2017-01-14 22:04:04 更新

概要

冬です。手がかじかんで執筆が進みません()
初めてのSS。上手くいかなくてもご了承あれ。書いてみたかっただけです。
※軍事的知識や、若干のキャラ崩壊在りかも
※改行入れてみたけどなんか変かも
登場人物(予定)全部書ききればそれぐらい出る
米軍側の戦闘描写には一部想像が入ります
なんとかオチつけるまで気合!入れて!行きます!

深海棲艦との戦いが落ち着いてきたある日のこと、
提督は米軍との演習依頼を受ける。
提督は特別艦隊を組んで対抗するが...?


突如として海底から出現した謎の生命体。人々はそれを深海棲艦と呼称した。未知のテクノロジーを持ったそれらは、

既存の艦艇を凌駕する機動性を有し、レーダーに捕捉されない程の隠密性を有し、そして現代艦と拮抗する火力を持っていた...

深海棲艦の台頭により、シーレーンはことごとく断たれ、貿易が非常に困難になった。

日本では海産物が取れなくなり、各種資源の高騰化が進んだ。そして世界は紛争に覆われていった。

深海棲艦との戦闘は進まず、石油産地での紛争は激化した。

世界が破綻しかけていたその時、日本で確認されたとある生物が奇跡を起こす。

その名は”妖精”。高度な知能と技術を兼ね備える(と思われる)彼らによって、小型化された武装が完成。

それらを用いれるのは、生体的に適合可能な女性のみだった。

そして艤装を身に着けた彼女らを人々は艦娘と呼んだ...!


※ちょっとしたオリ設定

艤装は透明な球状のバリアみたいなのを展開しており、攻撃を受けると展開をしている艤装とフィールド両方にダメージが生じます。

それが破壊されると大破になり、さらにダメージを受けると生身の状態でダメージを受ける事になるので轟沈(死亡)になります。

艦娘を運用できているのはほぼ日本だけで、さらに艦隊規模で運用できるのは日本だけです。

他は1~2隻程の艤装を日本から貸与しています。妖精の技術は彼らが公開しない限り謎のままです。

現在判明しているのはおそらく彼らは戦時中の兵器の設計をもとにしているという事のみです。


***************************************************************

提督「今日も平和やぁ...」ふわぁ

 艦娘の技術により日本は国際的な立場を強化できた。深海棲艦も当面は侵攻してこないし、シーレーンも別動隊が制圧中だ。

 一時期は敵空母によって制空権すら奪われかけたけど、今となっては何たる平和...(本土だからです)

khock khock

提督「うん誰だ?」


大淀「大本営からの通達です。」


提督「おう、ご苦労さん。」


提督「さて今日はっと...ま、どうせいつものだよね。補給物資に関する資料...遠征部隊日程...出撃任務...

赤城ボーキ事件の始末書の返信...佐世保との演習日程....米軍第七艦隊との演習予定....あれおかしいな。疲れてるな。

ええっと、米軍第七艦隊...」


提督「はあっ!?第七艦隊との演習!?」ガーン


大淀「まったく、今日もうるさいですね」


提督「いやなにこれ聞いてナイヨ!?断れないの!?」


大淀「できません」キッパリ


提督「しかも明日じゃん!延期できn


大淀「できません」キッパリ


大淀「補足すると、こちらの司令長官及び第七艦隊長官のジョセフ・P・アーコイン氏がいらっしゃるのでくれぐれもそのつもりで」


提督(あの人まだ現役なんだ...)


大淀「ついでに、今回はどちらにも被害を出さないために、仮想戦闘計算システムを用います。一ヶ月前から夕張さんと明石さん

にやってもらいました。」


提督「道理で開発費要求が跳ね上がったわけだ。後でねぎらわなきゃな。」


大淀「ダメージはコンピューターで判別されますが、艦娘はVRゴーグルを装着してまるで実際に戦闘しているかのような臨場感を味わえます。」


提督(それはそれでやだな)


大淀「報告は以上です。では失礼します」パタン


提督「誰だそうかな...相手方は対深海棲艦の訓練っていうけどねえ」



次の日...


