2018-02-02 21:01:38 更新

概要

料亭”村雨”に珍しい客(鳥海)がやって来て・・・


前書き

参考までにキャラ紹介、

村雨:料亭”村雨”で働く女将。 表向きは料亭の女将だが、最先端武器と艤装を装着し、出撃を行う
    裏の顔も持っている元艦娘の村雨。

海風:村雨と同じ白露型の艦娘、村雨のために「依頼書」を持ってくる補佐的な艦娘。

鳥海:高雄型重巡の末っ子、村雨の料亭に初めて来店するが目的は・・・

摩耶:高雄型重巡の3番艦、どうやら鳥海が料亭に来たのは摩耶が関係しているらしい?


のんびり更新していきます。


「いらっしゃいませ・・・あら、今日は珍しいお客さんですね~。」


来店した客は・・・高雄型重巡末っ子の鳥海、そもそも重巡の艦娘が料亭に来ることが初めてである。


「・・・・・・」


「ご注文はいかがなさいますか? 本日はこのメニューがお勧めですよ♪」


村雨は日替わりメニューを勧めると、


「・・・・・・」


鳥海がポケットから何かを出した。


「・・・お願いします。」


鳥海が見せた物・・・それは、「依頼書」。


「そうですか~・・・まだ少し営業時間がありますので、少しお待ちください。」


そう言って、村雨は再び営業を再開した。


・・・・・・


営業時間が終わり、村雨は閉店の準備に取り掛かる、


・・・15分後、


「お待たせしました、待たせてすいませんね~。」


「いえ、私の方こそ事前に連絡を入れずに来てしまって・・・申し訳ありません。」


「いえいえ・・・では本題に入りましょう、鳥海さんは何の「依頼」でここに来たのですか?」


「・・・実は。」


鳥海はゆっくりと説明していく、


・・・・・・

・・・



(少し過去に遡って)


「提督、今なんて?」


摩耶が動揺している、


「言った通りだ・・・お前を秘書艦から外す。」


「何で・・・どうしてだよ!」


「お前とはもうウンザリなんだ・・・今日から違う艦娘を秘書艦にする、そしてお前は主力編成から抜けてもらう。」


「ふざけんな! だって提督はあたしの事を一番頼りにしてるって・・・」


「・・・決まった事だ、しばらくはお前に出撃要請もない・・・部屋で大人しく待機していろ。」


「・・・・・・」


腕を振るわせて今にも泣きそうな顔の摩耶。


「ふざけんなぁ~!!!!」


大声で叫んだ後、摩耶は執務室から飛び出した。


・・・・・・


「ふざけんなぁ~!! ふざけんなぁ~!!」


酒を飲む度に罵声を飛ばす摩耶、


「こら、摩耶! 飲み過ぎよ!!」


鳥海が止めに入るが、


「うるせぇ!! お前にあたしの気持ちなんか分かんねぇだろ!!」


鳥海の心配などお構いなしに、酒を飲み干す摩耶。


「何でだよ・・・あたしが何をしたって言うんだよ・・・」


小声で呟き始めて、


「着任した当時は「摩耶を頼りにしている」って言ってきて・・・それであたしは提督のために頑張って戦果を挙げて来たのに・・・」


「摩耶・・・」


「それがこんな扱いなのか!? ただあたしを使うだけ使って「用無し」って事かよぉ!!」


「・・・・・・」


「あんなやつぶっ殺してやりてぇ!! あたしを裏切ったあいつを・・・提督に・・・復讐してやる!!」


「・・・摩耶。」


鳥海は摩耶に対して何も声を掛けられなかった・・・


・・・・・・


(ここから現代)


