピュアな目をしとるんじゃ…)
磯風「何故だぁぁぁぁぁぁぁ!磯風は司令に会ってはならんという命令でもあるのかぁぁぁぁぁぁ!」グギギ
谷風「だったらその鍋から見えるグロイ生物と虹色の湯気と紫色の液体をなんとかしてぇぇぇぇ!」ガシッ
磯風「これはお粥だぁぁぁぁぁぁ!」グギギ
浜風「何でお粥から変な生物と虹色の湯気と紫の液体が生まれるんですかぁぁぁぁ!」ガシッ
お粥「グゲゲゲゲゲゲ」ベチャベチャベチャ
磯風「知らんが司令に食わせるんだぁぁぁぁぁ!元気になってもらうぅぅぅぅぅ!」グギギ
浦風一旦退出
鹿黒「リンゴ美味いな…」シャクシャク
武蔵「あぁ…」シャクシャク
鹿黒「は?何故お前がここにいる」シャクシャク
武蔵「見舞いだ」シャクシャク
鹿黒「そうか」ゴクン
武蔵「そうだ」ゴクン
鹿黒「……陽炎たちに怪我を負わせ済まなかった…」
武蔵「…陽炎たちにも行ったのか?」
鹿黒「鎮守府に戻ってくる途中でな…まぁあいつらは「私たちは陸でのダメージはそんなに影響しないから」と…な」
武蔵「それは事実だ、しかし貴様らや貴様の友人たちが怪我を負ったのは納得できんな」
鹿黒「…1つ提案があるんだが武蔵よ」
武蔵「どうした提督よ」
鹿黒「…1度確かめに行きたいところがあるんだが行くか…?」
武蔵「………ほぉう…………」
会議室(縋憲兵との話のあと)
霧島「…司令の軍情報を集めました」ピラッ
金剛「流石霧島ネ、で、どんな内容が書かれてあるノ?」
霧島「1つ言えることはとにかく内容が少ない、といいう事ですね」
比叡「少ない?」
霧島「はい、分かっている事が身長189㎝、体重86kg、血液型がB型、軍歴が海軍二等兵→海軍兵長→海軍大佐…という事」
霧島「身長や体重は分かりますが2つおかしい箇所があります」
榛名「…軍歴…」
霧島「そう、どこの軍でも入ったらまず二等兵スタート、何かの戦果で兵長に昇進した所までは分かりますがいきなり階級が上がりすぎです」
霧島「そして2つ目は身長体重血液型軍歴以外何も書かれていないという事」
霧島「出身地、学歴、……等々普通記入すべき事が書かれていません」
霧島「更に縋憲兵の発言をもう1度思い返します」
縋『戦争が終わってその後何かが…』
比叡「大体そういう発言だったよね~…」
霧島「戦争終了が21××年、私たちが再び生まれてきたのが22××年」
霧島「その間に司令達が生まれて再び何かが起こった…つまり…」
金剛「まさか…」
霧島「戦争終了後に…私たちが知らない戦いがあった…と考えるのが筋です」
榛名「軍がそれを隠している…と」
霧島「えぇ…戦いかどうかは分かりませんが上層部の闇、司令の過去、そして深海棲艦誕生の謎……」
霧島「まずは根本的な所から見直す必要があります」
一方
「すまねぇ、任務失敗だ…」
「…知ってるよ…またあの閃光玉か…」
「面倒な事になったわね」
「あの時の決着をつけるときが来たようだな」
「グルル………ガルル…」
「………………」
「あはははは!でも7人傷つけたし今回はなしだね!」
「奴らが何かをする前に手を打たねば…」
「そうだな…ならばお次は……別の鎮守府を狙おうか」
「舞鶴鎮守府を…」
「壊滅させる」
10月25日 2時11分
舞鶴に起きた悲劇、10月25日午前2時11分、何者かによる奇襲
舞鶴提督「………ぶはっ!」
「舞鶴鎮守府提督だな」
舞鶴「……それがどうした…!」
「貴様はここで死ぬ」
舞鶴「貴様らは何者だ…聞かせろ…!」
「散るものに語る名などない、1つ言うならばお前と私は1度会ったことがあるがな」
舞鶴「なに…!?」
「覚えていないか?私の顔を……」スッ
舞鶴「!!お前は…!ぐっ!」
舞鶴提督の心臓に刀が突き刺さり、血が溢れる
舞鶴「…カ………ハ…ッ……!」ドサ
「舞鶴鎮守府提督、『青鳥の駿』こと柊駿、排除完了」
「ご苦労様、じゃあ呑気に戦っている艦娘さんと深海棲艦さんを一気に叩きのめしましょうか」
「あぁ………我々の古代技術の力で滅ぼすのだ…」
10月25日午前6時3分
鹿黒「……嘘だろ……」
阿崎「本当よ零ちゃん、駿さんが……何者かにより殺害されたらしいわ」
横須賀鎮守府に陸軍大佐の阿崎が出向いた、当時舞鶴鎮守府近辺に行っていたらしい
阿崎「そしてこの写真を見て、私の後輩が撮ったんだけどね……艦娘と深海棲艦は半殺しにさせられたらしいわ」
阿崎「犠牲になったのは舞鶴鎮守府柊駿、重傷艦娘は名前だけ言うわ、白露、時雨、まるゆ、山城、アイオワ、大井、綾波、グラーフの7名」
阿崎「深海棲艦はイ級3体、ハ級、チ級、レ級、ヲ級、タ級」
阿崎「深海棲艦の誰かが応援を呼び先に攻撃され残る艦娘は出撃艦と帰りを待っていた艦娘と思われるわ」
阿崎「でもね、出撃の記録が残され行方不明の艦娘達なの、深海棲艦達はその場で倒れていたらしいけど…艦娘は発見できてないわ」
鹿黒「しかし艦娘や深海棲艦を攻撃できるとは……何者なんだそいつらは…」
阿崎「行方不明の艦娘、艦娘と深海棲艦の攻撃方法……謎は多いけどあと1つ不可解な事があるわ」
鹿黒「………なんだ」
阿崎「出撃以外の艦娘も……行方が分からないのよ零ちゃん」
鹿黒「………は…?いやいや理名ちー…舞鶴は横須賀・佐世保・呉・釧路と並んで超大型鎮守府なんだぜ?」
鹿黒「小さい所ならまだしも………」
阿崎「…………」
鹿黒「………マジかよ…………!」
阿崎「えぇ……計45名、そして深海棲艦計8名に提督1人、そして見張りの憲兵4名……」
阿崎「全員、行方不明なのよ」
阿崎「……もう探るのは止めよう零ちゃん、これ以上捜索したら零ちゃんもだけど……関わった人たちも危ない…」
鹿黒「…そしたらあいつらの思うつぼだ理名ちー…」
鹿黒「俺たちは……あの過ちを繰り返してはならない…」
阿崎「………分かったわ…ただし…」
阿崎「陸の事は陸軍になるべく任せて」
鹿黒「分かった…」
阿崎(…………変わったなぁ…零ちゃん……)
遠征帰り道中、鎮守府に向かう沿岸沿い 午前7時30分
天龍「あー…疲れた…!」
響「みんなお疲れだけど、資材は沢山だし…ハラショー」
雷「これで司令官も元気になるわ!」
龍田「あらぁ~誰かしら、見たことのない人影ね~」