提督「うーん、良く寝たぁ..」ふぁぁ


ワイワイガヤガヤナカチャンスマイルー!


提督「なんだ?外が騒がしいぞ?那珂ちゃんがライブでもやってんのかぁ?」


khock khock

提督「ん、誰だ?」


時雨「早く来なよ!艦隊が入港してるよ!」


提督「え、もう来たのぉ」


時雨「いいから身支度してよね!はやく!」パタパタ


提督(時雨のあれは耳なのかな)



1時間後...

提督「おお!すげぇ!ロナルドレーガンにタイコンデロガのあれは..シャイローか!

またこの横須賀に第七艦隊が戻ってくる日が来るなんてなぁ!」


提督(でもすぐに帰るんですけど)


時雨「提督はしゃぎ過ぎだよ。夕立よりはまだましだけど」


夕立「大きいっぽいっ!やばいぽいっ!ぽいっ!ぽいっ!ぽいっぽいぽぽい!」キラキラ


提督「何勝手に戦意高揚してんだあいつ...」キラキラ


時雨「提督も言えないと思うな」キラキラ


提督「やばいもうこんな時間!時雨夕立急ぐぞ!」


――――――――――――

提督「ふぅ...やっと式典おわったな」


時雨「アメリカの司令官の話は短いのに、こっちの司令長官の話は長いよねぇ」ハァ


提督「俺の話は?」


時雨「えっ...あのぉそのぉ....ごめん寝てた」///


提督「えっ...まぁ聞かれなくてよかったよ」


時雨「ごめん、本当にごめん」


提督「気にする必要はないよ。それより、明日、頑張ろうな!」


時雨「うん!」


提督「じゃあ俺は接待があるからこれで」


時雨「じゃあね!」



第一回 日米間合同演習参加艦艇一覧


1日目

個艦演習

      駆逐艦 暁  DDG-52 アーレイバーク級バリー


     駆逐艦 時雨  DDG-89 アーレイバーク級マスティン

対潜演習

     潜水艦 伊19  LHD-6 ワスプ級ボノム・リシャール

     潜水艦 伊26 

2日目

艦隊演習 

    正規空母 赤城  CVN-76 ニミッツ級ロナルド・レーガン

         加賀  CG-54 タイコンデロガ級アンティータム

    戦艦   大和  CG-62 タイコンデロガ級チャンセラーズビル

    航巡   最上  CG-67 タイコンデロガ級シャイロー

    軽巡   矢矧  DDG-54 アーレイバーク級カーチス・ウィルバー

    雷巡   北上  DDG-65 アーレイバーク級ベンフォールド

    駆逐艦  雪風  DDG-85 アーレイバーク級マッキャンベル

         島風  DDG-89 アーレイバーク級マスティン

         夕立  LHD-6 ワスプ級ボノム・リシャール

    潜水艦  伊19

 

以上総勢23隻(変更有)



演習1日目...

『バリーが所定のポイントに到達。暁、抜錨せよ。繰り返す、暁、抜錨せよ...』


提督「どうした?暁。震えてるぞ」


暁「ふ、震えてなんかないしっ」ぶるぶる


提督「大丈夫だ。深海棲艦でもできるんだ。君にもできるさ」わしゃわしゃ


暁「わっ、ちょっ、頭をなでなでしないでよ!もう子供じゃないって言ってるでしょ!」ぷんすか!