「・・・つまり。」


村雨は状況を整理して、


「その摩耶さんが提督に復讐をしないかと心配で私に「依頼」したいってことですか?」


「・・・はい。」


「私は何をすればいいんです? 単に復讐を止めればいいのですか?」


「・・・はい。」


鳥海は「はい」としか言わない・・・余程切迫しているようだ。


「・・・まずは摩耶さんの身の周りの調査をして、後は徐々に確信へと近づき情報がまとまってから摩耶さんをどうするか


 決めます・・・それでいいかしら?」


「はい・・・重巡の私が駆逐艦に頼むなんておかしいと思いますが・・・どうか摩耶を、止めてください!」


・・・・・・


「さてと・・・まずは、と。」


村雨は明日の仕込みをしつつ、


「摩耶さんに会って見ようかな。」


明日の予定を決め、仕込みを終えた後就寝をした。


翌日、


「・・・・・・」


鎮守府から少し離れた丘の上で執務室の窓を見つめる1人の艦娘がいた。


「・・・・・・」


遠くで見づらいが、提督が書類整理しているのが分かる。


「・・・ちっ。」


提督の姿を見て舌打ちをする彼女、


「・・・摩耶さんですね?」


摩耶が振り向き、


「あん、お前は誰だ?」


「駆逐艦村雨です、元ですけどね。」


「村雨・・・ああ、聞いたことはあるな・・・それで、その駆逐艦のお前があたしに何の用だ?」


機嫌が悪いのか、態度がそっけない摩耶。


「鳥海さんから聞きましたよ、提督に復讐したいんですって?」


「鳥海が? 全く余計なこと喋りやがって・・・ちっ!」


摩耶はまた舌打ちを始める、


「他者が余計なことを言うのもなんですが、復讐を止めることは出来ませんか?」


「ああ? 何言ってんだお前?」


「ですから、復讐は止めた方がいいかと・・・」


「駆逐艦のお前に関係ないだろう! それとも何か、お前はあたしよりも偉いってか・・・ああ!?」


「・・・艦種では私の方が下ですけど、会話に艦種は関係ありませんよね?」


「・・・・・・」


村雨に意見されて不機嫌になる。


「とにかく! お前には関係ないんだよ! 鳥海に何を言われたか知らないがあたしの問題・・・他人が余計な


 口出しをするんじゃねぇ!!」


そう言って、摩耶はその場から去った。


「うわあ~・・・かなり不機嫌ですね・・・これは本当にやりそうかな・・・」


摩耶の態度を見て確信する村雨。


・・・・・・


「後は・・・」


村雨は鎮守府に入って情報収集を始める。


・・・・・・


「ん~・・・おかしいわね。」


村雨は集めた情報を見て首を傾げる。


「摩耶さんを捨てた提督は・・・とても優しくそんな「一番頼りにしている艦娘を捨てるような人間ではない」と皆言うんですよね。」


もちろん提督がそのような行動を起こしたことに鎮守府の皆が驚いていたようだ。


「じゃあどうして提督は摩耶さんを捨てたのかしら?」


村雨は少し考えて、


「・・・本人に直接確かめてみようかな。」


そう言って、村雨は一旦料亭へと戻った。


・・・・・・


夜になり、


「失礼しま~す!」


執務室に許可なく入る村雨、


「? 君は誰だ? ここの艦娘ではないよね?」


提督は驚きつつも冷静に対応する。


「はい、駆逐艦の村雨で~す♪」


「村雨・・・ああ、昔ある提督を傍で仕えていた駆逐艦・・・それが君か?」


「そうです・・・私ってそんなに有名だったのね♪」


「・・・その有名な艦娘が私に一体何の用かな?」


「・・・実はですね。」


村雨は提督にあることを尋ねた。


・・・・・・


「摩耶! 起きてる?」


鳥海が摩耶の部屋を叩く、


「何だよ鳥海・・・あたしは今寝てたんだぞ!」


寝ぼけた摩耶が扉を開ける。


「村雨さんが「今すぐに鎮守府外に来て欲しい」と連絡があったの!」


「・・・村雨? あの駆逐艦か・・・何でまた鎮守府外なんだよ?」


「いいから! 提督も一緒にいるって!」


「はぁ!? 何でまた!?」


状況が分からず、鳥海に引っ張られて行く摩耶、


・・・・・・