龍田が発見したのはぶかぶかのコートに身を包み帽子がやけに大きい人、しかし後ろ姿で顔まではっきりとは見えない
長良「この季節にしてはごつい格好だねl
清霜「声かけてみる?」
天龍「止めとけ、面倒な奴だったら嫌だしな」
???「…………」
龍田「………」
雷「どうしたの龍田さん、何か悩み事?」
天龍「……龍田?」
ヒュッ、と帽子の下から白い触手のような物が雷に襲い掛かる
龍田「雷ちゃん危ない!」ドガッ
雷「きゃっ!」
長良「な、何事!?」
清霜「龍田さん!雷ちゃん!大丈夫!?」
天龍「あの野郎…!」
龍田「何とか大丈夫…雷ちゃんは?」
雷「大丈夫…何があったの!?」
伊勢「大丈夫!?」
日向「なんだ今の音は!」
逆方向から音を聞きつけた伊勢と日向が駆けつける
天龍「あの野郎だ!あの野郎が龍田と雷を狙って攻撃した!」
響「……誰…正体を見せて」
???「………」ヒュッ
響「……な………!」ドサッ
長良「ぐぅっ…!」ドサッ
響と長良の腹を触手が攻撃する
天龍「響!長良!クソ!またあの触手か!」
日向「実力行使だ…!清霜と雷!2人は響と長良を背負って提督に報告してくれ!」
雷「分かったわ!響、立てる?」
響「……意外に痛みは少ないよ…肩を貸してくれ…」
清霜「長良さん、大丈夫!?」
長良「私も響ちゃんと同じく痛みはないけど……見えなかった…!」
響「あぁ…急に意識が吹っ飛んだ感じだったよ…」
雷「とにかくここは逃げましょう!司令官に伝えなくちゃ!」
「その心配はない…」
清霜「…この声は…!」
鹿黒「何事かと思って来てみたらなんだあのコート野郎は…」
阿崎「見るからに怪しいわね…」
縋「……敵と認識して構わんのだな」ヒュッ
雷「司令官達!」
鹿黒「状況は分からんが響と長良が負傷か、直ぐに入渠しろ」
長良「そこまでじゃないから大丈夫、それよりあいつ…」
天龍「おぉ、提督じゃねーか」
鹿黒「天龍……無事か」
天龍「俺はな、だけど雷と龍田を狙って響と長良を攻撃しやがった」
縋「艦娘を…!?」
???「……」ヒュッ
ドガッ、と後ろの壁が音を立て崩れ去る
阿崎「……ちょっとちょっと、やばいわよ…零ちゃん…」
日向「見ての通り化け物と言った所だ、私たちだけで勝てるか…?」
鹿黒「日向、俺たちだけで来るとでも?」
「その通りだ、このビッグセブンが相手になろう!」
伊勢「長門!」
長門「私だけではない、陸奥に赤城、加賀に蒼龍、飛龍、鳳翔に龍驤に吹雪に白雪に睦月、村雨、高雄と愛宕とリットリオ、あきつ丸に58と8に憲兵隊10名」
長門の後ろにはぞろぞろと艦娘達が出てくる
鹿黒「どうする?いくら貴様が化け物と言えども、みんなでかかれば怖くない」
鹿黒「さぁ、響たちはとっくに避難させた!正体を現せ化け物」
???「………イイダロウ、ダガ……」
伊勢「!!こいつ…!」
天龍「……マジかよ…」
鹿黒「………っ………意外だったな…」
ヲ級「ワタシハマケルツモリハナイゾ、ゴミドモ……サッキハヨキョウダ、コンドハホンキデイカセテモラウ」
そういうのは白い触手を最低30本もは生やし顔の左半分の血管らしき物が浮き出ている他の個体とは違う異形の怪物
空母ヲ級だった
長門「……なんだあのヲ級は…!」
吹雪「み、見たことのない…」
鹿黒「……何故上の顔の下におぞましいほどの触手がある…!」
ヲ級「ソレハイエナイナ、マァトアルギジュツデナッタ、トデモイオウカ」
ヲ級「コチラハトアルヤツトツナガリガアルノサ」
鳳翔「…とある奴…?」
赤城「……提督、ここは一気に畳みかけ捉えるしかないようですね」
憲兵1「人間と馬鹿にするなよ…!」
鹿黒(あの触手や顔の血管らしき物は謎だがおぞましい触手はスピードはあるがパワーは劣っている)
鹿黒(増援を呼ばれても厄介だ、ならば…)
鹿黒「……お前……戦う気はあるか?」
ヲ級「スウニンナラマダシモイマハタタカウツモリガナイガホンネダガ……コウゲキスルナラヨウシャハセン」
天龍「…こっちから攻撃したら戦う……どうする提督」
龍田「増援の姿が確認できないわ、あいつ1人しかいないわよ」
鹿黒「……弾、あるかお前ら」
村雨「愚問よ司令官」
龍驤「うちらは戦うために来たんやからな!」バッ
高雄「陸の上とは言え戦えるわ!」バッ
縋「……命令しろ零…」
鹿黒「……全員、死なず生け捕りにする!いいか!」
「「「「了解!!!」」」」」
ヲ級「……オロカナ……!カエリウチニシテヤル…!」
鎮守府外で、人間数名と艦娘数名の戦いが始まる──
ドコォン、ドコォン、と陸で爆撃の音がし、バリバリバリ、と飛行機の音が聞こえ、キン、キン、と剣や他の武器の音もする
ヲ級「………」
長門「やはり陸では戦いにくい!」
陸奥「どうする提督、海に叩き落しちゃう?」
鹿黒「馬鹿言え、俺が戦えなくなるだ、ろっ!」ブシャッ
ヲ級の触手1本を切り落とし赤い血が噴き出る
ヲ級「……ヨクモ…!」ビュン
鹿黒「うおおらっ!」バサッ
加賀「当てづらい…!」ヒュッ
妖精「フゥ……フゥ…」
睦月「叩ききっても生えてくるってどういう事~!?」
リットリオ「やはり一筋縄ではいかないわね…」
憲兵B「しかし私たちの刀でも切れるとは……そんない耐久性はなくて助かった!」ザシッ
天龍「……確かに確実に叩きのめしてるが……いくらなんでも触手の数が多くないか!?」ザシッ
阿崎「まさかこれ………あの目のついてる帽子みたいのをたたき割らないとダメなんじゃ…!?」バァン!
白雪「えぇ!?この触手の多さをかいくぐってですか!?」
あきつ丸「それはきついであります阿崎殿!」ドン!
ヲ級(……キリガナイナ……スウニンナラモチアゲレタガコノニンズウハキツイ……)
ザシザシザシ、と触手全てがコンクリートに突き刺さる
愛宕「急に何をするつもりよ!もう!」
ヲ級「………」バキバキバキ
触手でコンクリートを持ち上げる
龍田「攻撃する気!?」
ヲ級「サラバダ」バァァァァァァン!
突然数十個のコンクリートの塊を海に投げ水しぶきが吹き上げる
長門「逃げるつもりか!」
憲兵G「なにっ!?」
58「逃がすわけないでち!」
8「魚雷……発射です!」
ズバババババ
ヲ級「………ムウ………!」小破
58(あの魚雷を掠っただけ…!?)