提督「それでいい!頑張ってこい!」


暁「暁の出番ね、見てなさい!」


『それでは演習を開始します。訓練状況開始』


 それぞれの間の距離は50km。

 通常の演習だったらかなり近いが、何せ艦娘という小型目標。どうせミサイルも使えないので

 このぐらいの距離がフェアだろう。


暁「しかし夕張さんもよくこんなの作ったわね。あとでお礼言わなくちゃ。」


 ゴーグルのおかげで著しく視認性は高い。自然な色合いでありつつも、コントラストがはっきりとしている。

 また動的目標は自動的にマークされ位置が判別しやすくなっている。


暁「ん、反応?」


 上空にマークされた反応がある。目を凝らすとそれはこちらに向かって移動している。

 低いエンジンの唸り。


提督『暁っ!おそらく敵の艦載ヘリだ!撃墜しろ。』


暁「了解。」




米軍艦載ヘリ「こちらナイトホークからバリーCIC。暁のものとみられる航跡を確認...っ!」


バリー管制官『どうしたナイトホーク。状況を報告せよ。』


米軍艦載ヘリ「ナイトホーク、撃墜判定が出た。離脱する」


交信のスイッチを切る。


米軍艦載ヘリ「あの距離から直撃とは...よくやったな。お嬢ちゃん」





 暁は遠くの機体に向かい狙いを絞る。あちらもおそらくこちらに気づく頃合いだ。なおも直進する機体。


暁「お馬鹿さんね」


 引き金を引く。ディスプレイ上の弾道は少し重力にひかれながらもヘリに直撃した。

 撃墜判定が出ると同時に、ヘリは転進していった。


提督『よくやった。』


暁「ありがと。」


提督『え?』


暁「お礼はちゃんと言えるし。」


提督『フフッ...そうか。ここで敵の目はつぶした。しかしこれでこちらの位置は割れた。』


そうだ敵にこちらの位置は割れたのだ。さて、どう向かうのか。


提督『バリーが巡航速度で向かってくればここまでおそらく1時間はかかる。

おそらく限界まで出しても50分はかかるだろう。」


暁「ふ~ん。意外とかかるのね。」


提督『ただしミサイルを使ったときのあいつの攻撃範囲はすさまじいがな。

まぁ多分敵さんもこちらがここに留まるとは思わないだろう。でも捜索すると言ったら

ここら辺を中心に探し始めるだろう。』


暁「じゃあどうするの?」


提督『だがおそらく捜索はしない。』


暁「え、なんで?」


提督『自分よりも高速で動いて、しかも発見しにくい相手をわざわざ探しに行くよりは、自分の所に来るのを待ったほうが良いとは思わないか?

ヘリを失った以上再発見は困難だ。しかもこれだけ距離があるとせっかく掴んだ情報も意味をなさない』


暁「移動されちゃうからね。」


提督『その通り。おそらく相手は待ち伏せを行うだろう。』


暁「案外安易な発想ね。」


提督『うるせーやい。まぁとにかく、相手がしびれを切らしてこちらに来るのを待とう』


暁「別に接近してもいいんじゃないかしら。どうせ接近されれば対水上捜索レーダーに引っかかってバレちゃうし、

それなら速度を生かして最初から勝負すればよくない?」


提督(こいつ...いつからミリヲタに...!)


提督『た、確かにそうだな。でも敵の位置がわからないのはこちらもだぞ。』


暁「ヘリが来た方角を追えばいいんじゃないかしら。待ってた方が対応はしやすいかもしれないけど、私は視認できなければ見つけられないし。」


提督『.........』


暁「....?」


提督『......もう司令官としての自信を失った....』


暁「ちょ、ちょっとどうしたのよ!」


提督『.........』


暁「無言にならないでよ!」


40分後...

暁(司令官はほんっと軟弱なんだから...)


 ヘリが飛来した方角へと進んでもう30分以上が経過した。

 暁はただ黙々と視線を巡らせる。


暁(もしかしたらもう移動されてる?)


 このままいけばあと15分ほどで演習海域から出てしまう。


暁(引き返そう...)


 暁が踵を返そうとしたその時。


 ........ドゴォン! ........ドゴォン! ........ドゴォン!

暁「きゃっ!何っ!」


 暁からはVRを通して周りに水柱が上がって行く光景が広がる


提督『暁っ!止まるなっ!おそらくバリーの砲撃だっ!』


暁「りょ、了解!」


暁(そうだこれはただのイメージなんだ!うろたえるな!)


 Mk 45 5インチ砲は暁の主砲とほぼ同じ口径だが、恐ろしく連射が効く。今までにない弾幕の中、暁は徐々にダメージを受けていく。


暁(くっ...!バリーはどこ!)