「全く・・・どこにいるんだよ、村雨ってやつは・・・」


鳥海と辺りを見回す摩耶。


「駆逐艦の分際であたしに「復讐は止めろ」なんて・・・あたしも見くびられたもんだな。」


摩耶はとても不機嫌だ。


「・・・私が頼んだの、摩耶が思い詰めていたから・・・」


「知ってる・・・でも、だからって格下の駆逐艦に相談するか!? あたしを馬鹿にしてんのか鳥海!!」


「・・・そんなつもりじゃあ。」


「とにかく・・・村雨ってやつをさっさと探すぞ鳥海!」


2人は再び捜索する、


「摩耶、あそこに・・・」


鳥海が指さすとそこには・・・


「提督!? 何やってるんだ!?」


摩耶は急いで2人の元に駆け付けた。


「おい村雨! これは一体どういう事だ!!?」


摩耶が見た光景、それは村雨が提督を縛って地面にうつぶせに寝かせている光景。


「あら摩耶さん、遅かったですね♪」


村雨がにっこりと笑う。


「お前、提督に一体何をしたんだよ!?」


顔は包帯で完全に隠れ、手足は縛られもがいているが全く動けずにただ転がりまわっていた。


「何って・・・摩耶さんが復讐をしたいから私が一役買ってあげただけなんですけど?」


「何だって?」


「今提督は身動きが取れません、しかも目隠しをされ、耳にはどんな音も遮断する高級耳栓も嵌めています。」


「・・・・・・」


「どうです? これなら復讐しやすいですよ、さぁ、提督に復讐してください。」


村雨は笑いながら提督を摩耶の元に置いた。


「・・・・・・」


摩耶は全身を縛られた提督を見て動揺する。


「何をしているんですか摩耶さん、早く復讐したらどうです?」


「・・・・・・」


「復讐したいんですよね? 鳥海さんから聞きましたよ・・・「あんなやつぶっ殺してやる!」と。」


「・・・・・・」


「その提督が今、あなたの前で無防備でもがいています・・・たくさん痛めつけて気が済んだら息の根を止めてあげましょう!」


「お前・・・何を言ってんだ?」


摩耶が僅かに口を開いて、


「・・・では聞きますが、摩耶さんは一体どんな復讐を考えていたんですか?」


「・・・・・・」


摩耶はしばらく沈黙した後、


「別に・・・ただ提督に主砲を突き付けて・・・それから土下座させて・・・命乞いさせて・・・」


「摩耶! そんなことを考えていたの!? やめてよ!!」


「うるせぇな! あたしは憎いんだよ、この提督が!!」


摩耶と鳥海が言い合う中で、


「幼稚ですねぇ・・・摩耶さんは。」


そう言って、村雨はナイフを取り出して提督の首に押し付けた。


「!? おい! 何をしてんだ!?」


村雨の行動に摩耶は驚き、


「そんなの、「復讐」とは言いませんよ、ただの「子供じみた仕返し」じゃないですかぁ~。」


「・・・・・・」


「提督が憎いんでしょう? だったらこのナイフで提督の首を・・・」


村雨は提督の首にナイフを強く押し付け、


「や、やめろ!!」


摩耶が制して、


「何で止めるんですか摩耶さん?」


「だ、だって提督が・・・」


「提督が憎いんですよね? それならいっそ殺してしまえばいいじゃないですか~♪」


にっこりと微笑む村雨に、


「も・・・もういい! もう復讐の事はもうっ、いいからさ!」


「何を言っているんですか? 摩耶さんは「復讐」の意味を知らなくて軽はずみで口に出したんですか?」


「・・・・・・」


「復讐とは、憎い相手を痛めつけ、この世から消す・・・それが本当の復讐ですよ摩耶さん!」


「・・・・・・」


「全く・・・摩耶さんは小心者ですね・・・なら私が代わりに「復讐」を果たしてあげますよ。」


村雨は再びナイフを押し付けて、


「や、やめろ! 本当に! もういいから・・・提督を放してくれ!!」


摩耶が必死に願う。


「聞こえませ~ん。」


村雨は容赦なくナイフを首に強く押し付け、


「・・・さようなら。」


そう言って、ナイフを引こうとした直後、


「やめてくれぇ~!!!!」


摩耶の絶叫が響いた。


「・・・・・・」


村雨はナイフを下げ、咄嗟に高級耳栓を外した。