8「まずいよゴーヤ!あのまま逃げる気だ!」
龍驤「提督!あいつ追うか!?」
鹿黒「………止めておこう…あのまま行ったらどうせ捕まるだけだ……」
鹿黒「生け捕りにはならなかったが全員無事で更にはこの切り落とした触手の数が手に入った」
鹿黒「……これはこちらで保管しよう」
「俺たちはずっと一緒だからな!」「勿論よ!」「当たり前だろ!?」「そうだよ!みんな一緒に」「この国を守ろう!」
止めて
・
「………そうだよ!僕達6人で1つだ!」
お願い
「…………何でだよ…」「…………嘘でしょ……」「………俺たちは何を……してるんだ…」「もううんざりだよ…」「俺のせいだ…俺が……!」
助けて
「………………敵でも…………悪くないかな……」
ハッ
三垣「……またあの夢……」
佐世保鎮守府 執務室 午前7時55分
三垣「疲れてるのね……私……」
島風「……提督?」
三垣「…あら島風、どうしたの?」
島風「提督、すっごいうなされてたけど…」
三垣「問題ないわ、ちょっと海域攻略で悩んでただけよ…」
島風「それならいいけど……」
三垣「大丈夫よ……(まだ…)」
三垣(まだ話す時ではないわ……この子に…)
午前 8時2分 横須賀港
大宮「……よし鹿黒君、出港の手続きは済んだようだ、行ってきなさい」
鹿黒「ありがとうございます大宮少将」
大宮伊之(おおみや・これゆき)海軍少将の1人、外交に強い
大宮「久しぶりに戦友と会うのだろう、ゆっくりしたまえ…最近君が頑張りすぎだと東から聞いている」
鹿黒「はぁ」
大宮「……私は君と違う場所にいたから分からんが……思いつめるのはよしてくれ」
鹿黒「はい」
大宮「ではな、無事に帰ってきてくれ鹿黒」ピッ
鹿黒「…」ピッ
武蔵「どうだ行けそうか」
鹿黒「あぁ、提督名義で1日旅行が出来るぞ」ククッ
武蔵「…私だけで良かったのか?何かあったらまずいのでは」
鹿黒「装備妖精3名も同行してくれているし大丈夫とは思うが…誰か呼ぶか?」
「~♪アイス美味しい~♪」
「このミント味がなんとも言えないよね~」
「ヒャッハー!帰ってから酒だー!」
「またぁ!?最近ペースが速いんじゃない!?」
武蔵「あれは……」
鹿黒「…………武蔵、犠牲者4名同行するがいいか?」
武蔵「構わんよ」
瑞鳳「で」
祥鳳「私たちが」
隼鷹「暇だったから」
飛鷹「同行するはめになったと」
鹿黒「テヘッ☆(∀`*ゞ)」
「「「「テヘッ☆(∀`*ゞ)」」」」じゃねーだろ!」
鹿黒「なんだ、俺のボケはレアだぞ」
瑞鳳「いやまぁそうだけど」
飛鷹「しかしどこに行くのよ、提督が鳳翔さんと店でおごるというから来たけど…」
鹿黒「そんな事言ったっけ?」
武蔵(鬼か)
鹿黒「まぁあれだ、どうせお前ら町言ってキャピキャピして服でも買ってきたんだろ?暇だし付き合え」
祥鳳「すごい理屈…」
鹿黒「じゃあ午後からの出撃行ってくるか?相手少将殿だけど」
隼鷹「提督……」キラキラ
瑞鳳「貴方が上司でよかった…」キラキラ
飛鷹「正直少将の戦いはきついのよ…」キラキラ
祥鳳「……」キラキラ
鹿黒(計画通り)
妖精1(策略家ですね…)ヒソヒソ
武蔵(通り越して確信犯だ)ヒソヒソ
とある離島 午前9時46分
鹿黒「もうすぐ着くな……懐かしい…」
瑞鳳「あれ?提督来た事あるの?」
鹿黒「来たも何も俺の生まれ故郷だからな」
武蔵「ほぉう……海の人間だったか」
鹿黒「まぁな、大きくも小さくもない島だが……住人はそこそこいてな、動物たちとも共存している」
隼鷹「そういや提督は誰と会うんだい?」
鹿黒「小さいころ引っ越していった奴だ、俺たちより1つ上でな…最近軍の研究科に入ったという情報を聞いて少将に電話を頼んで了承を得た」
鹿黒「しかしこの島は地図に乗らない特別な所でな、くくく……所謂秘密って所か?」
飛鷹「なんかワクワクするわね」
祥鳳「ワクワクするのって男子みたいね」
飛鷹「私が女の子っぽくないっていう訳!?」
鹿黒「他の所よりはお転婆だな」
瑞鳳「じゃじゃ馬?」
妖精3「活発系…?」
飛鷹「」
隼鷹「魂が抜けたぞwwwwwwwww」
武蔵「何笑ってるんだ!」
飛鷹「ハッ」
マモナクツキマスヨー
鹿黒「おっと着いたようだ、それじゃあ行くか」ガタッ
「…………行ったわね」
「あぁ、俺たちも行くぞ」
「キヒヒ、楽しみ楽しみ」
上陸
鹿黒「やはり懐かしいな、地元は最高だ」
武蔵「動物と共存と言うから自然の島かと思ったがちゃんと町らしき物が見えるな」
鹿黒「島だからってバカにはするなよ~……っと、地図的にはあっちだな」
飛鷹「」ワクワクワクワク
隼鷹(飛鷹のワクワクが止まっていない…)
妖精2「提督さん……」ゴニョゴニョ
鹿黒「なんだ…後ろの3人組か」
鹿黒「安心しろ、巻くから」
瑞鳳「そういえばどうやって町に行くの?」
鹿黒「意外にここから町は遠くなくてな、歩いて5分もかからん」
祥鳳「それでは歩いて行きましょうか」
隼鷹「んじゃ出発!」
イヤータノシミネ! ハハハ、オトコミタイダナ ナ、ナニーッ!?
「………行ったな」
「それでは私たちも…行きましょう」
「楽しみだなぁ~♪」
ザッ、ザッとジャリが敷かれている道を歩く3人
「……変ね、声が聞こえない」
「先に行っているんだ当たり前だ」
「でもさ先輩………なんかここ、町の路地裏みたいなところに出ますよ?ほら、行き止まりに…」
「なにっ!?町に出るはずだ!一本道に突き進んでいるのだからな!」バッ
ブロロロ、と飛行機のような音が近づく
「なんの音!?」
「ぐっ!」
「お疲れ様」パシッ
「……やられた…」
鹿黒「ふむふむ、この紙の内容は俺の持っている地図と同じだな…何者だお前ら」
「ハメやがったな…」
鹿黒「人聞きの悪い、一本道に俺たちは進んだだけだぜ?まぁ………」
鹿黒「この町はずれの行き止まりに追い込む直前隣の民家の庭にお邪魔しただけさ」
武蔵「大人しくしろ、さもなければ…」
隼鷹「あたしたちの攻撃の犠牲になるけどね」
「くっ…!先輩!どうします!?」
「ふざけるなぁぁぁぁぁぁぁ!私たちを舐めるなよ!」ガッ
先輩と言われる男は行き止まりの道に置かれるゴミ箱を勢いよく投げる
「俺の名は鏡野哲さまだぁぁぁぁ!あのお方の側近!痛いめ見るぜお嬢ちゃん!」
武蔵「………ではあのお方の正体を聞かせてもらおうか!」ガッ
片手で受け止めそのまま鏡野に投げ返す
鏡野「ぐっ!?」ドサ
武蔵「あとは眼鏡の男にギャルのような女1人、どうする提督よ」
鹿黒「…………滅茶苦茶手加減してやれ、あと周りに被害は与えるな」
「「「「了解」」」」
女「」
眼鏡男「」
鹿黒「あっさり潰せたな」
飛鷹「あっさりどころか武蔵の蹴り1発でダウンしたわよ」
瑞鳳「どうする提督、連れていく?」
鹿黒「起きてるだろ?おい」ペチペチ
女「………なにさ」
鹿黒「お前の仲間の言ってたあのお方って誰だ、教えろ」
女「……教えてもいいけど、取引でどう?」
武蔵「取引だと?」
女「そうよ、あたしからはあのお方の正体とあたしたちの正体を教える、けどあんたからは……」
女「過去を聞かせてもらう」
鹿黒「………!」
隼鷹「……提督、こいつ危険だよ」
鹿黒「………全部か」
女「全部じゃなくていいわ、あんたの生まれがこの島なのかとどうして海軍に入ったかだけでいい」
女「どう?ギリギリ答えられる範囲でしょ?」
女はそういうと不気味は笑みを浮かべる
祥鳳(あの人が何を考えているかは分かりませんが私たちもある意味過去を知りたい…ですが…)
祥鳳(万が一危険な組織の一員だったら……!)