暁「あった!マーカーに反応!」


提督『そのままバリーに向かって之字運動!どのみち相手はレーダーによる射撃管制はできないから回避できるはずだ!」


 いくら艦娘じゃないとはいえ伊達じゃない。あんな鉄の塊を沈めるには主砲だと時間がかかる。

 やはり魚雷で狙うしかない。

 暁は不規則な動きを繰り返し接近していく。


暁(まだだ...まだ遠い)


 ファランクスの射線が暁を追う。

 5インチ砲の至近弾も徐々に艤装へダメージを与えていく。


暁(まだ...あと少し...!)


《警告!艤装ダメージ15%》


暁「ここだぁっ!!」


 魚雷を一斉に放つ。回避する間もなく3連装酸素魚雷が船体に命中する。

《バリー前部隔壁浸水。中破》


暁「やった!」


 しかしまだバリーは生きている。5インチ砲の砲撃はまだ続く。

 暁はいったん距離をとる。しかし狙いは外れない。


 ドォォォォン!

暁「近いっ!」


《警告!艤装ダメージ20%を超過。小破》


暁「くっ!あ~もうっ」


提督『後部に回れ!後部には有効な砲熕兵器はない!」


 後部に回り5インチ砲の射線から逃れる。しかしバリーも回頭し射線に収めようとしてくる。このままでは埒が空かない。


暁(これ以上この速度を出し続けると帰投する為の燃料がなくなる...!早めに決めないと)


 後部のファランクスも稼働を始め、暁を追う。


暁「そんなの効くわけないじゃない。不愉快だわ」


 暁は再装填が終わった魚雷を構える。


暁「これで終わりなんだから!」


 暁が魚雷を放ったその時、ファランクスの火線がそれをとらえた。


 ドオォン!


暁「え、なにっ?」

《警告!魚雷管誘爆!艤装ダメージ55%を超過。中破》


暁「くうっ、なんでよ!」


 これによってバリーも暁も同じ被害を負い、暁に至っては頼みの綱である魚雷を失った。


《脚部タービン出力低下!航行速度低下!》


 眼前には不調を告げる警告文が並び、更にタービンに出力制限がかかる。


暁「いちいちダメージ計算がリアルすぎるわよ!」


提督『大丈夫か暁!』


暁「見ての通りよ。魚雷はもう使えないようね」


 魚雷を撃とうとするとカチカチとロックされている音が響く。


暁「それよりも重大な問題があるわね」


 出力が出ないため、バリーが回頭するのに追いつけなくなっていた。このままでは5インチ砲の射界に入ってしまう。

 そうなったら回避さえろくにできない今の状態だとおそらく被弾するだろう。


提督『主砲は生きているな?』


暁「えぇ。だけどそれじゃあまりダメージが入らないからどのみち負けるんじゃ...」


提督『すこし難しいことを要求するが、多分暁ならできるよ。』


暁「おだてたって何も出ないわよ」


提督『バリーはアーレイバーク級の中でも古いフライトⅠだ。だからVLSの他にも露出したハープーン発射筒がある。それを」


暁「長いわね。要約して。」


提督『まあ要は煙突と煙突の間にある灰色のミサイルランチャーを撃てってことだ。いいか?』


暁「わかったわ。」


提督『チャンスは一度。バリーが回頭しているときに横っ腹を見せた時だ!くれぐれも敵主砲の射界に入るなよ!』


暁「わかってるわよ!」


提督『あと船体に近すぎると回頭の流れに(ブチッ


暁「本当にうるさいんだから」ハァ


 交信を切った以上もう誰もナビゲートしてくれる人はいない。心細いようで逆にそれが暁を奮い立たせた。

 だんだんバリーが回り始める。その動きに合わせるようにして横に回り込む。

 まだだ。ここで撃ち損じては意味がない。

 海面から見ると傾斜している発射筒の露出面積は非常に少ない。


暁(もう少し...もう少し!)


 更に回り込み、船体とも距離をとる


暁「ここからなら!」


暁(けどここは...5インチ砲の射界!?でも躊躇している暇はない!)


