2017-02-06 21:26:50 更新

青葉「八神さーん!どこかの学生さんが見学に来るのっていつでしたっけ?」


八神「あー、そんな話があったようななかったような.....」


りん「もうコウちゃん!この前の会議で新規雇用のために学生の見学会を開くって決まったじゃない」


八神「あ!そうだったそうだった」


青葉「あっ、遠山さん!おはようございます」


りん「おはよう青葉ちゃん。今日はよろしくね」


青葉「へ?よろしくねって何がですか?」


りん「今日の11時から学生さんが来るから、社内メッセでその案内を青葉ちゃんにお願いしたじゃない」


青葉「え~!?そうなんですか!?すみません!確認してなかったです!」


りん「返信くれなかったからそんな気がしてたけど...気を付けなきゃダメよ?」


青葉「はい...すみませんでした....」


八神「ところで学生が来るって、高校生なの?」


りん「ええそうよ。確かに『府上学園』って言ったかしら?お昼休みまでうちのチームを見学してもらう段取りよ。青葉ちゃんよろしくね?」


青葉「はっ、はい!!」


八神「へえ~、青葉良かったな。来るのが高校生で、ただでさえ子供っぽいのに歳上相手じゃ案内しづらいだろ笑」


青葉「もう八神さん! やめてくださいよ!」






青葉「11時を30分ぐらい過ぎているのに全然来ない.....」


ゆん「ホンマに遅いなぁ、なんかソワソワしながら待っとるのがバカみたいやわ」


はじめ「だいたいなんで高校生が見学なんて来るのさ?」


ゆん「職場体験みたいなもんや、興味もってもらえばそのままイーグルジャンプに就職してくれるかもしれへんやろ?」


青葉「ゲーム制作部の人たちって言ってましたもんね」


ゆん「なんでもゲーム作りの大会とかでも賞を取ったりしてるらしいで?」


はじめ「へえ~、なんだかすごそう。入社してくれたらいいね」


ゆん「甘いではじめ! 最近は人員不足やから是が非でも入社してもらわな困るわ!」


はじめ「そんな熱くならなくても...」


ひふみ「ゆんちゃん.....強引なのは.....良くないよ......」


青葉「ハハハ.....」



そのころ、イーグルジャンプの1Fロビーにて.....



高尾「なんで仮部のあんたらが勢揃いなのよ!」


芦花「いやいや、『ゲーム制作部のメンバーがインフルエンザになったから一緒に来てくれ』って頼んだのは高尾さんじゃないですか。それにしても『フェアリーズストーリー』で有名なイーグルジャンプを見学出来るなんて感激です!!」


