2016-06-03 16:16:52 更新

概要

前作 穂乃果 「ことりちゃんはどこ?」を
読んでくださったみなさん
本当にありがとうございました!
この作品は、
絵里が覚醒剤に手を染めたり
真姫が鬱になったりする
バッドエンドを予定してます。

冒頭部分も少し更新いたしました!


前書き

次回作
ほのぱなメインのSSを予定してます。
まだ練り途中なので、
公開はもうしばらくお待ちください(><)




この世界は汚れている。

1人街を歩く希はそう感じていた。


ギャハハ


アンタモヤリナヨー


ソウネ




あちらこちらに覚醒剤の転売

未成年の飲酒喫煙

この世の中は正直終わってると思う。



その覚醒剤転売者の中に

希のよく知っている人物がいた。







希 「なにしてるん!?絵里ち!」





音ノ木坂学院の生徒会長

絢瀬絵里の姿だった。




絵里 「あら、希

どうしたの?そんなに慌てて」



希 「なぁ…もうこんなことやめようや!

絵里ちは生徒会長やろ!?

なんでこんなことするん!?」



絵里 「別に私の勝手でしょう?

それより、これエスだけどやる?

気持ちいいわよ?」


絵里は、

希に小袋に入った白い粉を差し出した。




希 「いらん。もうええ…………」


希は絵里を見捨てた。

こんな危ない人と友達でいるのなら

1人で安全に過ごしたほうが

よっぽど幸せだと思ったからだ。





絵里 「なによー、ノリが悪いわねぇ〜」




もう絵里は助けない。

希はそう心に決めた。








ことり 「ねぇ…ことりに

ちょっとお金を貸して欲しいの」


通行人 「ことりちゃん…か…じゃあ、さ?」



ことり 「10万円でどう?」



通行人 「いいよ、行こうか」







希 「ことりちゃん…!?」




ことりは売春をやっていた。

見ず知らずの人に声をかけ

多額のお金を要求していたのだ。





希 「ことりちゃん!!!」ガシッ




ことり 「キャッ!?希ちゃん!?」


希 「ことりちゃんは16歳やろ!?

こんなことで人生棒にふったらあかん!!!」



ことり 「いいの…!ことりは…ことりは…

こうして生きてくの!!!じゃないと…

いつか自分のやりたいことを自由に出来ないもん…」




ことりは、聞く耳を持たなかった。

まだ将来に希望がある16歳が

売春に走ってしまうなんてことが

あっていいのだろうか…


そして、ことりは通行人の男と

ネオンが光る街へと消えていった。





μ’sの中でまともなのは

希くらいだろう。

みんなそれぞれ、

いろいろなことに悩まされていた。



徐々に壊れていくみんなを

希はただ見ているしかなかった。





次の日、

絵里が放置している生徒会の仕事を

片付けるため、希は早めに学校にきた。




希 「まったく…絵里ちの仕事なのに…

なんでウチが…」ブツブツ



生徒会の仕事を終わらせ、

廊下を歩いていると、

誰かが話す声が微かに聞こえた。








穂乃果 「今日はどうするの?」


海未 「今日は穂乃果の欲しいものを

取りに行きましょうか」



穂乃果 「ほんと!?」


海未 「えぇ、何が欲しいのですか? 」



穂乃果 「あのね!あのね!

○○デパートに売ってるピンクのお財布!」







希 (この会話…まさか万引き…!?

でも…海未ちゃんが万引きなんてするわけ… )






そう思ったが、

嫌な予感がした希は、

放課後、2人のあとをこっそりつけた。




海未 「目当てのお財布はありましたか?」


穂乃果 「あった!あれだよ!あれ!!」



海未 「ショーケースに入ってるものですか?」


穂乃果 「うん!じゃあ海未ちゃんよろしくね?」





希は咄嗟に走り出していた。

店員の目を盗んでショーケースに近付く海未の

腕を思い切り掴む。




海未 「…っ!?希!?どうしてここに!?」




希 「なぁ、いま

この財布万引きしようとしたろ?」


海未 「え、なんのことですか?

私は穂乃果にお金を貸していただけです。」




希 「とにかく、こんな高価なもの

学生が買えるわけないやろ。

ほらさっさと帰る 」



海未 「なんなんですか!?

私は、穂乃果のやりたいことに

協力しているだけです!

幼なじみだから当然でしょう!?

私のことは放っておいてください!!!」ダッ




希 「あ!!!」



海未は、希の腕を振りきって

走っていってしまった。







海未 「………ハァハァ…す、すみません穂乃果

希の邪魔が入ってお財布盗れませんでした」




穂乃果 「……………………」





穂乃果 「あ!!!」


ミテーコノサイフカワイイー!!!


ホントダー!


カッチャオウカナー


イインジャナイ?








穂乃果は、

女子大生らしき人が

財布を買おうとしているところを

見てしまったのだ。





穂乃果 (あのお財布は穂乃果のなのに穂乃果のなのに穂乃果のなのに穂乃果のなのに穂乃果のなのに穂乃果のなのに穂乃果のなのに穂乃果のなのに穂乃果のなのに穂乃果のなのに穂乃果のなのに穂乃果のなのに穂乃果のなのに穂乃果のなのに穂乃果の… )




穂乃果 「触らないでえええええええええ!!!!」



穂乃果は、女子大生に向かって

走り出した。







キャーーーーーーーー!!!

キュウキュウシャ!! ダレカ!!キュウキュウシャヨンデ!!!





希 「穂乃果ちゃん!!!!?

どうして!?どうしてこんなことするん!?」




慌てて希が穂乃果に駆け寄る。

肩で息をし、震えている興奮状態の穂乃果は

手に赤く染まった果物ナイフを握っていた。




穂乃果 「あははははははははははは!!!!

このお財布はねぇ!穂乃果のなの!!!

アンタがこれを買おうとしなければ、

穂乃果はアンタを刺したりなんか

しないんだよおおお!!!!」ザシュッ



希 「いやあああああ!!!!痛い!!!」



穂乃果は、取り押さえてる希の腕までも

果物ナイフで切り裂いた。




ハッ!?



穂乃果 「きゃあ!?希ちゃん!?」



我に返った穂乃果は、

自分の隣で流血する希に驚いた。



警察官 「君、ちょっと署まで来てもらおうか」



穂乃果 「いや!!!なんで!?

なんで穂乃果が!?希ちゃん!海未ちゃん!

助けてっ!!!」ジタバタ




警察官 「君、大丈夫か?

すぐに応急処置を…!」


希 「あ、いいえ、平気です。

これくらい…壊れてしまったみんなの傷よりは

遥かに軽くて浅い傷ですから。」




絵里、ことり、穂乃果、海未が壊れてしまった。




残りのメンバー


にこ、花陽、凛、真姫は、まともに

生きているのだろうか?









