2018-09-09 08:36:55 更新

前書き

北上が好きなんです。


深海棲艦との戦闘が終わり、はや10数年。深海棲艦という敵を失った日本海軍は、自衛隊に再び戻り、艦娘を統率していた組織は事実上解散した。


艦娘達は、新たに日本国籍を得て、日本国内で自由に過ごすこととなった。その、多くは退役し、アイドルになるもの、料亭を始めるものなど、様々だた。


「どうして北上さんは退役しないんですか?」


現在の海上自衛隊。旧日本海軍時代から整備士をしていた僕は、ただ1人、この、田舎の鎮守府に艦娘として残る軽巡洋艦である北上さんに尋ねた。


「さー、なんでだろうね」


イージス艦のくるくる回るレーダーの模型をいじりながら北上さんは適当にあしらう。


「てっきり、大井さんが退役する時に一緒に辞めるものかと思ってましたよ」


「大井っちには大井っちの人生があるからねー。私が着いていくわけにもいかないでしょ?それに今でも毎日メール来るし。寂しくなんかないよー」


北上さんはこっちを向いてくれない。

僕は仕方なく、工具箱を整理することにした。


しばらくすると、コーヒーのいい匂いがした。僕は匂いの方向を見ると、北上さんが、コーヒーを持って立っていた。


「そろそろ休憩したほうがいーよ」


「少し待ってください」


僕は整理を続けようとする。


「あーもう、君はすぐにそうやって集中する。」


僕が取ろうとした、溶接用の道具が北上さんに持っていかれる。


「何するんですか」


「君がちゃんと休憩するまで、これは返さないよ?」


そう言われると、どうしようもなかった。


「それで、どうして北上さんは退役せずに残ってるんですか?」


「まだ続いてたのか」


北上さんが笑う。


「そうだねー...、どうして残ってるかって聞かれたら...それは君には教えられないよ」


「いや、今の流れでなんでそうなるんですか?!」


「仕方ないよ、話せないんだから」


そう言いながらコーヒーをもう一杯淹れてくれる。


「海軍時代からの仲じゃないですか、教えてくださいよ?」


すると北上さんはニコッと笑って


「海軍時代からの仲だから気づいてほしいなー」


なんて言うのだ。


海軍時代からの仲だから...一体それがとう言うことを指すのか..もしかしたら、聞かれたくない重たい過去があるのか...。


北上さんの笑顔にそんな裏があるとは思えなかった。


いや、思いたくないだけかもしれないが...




あの後、道具を返された僕は工具箱の整理を再び始めてしまった。そして、その先を聞きそびれた。


「さぁ、今日はこの辺にしとこう」


北上さんがスクっと立ち上がる。


「もう5時半ですか、早いですね」


「君は機械いじりに専念しすぎなんだよ!」


北上さんが頭をわしゃわしゃしてくる。

この角度で見る北上さんはなんだかお姉ちゃんみたいだ。


「機械いじりが、仕事なんですけどね...」


僕は渋々立ち上がる。すると、北上さんに腕を掴まれた。


「ちょ、どうしたんですか...?」


ぼくが 驚きつつ尋ねてみる。すると、北上さんはニコッと笑って


「さて、今日は飲みに付き合ってもらおう。」


と言った。


[飲み屋 龍驤]


