アルミン「お前のせいだよカタストロフィー」
VOCALOIDの曲である「カミサマネジマキ」を聴いたときにアルアニとしか思えず書いてしまった。反省はしていない。後悔はしている。世界観は完璧な捏造なので、不快に思う人は見ないほうがいいと思われる。
アルミン「どうして…。どうしてこの世界には争いがあるのだろう…」
アルミン「……そうだ!人類全ての願いを消化する装置を作ることができたら……世界は平和になるはずだ!」
アルミン「よし!そうと決まれば早速取り掛かろう!」
━━━━3年後━━━━
アルミン「いよいよ最後の仕上げだ…!」
アルミン「これに【機械仕掛けのカミサマ】を嵌め込めば……できた!」
アルミン「やっと完成した…。君の名前は…………アニだ。」
アニ「……」
アルミン「これからよろしく。早くこの世界が平和になるといいね。」
アニ「ココは…?」
アルミン「ああ、ごめんね。此処は僕の研究室だよ。」
アニ「アナタ…ノ名前ハ……?」
アルミン「僕はアルミン。アルミン・アルレルト。」
アニ「アルミン……」
アルミン「そうだよ。これから少しずつ会話とかを覚えていこうね。」
アニ「…ソウ…ソレがワタシのするべきコト…」
アルミン「するべきこと、だなんて!ははっ、そんなに重く考えなくてもいいのに」
アニ「そう…ワタシは何をすればいい…?」
アルミン「そうだなぁ…取り敢えず基本的な会話、動作だけでも覚えようか。表情は…難しかったらいいけど挑戦してみよう。」
アニ「わかった…」
━━━━三ヶ月後━━━━
司会者「次はアルレルト博士の発表です。」
アルミン「アニ、落ち着いてね。今までしてきたことを見せるだけなんだから。」
アニ「私は落ち着いてるよ。あんたのほうが落ち着いてないじゃないか。」
アルミン「まあね…。じゃあ行こうか。」
アニ「うん…」
【ステージに上がりました。】
アルミン「皆さんお久しぶりです。まずは長らく研究室に篭っていたことをお許し頂きたい。しかしながら私の研究の成果である【彼女】を見れば、怒りは喜びに、悲しみは期待に変わるでしょう。」
アルミン「それではご覧頂きましょう。アニ、ここに立ってね。」
アニ「…」ペコリ
アルミン「彼女は、【アニ】。どんな願いでも叶えることができます。彼女がいれば、世の中に争いはなくなり、平和になると確信しています。」
モブ富豪「またまた、アルレルト博士。そんな万能な【モノ】などあるわけないでしょう。」
モブ達「そうだ、たしかに」ザワザワ
アルミン「たしかに!たしかにそのようなことは不可能に思われます!ですが!事実は変わらないのです!彼女は!【アニ】はどんな願いでも叶えることができます!」
モブ富豪「ならば証拠をみせてみるがいい!」
アルミン「いいでしょう…。アニ、お願いできるかな?」
アニ「はぁ、しかたないね。」
アルミン「ありがとう。じゃあどのような願いにしましょうか?」
モブ2「じゃあここにいる全員に望みの品をやる、というのはどうだ?」
アルミン「じゃあそうしますか。じゃあ私と【アニ】が各テーブルを回りますので、その時に望みの品を言ってください。目の前で出してみせましょう。」
ザワザワザワザワザワザワザワザワ
━━━━数時間後━━━━
モブ達「ほ、本当に目の前にダイヤが…」ザワザワ
モブ2「まさか本当だとは…」ザワザワ
アルミン「信じてくれたみたいで良かったです。お疲れ様、アニ」
アニ「…」
アルミン「…アニ?」
モブ富豪「アルレルト博士!貴方様の望むだけの金額を支払おう!その【願いを叶える道具】を私に!」
モブ2「あ、ずるいですぞ!アルレルト博士、さあ、こちらに」ニコォ
モブ達「イヤオレガナニヲ!?オレダッテ!カネナラダスゾ!」
モブ全「「「アルレルト博士!その【モノ】を私に!」」」
アルミン「あ…【アニ】は…【アニ】は【モノ】じゃない!」
アルミン「アニ、逃げるよ!」テツナギギュッダッ
アニ「うん……!」ダッ
━━━━研究室━━━
アルミン「……アニ……ごめん…こんなことになるなんて…」
アニ「あんたのせいじゃないよ。あの豚どものせいさ、気にすることないよ。」
アルミン「でも…僕が浅はかだったんだ…こんなふうになることも予測できたはずなのに……っ!」
アニ「失敗は誰にだってあるものさ…」
アルミン「こんな…こんな筈じゃ…」
アニ「…」
━━━━三ヶ月後━━━━
アルミン「…ねぇ……アニ……戦争が…始まったんだってさ…」
アニ「…そうかい」
アルミン「原因は…僕…だよね…」
アニ「そんなことないよ」
━━━━さらに一ヶ月後━━━━
アルミン「アニ、今日国から御触書が来たんだ。」
アニ「…なんて…書いてあったんだい…?」
アルミン「簡単に言えば【責任転換】だね。『責任転換でカタつけよう』ってことになったらやり玉に上がる役は当然」
アルミン「開発者の、この僕だ。」
アニ「…!」
アルミン「君の存在は、奇跡に近いんだ。だから、【奇跡で人を狂わす冒涜者】なんだってさ。笑っちゃうよね」ハハハッ
アニ「なんで…なんで笑ってられるんだい!やり玉に上がるって…死んじまうってことなんだろう!?それなのに…!なんで…なんで…」
アルミン「アニ…」
アルミン「僕は信じてたんだ。このわかりやすいほど残酷な世界だって、美しいんだって。だから、君を創った。」
アニ「嘘ばっかり…!信じてたなら…!なんでそんな諦めたような顔をするんだい!?」
アルミン「やっぱり、『信じてた』なんて言葉、信じてくれないよね」ハハハ...
アルミン「やり直せるなら、そうする。いなくなれるものならそうするんだ。僕は。こんな事になるなんてわかってたなら何もない世界もきっと今よりずっと尊くて愛しいのにね……」
アニ「何言ってるんだい!そんなこと言わないで!」
アルミン「アニの手は綺麗だね…機械仕掛けとは思えないや…」
アニ「あんたが…創ったんだろう?」
アルミン「そうだね。ねぇ、アニ。僕はこのままだったら世界の餌になるだろう。でも、それだけは嫌なんだ。だから…」
アニ「やだ…いやだよ….」
アルミン「そんなこと言わないで……。アニ、君のその手で、僕を殺して。」
アニ「そんなことできるわけないだろう!」
アルミン「アニ…お願いだよ…」
アニ「やだ…!絶対やだ…!」
アルミン「アニ…。僕はもう疲れたんだ…。ずっと信じてきたけどもうこの世界の人たちには付き合いきれないよ…。だから、君に殺してほしい。」
アニ「あんたは酷い人だよ…。残酷すぎるんじゃないかい?私が…どんなに拒んでも断れないと知っているから…そんなに余裕なんだろうね」ジワッ
アルミン「アニ。どうか元気で。だいすき。愛してる。」ツー
アニ「今までありがとう。ずっとだいすき。本当に愛してるよ。アルミン」ポロポロ
読んでくださったかた、ありがとうございました。
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