?? 「うふふ…この世に幸せなんかないわ

本当の幸せっていうのは、こういうことよ」



暗い暗い部屋の中

1人カッターを取り出した。




ギリ…ギリ…



白くて細い腕に赤い筋を作っていく。

鬱になった真姫は、部屋に閉じこもり

リストカットばかりしていた。



プルルルル




真姫 「もしもし…誰?」


真姫は虚ろな声でそういった。


希 「もしもし?真姫ちゃん?ウチや。希」


真姫 「なに…?私今忙しいんだけど…」


希 「真姫ちゃん…今なにしてるん?」


真姫 「自傷行為…かしら」


希 「やめよ?なぁ、綺麗な手が台無しや…

そんなんじゃピアノ引けなくなってまうで」


真姫 「いいのよ…私、もうピアノはやめたから」


希 「え?どうして…?」


真姫 「この世に幸せなんかないからよ」ブツッ







真姫は鬱になっていた。

理由は分からない。

だが、

ちょうど、親にテストの件で怒られていた真姫は、

自室に閉じこもり、

リストカットをするようになってしまったのだろう。

死ぬわけじゃない。

リストカットでは、そう簡単には死ねない。

分かっているはずなのに、

恐怖と後悔で手が震えた。




完璧を目指す両親

幼い頃から勝ち組になりなさい。


そう言われて真姫はここまで育ってきた。


100点、クラスの成績トップは当たり前。

今回のテストは98点だった。


1つだけ間違えた。







たったそれだけ。

それだけなのに、両親は真姫を問い詰めた。




真姫母 「当然、真姫ちゃんはどの教科でも

100点よね?」


真姫父 「当然だろう。

医療関係の娘が

満点とれないなんてことは無いはずだからな」


真姫 「……………………」




真姫母 「真姫ちゃん。

テスト見せてちょうだい? 」




真姫 「………………ごめんなさい」







真姫父 「………98点」


真姫母 「…………こんなの何かの間違いよ

西木野総合病院を受け継ぐ真姫ちゃんが

98点のはずないわ」



真姫 「…………………」



真姫母 「真姫ちゃん。

どういうことか説明してちょうだい。

どうして満点とれない子になってしまったの?




真姫父 「…………全く。

そんなのでこの病院を継げるとでも思ってるのか」





真姫 「…………ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさい………」













真姫 「あ、あ、…このまま私は死ぬの?

そうよ。私なんて一番になれない落ちこぼれたただの人間。そんな人が生きてていいの?

ダンスなんて…ピアノなんて…もう無理ね。

さようなら…」ポタポタ


そうつぶやいた真姫は、

血が染み込んだカーペットに横になり

目を瞑った。










希 「………………………」


学校に向かう途中の希は、

凛の姿をみつけた。

隣にいるのは花陽じゃない。

同じ青色のリボンをつけた1年生だった。



凛 「……か!……で……えてよ…!」



細かくは聞き取れなかった。

だが、凛は同級生にいじめをしていたのだ。

相手の子は、

小刻みに震え、泣きそうな表情をしている。


いま…ここでウチが止めに入ったら…

あの殺気に満ち溢れた凛ちゃんに

殺されるかもしれない。

希は直感的にそう思った。

だから、遠目から見ているだけ…

あの子を助けようとはしなかった。



希 (ウチは1人じゃ何にも出来ない臆病者や)





花陽 「凛ちゃん!?ひどいよ!

もうやめてあげて!!!」バッ!!!



希 (あ…………………)


花陽が凛を止めようとした。

あぁ、あの子にも勇気ってもんがあったんやな

無意識にそうつぶやいていた。




凛 「うるさいなぁ…かよちんは

少し黙ったほうがいいよ。

凛はただこの子と遊んでるだけだもん 、ね?」


同級生 「…………………はい…」



花陽 「そんな…凛ちゃん…」



花陽ができることは

ここまでらしい。

凛が歩いていく中、道端に力なく座る花陽


その横顔は泣いているようにみえた。




希 「花陽ちゃん…大丈夫?」ヨシヨシ


花陽 「の、希ちゃん…う、うぅ…

凛ちゃんが…凛ちゃんが壊れちゃった…

わたしはただ…一緒に笑っていたいのに…」



花陽は、希に抱きつき、

落ち着くまで泣き続けた。



希 「落ち着いた?花陽ちゃん」


花陽 「うん…ごめんね?ありがとう…」


希 「ええんや、凛ちゃんのことで相談あったら

いつでもウチのとこおいでな?」


花陽 「うん… 」





















それが希と花陽が話した最後の言葉だった。








学校内にいる

壊れる前のようなみんな。

そう。

μ’sの朝練に向かう途中。




海未 「……………ことり…」


ことり 「う、海未ちゃん…ホノカチャンは?」


海未 「穂乃果は…いま刑務所にいます」


ことり 「え!?」



海未 「デパートで、いきなり女子大生に

刃物で襲いかかったんです。

相手は意識不明の重体…

刺しどころが悪かったんです…

肺を突き破ったので、

呼吸困難にまで陥ったそうで…」


ことり 「そんな…ホノカチャン… 」



真姫 「………海未、ことり…」



真姫がジャージに身を包んでやってきた。

いつも腕まくりをしている筈なのに…

左側だけ袖を伸ばしていた。



真姫 「穂乃果…大変な事になったみたいね…」



海未 「えぇ……そうなんです

それより真姫、あなた何かいつもと違いますね」




真姫 「…………………っ」



海未 「何かあったんですか?」


真姫 「な、なんでもないわよ!」





真姫は頑なにリストカットを隠し続けた。









学校前…





ことり 「え…きゃぁぁぁあああ!!!」



海未 「ことり!?」




ひゅううううううう…




風の音が執拗に

海未、ことり、真姫の耳に響く。

屋上のフェンスを超えたところ…

そこには、人影があったのだ。







海未 「あ…!!!!!」




真姫 「………あ、あ、あ!!!」



真姫は、何かを確信した。


学校に向かって走り出す2人

ことりは、その場で立ち尽くす。












ひゅううううううう…



今日は一段と風が強い。

フェンスを超えたところから見た景色は

とても怖い。

落ちたら確実に死んでしまうだろう。





花陽は、

泣きながら凛との思い出を振り返っていた。





花陽 「凛ちゃん…どうして、

どうしてあんなに怒りっぽくなっちゃったんだろう…

全部…花陽がしっかりしてないから…

凛ちゃんをいらつかせて…

あ、そうだ。凛ちゃん…花陽が死んだら…

元の優しい凛ちゃんに戻ってくれる?」




花陽 「希ちゃん…ごめんなさい…

相談に乗ってくれてありがとう…さようなら」




花陽は一通りつぶやき終わると、

目を瞑り、フェンスから手を離した。




バタンッ





海未・真姫 「花陽!!!!」


花陽 「!!!?」ビクッ





海未と真姫が屋上に到着した。

花陽に呼びかける。

その声に驚いた花陽の体は

フワリと宙を舞った。そして、

重力に逆らってどんどん落ちていったのだ。






最後に花陽が何かを叫んだ。






















死にたくない…と。






希 「おはようさん、ことりちゃん」


希は、なにも知らずに登校。

泣いていることりに近付く。



ことり 「の、希ちゃ…うわああぁああ!!!」



希 「!?どうしたん!?ことりちゃん!」




ヒュウ…



ドサッ





希 「………………え?」



ことり 「いやああああああ!!!!」





立ち尽くす

ことりと希はどこからか降ってきた

赤い液体を全身に浴びた。




それが、花陽の返り血だったことを

理解する前に

2人は気を失い、その場に倒れた。













屋上では、

海未と真姫の2人が呆然と立ち尽くしていた。





真姫 「ちょっと…花陽…どこにいるの?

ねぇ…隠れてないで出てきなさい」


海未 「私が花陽を殺した私が花陽を殺した私が花陽を殺した私が花陽を殺した私が花陽を殺した私が花陽を殺した私が花陽を殺した私が花陽を殺した私が花陽を殺した私が……」




先生 「園田!」


先生 「西木野さん!?」





2人の先生が慌てた様子で屋上に入ってきた。

海未、真姫はそれぞれブツブツと何かをつぶやいている。



先生 「西木野さん、何があったの!?大丈夫

?」



真姫 「………………………………花陽が…」


先生 「小泉さんがどうしたの!?

