2019-12-18 07:49:54 更新

概要

あまり主役にされない艦娘のイチャラブ(?)を書きたいと思います。
文章を書くのは10数年ぶりなので、生暖かい目で見てくださいな。

2019/06/26 続編を作ることにしました。良ければご覧になってください。
2019/06/23 提督と金剛(じゃないよ霧島)との飲み合いが終わったら、移転します。霧島がおかしいと思ったら、コメントください(筆者は酔うとこうなる事もある)
2019/06/19 これ、10万文字で収まらないよな・・・
2019/06/18 さぁ、想定外の部分まで来ました! ラスト以外、何も考えてねぇ・・・w
2019/06/05 う~ん、細かく書いてるのか、だらだら書いてるのか・・・
2019/05/03 瑞鶴と何かある前に、長月とのシーンを挟むのを忘れてましたw
2019/03/10 暗いシーンばかり続きますが、コメディにしますのでご安心を!
2019/02/21 やっと山場にとりかかれました。
2019/02/20 睦月型多すぎぃ! 話が進みません!
2019/02/13 陸さんの話を書いてますが、現役陸自だと本当に反射神経で号令に従います。
2019/02/12 やべぇ、うちの鎮守府の日常になりつつある・・・


あ、変態と言うか、ロリコン注意です。
いよいよ書きたいところに差し掛かりました。
が、艦娘の轟沈表現があります。マイルドなつもりですが、気になる方はご注意を。


前書き

嫁艦ではないのですが、あまりにお気に入りの艦娘とのいちゃらぶがないので、自給自足に乗り出すことにしました。
作中でハリセンボンもフグ科と言ってますが、フグ目ハリセンボン科の間違いでした。

ギャー! レイテ前って設定だったのに、ガンビア・ベイが出てました!
同じ事ができる子に修正しました。

2019/03/08 書きたかったところを書きましたが、描写が足りませんので、間に挟みます。
2019/04/28 私生活のゴタゴタが少し片付いたので、復帰しました。
2019/05/09 ついに書きたかったところまで書けました! さ~、この後の展開、どうしましょ?


プロローグ



金剛「Hey テートクう、これでLastです!」


提督「はいよ。これで書類仕事はおしまい、っと」


金剛「まだeveningには早いですが、何をしますカー?」


提督「月曜日だからな、本営から来てる無駄な任務の消化だな。どうなってる?」


金剛「『あ号』が80%デスネー」


提督「そうか。後はルーチンワークだな。お茶もらえるか?」


金剛「提督はsofaで待っててくださいネー。いつも通り、sugarたっぷりですネー」


提督「あぁ、頼む」




金剛「Hey テートクゥ。お待たせしましたー」


提督「いつもながら横に座ろうとするんじゃない! えぇい、くっつくな! 柔らけぇ!」


金剛「mouthではそう言っても、BodyはHonesty(正直)ネー」


提督「どこで覚えたそんな言葉! 向かいに座れ向かいに!」


金剛「マッタク、提督はStoicネ」


提督「ストイックじゃねぇよ」


提督「金剛みたいな美人に好かれるのは嬉しいけどな、」


金剛「ワァオ! 提督にBeauty言われたヨー! 提督、I love you!」


提督「話は最後まで聞け! 言わせろ! そしてノーサンキューだ」


金剛「提督はBeautyは嫌いデスカー?」


提督「嫌いじゃないが、好みじゃない」


コンコン


提督「どうぞー」


卯月「お疲れぴょん! 『最強の天龍隊』遠征から帰ったぴょん」


提督「おぉ、お疲れ様。報告事項はなんかある?」


卯月「無いぴょん。普通に成功したぴょん」


提督「こっちまで来るのは面倒だろうに。荷上場のパソコンで入力すりゃ、メールが入るようにしてあるんだぜ?」


卯月「だってそれだけじゃ、素敵な司令官に会えないぴょん」


提督「嬉しいこと言ってくれじゃねぇか」


卯月「な~んて、嘘ぴょ~ん! 報告おわり~」タタタタタ・・・


提督「・・・・」


金剛「無言でこっち見ないでくだサイ・・・」


提督「まぁ、何だ。紅茶、旨いよ・・・」


金剛「You are welcome」(どういたしまして)


提督「しかしまぁ、睦月型の遠征稼働率は、どうにかせんとな」


金剛「どうするんデス?」


提督「日常訓練しかしてない駆逐艦がいるだろ? 入れ替えを検討してみよう」


金剛「OK じゃdataをまとめるネー」


提督「ちょい待ち、あと10分休もう」



金剛の疑問



金剛型自室



金剛「と言う事があったネー」


比叡「指令は何を考えてるのでしょうか? 金剛お姉さまはこんなに魅力的なのに・・・」


榛名「実は私も・・・」


金剛「What?」


榛名「いえ、大したことじゃないんです。執務中、たまたま指先が触れ合うことがあったのですが・・・」


金剛「提督の指先のFeelはどうでしたか?」


榛名「はい! 男らしく少し硬い、逞しい・・・」


霧島「はいそこまで。話が逸れてますよ?」


榛名「そうでした。それで提督は、熱いものにでも触ったかのように、手を引っ込めてしまいました」ションボリ


金剛「提督は、Bodytouchを嫌がるんですよネー」


比叡「あっ! もしかして・・・」


金剛「What? 比叡、何か思い当たる事でもあるんですカ?」


榛名「言ってください、榛名は大丈夫です!」


比叡「いや~、こう言うのも難ですけど、艦娘って大人の戦艦から幼女の海防艦まで、美女美少女揃いじゃないですか」


金剛「ふんふん」


榛名「続けてください」


比叡「でも、誰にも嫌らしい目を向けてないじゃないですか?」


金剛「Stoicなんですヨー」


比叡「そうじゃなくて、女性に興味がないとか・・・ あはは」


金剛「提督が・・・ ホモ?」


榛名「はい・・・ 榛名は提督がホモでも、ダイジョウブです・・・」ハイライトオフ


金剛「Nooooooo! Noなんだからネ~! そんなUnproductive(非生産的)なのは、No Godネ~!」


霧島「はいそこまで。指令が同性愛者だというのはあり得ません」


金剛「really?」


霧島「私のデータによると、司令が同性愛者の確率は、せいぜい5%でしょうか」


比叡「それ、有名な映画の探偵のセリフなら、100%じゃない」


霧島「Lじゃ無いんですから」


霧島「お姉さま、以前に私に頼んだことを覚えてますか?」


金剛「What 何をオネガイしましたっケ?」


霧島「指令の女性の好みを知りたいから、秘書艦の傾向をまとめろ、そう仰ったじゃないですか?」


金剛「Oh! 忘れてたネー! で、どうなんでス?」


霧島「はぁ。秘書艦はほぼ戦艦、重巡に偏ってます」


霧島「たまに軽巡。多いのは大淀さんですね。駆逐艦や潜水艦、海防艦の秘書艦はまずありません」


霧島「装備の改修に、たまに小型艦と一緒にいますが、その程度ですね」


金剛「そうですカー、Thank you 霧島」


比叡「ほぇ~、まるで霧島が頭脳派のように・・・」


霧島「いえ、これだけでは、データを並べただけです」


霧島「指令はお酒が好きだと言うのはご存知ですよね?」


金剛「私がdrinkにさそった時も、嫌そうにはしませんデシタネー」


霧島「そこで集めた情報なのですが、司令は駆逐艦や海防艦、見た目の幼い艦娘が飲酒できるのか知りたいそうです」


金剛「Why?」


霧島「そこまでは判りません。福利厚生の一種だと言ってたそうですが・・・」


霧島「そしてお姉さまが一番欲しい情報でしょう、これは」


霧島「指令には、好きな女性がいるそうです」


金剛「What!? 霧島、更に調べてクダサイ! hurry hurry hurry hurry up!」


霧島「わかりました」


霧島「そしてお姉さま、領収書です」


金剛「What?」


霧島「居酒屋の情報、青葉さんからなんですよ・・・」


金剛「NO~~~~~!」


榛名「はイ、司令ガ同性愛者デも、榛名は大丈ブでス・・・」ハイライトオフ


金剛「榛名は帰ってくるネー!」



お酒の時間



提督私室:夜


コンコン


大淀「提督、よろしいでしょうか?」


提督「あぁ、お淀さん、何?」


大淀「カウンセリングのお時間です」


提督「とか言って、お盆の上にあるレッドラベル(ウィスキー)とチーズは何だよ」


大淀「提督に必要なお薬ですよ」クスッ


提督「ま、飲まない理由もないし、頂こうか」


提督「いやまぁ、ホテルのルームサービス並みに貰えるのは有り難いね」


大淀「私も提督とお酒が飲めるのは嬉しいですよ」



大淀「話は変わるのですが提督、一応、お耳に入れといた方が良いことがあります」


提督「はいはい? 酒が旨くなる話なら良いんだけど」


大淀「どうでしょう? 金剛型4姉妹が、提督のことを探ってるんですよ」


提督「金剛か~、いつかやるとは思ってたけどな~」


大淀「だから今日は、こっちにお持ちしたんですよ」


大淀「鳳翔さんのところで、深酒してポロリとこぼしたら大事ですから」


提督「なぁ? 我が性癖ながら、そんなに大事なのか? お淀さんよ」


大淀「まだご自身の立場がお分かりじゃないようですね?」


提督「いやいやいやいや! そりゃいろんな意味で憧れの職業だってのは判ってるさ」


大淀「私が提督の立場を狙うなら、ハニートラップを仕掛けますよ?」


大淀「その際、提督の自制心なんか関係ありません。それっぽい噂を流して、それっぽい写真をばらまけば、一発でアウトですから」


提督「それって、俺の性癖なくってもアウトじゃね?」


大淀「あるからなおの事駄目なんですよ」ハァ


提督「お淀さん。酔ってる?」


大淀「少しですけどね」


提督「幸せについて話をしようか」


大淀「いいですよ。誰かさんが私を幸せにしてくれるなら喜んで。さぁ! さぁ!」


提督「服をはだけながら迫るのはやめなさいって」ソッポムキ


大淀「大人の女性でもそういう反応できるなら、私で満足してくださればいいのに・・・」


提督「いや、お淀さんは・・・」ゴニョゴニョ


大淀「えーえー! 私はどうせ一部の駆逐艦にすら負けてますよ! えーえー!」


大淀「どうせなら重巡クラスの排水量だったんですから、バインボインにしてくれればよかったのに・・・」


提督「そうじゃなくてそうじゃなくて!」


大淀「え~そうでしょうね! 提督の好みは駆逐艦ですし!」


提督「どこが少しだ! 目いっぱい酔ってるじゃねぇか!」


大淀「この際だからお聞きしますが、提督の好みは霞ちゃんですね!? そうでしょう!」


提督「言えるかこん畜生! 霞はねぇわ!」


大淀「なんですってぇ! 霞ちゃんに惹かれないのですか!?」


大淀「あなた、やはりホモでしょう!? いいえ、ホモだわ!」


提督「ホモちゃうわ!」


大淀「いいえ、生あるもの霞ちゃんに惹かれない訳がない! イコール 生きてない!」マドニトッシン


提督「落ち着け! つ~か、どうして水割り3杯で酔える!?」


大淀「提督は生きてないのよ~! ホモなのよ~!」マドアケハナチタマシイノサケビ


提督「生きてるわホモちゃうわ落ち着けまず酔いを醒ませ防諜どこ行った!」



翌日



提督「0630 起きなきゃ・・・」


提督「いいじゃん、俺、この鎮守府の支配者様だよ? 15分くらい寝坊したって・・・」


提督「よし起きろ俺! 今日も一日、元気にやろうじゃないか!」



---(提督身だしなみ整え後)-------



暁 「お早うなのです、司令官」


提督「おぉ、お早う。挨拶はレディの基本だな」


暁 「当然よ! 私は一人前のレディなんだから」


提督「急ぐな急ぐな。慌てなくても暁なら、いづれレディになれるさ」


暁 「本当?」


提督「だからそんなにがっつく必要はない。今のままの自分も見つめてやれよ?」


暁 「と、当然よ。司令官に言われなくっても、判ってるんだから!」


提督「ほれ、飯に行けぃ」


青葉「お早うございます、司令官」


提督「お早うさん。どうした? メモなんか出して」


青葉「いえ、つくづく司令官は、贔屓しないなぁって」


提督「そりゃそうだ。偏りが出ないようにやってるからな」


青葉「えぇ、グラフにしてみましたが、それはそれは、きれいな図が出来上がりましたよ」


提督「俺の生態記録なんかつけて楽しいか?」


青葉「楽しいですよ」


青葉「いつボロを出すのかって」


提督「おぃ・・・」


青葉「指揮も応対も、ここまで完璧に偏りがなければ、自分を作ってるのは判りますよ」


提督「帰納法だっけか? 青葉、艦娘辞めたら探偵にでもなるのか?」


青葉「それもいいですね。さ、ご飯に行きましょ」



睦月「あ、提督、お早うございます! にゃしぃ」


提督「はいお早うさん。睦月型勢ぞろいか。丁度いい」


如月「なぁに? ついに如月をお嫁さんにしてくれるのぉ?」


青葉「『衝撃! 司令官、睦月型と禁断の関係!』」


青葉「もうちょっとインパクトが欲しいかなぁ」


提督「何でもやってろ。発禁だがな」


提督「んで、睦月型にとりあえず先行して伝達しておくわ」


提督「ずっと遠征出ずっぱりだったろ? 近いうちに長期休暇から日常訓練に入ってもらう予定だ」


卯月「うーちゃん達、いらない子ぴょん!?」


提督「んな事いってねぇ! 感謝してるんだって!」


長月「そうか、ありがたい」


提督「そんじゃ、飯に行こうぜ」


青葉(ホント、まるで垣根がないと言うか、偉そうにしない偉い人なんですよね)


青葉(その器の広さが好かれる理由だって、判らないのでしょうかね)



広場:



提督「伝達事項は以上!」


提督「本日の秘書艦は大淀」


提督「遠征隊だが、『最強の天龍隊』、天龍旗艦で睦月、弥生、卯月、水無月、望月。タンカー護衛」


提督「次『精鋭の龍田隊』、旗艦龍田、如月、文月、長月、菊月、三日月。東京急行弐」


提督「次『偉大な鬼怒隊』、旗艦鬼怒、皐月、朝風、春風、松風、旗風。ボーキサイト輸送」


提督「遠征隊は急がなくてもいいし、慌てなくいてもいい。成功よりも生還を心がけてくれ」


提督「失敗しても怒らんが、生還しなきゃ怒るからな」


提督「呼ばれなかったものは日常スケジュールに従うように」


提督「以上、別れ!」


全員「別れます!」



執務室:



提督「大淀が秘書やってくれると、やはり早いな」


大淀「一息入れたら、遠征隊の見直しですよね」


提督「そうだな、ついでに旗艦も変更できないかな? 天龍龍田は固定だろ」


大淀「え~と、前の大規模作戦終了から、ずっとですね」


提督「労働基準局に駆け込まれる前に変更しよう」


大淀「しかし、遠征隊の消費を最小限に抑えた編成でしたが、変更すると消費が上がりますよ?」


提督「ここまで備蓄できりゃ、誤差の範囲で収まるだろ」


提督「次は、レイテって予想が出てるんだっけか?」


大淀「はい、大本営から小出しにされる情報から、他の提督たちが推測してるそうです」


提督「普段は艦娘をエロい目でしか見てない提督どもの掲示板なのに、こういう時はまともだからなぁ」


大淀「あなたもその一人なんですがね」


提督「いや、どっちかと言えば、海防艦や駆逐艦でハァハァいってる奴らのコメントを見るのが楽しいね」


大淀「歪んでますねぇ」


提督「あーあー聞こえない。大淀君、データはまだかね?」


大淀「はい、軽巡、駆逐艦の練度順、大発搭載できるかリストアップしました。備考に大発を搭載できる水上機母艦も」


提督「仕事が早ぇよ」



数時間後:



