1年に1度の日。期待する日。
いろはす誕生日おめでとう!!!
初いろは視点です。
「はぁ...明日かぁ...」
そう、何を隠そう。明日は4月16日。私の誕生日だ。1年に1度やって来るその日は私にとっては貢ぐべき者が貢がれるべき者に貢ぎ物を贈る日だった。そういう日だと思っていた。あれ、私最低だなぁ...。ま、良いよね、過去のことは変えられないし...大事なのは今だよね!
そう今は誕生日をそんな日だなんて微塵も思ってない。多分クラスの奴隷...従者...ATM...???という名の男の子にプレゼントは貰えるんだろうけど、どれだけいっぱい貰ってもどれだけ高価な物を貰っても今の私は満たされない。いや、渡されたら貰うけどね?勿体ないからね。えへっ。
でもやっぱりそれは欲しいものじゃない。一番欲しいのは......うん。うんうん。流石に...ないかな...プレゼントくらいは考えてくれてるのかな...いや、期待はしてるんだけど、あの人もう今年は受験だし...うーん。期待するぐらい...いいよね?でもなぁ...最近は入学式やら始業式やら新年度の準備で、生徒会が忙しかったから全然会えてないし...何よりあのせんぱいだからなぁ。忘れてるよねどうせ。はぁ...やっぱりもう期待なんかしないでおこう。期待して貰えなかったら今年1年不登校になるまであるよ。本気で。だから期待はしません。さっさと寝よーっと。
「おやすみなさーい...」
────────────
翌日
「..................。」
ぜんっぜん眠れませんでしたっ☆
うわぁ...最悪だ...。これは全部せんぱいのせいだ。絶対。だって期待せずに寝ようと思って目瞑った瞬間あのアホ毛とあの綺麗なお目目だよ?寝れるわけないじゃん。まぁせんぱいが出てくるのはいつもの事なんだけど、時と場合ってものがあるじゃないですか?分かりますかねせんぱい?責任取ってくださいよ。待ってますんで。それであまりにも寝れないから我ながら古典的だと思うけど、最後の砦、羊を数えるをやってみたけど途中から羊じゃなくてせんぱいを数えてたし。訳わかんないよ。羊3匹も数えてないよ。せんぱい、私の夢の中では目立ちたがり屋さんなんですね♪多分せんぱいを数万匹数えてやっと眠れたのかな。お蔭さまで寝不足だよっ。てへっ♡
どうしよ...顔大丈夫かな...せんぱいにこんな顔見せるの嫌だな...せんぱいはそんなの気にしなさそうだけど。いやでも心配してくれるかも...えへへ...。.
.........だめ。心配させたくない。私の主義じゃないけど目元だけいつもよりちょっとだけ濃くして誤魔化そう。
「......よし。こんな感じかな」
目の下のクマは誤魔化せてるし大丈夫。これでよし。準備万端だ。
「いってきまーす」
────────────
いつもより少し早めに学校に到着。この時間だとおそらくせんぱいはまだ来てな────「おう」
いかにもだるそうな声で呼びかけられる。声の主なんて分かりきってる。あ、録音すれば良かった。なんて考えてる場合じゃない。後ろにいるのが誰かなんて分かりきってるけど、体はそうはいかないらしい。
「.....っ!?!?!!!!」
「うおっ、びっくりした...なんだよ急に...」
完全に油断していて不意をつかれたせいか、喜びのあまり全力で振り返ってしまった。
「そ、それはこっちのセリフですし!後ろから急に声かけるとかゾンビですか!」
「悪かったって。というか、後ろから声かけるとか関係なくゾンビだと思ってんだろうが」
「そんなことありえません。ところでせんぱい。今日もお墓の下からのご登校ですか?」
「完璧ゾンビ扱いじゃねぇか...ちゃんと家からのご登校だ」
「家...ホーンテッドマンションですか?」
「違うから。それだと小町もゾンビになっちゃうじゃねぇか、許さん」
「私をどうするつもりですか、いやらしい事でもするつもりですか。すっごく目が...」
「いやらしい目なんてしてねぇ」
「腐ってます」
「うん...知ってた」
「そう言えばせんぱい、バイオハザードの撮影どうだったんですか」
「いや出てないから、1度たりとも出てないし」
「えっ......」
「お前...おちょくってるだろ」
「いえいえ、尊敬してますよ」
「ボッチで卑屈なゾンビを尊敬するなんて意味分からんやつだな」
「あの...いきなり自虐混ぜられても困ります」
「お前がゾンビの話ばっかするからだろうが」
「てへっ♡」
「...久しぶりだわ...そういうの」
「あ、嬉しいですか?久しぶりに見れて、というか私に会えて」
「はいはい嬉しい嬉しい。嬉しいしかわいいあざとい」
.........ぐはっ...。
「で、ですよねー。私が可愛いのは当たり前ですけどねー」
「...え?」
「え?」
「あれ俺今なんて言ったっけ?」
「んー、『いろは、可愛すぎて死にそうだ、あ、俺もう死んでんのか』って言いましたね」
「どっからそんな声出るんだよ...あとそんなこと全く言ってないから。捏造すんな」
「というかせんぱいっていつもこの時間なんですか」
...知ってるけどね...