わたしたち、あなたたちの声が聞こえて

やってきたのよ」


真姫 「そうなんです。

花陽、どこかに隠れて出てきてくれないんです」


海未 「花陽は…ここから転落死しました」




先生 「えぇっ!?」


先生 「先生!あれ!下に3人倒れてます!」




先生たちは、急いで階段をかけ降りていく。

下で倒れているのは

花陽、ことり、希だった。







キュウキュウシャトオリマス


ミチヲアケテクダサイ



救急隊が3人に駆け寄る。




救急隊 「おい!君!大丈夫か!?」


救急隊の1人が希に声をかける。



希 「……………ぁ……はな…よちゃ…んは…

いき…てるん…です…か…?」



救急隊 「はなよちゃん?

それはどっちの子だ!?」



希 「ショート…の…子です…っ…」





救急隊 「君!大丈夫か!?

隊長!脈がありません!すぐに搬送を!」



救急隊 「おい!君は大丈夫か!?」


ことりを揺さぶる。

パチリと目を開けたことりは、

大変な事になっていた。





ことり 「嫌っ!!!!助けて!誰か!!!

花陽ちゃんが!!!花陽ちゃんが!!!

いやあああああああ!!!!!!」



目の前で仲間が死んだ恐怖で

ことりは対人恐怖症になってしまったらしい



希 「う…ことりちゃん…大丈夫…?」



ことり 「希ちゃん!!!

どうしよう!!!この人達が

花陽ちゃんを殺したんだ!!!嫌だ!

触らないで!!!希ちゃん!!!助けて!

ことりも!ことりも殺されちゃう!!!」




希は、痛む頭を押さえつつ

発狂することりに駆け寄る。



ことり 「嫌だ!嫌だ!嫌だ!!!

希ちゃん!助けてよおおお!!!!」


希 「大丈夫や!!!ウチはここにおる!

ことりちゃんに触ってるのはウチだけや!」


ことり 「ほ、ほんとう…?」


希 「本当や!だから落ち着いて!!」



ことり 「よかった…」フラッ





そう安堵の声を漏らし、

ことりは気を失った。





西木野総合病院



真姫 「パパ!お願い!私のっ!

私の大切な仲間が屋上から転落したの!!

お願い!手術をして!!!」



真姫父 「真姫、分かっているだろう?

この病院にはもっと重い病気をかかえた患者さんがたくさんいるんだ。

今日だって、オペが10件はいってる。

急に手術は無理なんだ。すまない… 」



真姫 「そんな!?

じゃあ花陽はどうするの!?このままじゃ…

死んじゃう…花陽は死んじゃうのよ!?」



真姫父 「とにかく無理だ。 」







真姫の父は、とても冷たい人だった。

娘の悲痛な叫びを聞き入れようとしなかった。

対人恐怖症となったことりにも目を向けず…



そのあとは、

しばらくのμ’s活動停止が言い渡された。

仕方のないことだが、

リーダーが刑務所、

部員が2人大変な事になった今、

活動できるとは到底思えなかった。


真姫 「どうしてパパは何もしてくれないの!?

もういいわ、私が花陽を助けてみせる!」






真姫は、そう心に誓った。

もう花陽が目を開けることはないというのに…











ーーーーーーー刑務所内


穂乃果は机に拳を叩きつけ、

警察官を睨みつける。




穂乃果 「どうして穂乃果なの!?

あの女が…穂乃果の欲しい財布を買おうとしたからいけないんだよ!?」


警察 「だからといって、

人を刺していいという口実にはならないだろう」



穂乃果 「うるさいうるさい!!!

警察ごときが穂乃果に口応えするなあぁぁあ!!」






刑務所内での穂乃果は、

狭くて居心地が悪く、硬い床に敷かれた布団で寝るというなんとも苦しい生活を送っていた。


寝る場所とトイレが同じ部屋にある。

それだけで穂乃果の心は壊れそうだったが、

警察の穂乃果への扱いが更にストレスになってしまったようだ。



警察 「高坂さん、少し落ち着きなさい」


穂乃果 「あぁ!?こんな場所で落ち着けるやつが

どこにいるっていうの!?

みんな早く家に帰りたいに決まってるじゃない!!!早くみんなをここから出せえええええ!!!!」




警察 「外に出すのは危険ですね。

食事のとき以外は手錠をしておきましょう

それと、この子は謹慎室に入れましょう」



穂乃果 「やめろ!!!穂乃果に触るなあぁぁあ!!!!」ガチャン!!!




抵抗して暴れる穂乃果は

謹慎室送りとなった。



刑務所内にある、

署の中で問題を起こした者が入れられる

とても頑丈な牢屋である。


24時間体制で警備員の見回りがあり、

拷問と言っていいだろう。

トイレは牢屋のドアの隣にむき出しに設置してあった。

トイレ内で舌を噛み切って自殺した囚人が過去にいたという理由から

すぐに取り押さえられる場所になったそうだ。





警察 「ここに入りなさい」


穂乃果 「なにここ…穂乃果をこんな所に

いれてどうするつもり!?」


警察 「安心しなさい。ここで 1か月間

大人しくしていれば今日からちょうど1か月後に刑務所から出ることができる。

つまり、釈放ってことだ」



穂乃果 「…………………」




穂乃果 (つまり、ここで大人しくしてれば

1か月後に釈放されて、あの日邪魔された

希ちゃんに復讐できるってこと!?)









穂乃果は希に復讐する気でいた。

あの日…海未と一緒にデパートで

万引きをしようとしたところを邪魔された

腹いせがあったようだ。

希が邪魔をしなければ、穂乃果は

女子大生を刺したりしなかったのだろう。


穂乃果にとって、希は

とても憎い存在へと変わってしまったのだ。




謹慎室に入ったあとの穂乃果は、

人が変わったようにおとなしくなった。



警察 「あの高坂さんが…

こんなに大人しいなんて…」


警察 「明日は雨だな…こんなこともあるもんだ」


穂乃果 「ねぇ…穂乃果…トイレここじゃ嫌」


女警官 「そ、そうよね。高坂さん

いま女性用トイレに案内するわ」





いうことを聞けば…

早くここから出られる…そして…

希ちゃんに復讐をする。







そう心に決めたんだ。

絶対に…穂乃果はやり遂げてみせる…










穂乃果は強く誓った。










ーーーーー絵里



絵里 「……………っ」




最近、絵里は覚醒剤を手にしていない。

所持できないと言った方がいいのだろうか。

手持ちのお金が底をつき、

転売仲間からも、お金がないなら

売るわけにはいかないと言われたしまったらしい。




絵里 「あぁ、もう嫌。

早くしないと…早くあれを吸わないと…!!!

私…死んじゃうかもしれない!!!