「あたしは・・・ただ・・・」


「・・・・・・」


「提督に・・・提督にただ・・・」


「・・・・・・」


「提督に・・・謝って欲しかっただけなんだよ!!」


「・・・・・・」


「あたしを捨てて悪かった・・・本当にごめん・・・て、それだけが聞きたかったんだよ!!」


「・・・・・・」


「間違ってる!! そんな復讐なんて・・・間違ってる!!」


「・・・・・・」


「頼むよ・・・もうあたしの気は済んだから・・・提督を放してくれよ・・・頼むよ!!」


「・・・・・・」


村雨は提督を縛っていた縄を解き、


「もう摩耶さんは復讐をしません・・・安心してください、提督。」


提督が動けるようになり、摩耶の元へ駆けつける。


「!? て、提督!?」


「摩耶・・・ごめんな。」


摩耶の前で座り、


「本当にごめん・・・お前を捨ててしまった事、本当に後悔している!!」


「・・・・・・」


「今更こんなことを言うのは何だが・・・もう一度私の秘書艦をやってくれないか摩耶?」


「秘書艦を? でも新しい艦娘にしたって・・・」


「その艦娘は今日限りで解雇させた・・・だからもう一度お前に秘書艦として私を支えて欲しい。」


「・・・・・・」


「頼めないか、摩耶!」


提督が必死に懇願し、


「・・・何だよ。」


摩耶は座り込んで、


「私を捨てて置いて・・・また秘書艦になってくれって、どんだけ自己中なんだよ提督はよぉ!!」


「・・・・・・」


「しょうがねぇなぁ~・・・わかったよ! あたしで良ければやってやる、喜んで秘書艦になってやるよ!!」


「ほ、本当か摩耶!」


提督は顔を上げる・・・そこには涙ぐんだ摩耶の姿が・・・


「本当は・・・本当は、あたしは捨てられたと思って悔しくて仕方なかったんだよ、提督・・・」


堪えきれずに涙を流す摩耶。


「・・・摩耶。」


提督は摩耶を抱きしめ、


「ごめん、でも分かったよ・・・私にとって摩耶が一番必要なんだ。」


「・・・全く、頼りねぇなぁ提督は・・・」


摩耶も提督を強く抱きしめていた。


「摩耶・・・」


2人の光景を見て安心した鳥海。


「・・・鳥海さん。」


村雨は鳥海に、


「今週中までに報酬を料亭まで届けてください・・・それでは私は失礼します。」


依頼を終えた村雨はその場から去った。


・・・・・・

・・・



数日後、


「いらっしゃいませ・・・あら、鳥海さん。」


鳥海が再び来店した。


「村雨さん、摩耶の件でお世話になりました・・・これが依頼の報酬です。」


そう言って、鳥海は封筒(5000円)を村雨に手渡した。


「本当に、これだけでいいのですか? 少なすぎではないですか?」


「十分ですよ♪ 別に同じ艦娘から大金を取ろうなんて思っていませんので~♪」


村雨は封筒を持って上機嫌である。


「・・・・・・」


鳥海が何か言いたげである。


「・・・椅子に座ってどうぞ、何か聞きたいことがあるんですよね?」


村雨にはお見通しで、


「提督と摩耶さんはあれからいい関係を築けていますか?」


村雨の質問に、


「はい、もうすぐ2人はケッコンする予定です。」


「そうなんですね~、式には行けませんが「おめでとうございます」だけ伝えてくださいな♪」


「はい・・・それで、質問なんですけど。」


鳥海は聞いた。


「村雨さんは摩耶が復讐をしないとあらかじめわかっていたのですか?」



あの時、村雨が行った行動、そして摩耶が復讐する気は無かったこと・・・提督が本当はまだ摩耶の事が好きだったこと、


それを全て見通した村雨の判断・・・常に摩耶の側にいた鳥海には全く予想できなかった。



「いいえ、重要なのは摩耶さんではなく提督の方でした。」


「? 司令官さんですか?」


鳥海は首を傾げる、


「はい、鎮守府内で情報を集めていたら提督が「艦娘を簡単に切り捨てる人間ではなかった」と知り、


 直接執務室へ行って提督から事情を聞こうと思ったんです。」


「・・・・・・」


「執務室に入って最初に目に入ったのは、机に置いてあった提督と摩耶さんが写った「写真立て」でした。