「いらっしゃーい、って、なんや、北上と整備の兄ちゃんやんか」


龍驤さんの元気な声が聞こえる。


「やっほー、龍驤さん、久しぶりだねー」


「ホンマやなぁ、うちが退役してからやから4年ぶりくらいやな」


「うん、そうだねー、あーそういえばさぁ...」


2人の間に話が弾む。僕はその2人を横目に席に座った。


「でもまさか龍驤さんが、飲み屋とはねぇ」


「うちも、艦娘やった頃はそんなん考えたことあらんかったわ。そういや、整備の兄ちゃんも、久しぶりやな」


ここで、僕に話が振られる。


「そうですね。そういえばそこにあるのは飛行甲板ですか?」


僕は壁にかけられているものを指さす。


「そうやで、兄ちゃんが始めて自分で開発した飛行機が飛び立ったのはこの飛行甲板やからなぁ。触ってもええで」


「遠慮しておきます。」


「なんや、君も大人になったなぁ」


なんて龍驤さんに言われる。


「あの当時が遠慮なさすぎたんですよ。」


僕がそう言うと、確かにね、と言いながら北上さんが爆笑していた。


「ほんでなんや?2人の結婚発表でもしに来たんか?」


少し和やかな雰囲気になった時、龍驤さんがそんなことを言い出す。


「残念ながら違うんだー、」


北上さんが答える。僕は何故か恥ずかしくなって黙ってしまう。


「なんや、ちゃうんか、それでも2人とも、まだ自衛隊におって、独身なんやろ?年齢的に...」


「はいはい、なんか、田舎のオバチャンみたいになってるよ」


北上さんが言葉を遮る。


「お、オバチャンってなんやねん!」


龍驤さんはそう叫ぶと少し恥ずかしそうに、調理場に戻っていった。


「龍驤変わんないなー」


北上さんが僕の前の席に座る。


「そう思うと、あのころってなかなか賑やかでしたよね。」


「そうだよねー。あたしと、君がいると、龍驤がいつも絡んできて、大井っちが君にブチ切れての繰り返しだったもん」


「大井さん、そう思うとよく一般男性と結婚しましたよね。」


僕は昨日届いた結婚式の招待状を思い出す。


「そうだよねー、私一筋だと信じてたのに」


およよ、と、茶化すように北上さんが泣く真似をする。ここに大井さんがいたら絶対あたふたしているだろう。


「でも意外だったのが僕の招待状があったことですよ。」


いつも魚雷向けられて追いかけ回すほど嫌われていたのに、


「いやいや、普通でしょ...だって君は大井っちの...おっとこれは秘密だったね」


「えっ、ちょっと、気になりますよ」


「えー、やだ。私が教えたくない」


教えたくないって...何と中途半端な。


「はいお待ち、君らがいつも飲んでた日本酒、これやろ」


そこには懐かしい銘柄の日本酒が。


「あれ、これって生産終了したんじゃなかった?」


これは僕らが海軍時代に売っていたお酒だ。よく北上さんと非番の日に工場の休憩所で飲んで、明石さんに怒られたなぁ。(途中から一緒に飲んでたけど)


「実はな、ここの酒蔵がうちの旦那の友達んとこでな、うちように卸して貰っとるんや」


自慢げに胸を張る龍驤さん


「ない胸張っても、ダメだよ」


「は、はぁ?!これでも旦那に揉まれて、少しはデカなったんやで?!って何言わせんねん!」


1人でノリツッコミをしている龍驤さん。てか、ご飯前に下ネタはやめてください


「とにかく、このお酒が君と飲めるなら、ここはこれから行きつけだねぇ」


北上さんが突然僕に話を振る。


「そうですね。僕もこのお酒大好きですし...今度明石さんを呼びますか?」


「あー、どうだろ、明石に電話してみる」


そう言うと北上さんは店の外に出ていく


「ところで兄ちゃん、北上とはどこまで行ったんや?」


僕の隣にサラッと座っていた龍驤さんに話しかけられる。


「え?どこまでって...?」


「なんや、なんもないんか?」


「いや、だから、なんの話ですか?」


「はぁーー...これは北上も苦労するわ」


ため息を何回もつきながら、龍驤さんは厨房に戻っていく。


一体なんの話だろうか...?


ガラガラ


「いやー驚いたよ」


北上さんが戻ってくる。


「何がですか?」


「まさか明石が結婚して今ハワイにいるなんて」


「えぇ?!」


あの明石さんが...ハワイ?