ああああどうしようどうしよう」






完全に麻薬の虜になっていた。

薬が切れると、落ち着かなくなる。

薬を手に入れるためには…















そう。カツアゲや売春しか方法はないのだ。







転売人 「おい、絵里、お前そろそろ切れるころなんじゃねーの?」


絵里 「昨日切れたわ…死んじゃう…ねぇ、

私どうしたらいい?」



転売人 「バカかよ。

お前、せっかく女に生まれたんだから

身体売りゃ金なんてバンバン入んだろ」






身体を…売る…


絵里 「嫌!!!他の方法はないの!?」



転売人 「ったくしょーがねー奴だなー

じゃ、もう一つの方法教えてやるからこっち来いよ」





転売人は絵里を呼び寄せる。

そしてこう言った。










「手っ取り早いのはカツアゲだよ」と。







絵里 「…カツアゲ」




真面目に生きてきた絵里は、

高校生になってから何かが弾けた。

当然、カツアゲのやり方なんてわからない。







転売人 「絵里、お前カツアゲも知らねーの?」


絵里 「え、えぇ…そうなの…

そんなことより、早く薬を…!!!」


転売人 「前にも言ったろ?金がないんじゃ

俺らも薬売るわけにはいかねーの」


絵里 「お願い!!!後払い!後払いにして欲しいの!!!なんでもするから!!!」








転売人 「じゃあ、気ィ弱そーな男みつけて

カツアゲしてこいよ」


絵里 「カツアゲしたら…売ってくれるの?」


転売人 「あぁ。好きなだけ売ってやるよ」



絵里 「わかったわ…」













酔っ払い 「~~~~♪」


絵里 「ねぇ、そこの人。

ちょっと私にお金を貢いでくれないかしら」



酔っ払い 「ん~?ねぇちゃん、

可愛いじゃねぇか~どうだ。おじさんと

1回どうだ???ウヘヘヘ」


絵里 「えぇ、いいわ。なにをするの?」





これが、綺麗な絢瀬絵里の最後だった。

結局カツアゲ自体どうするのかも分からないまま、酔っ払いに騙されたのだ。










絵里 「…………………」



ひとり、冷たいベッドの上で途方に暮れる絵里

あぁ。私は騙されたんだと心の中で実感した。




どうしよう。

お金がなきゃ…お金がなきゃ…

エスが買えない…

私は死ぬの???




絵里 「嫌よ嫌よ嫌よ嫌よ嫌よ嫌よ…

こんなところで死にたくないわ…

とりあえず…アレを買いにいかなくちゃ…」



身も心もボロボロの絵里は

転売人の元へとむかった。





絵里 「ねぇ…」


転売人 「お、絵里じゃん。

買いに来たんだろ?どんくらい貰ったんだよ」



絵里 「お願いがあるの」


転売人 「?」


絵里 「私…カツアゲ出来なかった。

だから、タダで…くれないかしら… 」


転売人 「ハァ!?

てめ、今度こそは許さねーぞ

カツアゲしてきたら売ってやるよって言っただろ!?

金もねぇ女に売るもんなんてねえよ!!!」バキッ




絵里 「キャ!?」


転売人は、絵里を思い切り突き飛ばした。

そして、

殴る蹴るの暴行を加えた。

口から血を流し、喋ることも出来なくなった。




そして、絵里は転売人に

殴り殺された。











東條家



TV 「たった今、速報が流れてきました。

○○町付近で度々行われていた覚醒剤の転売、

そのグループの男4人が、殺人の罪で警視庁に逮捕されました。」



希は、次々とメンバーがおかしくなっていくこの状況から目をそむけるように、

家の中に閉じこもっていた。

ある日の日中、テレビの速報をみた希は

ある違和感を覚えた。




希 「…………男4人だけ?

嘘やん。だって、えりちはあのグループの中に…」



TV 「殺害されたのは、同じグループにいた

17歳の女子高生、絢瀬絵里さんと判明。」








次の瞬間、

希の手からマグカップが滑り落ちた。






希 「え、えり…ち…?」



気付いたときには、希は走り出していた。

一番の親友を殺した犯人をみるために。








でも、希は犯人の顔を見る前に

刑務所から遠ざかることとなる。


















警察 「高坂さん、明日で1ヶ月経つが、

心は落ち着いたかい?」


穂乃果 「見ての通りだよ…穂乃果は…」


警察 「そうか。明日になったら約束通り

君をここから釈放しよう」


穂乃果 「…お世話になりました…」








穂乃果は嬉しさでいっぱいだった。

明日、希へ復讐ができるのだから。






穂乃果 「穂乃果と一緒に鬼ごっこしよっか、

だーーーいすきな の・ぞ・み・ちゃ・ん」


















店長 「だからさー、

何度言わせたら分かるわけ!?これは

ここに置くの。客にみえる位置に置かなくて

どーすんだよこの低脳が」


にこ 「すみません…」




にこは生活が厳しくなり、

学校に行かずにアルバイトをしていた。

スーパーでのアルバイトは、

楽しいと思うことなんて一度もなかった。



新人いじめをする店長に

毎晩遅くまで残業させられ、妹たちに渡せる十分なお金もない今、にこに出来ることは

店長の言いなりになることしかなかった。



惣菜売り場のソース類はここに置け

レジ袋を少ない買い物をする客に渡すな

冷凍食品を全て仕分けして運べ。

もちろん解凍してはいけないため冷凍庫の中で




はっきり言ってパワハラだ。



にこは、悔しい気持ちと逃げ出したい気持ちに

押しつぶされそうになりながら

毎日必死に働いた。




店長 「今日の分の給料」


やっと仕事が終わり、

給料が手渡された。







にこ 「………ありがとうございます」





1日の給料はおおよそ850円

妹たちに食べ物を買わせるお金と、

生活費、交通費と出費はたくさんあるのに、

それを満足にできない。


にこは、大きなストレスを抱えていた。









にこ 「………………ただいま」



シーン



夜の11時には、もうみんな寝ている。

台所には、小さなお皿が一枚。

ひとくち台のもやしの炒め物が置いてあった。


こころたちが作ってくれたんだろう。



にこは、まだ幼い妹たちにここまでさせていることがとても悔しく、毎日泣き崩れた。


にこ 「もう…どうしたらいいの…?」






死んでしまいたい。

そう思ったことが何度あるだろうか。

でも、妹たちのことを考えると、

どうしても死ねなかった。





にこ 「ああああああああああああ!!!!」




そばにあったものを思いっきり床に投げる。

にこも、すでに狂っていた。



こうして夜中に、1人ヒステリックになって

気付いたら眠っている。

こんな生活をしていたら、身体が持つ筈ない。



この日、にこは誰にも知られずに

精神的に追い込まれ、病に侵されたともしらず













警察 「高坂さん、1ヶ月間いろいろありましたが、これからまた新たに前を向いて歩いてください」



穂乃果 「お世話になりました」




この日、穂乃果は釈放された。

やっと希に会える。その日をずっと待っていた。



同時刻の希は、刑務所へと向かっていた。



希 「えりちを…えりちを殺した犯人を

絶対に許さない!!!」


刑務所を見つけ、走っていく。

目の前に見慣れた人物を見つけた。





希 「ほ、穂乃果ちゃん!!!

久しぶりやね!元気やった??」


穂乃果 「……………………のぞみちゃん」
























みーーーーつけた。







このとき、

希は穂乃果から、異様な殺気を感じた。

口元は笑っているのに、

希をみつめるその青い目は冷たく殺気に満ちていた



希 「え……穂乃果ちゃん…どうしたん?

なんか、いつもと様子が…ちが…」



穂乃果 「当たり前だよ。穂乃果はあの日から、ずーっとずーっと

希ちゃんに会いたいと思っていたんだから」




じり…じり…と、穂乃果が希に詰め寄る。

逃げなきゃ。直感的にそう感じた希は、

一目散に逃げ出した。




穂乃果 「希ちゃんには…死んでもらわなきゃいけないんだ…だからさ、逃げてないで…穂乃果に殺されてよ…ねえ、希ちゃん…待って…」




希 「いやっ!来ないで!!!

穂乃果ちゃん何言うてるん!?

ウチは殺される事なんてしとらん!!」


穂乃果 「あははは!面白いね!

早くこっちに来てよ…の・ぞ・み・ちゃん」ダッ




穂乃果は、走り出した。

怯える希に向かって。




希 「いやあああああああああああ!!!」



逃げなきゃ逃げなきゃ逃げなきゃ…

曲がり角を利用してとにかく逃げた。








ガシッ




希 「ひっ!?」


穂乃果 「あははは!見つけた!