 簡単に切り捨てた艦娘の写真をずっと机に残しているのはおかしいですよね?」


「・・・・・・」


「それで、「提督はまだ摩耶さんの事が好きでいる」と確信して、提督からなぜそんな事をしたのかを聞いたところ・・・」


「・・・何があったんですか?」


・・・・・・

・・・



(村雨が提督に質問した時)


「実は・・・摩耶さんの事なんですが・・・」


「・・・・・・」


「摩耶」の言葉を言った瞬間、提督が無言になる。


「提督に「捨てられた」と思ってあなたに「復讐」すると言っていたんです。」


「!? ・・・そうか。」


一瞬驚くが、すぐに冷静になる提督。


「仕方がない・・・私は復讐をされる当然の事をしたんだ。」


「・・・・・・」


その言葉に、


「摩耶さんの事・・・本当はまだ好きでいるんですね?」


「!!」


村雨に言葉に提督は驚く。


「「復讐」と言われて、相手を本当に嫌っていればまず人は相手の問題点を挙げます・・・例えば「摩耶は態度が悪い」とか。」


「・・・・・・」


「相手の問題点を挙げてから今度は自分自身を防衛します・・・「自分は悪くない! 被害者だ!」と。」


「・・・・・・」


「それなのにあなたは、摩耶さんの悪口も自分の事も気に掛けなかった・・・そこから導き出される結論は1つ。


 「提督は摩耶さんの事が今でも好きでいる」と言う事です!」


「・・・・・・」


「ならどうして摩耶さんを秘書艦から外したのですか? 例えば誰かに脅されているとか?」


村雨の鋭い直感に提督は驚きを隠せない。


「・・・そうなんですね? 一体誰に何をネタに脅されているのですか?」


「・・・・・・」


全てを見通されたと思った提督は、


「・・・実は。」


提督は事情を話した。


・・・・・・

・・・



(ここから現代)


「摩耶さん以外にもう1人秘書艦をしている艦娘がいましたよね?」


「・・・はい、摩耶が出撃に行っているのみ代わりに秘書艦をやっている方が1人・・・」


「その方は提督の事が好きだったみたいです、そこで摩耶さんをどうにか降ろさせようと悪だくみを考えたそうです。」


村雨は詳しく説明していく。


・・・・・・

・・・



(提督との会話に戻り・・・)


「ある晩、休みも取れずに書類整理が終わり、そのままそこのソファで寝てしまった。」


「・・・・・・」


「翌朝、目覚めると摩耶の代わりの秘書艦をしている子が服を着ていなくて・・・「昨夜は激しかったです♡」と言われて・・・」


「・・・・・・」


「その子が言ったんだ・・・「私を抱いたんですから、私をずっと秘書艦にしてください・・・じゃないと最高司令官に


 ”提督に犯されました”と言いますよ?」と・・・」


「・・・・・・」


「仕事中に艦娘を抱いたと知られれば、解雇も不思議ではない・・・それで止むなく彼女の言い分に従わざるを得なかった・・・


 でも、わかっていたんだ・・・本当は彼女が摩耶を秘書艦から外させるためにやった口実だってことを。」


「・・・・・・」


「それでも彼女には逆らえず、残酷ではあったが摩耶を秘書艦から外さざるを得なかった・・・本当は摩耶と


 ケッコンまでする予定だったのに・・・」


提督が悔しながら語り、同時に摩耶を傷つけた事への後悔をしていた。


「・・・つまり、そのもう1人の秘書艦が事の発端なんですね?」


「・・・・・・」


提督は無言で頷く。


「なら私がその秘書艦に話をつけてあげますよ♪」


「えっ!?」


提督は驚く、


「提督は逆らえないんでしょ? なら私がはっきりと提督の考えを本人に言って納得してもらいますよ。」


「し、しかし・・・彼女がそんなすんなりと納得するわけが・・・」


「大丈夫ですって♪ 私に任せてください♪」


「・・・・・・」


提督はしばし考え、


「分かった・・・部外者に任せるのは本当に申し訳ないが・・・君に任せよう。」


「はいは~い、お任せください♪」


村雨は執務室から出て行った。


・・・・・・

・・・



(ここから現代)