女「仮に答える気がないのならあたしも教えないし憲兵に突き出してもいいわ、それかここで処分しても構わない」
女「さぁどうする?提督さん?」
鹿黒「……………!いいだろう、ただし!お前からだ…」
女「フフフ……いいわよ」
コンコン、と壁をノックする音が響く
『合言葉は?』
「俺たちはヒーロー」
『どうぞ』
ガラガラガラ、と隣の壁に階段が出てくる
「……久しぶりだね零君」
「……久しぶりですね、鬼崎先輩」
鬼崎「やだなぁ、そんなにかしこまらないでよ」
鬼崎盛(きざき・じょう)鹿黒の1つ上の先輩、主に研究を職としている男性、研究科になる前の階級は曹長
鬼崎「ハハハ、少将から聞いていたよ」
鹿黒「えぇ、少し…仲間がいるんですか、いいですかね?」
鬼崎「……いいよ」
武蔵「………初めまして、部下の武蔵と言う」
鬼崎「艦娘さんか、俺の名は鬼崎盛だ、研究で食わして貰ってる」
鬼崎「零君と武蔵の2人だけか」
鹿黒「あぁ、何かあった時の為のボディーガードだ」
鬼崎「なるほど、まぁ座れ、茶でも入れてやる、煙草も吸っていいぞ」
鹿黒「すまん」カチッ
武蔵「煙草吸うのか」
鹿黒「ん?あぁ、馬鹿みたいに吸わんだけさ」フー
鬼崎「ほい、麦茶でよかったか?」
鹿黒「えぇ、助かります」ズズ
鹿黒「……1つあなたに頼みがありましてね」
鬼崎「頼み?この俺にか、まぁいいけど」
鹿黒「先輩は研究者ですか主に何をしていますか」
鬼崎「……そうだな、主に動物だな」
武蔵「動物…」
鬼崎「あぁ、豚と猪を組み合わせてイノブタが出来るのは知っているな」
鹿黒「えぇ」
鬼崎「それで他の動物も組み合わせて作れないかと言う…俗にいうキメラみたいなもんさ」
武蔵「提督、キメラとはなんだ」ゴニョゴニョ
鹿黒「西洋の怪物で合成獣だな、大体…」ゴニョゴニョ
鬼崎「俺の先輩がそれで1回犬と猫の細胞などの移植によりイヌネコという動物が作れた、それを本営に見せたらお手柄って事で表彰されたよ、裏でね」
鹿黒「その先輩と言うのは…?」
鬼崎「………お前も知っているはずだ、黒須三郎………」
鬼崎「深海棲艦に襲われ死亡となっている海軍少佐だ」
鹿黒「………!襲われた…!?俺が知っているのは船が事故により沈没して行方不明だと…!」
鬼崎「違うんだな、これが…俺も気になって問い合わせたら当時黒須少佐を乗せた船は前日点検していて異常は無かったらしい」
鬼崎「となると……広い広い太平洋の真ん中で深海棲艦に襲われたって言うのが妥当だと踏んだ」
武蔵「死亡ではなく死亡となっている…とは?」
鬼崎「遺体が発見されていない事もあるが絶望的だが生きている可能性も0ではないだろう、事故が起きたのは今から4か月前だ」
鬼崎「更に近くにはハワイがある、何かの破片に捕まって漂流していたら運よく生きているという可能性もある」
鹿黒「……本当に絶望的ですね」
鬼崎「あぁ………で、本題に戻るがお願いとはなんだ」
鹿黒「そうでしたね、ではこれを見てください」スッ
鬼崎「………深海棲艦か」
鹿黒「えぇ、俺たちの鎮守府に現れた深海棲艦ヲ級、ですが見てわかる通り触手の数が異常です」
鬼崎「そうだな」
鹿黒「先輩コレ………」
鹿黒「本気になったら作れます?」
鹿黒「深海棲艦って…」
鹿黒の思わぬ発言に沈黙が流れる
鬼崎「………ハハハハ!零君、確かに深海棲艦に近づけることは出来ない事はない」
鬼崎「だが、どこから生まれ生態も何も分かっていない0から生まれた奴を作るというのは不可能に限りなく近い」
鬼崎「いや、無理だと言っても過言じゃない」
武蔵(……何を企んでいる提督…)
鹿黒「……聞き方が悪かったですね、では…」
鹿黒「深海棲艦をベースに合成することは?」
武蔵「!」
鬼崎「…!」
鹿黒「0から物を作ることは不可能です、しかし、何かがある状態からならいくらでも進化は出来る」
鹿黒「イノブタも話も、0からイノブタは作れないが豚と後何かがあったから新しい生き物が生まれた」
鹿黒「これの例を深海棲艦に置き換えて考えたら…!」
武蔵「深海棲艦と何かを組み合わせあの触手の生えた亜種を生み出すのなら……出来る可能性はある」
鬼崎「その通りだ、幾ら未知の生き物でも、細胞や何かを移動して作り出すのは不可能ではない」
鬼崎「しかしさっきも言った通り生体の分からない深海棲艦を捉えることが出来るか?」
鬼崎「仮に捉えたら出来るかもしれない、だがここには深海棲艦がいない………捕まえたのなら力を貸すが今の状態では誰も何も出来ない」
鹿黒「……分かりました、すみません無理な事を言って」
鬼崎「なに、また力を貸そう零君」
鬼崎「次会えたらね…」
武蔵「……長居したな、行くか提督」
鹿黒「あぁ、それじゃあまたお願いしますよ先輩」
鬼崎「あぁ、気を付けてね」
ガチャン
鬼崎「………行ったか……」
鬼崎「零君、君には1つ嘘をついてしまった……俺は君に主に動物と答えたが何も全部動物を研究しているとは言わないかったな」コツコツ
鬼崎「深海棲艦はここにはいない、あの亜種は作れないし俺には未知の化け物の進化を手助けする勇気はない」コツコツ
鬼崎「しかし俺も昔は通達係として戦い君たちの味方側だったが違うんだなぁそれが」コツコツ
鬼崎「俺はあちら側の人間、所謂裏ぎものだよ」
鬼崎「そして……生態が分かっている動物と、もう1つ分かっている人間を使って実験は成功した」
「…………グルル……」
鬼崎「理性は失われているが2足歩行に黄色の鬣、強靭の顎に強い眼力、多少の言葉なら話せる…獣でも人間でもない新たな生き物」
鬼崎「獣人の誕生を……ね………!クハハハハハハ!」
研究所に、薄汚い男の乾いた笑い声が響く
それと同時に獣人と呼ばれる生き物も笑いを発する
鬼崎「艦娘に深海棲艦………この世界は………未知でできている、何でもありの化け物の星さぁ!」
鹿黒「………裏切者だったか」
武蔵「……悲しいか、1つ上の同じ島の人間に裏切られ」
鹿黒「いや…あの人は正直異常だった、人と関わるより動物と関わる男の子だったという印象が強くてな、何故軍に入ったか理解が出来なかった」
武蔵「………無事に帰ってきたのが私には腑に落ちないんだが…どうだ」
鹿黒「戦闘力だとこちらが上だがあっちが何かの合成獣を生み出していたのであれば勝ち目はあったはずだ、なのに生きて返すとは…」
武蔵「だがこっちは…」
瑞鳳「入口でスタンバイしてたからね」
隼鷹「録音もバッチリさ」
鹿黒「ご苦労、今日の報酬は鳳翔の所で何かおごってやるよ」
飛鷹「よっ!太っ腹!」
祥鳳「ありがとうございます」ペコリ
武蔵「……盛り上がりの途中で悪いがあの3人は憲兵に出したか」
瑞鳳「……えぇ、一応…」
鹿黒「………無残な最期だった…」
隼鷹「…忘れよう、あいつらの事はよ…酒がまずくなる」
鹿黒「あぁ、そうだな…」
鹿黒達は横須賀鎮守府に帰った
女「……あたし達の正体は貴方たち軍の敵、あの戦いの敵って言ったら分かりやすい?あの戦いの生き残りよ」
鹿黒「…!数百人の中の3人って訳か」
武蔵(戦い…?)