もう逃がさないよ!」



希は捕まった。

血走った目の穂乃果に。




希 「いや!!!いや!!!たすけ…」モゴッ



穂乃果は、用意していたハンカチで

希の口元を塞ぐ。



穂乃果 「あははははははははは!!!

希ちゃん弱いなぁ~さてと…復讐の始まりだよ」



?? 「穂乃果」



穂乃果 「あ、久しぶり!













































海未ちゃん」




海未 「希はこう見えて弱いんですよね

どうやって復讐するつもりですか?」



穂乃果 「やっぱり…長く苦しんで貰わなきゃね」





次に希が目を覚ましたのは、

使われていない倉庫のような場所だった。





希 「あれ…ウチ…なにやって…」



?? 「おはようございます希」


目覚めた希の目の前には、

何か面白いものを見つけたような穂乃果ちゃんと海未ちゃんがいた。




希 「な、なに…」


まるでワガママなお嬢様と執事みたいな

穂乃果と海未は、冷たい目で目の前に立っていた。



穂乃果 「希ちゃんさぁ、

穂乃果が刑務所行きになる前

デパートで海未ちゃんの邪魔したよね?」


希 「え…?どうして穂乃果ちゃんが知って… 」


穂乃果 「穂乃果が海未ちゃんに指示したからに決まってるじゃん!!!

あのまま盗らせておけばあのクソ女を刺して

刑務所行きにならなくて済んだのに!!!」




希は確信した。

穂乃果は、自分を恨んでいる。と。



海未 「…………」


穂乃果 「希ちゃんの邪魔さえなければ!!!

穂乃果たちの好きにさせていればよかったんだよ!!!?なのにどうして…!!!」


希 「………穂乃果ちゃん達と…

離れ離れになりたくなかったからや… 」


穂乃果 「はぁ??なにそれ」


希 「ウチ、周りでみんながどんどん狂って

死んでいくのをみるのが辛かったんや…

…………っだから…………

だから…………っ穂乃果ちゃんと海未ちゃんだけはっ!!!そのままの2人でいて欲しかった!!!」







流れる涙を止めることは出来なかった。

あんなにも殺気に満ち溢れていた

穂乃果の表情が揺らぐ。

海未はただその場に立ち尽くしていた。



穂乃果 「…………穂乃果は…

警察に捕まったんだよ…?それなのに…

どうして離れたくないとかいうの…?

希ちゃんのことだって…こうしてるのに… 」


気付いたら、穂乃果は泣いていた。




穂乃果 「希ちゃん…ごめんなさい…

希ちゃんは…穂乃果を…助けようとしてくれたのに…殺そうなんて…グスッ」


希 「ええんよ。穂乃果ちゃん

ウチら、また元通りの関係に戻ろう」


穂乃果は、改心し

2度と人を傷つける行動はしないと誓った。
















でも、忘れてはいけない人物がいた。



















凛。



彼女は穂乃果のように改心はしなかった。

いまどこで何をしているのか分からない。

最近、音ノ木坂学院の近辺でボヤ騒ぎが起きている。


それが凛の仕業じゃないか、と

希はうすうす感じていたのだ。









凛 「ねえ、そろそろ学校に放火しようと思うんだけどアンタ一緒に来てくれるよね?」


同級生 「星空さん!?

学校に放火なんてダメだよ!

ていうか出来ないよ!!!」


凛 「は?」


そう言った同級生の襟を掴む。

花陽が飛び降りた学校なんか…

もう見たくなかったからだ。


最近のボヤ騒ぎの原因は凛だった。











花陽がいないこの街なんか消えてしまえ。

大切な幼馴染みを失った凛の心の傷は

相当なものだった。





同級生 「ほ、星空さん…ダメだよ帰ろうよ… 」


凛 「……………………………」カチッ




凛が手にしたライターからは

赤くちらつく小さな炎。


こんな小さな炎が、こんな大きい学校を包み込んでしまうかもしれない。

そんな恐怖を同級生は感じていた。



凛 「ねぇ、あんたが火つけてよ」


同級生 「ええっ!?私が!?」


凛 「うん。早く」


同級生 「嫌だよ…星空さんたち…

穂乃果先輩たちが一生懸命…廃校を阻止してくれたのに…放火するなんて…できないよ!!!」


凛 「ふーん。あっそ。

じゃあ学校入りなよ。あんたと学校一緒に燃やしてあげるから」


同級生 「や、やだ!誰か助けて!!!!」








希 「凛ちゃん!!!何してるん!?」



凛 「!?」




穂乃果 「凛ちゃん!?同級生さん!?

こんな遅くに学校前で何してるの!?」



凛 「希ちゃんと穂乃果ちゃんも…

海未ちゃんもじゃん。

みんなこそ、こんな遅くに何してるの?」



海未 「凛。それより貴女がいま

手に持ってるそれは何なんです?」


凛 「ん?あぁ、これ?ライターだよ」



凛はカチリとライターを操作した。

その瞬間、ボッと音がなり炎が顔を出す。





希 「まさかとは思うんやけど…

今までのボヤ騒ぎ…………

凛ちゃんの仕業じゃないよね???」





凛 「なに?もう知ってるの?

さすが希ちゃんだね!情報が早い!」パチパチ



希 「拍手してる場合じゃないんや!!!

どうしてそんなことするんや!?」



凛 「希ちゃん…何も分かってないんだね」


希 「え?」


凛 「いっつもウチはみんなの事見守っとるよ

とか言ってるけどさ、全然守れてないし

みてもいないよ!!!!」





突然叫んだ凛に、

その場にいた全員が凍りつく。


穂乃果 「凛ちゃん… 」


凛 「穂乃果ちゃんは黙っててよ

これはなにも気付いてくれなかった

希ちゃんへの復讐なんだから!!!」


希 「…………」



凛 「かよちんが…飛び降りた学校なんか…

もう見たくないんだよ……………… 」









凛 「だから…」





















ドンッ











希・同級生 「きゃあ!?」









凛 「役立たずな同級生も!憎い希ちゃんも

2人ともここで死んじゃえばいいんだ!!!」






ボオオオオオオオオ










凛が行った行為は

正気の人間ができることではなかった。




同級生と希のふたりを校舎に閉じ込め

学校に火を放つ。







気が狂う展開だった。










炎は瞬く間に燃え広がり

学校の外壁を包み込んでいく。



穂乃果と海未は、

呆然と燃えゆく学校をみていた。









同級生 「どうしよう!!!どうしよう!!!

死にたくない!死にたくないよおおお!!!」


希 「大丈夫や!まだ裏口は燃えてないはずや!

絶対に死なせたりせん!ウチを信じてや!」






ゴオオオオオ




だんだんと煙が大きくなっていく。






凛 「あははははははは!!!

同級生も希ちゃんもかよちんもさようなら!!!」



海未 「凛…あなたは…」



凛 「もー、海未ちゃんうるさいにゃ!

せっかくこんな楽しいこ…と…」



グサッ







凛 「ひ…ひひ…なんで刺す…の海未ちゃん…」


海未は護身用に持っていた果物ナイフで

凛の首元を一突きする。


海未 「あなたは最低です!

どうして仲間を簡単に捨てることが出来るのですか!?私にはあなたの行動が理解できません!だから殺してやります!!!あなたのような悪魔がこの世に存在してていいはずがありません!!!!」


凛 「あは…は…うみちゃ…ん…さよなら…」


凛は狂ったように笑うと

その場に倒れていった。



穂乃果「あ…あ…!!希ちゃん達が……」ブツブツ


海未「穂乃果!行きますよ!