「・・・それで、その艦娘とは話がついたのですか?」


「はい、最初は文句ばかり言ってましたけど、少し痛めつけた後、彼女から「提督には二度と近づきません!」と誓約書を書かせました♪」


「・・・・・・」


「少し痛めつけた。」と聞いて、鳥海は何も答えられなかった。


「それを提督に報告した後・・・」


・・・・・・

・・・



(話をつけて執務室に戻り・・・)


「話をつけてきました。」


「は、本当か!?」


「はい♪ 彼女は二度と提督に近づかないそうです・・・これがその証明としての「誓約書」です。」


村雨は提督に誓約書を渡した。


「・・・すまない、これであの艦娘を虚偽の罪で解雇できる・・・本当にありがとう!」


「いえいえ・・・でもまだ重要な事が残っていますよ?」


「? 重要な事?」


「摩耶さんはまだ提督の事を勘違いしてるってことですよ。」


「!? そうだな。」


「提督の問題は解決しましたが、摩耶さんの復讐については解決していません。」


「・・・・・・」


提督は下を向く。


「・・・私からの提案なんですが、乗って見ませんか?」


「? 君の提案に?」


「はい、少し痛みが伴うかも知れませんが、誤解を解くためです・・・悪い話ではないと思いますが・・・」


「・・・・・・」


提督は少し考え、


「君には彼女の企みを阻止してくれた借りがある、また君にお願いするのは申し訳ないが・・・君の提案に乗ろう!」


「わかりました・・・ではこの目隠しと耳栓を・・・」


村雨は提督に説明して、外へと連れて行った。


・・・・・・

・・・



(ここから現代)