祥鳳(生き残り?数百人…?)
女「その通り、これ以上正体の話はしないわ」
鹿黒「…ならばあのお方の正体はなんだ」
女「……鬼崎盛……あんたらが今会いに行こうとしている研究員の男さ…あたし達はあの人の部下だからね」
鹿黒「……鬼崎はこちら側ではなかったのか?」
女「それ以上は言わないわ、そして…これ以上構っている暇もないしね」ガリッ
飛鷹「今何か噛んだ音が!」
妖精3「貴女何したんですか!」
女「…ふふ…任務を失敗したらどうせ消される…ならば……ここであたし自ら死ぬまでよ…」
鹿黒「……毒か」
女「えぇ……あの戦いの…最後の手段でもある………」
妖精1(………毒が手段…!?)
武蔵「…では何故お前から見た敵である提督に秘密を教えた…!」
女「………あんただけじゃなくてもね…敵の生きざまに惚れていたのよ…暖かい・・・温もりが欲しか………た…」ドサ
女はそういうとその場に倒れる
気づけば他の男2人も同様に倒れる
人気のない所で 冷たい地べたに這いつくばり 息絶えた3人を、ただ見るしかなかった
鹿黒「……武蔵」
武蔵「…何だ」
鹿黒「…中に入るのは俺とお前だけだ、他は入り口で待機してくれ」
隼鷹「…!だけどよ!」
鹿黒「平然…装えるか」
隼鷹「………」
鹿黒「ここで人が3人死んで、その犯人と会うのに」
鹿黒「平然としていられるか」
武蔵「提督、その辺で終わりだ…差し詰め私は第3者という訳だろう」
鹿黒「……頼むわ」
武蔵「任せろ」
妖精2「一応島の憲兵隊には連絡しました、身元は提督さん、貴方が分かっているはずですよね」
鹿黒「あぁ………」
こうして鬼崎に会いに行く一行…悲しみの先には、喜びは生まれない
あの戦いは2度と起こしてはならない
翌日 午前10時54分 マレー沖海域攻略・鎮守府帰還道中
足柄「今日も楽に終わらせたわね!」
龍鳳「練度が高まってますからこの程度の海域なんて事ないです!」フンス
時雨(この程度?)
夕立「帰って提督さんに報告するっぽい!」
朝潮「司令官に感謝です!」
プリンツ「これがジャパニーズソウルの実力なのですね…!」
足柄(ん?今何か間違った表し方が聞こえたような…)
ザパッ、と遠くに水飛沫が確認できた
龍鳳「…何でしょう、魚でしょうか」
プリンツ「…それにしては水面に戻る音が聞こえませんね…」
足柄「行っていみましょ!」ザパパー
時雨「それが手っ取り早いね」
恐る恐る近づく一行
夕立「……白い肌っぽい…」
朝潮「肌…?まさか…!」
時雨「………深海棲艦だ…」
そこには全身血だらけで何とか生きている状態の中間棲姫が倒れていた
プリンツ「酷い怪我です…!」
足柄「ここには他の艦隊が来てなかったわ、となると……しっかりして、聞こえる?」
中姫「うぅ……」
朝潮「一応生きています!大丈夫ですか!」
中姫「………た……す…けてく……れ……」
龍鳳「何があったかは分かりませんが一旦鎮守府に連れて帰りましょう!」
時雨「そうだね、傷ついている人に敵も味方も関係ないからね」ヨット
夕立「反対は任せて!」ヒョイ
プリンツ「と、とにかく私たちは見張って帰りましょう、襲われたとすると私たちも…!」
足柄「そうね、今は全速力で帰りましょう!」ズササー
横須賀鎮守府 治療室
中姫「……う………」
明石「目覚めたようです、提督」
鹿黒「……おい大丈夫か」
中姫「ここは…?」
医療妖精「横須賀鎮守府の治療室ですよ」
中姫「…助けてくれたの…?」
鹿黒「まぁお礼を言うなら意識あったか知らんが助けた艦娘に言ってくれ、ズタボロのお前を助けてくれと言ってきたからな…」
医療妖精「しかし…生きているのが奇跡でした、あともう数発食らってたら確実に……死んでいましたよ…」
鹿黒「で、急に悪いがお前に聞きたいことがある」
鹿黒「まずはその傷……誰にやられた…!」
中姫「………級…」
中姫「触手が無数に生えた…変わったヲ級…」
鹿黒「……!」
明石「提督が言ってたあの…!」
鹿黒「…だが同じ深海棲艦同士、亀裂でも起きたのか?」
中姫「違うわ、急に現れて……他のみんなは次々に倒されていったけど私は命からがら逃げてどこかにたどり着いた…そこで出会った」
鹿黒「…なるほどな……つまり襲われた、と」
中姫「えぇ、何事かと思ったわ…」
鹿黒「………あとお前は言葉が流暢だな、何かあるのか」
中姫「これは近くを通りかかった船の客が日本語の本を落としたから独学で勉強したのよ、こっそり辞典とかも買ったわ」
鹿黒「あっはい」
明石(えぇ……)
中姫「貴方……小澄弦蔵……って知ってるかしら」
鹿黒「小澄…?海軍の小澄弦蔵中将の事か」
明石「名前どうして知ってるんですか?」
中姫「私ね……昔、その人と1度出会ったの…あの戦いに行くとき…」
小澄『きっと戻るから、また会おう、中間棲姫』
中姫「…と、私はあの戦いに反対だった、他の深海棲艦は愚かだと馬鹿にしたあの戦いに…挑んだ彼を、ずっと待っていた」
鹿黒「変わってるなあんた」
中姫「みんなからもそう言われたわ、でも私はあの人を待った、平和を望む同士、どこかで分かり合えるからと言った彼を」
中姫「若くして中将の地位に実力で上り詰めた彼を、私は凄いと見てるしかなかった」
中姫「それももう数年前…今は30後半の年だと思うけど、私は忘れていない」
中姫「…どこにいるか、教えてくれる…?」
明石「(あの戦い…)提督、教えましょうよ、敵だったとは言え恋い焦がれた乙女を見捨てるなど…」
鹿黒「……見捨てるか……嬢ちゃん、後悔しないか」
中姫「……どういう事」
鹿黒「小澄弦蔵中将……現在、階級が2つ上がり元帥となった」
鹿黒「彼はあの戦いで、散った…」
中姫「…………そう」
明石「散った…って、提督…!」
鹿黒「嘘はつかん、俺の尊敬する別の中将、当時少将から聞いたから本当だと思ってくれ」
中姫「…分かったわ……ごめん、1人にさせてくれる?」
鹿黒「勿論だ、何かあったら執務室にかけてくれ、行くぞ明石」ガタッ
明石「…え、えぇ…では失礼します…」ガラッ
鹿黒「失礼した」ガタッ
中姫「…………」
中姫「………悲しいわね…」ツー
中姫「本来なら…深海棲艦は感情を…持たないのに……」
中姫「………う………うぅぅ……」ポロポロ
嚙み締めながら泣いた涙は、白い肌を伝って零れる
もう、戻れない─
午前11時2分
縋「………寒いな」ハー
憲兵1「我慢してくださいよ縋さん、今から陸軍の研修に行くから東北に来い!っていう理不尽は分かりますけど、これも仕事です」
縋「分かってる…だが鎮守府が気になってな」
憲兵1「大丈夫ですって、古谷中佐や部下たちが守ってくれます」
縋「……そうだな」
現在縋と憲兵3人は研修のため青森に来ている、陸軍の戦い方を参考にしたらどうだという憲兵隊隊長の命令でやってきた