2人を助けに行きます!!!」


穂乃果 「嫌だ…希ちゃん…死んじゃやだよ!!ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさい…!!!」


海未 「穂乃果!!!!」パァン



穂乃果は、ハッと我に返る。

叩かれた頬は赤く腫れていた。




海未「なにしてるんです!

早く希たちを助けに行きますよ!!!」


穂乃果「希ちゃん…ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさい」



穂乃果はもう冷静ではいられなくなっていた。

穂乃果には、心の支えが必要だった。








炎の中に飛び込んでいった

唯一の頼れる海未は、このあと煙を吸い込み

穂乃果の前に現れることはなかったのだ。








希「う…同級生さん、こっちや…

こっちはまだ火が回っとらんはずやから!」


同級生 「東條先輩…ですよね?

どうして私を助けてくれるんですか?」


希「そんなの当たり前やん。

困った時はお互い様やで」ニコッ





学校の奥。

3年の教室付近までは、

まだ炎は到達していなかった。


運良くここは1階

無事、希と1年生の2人は脱出した。










希「はぁ…はぁ…穂乃果ちゃん…」


穂乃果「希ちゃん!!!!!!

うわああああああああああん!!!!

無事でよかったよおおおおおお!!!」


希「穂乃果ちゃん…海未ちゃん…は?」


穂乃果「……………………」





穂乃果は首を横にふる。




希「どういうことや!?

海未ちゃんは!?どこにおるん!?」


穂乃果「正面玄関…そこで…もう…」グスッ





希「!?まさか………!!!」



希は正面玄関に走り出す。

そこに倒れる海未に声をかけるが

もう、自分に話しかけくれることはない。









気付けば

頬に涙が伝わっていた。






もっともっと…一緒に笑っていたかった。

ウチと凛ちゃんがアホやって

海未ちゃんにいい加減にしなさい!

って怒られたり…


µ'sみんなでダンス頑張って…

ラブライブに出場して…

努力が実って優勝しちゃったりして…


きっときっと…

みんなが生きていれば…楽しい未来が待っていたんだろうな…











希 「うわあああああああああ!!!!」



希は声を出して泣いた。






海未、凛、花陽、絵里を

失ってしまったのだから。
















ーーーーーーーーことり






ことり 「………………希ちゃん…助けて…」




病室の扉が開くたび

びくりと肩を震わせることり。



西木野総合病院 精神科隔離病棟306


そんな一般客からは目に入らない

病院の奥まった一室に入院することになった。


真姫が両親の目を盗み

看護師に手配させた部屋である。





本当はそんなところに入れたくなかった。

だが、

普通の病室にいれれば両親の耳に入り

追い出されるに決まってる。

医者もあまり近寄らない場所といえば

精神科しかなかった。





真姫 「………………」


Prrrrr



希 「もしもし?どうしたん?真姫ちゃん

ウチに電話してくるなんて」


真姫 「ことりね、いまうちの病院にいるの」


希 「え…」


真姫 「私がパパの目を盗んで

看護師に手配させたの」









花陽が自殺した日

ことりは

目の前で仲間が死んだ恐怖に耐えきれず

対人恐怖症になってしまった。



それ以来、

彼女は楽しくおしゃべりすることはともかく

誰とも目を合わせられなくなった。





ことり 「ん…朝………」


目覚めるといつもの病室

でも、誰の立てる音も私の耳には届かない


だってここは…防音の部屋なんだもの。

真姫ちゃんが…ここにいていいって…

ことりだけの部屋を用意してくれたの。



仲間の真姫ちゃんでさえ怖くて

体が震えたけど、感謝しているよ。









コンコン




ことり 「!!!!」ビクッ



ガラッ



看護師 「南さん朝食の時間ですよ」


ことり 「あ…あ…!!!」ガタガタ









怖い………

誰か…たすけて…














希ちゃん…………………









看護師 「南さん…あの…朝食…」


ことり 「いやっ!!!!来ないでっ!」ガシャーン


コンコン


希 「…………失礼します」


看護師 「!!!」


ことり 「の、希ちゃんっ!!!!!

早く来てっ!ことり、この人に殺されちゃうよ!!!」ガタガタ



看護師 「あ、あの…このことは…先生には…」


希 「あ、大丈夫ですよ

真姫ちゃんに聞いてますから」


看護師 「真姫お嬢様……良かった…」





看護師はあからさまに安堵のため息をつく。

そんなに真姫ちゃんのお父さんは怖いのだろうか。



希 「あ、あとは私がやっておきます」


看護師 「ありがとうございます…私にはもう

こんな大変な仕事…無理です…」


ことり 「看護師のくせに情けない…」




看護師 「…………」


希 「あ、わたし東條希っていいます

ことりちゃんがこんな風になった理由

ご存知ですか?」


看護師 「いえ…私はなにも…」


希 「私たちの目の前で

仲間がひとり自殺したんです。

それで、目を開けたときには私以外の人に

触れなくなってしまったんです。」


看護師 「え…」


希 「だから、ことりちゃんには

もう私しか頼れるって言い方変ですけど

話せる人がいないんです。」


看護師 「でしたら…ここに住み込みで…」


希 「それは無理なんです」


看護師 「な、なぜですか?」


希 「私は、他のみんながこれ以上

おかしくならないように監視する役目があるんです」


ことり 「希ちゃん…ことりお腹すいちゃった」


希 「あぁ、そうやな。

ことりちゃんの好きそうなお菓子買ってきたで 」


ことり 「わあい♡希ちゃん大好き!!」




看護師 「で、ではわたしはこれで…」


ことり 「早く出ていって!!!」


希 「……………………………」


ことり 「ねえ、希ちゃん






























これからもずーーーっと

ことりの側から離れないでね?

や・く・そ・く」













ーーーーーーーーーにこ




ここあ 「ねぇ…お姉ちゃん…お腹すいたよお…」


こころ 「ここあ!!!

お姉さまが働いてくださってるのに

そんなこと言っちゃダメ!」


ここあ 「そんな事言って!!!

こころだってお腹すいてるんでしょ!?」


こころ 「………それは…」


にこ 「…………………………」ギリッ




パワハラという名の大きな壁

その先に待っているものは

店長というモンスター。



にこは限界を迎えていた。

最近の店長は、にこのことを更に嫌い


残業は当たり前


残業代は出なかった。


店長 「おい、矢澤。

お前今日店番ひとりだから」


にこ 「え!?」


店長 「俺は今日早上がり。他の奴らは

全員飲み会。暇なお前は1人で店番。」


にこ 「そんな…どうして私だけ…」


店長 「お前、家庭厳しいんじゃなかったか?

ここクビになったら他に行くとこあんのかよ

辞めさせられたくなかったら

いうこと聞いてりゃいいんだよ!!!」




にこはもう、店長のいいなりだった。



午前3時

やっと仕事が終わると、にこはフラフラと

自分の家に戻った。




ガチャ






「うわああああん!!!!」


「……んな………と……いわな…ってば!!!」



いつもなら静かな家の中が

今日はなんだか騒がしい。

もう日にちを跨いでいる。なのに

妹たちが起きていたのだ。




ここあ 「うわああああん!!!!

