男「じゃあ…僕に殺されてくれますか?」
SS初心者ですが頑張って書いていこうと思います。
長い間が空いたり時間がかかったりすると思いますが、応援していただけると嬉しく思います。
主人公は「女」でストーリーに介入する登場人物は基本的に「女」「男」の2人にしようと思っております。
なにか質問等ありましたらコメントをくださると幸いです。
女「はぁ…(もう生きるのが疲れた…今日こそは死ぬって決めたんだ…)」
女「うっ…(今までは死ぬまでの覚悟ができていなかったけど…今なら…)」
女「あっ…(怖い…今から死ねるのに…死ぬのが怖い…でも死にたい…)」
女「ああっ、無理…(何で…死にたいって思ってるのに…思ってるのに…!)」
女「うっ…ううっ…(生きてる意味なんてないのに……なんで死ねないの…?)」グス
ギィィィ…コツッコツッ…
男「こんな所で何してるんですか?」
女「え?あなた…誰ですか?」
男「いーからいーから。今何してたか教えてください」
男「屋上で泣いてるなんて何かあったんですか?」
女「何も無いです。私になんか構ってないでどっかいってください」
男「理由もなく泣いてるんですか?無意識の涙ってマンガみたいでなんか面白いですね」クスクス
女「人が泣いてるのを見て面白いって思うなんてどうかしてるんじゃないですか?」
男「死ねなくて泣いてるのに強がっている人にどうかしてるなんて言われたくないですよ」ニッコリ
女「え…?知ってたのに聞いたんですか?見てたんですね?」
男「はい。最初から全部見てました。」
女「それでもし死んでたとしたらどうするつもりだったんですか?」
男「どうするつもりもありませんでしたよ。他人が自殺したことなんて正直どうでもいいです」ニコニコ
女「どうでもいいって…人が死んでもどうでもいいんですか?」
男「はい。どうでもいいです。どうせ死ねなさそうな雰囲気でしたし」
男「柵に近づく度に足が震えてましたよ」
女「うっ…仕方ないでしょ。死ぬのなんか誰でも怖いですよ?」
女「ていうかさっきから何でずっとニヤニヤしてるんですか?」
男「ニヤニヤとは失礼ですね。ニコニコですよ」
男「死ぬのが怖いのに死にたいんですか?」
女「大して変わらないでしょう…ニヤニヤもニコニコも」
男「随分変わりますよ。」
男「それより私の質問に答えてくださいよ」
女「あぁ…すいません」
女「職場の人間関係で色々あって失恋も重なってもう生きてるのが辛いんです」
男「それだけですか?」
女「えぇ…はい」
男「そっかぁ…あなたの死にたい理由って」
男「クソほどつまらないですね」
女「つまらないって…死ぬのに面白い理由なんてありますか?」
男「ありますよ」
女「例えば?」
男「………」
女「答えられないじゃないですか」
男「そうですね」
女「あっさり認めるんですね」
男「別に否定したところで特に変わりませんし…」
女「まぁそうなんですが…」
男「………」
女「………」
女「ところでなんでこんなビルにいたんですか?」
女「このビルは廃ビルで店とかも入ってないですし」
男「このビルの前を通りかかった時、廃れたビルに何故か入っていく貴女を見かけまして」
男「これは面白そうだ…と思いまして」
女「面白いって…人命がかかってるのにですか?」
男「だからこそですよ」
女「やっぱり変な人ですね。あなた」
男「自分でもわかってます」
女「もうこんなビルにいても意味無いですし帰ります」
男「自殺したいんじゃないですか?」
男「生きるのが辛いのにまだ生きるんですか?」
女「確かに生きたくはないです。でもまだ今の私じゃ死ぬのが怖くて死ねないようなので」
女「覚悟が決まったらまた死にに来ます」
男「そうやってずっと逃げるんですね」
男「逃げて、逃げ続けて、結局そのまま終わって行く」
男「そんな未来が見えますよ」
女「うるさいですね。仕方ないでしょう。怖くて死ねないんですから」
男「強がりが目に見えますよ。怖いからってなんでそんな堂々と言えるんですか?」
女「強がりで、カッコ悪くてもいいです。もうすぐ無くなる命なんですし」
男「そうですか…死ぬのが怖いなら…そうだ」
男「じゃあ…僕に殺されてくれますか?」