「いや今日はなんか小町に追い出された」
「ついに嫌われちゃったんですか」
「そんなことはありえん。俺は小町を愛してるからな」
脳内変換っと.........あ......
「.........」
「...どうした」
「............」
「いやさすがにドン引きしすぎじゃねぇか」
「...はっ!え?えーっと何の話でしたっけ」
「は?まさかの聞いてなかったやつか」
「い、いえいえ、しっかり受け取りましたよ」
愛の告白を。
「...なんの話してんだよ」
「こっちの話です。せんぱい。それは一方的な愛の押し付けですよ」
「ちゃんと聞いてたのかよ...一方的じゃない、相互的に受け渡ししてる...はず...だよな?」
「私にきかれても...まぁあれです。お兄ちゃん離れってやつですよ」
「やだよ。もう。帰りたい...」
「もう...私がいるのに...」
「そうだな...」
「...えっ!?」
「俺には天使がいる」
「...え?.........えええっ!?!?」
やばい...顔に出しちゃだめだ。なんとかしてごまか────
「そうだ、戸塚、今すぐ会いに行くぞ」
「............」
「戸塚待ってろ今すぐい...ぐへっ!?」
「............」
「なにすんだよ...痛てぇ...平塚先生の弟子だったのか...」
「誰がアラサーの独身生き遅れ教師の子分ですか」
「...今揺れなかったか」
「...気のせいですよ」
「............」
「............」
「なんか...怒ってるのか」
「...怒ってません」
「なんか分からんが...すまん」
「はぁ...別にいいですけど」
「やっぱ怒ってんじゃねぇか」
「もういいですよ...せんぱいですしボッチですし」
「...ボッチ関係ねぇだろ...」
「あー、そうだ。せんぱい最近部活はどうしてるんですか」
「ん?あー、ちょっと前に再開したところだが、流石に今年は去年より回数減るかもな」
「まぁ受験生ですもんね...」
「雪ノ下は言うまでもないし、俺もまぁそこそこなんだが、由比ヶ浜がな」
「結衣先輩...あの人大丈夫なんですかね」
「基本雪ノ下が教えたりして成績は上がってるらしいが...合格となると話は変わってくるな...」
「皆さん文系ですか」
「そうだな」
「で、せんぱいは私立文系ですか...」
「いやそれしかないからな。俺のための進路であるまである」
「ですねー。はぁ...私も頑張らないと」
「お前はもう進路とか決めてんの」
「まぁ...私立文系ですね」
「へぇ...国語得意なんだな」
「いえ、苦手ですけど」
「...は?なんで?」
「さぁ、どうしてでしょう」
「まぁお前なりの考えがあるんだろうが...」
「ふふっ...ひ・み・つ です♪」
「まぁ...いいけど」
「今日は部活ありますか?」
「あると思うが...」
「そうですか、りょーかいでーす」
キーンコーンカーンコーン
「え!?もうすぐ朝礼はじまっちゃうじゃないですか!?」
そんなに長いことお話してたかな?まだまだたりないんだけどなぁ...
「...みたいだな。そろそろ行くわ」
「はーい...あ!また放課後ですね!」
「お前生徒会はいいのか」
「ひとまず落ち着いたので大丈夫ですよ」
嘘ですけど...ね?
「サッカー部はあるだろ」
うーん。そんなに来て欲しくないのかなぁ...。やばい、泣きそう...
「えーっと...部活は...」
「...はぁ。まぁ...なんかあったらその...聞いてやらんでもないが」
「...え?」
あれ?もしかして...