「それで、今は無効で中古車の修理販売してるらしいよ、ちなみに旦那はホテルのオーナー」


「それは凄いですね...」


「もう簡単に飲みに行けないねぇ...」


少し寂しい雰囲気がある。いつもお酒を呑んでいた仲間が遠くに行ってしまったような、そんな気がした。


「ほらな、やっぱりあんたらも結婚考えやなあかんのちゃう?」


龍驤さん僕の方をじっと見て言う。


「いや、まだ考えられないですね...」


「私も、ある程度は頑張ってるけどねぇー」


そう言って北上さんもまたチラ見する。


「そんなに結婚って大事ですか?」


僕はふと、そんな言葉を漏らす。


すると、


「北上。どうやらかなり難関にぶち当たったようや」


と、龍驤さんがそっと北上さんの肩に手を当てる。


「そうだねー...はぁ。」


そして、とても残念そうな顔をうかべる北上さん。



まさか、自分の親以外に将来を心配されるなんて思ってもいなかった。



龍驤さんの店を出て、僕達はホームセンターで工具を買って、帰路に就いていた。



「いやぁ、にしても美味しかったですね。」


「そうだねー、また行こう」


そう言う、北上さんは足元がフラフラである。


「北上さん、お酒弱くなりました?」


「そんなことない...はずよ?」


「もう口調が無茶苦茶ですよ。」


「うるさいよぉーー」


そう言って、僕の口をつねる。


「もう、やめてくださいよ」


「いい加減気づいてよ...」


「え?どうしましたか?」


「ちぇーっ、いけず」


北上さんはそっぽ向いてしまった。

なんだか今日は機嫌が悪いようだった。




今日は非番。流石の暑さに工場へ行って機械をいじる気力もなく。僕は1人、部屋で霧○峰の改良をしていた。


コンコン


ドアを叩く音がする。


「はーい」


「スーパー北上さまだよー」


「なんだ北上さんか」


僕はそう言ってドアを開ける。


「もー、なんだとは失礼だなぁ」


北上さんは僕の肩を軽く叩く。


「あはは、そう言えばどうしたんですか?」


「いやねぇ、非番があまりにも暇だから...アイスの差し入れ」


そう言うと北神さんは袋からアイスを取り出した。


「わっ!ありがとうございます。」


「もう、君と北上さまとの仲じゃん。ささ、早くたべよ」


「では遠慮なく」


そうして、僕達はアイスを食べた。


「君は何をしているのだい?」


アイスを先に食べ終えた北上さんに話しかけられる。


「霧○峰の改良です」


「いや、ダメでしょ」


「自己責任なのでセーフです」


「いや、エアコン使わないで部屋にいることだよ」


北上さんが少し怒っている。


「でも扇風機回ってますし」


「温度計34.5度だけど」


「外より3度低いです」


「死にたいの?」


謎の威圧を感じる


「ごめんなさい」


北上さんは、はぁ、っと息をつく。


「もう、どうせすぐにはエアコンは動かないんでしょ?なら夜まで私の部屋に来てよ」


そう言って北上さんは立ち上がる。


「部屋ですか?」


「ここで死ぬつもり?」


ジト目で見られる。こうなると振り切るのは難しい。


「さっ、行こう。」



「おじゃましまーす」


「適当に座ってて」


僕はいつもの定位置に座る。


「はい、お茶」


北上さんからお茶を差し出される、実は北上さん。最近紅茶の検定で、資格を取得したらしい。


本人曰く、大井さんに勧められてということだが、昔から大井さんの淹れる紅茶が好きだったので嬉しい限りだ。


「いただきます。」


僕は少し香りを感じてから、口をつける。


僕が1口、2口飲むと、北上さんはいつもこう聞いてくる。


「どう?大井っちより美味しい?」


一体なんの対抗心なのか...というか、今まで、北上さんには紅茶より緑茶の方が似合っていると勝手に思っていた。それが、何故か対抗するかのように紅茶を勉強しているのだ。


「そうですね、最近は大井さんのお茶を飲んでないので分かりませんが...今までの北上さんの中では1番美味しいと思います。」


僕は素直な感想を述べる。というのも、北上さんがそれを望んでいるのだ。1度気を使って、美味しい美味しい言いすぎたら、怒られてしまったからだ。


「よっしゃ」


北上さんが小さくガッツポーズをする。そんな、姿を見ていると、なんだか平和だなぁと思ってしまうのだ。


「では北上さん」


「うん?」


「紅茶のお礼にいつものあれ、しますよ。」


僕は北上さんの机の横においてある、あるものを取り出しながら、伝える。


「そうだねぇ、先週してもらったばっかりだけど...やってもらおー」


そう言うと遠慮なく北上さんは僕の膝に頭を置く。それにしてもいつ見ても綺麗な髪だ。


「それじゃあ、左耳から始めますね。」


僕が、そう言うと北上さんは目をつぶる。そして、僕はそれを見てから、綿棒で北上さんの左耳をゆっくりと、傷つけないように、掃除していく。


「んっ」


北上さんが気持ちよさそうな声を出す。僕は機械いじりが好きからなのか、手が器用で、こういった耳掃除や爪切りが得意なのだ。


僕らは特に会話をせず耳掃除を続ける。


三分ほどすると、左耳はきれいさっぱり、耳垢を、取り除くことが出来た。


「北上さん。次は右耳ですよ。」


僕は声をかける。でも返事がない。


「スーピー」


どうやら寝てしまったようだ。僕は起こさないように北上さんを持ち上げ、ベッドの上に寝かせた。


「これなら腰を痛めないだろう。」


我ながらよくできた気遣いだ。少し満足する。


「そうじゃないんだよ......」


なんか北上さんが寝言を言っている。その顔は可愛い。


「じゃあ、僕は夕飯の買い出しでもいくか。」


僕は買い物に行くことにした。北上さんは夕飯なにか用意しているのだろえか...?