提督「ローテーションするべきかね?」


大淀「とりあえずは良いのでは?」


コンコン


提督「どうぞー」


天龍「『最強の天龍隊』帰投したぜ」


提督「お帰り。みんな連れてきてくれたな」


天龍「チビどもに休みをくれてやるんだろ? 賛成だぜ」


望月「あ~、やっと休めるよ」


長月「休息など、必要ないが・・・」


提督「あぁ、それに関してだけど、天龍も交代だ」


天龍「はぁ!? 俺から遠征の仕事まで取る気かよ!」


提督「アホたれぃ! 下手したら天龍、陸より海の上にいる方が多そうじゃねぇか」


天龍「船なんだから当然だろ!」


提督「そりゃ前世の話だろ! 今は か ん む す! 生身なの!」


天龍「輸送でもいいから働かせてくれよぉ」


提督「あ~、淀さん、駆逐艦たちに間宮券あげて。そんで現時点をもって、『最強の天龍隊』は解散。別命あるまで休暇とする」


天龍「だからよぉ!」


提督「納得させるから、天龍は残るように。淀さんも休憩入っちゃって。別れ!」


天龍以外「別れます!」




天龍「俺が納得すると思ってるのかよ?」


提督「あ~、言っちゃ悪いが、天龍相手だと落ち着くわ」


天龍「言いたかぁねぇけど、俺が旧式だってのは判ってるし、性能じゃ後進の軽巡には勝てねぇよ」


提督「とりあえず何か飲むか。天龍、ほうじ茶で良いか?」


天龍「話を聞けぇ!」


提督「ちょい待ってろ、淹れてくるから」




提督「ほいよ、旨いとは言えないが」


天龍「つくづく話を聞かねぇよなぁ、お前」


提督「お互い様だろ。まぁ、命令を変更する気はない。お前さんも別命あるまで休暇だよ」


天龍「ったく、何をしてろっていうんだよ」


提督「そんなに言うんなら、F作業(釣り)でもしてろよ。大物が連れたら呑もうぜ」


天龍「飲兵衛だなぁ。はぁ、仕方ねぇ」


提督「そんでだ、まだ内定の話だが、どうせ決めるのも俺だしな、伝えておこう」


天龍「勿体ぶるんじゃねぇよ、何だよ?」


提督「次の大規模作戦の先鋒、任せるわ」


天龍「はいはい、大規模作戦の一番槍ですねー あーはいは・・・ ええっ!?」


提督「どうした? そんなに驚いて」ニヤニヤ


天龍「おっ俺が?」


提督「うん」


天龍「大規模作戦の?」


提督「うん」


天龍「」スーハー


天龍「お~い、龍田、そろそろ出てきていいぞ?」


天龍「どうせドッキリって奴だろ。この辺で龍田が『ドッキリ大成功』ってプラカード持って・・・」


提督「マジだって」


提督「遠征でひたすら外洋航行してたから、航行能力は軽巡で一番と言える」


提督「おおよそ大規模作戦の序盤は対潜戦闘と考えれば、悪くはないと思ってる」


天龍「本気なのかよ?」


提督「まぁ、遠征で鎮守府を支えてくれてたお礼と思ってくれ」


天龍「あ、ありがとうな!」


天龍「こうしちゃいられねぇ! さっそく今から特訓だ!」ガタッ


提督「休暇だっての! いっそ謹慎にするぞ!」


天龍「だってよぉ・・・」


提督「嬉しいのは判ったから、茶でも飲んで頭を冷やせ」





提督「落ち着いたか?」


天龍「あぁ、まぁね」


天龍「剣術なら本来の訓練には入らねぇし、休暇扱いでいいだろ?」


提督「ホントに謹慎にしたろうか、こいつ」


天龍「判った判ったから!」


天龍「そう言やぁ、こっちからも話があったんだ」


提督「何よ? どんな小さい話でも聞くぜ」


天龍「しかしなぁ・・・ まぁ良いか」


天龍「駆逐艦とかのチビどもが言ってるんだけどよ、提督が素っ気ないって」


提督「あぁ、うん、まぁねぇ」


天龍「ちょっとは構ってやってくれ、って言いたいんだけどよぉ」


提督「あー、前向きに善処するよう検討イタシマス」


天龍「気づいてないと思ってるのか?」


提督「ん? 何をだ?」


天龍「曙中破」


提督「」ピクッ


天龍「漣中破」


提督「おいおい、縁起でもねぇこと言うんじゃねぇよ」メソラシー


天龍「まとめちめぇ、六駆、初霜、五月雨、涼風、朝潮、大潮、霰、吹雪型だと綾波くらいか」


提督「な、何の話をシテルノカナー?」


天龍「あとは海防艦くらいか。ついでに龍驤と瑞鳳」


提督「」アセビッショリ


天龍「今挙げた連中は、前線で頑張ってる奴らだよな?」


提督「あ、あぁ」


天龍「まぁ、ネチネチ言ったって仕方ねぇ」


天龍「中破した時、あまりチラチラ見るな、だってよ」


提督「よし、死のう!」イイエガオ


天龍「はぁ!?」


提督「そうだな天龍、丁度いいから、刀でスパーンと首を刎ねてくれ。スパーンと」スゴクイイエガオ


天龍「今持ってねぇよ! 落ち着けってんだ!」


コンコン


大淀「大淀、休憩から戻りました、って何をやってるのですか!?」


提督「おぉ、大淀。拳銃どこにしまったっけ?」キラメクエガオ


天龍「大淀ぉ! 提督がぶっ壊れちまったぁ!」


大淀「はぁ、提督、落ち着いてください。自害の前にやることがあるでしょう?」


天龍「ちょ!? 大淀まで何を言ってやがる!?」


大淀「いいから」


大淀「提督、まずは死後、鎮守府が混乱しないように、手はずを整えましょう」


提督「そうか、まずはそっちを考えなきゃな」


提督「じゃ、さっそく書類を準備するから、待っててくれ」デスクニゴー


大淀「それから提督、あなたの後任ですが、あなたより安全な変態をお願いします」


提督「そうだな、それは大事だ。え~と、安全な変態、安全な変態・・・」


天龍「おぃ・・・ あれ、放っといていいのか?」


大淀「これで大丈夫でしょう。無駄な仕事をしてる間に、自分が一番安全な変態だって気づきますから」


天龍「なんだよ、安全な変態って?」


提督「おぉ、そうだ。遺書も用意しなきゃな。金剛に、青葉に・・・」


大淀「どうせ、天龍さんに提督の女性の趣味がバレたのでしょう?」


天龍「いやぁ、どっちかと言えば苦情、ってか世間話かね?」


大淀「天龍さんは遠征で駆逐艦と一緒の時間が長いですからねぇ」


大淀「ちなみに反応はどうでした? 嫌がってましたか?」


天龍「そう言うのも無いって訳じゃねぇけど、曙のはありゃ、照れ隠しだな」


天龍「大体は自分らが女として見られてることを喜んでたな」


大淀「そうですか」


提督「え~と、次は死に方だな。飛び降り・・・は後始末が大変だし、見た子がトラウマになるから却下だ」


天龍「で、あれは何なんだ?」


大淀「安全で善良でシャイな変質者が、自分の変質的趣味を知られて右往左往してる姿です」


天龍「俺たちの上官だよなぁ?」


大淀「誠に残念ながら」


大淀「でも、天龍さんも全部わかってるのでしょう?」


大淀「変質者だってことを差し引いても、善良で優秀だってことは」


天龍「まぁ、害はないな」


天龍「つ~か、別に手を出しても、そこまで大きな問題になったっけか?」


大淀「まぁ、醜聞にはなりますが、そこまでの大事にはなりませんね」


大淀「そう言う事で提督、ここはひとつ、開き直って意中の子に告白してしまいましょう!」


提督「ダメでしょ!」


大淀「大丈夫ですって。天龍さんも言ってましたが、むしろ好意を持たれてますって」アイコンタクト


天龍「あ~、まぁ、何だ。お互い好きなら良いんじゃねぇの?」


提督「天龍、そこに座れ。大淀、お茶を頼む」


天龍「さっきから座ってるぜ」


大淀「かしこまりました」



大淀「会議中のプレートも下げてきましたので、どうぞ」


天龍「んじゃ、こっちから言わせてもらうけどよ、ちょっとばかり見栄えがアレだけどよ、別にいいじゃねぇか」


天龍「好きあってるって言うんなら、俺は応援するぜ」


提督「小さい子と過度のスキンシップをする気はない」


大淀「したいんですよね?」


提督「そぉだけどさ~」


天龍「理由があるんだろ?」


提督「調べたんだが、子供の頃に虐待を受けると、大人になって虐待をするようになるらしい」


天龍「はぁ?」


提督「変態は変態として、そう言う事をされた子がどうなるか、調べたこともあってな」


提督「まぁ、悪意なんてのは連鎖していくものだ」


提督「あるいは常識が狂っていくのかもな」


大淀「元が女性に縁の無かったこともあって、スキンシップは取りにくいんですよね?」


提督「そ~だよそ~だよ、えぇ」


天龍「つまり、提督はロリコンの変質者だけど、駆逐艦や海防艦にエロいことをする気はない。と」


提督「しちゃいけないだろ。それに、だ」


天龍「それに?」


提督「笑うなよ? エッチぃ事もしたいが、それよりも、お・・・ お付き合いしたいんだ・・・」カオマッカ


天龍「・・・」


提督「・・・」


大淀「つまり、手をつないで散歩したり、動物園に行って同じものを見て笑ったり、一緒に星空を見上げたりしたいそうです」


天龍「まぁ、何だ・・・ 俺の胸にしまっておくよ」


提督「そうしてくれ・・・」


コンコン


龍田「龍田だよ~、帰投しました~」


提督「どうぞ」


龍田「会議中済みません~、『精鋭の龍田隊』帰投しました~」


提督「お疲れ様。現時点をもって『精鋭の龍田隊」は解散。別命あるまで休養とする。間宮券を渡すので、配っておくように。質問は?」


龍田「な~し、別れま~す」


天龍「俺も失礼するぜ」


ガチャッ パタン


大淀「それで、いつ自決なさいます?」


提督「また今度にしておくわ」



いつもニコニコ這い寄るパパラッチ



廊下:


天龍「なんだかねぇ、律儀な変態ってのも大変なんだなぁ」


龍田「あらぁ? 天龍ちゃん、提督に何かされたのー?」


龍田「ちょっと、提督と お は な し してくるねー」ハイライトオフ


天龍「違うって、むしろ俺なら、一昨日きやがれで終わる話なんだけどな」


龍田「そぉなんだー、天龍ちゃんの魅力が判らない提督と、」


天龍「お話(物理)はやめろって」


青葉「では、どなたの事なのでしょうか?」


天龍「どっから沸いたパパラッチ!」


龍田「あら~、青葉さんも、その手、落ちてもいいのかしら~? うふふ」


青葉「いやぁ、提督の生態観察をしてるのですが、行き詰りまして」


青葉「途方に暮れてたら、お二人が執務室から出てくるじゃないですか」


天龍「大した話はしてねぇよ、なぁ?」


龍田「そうよ~、駆逐艦たちに、間宮券貰っただけよ~」


青葉「相変わらず、素っ気ないのに甘いですね、あの人」


天龍「で、何の用だよ?」


青葉「いやぁ、提督に意中の方がいるという情報までは掴んだのですが、それは誰かな~? と」


天龍「そんなん知ってどうすんだよ?」


青葉「とりあえず青葉も『好きです』って答えて、抱きしめてキスしてもらいますかね~」


天龍(ね~よ)


天龍(しかしどいつだろうな・・・?)


青葉「やはりまた、『ヤマタノオロチ作戦』しかありませんかねぇ」


龍田「なぁに、それ~?」


天龍「ひでぇネーミングだな」


青葉「ひどいですかね? 提督にお酒を飲ませて、自白させるんですよ」


天龍「酒、ねぇ? あぁそうだ。デカい魚釣ったら一杯やる約束してたんだ」


青葉「良いですねぇ。じゃ、これからF作業します?」


天龍「今から始めりゃ、良い感じに夕まずめ(日没の釣れる時間)か」


龍田「私はパ~ス。じゃ~ね~」


青葉「それじゃ、1530にロビーに集合でいいでしょうか?」


天龍「おぅ、それじゃ後でな」



Let’s F作業



船着き場:


天龍「そっちはサビキ(複数の針と疑似餌がついてる仕掛け)かよ?」


青葉「天龍さんは延べ竿(リールのない竿)で落とし込み(足元を釣る釣り方)ですか」


天龍「デカいので一杯やる約束だからな。こっちの方が良いだろ?」ポチャン


青葉「豆アジで南蛮漬けでも良いし、釣れて料理できれば何でもいいんですよ」ポチャン




天龍「しかし、なんでみんな提督なんかに惚れるんだかなぁ」


青葉「そりゃ~、鎮守府に常駐してる男性で、一番イケメンじゃないですか」


天龍「あぁ、一番だな。二番が居ねぇが」


青葉「ま~、青葉としては、顔がどうこうより、言い方なんですけどね」


天龍「なんだよ? 青葉までかよ」


青葉「司令官って、高圧的に命令してもいいのに『頼む』とか「お願いする』って言うんですよね」


青葉「それに大規模作戦とかで、攻略が上手く行かないで初戦で帰ることもあるじゃないですか」


天龍「聞いた話じゃ、砲撃はうまく避けたのに、最後の雷撃で1人だけ大破するとか」


青葉「そうです。青葉が参加した時もそう言う事があったんです」


青葉「作戦も終盤で、資源も底が見えてる状態でそれですよ」


天龍「あ~、たまたま執務室の前を通りがかったら、デケェ声出してたな」


青葉「でも、戻ってみんなで謝ったら、なんて言ったと思います?」


天龍「知らねぇよ」


青葉「『こんなのは当たり前だ。簡単な事をしてる訳じゃないだろ』ですよ?」


青葉「それを聞いて、胸を打たれた感じでしたねぇ」ウットリ


天龍「まぁ、悪い奴じゃないな」




青葉「また来た! ってクサフグか~」


天龍「ははは、毒入り危険、食べたら死ぬでって奴だな」


青葉「そういう天龍さんはボウズ(釣果無し)じゃないですか」


天龍「アタリはあるんだよアタリは。エサ取りばかりじゃねぇか」


青葉「でも、クサフグがいるって事は・・・ 来たっ!」クイッ


天龍「お? 何だ?」


青葉「大きいです!」リールマキマキ


天龍「チクショー、こっちにも何か来て・・・ くれたぁ!」クイッ


青葉「来ました! カワハギです!」ビチビチ


天龍「こっちもだ! 同じくカワハギ!」ビチビチ


青葉「刺身ですかね」ゴクリ


天龍「刺身だなぁ」ゴクリ


青葉「肝醤油につけて・・・」


天龍「いや、片方は切り身にしようぜ」


青葉「じゃ、青葉が提督に報告、天龍さんが下(おろ)してくださいな」


天龍「良いぜ、酒を用意して待ってろ」




提督「そうか、カワハギの刺身か。それなら日本酒だな」


青葉「天龍さんが下してますので、もう少し待ってください」


提督「少し時間をくれ。そうだな・・・ 2000に俺の私室に集合でどうだ?」


青葉「判りました。天龍さんに伝えてきます」ケイレイ!


提督「刺身だけじゃボリュームが足らんし、厚揚げでも炙りますかね」




提督私室:


コンコン


青葉「お邪魔しま~す」


提督「おぅ、待ってたぜ。天龍は?」


青葉「すぐに来ますよ。盛り付けにも凝ってましたからねぇ」


ドアの外「お~い、開けてくれ~」


流し横のオーブン「」チーン


提督「青葉、頼むわ。俺はツマミの仕上げしてくる」


青葉「は~い」


提督「焼いた厚揚げにショウガ、刻みネギを振って、今回はめんつゆでいいか」


提督「こっちのつまみは完成~、ってすげぇな」


天龍「ふぐちりの要領で盛り付けてみたぜ。肝は半分は裏ごしして、半分は真ん中に飾り切りしてみた」フフン


青葉「これは・・・ 家庭料理じゃないですねぇ」パシャッ


提督「良い奥さんを通り越して、職人になりそうだなぁ」


提督「俺の方でもツマミは用意したが、ちと貧相だな。ま、酒は上善如水(じょうぜんみずのごとし)だから良いだろ?」


青葉「良いお酒なんですか?」


天龍「奮発したねぇ」


提督「カワハギと言えばフグにも等しい! だとしたら酒もそれなりにした方が良いだろ」


天龍「始まったよ。飲みながら聞いてやるからさ」


提督「はいよ」


一同「かんぱ~い」




提督「と言うわけで、クサフグもカワハギもハリセンボンも同じフグ科なんだ」


青葉「だからクサフグが釣れるなら、カワハギもいると言う事なんですねぇ」メモメモ


提督「そう言う事。特にクサフグ、カワハギ、ウマヅラハギ、キタマクラは生態も似ているからな」ユノミデゴクゴク


天龍「ハリセンボンまでフグなのかよ」


提督「フグ科は身を守るのに毒を使ったけど、ハリセンボンは『身を護る』と言う方向性をウロコをとがらせる方向にしたんだろうな」


天龍「よくもまぁ、何も見ないでそこまで言えるもんだ」オチョコデキュッ


提督「釣りも好きだからな。空いた時間でちょこちょこ調べてたら、覚えちまった」


天龍「学者にでもなった方が良かったんじゃねぇのか?」


提督「知識があっても学がねぇよ」


青葉「話は変わりますけど、この厚揚げ、シンプルだけどおいしいですねぇ」パクッ


提督「単品なら醤油でも良かったけど、刺身も醤油だからな。めんつゆにしたからまろやかだろ?」


青葉「はい。お酒にとっても合います」オチョコデキュッ


提督「俺は呑兵衛だからな。仕事時間の半分は、どの酒にどのツマミが合うか考えている」


天龍「仕事しやがれ」




天龍「で、青葉。『アマノイワト作戦』はやらねぇのかよ?」フラフラ


青葉「それを言うなら『ヤマタノオロチ作戦』ですよ」フラフラ


提督「ん~? うちのご先祖様がどうしたぁ?」ホロヨイ


天龍「先祖なのか?」


提督「おぅ。ご先祖様が『女の子ちょ~だい』って行こうとしたら、道端に酒が置いてあってな」


提督「ご先祖様が『あ、お酒』って呑んでつぶれてる間に目釘を刺されて三枚に下ろされたんだがな」


青葉「ウナギじゃないんですから」


提督「んで、俺のご先祖作戦って何だよ?」ゴクゴク


青葉「はい、提督を酔わせて色々聞きだしちゃおうって作戦です!」フラフラ


天龍「本人に言うかぃ」


提督「ま、カワハギのお礼に、答えられる事なら答えるぜ」


提督「身長は170cm、体重は」


青葉「ズバリ、好みの女性について!」


提督「明日のデイリー解体が1人決まったな」


青葉「どうして答えてくれないんですか~」


天龍「言えないもんなぁ」ニヤニヤ


青葉「天龍さん、何か知ってるんですか!?」


提督「好みの髪型なら、そうだなぁ・・・ ポニーテールが好きだな」


青葉「ホントですか!?」クイツキッ!


提督「あ、目の前にポニーテールが」


青葉「そうですよ! 青葉だってポニーテールなんですから!」


青葉「こうしちゃいられません! 青葉、お先に失礼します!」バタバタバタバタバタ


提督「騒々しい奴だなぁ」ゴクゴク


天龍「なぁ、提督、お前、どれくらい呑んだ?」チビチビ


提督「ん~、この湯飲みが一合半入るから、4合くらいかねぇ?」


天龍「充分に酔ってるな」


提督「お陰様でいい気分だぜ」


天龍「んで、アホの青葉が、さっきの話を新聞にするわけだ」


提督「え・・・?」


天龍「明日、俺は休暇だけど、朝礼に参加するのは構わないよな?」ニヤニヤ


提督「あ、あぁ・・・」


天龍「じゃ、ツマミも無くなったし、俺も戻るけどよ・・・」


天龍「明日の朝礼、何人がポニーテールになってるかね。クックックッ」


天龍「じゃあな」バタン


提督「・・・呑むか・・・」



ポニテの森



広場:


提督「呼ばれなかったものは日常スケジュールに従うように」


提督「以上で朝礼を終わる。別れ!」


一同「別れます!」



金剛「テートクゥ、今日のeveningにteapartyは如何ですカー?」E:ポニーテール


榛名「とっておきのクッキーがあるんです」E:ポニーテール


比叡「ぜひ来てください!」E:茶筅髷(ちゃせんまげ)


霧島「・・・・」


提督「まぁ、なんだ。霧島の言いたいことは判る。うん」


提督「多分これ、ツッコんだらダメな奴だな」


霧島「私のデータにないので、お答えかねます」


提督「まぁ、1時間程度でよけりゃ、行かせてもらうよ」


金剛「OK。それじゃ来るhalfhour ago(30分前)に連絡くださいネー」E:ポニーテール



長門「提督よ、ここのところの戦艦群には仕事がなさすぎる」E:ポニーテール


長門「せめて少しは出撃できないのか?」E:ポニーテール


提督「お前さんらは大規模で活躍してるだろ。今は資源をためなきゃならんよ」


長門「仕方がない、皆には伝えておこう」E:ポニーテール



加賀「提督、空母の出撃に関してなのですが、考えていただけたでしょうか?」E:ポニーテール


赤城「私たちだけでなく、空母全員の総意と思ってください」E:ポニーテール


提督「あぁ、戦力の底上げでなく、一部を突出させる意見ね」


加賀「はい、戦力の平坦化のデメリットは理解いただけたと思います」E:ポニーテール


提督「意見は取り入れるよ。わざわざ書類にまでしてくれて、判りやすかったよ」


加賀「やりました」E:ポニーテール


赤城「では、失礼します」E:ポニーテール



翔鶴「少しよろしいでしょうか?」E:ポニーテール


瑞鶴「翔鶴姉ぇ、待ってよ」E:ポニーテール


提督「いや・・・ 二人ともポニーテールにすると、ホントそっくりだなぁ」


瑞鶴「やったぁ!」E:ポニーテール


翔鶴「では、失礼しますね」E:ポニーテール


提督「見せに来ただけかぃ・・・」



Bismarck「どう? アトミラール。ポニーテールが好みと聞いたわ。似合うでしょ?」E:ツインテール


提督「誰に騙されたか知らんが、そりゃツインテールと言われる奴だ」


Bismarck「えっ!? そうなの!?」E:ツインテール


提督「まぁ、ビス子の場合、ポニーテールよりも、2つお下げが似合いそうだがな」


Bismarck「それじゃプリンツじゃない」E:ツインテール


提督「うちにはいないがな・・・」ハァ


Bismarck「まぁ、そのうちに会えるわ」E:ツインテール




瑞鳳「てーとくてーとくぅ」


提督「ずほはいつも通り、つ~か元からポニテか」


ハナシィヤ! コラ! エエカゲンニシィヤ!


瑞鳳「ていとくに見てほしい子がいるの」


提督「お前さんらの身体で、後ろが隠せるかぃ。さっきから丸見えなんだが・・・」


龍驤「ウチに何やらせんねん!」E:ポニーテール?


瑞鳳「あれ? 爆笑すると思ったのに」


提督「いやまぁ、髪の量がすごいから、ポニテにしてもそう見えないがな」


龍驤「ホレ見ぃ。呆れてるやんか」E:ポニーテール?


提督「あのだ、本人の意思でやってるんじゃなければ、元に戻せ」


瑞鳳「あれ? 怒ってる?」


提督「微妙なところ。本人の意思ならまぁ、コメントするが、ノリとかいじめなら、関係した奴を教えろ」


龍驤「まぁ、ウチも少しは乗り気っちゅーか・・・」E:ポニーテール?