「なんだよ...」
「...心配してくれてるんですか」
「いや別に。違うけでょ?」
「...ぷっ...。そういうことにしておいてあげます、ではではー失礼しまーす」
「あ、おう...じゃあな...」
いやー、危なかった。なんとか笑って誤魔化したけど...目元のクマのメイクは誤魔化せなかったみたいですね...顔に出てたかな?はぁ...やばい嬉しいな...。結局心配させちゃったか...理由が理由だけに罪悪感が...いやせんぱいが悪いんです!とにかく放課後を今日の御褒美として授業乗り切ろう。
──────────
終わったぁ...現代文は真面目に授業受けたけど他は...。しょうがないよね!まぁそれはいいとして問題は...このプレゼントの山をどうしたものか...ロッカーつっこむか。いや見られたらヤバいし...うーん。こんなことしてる場合じゃないんだけどな。あ!念のために袋持ってきてたんだった。ナイス私!
くぅ...重い...とりあえず生徒会室に荷物預けよっと。生徒会室は私のコインロッカーですね、無料の。
「ふぅ...つかれた...」
これでようやく奉仕部に...
ガラガラガラ
「よぉー、いろはすぅー」
「.........あ?」
「いろはす今日誕生日っしょ?てことでいろはすりんご味1年分持ってきたべ」
「............」
「いろはす?」
「戸部...」
「そんな嬉しさで震えなくてもいいべ?な?...てか今呼び捨て...」
「やだなぁ...気のせいですよ」
「お、おう。そうだよなっ」
「ありがとうございまーす。そこら辺に置いといて下さい。私今忙しいので、では。」
「あ、えっ。いろはす?いろはすー!?」
ガラガラガラ ガチャ
イロハスー
ごめんなさい戸部先輩。今はそれどころじゃないんで。早く行かないと...あ、生徒会室鍵閉めちゃった...ま、いっか。戸部先輩だし。祝ってもらえるのは嬉しいけどあのプレゼントだし。悪意がないあたり逆に腹立つんだよね...いい加減いろはす呼びやめて欲しい。せんぱいになら...いや『す』は余計ですね。
────────────
ガラガラガラ
「こんにちはー」
「あ!いろはちゃん!やっはろー!」
「こんにちは。」
「よう」
「どーもです♪」
「いろはちゃん!誕生日おめでた!」
「おめでたって...妊娠じゃないのだから...」
「さすがだな由比ヶ浜」
「う、うっさいし!えっと、とにかく誕生日おめでとういろはちゃん!」
「あはは...ありがとうございます!」
あー、やっぱり嬉しいなぁ。ココは次元が違う...嘘偽りなくそう思えちゃうもん。
「はい!これ、私から!手鏡落として割れちゃったって言ってたから。あと髪留めも入ってるよ!」
「結衣先輩、ありがとうございます!」
「いろはちゃん、あんまり髪型変えないよね?ちょっと変えてみない?」
「確かに一色さん、同じ髪型よね。私は今のままでもいいと思うけれど。でも気分転換になるかもしれないわね」
「うーん。どうしましょう。せんぱい?」
「そこで俺にふらんでくれ...」
「まぁまぁ、どうしましょうか?」
「...まぁ...たまにはいいんじゃねぇの」
「ほう...お前の色んな姿を見てみたいと。そういうことですね!せんぱい!」
「だから捏造すんじゃねぇ...」
とまぁ、なんやかんやあって突如、結衣先輩による私の髪型アレンジ大会がスタートしたわけですが...
「...じゃーん!これでどう!?王道のポニーテール!!!」
「ど、どうでしょう」
「......まぁ...そうだな...いいんじゃねぇか...」
「あ、ありがとうございます...」
なんか恥ずかしいよぉ...せんぱいも顔赤いけどさ...ポニーテールとか家ではよくやるけど...あんまり外ではしないしなぁ...
「後ろで纏めるのもいいわね。とても似合ってると思うわ」
「ありがとうございます...えへへ...」
「よーし!じゃあ次はー」
「え!?まだやるんですか!?」
「まだポニーテールしかしてないじゃん?色々しどろもどろしないとね!」
「まさか試行錯誤って言いたいんじゃないわよね...」
「あ!そうそう!そうとも言うね!」
「そうとしか言わねぇよ...」
────────────
その後も結衣先輩の気が済むまで私の髪の毛は遊ばれたんですが...髪型変える度にせんぱいの顔が赤くなっちゃって...正直ヤバかった。なんですか。いっつも反応悪い癖に...もう...
「いやぁ...やっぱり髪型考えるのって楽しいね!」
「一色はおつかれみたいだがな」
「由比ヶ浜さん...さすがにしつこかったと思うわ」
「えぇっ!?ご、ごめんね、いろはちゃん。テンション上がっちゃってさ...」
「いえいえ!参考にさせてもらいますよ」
せんぱいの好みも掴めましたからね...