あきつ丸「お待ちしておりました縋殿」
縋「…あきつ丸か、零の所の」
「残念ね、この子は本営にいる子よ!」ザッ
縋「……理名か」
阿崎「私しかいないわよ…謙ちゃん」
憲兵1(美人だ)
憲兵2(美人だ)
憲兵3(美人だ)
縋「お前も大変だな、雪の降ってる中で稽古とは」
阿崎「今日は案内係だから稽古はないわ、さ、こっちよ」
ザックザック、と雪の上を歩く
縋「………あの時と変わらねぇな…」ボソ
憲兵2「先輩?何か言いました?」
縋「ん?いや、手袋温かいってな」
阿崎「……そうね」
縋「あぁ……」
陸軍が借りている建物に入る、どこか懐かしい匂いがした
ガラッ
縋「…暖かいな…」
阿崎「とにかくここで休んでて、少ししたら呼びに来るわ」
憲兵2「はい、ありがとうございます」
あきつ丸「ではまた…」ガラッ
縋「………なぁ…お前ら」
憲兵3「…どうしましたか縋さん」
縋「憲兵になって、幸せか」
沈黙が流れる
縋「……守れそうか、あの時ではなく、今を」
憲兵1「えぇ……僕は…これ以上失いたくないから、人を守れる憲兵になったんです、後悔はしてないし…何より人の温もりを感じれる」
縋「そうか…」
憲兵1「えぇ…」
憲兵2「自分もですよ、先輩」
憲兵3「俺もです」
縋「……んじゃ、頑張るか」
「「「はい」」」
阿崎「……」
阿崎『…どうして…戦わなくちゃいけないのよ』
三垣『この国を守るために』
阿崎『どうして人と人が戦わなくちゃいけないのよ』
古野『互いの意見の違いからかな…』
阿崎『どうして罪のない人が血を流すの』
東側『これ以上犠牲者が出ないように、犠牲になってもらってる』
阿崎『どうしてみんな、動いているの』
縋『自分がここで死なない為に』
阿崎『どうして深海棲艦は攻撃しないの』
鹿黒『この戦いの意味が分からず、愚かだと嘲笑っているからだ』
阿崎『じゃあなんで……みんな、そんな悲しい顔をしているのよ』
『戦いたくはないのと………あいつが…………れた…………と…………う事…………が………』
「阿崎殿?」
阿崎「……!」
あきつ丸「どうなされました?そんな険しいお顔をされて…」
阿崎「……何でもないの……少し…悪い思い出を…見ていたらしいから…」
あきつ丸「…?」
阿崎「忘れて、さーて、謙ちゃん達、呼ばなくちゃね」
あきつ丸「……えぇ」
同時刻10時59分
睦月「司令官!遊びに来たにゃしぃ!」バーン
卯月「うーちゃんもいるぴょん!」バーン
皐月「ボクもだよ!」バーン
如月「司令官?ごめんn…」
睦月「いないね」
弥生「司令も、忙しい…からね…」
皐月「どこ行ったんだろうね?」
※中姫と別れて比叡と出会い特性カレーを食べた所猛烈な腹痛が襲い掛かったので現在治療室で安静中
鹿黒「」ピクピク
金剛「しっかりするネ!」ユサユサ
鹿黒「アッ、カワイイオハナタチトキレイナオガワガミエル、ウフフフ」
金剛「その川は危険ネ、戻って来るデース!」ユサユサ
卯月「まぁ忙しいのは認めるぴょん、という訳で執務室探索するぴょん」ゴソゴソ
睦月「えぇ!?怒られちゃうよ!」
卯月「司令官からは昔の事を言ってくれないぴょん、だったら無理にでも探すしかないぴょん」
卯月「………助けたいから………」
如月「卯月ちゃん…」
皐月「…だったらボクもするよ!知りたいしね」ゴソゴソ
弥生「まぁ荒らし過ぎなければ…大丈夫だと思う」
如月「………」←無言で探す
睦月「…睦月も探すにゃしい!」ゴソゴソ
弥生「…やっぱり執務室の机の中が怪しいよね」
卯月「大体決まってるぴょん!まず左側の一番上の引き出し!」ヒキダシー
「……何やってるのよ」
5人「」ビクッ
山城「……あら、睦月達じゃない」
時雨「執務室で何をやっているんだい?」
皐月(不味い、寄りにもよって扶桑・山城・最上・時雨・満潮の鎮守府2番艦隊だ)
如月(朝雲ちゃんと山雲ちゃんは今日は遠征だったはず、数が少ない分話が助かる、けど!)
睦月(逃れられない戦闘イベントっぽいにゃー…)
弥生「……」スッ
卯月(弥生!?無茶だぴょん!理由を言ったらダメでしょ!って叱られるぴょん!」
弥生「……実は…カクカクシカジカ…」
扶桑「……そうなのね……」フラッ
満潮「…………」スッ
最上「………しよう」
睦月(報告しようって言うつもりだぁぁぁぁ!)
最上「協力するよ」
睦月「ほらぁぁぁぁぁぁぁぁ!……え?」
皐月「お、怒らないの?」
時雨「勝手に漁るのは良くないけど理由を聞いたらノーとは言えないね」
山城「その証拠集め手伝わさせて」
如月「え、えぇ…」
卯月「と、とりあえず左の引き出しを開けるぴょん」ガラ
中には1丁の拳銃と3発の弾薬があった
扶桑「拳銃ね」
弥生「司令官は刀を主に使うけど…」
最上「まぁ提督も銃は一通り使いこなせるよう訓練されてるだろうし、次行こう!」
卯月「右の引き出しの1番上開けるぴょん」ガラ
山城「……作戦の資料の紙だけね」ペラペラ
満潮「しかし綺麗にしまってあるわね、見やすいからいいけど」
睦月「次は2番目!」ガラッ
時雨「……古い地図に少し汚れた報告書が出てきたね」
皐月「えーっとどれどれ…?」
****ヘ **スル ***ガ ウラ**タ** **ニ 命*ヲ 実行シ **ヲ****カ*** 再ビ *ノ*** 事ガ
*キ**** ***ヲ *シ ***** **ル *黒零
扶桑「…駄目ね、ほとんど汚れて見えないわ」
如月「唯一最後の司令官の名前の鹿黒零、と書かれているかもね」
満潮「でもこんな報告書の書き方見たことないわね」
弥生「…まるで時間がなかったみたい…」
皐月「じゃあ最後開けるよ、うわ埃凄いね」ガラッパッパッ
山城「…何かしらまた少し古そうな…写真?」ピラッ
その写真には笑っている、20人と1匹の犬の集合写真があった
卯月「…みんな笑って嬉しそうだぴょん」
最上「この赤い髪が提督だね、うーん…他にも分かる人はいるけどほとんど分からないね」
満潮「戦闘服みたいのを着ているけど…何かしら」
睦月「…宝物みたいに大事にとってるにゃあ」
弥生「…ねぇ、この奥にある段差なにかな…」
扶桑「本当ね、出してみましょうか」ゴト
如月「あらぁ?取っ手がついてるわね」
扶桑「これも出しましょう」ガラ
時雨「躊躇がないね」
最上「まぁこの際だからいいでしょ」
睦月「…何コレ」
皐月「……名前が書かれてる紙だね、えっと…全員で20人の名前が乗ってる!提督の名前もあるよ!」
山城「この写真と人数がほぼあってるわねどれどれ」
2月25日 故郷ヲ背景に取ッタ写真 右カラ…
皐月「裏かな?あ、あったよ、えーっと…」
下段 大谷亮 銀山徹 阿崎理名 東峰愛実 鬼崎盛 東側光之助 椿美奈 古野艇 大口雅通 白石遼子