高尾「確かにそれは嬉しいけど.....風間?なんでうなだれてるの?」


風間「なんで俺がこんなところに来なきゃいけないんだよ.....」


芦花「まあまあ、そうおっしゃらずに。なんだかんだ付いてきてくれるあたり風間さんもまんざらじゃないんでしょう?」


風間「お前らが家に来て誘拐まがいの連れ去りかたしたからだろ!?」


千歳「お前が駄々こねてるから時間過ぎちゃったじゃないか」


風間「じゃあ置いてけば良かっただろ!ていうか家に来た時点でけっこういい時間だっただろ!」


桜「それはですね、大沢先生が寝坊をしてきたからですよ♪」


風間「ホント最初っからグダグダじゃねーか!」


高尾「ていうかそもそも本物のゲーム制作部に来たお誘いだから」


風間「........それよりいつまでエレベーターの前で待ってるんだ?」


芦花「先頭の高尾さんがボタンを押してくれないとエレベーター来ませんよ?」


高尾「なっ!い、今押そうと思ってたところよ!」





青葉「なんだか廊下のほうで声がしますね.....」


ゆん「そろそろ来たんとちゃう?」


青葉「なんだか緊張してきました!」


高尾「遅くなってすみませんでした!府上学園のゲーム制作部です!」


ゆん「(真ん中の子どんなおっぱいしとるの!? 高校生の発育とちゃうやん!)」


青葉「(うわ~ついに来ちゃったよ!緊張するけど社会人としてしっかり案内しないと!)」


青葉「はじめまして、イーグルジャンプの涼風青葉です。今日は見学会ということでさっそく説明に入りたいのですが...部長さんや引率の先生はどなたですか?」


大沢「顧問の大沢です。今日はお招きいただきありがとうございます」


風間「先生がまともに見えるな、だらしないのは学校内だけなのか」


大沢「ところで仮眠の取れる休憩室ってどこにありますか?」


風間「いつも通りじゃねーか!」


高尾「部長の高尾です。今日はよろしくお願いします」


芦花「部長の柴崎です!お招き頂きテンション上がりまくりです!」


青葉「? ?なんで部長さんが二人も?」


風間「お前は黙ってろ」


芦花「なんでですか! 私だって部長じゃないですか!高尾さんばっかりズルいです!」


千歳「そうだぞ風間、うちの部長は芦花なんだからお前が黙ってろ」


高尾「ちょっと!今日はあんたたちはあたしの付き添いなんだからあたしに従いなさいよ!」


風間「だーもう!うるせえよ! 説明の途中に脱線しすぎだろ!!」


青葉「(この人こわい......)」


千歳「おい風間、涼風さんを怖がらせるなよ」


大沢「そうだぞ風間、もう少し常識ある態度をだな....」


風間「じゃあ逆に聞くけど、これまでお前らの行動のどこに常識がありましたか!?」


青葉「えーっと、じゃあ簡単に説明をしていきますね.....ここはグラフィックチームの仕事場になってまして、ゲーム内で実際に動くキャラクターを作っています」


ゆん「こんな感じでキャラクターをモデリングしとるんやで」


芦花「おお!これはとてもフェアリーズストーリーっぽいですね!」


高尾「ぽいじゃなくて、本当にフェアリーズストーリーよ。でも確かにこれはテンションが上がるわね.....」


風間「(コイツらだけテンション上がりすぎだろ、他のやつらは別にそこまでゲーム好きじゃないだろうし...)」


桜「ところで、モンスターのデザインが多いみたいですけれど、水属性のキャラクターっていないんですか♪」


千歳「土属性のモンスターも気になりますね.....」


風間「お前らは外でもブレないな....」


ゆん「とりあえず今作ってる土属性っぽいモンスターは中ボスやからけっこう強いで、デザインはこんな感じや」


千歳「ふむ.....ラスボスじゃないのはいささか不本意ですが中ボスならまあいいでしょう」


風間「お前は何様なんだよ!」


桜「ねーねー、水属性は?水属性は?」


ゆん「水属性のキャラはなー、序盤に出てくるザコキャラしかおらんのや、でもな、ほら!かわいいやろ?」


桜「..................(キュポッ)」


風間「おい!無言でペットボトルの水を飲ませようとするな!」


桜「......だっておかしくないですか?人体の6割を支配する水ですよ?それなのにザコキャラなんて......」


風間「水で出来たキャラはザコかもしれないけど、ボスキャラとかが水の技を使うかもしれないだろ!」


桜「.........そういう設定はあったりするんですか?」


ゆん「せやね、水系の技は敵も味方も色々種類があるで」


桜「....じゃあ良しとしましょう♪」


風間「ハァ....本当に早く帰らせてくれよ...」


大沢「(あ、こんなところに寝袋が....)」


芦花「ところでこちらの方もキャラクター作りですか?」


ひふみ「(ビクッ!)え、えと.......はい....キャラクターの...モデリングを...してます....」


芦花「へぇ~!こちらもすごいですね!」


ひふみ「え、えと....ありがとう....ございます...」


青葉「(ひふみ先輩大丈夫かな?)えっと、モデリングしたキャラクターはこちらで動きをつけていきます!」


はじめ「私だけモーション班なのでキャラ班から受け取ったキャラクターに動きをつけています!」


高尾「ほんとだ、実際に動いてる!」


芦花「!? た、高尾さん.....あれを見てください!」


高尾「え?どうしたのよ?」


芦花「あの机の上にあるのはマソーンの30体限定ファイヤーアチャーポーズフィギュアですよ!まさかこんなところでお目にかかれるなんて.....」


高尾「うそ!? 今ではほぼ入手不可能と言われているあのフィギュアが!?」


はじめ「え! 君たちこのフィギュアの価値がわかるの!?」


芦花「もちろんですよ!実在するのか疑っていたファイヤーアチャーポーズが見られるなんて感激です!風間さん!ここはお礼として風間さんのファイヤーアチャーポーズを見せてあげてください!」


風間「なんで俺なんだよ!お前らで勝手にやってればいいだろ!」


芦花「なんでですか!風間さんはマソーンのコスプレをするぐらいファンじゃないですか!」


はじめ「君もマソーンのファンなの!? いや~、いい子たちが見学に来たなぁ!」


風間「いやっ、俺は別にちがっ!」


高尾「つべこべ言ってないでさっさとやりなさいよ」


風間「俺は絶対やらないからな!」


はじめ「ファイヤーアチャー!!」


風間「あんたがやんのかよ!」


芦花「生ファイヤーアチャーが見られるなんて......感激です!」


風間「結局誰でもいいんじゃねえか!」


青葉「えっと.....そろそろお昼休憩の時間ですね、社員食堂へ案内するのでぜひ食べていってください」


はじめ「それじゃあ君たち一緒にお昼を食べようよ!マソーンについて語り合おう!!」


芦花「はいっ、ぜひ!ほら高尾さんもはやくいきますよ!」


高尾「ちょ、ちょっと待ちなさいよ!」


ゆん「やっぱりゲーム製作部やから文化祭とかで作ったゲームの披露とかしたん?」


千歳「そうですね、我が部の展示は入場者数最多の大人気でしたよ」


ゆん「すごいやん!どんなゲームつくったん?」


千歳「フリースローとかボーリングとか色々です」


ゆん「へえ、スポーツゲームなんや!」


桜「スポーツゲームというよりスポーツそのものですよ♪」


ゆん「へ?」


青葉「ひふみ先輩はお昼食べに行かないんですか?」


ひふみ「もう少しお仕事したいから....軽食も買ってあるし....」


青葉「わかりました!お疲れさまです!」


青葉「ふぅ....」


風間「勝手なことばっかして、迷惑かけてわりいな」


青葉「!? だ、大丈夫ですよ


このSSへの評価

このSSへの応援

このSSへのコメント


このSSへのオススメ


オススメ度を★で指定してください