提督「じゃ、コメントして良いんだな」


瑞鳳「どうぞ♪」


提督「『それはポニーテールと言うには、あまりに大きすぎた。大きく、分厚く、重く、大雑把すぎた。それはまさに髪塊だった』」


提督「まぁ、初春なんかもギリギリそれなんだがな」


瑞鳳「わからないよぅ」


龍驤「ドラゴン殺しやなくて、提督殺しかいな」


提督「お、通じたよ。可愛くて話が通じるなんて最高だな」


龍驤「か、可愛ええって、テキトー抜かすんやないわ!」ポニテカイジョ


提督「俺の前で髪を下ろすんじゃねぇ!」ソッポムキ


瑞鳳「何、普段見られない一面でドキッとしたって感じ。バーカバーカ!」ゲシゲシ


提督「蹴るんじゃねぇよ」


龍驤「ウチが可愛ええなんて、司令はんは変態や・・・」ニヤケ



足柄「提督! どうかしら?」E:ポニーテール


提督「うん、ポニテだねー」


足柄「何よ? 褒めないの?」E:ポニーテール


提督「ガラさんは、どんな髪型でも様になるからさ。いつも通りでもポニテでも美人だなーって感想しか出ないさ」


足柄「もぉ、相変わらず口が上手いんだから♪」E:ポニーテール



鈴谷「チース! テートクゥ、いつ空母にしてくれるのさ~?」E:ポニーテール


提督「えぇい! 何人設計図待ちしてると思ってやがる。当面は今のまま!」


鈴谷「ちぇ~。いいもん。空母にしてくれるまで、まとわりつくから」E:ポニーテール


鈴谷「じゃ~ね~♪」E:ポニーテール



川内「どぉ? ポニーテールになってる?」E:ポニーテール


神通「あの・・・ 提督がポニーテールにしろと言うなら・・・」E:ポニーテール


提督「言わないからね、うん」


川内「神通は、言い方が重いんだよ。もっと気軽にさ」E:ポニーテール


神通「いえ! 提督の好みだというなら! いえ、私なんかが・・・」E:ポニーテール


提督「はい! 神通さんは自信を持つこと! いつも言ってるけどね」


川内「そうだよ! 恋も水雷戦も同じだよ。押して押して、押すのが神通じゃん!」E:ポニーテール


神通「そうなんですか・・・? 判りました! 神通、押して・・・」E:ポニーテール


提督「押してまいるなよ? 俺が参るから」



酒匂「ぴゃ~! 提督さんのお嫁さんになるのに、ポニーテールにしなきゃならないってわかったのに~!」


提督「ないからね、それ」


酒匂「そうなの~?」


提督「酒匂は酒匂で、充分に嫁の貰い手があると思うから、そのままでいいと思うな」


酒匂「でも、提督の好みが~」


提督「俺は今のままの酒匂が、可愛いと思うな」ボウヨミー


酒匂「じゃ、ポニーテールじゃなくても、酒匂のことが好き?」


提督「ポニーテールが必要条件じゃないと思ってくれ」


酒匂「それじゃ、酒匂はこのままで提督のお嫁さんになるね!」



鬼怒「提督の、好みの髪型、ポニテかな?」E:ポニーテール?


提督「あのだ、お鬼怒さん。君は髪が短いから・・・」


鬼怒「うん、判ってる。でもね、提督!」E:ポニーテール?


鬼怒「だって、提督の好みがポニーテールなんでしょ? 短くったって、そうしたいよ!」E:ポニーテール?


提督「あ~、うん。なんだ・・・」


鬼怒「こんなにポニーテールばっかりで、提督さん、愛されてるね~」E:ポニーテール?



提督「さて、執務に・・・」


天龍「どこ行くんだよ?」ニヤニヤ


提督「楽しい楽しい仕事だよ!」


提督「チクショー、本当に休みなのに出てきやがったよ」


天龍「こんな面白いもの、見逃せるかよ」ニヤニヤ


提督「みんなが見せに来るから、まだ一歩も動けてないわぃ!」


青葉「嬉しいくせに。青葉もポニーテールですよ~♪」


提督「あ~、青葉は今日の自主練は中止。特殊業務を頼んで良いか?」


青葉「デートですか? 喜んでお付き合いします!」


提督「公安の仕事をして欲しいんだよ。この場でポニテの人員のリストアップ」


提督「元からポニテの子は、俺に対する意識の確認」


提督「紙にまとめてくれ」


青葉「判りました!」ケイレイ


提督「それじゃ、俺は仕事に・・・」


天龍「おいおい、まだ終わってねぇぞ?」ニヤニヤ


提督「やっぱり? 別れてないし・・・」


駆逐艦一同「(期待する目)」キラキラ


提督「まぁ、仕事が30分遅れるくらいは良いか・・・」



如月「ど~ぉ? 司令官はぁ、お肌よりも髪の方が好きなのかしらぁ?」E:ポニーテール


提督「いや、休みじゃないの?」


如月「いつも通りに起きないと、生活リズムが狂っちゃうからぁ。うふふ」E:ポニーテール



吹雪型1「司令官、今日も一日、よろしくお願いします」E:ポニーテール


吹雪型2「あの・・・ 如何でしょうか?」E:ポニーテール


提督「あのだ・・・ 君たちに同じ髪型されると・・・」


吹雪型1「ダメだったでしょうか・・・?」E:ポニーテール


吹雪型2「深雪ちゃんも間違えてましたからね」E:ポニーテール


提督「こっち(1)が吹雪! こっち(2)が白雪!」


吹雪「すごい! どうしてわかったんですか?」E:ポニーテール


提督「声しか判断材料ないでしょ。それ以外で見分けがついたら、逆に怖いわ」


白雪「さすがですね。では、私たちも自主練にとりかかります」E:ポニーテール


吹雪「失礼します」E:ポニーテール



潮 「曙ちゃん、早く行こうよぉ」E:ポニーテール


曙 「私は良いから! あんただけ行きなさいよ!」E:ポニーテール


漣 「ぼのちん、せっかくオシャレしたんだから、見せに行かないと♪」E:ポニーテール


朧 「私もお揃いにしたんだし」E:ポニーテール


漣 「ご主人様! 第七ポニーテール隊、揃いました!」E:ポニーテール


提督「ポニーテール隊ってああた・・・」


漣 「もぉ、なんか気の利いたことは言えないんですかぁ?」E:ポニーテール


提督「いや、みんな可愛いけどさ・・・」


提督「こぉもポニテばっかりだと、有難味がね」


曙 「少しは嬉しそうな顔しなさいよ、クソ提督!」E:ポニーテール


漣 「もういっその事、ご主人様が一人だけ決めて『俺は君のポニーテールが好きなんだ。君のポニーテールとケッコンカッコカリしたい』って言って、ポニーテールに指輪を嵌めればいいんですよ」E:ポニーテール


提督「なぁ、漣。俺ってそこまでの変態だっけ?」


曙 「部下の艦娘たちに好みの髪型を強要するド変態クソ提督でしょ!」E:ポニーテール


漣 「だそうです」E:ポニーテール


提督「うるせー、ド変態クソ提督の艦娘~」


潮 「そんな、提督がそんな変態だったなんて・・・」E:ポニーテール


曙 「なに潮を泣かせてるのよ!」E:ポニーテール


提督「俺か!? 俺が悪いのか!?」


曙 「これ以上変態を相手にすると伝染るわ! 行きましょ!」E:ポニーテール


漣 「それでは、変態は用量、用法を正しく守ってくださいね~」E:ポニーテール



特三型1「司令官、そんなにポニーテールが好きなら、私に言ってくれればいいのよ!」E:ポニーテール


特三型2?「ポニーテールだ。少し、短いかな・・・」E:ポニーテール


若葉?「ちょっと恥ずかしいのです・・・」E:ポニーテール


提督「もぉ、アピールしてるんだか遊んでるんだか判らんな」


提督「雷と電は同じ髪型にすると判らんな、って雷さんや?」


若葉?「はい?」E:ポニーテール


提督「やはりな。暁型はこれから遠征だろ? はよ着替えとけよ」


電 「さすが司令官、間違えなかったわね」E:ポニーテール


提督「いや、喋らなかったらアウトだった」


雷 「それじゃ、遠征行ってくるのです」E:ポニーテール


若葉「何も言わないの・・・か?」E:ポニーテール


提督「いや、みんな似合ってるよ」


初春「先ほど、わらわを呼んだようじゃが?」


提督「いや、龍驤がポニテにしたら、ひぃ様みたいだったからさ」


初春「さようか。今日もお互い、仕事に励むとしようかの」



村雨「村雨の、ちょっといいポニーテール、見せてあげる」E:ポニーテール


夕立「司令官さん、夕立、可愛い?」


五月雨「如何でしょうか、提督」E:ポニーテール


涼風「さぁ、どっちが五月雨だ?」E:ポニーテール


提督「もぉポニテ大会なんだか、そっくりさん大会なんだか・・・」


提督「でも、五月雨と涼風は、目元で区別付くんだな」


五月雨「私たち自身じゃ分らないのですが」E:ポニーテール


提督「五月雨は優しい目で、涼風は真ん丸の可愛い目って感じだな」


涼風「か、可愛いって!」E:ポニーテール


夕立「五月雨たちばっかり~!」E:ポニーテール


提督「くっつくな! 近いよ!」


夕立「夕立も可愛いでしょ? でしょ?」E:ポニーテール


村雨「夕立、そんなに頭を振ると・・・」E:ポニーテール


提督「あ、やっぱり思っちゃう?」


夕立「何っぽい?」


提督・村雨「犬の尻尾っぽい」


夕立「もぉ~! ばかー!」E:ポニーテール



朝潮「この朝潮、司令官がポニーテールにしろと言うのなら、いつでもやります!」E:ポニーテール


荒潮「提督、こういうのが好きなのねぇ? へぇ、ふ~ん」E:ポニーテール


霞 「馬鹿じゃないの!」E:ポニーテール


提督「うん、それは鏡を見て言おうね~」


霞 「付き合ってらんないったら!」E:ポニーテール


提督「何がしたいんだか・・・ 行っちまったよ」


朝潮「済みません、霞が・・・」E:ポニーテール


荒潮「提督も、霞ちゃんの気持ちは判ってあげてねぇ?」E:ポニーテール


提督「つ~ても、果たし状って書かれたラブレター貰ったって、嬉しくねぇだろ? 同じだよ」


荒潮「まったく、困ったさんね~」E:ポニーテール


提督「どっちがだよ・・・」


朝潮「それで司令官・・・ 朝潮、頭髪に問題はないでしょうか?」E:ポニーテール


提督「素敵だという以外、問題はないな」


朝潮「あ、ありがとうございます!」E:ポニーテール


荒潮「あらあら~? 司令官はそういう趣味の人なの~?」E:ポニーテール


提督「髪型について感想を述べただけですはい」コウチョク


荒潮「ふ~ん」E:ポニーテール


提督「」


荒潮「それじゃ~、私たちも自主練、行くわね~」E:ポニーテール



雪風「しれぇ、雪風、ポニーテールにできませんでした・・・」ウルウル


浦風「姉さんの長さじゃ、無理があるけぇ」E:ポニーテール


磯風「指令、こうすればカッコカリしてくれるのか?」E:ポニーテール


秋雲「提督は誰を選ぶのかな~?」モトカラポニテ


提督「ゆっきーは、そのままで可愛いからいいの」ナデナデ


提督「つ~か、雪風って君らの姉だよね?」


浦風「そうじゃよ」E:ポニーテール


提督「歴戦も歴戦、最前線で主な海戦にはほとんど参加、賠償艦としては取り合いになるほどの武勲感が、どうしてこうなった」


秋雲「お? 提督は雪風姉さんを選んじゃう訳~? そう言う同人誌は一杯あるからなぁ」


提督「つ~か、磯風もポニテ大会に参加かよ?」


磯風「提督に料理を教わるのは楽しいからな」E:ポニーテール


提督「別にケッコンカッコカリしなくても、いつでも料理を教えるぜ?」


秋雲「そのまま磯風も料理しちゃおうかな~? って、ネタとしてはいまいち」


提督「その場合は『磯風もいただくとしよう』じゃないのか?」


秋雲「ノるねぇ。さすが提督」


提督「だけど、いつも言ってるが、安易にエロに走るなよ」


磯風「提督になら、いつでも頂かれてもいいぞ」E:ポニーテール


提督「胸を張って迫ってくるんじゃない!」


浦風「どこに行こうというんじゃ、提督」E:ポニーテール


提督「後ろを塞ぐな。つか、浦風も胸を強調するな!」


雪風「むむむ・・・!」


提督「雪風は張り合わなくていいから!」


秋雲「秋雲さんも行っとく~?」


提督「行かんでいいから!」


秋雲「なんてね。さ、あんまり提督で遊んでも仕方ないし、仕事仕事」


磯風「仕方がない、ここはいったん引こう」E:ポニーテール


浦風「提督さん、また来るけぇ」E:ポニーテール



提督「って、夕雲型秋月型は参加者なしかよ」


天龍「なんだ? そこにお目当ての艦娘がいるのかよ?」ニヤニヤ


提督「いや、人徳の無さを嘆いてるんだよ」


テートクー


提督「さ、今度こそ仕事に掛かろうか!」


天龍「おいおい、誰か忘れちゃいないか?」ニヤニヤ


テートクオッソーイ!


提督「普段でも直視できないっつのに!」


島風「いひひ。ど~お? 島風、可愛いでしょ?」E:ポニーテール


提督「あぁ、可愛くて直視できないよ」ウエムキー


島風「えっへへ」E:ポニーテール


提督「回るな回るな。つ~か、島風のアレ、スカートの役割を果たしてるのか?」


天龍「パレオの方が、まだ隠れるな」


提督「まぁ、島風。今日も編成に入れるかも知れないから、動きやすい姿にしておけよ」


島風「うん! でもね、案外ポニーテールって、動きやすいんだ」E:ポニーテール


提督「はぁ、俺も呉のどこかの鎮守府みたいに、島風とMS-09を合成したいよ」


天龍「あっちは雪風だろうが」



提督「これで全員かね?」


対馬「指令、抱っこ」E:ポニーテール


天龍「おいおい、積極的だなぁ」


提督「ったく、対馬は」ヒョイ


対馬「えへへ・・・」E:ポニーテール


対馬「指令のおひげ、痛い・・・」E:ポニーテール


提督「だったらスリスリしなきゃいいだろうに」


対馬「ヤダ」E:ポニーテール


提督「ほれ、もういいだろ?」


対馬「ん、もう少し・・・」E:ポニーテール


対馬「ふぅ・・・」E:ポニーテール


提督「声だけ聴くと堪らんな」


天龍「え~と、憲兵の番号は、と」


提督「さすがに対馬に欲情しねぇよ!」



提督「今度こそ全員かね?」


天龍「おぅ。潜水艦’sはとっとと行っちまったぜ」


天龍「誰かにポニーテールやってほしかったのか?」


提督「いんや、ゴーヤなんかは無理だろうし」


天龍「で、楽しめたかよ?」


提督「天龍、唐揚げは好きか?」


天龍「美味いのは好きだぜ?」


提督「俺もだが、それを1000個、目の前に積まれた気分だよ」


天龍「あ~。なんか想像できた」


提督「それじゃ、俺は仕事に行くから、しっかり休んどけよ~」



執務室:


大淀「お待ちしてました」


提督「済まんね。まぁ、色々あってさ」


大淀「えぇ、見てましたから」クスッ


提督「あ~、お淀さんがポニテじゃなくて助かった気分だよ」


提督「悪くはない、悪くはないんだけど、ゴージャスすぎるフルコースを味わった気分だよ」


大淀「なんとなくわかります。凄かったとしか記憶に残らないようなアレですね」


提督「それそれ」


大淀「ですが皆さん。判ってないようですね」ヘアゴムトリダシ


提督「へ? 何を?」


大淀「殿方はいつもと違う雰囲気でドキッとしたり・・・」カミタバネ


提督「おい・・・ おい・・・」


大淀「身だしなみを整えたりする『仕草』が好きなんですよね?」E:ポニーテール


提督「うわああああ! そうだよそうだよ!」


大淀「さぁ提督、仕事をしましょう」E:ポニーテール


提督「よし! 俺は装備の開発から改修までやってくる!」カケダシー


大淀「あ、もう・・・」E:ポニーテール


内線ピポパ


大淀「あ、明石? 大淀です。明石はポニーテールにしないでくださいね」


大淀「文句言わないの。提督はそこに逃げたんですから、追い詰めないでね?」


大淀「え? 夕張さんがいる? ロッカーに仕舞っちゃってください」



SIDE 青葉



青葉自室:


青葉「いやぁ、収穫収穫! つくづく司令官は人気ですねぇ!」


青葉「え~と、メモを頼りにExcelを、と・・・」


艦娘まとめ中


青葉「うわ~。提督Loveの多いこと多いこと」


青葉「これが青葉のライバルなんですね~」


青葉「普段からポニーテールの青葉が一歩リードとして、もう一歩、何か押しが欲しいですねぇ」


青葉「もうちょっと分析しましょう」


衣笠「青葉~、今度、海自の輸送艦の護衛が入るらしいけど、青葉はどうするの?」


衣笠「輸送艦『あつみ』の新しい艦長、若いいい男らしいよ?」


青葉「ふむ・・・ 若いいい男ですか」


青葉「そっちを特集して、司令官から目を逸らす。これで行きましょう!」



執務室:


コンコン


青葉「ども! 恐縮です。青葉です!」


大淀「あら? 青葉さん、どうしました?」


青葉「いえ、司令官に頼まれてたものが仕上がりまして。持ってきたのですが」


大淀「機密の区分によっては、手渡しの方が良いですね」


青葉「これの機密度ですか・・・ 微妙ですね」


青葉「プライバシー的には最高機密ですが、内容は艦内新聞並みです」


大淀「意味不明ですが、手渡しがよさそうですね」


青葉「そうですか。それじゃ出直しますが・・・ そうだ」


大淀「なんでしょう?」


青葉「『あつみ』の護衛艦娘、集まってますか?」


大淀「いえ、人見知りと言うんじゃないでしょうが、外の人にあまり会いたがりませんからね、皆」


青葉「良ければ青葉、お手伝いできるかもしれませんよ?」


青葉「具体的には・・・」


大淀「でしたらいっそ・・・」


青葉「良いですね、それ」


大淀「では私はプランを書類にまとめます。青葉さんは提督に伝えていただけますか? 工廠にいるはずですので」


青葉「判りました」



工廠:


明石「悩みますねぇ」


明石「では余り気味の零式21型を・・・」


提督「うっ!? ボーキサイトがっ・・・!」


明石「はぁ、それじゃ日向さんの部屋に仕舞いっぱなしの瑞雲を・・・」


提督「ネジ4個は・・・」


明石「ケチンボー」


提督「つ~か、うちの鎮守府で足りないものを割り出そう。消費は必要経費として」


明石「制空権はどうです? 21型の熟練ばかりですが」


提督「それで無印の21が余ってるんだよなぁ」


提督「他の面に比べれば、制空装備は潤沢だと思う」


明石「では砲撃装備」


提督「ここは強化の余地はある。戦艦のパンチ力はありすぎて困ることはないね」


提督「無いんだが・・・」


明石「部品を取る35.6センチ砲が心もとないですね」


提督「じゃ、20.3センチ砲は・・・」


明石「ウィークリーで捨てちゃいました♪」テヘペロ


提督「魚雷・・・ は、ハイパーズに頑張って装備を強化してもらってるから、5連装が余り気味だな」


明石「昔は改装してない新人は酸素魚雷積めなかったんですけどね~」


提督「いやぁ、うちも強くなったものだ」


提督「インチキでおにぎり強化するか」


明石「またですか。書類だけか~」


提督「んじゃ、食堂行ってくるわ」



青葉「ども、恐縮です、清く正しい青葉です」


明石「何かが混じったような挨拶ね」


青葉「司令官がここに居ると聞いてきたのですが」


明石「残念、すれ違い」


明石「インチキ改修しに食堂に行きましたよ」


青葉「え~」


明石「仕方ないから、拾ってきたバイクの整備でもするから、取材する?」


青葉「いえ、でしたら明石さんにお聞きしたいことが」


青葉「輸送艦『あつみ』の護衛なんですけど・・・」


明石「私は輸送された側だけどね」


明石「設備は・・・」


青葉「ほうほう」


明石「乗員の人たちは・・・」


青葉「うんうん」



青葉「ありがとうございます」


青葉「おかげで取材の下準備が整ってきました」


明石「まぁ、輸送がもっと頻繁になれば、私も得するから」


青葉「それじゃ、指令を追いかけますね~」



長波「自分でやっといて難だけど、おにぎり改修ってなんだろうねぇ?」


提督「指示してる俺もわからん」


提督「多分、大本営も判らねぇんじゃね?」


長波「書類を右から左へってか? アホか!」


提督「想像してみ? 1年くらいして、ふと気になった上層部幹部・・・」


提督「『各鎮守府では、どのような改修がされてるのだろう?』そう思って書類をまとめさせる」


長波「・・・」


提督「渡されたレポートには、グラフがついてて、一番多いのはその他」


長波「ぷぷっ!」


提督「『このその他とは何だね?』『いえ、それが・・・』」


長波「くっくっくっ!」


提督「詳細なレポートには、おにぎり、おにぎり、おにぎり!」


長波「あーっはっはっは!」


提督「圧倒的っ・・・! おにぎり・・・!」


長波「アホか~! 笑わせんなっての! ってか、失敗したじゃねぇか! あっはっは!」


提督「いつかそんなことがあるかもな」


長波「そん時ゃ、提督にもお咎(とが)め行くんじゃねぇか?」


提督「どれだけいるか判らない提督を一斉に処分ってか?」


提督「『以降禁止』でおしまいだろうよ」


長波「失敗したおにぎり、どうする?」


提督「いいよ、俺がもらう。どうせおにぎりは余ってるからな」


長波「あいよ、そんじゃあたしは行くぜ」


提督「おぅ、お疲れさん」


提督「腹ぁ決めて、執務室に戻るか・・・」トボトボ



青葉「恐縮です、青葉です!」


シーン


青葉「あれ・・・?」



執務室:


コンコン


大淀「はい、どうぞ」


提督「ただいま~。お淀さん、良い子にしてた?」


大淀「えぇ、どこかの変態さんが逃げてる間に、いつも通りのデイリーを消化しておきました」


提督「いつも済まないねぇ。ワシの病気さえなければ」コホコホ


大淀「本当に厄介な病気です。早く告白して振られてください」


提督「泣くぞ? 君たちに比べたら大男の俺が、静かにめそめそ涙を流すぞ?」


大淀「どうぞ、私が慰めてあげますから。存分に泣いてください」


コンコン


大淀「はい、どうぞ」


睦月「睦月型一同、お出かけするのです、にゃしい!」


提督「出かけるのは今いるので全員か?」キリッ


睦月「はい! 引率に大井さんと北上さんをお願いしました!」


提督「ふむ、そうか」キリッ


北上「あたしらは途中で別れるけど、問題ないよね~?」


大井「私と北上さんの逢瀬を邪魔するのでしたら・・・ 酸素魚雷って、人間には効くのかしら?」


提督「あ~、ハイパー’sは大人組だから良いとして」


提督「総員、装備を確認!」キリッ


提督「GPS!」


総員「よし!」


提督「艦娘証明証!」


総員「よし!」


提督「では各員、外出先と帰投時間を記入してくれ」


提督「遅れる場合はメール、または電話で連絡すること!」キリッ


一同「了解!」



提督「行ったか?」


大淀「えぇ、行きましたよ」


提督「ふぃ~! これでよかったかいな?」


大淀「いえ、本当ならば私服で行動する事を指示するべきでしたが・・・」


大淀「睦月型と球磨型ですからね」


大淀「学生と間違われても、艦娘証明書で追い払えるでしょう」


提督「細かいところ、ありがとう」


大淀「どういたしまして。お礼はその引き出しのケッコンカッコカリ指輪で良いですよ?」


バタン!