上段 縋謙哉 錦舞 三垣香子 奥田淳平 鹿黒零 劔一哲 種田小町 イチロー 高宮華 柊駿
時雨「…おかしくない?」
卯月「何がぴょん?」
時雨「人数だよ、写真に写っているのは20人と犬1匹、計21人…」
扶桑「……し、時雨…まさか…」
時雨「…そう、名前が書かれているのは19人と1匹、写真だと合計21人なのに名前の紙は合計20人…」
時雨「誰か1人、消されてる…!」
息を飲む、確実に1人名前が記入されていない、仮に書き忘れだとしても艦娘側からだと誰が書き忘れかは理解が出来ない
睦月「…怪しいのは上段じゃないかにゃぁ、1人多い11人写ってるし」
如月「と、とりあえず提督と縋憲兵と三垣大佐とこの犬さんは論外ね、あと…亡くなった左端の柊さんも除去すると…」
山城「…ねぇ、この柊さんの横にね、カラーじゃないから分からないけど男の人写ってない?」
満潮「…それがどうかしたの」
山城「この紙に柊さんの前に高宮華って名前の女性が書き込まれているでしょ、でも…」
最上「間に男の人が写真にはいるよ!」
弥生「…この男の人を早く探し当てよう…!」
扶桑「明らかに怪しいわね…」
皐月「ど、どうするの!?」
扶桑「とりあえず今は隠しておきましょう、後日、また調べることにして…ね」
その頃
鹿黒「」
金剛「提督!」ユサユサユサ
軍医「しっかりするんだ!」ユサユサユサ
その後数時間して復活したが執務は明日に回した
後日 午後1時21分
鹿黒(ひどい目に合った…)カリカリカリ
鹿黒(………謙哉達は無事だろうか、そうだ、報告書っと…)ガラッ
鹿黒「……えーっと…コレだったか」パラッ
鹿黒「………(順番がおかしい…この書類一番前だったか?前は艦娘の改二設計図だったような…)」
鹿黒「…まさか!」ガラッ
鹿黒「……………なるほど…見た訳か……」ガタッ
『ほらほら笑って、カメラセットするから』
『楽しいな零!』
鹿黒「………………」
武器倉庫裏
扶桑「夕張さんからコピーの方を貰ったわ」
山城「これで本営に行けば問題なしね」
如月「でも本営は艦娘だけじゃ無理よ?それに言い訳…も考えないと行けないでしょ?」
皐月「そこはほら、少佐以下の人に誤魔化して入るか夜にでも…とか」
時雨「それは無茶だよ…」
睦月「じゃあどうするにゃ?司令官にバレたらどうなるか…」
「そうだな、まずはその写真を返してもらおうか」バァン
突然倉庫の上から銃声が聞こえる、間一髪で避けたが問題は撃った奴だ
満潮「だ、誰よ!」
「お前たちもよーく知ってる人間だ」
最上「提督…!」
鹿黒「見たのか」
弥生「…!」
鹿黒「見たのかと聞いている!」
ビクッ、と反射的に怯えてしまう
扶桑「…見ましたよ、写真」
鹿黒「…見たのなら取り返しはつかんがお前たち、それ以上探るな…これは命令だ」
卯月「…命令の前に何でここが分かったぴょん?」
鹿黒「簡単な事だ、まず遠征や出撃、訓練の者を除きあとは話せる場所を探すだけ、そして他の艦娘に執務室に入った艦娘を目撃したかを聞いたら…」
鹿黒「丁度お前たちが浮かんだわけだ、まぁここの前に屋上を探したがいなかったがね…」
鹿黒「さぁ、その写真を寄こせ……これ以上は喋らん、それはお前たちに必要のない物だ」
山城「……断言できるとでも?」
鹿黒「渡す気がないのなら力づくで奪ってやる、それだけの事」
時雨「…でもこれ以上は提督も立場上危ないんじゃない?」
鹿黒「無駄な心配だ時雨、貴様らが俺の私有物を盗み逃走し俺が追いかけ運悪く攻撃が当たってしまったと答えば良い…それに…証拠は残さん」
鹿黒「更にな、本物は執務室の机の中でな、綺麗にしまってあった」
鹿黒「でも俺…あの引き出し、1年以上開けてないんだよ」
鹿黒「何故埃がわずかしかなかったか…それは簡単な事だ、誰かが引き出しを開けたのだから」
卯月「…!」
皐月(しまった…綺麗過ぎたのが仇になった!)
鹿黒「さぁ寄こせ艦娘、それは俺の物だ…」
目には光が消え、紅くなびく髪に茶色の瞳、まるで獲物を狙う野獣そのものだった
睦月「…逃げる?」
如月「無理よ…司令官、もう写真を奪う事しか考えていないもの」
時雨「……逃げて、一斉に…」
満潮「何言ってるのよ!そしたら時雨が…!」
時雨「僕は幸運艦…ずっとは流石に無理だけど運で回避できる確率は高い…それに…」
時雨「今の提督は完全に我を見失ってる、過去の出来事によってね」
山城「…………提督の事だし殺さないとは思うけど時雨、気を付けてね」
時雨「…任せてよ、今度は僕が頑張る番だ!」バッ
鹿黒「逃げたか…だが逃がさんぞ時雨!」バッ
屋根から降り下の木箱を踏み台に駆け降りる鹿黒
最上「…全然こっちの事に集中してなかった…」
弥生「……とにかく今いる艦娘を呼んで時雨を助けよう…!」
時雨(島風に鍛えられたおかげで脚力、体力はかなり余裕があるし何より僕は艦娘だ)
時雨(だけど攻撃手段が0と言っても良い、だけど提督は戦闘のエキスパート、多彩な爆弾に剣に銃、あと手首付近に隠し持っている刃)
時雨(1度でも当たればこっちの負けだけど爆弾以外は動いていたら中々当たらない)
鹿黒(脚力も体力も以前とは別物だ、だが俺は人間であいつは艦娘、差は歴然)
鹿黒(しかしこちらには武器を日頃から装備しているし何より艤装が無い為攻撃手段はこちらが上手、動きがジグサグなのは銃に撃たれないようにする為)
鹿黒(悪いがこれ以上お前らを危険に晒してはならない、俺が悪者だと思わせれば自然に離れていく)
時雨(…多分提督は銃を撃ったけどあれ、弾薬詰め込まれていないね)
時雨(差し詰め僕たちを危険な目に合わせたくないから悪者になろうって考えだろうね…でも数年間居て今の提督の事は知っているつもりだ)
時雨(…僕たちはどんな手を使ってでも君を救いたい、だから全員が協力して頑張っているんだ)
鹿黒「時雨!お前がそれを渡せば済むことだ、止まるんだ!」
時雨「ごめんよ提督、僕たちは君の事を知りたい、だからこうして無理にでも捜査しているんだ…ここで止まったらみんなに会せる顔がないよ!」
鹿黒(駄目だ…まるで聞く気がない、良い意味で)
鹿黒「だがこれ以上は本当に危険だ!これからは俺たちで捜査する、艦娘はいつも通りの日常を過ごしていればいい!」
時雨「…それは僕たちが信用できないって事なのかい?」
鹿黒「今回の件に関しては、だ!いくら人間じゃない艦娘とは言え上限があるだろう!」
時雨「なんと言われようとも僕は逃げるつもりだよ!」ザザザ
斜面を滑り街の方へと落ちていく時雨
鹿黒「命令だというのが分からんか!」ピッ
すかさず煙幕弾を真下に落とす
時雨「…!」
鹿黒「こっちには弾薬のスペシャリストがいるんでな、安心しろ、殺傷能力はない」
時雨(煙幕で視界が見えない!)