いっそのこと二人分買ってくるか。


そうすると献立をどうしようか、悩むところだが、北上さんを起こすわけにもいかないので、お好み焼きにすることにした。


「それじゃあ行ってきます」


僕はトートバッグを片手に北上さんの部屋をあとにした。



「アホ、バーカ」





「戻りました」


僕は夕飯の具材を片手に北上さんの部屋に戻ってきた。


「おかえりー、何してたの?」


「夕飯を買いに行ってました。北上さんも食べます?」


「おー、もらおう、もらおう」


そういう北上さんは何故か目を合わせてくれない。


チラッ


僕が北上さんの顔をのぞき込む。


フイッ


北上さんは僕を目線から外す。


そんな攻防を少し続ける。


でもどうやら埒が明かないようだ。


「...あの?北上さん。なにか怒ってます?」


僕が恐る恐る尋ねる。てか、かすかにお酒の匂いがする。


「どうせ君には分からないよーん」


いつもの口調なのに顔だけすねている北上さんが答える。


「ほら、ケーキ買ってきましたから」


僕は伊良湖さんの喫茶店のチーズケーキを差し出す。


「こ、こんなの...いいもん」


でもどうやらダメなようだ。今日は女の子の日なのかもしれない。仕方ない


「はぁ、そうですか...それなら、工場にいる夕張さんと食べようかな」


「そ、それはダメ」


何故か強く否定してくる北上さん。


「うわっ!びっくりした。」


「私食べるから。メロンちゃんだけは一緒に食べちゃダメ。」


何故か猛烈に反対される。


「わ、わかりましたから」


でも。僕はどうしていいか分からず、慌てるしかなかった。



夕張さんは、北上さんとは違い、現役の艦娘ではない。というのも、実は夕張さんは工場主である所長と結婚したのだ。


「それで、北上さんが拗ねたんですか...?」


「ええ...夕張さんにケーキを取られたくなかったらしくて」


「アホだこいつ」


唐突に罵倒された。


「それで、拗ねて布団でグズグズしてて、どうしたらいいか分からなくて...」


「仕方ないですね...って言っても、私が行ったら多分状況悪化しますよ?」


「え?なんでですか?」


「やっぱアホだこいつ」


2回目罵倒された。一方布団にいる北上さんはなにかブツブツ言っている。


「人妻に取られたくない。人妻に取られたくない」ブツブツ


何言ってるかよく聞こえないけど、多分寝言だから大丈夫だろう。


「とりあえず、夕張さん。助けてくださいよ」


「もう、いっその事、後ろから抱きつけば?」


「は?」


何言ってんだこの人。抱きつく?北上さんに?事案ですよ...


「は?じゃなくて、抱きついたらどうですか?」


「いや、何言ってるんですか...?」


「はぁ...」


とうとうため息をつかれてしまった...。


「もう、君のことなんか知らない」


後ろでは北上さんが何故か猛烈に拗ねている。


「あーもう。北上さんに電話変わって貰えない?」


痺れを切らしたのか、夕張さんが、電話を代わるように要求する。


「分かりました。」


僕は北上さんに、何とか電話を代わるように説得した。てか、酒臭いぞ、いつ飲んだんだ。


「んー、もしもし」


北上さんが答える。残念ながらなんの会話をしているかは、わからない。


「え?本当?」


なにか嬉しそうに北上さんが答える。


「それならいいけど、うん。わかった」


やたら元気になった北上さん。電話を切るとまた布団に潜る。


「もぅ、君も意地悪だよ。」


何故かニヤニヤしている北上さん。絶対に酔ってるぞ。てか、机の上にウイスキーがあるのですが...。


「北上さん...これ」


僕は恐る恐る、ウイスキーを指さす。


「あっ、昨日、龍驤さんに頼んだんだ。さっき届いた。」


そう言いながらコップに注ぐ。


「さぁさぁ、君も飲みなよ」


「いや、流石にウイスキーロックは...」


「私のお酒が飲めないのか」


「なんの真似ですか...?」


「もーちょっとはのってよ」


北上さんが頬を膨らます。


「そんなこと言ってないで、水飲んで寝てください。」


「そう言って襲うつもり?」


「違います」


「ちぇー」


何がちぇーだ、事案ですよ、僕の首が飛びます。




北上さんをある程度介抱した後、僕はお好み焼きを作り始めた。


部屋の中には香ばしい香りが漂う。


その時、部屋を誰かがノックする音が聞こえた。


「はいはい。」


僕は北上さんの代わりに玄関に向かう。


「やぁ、久しぶり。」


そこには提督の姿があった。



「やーやー、提督。お久しぶりだねぇ」


「北上に、君も、元気にしていたかい?」


提督は日本酒を持参してやってきた。

北上さんはそれを飲む。


「それにしても、君たちいつから同棲を始めたんだい?」


「3年前からだよ」


「北上さん。流れるような嘘はやめてください」


気がつけば宴会になっていた。たまたま作り置き用のお好み焼きの材料も買っておいて正解だったようだ。



「それにしても、提督はなにをしにここへ?」


「言い忘れてたけど、私今は提督じゃないからな。」


「えっ?そうなの?」


北上さんが驚くような声を出す。


「あぁ、今は結婚した長門と共にペットショップをやってるんだ」



......