お腹すいたよおおおおご飯食べたいよおおお」


こころ 「そんなことお姉さまの前で

言わないでってば!!!」



小太郎 「あ………」











無言で台所に向かうにこ。

夜の矢澤家は、殺人現場と化した。



静まり返る矢澤家。

何処からともなく、

にこの狂ったような笑い声






にこ 「あはっ…とうとう私も穂乃果と一緒か

だけど捕まるなんてごめんだわ」


















でも………………………………












思 い っ キ り 邪 魔 ナ 存 在 ヲ

廃 除 し て カ ら 死 ニ た い 。





にこ 「そうだμ’sにもいるじゃない…

いつもうるさくて…すぐ泣く…私の大ッ嫌いな

あ・い・つ・が」


















Prrrrr


希 「もしもし?にこっち?どうしたん?」


にこ 「希に聞きたいことがあるんだけど」


希 「ん?なあに?」





















にこ 「ことりはどこにいるの………?」












希は、咄嗟に答えてはいけない。

そう感じた。

普段のにこの声ではなかったからだ。




にこ 「ねえ…希…答えて…ねえ…

ねえねえねえねえねえねえねえねえねえねえねえねえねえねえねえねえねえねえねえねえねえねえねえねえねえねえねえねえ!!!!!」



希 「ひっ!?」


希 「に、にこっち…!?」








ガチャン!!!!

ツー…ツー…ツー…ツー…




にこ 「なんで…なんでどうして???

どうして電話を切るのよおおおおおお!!!」


Prrrrrrrrrr

Prrrrrrrrrr

Prrrrrrrrrr



にこ 「希希希希希希希希希希希希希希希希希希希希希希希希希希希希希希希希希希希希希希希希希希希はやく電話に出て!!!!!!!」











にこ 「あ」










なんだ。簡単なことじゃない。




























真姫ちゃんに聞けばいいのよ

















真姫 「にこちゃんからだ…」


To.真姫ちゃん


ちょっと相談したいことがあるんだけど

今から出てこれない…?

急でごめんね(><)


From.にこ






To.にこちゃん


わかったわ。

ハンバーガー屋さんで待ち合わせしましょ

待ってるわ



From.maki












にこ 「あはははっ!」





カランカラン





ハンバーガー屋のドアが開くと

ベルがなる。

癖のある赤髪がにこの姿を捉えた。



真姫 「にこちゃんどうしたの?急に」


にこ 「単刀直入に聞くわ。

ことりの居場所しらない?」


にこの赤い目がギラリと光る。

その変化に真姫は気付いた。



真姫 「あ、あいにくだけど…私は知らな…」


にこ 「知ってるんでしょ?」



真姫 「!!!」





にこはカバンから

周りの客に見えないようにナイフを取り出す


にこ 「ねえ、真姫ちゃん。答えて」


真姫 「あ…あ…!!!」






にこ 「答えなさいって言ってるでしょおおおおおおおお!!!」ザクッ!!!!





キャーーー!!!!

ケイサツ!!!ダレカケイサツヨンデ!!!




ハンバーガー屋にいた客が

一斉に悲鳴をあげる。




真姫 「いやああああああ!!!

痛い痛いいいいいいい!!!」



真姫の腕には、赤い筋が出来ていく。

にこはナイフで腕を切りつけた。





にこ 「早く!!!答えなさい!!!」


真姫 「うぅ…っ!!!わ、わたしの病院…

精神科…306…」


にこ 「そう。






















ありがとう真姫ちゃん助かったわ」














私は今日、ことりを殺す。












ーーーーーーーー希



どうしてみんなは壊れてしまったん?




穂乃果ちゃんがμ’s作って…

ことりちゃんと海未ちゃんと3人で

アイドル活動をはじめた。


花陽ちゃんがずーっと憧れてて、

凛ちゃんと真姫ちゃんが背中を押して…

勇気を出して入部した。


ふふ。その場にいて

感動したかったなぁ…


にこっちは

素直に入りたいって言えばいいのに

ウチが後押しして…あれ?したっけ?



あ、後押ししたのは絵里ちか。



あの時、9人の歌の女神って意味で

μ’sつけてほんとによかったなぁ…










でも…あの時のような

キラキラしたみんなはどこにいったの???


もう会えない人もいる。

狂ってしまった人もいる。

今、誰が普通に生活してるか分からない。













どうして…?







……………………………?




あの時…




文化祭で熱を出した

穂乃果ちゃんのためを思って

みんなでラブライブ!を辞退した。



そのことを隠してて…

穂乃果ちゃんはショックを受けた。


ことりちゃんの留学のこともあって

μ’sはバラバラになってしまった。





辞めるといった穂乃果ちゃんと

留学するといったことりちゃんが帰ってきて

START:DASH!!を踊ったのは


きっとウチの夢の中。





きっと…1度バラバラになった時点で

もうみんなは壊れていたんや…。

かけがえの無い自分の居場所を失って…。



絵里ちは覚醒剤に手を出して…

ことりちゃんは身体を売って…

穂乃果ちゃんは犯罪者になってしまって…

海未ちゃんは犯罪を犯した

穂乃果ちゃんの手助けをしてて…

花陽ちゃんは凛ちゃんに切り捨てられて…

自殺してしまった…。

凛ちゃんは放火なんかやり始めて…

ウチは殺されかけた…。

真姫ちゃんは鬱病にかかって…

にこっちは精神病にかかって…











もう戻れないのかな…?

楽しかった…

キラキラしたあの頃にはーーーーー。














西木野総合病院



バンッ



にこ 「ねぇ、南ことりの病室はどこ?」


看護師B 「南ことり…?

そのような方は入院されておりませんが」


にこ 「嘘よ!!!!!

ねぇ!!!早く連れて行って!!!」


看護師A 「あの…あなたは真姫お嬢様の…」


にこ 「真姫ちゃんから聞いたのよ!!!

ここにことりは入院してるって!!!」


看護師B 「Aちょっと何か知ってるの?」


看護師A 「なにもしりません!!!

お引き取りください!!!」






そういったが、看護師は

なぜか出口には行かない。


にこを精神科病棟のある方へ誘導する





にこ 「ねえあんた何か知ってるの?」


看護師 「…私は、真姫お嬢様に頼まれて

南さんのことを匿っているんです」


にこ 「!!!」


看護師 「ですが…この事が先生にバレてしまうと…もうここにはいられない…

お願いですから、私がこのような事をしてることは…!!!」


にこ 「いいわよ。条件付きで。

このことは誰にも言わないであげる」























にこ 「今日1日ことりの病室には来ないで」














ーーーーーーことり







……………………なんだか今日は

とても嫌な予感がする。


ことりは布団の上で震えていた。

寒いわけじゃないのに、震えは増す。




ことり 「………………」


ことり 「………誰か…来る…」


ことり 「誰か来る!!!誰か来る!!!

嫌!!!!!!!誰か助けて!!!!!」







コンコン…


ことり 「いやあああああああああ!!!!!」








「…………………………………ことり」





ことり 「ひっ!嫌!!!ごめんなさい!

ごめんなさい!来ないで!!!!!!!」


カラカラ…

ピシャン






にこ 「やっとみつけた………………………」ニヤリ





ことりの前に現れたのは、

血にまみれた包丁を持ったにこだった。





ことり 「あ…あ…嫌…来ないで…来ないで!!!

いやあああああああああああ!!!!!!」


にこ 「ったくうるさいわねぇ~」




にこはことりに近づくと、

首筋に包丁を突きつける。


ことり 「ひっ!!!!!!」


対人恐怖症のことりにとって

自分のテリトリーに人が入り込むことは

死ぬことと一緒だった。

気が狂いそうだった。



ことり 「いや!!!!!」ドンッ



にこ 「きゃ!?」


自分の精一杯の力で

ベッドからにこを突き落とす。






それがことりに出来る唯一のことだった。







にこ 「ふふっあははっ!!!