女「えー…と…は?」
男「だから、僕に殺されないかーって言ってるんですよ」
女「何馬鹿なこと言ってるんですか?」
男「僕は本気ですよ?ただ、今ここで刺してもタダの殺人鬼なので貴女の了承があればいつでも殺しますよ」
男「何時でも、何処でも、どんな方法であろうと」
男「貴女が殺されたいように殺してあげます」
女「私のことを殺したらあなたまで罪に問われるじゃないですか」
男「私の心配はいりません」
男「貴女が本当に死にたいけど怖くて死ねないなら私が殺してあげます」
女「確かに死にたいですけど…殺されるのは嫌です」
女「自分の人生だから、自分で終わらせたいです」
男「そうですか…では死にたくなったら言ってください」
女「一生会うことなんかないと思いますが」
男「8181-42-1019」
男「この番号にかけてください」
男「掛けてくれれば3時間以内にこのビルの屋上で待ってます」
女「かけないですが」
男「じゃあ私は帰ります。貴女も家に帰って余生を満喫してくださいね」
女「はい。私は私で勝手に死にますからね」
ーーー女宅ーーー
女「(今日も結局死ねなかったな…)」
女「(結局なんだったんだろうあの人…まあ考えるだけ無駄だよね)」
女「(あんまり好きなタイプの人じゃなかったな…むしろ苦手…)」
女「(もう2度と会わないだろうし…でも人と話すのなんて何日ぶりだろ)」
女「あー!変なやつのこと覚えてもしかないしもう寝よ…」
ーーー後日朝ーーー
女「さて…と(今日は何しようかな…やりたいことなんかないし…)
女「(気晴らしに少し外に出ようかな)」
ーーー
女「っはー…(この公園懐かしいなぁ…よく遊んでたっけな)」
女「(昔は良かったなぁ…こんな悩むこともなかったし)」
女「クシャッ(あれ?なんか上着のポケットに入ってる…)」
女「(これ…昨日あの変な人にもらった電話番号…ポケットに入れっぱなしだったのか)
女「(かけること無いだろうけど…捨てるのはなんか申し訳ないし…)」
女「(まあいいか…久々にちょっと遠くまできたし疲れたな…なんか食べて帰ろ)」
ーーーコンビニーーー
店員「いらっしゃいませー」
女「(とりあえずお弁当でも買って帰ろ)」
ーーー
女「…」
店員「……様、…く様…ゃく様、お客様!」
女「ひゃいっ!?」
店員「お会計、1540円になります!」
女「あっ、えっと、すみません!」
店員「大丈夫です。あ、でもちょっと急いでくれますか」
店員「後ろにお客様がお並びですので」
女「あっはい、すみません」
店員「ありがとうございましたー」
ーーー
女「はぁ…(ボーッとしちゃってたのか…最近多いな…)」
女「(そういえば明日から仕事も再開か…行きたくないなぁ…)」
女「いだっ!」ガンッ
女「(電柱…気をつけなきゃ…いたい…)」ヒリヒリ
ーーーーーー
女「はー疲れた…明日から仕事だし準備しなきゃな…」
女「(いつの間にか部屋こんな汚くなってたのか…次の休みの時ちゃんと掃除しないとな…)」
女「(ん?これ…彼氏くんとの写真だ…)」
女「(懐かしいなぁ…遊園地行った時のやつだ…)」
女「(なつ…かしっ…い…)」
女「ううっ…グスッ…」
女「彼氏くん…彼氏…くん…ううっ…ズビッ」
女「ううっ…(あんまりこんな事考えてちゃダメだ!終わったことなんだから…)」
女「(今日はもう寝よう…)」
ーーー後日、女会社ーーー
女社員「女ちゃーん!!なんで2週間も来ないのよ!心配したのよー!?」バシバシ
女「すみません…色々あって…」
女社員「今は元気なの?」
女「はい…まぁ…元気といえば…」
女社員「なら良しね!頑張ろ!」
女「は、はい…」
ーーー
課長「おいおい、女さん!書類の不備あるぞ!こことここ!数字間違ってるだろ!ここのところミスが多いぞ!」ダンダン
女「すいません…訂正してきます」
課長「何かあったら言ってくれよ?ミスされるよりはマシだから!」
女「…はい。ありがとうございます」
ーーー後日朝ーーー
女「(はぁ…もうやだ…)」
女「カサッ(やっぱり、あの変な人に電話しようかな…)」
女「(いや…でも、電話したらそれでもう死んじゃうのか…)」
女「(そうだ、あのビル…あのビルの屋上に行ってみよう…そうしたらいるかも)」