青葉「恐縮です! 清く正しい青葉です! そしてカッコカリは青葉のものです!」


提督「俺のプライバシー、どこ? ふえぇ!」


大淀「提督が名取さんの真似をしても可愛くありません」


提督「そして青葉、取材はどうだ?」


青葉「はい、提督の知りたいことを、遺漏なく調べました♪」


提督「ありがとよ。青葉」


青葉「司令官のお役に立てましたか?」


提督「おぉ、十二分にな! これを元に、各艦娘を振る算段をしてみるわ」


青葉「はい、存分に振ってください!」


提督「なんだそりゃ?」


青葉「ところで司令官?」


提督「はい。青葉さん、どうぞ!」


青葉「ご褒美代わりに、頭を撫でられてる艦娘っているじゃないですか?」


提督「それって、小さすぎる艦娘だけだぞ?」


青葉「青葉も・・・ 頭を撫でて欲しいな? えへへ、冗談ですよ?」


提督「青葉、come on」


青葉「えっと、英語でしたっけ?」


青葉「確か意味は・・・」


大淀「『かかってこいや』ですね」


提督「俺としては『青葉、おいで』なんだけどね」


ナデナデ


提督「俺なんぞの何が良いか知らんが、頭を撫でるのがご褒美になるなら安いもんさね」


青葉「」プシュー


提督「青葉ってさ、色々お願いしやすいからさ」


大淀「ウォッホン!」


大淀「提督? 1時間程度なら不在を取り繕えますから、青葉さんと寝室で『語らって』来ては如何ですか?」


大淀「なんでしたら、『輪っかのゴム製品』とか用意しますよ?」


提督「おおお、淀さん!」


大淀「どうしました?」シレッ


提督「そのだな?」


大淀「はっきり言ってください、『俺は青葉ではち〇〇んが立たないんだ』って」


青葉「待ってください! 司令官! EDでしたら治療法がありますから!」


提督「お前ら待てや~!」


大淀「なんでしょうか?」シレッ


提督「君たちは美女なんだから、そんな事を口にしたらダメでしょ!」


大淀「その美女を目の前にして口説くこともできないくせに」


青葉「司令官、そういう時は『そんなことを言う大淀だから、抱く気になれないんだ』って言えばいいんですよ」


提督「君たち、仲悪いの?」


青葉・大淀「いいえ、親友ですよ」「ねー?」握手ギリギリギリ


青葉「前世も呉で一緒でしたからね~」ギリギリ



青葉「あ、そうだ。司令官にお願いしたいことが他にもありました」


提督「ん? 何?」


大淀「そうでしたね、これを」つ書類


提督「『輸送艦『あつみ』取材によるメリットとデメリット』?」


青葉「はい、海自の輸送艦の護衛任務、応募が少ないそうじゃないですか」


青葉「なので、どんな任務か、『あつみ』はどんな船なのか、情報を開示するべきだと思うんです」


提督「少し時間をくれ、読むから」


青葉「あ、真面目モード。一枚良いですか?」


提督「一枚だけな」



睦月型私的遠征風景



街中:


北上「そんじゃ~ね~。悪さしても、私らの名前は出すんじゃないよ~」


大井「さ、行きましょ。北上さん」


睦月「ありがとにゃしぃ~」


睦月「それじゃ、私たちも自由行動だけど、規則に従ってバティ(2人組)作るにゃしい」


睦月「睦月はお菓子の材料を見に行くけどぉ~、誰か来る?」


弥生「ん」ノ


水無月「水無月もそうしよう」


如月「私はお洋服を見ようかしらぁ」


皐月「ボクもそっちに行くよ」


文月「あたしもそっちぃ~」


卯月「う~ちゃんはゲームを買いに行くぴょん」


三日月「卯月ちゃんが心配だから、一緒に行きますね」


卯月「なんかひどいぴょん」


三日月「もっちはこっちじゃないの?」


望月「ん~、あたしは本屋~」


長月「私もだ」


睦月「菊月ちゃんはどうするの?」


菊月「気にするな。置いて行かれることには慣れている・・・」


如月「何言ってるの、菊月ちゃんはこっち」グイッ


菊月「礼は言わぬ」


望月「いや、言おうよ」


睦月「それじゃ、1230に、このコンビニ前に集合~。その後みんなでご飯にゃ」


睦月「別れ~、にゃしい」


一同「別れます」ケイレイ



望月「街中で『別れます』なんて軍人じゃないんだからさぁ」


長月「言いたいことは判るが、あれがないと、離れづらくてな」


望月「前世から今まで、号令で動いてきたからねぇ」


長月「号令に反射神経で従えるのが、良い軍人だからな」


望月「そうだねぇ」ニヤリ


望月「かし~ら~・・・ 右っ!」


長月「」サッ!


望月「くっくっくっ・・・」


長月「馬鹿なことをするんじゃない!」


望月「あっはっは、長月は良い軍人さんだよ」


長月「まったく・・・」


望月「でも、うちらは海だからまだ良いけどさ~、陸さんは大変だろうねぇ」


長月「どういう事だ?」


望月「あっちは行進とかあるだろ? んだから、歩調も合わせるらしいんだ」


長月「あぁ、それで陸さんの歩く音って、バラバラじゃなくて『ザッ、ザッ、ザッ』ってなるんだな」


望月「そぉそぉ。仕舞には意識しなくても、歩調を合わせてしまうらしいよ」


長月「どういう事だ?」


望月「つまり、街中で歩いていても・・・ 『ザッ、ザッ、ザッ』って、合わせるらしいよ」


長月「はは、自然と行進してしまうのか」


望月「んだから、街中で陸さんに号令が掛かったら、何も考えずに伏せちゃうんじゃないかな?」


長月「さすがにそれはないだろう。さすがに」


望月「判らんよぉ?」



望月「しかし、長月って本読むっけか?」


望月「訓練してるか食べてるか寝てるか、どれかだと思ってたけど」


長月「私を何だと思ってる!」


望月「それに昨日、一緒にレースゲームやっただろう」


望月「冗談、冗談だって」


望月「だけど、長月がどんな本を読むか、想像できないなぁ」


長月「望月の中で、私の評価はどうなってるんだ?」


望月「ん~、そう見えて、実はバリバリの純愛小説を買いに行くとか?」


長月「純愛って、私がそんな柄にみえるか?」


望月「うんにゃ」


長月「月間『丸』だ」


望月「なんだいそりゃ?」


長月「軍事雑誌だな。私たちの前世の事も扱ってるし、現代の兵器の事も乗ってる」


長月「中々勉強になるぞ?」


望月「勉強なんてかったりぃよ」


長月「まったくお前は・・・」


望月「説教なら、雷撃戦で私の成績を超えてからにしてよ」


長月「くっ! 不真面目なくせに・・・!」


望月「はい、到ちゃ~く。長月は三角でも×でも探してて~。あたしは寝転がって読む漫画を探すからさ」


長月「丸だ、丸!」


望月「ったく、はい、別れ~」


長月「別れます! っ~!」ケイレイ


望月「あはは!」



沈黙しない戦艦



武道場:



ドターン バターン!


長門「よし! 午前の鍛錬はここまで!」


長門「整列!」


長門「1300まで休憩! 別れ!」


戦艦たち「別れます!」



更衣室:


陸奥「しかし、今日は笑えたわね」


長門「何がだ?」


陸奥「今日の朝礼よ。何よあの、ポニーテールの森は」


長門「提督の好みだと、青葉新聞が朝一番で張り出されてたじゃないか」


長門「と言うか、教えてくれたのはお前だろう、陸奥」


陸奥「それは姉の恋なら、応援するわよ」


長門「恋!? いや、私はただ、提督の好みなら、その、この長門にできることなら、」


金剛「Hey 長門! ワタシにDeclaration of war(宣戦布告)とみて良いですカ~?」


榛名「お姉さま、着替えの途中でどこに行くんですか」


金剛「テートクを思う気持ちなら、誰にも負けないネー!」


長門「悪いな。それに関しても、私は譲る気持ちはない」


長門「あいつが艦娘の事を思ってくれるなら、それに応えるまでだ」


金剛「長門自身はどうなのですカー?」


金剛「提督に頬を触れられ・・・」


長門「」ゴクリ


金剛「そこから、胸元まで撫でられて・・・」


長門「いや・・・ 待て・・・!」


陸奥「そこで提督は『なぁ、スケベしようや』」


長門「」ブーッ


金剛「Noooooooo!」


陸奥「あらあら、どうしたの? あなたたち?」


金剛「ムツははしたないデース!」カオマッカ


長門「わ! 私は陸奥をそんな艦娘に育てたつもりはないぞ!」カオマッカ


陸奥「あらあら、男女の関係なんてそんなもんよ?」


長門「おい!」


陸奥「他の鎮守府じゃ、もっと爛れた関係もあるというのに、何が違うのかしらね~?」


長門「そうじゃない! 提督は艦娘が大事だから・・・」


陸奥「大事にはされてるわよ、でもねぇ・・・」


金剛「ここのところは、陸奥のfaceに免じて引き下がるデス!」


金剛「ウワ~ン!」


霧島「金剛お姉さま? 今日は体調も考えて、冷たいものの方がよろしいかと思います」



長門「何と言うか、助かった。陸奥」


陸奥「どういたしまして。でも、本当なら提督はやめた方が良いと思うのよ?」


長門「前から言ってるが、どうしてだ?」


陸奥「何と言うか、勘、かしら?」


長門「参考にさせてもらうが、当てにならんな」


陸奥(むぅ~、お姉さんの魅力全開で迫ったのに、無視されたんだから~!)


陸奥「ま、私より、提督の方が遥かに年上なんだけどね」


長門「何の話だ?」


陸奥「ううん、こっちの事」


陸奥「長門は長門らしく、自然体でいればいいと思うわ」


長門「そうか。何と言うか、その・・・」


陸奥「あらあら、ビッグセブンの腰が引けてるわね~」


長門「違う! そうじゃなくてだな! 私はその・・・ 女として振舞うべきなのか、『長門」として振舞うべきなのか・・・」


陸奥「うふふ。これからお昼だし、ゆっくり話しましょう」


長門「頼む・・・!」


陸奥(もぉ、堅っ苦しいんだから、それが長門の魅力なんだけどね)



衣笠「たっだいま~!」


衣笠「って、誰もいないんだけどね~」


青葉「おっかえり~!」


衣笠「うわ! びっくりした!」


衣笠「青葉、今日は訓練に居なかったけど、どっか悪いの?」


青葉「そうですねぇ、司令官の事を思うと、胸のあたりが、こぉ、キュッとしますねぇ」


衣笠「いつもの青葉じゃん」


青葉「えへへ~」


青葉「まぁ、ホントの事を言いますと、司令官に『青葉だけに、特別な仕事を頼みたいんだ』と言われましてね」


衣笠「それが嘘じゃないから厄介なのよね、青葉は」


青葉「衣笠も見たでしょ? 今朝の朝礼でポニーテールにしてた子」


青葉「みんな、大なり小なり司令官Loveですけど、司令官は振るつもりのようです」


衣笠「あ~あ~、ききたくなーい」


青葉「司令官は急造ポニテじゃなく、旧来のポニテが好きなんですね~」


衣笠「青葉、ポニーテール下ろして、勝負できる?」


青葉「むぅ~、自分の魅力について語れって、どんな罰ゲームですかぁ?」


衣笠「真面目な話だけど、青葉は提督に近づいてる一人だから、しっかり食いつくのよ?」


青葉「もぉ~、衣笠ったら真面目なんだから」


青葉「時間もいいし、ご飯に行こう、ご飯に♪」


衣笠「それは賛成だよ。もぉ、お腹ペコペコ」



みんなでお昼



コンビニ前:


卯月「う~ちゃん達が一番って、何かおかしいよ~!」


三日月「仕方ないでしょ? 卯月ちゃん、行く前から買うゲームを決めてたし」


卯月「一番最後になって、困らせるつもりだったのに~!」


三日月「それ、最後にみんなで笑えるいたずらよね?」


卯月「も、もちろんだピョン!」


睦月「卯月ちゃん。街中でのいたずらはほどほどにするです」


水無月「そうそう、また司令官に怒られちゃうよ?」


弥生「司令官に、迷惑かけちゃ、ダメ・・・」


三日月「睦月ちゃん達、何も買わなかったの?」


睦月「うん、後で卵お一人様1パックに、みんなで行ったらお得かなって」


卯月「110個の卵をどうするぴょん?」


水無月「数字だと多いけど、みんなが毎日1個食べると10日分だよ?」


卯月「あれ? 多く思えないぴょん?」


如月「お待たせ~」


文月「まだ時間あるよねぇ~?」


皐月「私たちが一番さいごぉ~?」


菊月「まだ1210、海軍精神の『10分前行動』のそのまた10分前だ」


三日月「長月ちゃんともっちがまだね」


睦月「如月ちゃんは、何を買ったんです?」


如月「うふふ、内緒~」


文月「私はぁ、部屋着のTシャツ~」



ワイノワイノ



マッタク、モチヅキガモタモタシテルカラ!


シカタナイダロ、フルホンヤガチカクニアッタンダカラ!


如月「やっと来たようねぇ」


長月「済まない、遅くなった」


望月「時間前だからいいだろ~」


菊月「まったく、ギリギリ10分前ではないか」


望月「ギリギリでも間に合えばいいじゃん」


長月「良くない! 海軍軍人たるもの、常に余裕をもって行動するものだ!」


文月「今日は休みなんだしぃ、そんな怒っちゃダメ~」


如月「まぁまぁ、これで全員集まったんだから、ご飯にしましょう」


睦月「いつものファミレスだけどね」



ファミレス:


如月「そう言えば、まだ噂なんだけど、いいかしらぁ?」


睦月「およ? 何です?」


如月「もうすぐ大規模作戦らしいのよねぇ」


文月「それ、あたしも知ってるぅ~、またレイテだってぇ~」


卯月「前もレイテだったぴょん。騙されてるぴょん」


皐月「ううん、青葉さんが丁寧に分析して新聞にしてたけど、前回の大規模作戦で、まだ半分らしいよ」


望月「あれで半分って・・・ かったりぃ」


長月「まぁ、レイテと言えば、大規模漸減作戦だ。私たちには関係なさそうだな」


三日月「私たちは船団護衛が主でしたからね」


菊月「大和型や長門型のいる連合艦隊・・・ 是非行きたいものだが」


弥生「うちには、大和型は、いないけど・・・」


卯月「その理由、う~ちゃん知ってるぴょん!」


卯月「司令官って『うちで養えるか!』って言って、大和型や大鳳が来ないようにしてるっぴょん」


文月「うちの鎮守府って、ビンボーだったのぉ?」


睦月「貧乏にならないように、来ないようにしてるんじゃないかな?」


望月「それはともかく、もしレイテなら、あたしらの休暇は長いかもねぇ」



捷号決戦!邀撃、レイテ沖海戦(後篇)



執務室:


提督「さて、いよいよ大本営から通達が来た」


提督「大淀」


大淀「はい、総員、待機に入っています」


提督「長門」


長門「問題ない。他の鎮守府からの情報も、順次入れて作戦を組む」


提督「明石」


明石「はい! 資源、資材よし! いつでも高速修復に掛かれます!」


提督「よし。長門、放送を始めてくれ」


長門「判った」


カチッ


ウゥ~~~~~~~!


長門『全将兵に次ぐ! 本日0700より『捷号決戦』作戦を開始する! 繰り返す! ・・・』


提督「それじゃ、俺は埠頭に行ってくる。長門、その間の事は頼んだ」


長門「承知した」


大淀「お供します」


明石「私も戻るついでにお供しますね」



埠頭:


天龍「いよいよだな。佐渡基準! 集まれ!」


ワラワラ


天龍「かし~ら~! 中!」


提督「」ケイレイ


天龍「直れ!」


天龍「旗艦天龍! 以下5名、揃ったぜ!」


提督「よろしい」


提督「これより、パラワン水道哨戒戦を開始する!」


提督「多くは言わない! 総員の無事をもって、第一次作戦の終了とする!」


提督「天龍、特にお前に言うが、命と引き換えにしていい戦果かどうか、俺が判断する。大破は帰還だ」


天龍「判ってるってばよ。昔の俺じゃねぇんだ」


提督「ローマ、衣笠。君たちが火力担当だ。大型の水上艦は任せた」


衣笠「は~い、衣笠さんにお任せ」


ローマ「大丈夫、心配しないで」


提督「佐渡、占守、対馬。君たちは対潜の要だ。大型艦では倒せない相手を担当してくれ」


佐渡「佐渡様に任せろって!」


占守「お任せですっ!」


対馬「了解・・・しました」


提督「よし、天龍、装備点検!」


天龍「」マワレミギ


天龍「総員、装備点検!」


天龍「主武装!」


総員「よし!」


天龍「副武装!」


総員「よし!」


天龍「補助装備!」


総員「よし!」


天龍「」マワレミギ


天龍「総員、装備よし!」


提督「よし!」


提督「『パラワン水道哨戒戦』『一番槍天龍隊』掛かれっ!」


総員「掛かります!」ケイレイ



天龍「ホント、ああしてると変態には思えないな」


ローマ「何? 提督の事? Hentaiなの?」


天龍「あぁ、ローマには関係ないから、心配するな」



執務室:


提督「戻ったぞ」


長門「当たり前だが、何も報告事項はないぞ」


提督「作戦開始15分で何かあって堪るかぃ」


提督「そんじゃ、予定通り第2から第4艦隊までは通常遠征。まだ資源は貯められる」


提督「いつも通り、俺は作戦の構想に没頭するから、通常の指揮は長門に頼む」


長門「承知した。この表の通りでよいのだな?」ペラッ


提督「あぁ、それで頼む」


提督「さて、とりあえず対潜掃討後の編成だな」


提督「淀さん、各方面からのデータは出てる?」


大淀「少々お待ちを・・・」カタカタ


大淀「シブヤン海の掃討戦ですね」


大淀「栗田艦隊を軸にして、西村艦隊を遊撃部隊にするようです」


提督「西村艦隊・・・ いい加減、面子は覚えちゃったな」


提督「あれ?」


大淀「どうしました?」


提督「栗田艦隊を調べたんだが、臨時指揮艦様、出番じゃね?」


大淀「あ、しかもうちには大和型はいませんし、旗艦決定ですね」


提督「じゃ、準大和型と考えて、火力筆頭で考えるか」


提督「つ~か、前世でレイテ戦に参加した艦のリスト、艦隊別で欲しいね」


大淀「判りました。少々お時間をいただけますか?」


提督「あぁ、いいよ」


提督「天龍隊だって1日2日で帰ってくるわけじゃなし、時間はそれなりにあるさ」


大淀「なるべく早くまとめてきます」


提督「んで長門さんや」


長門「何だ?」


提督「次段階で旗艦決定。臨時指揮艦の代理を決めとくから、今のうちに心構えだけでもしといてくれ」


長門「判った。久々の出番だな。腕が鳴るな」



E4まで終わって



埠頭:


大淀「提督、水偵が栗田艦隊を発見しました」


提督「あとどれくらい?」


大淀「距離にして10キロ程度、時間にして15分でしょうか」


提督「OK」ケイタイピポパ


提督「明石? オレオレ。そう、詐欺」


提督「じゃなくて、艦隊帰投まで15分程度。人数分の高速・・・あ、終わってる?」


提督「あ、そ? こっち来る。さいですか」ピッ


提督「明石もこっちに来るって」


大淀「まぁ、大破者もいますし、車いすの押し手は何人いても困りませんからね」



長門:『栗田連合艦隊』、ただ今帰投した!」ケイレイ


提督「ご苦労! 現時点をもって、『栗田連合艦隊』は解散! 休憩とする!」


提督「解散!」


提督「妖精さ~ん。回収した艤装運んじゃって~」


妖精「カシコマリー」


提督「新規の子は、とりあえずついてきて」


Jervis「OK~」


Gambier Bay「は・・・ はい・・・」


提督「さて、車いすが必要そうなのは・・・」


島風「テイトクー! 車いすに乗せて~!」


提督「はいよ、今行く」


提督「よいしょ、っと足が自慢の島風が、魚雷貰っちゃったか~」


島風「うん。だけど頑張ってこっちも魚雷打ち込んだよ、にひひ」


提督「さすが重雷装駆逐艦。凄いな」


提督「ちょっと待っててくれ。他も見てくるから」


島風「テイトクー、早くしてね」


提督「他に大破したのは高雄、羽黒、藤波くらいか」


明石「高雄さんは私が押していきますね」


羽黒「わ、私は歩けますので・・・」


藤波「藤波も・・・ 歩けっ、ます!」


提督「大淀~、車いすこっちにも一台~。藤波を頼むわ」


大淀「はい、今行きます」


提督「これで全員か」


島風「テイトクー!」


提督「おぉ、今行く今行く」


島風「早く早く~」


提督「そんじゃ、修復艦隊、ドックに前進~!」



工廠:


提督「艤装の修理は、2時間以上かかる場合は高速修復、それ以外は通常で」


提督「艦娘は動けるようになるまで、しっかり休ませてあげてくれ」


明石「判りました。艦娘の手当てにもう少し手が欲しいんですが~」


提督「淀さん、明石の手伝いを頼む」


提督「んじゃ、俺は戻る」


大淀「提督は手伝っていかないんですか?」


島風「テイトクー! 手当てしてほしいな~」


大淀「ああ言ってますよ?」


提督「淀さんや、君は俺をどうしたいんだ?」


長門「私の傷も大したことはない。明石を手伝おう」


長門「島風、今行くからな」


大淀「あ~あ、提督、チャンスを逃しましたね」


提督「逃げるチャンスをやったんだよ!」


明石「何の話をしてるんですか?」


大淀「たまには提督にセクハラをしていただこうかと」


提督「させるなっての! 戻るぞ!」


明石「提督も大淀も、執務以外だとアホになるよね~」


大淀「楽しいですよ? ふふっ」


Gambier Bay「あのっ! あのっ!」


Jervis「この後何をすればいいの~?」


提督「忘れてた! 新人2人、俺についてきて!」


提督「Sorry で良いのかな?」


Jervis「Do not worry」


Gambier Bay「あ・・・ 日本語でOK・・・です」


提督「んじゃ、執務室に行くからついてきてね」



執務室:



提督「さて、遅ればせながら自己紹介だ」


提督「俺は提督。この鎮守府の運営管理を任されている。よろしく頼む」


提督「じゃ、先にイギリスの子かな? 君から自己紹介して」


Jervis「Nice to meet you. My Name is Lucky Jervis」


提督「そうか、これからよろしく頼むよ」


Jervis「任せてね!」


提督「それじゃ、次は君の自己紹介をどうぞ」


Gambier Bay「あの・・・! It's a pleasure to meet you.My name is Gambier Bay」


提督「ほい、よろしく頼むよ しかし・・・う~ん」


Gambier Bay「え? わ、私、何かしてしまいましたか!? Sorry!」


提督「いや、違うって」


提督「ただ、日本人には『ガンビア・ベイ』って長すぎるなって思ったんだよ」


提督「とりあえず、正式で面倒くさい書類は後に回すから、着任の書類だけ書いちゃって」ゴソゴソ


提督「え~っと・・・ あったあった」


提督「はい、着任証明書。ここに名前だけ書いちゃって」


Jervis、Gambier Bay「OK」


提督「さて、アメリカ艦、は初か。海外艦だと一番古いのは・・・ レーベ、イタリア・・・ ヨーロッパかぁ」


提督「仕方ねぇ」ピポパ


提督「あ、うん、頼む」ピッ


提督「早ぇよ」


Jervis「darling 書けたわ」


提督「ちょ! ダーリンって・・・!」


Jervis「ダメ?」


提督「いや、何と呼んでくれてもいいんだが、それは予想しなかったなぁ」テレテレ


提督「まぁ、それは良いとして、ガンビア・ベイ、長いから君の事をガンビーって呼ぶけど、良いかな?」


Gambier Bay「ハ、ハイ! nickname・・・ですね。thank you berry much」


コンコン


提督「どうぞ、って早すぎるよ」


Warspite「失礼します」


arcloyal「失礼する」


提督「2人で来たのか」


Warspite「まさか、こんなに早く会えるとは思いませんでした」


arcloyal「さすが、ラッキーの名を持つだけはあるな」


Jervis「Warspite? arcloyal?」


arcloyal「そうだ。やはり初めて会っても判るか」


Warspite「この姿では初めまして、ですね」


提督「それじゃ済まないが、この2人に、鎮守府の各施設を案内してあげてくれ」


提督「ガンビー、済まないが、君が初めてのアメリカ艦なんだ。同じ英語圏って事でイギリスに任せる。済まないね」


Gambier Bay「そうなんですか・・・ はい。判りマシタ」


提督「それじゃウォー様、アー様、2人は任せた」


arcloyal「I received it. 任されよう」


Warspite「2人共いらっしゃい、案内するわ」


提督「いってら~」


パタン


提督「さて、大淀が戻り次第、現状把握して再編成だな」


提督「・・・待つだけってのもアホらしい。自分でまとめるか」



提督「ふむ・・・ 燃料弾薬、まだ充分。次の海域の情報は・・・」カタカタ


提督「志摩艦隊、と。那智にガラさん・・・ 駆逐艦は大丈夫、と」


提督「よし、2日くらい通常業務に戻して、休めておくか」



また飲んでるよ・・・



執務室、夜:


提督「淀さん、どぉ?」


大淀「はい、明日明後日の遠征メンバーに、連絡しました」


長門「こっちはもう少しだ。留守番だが・・・」


提督「いつもながらの龍驤でいいだろ。接待装備で対空満載にして」


長門「相変わらずいたずら好きだな」


提督「空き箱の空母かと思ったら、艦載機が全滅なんて、笑えるだろ」


長門「逆にやられたら?」


提督「チクショーメ!」


提督「長門が終わったなら、今日は終わりにしようぜ」


長門「明日明後日は休みでいいんだな?」


提督「遠征とデイリー任務組以外は全休。休まねぇと続けてらんねぇよ」


提督「さて、1950、事務作業を終了とする。解散!」


長門、大淀「別れます」



提督「さて、冷蔵庫には何があったっけな?」


提督「ご飯が余ってたから・・・ いっそ、ライスオムレツにでもするか?」


グスッ,ヒック、グスッ


提督「玉ねぎは粗みじん、冷凍のソーセージを刻んでピザソースを中に仕込むのもいいな。いや、チーズか?」


ウウッ、ヒック、グスッ


提督「んで、こんなところで泣いてる毛玉を発見、と」


毛玉?「ケダマ? 違いまマス~」グスッグスッ


提督「ガンビア・・・ あ~、ガンビーだよな?」


Gambier Bay「Yes admiral」


提督「どうした? イギリス艦にイジメられ・・・ る訳ないか、あの連中だし」


Gambier Bay「ナンデモナイ、です」ヒックヒック


提督「何でもなきゃ、泣くわけないだろ。ほら、立って」


Gambier Bay「ハイ・・・」


提督「一応、連絡しておくか」ケイタイピポパ


提督「あ~、うん、俺、俺」


提督「Gambier Bayは預かった。うん」


提督「返してほしければ、ハギスとウナギのゼリー寄せを1時間以内に用意すること。うん、嘘」


提督「そっか、判った。こっちで預かっておくわ」


提督「あ~、気にしない気にしない。そっちはそっちで楽しんでてくれ」ピッ


Gambier Bay「あの・・・」グスッ


提督「あいつら、心配してたぞ」


Gambier Bay「sorry・・・」


提督「謝るのは俺じゃなくて、明日、イギリス組にね」


Gambier Bay「ハイ・・・」グスッ


提督「ま~、前世は、それはそれは勇ましく戦ったそうだが、それはそれだよな」


Gambier Bay「ソレハソレ?」


提督「今は艦娘なんだ。不安も寂しさもあるよな?」


Gambier Bay「・・・ハイ」グスッグスッ


提督「んで、気の利かない上官に『同じ英語圏だから』ってイギリスと一緒にされてなぁ」


Gambier Bay「エッ?」


提督「確かにルーツとしてはアメリカはイギリスから別れたが、ずいぶん昔の話だしな」


提督「言葉にしたって、文法も単語も違ったりするからなぁ」


Gambier Bay「アノ・・・?」


提督「ふぉろーみー、だっけ? ついてきな」


Gambier Bay「はっ、ハイ!」



提督私室:


提督「はい、そこに座って待ってな」


Gambier Bay「は、ハイ・・・」


提督「簡単にソーセージは炒めるだけ、いや、ソーセージオムレツ・・・ チーズもだ」


ジュージュー ジュージュー


Gambier Bay「あっ、あのっ、admiral・・・?」


提督「はい、お待たせ」


提督「日本の缶ビールだけど、それでいいよな?」


Gambier Bay「は、ハイ」


提督「あ、ごめん、箸は使えないか。スプーンを持ってくるな」


提督「そんじゃ、カンパーイ!」


Gambier Bay「チ、cheers!」


ベコン


提督「ふぅ、やっぱり俺には、ビールは薄いな」


Gambier Bay「そうなんですか?」


提督「呑兵衛だからね。10%を超えないとアルコールとは思えないね」


提督「あぁ、オムレツは味付けは薄めにしてあるから、そこのケチャップとタバスコで好きな味にしてくれ」


Gambier Bay「ハイ・・・」


Gambier Bay「アノッ! admiral、これは・・・?」


提督「自慢じゃないが、泣いてる女性を慰めるのは、ものすごい下手でな」


提督「ましてや、不安に押しつぶされそうになってるなんて、どうすりゃ良いやら」


提督「面倒だから、話でもしながら飲んで、寝てもらおうって話だよ」


Gambier Bay「メンドウって・・・」


提督「不安なんて、どうにかできるもんじゃないだろ」


Gambier Bay「ウウウッ」


提督「まぁ、何だ。悪いようにはしないから、少しは気楽にしてくれ」


Gambier Bay「aye-ayeーSir」


コンコン


提督「入ってま~す」


ガチャッ


青葉「トイレじゃないんですから」


青葉「司令官、今日は青葉がおつまみを作って・・・ え?」


Gambier Bay「good evening・・・」


提督「あ~、まぁ、何だ」


パシャッ!


青葉「『カメラは捕らえた! 無垢なアメリカ艦に迫る支配者の手!』 明日の新聞の見出しは決まりました!」


提督「待てぃ!」


提督「えっと、ホレ、ガンビーからも何か言ってくれよ」


Gambier Bay「What!? えっと・・・ 私が泣いてたら、admiralが優しくしてくれて・・・」


青葉「優しく!? そこのところを詳しく!」


提督「そこだけ抜き出すな!」


青葉「実は司令官は、気弱で引っ込み思案な子が好みだったんですね!?」


提督「そこは違うと言っておく!」


青葉「そうなると、名取さん、春日丸さん、神通さんあたりでしょうか?」


提督「よぉそうポンポン出るなぁ。大外れだよ」


青葉「ところで今日はビールですか? 珍しいですね?」


提督「いや、俺はこれからウィスキーにするつもり。青葉も飲んでけよ」


青葉「ライスコロッケを作ってきましたから、丁度良いですね。お邪魔します」



Gambier Bay「フゥ、何だか目が回ってきました~」


提督「お~、そうかそうか。水持ってきてやるよ」


青葉「しかしガンビーさんって、アメリカ艦らしからぬビビリですねぇ」


Gambier Bay「ビビリ?」


青葉「いえいえ、こっちの話です」


提督「ほいよ、水」コトッ


提督「まぁ、今のところ唯一のアメリカ艦だから、バティに困ってるんだが・・・」


青葉「神通さんに鍛えてもらうとかどうでしょう?」


提督「アホか。叩いて鍛えるのはハガネであって、割れ物を叩いて鍛えてどうする」クビー


青葉「じゃ、明るいお姉さんで、隼鷹さん。同じ軽空母ですし」チビチビ


提督「毎日二日酔いってか?」


青葉「それじゃ、司令官は誰が良いと思ってるんですかぁ?」


提督「天龍が良いかと思ったんだが・・・ 天龍にもビビりそうだな。こりゃ」


青葉「えんちょー先生、勢いはありますからねぇ」


提督「園長言ってやるな」


提督「異例だが、しばらくは司令部付きにして、使いパシリしてもらうか」


Gambier Bay「What?」


提督「うん・・・ うん。それで良いか」


提督「お~い、ガンビーや」


Gambier Bay「ムリですムリです。I can not drink it any longer. I am full. I got drunk. Admiral is kind and loves」

(もう飲めません。お腹いっぱいです。酔いました。提督は優しくて好きです)


提督「おや? アメリカ艦酔いつぶしちゃったよ。俺の肝臓スゲー」


青葉「酒飲み太平洋戦争は司令官の勝利ですね!」


提督「まぁ、これなら不安を感じる前に寝れるだろ」


提督「青葉、肩を貸してやってくれるか?」


青葉「こういう時は、お姫様抱っこじゃないんですか?」


提督「してやればいいじゃないか」


青葉「あぁ、青葉のために取っておいてくれてるんですね?」


提督「あ~、そう言う事でいいや。ほれ、送ろうじゃないか」



パタン


青葉「はい。ベッドに寝かしつけてきましたよ」


提督「ありがとうな」アタマナデナデ


青葉「あっ、頭っ!?」マッカ


提督「ん? 嫌か? 青葉は嫌がらないからやったんだが・・・」


青葉「うれし・・・ えっと、じゃなくて!」


青葉「ついでですし、青葉も送ってもらえると嬉しいなぁ、なんて・・・」マッカ


提督「まぁ、この鎮守府には、不審者は俺1人しかいないんだが・・・」


ヨール! フタフタマルマル! イイネイイネ! ヤセンダネ!


提督「いや、男の不審者は俺しかいないんだが・・・」


青葉「夜戦忍者に襲われたら大変じゃないですか。送ってください!」


提督「ま、良いか」


提督「あ、そうだ」


提督「ついでだから青葉、2~3日、ガンビーを朝食に誘ってやってくれ」


提督「こっちはこっちで、ガンビーの顔見知りを増やすようにするから」


青葉「随分気にするんですね~」ギュー


提督「抓るな抓るな!」



さぁ、逝こうか



提督「総員、装備点検!」




第一艦隊「栄光の第一艦隊」


  榛名

  摩耶

  瑞鶴

  瑞鳳

  龍驤

  赤城



第二艦隊「最強の天龍隊」


  天龍

  羽黒

  妙高

  木曾

  島風

  綾波


総員「よし!」


提督「泣いても笑っても、これが最後だ」


提督「第一に皆の帰還! 第二に海外艦の確保! 第三に敵の掃討を目的とする!」


総員「了解!」


提督「では第一次エンガノ岬攻略戦、掛かれ!」


総員「掛かります!」ケイレイ



提督「行っちまったな・・・」


長門「なんだ、心配なのか?」


提督「そりゃ~な。若い子、俺の半分くらいの歳の子を戦場に送り出してるんだぜ?」


提督「俺も戦場に立てればねぇ・・・」


長門「まぁ、諦めてくれ」


長門「我々だって、ただの女子供じゃない」


長門「前世を覚えたまま転生したんだ。もう一度、この国を守るためにな」


提督「二度も命を懸けてもらえるなんて、頭が下がるよ、ホント」


長門「いつまでも見送ってても仕方がない。戻ろうじゃないか」


提督「そうだな、有難がるだけじゃなく、出来ることでもしようかね」




数日後、執務室:



提督「一体! 何が! どうなってるって言うんだ!」


大淀「落ち着いてください、提督」


長門「そうだな、前回のレイテ沖海戦の海域に比べれば、まだマシではないか」


提督「あれはあれでおかしかったけど、今回は今回でおかしいでしょ!」


長門「しかし、毎度の事ながら、芳しくないな」


提督「ボスの手前で大破とか、そんなばっかりだ」


大淀「神通さんが嘆いていそうですね、『訓練が足りなかったのですね』って」


提督「止めてあげて。あの人、一日30時間訓練しそうだから」


長門「ではどうするのだ?」


提督「そりゃ~、決まってるでしょ」


提督「俺は俺の本分を果たすだけよ」


大淀「いつものですね?」


長門「いつもの?」


提督「おぅ、『最大限に楽をして勝つ』。怠け者最大の利点よ!」


長門「なんだそれは」


大淀「『戦争論』で有名なクラウゼヴィッツの言葉です」


大淀「『優秀で勤勉な者は参謀に向いている。勝つために勤勉に考えるからだ』」


大淀「『怠惰な無能は伝令に向いている。余計なことは何もしないからだ』」


大淀「こう言うと付け上がりますが、提督は怠惰で優秀な人です」


提督「もっと褒めてもいいのよ?」


大淀「『有能で怠惰な者は指揮官に向いている。楽をして勝とうとするからだ』、とあります」


長門「なんだそれは」ハァ


長門「で、怠惰で優秀な我らが提督は、どういう判断をするんだ?」


提督「当面できることは、基地航空隊の防衛を外して、攻撃隊を編成する」


長門「防御はどうするのだ!?」


提督「諦めろ。こっちの資源が燃え尽きるのが先か、相手の首を持ってくるのが先かのチキンレースだ」


長門「なっ!?」


提督「更に基地航空隊の編成も見直し。護衛戦闘機を外して全部陸攻に」


大淀「よろしいのですか?」


提督「構わん、前のめりに行こうじゃないか」


大淀「判りました。終わったら提督、基地の妖精さんたちに菓子折りを持って行ってくださいね」


提督「チョコレートリキュールも付けよう」



さらに数日後、執務室:



提督「泣くぞ! そろそろ泣くぞ、俺!」


長門「止めないか」


提督「いい加減、白っぽい瑞鶴風の顔も見飽きた! もういいよ、俺たちは十分戦ったよ!」


長門「ふむ・・・ 今の資源で出撃できるのは、あと数回か」


長門「提督よ、どうするのだ?」


提督「少し時間をくれ。考えをまとめる」


大淀「提督、よろしいでしょうか?」


提督「はいはい、よろしいですよ~」


大淀「軍令部より、会議のお知らせが入っています」


提督「欠席に〇しといて~」


大淀「結婚式じゃないんですから」


提督「しゃあねぇ、俺が軍令部で尋問されてる間は第二、三、四艦隊は遠征、少しでも資源を稼いでおくしかないな」


提督「演習艦隊は龍驤単艦、いつもの対空装備で」


長門「なんだか編成がごちゃごちゃしてきたな」


提督「とりあえず遠征だけ出せればいいよ。戻ったら俺が編成しなおしておく」


長門「そうか。わかった」



エンガノ岬沖E7M




龍驤「ソロモン海のようにはいかないよっと!」カットインタイクウ


長月(なんで龍驤が対空射撃してるんだ・・・?)


長月(そして何より、レイテの最終海域だというのに、なんで私はドラム缶を背負って第一艦隊にいるんだ?)



