セイレン常木耀編~if afterstory~
常木耀編のifのafterstoryです。
初めまして。
セイレンの常木耀編が終わってしまってアニメでは最後くっつかないで終わったのでくっつけてみたかっただけです。
稚拙なSSだと思いますが最後まで読んで頂けたら嬉しいです。
「大学生のバイトって君なの?」
「ああ、お帰り常木さん。」
「ただいま、嘉味田君。」
正直店長の言ってたヘルプが常木さんだったことに驚いた。
でもそこには5年前と変わらない常木さんの姿があった。
「はぁ~疲れた。 ところで嘉味田君こんな所で何してるの?」
「バイトだよ、バイト」
「そんなのわかってるよ。
何でここでバイトしてるのか聞いてるの。」
「それはその...」
「もしかしてここでバイトしてたら私が何時か帰ってくると思った?」
「そうだよ。」ボソ
「う~ん?聞こえないなぁ~。」ニヤニヤ
「そうだよ、常木さんを待ってたんだよ。」
「そっか、ありがとね。」
そう言う常木さんの顔は5年前と変わらず優しい笑顔だった。
僕はその事が何より嬉しかった。
でも一つ気になる事があった。
「常木さん、店長がヘルプって言ってたけどまたスペインに行っちゃうの?」
「うん。後1年向こうで修業してくるつもり。」
「そっか、また行っちゃうんだね。」
4年振りに会えたのに少しの間しか一緒に入れないかと思ったらまた寂しくなると考えてたら
「次に帰って来るときは自分でお店を出す時だよ。だからそれまで嘉味田君も頑張って。」
「わかった。」
それからの日々はとても充実していた。
常木さんと一緒に仕事して賄いを食べて。
ヘルプの間だけでも楽しい時間が流れていた。
まるで高2のあの夏期講習の時のような。
常木さんのヘルプ最終日、僕は常木さんと海へ来ていた。
5年前のあの海へ。
「うっわー懐かしいね。嘉味田君」
「そうだね。常木さん」
「どうしたの突然こんな所に来ようなんて?」
「常木さんに聞いて欲しい事があるんだ。」
「何?」
「僕、あれから勉強して管理栄養士になることにしたんだ。」
「凄いじゃん嘉味田君。」
「そんな事ないよ。常木さんが居たから僕は頑張れたんだ。」
「そっか、私が居たからなんだ、私も嘉味田君が居たから頑張ろうって思えたの。」
「常木さん、」
「前にここで言ったよね。嘉味田君が私の料理食べてくれて美味しいって言ってくれたから料理の勉強する気になったって。」
「そうだね。」
「住み込みで修業させてもらえる所を店長に教えて貰ったのは親のありがたみを知ったから。」
そう話す常木さんの横顔はとってもかっこよかった。
僕は5年前言えなかった事を言い出せなくなってしまってた。
すると
「嘉味田君、後1年待ってて貰えるかな?」
「えっ?」
「だから後1年待っててって言ったの。」
「勿論、寧ろ僕が待ってていいって言いたかったんだけど。」
「もう、だったら先に言ってよね。」
「ごめん常木さん。」
「全くこれだから嘉味田君は」
「はは、」
「常木さん改めて言わせて下さい。」
「どうぞ。」
「1年後、常木さんが帰って来たらその時は僕と付き合って下さい。僕も1年間勉強して胸を張って常木さんの帰りを待ってる男になりますので」
僕にとっての一世一代の告白に常木さんは
「待ってて嘉味田君、私ももっと頑張るから。」
そう言うと常木さんは静かに目を閉じた。
僕は静かに目を閉じそっと口付けをした。
口付けを離し目を開けると
「ありがとね待っててくれて。」
そう言う常木さんの顔は優しさが一杯だった。
翌日僕は常木さんの見送りをした。
次は1年後、そして常木さんを胸を張って迎えれる男になるため。
そこからの1年はとても忙しかった。
仕事に勉強。
そして店長の手伝い
勿論、育夫や荒木先輩とも遊んだ。
忙しかったけど充実した日々を送って常木さんの帰りを待った。
そして1年後
僕は空港に来ていた。
理由は勿論常木さんを迎えに来たからだ。
「ただいま~嘉味田君。」
「お帰り常木さん。」
「1年お疲れ様」
「嘉味田君もね。」
そう言って常木さんは口付けをしていた。
約束通り僕と常木さんは恋人同士になった。
今は同棲しお互いがお互いを支えながら頑張っている。
常木さんを僕は耀と呼ぶようになった。
常木さんも僕を正一と呼ぶまで進展した。
耀は今自分のお店を出すのに大忙し、僕を耀を支えながら自分の仕事を頑張っている最中だ。
「正一、ちょっと手伝って。」
「耀、ちょっと待って今行く。」
これから先何があっても耀となら頑張れるそんな気がした。
最後まで読んで頂いてありがとうございます。
誤字、脱字に感想等ありましたらコメント頂けたら嬉しいです。
このSSへのコメント