ーーーーーー
ガチャ…
コツコツ…
男「あっ、思ったより遅かったですね」ニコニコ
女「えっ!?何でここにいるんですか!?」
男「予想しただけですよ。貴女のような人なら2.3日後くらいに電話を渋って最初にあった所に来るって」
女「本当ですか、それ」
男「そりゃあ、嘘です。偶然ですよ」
女「それはそれでなんか怪しいですね」
男「ヒドイ!」
男「で、ここに来たのは殺されるため…ではないですよね」
女「はい。まだ貴方に殺されるつもりはありません」
男「『まだ』…ですか」
女「まぁ、0.1%もないですけどね」
男「0.01%だろうと99%であろうと結局は私に殺されるか殺されないかの2択です」
男「いくら低くても殺されてくれる確率がある限り私は諦めませんよ」
女「そうですか…それより聞きたいことがあるんですが」
男「何です?」
女「貴方、何者なんですか?」
男「何者って…そりゃあ勿論超絶イケメンの自殺支援者ですよ」キラン
女「………はぁ。」
男「何ですかその反応!冷たいなぁ…」
女「確かに整った顔立ちだとは思いますがお世辞にもイケメンとはいえません」
男「おや、褒めてくれるとは意外ですねぇ?」
女「これで褒められてると思ってるならおめでたいですよ」
男「生憎おめでたい頭なんです!」
女「それで…自殺支援者とは?」
男「自殺支援は自殺支援です。死にたいのに、死ぬ勇気がない人を…」
男「私が殺してあげるんです」
女「なぜ親切みたいな言い方してるんですか…それは立派な殺人ですし…」
女「人の心の弱みに付け入って殺したいだけなんじゃないですか!?」
男「…んまぁ…そうなりますね」
男「でもwin-winの関係でしょう?死にたい人を殺してあげる」
男「それの何がいけないんですか?」
女「それは…」
男「私は一つの命の終わり方を見出してるだけですからね」ニコニコ
男「それにあなたは自殺しようとした」
女「それは…そうですけど…」
男「命が終わる経緯がどうであろうと失った命は二度と戻らないんです」
男「…二度と。」
女「一つだけ質問に答えてくれますか?」
女「…貴方は何でそんなことしてるんですか?」
男「…………。」
男「命が儚く散る、そんな瞬間が好き…それだけです」
女「要するに特殊性癖ってことですか…」
男「ふふふ…そうなんです!」
男「あ、いくら私でも流石に死体を犯したりレ○プして殺したりはしませんよ?」
女「そんな話しなくていいですから…」
男「あ、すみません。重苦しい空気から開放されて少し舞い上がりました」
女「貴方のことなんて大して興味無いのに踏み込んじゃってすみません」
男「早速毒吐きますね貴女」
女「毒殺ですか?」
男「ぷっ…何言ってるんですか?ふふっ」
女「うるさいです。もう触れないでください」カァァァァァ
男「お、人っぽいところ見たの2回目ですね」
女「なんですか人っぽいところって」
男「貴女、全然弱い感情出さないので」
女「見ず知らずの他人に弱い感情見せまくるような人なんてそういませんよ…」
男「最初はここで泣き顔、今回は照れ顔」
男「殺せるまでに時間がかかるならいつか表情コンプリートしてみせますよ」
女「表情コンプリートって…」
男「でたっ、レア度1の呆れ顔!」
女「なんかすごい馬鹿にされてるような…」
男「ソンナコトナイデスヨォー」
女「まぁ…少しスッキリしました」
女「では私は帰るので」
男「おや、今日も死なないんですか?」
女「はい。まだ早いかなと」
男「勿体ぶってると未練増えますよぉ?」
女「…別にいいです。では。」
男「はい…ではまたいつか」
女「もう二度と会いませんから」
男「今度もそれ聞けるの楽しみにしてますね」ニヤニヤ
女「はいはい…」
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言っちゃ悪いかも知れませんが。オーダーメイド殺人倶楽部に似てるような気がします。でも期待(* ̄ー ̄)d
私はその作品を知らないのですが似ているのですか?買って読んでみます!w
グダグダゆっくり書く感じになりますが是非、これからも読んでいただけると嬉しいです。