部屋が静まりかえる。



「長門と...結婚...?」


いや、北上さんそこじゃないです。突っ込むところ。


「ペットショップですか?」


「あぁ、退役した時に貰った報奨金をはたいて作ったんだ」


なかなかイメージがわかない。


「長門さんって動物好きなんですか?」


「あれ?知らなかったのか?」


そこで提督が驚いた声を出す。


「あいつ、執務室でハムスターと、うさぎ飼ってたぞ...」


意外な過去に北上さんが大笑いする



「いやー、まさか艦隊のリーダーながもんにそんな過去があるとは」


「あいつ、隠してたのか」


今度は提督が苦笑いする。


「で、提督の要件はなんなの?」


北上さんが改めて聞く。


「いや何、今朝龍驤とばったり会ってな、整備士のお前のことなんだけど、まだ結婚してないんだろ?私の親戚に独身の子がいてな、そのことお見合いしてもら...」


「え?ちょっ、ちょっと待って!」


そこに、北上さんが割ってはいる。


「どうしたんだ北上」


提督がそう言うと、北上さんは提督を連れて部屋の外へ出ていく。



それにしてもお見合いか...考えたこと無かったな。今まで女の子と付き合うなんてなかったし、でも年齢的にはもう結婚しててもおかしくないのか。


そう思うと、色々考える節がある。


「おまたせ」


提督と北上さんが戻ってきた。提督がなぜかげっそりした顔をしている。


「なんの話をしてたんですか」


「君のお見...イテテテテテ」


「世間話だよー」


ニコニコしながら話す北上さん。それに比べて提督は死にそうな顔をしている。


「北上何するんだ!」


「うるさいなぁ...そんなんだから、長門さんにいつまでも主導権握られてるんだよ?」


「一体...なんのはな...」


「なんの話しじゃないよ。」


提督が苦笑いする。


「じゃあ、俺はそろそろお暇するよ」


提督は荷物を持って立ち上がった。


「提督、また来てね!」


北上さんがピースで見送る。


「あぁ、整備士君もぜひ今度、うちの店に来てくれ、お見合...」


北上さんにすねを蹴られていた。




「じゃあ、僕も部屋に戻ります」


「いやいや、部屋に戻るったって、エアコンどうするの?」


「まぁ、何とかなりますよ」


「熱帯夜なのに?」


「そこまで暑くな...」


「33度湿度72%だよ」


北上さんがジト目で見てくる。


「氷枕すれば...」


「そんなのすぐ溶けるよ?」


「溶けないですよ...」


「板状の氷は痛いよ...?」


ぐうの音も出ない...












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2018-09-09 10:10:09

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2018-08-25 11:09:45

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2018-08-23 15:27:00

藤川さんから
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ぬさぬさんから
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京哉提督@暇人さんから
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1: SS好きの名無しさん 2018-07-29 12:48:27 ID: 6KdWM815

やべぇ、続き気になる

2: ぬさぬ 2018-08-02 08:03:55 ID: E7OsvIH4

続きがはやくみたい
この作品は僕が好きそうな匂いがする

3: 狸蟹 2018-08-03 07:33:43 ID: Fv57jLAm

龍驤が居酒屋!?ちょっと危険な匂いがしますねw
続き楽しみにしてます!

4: SS好きの名無しさん 2018-08-08 14:43:07 ID: 0fbBgsw6

俺氏「おうふ(サトウドバァー」
俺氏「コーヒーを飲もう。とびきり苦い奴を」
数分後

俺氏「誰よコーヒーに砂糖入れた奴!!」
畜生めぇぇぇ!!!

5: SS好きの名無しさん 2018-08-10 13:32:46 ID: 7kdaDlhe

メロンちゃん……いたのか…

6: SS好きの名無しさん 2018-09-09 10:10:48 ID: YY9upYQT

ライブドアニュース(9月8日(土))

海上自衛隊、護衛艦『かが』に中国海軍フリゲート艦2隻が接近

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