暁「届けっ !」


 正確にに狙いをつけ、引き金を引いた。

 それは5インチ砲も同じで暁に砲弾が迫ってくる。


 しかし...暁のほうが一瞬早かった。

《ハープーン誘爆!船殻及びガスタービンにダメージ!バリー大破》


《演習終了。バリー大破、暁は中破。結果は暁の勝利です。》


暁「ふぅ...」


 VRの同期映像が終了するとタービンの制限も解除された。

 ふと声が聞こえた。そちらの方を振り向くとバリーの船員たちが笑顔で手を振っている。

 さすがに何を言っているかはわからなかったが暁は微笑み返した。


暁「ごきげんよう、皆さん。」


―――

――――――

―――――――――

 母港に帰港した暁を出迎えたのは提督たちだった。


暁「司令官!」


提督「おぅお疲れ。」


時雨「なかなかにスリリングだったよ。」


暁「レディとは言えない戦いだったわね」


提督「そんなことないさ」なでなで


暁「だから撫でないでって言ってるでしょ!」ぷんすか!


提督「それは置いといて。時雨。次は君の番だ。佐世保の時雨と呼ばれた力を見せてくれ。」


時雨「飲んべえの時雨、の間違いじゃないかい?」ふふっ


提督「下戸のくせに。」


時雨「うっ」


提督「まぁ全力を尽くしてくればそれでいいさ。」


時雨「ありがとう。」



『演習開始時刻。マスティン及び時雨は戦闘準備が済み次第出港せよ。繰り返す戦闘準備が済み次第出港せよ。』


時雨「時雨、いくよ。」


 先ほどから曇り始めた空から雨が降り始める。


時雨「こんな時期に雨...か。いい雨だね。」




『それでは演習を開始します。訓練状況開始』


提督『雨だけど視界への影響はないか?』


時雨「うん。普段より良く見えるぐらいだ。」


提督『頼もしい限りだ。』


時雨「で、作戦は?」


提督『うーん。索敵手段が目視だからなぁ』


時雨「取り敢えず直進して索敵してみる?どうせこっちより先に相手が気付くんだし」


提督『あ、そうだ!』


時雨「どうかした?」


提督『時雨、機関を停止して投錨してくれないか?』


時雨「いいけど、なんで?」


提督『偵察しに来たヘリコプターの後をつける。』


時雨「なるほど。でもなんで機関を止めるの?」


提督『今日は雨で上空からの視界も悪いだろう。だからできるだけ動きを止めてやり過ごすんだ。』


時雨「了解。」


提督『動きも少なくね。ヘリのローター音が聞こえ始めたら勝負だ。』


時雨「と言っても波も立ち始めたしね...」


10分後...

時雨「くしゅん!....うーん雨と飛沫を受け続けるとさすがに寒いなぁ。」


提督『すまん。俺が言えることじゃないがもう少しの辛抱だ。』


時雨「ふふっ、このぐらい大丈夫だよ。」


 ブオオオォォォォ.....


時雨「これは...」


提督「ヘリさんのお出ましかな?」


 音の方を振り向くと黒い影が映る。


時雨「上空にマーク。敵艦載ヘリと確認。」


提督『了解した。そのままやり過ごして』


 バラララララララ....

 近づくにつれ音が大きくなっていく。そして機体の姿もあきらかになっていく。


時雨(灰色の機体に、幅広の設計。SH-60で間違いないかな。武装は特に懸架してないね)