「それで、提督に一役買ってもらったわけです。」


「・・・そうだったんですね。」


「摩耶さんには申し訳なかったですが、本心を出す必要があったので敢えて芝居をさせてもらいました。」


「・・・では、あのナイフや縄も?」


「はい、玩具のナイフに元々切れている縄を使いました・・・遠くから見れば、玩具でも本物に見えますからね♪」


「でも・・・村雨さんの言葉には正直恐怖を覚えました。」


「そうなんですか~? 摩耶さんは「駆逐艦が偉そうに」なんて言ってましたのに~?」


「はい、後に摩耶から「あたしの勘違いだ・・・村雨は怖ぇ!」と口走ってました。」


「うふふっ・・・褒めても何も出ませんよぉ~♪」


「村雨さん・・・あなたは・・・本当に凄い艦娘です。」


「ですからぁ~・・・褒めても何も出ませんって~♪」


そう言いつつ、顔を赤くする村雨だった。


・・・・・・


「さてと・・・もう今日は店を閉めますか・・・」


そう言って、暖簾を取ったその時、


「お疲れ、村雨。」


提督が帰って来た。


「あら、おかえりなさい、貴方♪」


1週間ぶりの再会を果たした提督と村雨。


「聞いたよ、村雨が鎮守府の依頼を見事達成したんだって?」


「はい、少し時間が掛かりましたが、依頼主は満足して帰って行きました。」


「あまり無理するんじゃないぞ・・・村雨も自分の体を大事にしろよ。」


「わかってますって~♪」


「うむ、ならいいんだが・・・もっと話をしたいが先に風呂を借りてもいいかな?」


「どうぞ、先ほど沸かしたところですので♪」


村雨は手際がいい・・・提督は遠慮なく風呂場へと向かった。


・・・・・・


「ふぅ~。」


久しぶりの料亭での入浴、提督は1週間ぶりに我が家に帰った気分で入浴を満喫していた。


「・・・ん?」


風呂場の扉が開き、タオルを羽織った村雨が入って来た。


「村雨もご一緒に、提督♪」


結局、村雨も風呂場に入って夫婦ともに入浴をした。


・・・・・・


「提督・・・今更なんですが・・・」


1つの布団に提督と村雨が入り、


「どうして私を選んでくれたのですか?」


「ん? どう言う事?」


「私以外に、霧島さんやサラトガさん・・・秋月さんみたいに私よりももっと戦力のある艦娘たちがいるじゃないですか・・・


 それなのにどうして私なんかを選んでくれたのですか?」


「・・・村雨を選んで嫌だった?」


「いえ、とても嬉しいです・・・ただ戦力的には自信がないので・・・」


「・・・そうだなぁ。」


提督は少し考え、


「前にオレが求める「理想の艦娘」は覚えてる?」


「確か・・・「背中を預けられる艦娘」でしたよね?」


「うん・・・それが村雨、お前だからだよ。」


「・・・・・・」


「もっと言えば・・・村雨のためなら、命を捨てても構わない位大事な存在なんだよ。」


「・・・ちょっと、大げさですね。」


「そうだね・・・他に例えが無くてごめん。」


「いいですよ・・・それに安心しましたから♪」


村雨は満足して、提督に寄り添う。


「全ての依頼が終わったら・・・また2人でどこか旅にでも行きたいですね。」


「そうだな・・・今度はどこに行こうか? いっそのこと宇宙でも行くか?」


「宇宙・・・行ったことないですね!」


「決まりだな・・・全ての依頼を終えたら、宇宙へ旅しよう!」


「はい、提督!」


2人は約束をしつつ、就寝をした。


・・・・・・


「さて、今日も頑張りますか!」


暖簾を掛けて、店を開ける村雨。


「オレも手伝おうか?」


久しぶりの休暇が取れたようで、2,3日は料亭にいられると言う。


「そうですね・・・では、食材の調理をお願いします。」


「わかった・・・」


そう言って、提督は厨房へと向かった。


・・・・・・


「いらっしゃいませ・・・あら、海風じゃない?」


「おはようございます、村雨さん。」


海風が来店した。


「どうしたの? もしかしてまた何かの「依頼」かしら?」


「はい・・・今回も、「代理出撃」の依頼です。」


海風はポケットから「依頼書」を取り出し、村雨に渡す。


「どれどれ・・・また難度が高い目標ねぇ。」


村雨は呆れて、


「期限は今週中までです・・・何とか達成できますか?」


「そうね~・・・まぁ大丈夫だと思うけど~。」


「本当ですか? ではお願い致します! 給料を貰えなくて切羽詰まっているとの事です。」


「あらあら・・・そこまで行くと、提督に直接文句言った方がいいんじゃないの?」


そう思いつつ、


「・・・わかりました。 ではこの「代理出撃」・・・今週中までに達成しておきます。」


「・・・お願いします。」


海風は礼をして料亭から出て行った。


・・・・・・


深夜になり、


「では、村雨! 「代理出撃」を開始しま~す!!」


武器と艤装を装着した村雨が海上を高速スピードで進んでいく。


「提督、聞こえますか? この海域の情報をお願いします!」


提督と無線を取り、夫婦連携で作戦を進めていく。


「ありがとうございます! では、元駆逐艦村雨! 頑張りま~す♪」



今日もまた皆のために「依頼」をこなしていく村雨の姿があった・・・










「復讐」 終











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2018-02-01 18:01:19

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2018-02-01 18:01:20

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1: SS好きの名無しさん 2018-02-01 18:01:12 ID: Y1ar5Nc2

やり口がまんま旦那そっくりじゃないですかー(褒め言葉)

2: キリンちゃん 2018-02-01 19:14:20 ID: lFUzTywm

やっぱりわかります? 細部まで読んで頂き感謝します♪

3: SS好きの名無しさん 2018-02-01 21:16:19 ID: ZwX8g-MX

女って怖いなあ。


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