聖なる日の夜。
よしまりです
少し早いですが、Aqoursのクリスマスソング記念ということで書いてみました。
今年もいよいよやってくる、これは私と、私の大好きな先輩との聖なる日の物語。
クリスマスイブを明日に控えた朝、私はいつもの様に学校へと行く、さすがにこんな田舎でもクリスマス色に染まってゆく。
そんなクリスマス模様の景色を横目に見ながら私はいつものバス停を降り学校へと歩く。
鞠莉「おはよぉ♪善子♪」
善子「?!なによっ?!びっくりするわね!?」
鞠莉「んん〜?よしこ〜?驚きすぎよぉ」
善子「べっ!別に?!て、ていうかヨハネよっ!ヨ・ハ・ネ!!」
鞠莉「oh…ソーリー!ソーリー!それでヨハネちゃん?そんな憂鬱な顔をしてどしたの?」
善子「べっ、別に?!アンタには関係ないでしょ?」
しばらく2人で黙って歩いて行く、ふと通りかかった松月のクリスマスケーキのポスターに目を惹かれた。
鞠莉「うんっ!とっても美味しそうねっ!」
善子「そうね...いよいよイブだものね...」
鞠莉「おや...堕天使様はクリスマスはお嫌い?」
善子「別にそんなことはないけど...毎年1人で楽しむわよっ」
鞠莉「oh…クリぼっち?」
善子「うるさいっ!もういいもん!」
鞠莉「ソーリーソーリー、でもクリスマスを友達と過ごしたり、大切な人と過ごしたりすることはとてもいい思い出になるわ♪」
善子「大切な...人ね」
鞠莉「ヨハネちゃんには大切な人...いない?」
善子「まぁAqoursのメンバー...はもちろん大切だけど...クリスマスを過ごす...その..なんていうのっ?お、想い人はいないわね」
鞠莉「そっかー、じゃあ今年の聖なる夜はこの私、小原サンタが堕天使様のクリスマスプレゼントとなりましょう♪」
善子「は?なんでサンタがプレゼントになんのよっ?」
鞠莉「まぁまぁ細かいことは気にしないでっ!♪そうと決まればクリスマスデートのプランを立てるわよっ!レッツゴー♪」
善子「ちょ!ちょ!なによっデートって?!」
そしていよいよやってきた...聖なる夜。
......大切な人と過ごす大切な聖なる夜。
鞠莉「お待たせぇ♪」
善子「おそいわよ」
鞠莉「oh…その返答はナッシングよ?よしこ?そこは「今来たところ」と言うべきよ?全くそんなことでは私の彼氏失格ねっ!」
善子「なっ!なにが彼氏よ!あとヨ・ハ・ネよ!」
鞠莉「oh…それもナッシ〜ング、聖なる日に堕天してはダメよ?よ・し・こ?」
善子「っつ......ょうだけならっ...」
鞠莉「ん?きこえなーい?♪」
善子「もうっ!今日だけなら善子って呼んでいいって言ってるのよっ!!」
鞠莉「全く素直じゃないんだから♪そんな善子もかわいいけどねっ♪」
善子「もう!からかわないでっ!」
鞠莉「ふふ♪かわいい♡」
善子「もうっ!やめなさいよっ!」
鞠莉「あっ!見てっ善子!サンタさんよ〜♪メリクリスマァース!」
善子「あっ!待ちなさいよっ!」
その後はAqoursのメンバーへクリスマスプレゼントを選んだりと2人でクリスマスを楽しんだ
こんなに充実したクリスマスは初めてで...その時間が終わるのがとても寂しくて...永遠と続くならばどんなにいいものかと思った。
だけれど終わりの時は来てしまう。
鞠莉「今日は楽しかった?」
善子「そうね...とても...楽しかったわ」
鞠莉「そう♪それならよかったわ!」
善子「そうね...」
鞠莉「...どうだった?大切な人と過ごすクリスマスは?」
善子「とっても温かいクリスマスだったわ...となりに誰かがいる、それだけなのにね...」
鞠莉「ふふっようやく私を大切な人って認めてくれたの♪」
善子「なっ?!大切な人っ!?そ、そんな...」
そんなことなかった。言えるならば言ってしまいたい「もっと一緒にいたい」と。
鞠莉「...雪...降ってきたね...」
善子「ホワイトクリスマスね」
鞠莉「そうだ!善子!走るわよっ♪」
善子「ちょっ!?あんたはまたいきなり!!」
鞠莉は私の手を掴み走った
私と鞠莉はクリスマス一色に染まった街を駆け巡った、ただそれだけのことなのにとても心地のよい時間だった。
なによりも鞠莉と手を繋いでいられる...この瞬間がなによりも大切な時間。そんな時間ももう少しで終わってしまう。
鞠莉「うわぁ♪やっぱり凄いわね!」
善子「......す、すごく綺麗...」
たどり着いた場所はイルミネーションされた大きな大きなクリスマスツリーの前
鞠莉「ホワイトクリスマスにはぴったりでしょ?」
善子「...うん...ありがと」
鞠莉「いえいえ♪こちらこそ楽しい1日をどうも♪」
善子「とても綺麗なツリーね...いつもはただの大木なのにとても輝いてるわ...」
鞠莉「そうね...どんなに周りから注目されなくてもかならず輝ける術はあるものよ?♪」
善子「そうね...たまにはいいこと言うわね...」
鞠莉「そうでしょ!?先輩だもの♪たまにはいいこと言わせてよ♪」
鞠莉はいたずらに笑ってみせた。
善子「うん...そうね」
鞠莉「どうしたの?そんな浮かない顔して」
善子「...この時間が...おわっちゃうんだな...って寂しくなっちゃった」
鞠莉「おや?善子にしては素直じゃない?」
善子「今日だけはいい子だからね...」
鞠莉「いい子の善子ちゃんにはもっと特別なプレゼントをあげる」チュッ
善子「んっ?!////」
鞠莉「嫌だった...かしら」
善子「うれしい..こんな特別な日に大切な人と一緒に過ごせて」
鞠莉「善子さえ良ければ今日だけじゃなく毎日..あなたのそばにいてあげるわよ♪」
善子「いや、うれしいけどさすがにそれは厚かましいわ...」
鞠莉「oh…ほんと素直な善子になっちゃったわ」
善子「ふふっ♪善子だもの当然よ?さっそろそろ帰らなくちゃ!明日はAqoursみんなでパーティよ♪」
鞠莉「ノリノリだね♪楽しんでもらえてよかったわ♪」
善子「うんっ!ありがとう♪鞠莉♡」
2人で雪降る街を去って行く。
繋いだ手はとても暖かかった。
聖なる日の私の祈りはきっとどこかのだれかが叶えてくれたのだろう。[link_ssmatome: SSまとめ速報作品URL ]
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