・第一艦隊「栄光の第一艦隊」


  瑞鳳

  龍驤

  霧島

  長月

  利根

  涼月


・第二艦隊「最強の天龍隊」


  天龍

  羽黒

  妙高

  木曾

  島風

  綾波



執務室:



長門「提督よ、この編成にはどういう意味があるのだ?」


提督「ん? 軍令部に出頭する前に記録しておいた、何度も瑞鶴モドキを撃破してる編成だろ?」


長門「龍驤が率先して対空射撃に精をだしてるぞ」


提督「はぁ!? あ・・・ 演習の接待装備のままだから、90mm単装高角砲に対空電探、おまけに機銃まで装備してらぁ・・・」


長門「しっかりしろ、まったく」


長門「それで、一度引き返させるか?」


提督「いや、資源の残りも少ない。龍驤はうまくやれてるようだし、このまま進もう」


提督「瑞鶴モドキの撃破は無理でも、海外艦の保護くらいはできるだろ」


長門「ふむ、進撃だな」



E7M:


龍驤「はぁ!? 進撃やと?」


瑞鳳「うん、無理はしないで、艦娘を保護できれば良いって」


長月「どう考えても、編成ミスとしか考えられないのだが・・・」


霧島「提督には何か考えがあるのでしょう」


凉月「私には解りませんが、龍驤さんも今は防空艦です。対空は大丈夫でしょう」


利根「とにかく進むしかあるまい。瑞鳳、第二艦隊にも連絡じゃ」



執務室:



提督「状況は?」


瑞鳳『現在、ボス前。長月さんが大破。他は小破未満です』


提督「アィェエ! ナガツキナンデナガツキ!?」


提督「なんてアホやってる場合じゃねぇ。なんで長月が連合艦隊に居るんだ?」


長門「軍令部に出発するぎりぎりまで指揮してて、直前に遠征の編成をしてただろう」


長門「慌ててロクに確認もしなかったんだろうな」


提督「仕方ない、第二艦隊の綾波護衛にして長月は撤退。そして進撃だ」


提督「以上、通信を封鎖する」ポチー



E7W:



龍驤「んで、撤退やろ?」


瑞鳳「ううん、護衛退避して進撃だって・・・」


利根「護衛退避か・・・ 妥当な線かのぉ」


瑞鳳「私、艦隊司令部施設持ってないよぉ・・・」


龍驤「なんやて!?」


長月「・・・前々から、提督には思うところがあったんだ・・・」


長月「司令官が執務室に呼び出すのは、決まった艦娘じゃないか・・・」


龍驤「うちが一番呼ばれるなぁ」


長月「その他は、そうだな、最近ではアメリカの軽空母か」


長月「あの司令官の好みは判らぬが、駆逐艦には目も向けやしない! 物理的にもだ!」


皆 「・・・」


長月「いいさ! 前進だ! 出来れば私は生き残って、あの司令官を殴りたい!」


瑞鳳「通信は封鎖されちゃったし・・・ 進むしかないよね」


涼月「あの・・・ 長月さん?」


長月「なんだ?」


涼月「私も一度、実は大破進撃されたことがありまして・・・」


長月「ほらみろ! 駆逐艦なんか、司令官の目には入らんのだ!」


涼月「いえ、帰港したら、謝られました」


涼月「しかも錬度が低かったので、一時間ちょっとで修復できるのに、急速修復材を使っていただきました」


涼月「決して短慮はなさらずに、提督を信じてください」



執務室:



榛名「提督、失礼いたします」


提督「ん? どうした?」


榛名「いえ、今、レイテ最終海域攻略中と聞きましたが、榛名はここに居ていいのでしょうか?」


提督「ん? あぁ、編成を間違えたようだが大丈夫だろ。もうすぐ帰ってくるはずさ」


榛名「そうですか。ですが榛名、艦隊司令部施設を持ったままなのですが・・・?」


提督「え"・・・!?」



E7X:


深海鶴凄姫「チッ…。シカタナイナァ……。ゼンリョクデ…シズメテアゲルヨ!」


霧島「今回は戦力が足りていませんが、提督の計算では、追い払うだけで充分です!」


長月(それは判ったが、ドラム缶ガン積みの駆逐艦に何をしろっていうんだ!)



執務室:



提督「通信! 通信! すぐに撤退だ!」


提督「うちの艦隊からは、誰も失われてはいけないんだ!」


大淀「現在は通信封鎖中・・・ いえ、連合艦隊より通信が入りました!」



E7X:



瑞鳳「ボス戦、終了しました」


提督『おぉ、お疲れ様。それで、長つ・・・』


瑞鳳「ボスは取り逃がしました。随伴はすべて倒しました・・・」


提督『そうか・・・ では、周囲の捜索・・・』


瑞鳳「捜索も完了しました・・・ おめでとうございます、アイオワです」


提督『おぉ! でかした!』


瑞鳳「・・・」


提督『瑞鳳・・・?』


提督「長月の安否を聞きたいんだ」


瑞鳳「」グスッグスッ


提督『どうした!? 瑞鳳!? 傷が痛むのか!?』


龍驤「聞いとれんわ! 替われぃ!」


龍驤「長月はな! ・・・おらへんねん!」


提督『経緯を頼む・・・』


龍驤「判らへんわ!」


龍驤『戦闘が始まって! 終わって! 点呼取ったらおらへんねん!』


提督「艦隊、帰投せよ・・・」


龍驤『待ちぃや! このまま長月の捜索を!』


提督「どこに敵がいるかわからん・・・」


提督「今は健在な艦の維持が優先だ・・・」


龍驤『この! アホーーーーーー!』



やらかしてしまった提督



執務室:



提督「長門、後を頼む」


提督「遠征隊は入港後、休養。連合艦隊が近海まで来たら教えてくれ」


長門「どこに行く!?」


提督「仕事だ仕事」


提督「あ、そうだ。今日は睦月型の外出届は出てないよな?」


長門「あ、あぁ」



睦月型私室:


コンコン


卯月「お客さんぴょん」


睦月「はいはい~、どなたにゃしぃ?」


提督「俺だ」


如月「あらぁ? 司令官、何の御用かしら?」


提督「・・・」


如月「司令官?」


睦月「あの・・・?」


提督「済まない。俺のミスで、長月が轟沈した」(腰を直角に折る最敬礼)


文月「えっ?」


提督「済まない!」


卯月「ほ、ほら! 司令官、ここでうっそぴょ~ん! って・・・!」


弥生「信・・・じたく・・・ない・・・です・・・」


睦月「し、司令官はウソつきです! そんなウソを言うなんて!」


如月「落ち着いて、睦月ちゃん! みんな!」


望月「あ~、はい、みんな落ち着いて~」


望月「まだ正確な確認はできてないんだろ? 司令官」


提督「あ、あぁ」


望月「んじゃ、確かなことが判ったら、また教えてよ」


望月「ほら、まだ誤認かもしれないだろ。みんなしっかりぃ~」


弥生「望月ちゃん・・・ どうして、落ち着いていられるの・・・?」


望月「あぁ? ったりぃなぁ」


望月「しれ~かんはもう戻っちゃって~、収拾付かないだろうからさ~」


提督「済まない」


パタン


ナイタッテサワイダッテ、ケッカハカワラナイダロー


ダカラオチツキスギダッテイッテルノヨ!


ナガツキチャンノコト、ナントモオモッテナイノ!?


アーウルサイウルサイ


提督「・・・」


提督「さて、どうしたものか・・・」



執務室:



大淀「遅いですね、提督・・・」


長門「済まない、私がついていながら」


大淀「終わったことを言っても仕方ありません」


大淀「提督は、睦月型の子が居るか、聞いて行ったのですね?」


長門「あぁ」


大淀「あの人、あれで根は真面目ですから、睦月型に報告に行ったとして・・・


ガチャッ


長門「艦娘を沈めた者は、失意のあまり失踪する者もいるとか・・・」


提督「それも頭をよぎったがな」


大淀、長門「提督!」


提督「ここで辞めちまったら、これまでの事を無かったことにするって事だろ」


提督「きっちり指揮して、きっちり地獄に堕ちてやるさ」


長門「おい、お前、その瓶は・・・」


提督「あぁ、気付けだ気付け。気にすんな」


大淀「大丈夫なんですか? そのまま酔って休まれた方が・・・」


提督「酔えねぇんだよ」PCカタカタ


提督「やはりな、まだ出来ることがあったか」グビー


提督「確認してくれ。この際だ。第三第四艦隊の支援も加えて、後先考えない総出撃とする」


長門「自棄になるな! そんな事をしたら、今後の攻略はどうなる」


提督「目の前も突破できないで、今後も減ったくれもないだろう」


大淀「確かに・・・」


提督「遠征艦隊帰還後、戦艦、空母を主体として支援編成を編成」グビー


提督「資源が尽き次第、備蓄体制に戻して期限ぎりぎりまで粘る」


提督「この方針で行く」


長門「判ったから、飲みすぎだろう。いきなり二合とは!」


提督「気にすんな、頭は回ってる」


長門(回ってるのは目・・・ いや、目が座ってる・・・)


提督「それからガンビア・ベイを呼び出してくれ」



Gambier Bay「admiral、あの・・・ あの・・・」


提督「・・・」


Gambier Bay「もしかして私、やはり解体ですか!?」


Gambier Bay「私、弱いし、艦載機も多く積めないし・・・!」


Gambier Bay「でも、イッショウケンメイ頑張るから、admiral!」


長門「提督よ、貴様はただでさえガラの悪い顔をしてるのだから、黙っていられると困るぞ」


提督「おう、済まない」プハー


Gambier Bay「alcohol臭っ!」


長門「そんな怯えた目で見るな、私も用件は聞いてないんだ」


提督「おぉ、さっき、アイオワが見つかってな」


提督「鎮守府の案内を、ガンビーに頼みたいんだよ」


Gambier Bay「よかったぁ・・・ 解体じゃないんですね?」


提督「自慢じゃねぇが、艦娘の解体は片手で数えるほどしかやってねぇ」


長門「そう言えば、私が着任してから、艦娘の解体の話も聞いたことがないな」(着任に2年かかった人)


提督「ガンビー、受けてくれるな? お前さんがうちの初のアメリカ艦だからな」


Gambier Bay「aye-ayeーSir」


提督「じゃ、頼んだぞ」


Gambier Bay「admiral? なんか、様子が変ですよ?」


提督「そういうこともある」


Gambier Bay「私が来た時、ここになじめるように笑わせてくれたのに」


Gambier Bay「怖い顔なのに、すごく笑ってたのに」


長門「今はそっとしてやってくれ」



長門「作戦終了だ、艦隊が帰投したぞ」


提督「そうか・・・」


長門「その酒浸りの様を見せるわけにはいかんだろう。私が対応するか?」


提督「ケジメはきっちりせにゃあなぁ。全員、通してくれ」


提督「一人足らんがな・・・」



埠頭:



提督「攻略、ご苦労だった」


龍驤「」ツカツカツカ


龍驤「」ムゴンデナグル


龍驤「長月がな、ゆっとったんや・・・」


龍驤「『生きて帰れたら、司令官を殴りたい』ってな!」


提督「そうか・・・」


龍驤「何をカッコつけてんねん!」


提督「攻略は続行する。編成は表を見てくれ」


提督「総員、工廠で検査を受てくれ」


龍驤「そんだけかぃ! 艦娘一人沈めといて、そんだけかぃ!」


提督「解散!」



E7のどこか:



長月「っ! すごいな・・・ まだ生きてるのか、私は・・・」


長月「何とか最後まで立っていられると思ったが、何だあれは」


長月「いや、私らだって、大破が一人いれば、それを狙うか・・・」


長月「まさか、私一人がピンポイントで狙われるとはな・・・」


長月「しかし、沈んだところで艤装を外したのは正解か」


長月「機関も武装もないが、だからか?」


長月「前世の姿に例えたら、船体のみのドンガラ状態か」


長月「さて、フカに襲われるか、味方に見つかるか、敵に見つかるか、餓死するか・・・」


長月「考えても始まらん。他のことを考えよう」



陰鬱な出撃



埠頭:


第一艦隊「栄光の第一艦隊」


  榛名

  摩耶

  瑞鶴

  瑞鳳

  龍驤

  赤城


第二艦隊「最強の天龍隊」


  天龍

  羽黒

  妙高

  木曾

  島風

  綾波


提督「済まないが、再度の出撃をお願いする!」


提督「頼む」


長門「あ、あぁ」


長門(全員に睨まれてるな・・・)


長門「第一艦隊、第二艦隊、装備点検!」


榛名「」マワレミギ


榛名「総員、装備点検!」


榛名「主武装!」


総員「よし!」


榛名「副武装!」


総員「よし!」


榛名「補助装備!」


総員「よし!」


榛名「」マワレミギ


榛名「第一艦隊、装備点検よし!」ケイレイ


天龍「」マワレミギ


天龍「総員、装備点検!」


天龍「主武装!」


総員「よし!」


天龍「副武装!」


総員「よし!」


天龍「補助装備!」


総員「よし!」


天龍「」マワレミギ


天龍「総員、装備よし!」


長門「よし!」


長門「最終作戦、『暁の水平線に勝利を──』、掛かれぃ!」


総員「掛かります!」



洋上:



龍驤「あ~、むしゃくしゃするわ! ホンマ!」


瑞鳳「どうすればいいのか、もぅ判らないよぉ」


龍驤「あんのクソ司令官、酒臭い息吐いとるのに、フラフラしとるわけでなし・・・!」


龍驤「顔色は悪いわ、死人を相手にしとるみたいや!」


天龍「奴もショックだったんだろ」


龍驤「笑わるわ! 司令のミスで沈んだんやぞ!」


榛名「ならば逆らいますか?」


龍驤「それは・・・」


榛名「このまま連合艦隊で捜索に掛かって、長月さんの遺品を探しますか?」


榛名「そして長月さんの遺品を持ち帰って、戦果なしで胸を張るのですね?」


赤城「私たちは艦娘であると同時に軍人です」


赤城「使命を果たすのみです」


榛名「どうか・・・ 前世の乗員の方々を思い出してください・・・」


龍驤「はぁ・・・ 司令を許すとか許さないとか、そんな話やないしな・・・」


摩耶「まー、直接の原因は深海棲艦だ」


摩耶「とりあえず仕返ししてやろうぜ」



執務室:



提督「さすがだな、我が艦隊は」グビッ


長門「少し義務的ではあるがな、それでも勝ちは拾いに行ってるぞ」


提督「資源はどうだ?」


長門「あと3回、いや、基地航空隊もあるから2回といったところか」


提督「瑞鶴モドキの首さえ持ってくれば、攻略は終わるんだがなぁ」


長門「早めに終わることを祈るだけだが・・・ いい加減酒はやめないか?」


提督「おかしな指揮はしてねぇだろうが」


長門「だからだ。艦娘の間で妙な噂になってるぞ」


長門「『長月が沈んでから、提督が怖くなった』と」


長門「飲んでるし酔ってるが指揮はまとも、目が座って声に抑揚がない」


提督「それで誰も来ねぇのか」


提督「ま、艦娘沈めておかしくなけりゃ、それこそおかしいって・・・ 通信だ、出てくれ」


長門「連合艦隊だ。ボス撃沈ならず。親潮と邂逅だそうだ」


提督「そうか、めでたいな」


長門「だったら喜べ」


提督「長月がいねぇのにか?」


長門「はぁ・・・ 親潮は陽炎型だな、陽炎に案内するように言ってくる」


提督「話が早いな。頼む」



E7のどこか:



長月「あれから一晩・・・」


長月「立ち上がれないのも退屈だ・・・」


長月「このまま頑張れば、陸までたどり着けるんじゃないか?」


長月「・・・馬鹿か私は。その前に餓死する」


長月「腹が減ったな・・・」



執務室:



提督「今日はうまいこと、合間合間に西南諸島のデイリーが終わった」


Gambier Bay「それで私が呼ばれたのですね」


提督「あぁ、少々危険だが、お前を改装したくてな」


Gambier Bay「あの・・・ admiral、うまく言えないけど・・・ その・・・」


提督「あぁ、俺みたいなクソ提督に気遣いは無用だ。行ってくれ」


Gambier Bay「はい・・・」


提督「艦娘には気遣いされるし、さりとて普通にも振舞えん」


提督「ホント、クソ提督だな、俺は・・・」


提督「対潜水艦隊が戻ったら、第二次レイテ攻略の最後だな」




長門「落ち着かないな」


提督「そりゃあな。泣いても笑っても、第二次攻略終了だからな」


長門「いや、もう一回くらいいけるぞ」


提督「そうか、って落ち着けねぇよ」グビー


提督「海図をとってくれ」


長門「そろそろ連絡が来るはずだからな、っと、来たな」


長門「ふむ、E7Mポイント、ふむ、ふむ・・・ なにっ!?」


提督「なんだ? 大破なら撤退だ」


長門「嘘ではないんだな!? 今、提督に換わる!」ムセンサシダシ


提督「なんだ? 何があったんだ?」



E7M:



長月「ついに二晩、三日目は数えられるか・・・?」


長月「もういい・・・ 残りがどれくらいか判らぬが、楽しいことを考えよう」


長月「・・・姉妹にもう一度・・・ いや、何度でも会いたいな・・・」


長月「卯月が馬鹿を言って、ほかの姉妹が慌てて、私と菊月は肩をすくめるんだ」


長月「そんな馬鹿をやりながら遠征に出て、笑いながら資源を回収して・・・」


ドーン! バシャーン!


長月「たまに戦闘になって・・・」


長月「太陽がまぶし・・・ 偵察機!?」


瑞鶴「肉薄する! くたばれ! 瑞鶴航空隊、発艦!!」


長月「なんだ!? ・・・連合艦隊!?」


長月「嘘だろ・・・!? 夢だろう・・・!?」


瑞鳳「瑞鳳の艦爆隊、お願い!!」


長月「そうか・・・ 今度こそ私もここまでか・・・」


長月「痛かったり、辛かったりもしたが・・・ 振り返れば楽しいと言えたかも知れない」


天龍「おい! 今、緑色が見えた!」


瑞鶴「ホント!? 艦攻艦爆艦戦、全機発艦! 周囲の捜索に当たって!」


島風「見つけた! 長月ちゃん!」




榛名「はい! こんな嘘はつきません! 長月さんです!」


榛名「だから、E7Mポイントで、長月さんを発見したんです! 漂流してたんです!」


榛名「提督、酔いを醒ましてください!」


提督『くっ! ここで撤退と言いたいが・・・! 進撃だ。ただし、長月の保護は最大限にしてくれ』


提督『ボスなんてどうでもいい。適当にあしらってやれ』


龍驤「適当って・・・ 敵さんも可哀そうやな」


赤城「長月ちゃん、まずはご飯です」


龍驤「アホか! あれから漂流しとるんや! 無理に決まっとるわ!」


島風「長月ちゃん、はい、お水」


天龍「良かったぁ~~~~! 夢じゃないよな! 嘘じゃないよな!」オオナキー


摩耶「へっ! 天龍、子供みたいに泣きやがって」オオナキー


綾波「そういう摩耶さんだって」ナキワライ


妙高「とにかく、羽織れるものを! 体温も下がってるはずです!」




E7X:



深海鶴凄姫ー壊「ウミノソコハネ……? ツメタクテ…。ヒトリハ……サミシィ゛ィ゛……ッ!」


榛名「どうでもいいです! 勝手にしてください!」


瑞鶴「今はあんたに構ってられないの!」


天龍「一昨日きやがれぃ!」


摩耶「そのうち相手してやんよ!」


深海鶴凄姫ー壊「アノ・・・ クルシミト・・・ カンナシミヲ・・・ ネェ・・・」


龍驤「脚も止めた! 随伴消した! 帰るでぇ~!」


深海鶴凄姫ー壊「ネェ・・・ ドロップ・・・」


瑞鳳「また今度よろしく!」


深海鶴凄姫ー壊「ヒトリハ・・・ サミシイナァ・・・ ショウカクネェ・・・」




艦隊帰投中:



長月「私は運がいいのだろうな・・・」


長月「しかし艤装を捨ててしまった。良くても始末書だろうな」


龍驤「そんなん、司令に書かせぇや!」


天龍「当然だな。もちろん、それだけじゃ済まさねぇだろ?」


妙高「私も提督を庇おうとは思えません」


羽黒「あのっ! あのっ!」


榛名「非は全面的に提督にありますからね」


赤城「連合艦隊全員に、ご飯をおごっていただくのはいかがでしょうか?」


木曾「それは赤城が得するだけじゃないか」


島風「長月ちゃん、長月ちゃんは指令に仕返ししたいとか思ってる?」


長月「今はとにかく休みたい・・・」


長月「司令官を殴るのも蹴るのもそれからだ」


瑞鳳「殴るには殴るんだ・・・」


長月「しかし、判らないんだ・・・」


綾波「何がです?」


長月「司令官は確かに駆逐艦蔑視してる」


綾波「そんなことは!」


長月「お前だってそうだろ? 綾波、何か月ぶりの出撃だ?」


綾波「それは・・・」


島風「私も、あまり出撃してないな・・・」


長月「特に睦月型は遠征ばかりだ」


赤城「それは燃費が・・・」


長月「百歩譲ってそうだとしよう。なら、なんで報告に行っても、ろくに目を合わせないんだ!?」


天龍「あ~、うん、それはな・・・」


島風「そう言えば、私もほとんど司令官と目を合わせてないな~」


天龍「そうかぁ? あいつは顔こそマンガで主人公に一発でやられそうな顔だけどよ」


天龍「話すと面白い奴だぜ?」


赤城「提督の肩を持つわけではありませんが、料理の話もよくしますね」


瑞鳳「駆逐艦ってよりも、大人艦とは、よく話すみたいだね」


瑞鶴「でも変じゃない?」


長月「何がだ?」


瑞鶴「こう言うのは何だけど、長月ちゃんがいなくなってから、提督、壊れてたわよ?」


長月「はぁ?」


龍驤「酒浸りだわ声に張りはないわ、仕事はしとるけどなぁ」


榛名「普段なら、アイオワさんが手に入ったら大喜びでしょうけど『そうか』で終わりですからね」


天龍「マジか? 重症だなぁ」


長月「どういう事だ、一体・・・?」


龍驤「まぁ、何もかんもが帰ってからや」


龍驤「そうそう、とりあえず代わりに一発殴っといたで」




船着き場:



提督「お疲れ様! 長月は!? 長月はどこだ!?」カケダシ


長門「おい提督、自ら規律を乱すな」


長月「ここだ司令官」


提督「長月!」ダキシメ


長月「うわ! 酒臭っ! 放せ!」


提督「良かった! 本当に良かった! 済まなかった! ああ違うそうじゃない明石! 明石!」


明石「はいはい、提督が離さないと、長月さんを車いすに乗せられませんよ」


長月「車いすなど大げさな。私は歩けるぞ」


提督「大げさなもんか! とにかく無事でよかった! 明石のところで精密検査を受けてくれ!」


明石「はい、行きますよ~」


天龍「おいおい、ほどほどにしねぇと、この鎮守府のしょ~もねぇ最高機密がバレるぜ」


榛名(最高機密!?)