鹿黒「さぁ分かったなら返せ!ここからお前がどこに逃げようとも見つけられ捉えれる!」チャキ
「これ以上は無意味だ零」チャキ
後ろに銃口が向けられる
鹿黒「……何故貴方がここにいる……光さん」
東側「…お前たちの艦娘に頼まれたんだよ…提督を止めてくれとな…」
東側「運よくこの艦娘が逃げた先が一本道だったからな、逆方向から車で来た…さぁその銃を終え、弾薬もないのだろう」
時雨「…!」
東側「他の艦娘も行こうとしたが止めた、戦いになってもあれじゃろう…しかし零、お前…昔と変わらんぞ、行動が、感情が」
鹿黒「…失えって言うのか、悲しみと憎しみを…」
東側「そうではない、あの戦いは上は忘れろと言うがわしは忘れるべきではないと思っている、しかし同じになってどうする数年前と…」
鹿黒「…済まなかった、時雨、光さん」チャキ
東側「まぁあの発砲も無意味なのは他の奴も知ってはおるが…信頼してた男の復讐の歪んだ顔は、どうだったかは知らん…まぁ無難に謝っておけ」
時雨「…僕からも言うよ」
鹿黒「……あぁ……」
東側「しかし時雨…と言ったか、お主等にも問題はある…勝手に人の出来事を探るな、人には触れられたくない思い出は必ずある」
東側「事情も言わないこちらにも非はあるが、零も言っているようにこれ以上探るのはよせ、別の奴らに狙われる」
鹿黒「…奴ら?」
東側「後で聞かせてやる、まずはこっちじゃ」ヒソヒソ
東側「提督でないわしが言うのはあれじゃがお前たちも提督の手助けしたいという気持ちは分かる、しかし…」
時雨「……じゃあ教えてよ、少しだけ、過去の事」
東側「聞いていなかったのか、危険と言う話を」
時雨「…僕は助けになりたい、協力したい、そう思っている…この写真は返すよ、コピーだけど処分して構わない」
鹿黒「……今回は見逃そう…」
時雨「…今回?いや、ずっと僕たちは提督のそばにいるよ…ねぇ、みんな」
「「「えぇ」」」
鹿黒「…!まさか今の話を録音していたのか…!」
東側(なんちゅー娘じゃ)
時雨「艦娘からしたら過去を知って、真実を見つけ出したい」
時雨「そして、提督と笑ってこれからも過ごしたい」
時雨「提督さ、少し前から感情がすり減っていったんだよ?気づいてるかは分からないけどね…」
時雨「前みたいに下らない話をして盛り上がって、過ごしたい」
時雨「これが思いだよ」
東側「……負けだな」
鹿黒「…あぁ……」
東側「じゃが時雨今はその奴らに狙われている可能性がある…奴らの話をしてから少しずつ話してやろう」
時雨「じゃあ…!」
東側「ただし、まずいとこちらが判断したら大人しく引き下がる事、これを破ったら関わるのは無しじゃ、携帯越しの艦娘にも聞こえているはず」
時雨「…分かったよ」
東側「では明日の午前9時、貴様らの鎮守府の作戦会議室で会おう、あと数名来るが安心するんじゃな」スタスタ
東側「艇、すまんな…鎮守府まで頼む」
古野「了解、復活した古野艇様に任せるんだな3名!」ビシッ
鹿黒(黙っていればイケメンなんだけどなぁ…こいつ…)
翌日 午前9時ジャスト
緊張した雰囲気の中、各鎮守府(大小問わず)提督に鎮守府憲兵隊、横須賀艦娘が集合する
何故鎮守府会議室かというと本営でするとバレる恐れがあるから、らしい
東側「…揃ったな、では一応自己紹介をしておく」
東側「昨日会ったがわしは海軍中将の東側光之助だ、今回情報協力してくれたのは同じく中将の有岡大貴にイギリスのスエード・ファンランじゃ」
有岡「初めまして有岡です、主に外国の鎮守府とやり取りしています」
スエード「スエードです、ウォースパイトがお世話になってます」
有岡大貴:海軍中将、30代前半の男性、昔留学経験があった為、外交に強い1人
スエード・ファンラン:イギリス海軍、階級は中将、昔イギリス艦娘の教育責任者だった、ウォースパイトを日本に来日させた張本人、日本語留学経験有り
東側「まず本題を言う、この紙を見てくれ」スッ
白い紙に書かれた内容に全員が目を開く
漣「…なんすかこれ…」
憲兵B「…!」
日向「……」
全ての海軍・陸軍・空軍・艦娘・深海棲艦・憲兵・一般人につぐ
一斉に機能を停止しする事 できなければ 全員をこの場で消し去る
大潮「…凄い一方的ですよね、具体的に書かれていませんし」
ウォースパイト「まるで子供の日記みたいね…」
東側「その通り、よくも分からない手紙が差し出された、全世界に送られたが度の過ぎた悪戯……と思うが」
東側「今各国で軍人間、艦娘、深海棲艦、動物、一般人たちが何者かにより重傷を負っているのが後を絶たん」
鹿黒「…つまり行動には移していると」
有岡「そうなります、しかしですね…一部、残念な事になった方々もいます」
陸奥「…ねぇ、疑問に思ったんだけどこの紙…何で裏に何も文字が書かれてないのに字が薄く滲んでいるの?」
東側「どうやらチラシの裏に書いたらしい」
全員「」
松宮「馬鹿にしてんのか!」
嵐「これは…酷いな!」キリッ
憲兵G「ダメでしょうこれは」
松宮太郎:佐世保鎮守府所属、階級は少佐
鳥海「…100歩譲って書くものがなかったとしましょう、何故買わなかったんですか、紙を!」
東側「わしに言われても」
鹿黒「…まぁ事態は一刻を争う、で光さん、犯人の目星は?」
東側「あぁ、1人判明したよ…現在消息不明になっている黒須三郎、彼が生きている事がな…!」
武蔵(…!)
鹿黒「…!生きている…?」
古野「……」
有岡「えぇ、ハワイで確認が取れました…似たような人物の報告が昨日」
有岡「しかし本人とは限りませんが何やら山の方に向かってたんですよ、剣を持ち歩き、ね」
鹿黒「…」
武蔵(どういう事だ…鬼崎の発言があっていた?だが鬼崎も裏の人間は確定だがこの事件の共犯とは限らん)
東側「…そしてこの事件の事を我々はこう呼んでいる事だけ教えよう」
東側「バッドエンドのカウントダウン…全ての生の鎮魂歌(レクイエム)と」
東側「もう取り返しが…つかん状態になってしまったんじゃ…何かが起きると、思っておる」
鹿黒「……ハワイはアメリカの物だ…アメリカ軍には要請をしたんですか?」
有岡「一応は、ただ仮にあの生き残りの基地がそこだった場合、対処が難しい…ですが」
東側「とりあえず解散じゃ、また情報が入ったら報告する」ガタッ
有岡「…それでは…解散!」
時雨「…ここで良いのかい?中将」
東側「…倉庫裏、昨日お前たちの提督が銃撃した所…あいつはここにはこないじゃろ」
オリジナル感がすごいですがご了承を…
オリジナル設定が多いので元々の艦これの設定が薄れてる感じがします。
あと自分の好みなのですがローちゃん→ろーちゃんと平仮名で表記してもらえれば有難いです。
コメントありがとうございます
表記は直します、一部設定を変えます、ご指摘ありがとうございます