 上空を高速で飛翔する機体。そのダウンウォッシュが時雨に降りかかる。


時雨「うわっ!びしょ濡れだよもう...。」


 しかし途中でヘリは動きを止めた。



艦載ヘリ「こちらシーホークからマスティン。海上に浮遊する物体を確認。」


マスティン『シーホーク、それは艦娘か?』


艦載ヘリ「スタンバイ。....いや、誤認だ。おそらくブイだ。」


マスティン』了解した。捜索を続行せよ』



時雨「ちょ、ちょっと待ってよ。なんでヘリ止まるのさ。提督バレたかも!」オロオロ


提督『嘘どうすんの』


時雨「もうやだ。僕知らないっ。」


提督『おいちょっと時雨っ!』



 しかしまたヘリは動き出した。


時雨「...提督、なんか去ってったけど。」


提督『多分バレずに済んだんじゃないか?』


時雨「うん...多分そうだよね」


提督『よし、あいつの後ろをついてってみよう。』


時雨「でも、あのヘリかなり早いよ...」


提督『あいつを目で追えればいい。最悪見失ってもそっちの方向に進んでいれば敵に会えるさ』


時雨「うん分かった。追いかけてみるよ。」


15分後...

時雨「はぁっ、はぁ....あんなの早すぎるよぉ」グスッ


 タービンが唸りをあげて今にも破損しそうだ。

 それもそのはず、ヘリは悪天候でスピードを落としてはいるものの、その速度差は80km/h程ある。

 今となってはヘリは豆粒大になってしまった。


時雨「というか、帰りの燃料もつのこれ?」


提督『持つと思う...多分』


時雨「...ほんとに?」


提督『まぁ何かあったら回収しにいくと思うよ。救難隊が。それより何とかヘリの方角について行ってよ。』


時雨「地味に話題変えたよね。まぁいいけどさ。」


5分後...

時雨「もうそろそろ見つからないかなぁ...」


提督『距離的にはそろそろ見え手もおかしくは無いはずなんだけど...』


時雨「あとさっきから何か変にマークされるんだけど...。ん、なにこれ?もしかして敵?」


波間に写る僅かな影。どうやらそれを捉えていたらしい。


提督『よっし!よくやった。今日は視認性も悪いし手動制御に頼らなければいけない以上当てることは難しい。』


時雨「わかった。僕に策がある。実行してもいいかい?」


提督『あぁ、時雨に任せた』


 時雨は加速しつつ接近する。あちらはこちらに気づいてはいるようだが、視認はできていないらしく、砲弾は見当違いな方向に着弾していく。

 

時雨「今の内にたどり着かないとね。」


 時雨は大きく迂回し、後ろをとるように動く。やっと視認したのか時雨を追って5インチ砲がかすめる。

 しかしもう時雨は後方へ移動を完了していた。やはり時雨を追尾してくるファランクスに狙いをつけ引き金を引く。


時雨「残念だったね。」


《マスティン後部C.I.W.S動作不能。損害軽微》


 前方の憂いを絶ったあと、いったん距離をとる。狙うのは後部艦尾、海中の場所。


時雨「当たるかちょっと心配だけど、やってみるかな。」


 深く角度を付け魚雷を放つ。慣性のついた魚雷はいったん沈み込み、また浮力によって浮き上がる。...この艦の大きな急所に。


《マスティン ハンギングラダー破損。右スクリュー破損。左スクリュー破損。後部隔壁浸水。電気系統異常。中破》


時雨「やったぁ!」


提督『すごいぞ!見事だ時雨!』


 放たれた魚雷は正確に相手の舵からスクリュー付近に命中し、マスティンは行動不能判定に陥った


時雨「そして、最後この魚雷を当てるだけっ、と」


 もう一つ装備していた魚雷をもう一度敵艦に向かって放つ。


時雨「君たちには、失望したよ。」


《マスティン右舷後部浸水。後部破孔拡大。大破》


《演習終了。マスティン大破。時雨損害無し。時雨の勝利です》


 まだ海に雨は降り続く。


時雨「この勝利、僕の力なんて些細な物さ。この雨と…そう、提督のおかげだよ。」


提督『ありがとな、時雨。』


時雨「そんなことより大変だよ。」


提督『ん、どうかしたのか?』


時雨「僕、もう燃料が残り僅かしかない...」


提督『』


時雨「提督の馬鹿~!」


―――

――――――

―――――――――


40分後...