「あ、そうだわ。由比ヶ浜さんのせいで忘れるところだったわ」
「ごめんてばゆきのん!?」
「私からは、マグカップとティーバッグセットを。改めておめでとう。一色さん」
「雪ノ下先輩...ありがとうございます。嬉しいです...」
これまたお上品な...こんなレベル高い女性いますか?いないですよね...
「生徒会室にティーポット置いてあるそうだけれど、よければ今度紅茶のいれ方教えましょうか。ここに来れば私がいれるから問題は無いけれど...」
「ほんとですか!是非お願いします!」
「あ!私も教えてよ、ゆきのん!」
「由比ヶ浜さん...」
「やめときましょう。ね?」
「結衣先輩は...」
「やめとけ由比ヶ浜。飲み物を粗末にするんじゃないぞ」
「みんなひどくない!?なんか自信なくなったからもういいよ...」
「自信あったのかよ...怖ぇ...」
「む!ヒッキーうるさいし!」
「えーっと、これ開けてもいいですか?」
「どうぞ、ご自由に。」
「あ、これ...」
「やっぱり...」
「だろうな...」
「んんっ、だめかしら、比企谷くん?」
「いや、全然いいと思います。はい。俺もナイスだと思いますよ?ハハハハハハ.........はぁ...怖いよぉ...」
「私は嬉しいです!ありがとうございます!」
せんぱいの湯呑みとお揃いの柄だし。
「............」
「............」
「............」
「............」
「ほら、ヒッキー」
「お、おう...えー、あれだ、一色...」
「は、はい...」
「誕生日おめでとう...」
「...!ありがとうございます...開けてもいいですか?」
「まぁ...いい...けど...」
「...。ハンカチ...」
「あんま高いもんじゃないし、色も好みか分からんがまぁ一応受け取ってくれ...」
一応って...ほんとにこのせんぱいは...
「嬉しい...」
「お、おう、そうか...」
「大事に使います...」
もったいなさ過ぎて使えない気が...
あぁぁぁもう嬉しすぎて泣きそう。あ、このハンカチ使えば...って!涙程度に使えるわけないじゃん!
「...なら助かる」
「...なんかすごいいい雰囲気だし...」
「ふふっ...そうね...」
「そうそう、それとケーキを焼いてみたのだけれどどうかしら?」
「え!?雪ノ下先輩のケーキ食べられるなんて最高ですよ...もう...」
「大袈裟ね...」
「ちなみに残念ながら私は手伝ったりしてないからね」
「「ふぅ」」
「ちょっとそこの2人!聞こえてるし!予想通りだったけどさ!?」
────────────
「はい、どうぞ一色さん」
「ありがとうございまーす♪」
「よし!じゃあ改めまして、いろはちゃんいぇーーーい!!!」
「もう誕生日かすら分かんねぇな...このテンションの化け物が...」
「ちょっと今日のヒッキーあたり強いよ!?」
「ん~~!!!おいひーです!」
「やっぱうめぇな。そこらへんのシェフも土下座するレベル」
「おいしすぎるよ!さすがゆきのん!」
「...どうも...」
「ごちそうさまでした...」
「うまかったな」
「美味しかったぁ!」
「お粗末さまでした」
キーンコーンカーンコーン
「え!もうこんな時間ですか!?」
「ありゃ、時間経つの早いね...」
「たしかにな」
「そろそろ終わりにしましょうか」
────────────
「では、みなさんほんとにありがとうございました!」
「あれ?いろはちゃん帰らないの?」
「生徒会室に荷物置いてあるので」
「物置かよ...」
「そんな感じですねー♪」
「そう、私たちは鍵を返しに行くわ。あなたはどうするの?」
「俺は...まぁ先行ってるわ」
「...分かったわ。では。さようなら」
「...ばいばい、ヒッキー、いろはちゃん!」
「...あ、はい!さようならです!」
あー、せんぱいと帰りたかったな...今から全力で取りに行けば追いつくかな
カチャ ガラガラガラ
「いろはすぅ...」
「...あ......」
わ☆す☆れ☆て☆た
「ご、ごめんなさい!戸部先輩!鍵閉めちゃって...ほんとにごめんなさい!」
「いやー、まじキツかったわ...いろはす...」
「こ、こんど海老名先輩とお出かけできるよう話つけときますから!」
「...まじっ!?あァがるわー!!!」
「...ちょろ...」
「...ん?いろはすって海老名さんと喋ったことあるんべ?」
「...え?あー、えーっと、葉山先輩経由で...ですね...」
「あー!なるほどな!隼人くんか!合点承知之助だべ」
やっぱウザいぞこの人...今回のは私が悪いんだけど...