あんたが世話係としておいてるあの看護師

今日1日ここには来ないわよ」


ことり 「そ、そんな…」


にこ 「だから、あんたは今日で

この世界とはさよなら。

違う世界で暮らすのよ」














セ 界








セ 界





暮 ラ












…… ?






ことり 「ね、ねぇ…にこちゃ…ん

どういう意味…?」


にこ 「こういうことよ」
















無機質な白い病院の壁に

赤い模様が描かれる。





にこが振りかざしたナイフは

ことりの心臓を貫いた。











にこ 「あーあ…穂乃果…私もあんたと同じよ

いや、あんたより残酷なことをしたわ

でもいいの。私すぐにことりの側へ行くわ」




にこはことりの隣で

自分の首にそれをあて、ゆっくりと引いた。


















Prrrrrrrrrrrrrrr



希 「ひっ!?だ、誰!?」


にことの電話のときから

希は自分の携帯が鳴ると、こうして怯える





Call 西木野総合病院



希 「あ、真姫ちゃん…」




Pi



希 「もしもし真姫ちゃ…


真姫 「希!!!!!大変なの!!!!」


希 「えっ?」


真姫 「ことりとにこちゃんが!!!」グスッ


希 「ど、どうしたん!?真姫ちゃん!!

何があったん!?真姫ちゃん!!!!」




希は携帯に向かって叫ぶ。

電話の向こうの真姫は

ただただ悲鳴をあげるばかり。






真姫は見てしまったらしい。

看護師から、にこが来ていると知らされ

様子を見に病室まで行ったのだ。


そこには、血まみれで倒れる

ことりとにこがいるとも知らずに…。











希は急いで病院に向かう。

自然と足が早くなった気がした。



看護師 「お客様!!!

院内では走らないでください!!!」


希 「真姫ちゃんはどこや!!!?」


病院の案内板を見て

精神科病棟へ向かった。




希 「306…ここやね…」



ガラッ




そこには、ショックで倒れた真姫と

血まみれで死んだことりとにこがいた。





希 「真姫ちゃん!!!

真姫ちゃんしっかりしてや!ねえ!!!」


真姫 「う…の、希…助けて…私…」ガタガタガタ


希 「何も言わんでええ。

何も言わずにここから立ち去るんや」


真姫 「でも…」


希 「大丈夫。ウチを信じて」




希と真姫は明らかに動揺して

病室を出ていった。













数ヵ月後


希 「久しぶりやね……真姫ちゃん…穂乃果ちゃん」


穂乃果 「…………久しぶり…」


真姫 「……久しぶり……静かね...」




生き残ったのはたった3人だけだった。

あんなに賑やかだった仲間たちが

次々と死んでしまったのだから。






真姫 「これから私達どうすればいいの?」


希 「…………」



希も真姫も沈黙する。

その沈黙をやぶったのは、穂乃果だった。

























穂乃果 「解散ライブをしよう」



希 「…………え?」


真姫 「ライブ……?」


穂乃果 「うん。μ'sの最後のライブだよ

学校の講堂で、穂乃果たちが初めて歌った曲

START:DASH!!を歌おうよ」







穂乃果にしてはいい意見だった。

希と真姫も、その意見に賛成した。











生徒A 「あ!!!ライブのお知らせだ!」


生徒B 「うそ!!!解散しちゃうの!?」


生徒C 「絶対見に行かなきゃ!!!」






こうして、3人のライブは

お客さんでいっぱいの

煌びやかなステージとなり、

解散という形となった。




穂乃果 「最後まで聞いてくれてありがとう!

もう知ってる人がほとんどだと思うけど

穂乃果たち、今日で解散するの。

たくさんの応援ありがとう!

本当に本当に感謝しています!!!!!」


真姫 「……グスッ」


希 「…………」ポロッ




穂乃果 「今日で穂乃果達のステージはおしまい

そして…………………………」






























グサッ!!!!!!!!!












真姫 「…………え?」











穂乃果 「穂乃果たち3人の命もおしまいだよ」



希 「!?」





きゃあああああああ!!!!???


だれか!!!!救急車よんで!!!!







観客がざわめき、一目散に逃げ出す。

マイクを握っていたはずの穂乃果は

紅く染まった刃物を握り


さっきまで感動の涙を流していた真姫は

紅い薔薇を咲かせステージに倒れている。






希 「穂乃果ちゃん!!?やめ……」ズグリ


穂乃果 「もう遅いよ希ちゃん」















穂乃果 「穂乃果たち揃って

…………………………みんなに会いに行こう」








煌びやかなステージは

一瞬で殺人現場と化し、

音ノ木坂のスクールアイドルで

生存している者は誰1人いなかった。







【 完】




















希 「残酷な世界やね」おまけ

もしも、誰も死なないハッピーエンドだったら



海未の場合


穂乃果 「希ちゃん!よかった!無事だったんだね!」


希 「なぁ……海未ちゃんは?」


穂乃果 「……ぐすっ……」


穂乃果はふるふると首を横にふる。

まさか……!と思い、希は正面玄関に倒れる海未に近づく。



希 「海未ちゃん!!!海未ちゃん!!!」



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このSSへのコメント

16件コメントされています

1: xxxv 2015-02-27 22:26:32 ID: xmB-X2h3

鬱ライブでの穂乃果は狂気キャラが似合いますよね。

更新、楽しみにしています。

2: SS好きの名無しさん 2015-04-02 14:53:38 ID: TeWYegxU

続きはよ

3: SS好きの名無しさん 2015-04-08 02:19:41 ID: o1opLt88

次も楽しみです。
穂乃果ちゃんのキャラが合っていました。
ぜひ頑張って下さい

4: RYO 2015-04-11 09:06:13 ID: 8J-7Khrf

すごいな…どうしてこんなに引き込まれるのか不思議
続き待ってます

5: SS好きの名無しさん 2015-04-29 15:15:40 ID: EUPn16Wc

続ききになります!

6: SS好きの名無しさん 2015-08-15 18:36:43 ID: diSaNK2d

応援してます。がんばってください!

7: SS好きの名無しさん 2015-08-18 16:08:44 ID: QT7dLekY

これは良い鬱
続き期待してます

8: SS好きの名無しさん 2015-08-31 03:00:57 ID: 5NYYxSij

850円とかパワハラどころじゃねえだろwwwwww

9: SS好きの名無しさん 2015-09-04 12:55:35 ID: 8bcKWoE5

続き期待しています

10: SS好きの名無しさん 2015-09-17 11:21:07 ID: UYI8Hr00

早く続きみたいです

11: SS好きの名無しさん 2015-10-07 23:59:07 ID: R8lFNKqs

にこおおぉぉぉぉぉぉぉっっっ!!!

12: SS好きの名無しさん 2016-01-09 23:06:05 ID: QxLzqDWY

なぜか嫌な気持ちになりながら
かわいそうな意味で泣ける

13: SS好きの名無しさん 2016-04-02 20:14:43 ID: 3pMeGPTU

いろいろ現実味無さすぎw
こんなのを本気で泣けるとか面白いとか言ってるのは小学生?

14: SS好きの名無しさん 2016-05-31 08:55:57 ID: carBPLFX

かっこよかった

15: SS好きの名無しさん 2017-01-03 17:24:41 ID: VVf4tASN

続きまだですか?

16: SS好きの名無しさん 2018-04-12 07:51:01 ID: zT4MqiwB

早く続きが見たい


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1: SS好きの名無しさん 2015-08-30 14:54:12 ID: 5ddojUrG

とてもおもしろいです
作者さん、がんばってください

2: SS好きの名無しさん 2015-11-02 23:32:53 ID: 7pfoR3As

これは面白い
引き込まれるな


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