提督「迎えに来たぞ~」


時雨「遅いよ!」プンプン


提督「まぁまぁ、機嫌直してくれよぉ」


時雨「いいけど。その代り今日の夜戦は寝かさないからね。」


提督「今日も長い一日になりそうだ...一昨日の地獄を思い出すよ...」



 一昨日の夜戦(ゲーム)


提督「あっ死んだ」


時雨「張り合いの無い...」


提督「時雨FPS強すぎるお(´・ω・`)」


時雨「現役艦娘をなめるでない」


 ポチポチポチ 


提督「また死んだ」


時雨「だから早いって」


 TDM結果:提督 12k38d 時雨 62k13d


提督「チラッ( ´・ω・`)」


時雨「なぜこっちを見る。あとうちのチーム負けたのほぼ提督のせいだよ!」


提督「(´;ω;`)ブワッ」


―――

――――――

―――――――――



時雨「おーい、提督?そんな回想より19たちの方はどうなったの?」


提督「はっ!そうだった。時雨、早く戻らないと」



―――母港

提督「はぁっ、はぁっ...やっと着いたぁ。19たちの結果はっと......嘘、まだ出てない?てことはまだ戦闘中?」


時雨「対潜演習の方は僕達と同じ時間に開始だったよね」


提督「あぁ。同時刻に別海域で開始する手筈だったから...もう一時間半以上たってんな。」


時雨「提督も指揮を執ってたんじゃないの?」


提督「時雨の指揮で手いっぱいだったからなぁ。」


時雨「指揮(実況解説)」


提督「うるへぇ」


pppppppp...


時雨「電話かな?」

ピッ

提督「どうした?」


大淀『大淀です。戻られましたらすぐ指令室までいらしてください。』


提督「戦況は?」


大淀『26は無事です。ですが、19が行動不能です。』


提督「行動不能?まぁわかった。そちらに急ぐ!」

ピッ


時雨「僕も、ついてっていいかい?」


提督「すまんが、時間が無い。ここで待っていてくれ。」


時雨「......了解したよ。」


タッタッタッタッ...


――――指令室


ガチャッ!

提督「今着いた!どうなっている!?」


大淀「1分遅刻です。19さんは防潜網に絡まれて身動きが取れません。」


提督「防潜網?なんでそんな古風なものが」


大淀「どうやら定置網漁に使う規模の漁業網を参考に開発したものだそうです。また、ある程度の形状記憶を持った網が複数重なった構造になっているので、脱出は困難かと。」


提督「....お前、どっからそんなデータを」


大淀「海外のハッキンググループが持っていたデータを少々‘お借り‘しただけですよ。」


提督「大淀....。まぁいい。バレたら始末書では済まないからな。」


大淀「もうすこし早く情報を掴んで置けば良かったんですがね。」


提督「連中はどうやってそれを撒いたんだ?あと26の方は?」


大淀「おそらくは艦に搭載されているLCACで撒布したのかと。26さんの方は同じくLCACが撒布した機雷のせいで近付けないようです。」


提督「機雷?」


大淀「あっ、失敬。実際には爆発せず、反応すると範囲内の艤装にダメージ判定を与える仮想戦闘システム用のものです。」



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SS好きの名無しさんから
2017-03-06 23:27:14

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2016-12-30 23:16:24

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2016-12-30 19:48:45

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このSSへのコメント

4件コメントされています

1: にゃんだふる 2016-12-30 19:49:54 ID: GiKmxdaN

面白いです!
更新待ってます!
それと、意見させてもらうと文章の間を一、二行開けると読みやすいかと(^_^)

2: うたや 2016-12-31 06:36:29 ID: 7rzKrkNr

にゃんだふるさん
ご助言有り難うございます。
全部書き終わるには時間かかると思いますが頑張ります!

3: SS好きの名無しさん 2017-03-06 23:33:53 ID: YfkHogCR

やっぱりいいですねえ、バトルもの。
設定は鶴翼の絆をイメージすればいいんですかねえ。
矢矧の登場を待ちながらゆっくり読ませていただきます。あ、それと雪風はすk(ry
…応援しています。頑張ってください。

4: SS好きの名無しさん 2017-05-26 08:43:23 ID: iEsDqDDx

トマホークとか使って欲しかった。


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