ガラガラガラ
「...やぁ。いろは...と...戸部?」
「あ、葉山先輩。こんにちはー」
「あ!隼人くぅーん!聞いてくれよぉ、俺生徒会室に閉じ込められちゃってよぉ!」
「ははは...それは災難だったな...」
「だから部活行けなかった感じでぇ?」
「あぁ...だからいなかったのか」
「葉山先輩、戸部先輩を探しに来たんですか?」
「あぁ...それもあるんだけど...はい、これ。誕生日おめでとう。いろは。」
「ありがとうございます。遠慮なく頂きますねー」
「ああ。比企谷たちには祝ってもらったのかい?」
「あ、はい!ついさっき解散したばかりですけど...どうして分かったんですか?」
「いやなんとなくだよ。そういう感じの顔をしているように見えたから...かな?」
「そ、そんなに顔に出てますか」
「出てるべ!さっき入ってきた時なんかニヤニヤしてたっしょ!いろはす!」
「.........は?」
「じょ、冗談に決まってるべ...な?」
「ですよねー」
「ははは...。じゃあね、いろは」
「あ、はーい。どーもでーす」
「いろはす、またなー!」
「...またなんてありません...」
「い、いろはすー?」
ガラガラガラ ピシャ
イロハスー
ふぅ...また時間取られちゃった。さっさと荷物まとめて......よし。早く行かないと。
────────────
「えっ。せんぱい?」
完全に先に行ってるんだろうと思ってた人が、自転車に跨って校門の前にいた。マッ缶を持って。
「おう、はやかったな」
「なんでここに...」
「まぁたまにはな...」
「...はっ!もしかしてアレですか。誕生日の1日の終わりは俺が独り占めにしてやるぜあわよくば俺と付き合ってくださいってやつですか。そんなことされなくてももう嬉しさでいっぱいいっぱいですしとどめ刺されたら訳わかんなくなっちゃうので是非一緒に帰りましょう、ごめんなさい!...はぁはぁ...」
「それも久しぶりだな...通算何回目だよ...ほれ」ヒョイッ
「えぅ!?よっと...いきなり投げないで下さいよ...」
「マッ缶でも飲んで落ち着け」
「はぁ。ありがとうございます」
「......ふぅ。」
「...行くか。ほれ、よこせ」
「え!?えーっと......その...」
まじですか...まさかせんぱいからその手を使ってくるとは...
「ど、どうぞ...」
「...は?いやなんでマッ缶なんだよ...カバンだカバン」
「ふぇ?あっ...」
.........やってしまったぁあああああ
分かりにくいよ!このアホせんぱい!ばか!...うぅ......。
「...はい...どうじょ...」
「ん。」
「...相変わらずあざといですね...」
「あざとくねぇよ。少なくともお前には言われたくねぇな」
「ですね...。まぁせんぱいのせいで最近素が出ちゃうこと多いんですけど」
「それ俺が悪いのか...」
「はい、せんぱいが悪いです♪」
「そうですか...」
ただしくはせんぱいのおかげ、ですね...。せんぱいと出会ってなかったらなんて仮でも考えたくない。
その後特に会話することなく駅まで着いてしまった。あれれ?これは一体...
「ほれ。カバン」
「あ、ありがとうございます」
「じゃあな。気を付けて帰れよ」
「あ、はい...さようならです...」
私の思い込みだったのかな...せんぱいが一緒に帰ろうて思ったのはそのためじゃなかったの?はぁ...結局期待しちゃった...。まぁいいやせんぱいにプレゼントもらえたし。会って話せること自体今の私にとって幸せと言ってもいいくらいだもん。ただ...欲を言ってもいいのなら...せめてもう少しお話したかったな...
────────────
「ただいまー」
疲れた...今日は濃い1日だったなぁ。お蔭さまで。あ、そうだ。せんぱいのプレゼント...じっくり見れてなかったな...あの場でガン見してたら怪しすぎるからね...
「かばんかばんっと...」
「えーっと、せんぱいのプレゼントは............ん?」
私のカバン。その中に見覚えのない紙切れが。なにこれ。ゴミか...
「.........えっ?」
『明日10時千葉駅に 比企谷』
・・・・・・・・・・・・は?
いや、いやいやいやまじですかこれ。そもそもいつ私のカバンに入れて...
あ...あの時...
ふふっ。せんぱい、期待...してもいいですよね?
Fin.
そんな終わらせかたあるうううううう?(歓喜)
続きめっちゃ気になりますw
続き楽しみです!
続きが気になる笑
続きを!続きをください!!