龍驤(それがあるから、駆逐艦やうちらに素っ気ないちゅ~んか?)


提督「ふぅ、あ~、皆、お疲れ様」


提督「現時点をもって、第二次レイテ攻略を終了とする」


提督「資材が溜まり次第、第三次攻略にかかるから、それまで身体を休めててくれ」


提督「では解散!」


天龍「あ~、提督、ちょっと良いか?」


提督「なんだ?」


天龍「お前、ろくに寝てねぇだろうし、飲みっぱなしだろ?」


提督「あ? あぁ」


天龍「んで、長月が見つかったから、もうちょっと飲んで寝ようとか考えてるだろ?」


提督「あまり頭の中を見ないで欲しいな」


天龍「やっぱりな。だからよ・・・」チカヅキ


天龍「良いから寝とけ」キョウレツナボディブロー


提督「」シロメ


天龍「あー大変だー。提督が突然気を失ってしまったぞー(棒)」


長門「お前なぁ・・・ まぁ、突然気を失ってしまっては仕方がない(棒)」


長門「提督は私が運んでおくから、お前も入渠してこい」


天龍「はいよ」




医務室:



明石「はいはい、狭い医務室だから、順番にね~」


睦月「良かったのです! 良かった・・・! にゃしい!」


如月「長月ちゃん・・・!」ギュー!


弥生「ほら・・・! 司令官・・・ 嘘ついてた・・・!」


卯月「ぷっぷくぷ~! 長月、笑うぴょん! 笑うぴょん! みんなで笑うぴょん!」


明石「長月ちゃん、愛されてますね~」


長月「ううっ・・・」


皐月「長月、大丈夫かぃ? 痛いところないかぃ?」


水無月「何だかな~、私は艦娘になってからまだ日が浅いけど、でもさ、長月がいてくれて、嬉しいよ」


文月「長月ちゃ~ん。また会えたね~、良かったぁ~」


長月「何か、恥ずかしい・・・」


明石「それも生きてる証よ。生きるってことは、黒歴史を積み重ねることなんだから!」


菊月「共に生き残ったか・・・! 嬉しいぞ」


三日月「長月ちゃん! また会えてよかった! 長月ちゃんの好物を作っておくから、早く元気になってね!」


望月「あ~、全く、世話掛けさせやがって。誰か一人欠けたって、睦月型じゃないんだからな」


望月「早く元気になって、みんなを安心させるんだよ~」


明石「は~い、これでおしま~い。長月ちゃんは、私が責任をもって治すから、みんなは待っててね~」


睦月型「は~い!」




執務室:


ガチャッ


提督「夢を見てた気がする・・・」


大淀「あら提督、お帰りなさい」


提督「え〜と、大淀。済まんがここ数日の記憶が曖昧なんだ。状況を説明してくれるか?」


大淀「そうですか。あれだけ飲んでいれば、そうもなるでしょうね」


大淀「提督は長月さんが連合艦隊と一緒に帰投した時に、安心して気絶したことになっています」


提督「そうか、ってなってるって?」


大淀「提督が休もうとしないので、天龍さんが眠らせてくれました」


提督「ボディーブローは夢じゃなかったのかよ・・・」サスサス


大淀「攻略は現在、第二次攻略が終了。資材を貯めて第三次攻略の準備を進めています」


提督「OK、そっちはとりあえず、数日貯めて様子を見よう」


大淀「以上です。何かありますか?」


提督「あのだ・・・」


大淀「なんでしょうか?」


提督「え〜と・・・」


大淀「あぁ! うっかりしていました」


提督「どうなんだ!?」


大淀「えぇ、高速修復剤は、まだ残っています。こちらは攻略するまで持つと思われます」


提督「あ〜、そうかいそうかい」


大淀「長月さんのことですね?」


提督「判って遊んでたのかぃ」


大淀「そりゃ〜、どこかの誰かさんが酒浸りになってる間、指示の再確認やなんかをやらされましたから」


大淀「そのお返しです」ツーン


提督「悪かったと思ってるよ。で、どうなんだ? 長月の様子は?」


大淀「明石からは何の連絡もありません」


提督「どう言う事だ?」


大淀「良くも悪くもなっていないということでしょう」


提督「済まん大淀。仕事が遅れたついでに、明石のところに寄ってくる」


大淀「どうぞ、どうせ大規模作戦時は私と長門さんで回してるようなものですから」ハァ


大淀「どうせですから、工廠関係の任務もやってきてくださいな」


提督「恩に着る」


バタン



工廠:


提督「明石! 明石はいるか?」


明石「いらっしゃいませ! 何にします?」


提督「いや、買い物じゃなくてさ」


提督「その、長月の様態はどうなんだ?」


明石「芳しくないですねぇ」ハァ


提督「えっ!?」


明石「長月ちゃんの艤装は一からの造り直しになりますので、練度・・・長月ちゃん本人とのシンクロは最初からになります」


提督「そんなんはどうでもいいよ。着任の書類でも何でも書いてやるから」


明石「この場合、除籍と着任の両方の書類が必要ですね」


提督「書類も艤装も何とでもなるでしょ」


提督「ど〜してみんなして、長月本人の話をしないかなぁ」


明石「あはは、提督が必死すぎて、からかいたくなるんですよねぇ」


明石「無事も無事、数日間、何も食べてなかったら衰弱してますが、それ以外は元気なものです」


提督「良かったぁ」


明石「会っていきます?」


提督「あぁ、とりあえず工廠関係の任務を終わらせたら、謝りに行くよ」


明石「じゃ早速、開発からですが・・・」



明石「ちぇ〜、長月ちゃんの艤装でもできてくれれば、組み上げる手間が省けたのに〜」


妖精「シゴトサボルナ」


提督「俺に出来ることがあるなら手伝うぞ?」


明石「普通の機械ならお願いしますけど、艤装は普通の人間には扱えませんからねぇ」


提督「そうか。それじゃ長月のところに行くけど、この奥の医務室でいいんだよな?」


明石「着替えてるかも知れないから、ノックしてくださいね〜」




回復していく鎮守府



医務室:


コンコン


提督「長月、俺だ」


提督「入っていいか?」


長月「いいぞ」


提督「失礼する」


長月「それで、何の用なんだ」


提督「まずは謝らせてくれ。済まなかった!」(腰を直角に折る最敬礼)


長月「なっ!?」


提督「すべては俺のミスだ。殴るでも蹴るでも、好きにしてくれ」


提督「要望があれば、俺にできる限り何でもする」(敬礼したまま)


長月「おい! 頭を上げないか!? 貴様は一番偉いんだぞ!?」


提督「一番偉いのは艦娘だ。俺は艦娘様にあれこれお願いしているだけだ」


提督「艦娘が居なければ、日本なんぞとうに滅んでいる」


長月「ったく! 『直れ!』」


提督「お言葉に甘えて」(直り)


提督「でも、せめて償いはさせてくれ。俺にできることなら何でもするぜ」


漣 「ん? 今」


曙 「何でも」


朧 「するって」


潮 「い、言いましたよね・・・?」


長月「うわっ!? 何なんだ一体!」


漣 「えへへ。第七やじ馬隊、集合しました」


潮 「す、済みません! 艤装を取りに来るついでに、長月さんのお見舞いに」


漣 「お見舞いに来たんですけど、そしたらご主人様が、ねぇ?」


曙 「で、何のネタなのよこれは!」


朧 「知らない方が良いと思うよ、うん・・・」ハイライトオフ


青葉「そこも拾ってこその駆逐艦です!」


青葉「第6パパラッチ隊、取材します!」


提督「隊って、1人しかいねぇじゃん」


青葉「どこかの世界では、一人で『背水の陣』を敷くから良いのでは?」


提督「どこかの世界のカラス天狗から聞いたのか?」


提督「ほれ、やじ馬隊は行った行った」


チェー、ナガツキチャン、ゲンキデネー


アノッ! ナガツキサン、オダイジニ!


ヘンタイクソテイトクニヘンナコトサレタラ、オオゴエダスノヨ!


イクラテイトクデモ、ナガツキチャンミタイニチイサイコニテヲダサナイデショ、タブン・・・


提督「んで、パパラッチ隊も行って欲しいんだが?」


青葉「はい、用事を済ませたら行きますよ~」カササ


青葉「長月さんもどうぞ~」


提督「何だこの新聞は?」


長月「『輸送艦「あつみ」の乗員に迫る』? ふむふむ」


青葉「いえ、見て欲しいのはそっちじゃなくて~」


提督「『実録! 壊れた提督! 艦娘を失った提督の姿として、アリかナシか!?』だと!?」


青葉「えぇ、食堂に張り出したので、ぜひとも当事者のお二人には見ていただこうかと・・・」


提督「俺は許可だしてねぇぞ!」


青葉「大淀さんの許可をいただきました」


長月「『酒浸りと言うのはいただけないが、艦娘を沈めた責任を背負っての事だろう。評価は控える。戦艦N』」


長月「『どんな理由があっても、沈めたのは許せないわ~、その首、落としちゃおうかしら~。ナシね~。軽巡T』」


長月「『許せない失敗だけど、何とかして提督さんを慰められないかなぁ? あ、評価アリで。空母Z』」


長月「青葉、お前なぁ・・・!」


青葉「申し訳ありませんが、長月さん生還の後の話ですので」


青葉「長月さんが生還できてなかったら、青葉もナシに一票でした」


提督「当然だな」


長月「」グスッグスッ


提督「どうした長月!? どこか痛むのか!?」


提督「明石! おい明石!」


長月「違うんだ司令官。こんなゴシップでも・・・ こんなゴシップでも、また読めるんだなぁ、って・・・!」


青葉「そんな、ゴシップゴシップって・・・」ズーン


提督「何にせよ、長月が無事で嬉しいよ。俺は」


提督「ほれ、第六ゴシップ隊も行った行った」


青葉「パパラッチ隊ですぅ~」スタスタ


提督「行ったか」


提督「何にせよ長月。お詫びをさせてくれ。長月自身の要求でも、睦月型の要求でも聞くぜ」


長月「それは少し考えさせてほしい」


提督「了解した。多少の無理は聞くぜ」


提督「こっちも本題だが、長月」


長月「なんだ?」


提督「復調し次第、秘書艦見習いから秘書艦になってもらう」


長月「なんだそれは⁉」


提督「まぁ、しばらくは演習旗艦で出ずっぱりになるからな」


提督「他の睦月型と組むにしても、何をするにしても、ある程度以上の練度は必要だからな」


長月「まぁ、睦月型は外洋航行能力は自慢だからな」


提督「も、もちろん、不満があればいつでも言ってくれ。善処するから!」


長月「ふん、文句の付けようもない、無いんだが・・・」


提督「何だ?」


長月「司令官、これまで目も合わせなかった睦月型に、なぜここまでする?」


提督「」メソラシ&ヒヤアセ


長月「ふん、どうせ自己満足だろう。秘書官の件、了解する」


提督「ありがとう」


長月「ふん!」



弓道場:


瑞鶴「提督さんのために、何かできないかなぁ?」キリリッ・・・シュン!


翔鶴「瑞鶴ったら、『見てられないんだから』って、何度も行こうとしたものね」キリリッ・・・シュン!


瑞鶴「何と言うか、もぉ、このまま行くとさ・・・」キリリッ・・・パスッ!


瑞鶴「同じことがまたあったら、提督さんはどうなるのかな・・・って」


翔鶴「提督の覚悟の具合かしら?」


瑞鶴「それもあるんだけどさ・・・」キリリッ・・・


加賀「随分楽しそうね、五航戦・・・」


瑞鶴「ひぃい!」


翔鶴「済みません! 提督の事が心配で!」


加賀「今は鍛錬に集中しなさい・・・ 瑞鶴?」


瑞鶴「何よ?」


加賀「隣の的に当てるなんて、普通じゃできないわ。誉めてあげるわ」


瑞鶴「ふん! 何さ! 加賀さんは提督さんの事が心配じゃない訳?」


加賀「それは・・・」


赤城「はい、そこまで!」


赤城「全員、休憩にしましょう」


加賀「赤城さん・・・」


赤城「澄んだ心で撃つのも弓道の基本ですが、その心を保つのも重要です」


赤城「一、二、五航戦で、緊急ミーティングを行いましょう」


加賀「お財布が・・・」


蒼龍「でしたら、二航戦も持ちますよ」


飛龍「ちょ、蒼龍!?」


蒼龍「良いから良いから」



間宮:


赤城「では、第1982回正規空母会議を始めます」


加賀「そんなに開いていないと思いますが・・・」


赤城「ノリですノリ」


蒼龍「それで赤城さん、議題はなんでしょう?」


赤城「それはもぅ、瑞鶴さんの不調ですが、お題はこうなるでしょう」


赤城「ズバリ、『悲劇! 艦娘轟沈! 酒浸りの提督! それはアリなのだろうか!?』ですね」


蒼龍「あ~、あの人だもんねぇ」


飛龍「何を知ってるのよ?」


蒼龍「内緒~」


赤城「事を整理しますと、長月さんの沈没が発端です」


翔鶴「そうですね」


赤城「その失意で酒浸りになるも、指揮は違(たが)えない。立派・・・ですかね?」


赤城「長月さんが戻ってから、提督は元通りになったとの事ですが・・・」


赤城「まだ心配なのですね? 瑞鶴さん」ユビサシー


瑞鶴「うん、身体も心配だけど、無理をしてないかな? って」


赤城「ですよね。一民間人上がりの提督ですから、相当に堪えているはずです」


瑞鶴「生き死には無縁のところから来てるから、心配なのよね」


加賀「甘いわ、瑞鶴」


加賀「あれでも提督教育課程を済ませてるのですから、覚悟できていない方がおかしいわ」


瑞鶴「覚悟なんて人それぞれじゃん! 覚悟してたって、いざ目の当たりにしたら・・・!」


加賀「まず、あなたの覚悟が足りなのではなくて?」


瑞鶴「私だって、一航戦やった事もあるんだから! 覚悟はできてるわよ!」


赤城「はい、そこまで」


赤城「そこですよね。まぁ、今回の件は、提督には良い試練だとしましょう」


翔鶴「試練って・・・」


赤城「戦場にいるものは、先ほどまで一緒に笑っていた人がいなくなっても、戦う覚悟が必要です」


赤城「まぁ、置いときましょう」


加賀「端的に言えば、飲んだくれになった提督を愛せるかどうかですね」


瑞鶴「加賀さん・・・」


蒼龍「私は無理だな~、パスいち」


赤城「私もちょっと。もう少し芯の強さを見せて欲しかったですね」


翔鶴「瑞鶴はそれでも提督さんを選ぶのね?」


瑞鶴「そうよ! あんな優しい人、他じゃ見ないもん!」


赤城「そこは否定しませんけどね」


加賀「それでは正規空母会議は、瑞鶴の恋を応援する方向でいいでしょうか?」


瑞鶴以外「異議な~し」


瑞鶴「ちょ!?」


加賀「瑞鶴をからかって・・・ いえ、応援するのは良いのですが、具体的には何をすればいいのでしょう?」


蒼龍「は~い。今度の空母の宴会に提督にも来てもらうってどうでしょ~?」


加賀「提督なら、お酒で釣れば来そうですね」


赤城「ではそれで行きましょう」


瑞鶴「1分掛からずにまとまっちゃった・・・」


翔鶴「それじゃ瑞鶴、予定を決めに、執務室にお邪魔しましょう」


瑞鶴「ちょっと翔鶴姉ぇ、引っ張らないでよ」


飛龍「行ってらっしゃ~い」



執務室:


提督「胃薬休憩終わり~。淀さん、次に優先する書類は?」


大淀「こちらです。あ、長月さん、任務の報告はそうじゃなくて・・・」


コンコン


提督「はいどうぞ~」


翔鶴「失礼します」


瑞鶴「お邪魔するわ。ってすごい書類ね」


提督「まったく、担当海域変更で一から攻略しなおせってんだぜ。大本営様は」


瑞鶴「え? それじゃまさか?」


提督「そ。正面海域の警備からよ。振り出しに戻るって奴だな」


瑞鶴「うっわ~。そりゃ書類も多くなるわね」


提督「うちなんてマシな方らしい。鎮守府によっては異動もあるから、引っ越しまでしなきゃならんらしいぜ」


提督「絶対に迷子になる艦娘もでるな」


大淀「今回の大規模作戦で、新規に発見された艦娘なんか、とくにありそうですね」


提督「そんで何よ? 翔鶴に瑞鶴」


翔鶴「いえ、今度、空母を中心に飲み会をしようと言う話になりまして、スケジュールの確認に来たんです」


翔鶴「(ほら瑞鶴、提督を誘って)」


瑞鶴「(翔鶴姉ぇ、肘で突かないでよ)」


長月「(何をしてるんだ? あの2人は)」


瑞鶴「あのっ! その飲み会に、提督さんもど、どうかな~って」


提督「あぁ、行かせてもらおうか」


瑞鶴「ホント!? やったぁ!」


大淀「今月のスケジュールで良いですか? 空母の皆さんはデイリーの補給艦くらいですから・・・」


翔鶴「明日辺りで行けそうですね」


提督「まぁ、堅っ苦しいが、あとで参加者を教えてくれ。少しはスケジュールを調節しよう」


提督「いや、いっそ空母なしで挑んでみるのも面白いか?」


大淀「提督、起きてください」


提督「寝てねぇよ。いや、噂じゃ大和と武蔵に水上戦闘機載せまくって、疑似信濃をやった鎮守府があるらしくってな」


大淀「誰が一番狂ってるか、それを決める大会ですか?」


提督「いやぁ、まるゆを毎回、大規模作戦に組み込む提督がいるから、そいつがチャンピオンだろうな」


長月「」ジトメ


大淀「あぁ、長月さん、アホが伝染りますから、見ちゃいけません」


提督「おかしいなぁ? 俺はこの鎮守府の支配者様で、一番偉いはずなのに・・・」


大淀「はいはい、一番偉い旧支配者様は、書類を続けてくださいな」


提督「『旧』を付けるなよ。仕舞にゃショゴス呼ぶよ?」


長月「何を話してるかさっぱりだ。仕事しよう」


大淀「長月さん、演習の編成ですが、長月さん旗艦で・・・」



夜、睦月型の部屋:


如月「どう? 秘書艦のお仕事、上手くやれてるかしら~?」


長月「正直なところ、まだまだ教わることは多いな」


如月「司令官とは、楽しく話せてる?」


長月「あっちはあっちで別の仕事をしてるし、あまり会話はない。やはり駆逐艦は嫌われてるのだろうな」


如月「そんなことはないと思うなぁ。私は普通に話してるし」


長月「だとしたら、私個人が嫌われている?」


如月「う~ん、でもそれじゃ、秘書艦にはしないでしょう?」


卯月「なんの話をしてるぴょん?」


長月「私は司令官に嫌われてるんじゃないかって話だ」


如月「そんな事はないと思うけどねぇ」


卯月「司令官はアホだけど、艦娘を嫌いになることはないぴょん」


長月「しかしこっちは慣れない仕事でいっぱいいっぱいなのに、あっちは訳の分からない話題で盛り上がってて」


如月「例えば?」


長月「旧支配者だとか、ショゴスだとか」


卯月「それ、アニメって言うか、ゲームって言うか、小説って言うか、そんなもんだぴょん」


長月「は?」


卯月「ちょっと待ってるぴょん。図書室行ってくるぴょん」



卯月「はい、これぴょん」


長月「『クトゥルフの呼び声』?」


卯月「昔のホラー小説だけど、今ではゲームになったり、アニメにもなってるぴょん」


如月「ホラーって・・・」


卯月「夜中にトイレに行けなくなる系ぴょん!」ニコッ


卯月「あの図書室の本、8割が司令官の私物らしいぴょん。だから司令官のネタは、あそこの本を読めばわかるぴょん」


長月「8割って、何千冊あるんだ? あれ」


卯月「5万は超えてるぴょん」


如月「本と言えば長月ちゃん、雑誌が溜まりすぎてない?」


長月「少し経つとまた読みたくなるんだよ」


如月「だったら、それこそ図書室に寄付したらどうかしら?」


如月「それに、司令官とお話しするいい機会じゃない」


長月「う~ん、卯月、代わりに行ってくれないか?」


卯月「え~、面倒くさいっぴょん。一言いうだけぴょん」


如月「『本置かせて』『OK』で終わる話じゃない」


長月「嫌われてるんじゃないかと思うとな、どうも・・・」



執務室:


提督「さて、こっちの朝礼を始めますか」


提督「え~、昨日に引き続き、秘書艦、大淀、補佐で長月。ガンビーは使いっぱしり頼む」


総員「了解!」


提督「みんなからは何かある?」


大淀「特にありませんが、そちらの進み具合はどうです?」


提督「新海域の書類? 午前中に終わらせたいな」


大淀「そうですか。それじゃ午後は長月さんの補佐に入れますね?」


提督「秘書ってのは、俺の補佐なんじゃね? 俺の補佐の補佐を補佐するって・・・」


提督「淀さんは何するのよ?」


大淀「標的に提督の写真を張って、撃ち込んできます」


Gambier Bay「」クスッ


提督「要望があるなら、口で言ってね? 15.5cmで言わないでね?」


提督「他には何か?」


長月「ここで言って良いのか?」


提督「俺の悪口なら、聞こえないところで言ってくれ」


長月「違う。私事だが、図書室に本を寄贈させてほしいんだ」


提督「何? 本だと?」キラッ


長月「(気軽にOKするんじゃないのか!?)」


提督「その話は後で詳しく聞かせてくれ」


提督「他になければ、楽しいお仕事を始めるぞ~」


提督「それじゃ、ご安全に~」


Gambier Bay「ご、ゴアンゼンニー」


長月「なんだその挨拶は」


大淀「ここは工事現場じゃありません」



提督「よし、海域まとめ終わった~!」


提督「ガンビー、今からプリントするから、ページ順にまとめてホチキスして、棚に仕舞っといて」


Gambier Bay「aye-ayeーSir」


提督「淀さん、長月、そっちはどう?」


大淀「もうすぐExcelの4級まで行けそうですよ」


提督「誰がそこまでやれと言った」


提督「まぁ、準2級くらいないと、秘書は務まらんが」


長月「これでまだまだなのか?」


提督「まぁ、パソコンなんぞ、触ってりゃ嫌でも覚えるさ」


提督「気が向いたらMMDでもゆっくり解説でも作ってみればいいさ」


大淀「提督に任せると、一流のオタクになりそうですね」


大淀「丁度お昼ですね。では私は昼食の後、射撃訓練に参加しますので」


提督「あ~、そう言えばお淀さんって、艦娘だっけな。忘れてたよ」


長月「忘れるか、普通・・・」


提督「長月も昼休憩にしな。ガンビーは終わってからね」


長月「了解した」ガタッ


Gambier Bay「こっちもすぐに終わりマス」


コンコン


瑞鶴「提督さんいる?」


翔鶴「ちょっと瑞鶴、失礼よ」


大淀「提督ですか? いりません」キパッ


提督「淀さん、実は俺の事嫌いだった?」


瑞鶴「いらないなら貰っていくよ」グイグイ


提督「腕を引っ張るなっての。腕だけ伸びたらどうするんだよ」


瑞鶴「今日の飲み会の打ち合わせ、ご飯食べながらしようよ」


翔鶴「もう、瑞鶴ったら。失礼しますね」ペコリ


長月「まるで嵐のようだな・・・」


大淀「まぁ、ガンビーさんも終わったようですし、お昼にしましょう」



提督「さて、午後も元気に仕事しますか~」


長月「了解した。何をすればいいんだ?」


提督「そうだな・・・ 午後の演習の編成をしてもらおうか」


長月「私がか!?」


提督「なに、俺が後ろで見てるし、チェックはするさ」


長月「間違えたらどうするんだ!?」


提督「俺が直すさ。第一長月、一度も間違えずに覚えられると思ってるのか?」


長月「いいんだな? 間違えても問題ないんだな?」


提督「良いってば。少しは俺を信じて・・・ って、前科があるか、俺」


長月「あ、いや・・・ そこまで気にしなくてもいい。私は今、こうしているのだからな」


提督「そうか、じゃ俺はあっちで第三次攻略について考えてるわ」



提督「ま~、データは粗方、第二次攻略で出てるからなぁ」


提督「後はどれだけ回数をこなせるか、か・・・」


長月「司令官、出来たぞ。確認してくれ」


提督「ほいよ、今行く」


長月「どうだ?」


提督「うん、旗艦親潮、綾波、ジャービス、島風、瑞鳳、ガンビー」


提督「ふむふむ・・・ 悪くはないが却下」


長月「何がいけないんだ!?」


提督「と言うか、どう考えて、この編成にしたか聞きたい」


長月「新規に入った艦娘を中心に、大規模攻略隊の一部を組み込んで練度上げを考えたが、何がいけないんだ?」


提督「新規と言うなら、なんでアイオワがいない?」


長月「ううっ・・・ そこは悩んだんだが、やはり入れるべきか?」


提督「いや、入れなかった理由を聞いてるんだ」


長月「・・・戦艦は燃料弾薬を食うだろう。特にアイオワはアメリカの決戦兵器と言えるから、桁違いだ」


長月「鎮守府が備蓄に入ってるなら、大規模作戦の後でもいいと思ったのだが・・・」


提督「素晴らしい! 鎮守府の資源も考えてくれたとは!」


長月「なっ!?」


提督「別にネチネチとイジメてた訳じゃない」


提督「間違えるにしても、なぜ間違えたか、どこを間違えたか判れば、次は間違えないだろう?」


長月「ならばこれで良いのではないのか?」


提督「ん~、長月」


長月「なんだ?」


提督「長月はどうして、ここで秘書艦やってるんだっけ?」


長月「おかしな司令官だ。演習旗艦にするため、他の艦と組みやすくする・・・ あ・・・」


提督「んん~? 演習艦隊に、長月ちゃんの名前がないぞぉ~?」ニヤニヤ


長月「えぇい! 嫌味ったらしい! 今直す!」


提督「急がなくていいぞ~」


提督「俺はお茶を淹れてくるが、ほうじ茶で良いか?」


長月「それで良い!」


提督「はいよ~」



長月「ふぅ、連絡も終わったぞ」


提督「お疲れ様。ほぃ、お茶」


長月「ありがたい。って、提督がお茶を淹れるのか?」


提督「お茶菓子はこちら、提督購入の天乃屋のおせんべいになります」


長月「おい! 司令官!」


提督「ネタが通じないって、悲しい・・・」


長月「卯月に聞いたぞ。それは何の漫画のネタだ」


提督「ん? あ~、これは漫画じゃなくて、茶道のお点前の口上だな」


長月「茶道だと? 司令官、茶道の心得もあるのか?」


提督「いや、関わりたくもない茶の席に招かれて、真髄だけ知って帰ってきた」


長月「なにをどう言えばいいんだ・・・」


提督「まぁ、判りにくいネタを振った俺が悪い。気にしないでくれ」


長月「そう言われてもな」


提督「気にするなって。んで、話題の転換だが、本を寄贈したいって?」


長月「忘れられてなかったか。そうだ、自室に置ききれないので、図書室に置かせてもらえないかと思ってな」


提督「まず、先に聞くが、一応だよ? 長月に限ってそんなことはないと信じてるよ?」


長月「何だ、勿体ぶって」


提督「公共良俗に反する本じゃないよな?」


長月「アホか! 私がそんな本読むと思ってるのか!?」


提督「良かったぁ~、そうだよな、長月に限ってそんな事はないよな」タメイキー


長月「まったく、私をどんな目で見てるんだ!」


提督「どんな目って・・・ そりゃあ・・・」


長月「つきあってられん。月間『丸』だ! 『丸』!」


提督「ん~、軍事関連の月刊誌だっけ?」


長月「そうだ。月によっては私たちの前世の事も載ってたりしてな」ヤヤハヤクチ


提督「うんうん」


長月「乗員の皆さんの話も合ったりな」ハヤクチ


提督「OKOK。図書室に置くのを反対する理由は何一つない」


長月「良いのか?」


提督「もちろんだ。知識はあるに越したことはない」


提督「しかし長月、本当に艦だった頃も好きなんだな」


長月「あぁ、もっと私やみんなの事を知ってほしいと思っている」


長月「私や睦月型のみんな、いや、帝国海軍のみんなは頑張ったんだ! 評価はともかく、頑張ったと褒めてもらっても、バチは当たるまい」


提督「そうだよな~」ウンウン


提督「じゃ、長月。一応、検閲もしなきゃならんから、運ぶのを手伝うぜ」


長月「手伝ってもらうほどの量ではないのだが?」


提督「一応、検閲な、一応」


長月「仕方ない、了解した」




明日にむかって呑め!



食堂:


赤城「え~、それでは空母の会1882回親睦会を始めさせていただきます」


提督「そんなに飲み会やってるのかよ」


加賀「もちろん、冗談です」


隼鷹「よ~し、飲むぞ~! ヒャッハー!」


Gambier Bay「ヒ、Hyahaa・・・」


提督「お~い、隼鷹。絡むのはほどほどにしとけよ~」


隼鷹「あぁん? 飲み比べしたいって? 提督~」


提督「ヤダよ、この前俺が勝ったから良いだろ?」


瑞鳳「隼鷹に勝ったんだ・・・」


提督「ギリギリだったけどな。次の日は壮絶な二日酔いよ」


加賀「ほとんど僅差でしたからね。隼鷹が口を押えて走り出した後、提督も横倒しに沈没しましたから」


提督「はっはっは~、酒の排水量なら大和型にも負けないぞ」


赤城「それにしても提督、この唐揚げ、美味しいですね」


提督「そう言ってもらえると嬉しいね」


加賀「提督は料理も出来るのですね」


提督「ここに来る前は女っけゼロだったからな。自炊しなきゃならなかったのよ」


提督「しかし、持ち寄りって言っても、鳥率高くないか?」


提督「瑞鶴は砂肝の焼き鳥、加賀はローストチキン・・・ あのさぁ・・・」


瑞鶴「加賀さん、ローストチキン、いつもと違わない?」


加賀「判りますか。IH調理器を買ったので、温度がさらに安定しました」


加賀「瑞鶴も、焼き方が上手くなりましたね」


提督「嫌がらせじゃないのかぃ」


赤城「親睦を深めて、連携を取りやすくするための親睦会ですから、そんな事はしませんよ」


加賀「瑞鶴、提督のグラスがカラよ。お注ぎして差し上げなさい」


翔鶴「ふふ、瑞鶴。私はあっちで隼鷹さんを押えてくるから。こっちはよろしくね」


瑞鶴「あ、しょ、翔鶴姉ぇ!」


提督「瑞鶴もカラじゃないか。次もビールにするか?」


瑞鶴「あ、えっと、ワインでお願い」


加賀「あなたがお酌されてどうしますか・・・」



赤城「ちょっと隼鷹さん、無理やり飲ませちゃだめですよ」


隼鷹「んな事いったってよぉ~」


加賀「ベイさん、沈没しましたね」


飛龍「とりあえず、そこに寝かせておきましょ」


蒼龍「提督は相変わらず酔わないね~」


提督「酔ってるぞ? ほろ酔いだが」


瑞鶴「わ、私と二人で、ワイン1本空けたのに・・・」フラフラ


加賀「とりあえず私たちは潰れたベイさんを介抱します。瑞鶴は夜風にでも当たってきなさい」


赤城「あぁ、瑞鶴さん一人じゃ心配です。提督、お願いできますか?」


提督「構わんよ。ほれ、瑞鶴、立てるか?」


加賀「」ウィンク


瑞鶴「(演技じゃないけど)」


瑞鶴「提督さん、手を貸して」


提督「大丈夫なのかね?」


提督「ほれ、瑞鶴。肩貸してやるから」


瑞鶴「(ちょっ!? 提督さんが近くに!?)」


提督「それじゃ行ってくるな」バタン


加賀「行きましたね」


隼鷹「そんで、何企んでんだぃ? 面白そうだから参加したけどさ~」


赤城「隼鷹さん、お願い通りに場を引っ掻き回してくれましたね」


隼鷹「あぁ、バッチリだろ?」


翔鶴「夜間にも彩雲を発艦できればいいのに・・・」


蒼龍「野暮なことしないの。それに・・・ 良いか・・・」


飛龍「どうしたの?」


蒼龍「ううん、何でもない」



埠頭:


提督「瑞鶴、ベンチで休もうぜ」


瑞鶴「もぅ、私が重いって言うの?」


提督「成人女性に体重かけられりゃ、それなりには・・・ 抓るなって!」


瑞鶴「しかし、何でこんなところにベンチがあるのよ?」


提督「そりゃ~、船便の船員さんがちょっとタバコ吸ったり、俺や艦娘が釣りに来た時に使ったり・・・」コシカケ


提督「天気のいい日なんかは、ここで弁当にしたりな」


瑞鶴「へぇ~」コシカケ


提督「そのために、明石に作ってもらった」


瑞鶴「置いたの提督さんなの?」


提督「そうだよ」


瑞鶴「じゃ、もしかして、広場にあるベンチとかも?」


提督「まぁ、ランチに丁度よさそうな所には、大概置いたわな」


瑞鶴「提督さんが? 広場でお弁当広げて?」


提督「俺じゃね~よ。似合わないのは百も承知だよ」


瑞鶴「どう言う事?」


提督「その前にくっつき過ぎだ」


瑞鶴「肌寒いんだもん。それで? 何のためにベンチを?」


提督「まぁ、なんだ。艦娘にだって未来はあるだろ?」


瑞鶴「う、うん・・・」


提督「でも、今は戦ったり訓練したり、仕事したりの日々だわな。サツバツ!」


提督「でもさ、それだけじゃあんまりだろ。昔を振り返ったら、海と砲弾と魚雷と航空機だけの日々だった、なんてのは」


瑞鶴「提督さん・・・」


提督「だから、せめて少しでも奇麗な景色でも見てさ、仲の良い友達と下らない話をしてさ」


提督「この時を振り返ったら、『大変だったけど、楽しいこともあったな』って思って欲しいのよ」


瑞鶴「提督さん、優しいんだね・・・」ウルウル


提督「いやぁ、俺がそっちの立場だったら、こうして欲しいって事をやってるだけさ」


瑞鶴「提督さんの事、もっと好きになっちゃったなぁ・・・」


提督「・・・」


瑞鶴「」マッカ


提督「はぃぃ!?」


瑞鶴「言っちゃった。うん」


瑞鶴「提督さん、大好き! 愛してる!」


提督「」コウチョク


提督「」シンコキュウ


瑞鶴「何か言ってよ・・・」


提督「・・・ごめん」


瑞鶴「えっ?」


提督「提督になる前だったら、瑞鶴に告白されたら、即座にOKしてたよ」


瑞鶴「そんな・・・!」


提督「まさか俺が女性をえり好みできる立場になるとはねぇ」


瑞鶴「好みじゃないの・・・?」ポロポロ


提督「美人だと思うよ。だけど、さ・・・」


瑞鶴「やっぱり! 提督も胸が大きい方が好みなんだ!」ボロボロ


提督「ちょ! まっ!?」


瑞鶴「翔鶴姉ぇや加賀さんみたいに、胸が大きい方が好みなんだ!」


提督「違う! そうじゃない!」


瑞鶴「だったら! だったら、私は美人なんでしょ!? 私の何がダメなの!?」


瑞鶴「好きでこんなに小さい胸に生まれたわけじゃないのに!」ウワーン


提督「待て! 瑞鶴! 違うんだ!」


瑞鶴「じゃあ何よ! どうしてなの!?」オオナキー


提督「俺の好みよりな・・・ 瑞鶴は・・・ 胸が、大きいんだ」


瑞鶴「ほら! やっぱり! 私の胸が大き・・・ え?」


提督「二度は言わないぞ」


瑞鶴「大きいって、聞き違いじゃないよね?」ポカーン


提督「あぁ」


瑞鶴「あのさ・・・ 私、ぎりぎりBしかないよ?」ポカーン


提督「Bもあるじゃないか」


瑞鶴「もしかして提督さんの好みのサイズって、龍驤とか瑞鳳くらい?」ポカーン


提督「あまり人に言わないで欲しいな」


瑞鶴「うん。だけどその二人、その・・・ カップ、無いよ?」ポカーン


提督「いいじゃん、好みの問題なんだし」


瑞鶴「良いけどさ・・・ あんまりの事に、酔いも醒めちゃった」ポカーン


提督「そりゃ良かった、のかな?」


瑞鶴「って言うか、『他に好きな子が居るんだ』で良かったんじゃない?」ポカーン


提督「あっ!?」


瑞鶴「私、戻るね。提督さんの好みの事は黙っておくから」ポカーン


提督「お願いするよ。秘密にするのが辛かったら、大淀か天龍、蒼龍にでも愚痴ってくれ」


瑞鶴「え? 蒼龍さんも知ってるの!?」


提督「あぁ、蒼龍は一番最初に来た空母だからな。俺もよぉ判らんことばかりだったから、気が付いたらバレてた」


瑞鶴「何だかな~、それじゃ行くね」


提督「おぅ」


提督「」


提督「俺も飲みなおすか」


提督「まったく・・・ こんなオッサンの何が良いんだか・・・」



瑞鶴「蒼龍さ~ん! 知ってるなら言ってくださいよ~!」


蒼龍「そうは言ってもさ、ホラ、一応、提督の秘密なわけだし?」


瑞鶴「もぉ、飲まなきゃやってられない!」


翔鶴「ず、瑞鶴・・・?」


加賀「瑞鶴を振るとは・・・ 提督に意見具申しなければなりませんね」


瑞鶴「あ~、加賀さん。もういいよ」


加賀「いえ、許せることではありません」


瑞鶴「いいの! 提督は私は好みじゃないんだってさ~! あはは」


赤城「蒼龍さん? もし、何か知ってるなら・・・ いえ、野暮ですね」


蒼龍「ありがと、赤城さん。さすがに提督の秘密でもあるしね~」



いつもニコニコ、あ、もういい?



執務室、朝:


提督「もうすぐ第三次レイテ沖攻略に掛かれるが、まぁ、なんだかね」


大淀「全体的に、浮足立ってる感じですね」


提督「淀さん、何か知ってるの?」


大淀「いいえ? まったく、何も、私は関わっていませんよ?」シレッ


提督「だったらこっち見ろオラァ!」


大淀「きゃ~! セクハラです、今、軽巡洋艦大淀は、野獣級戦艦提督に汚されようとしています」(棒読み


長月「茶番は終わりか? こっちは勝手に仕事するぞ?」


提督「いや、長月さん・・・?」


長月「司令官が、時報並みにアホなことを言うのは理解した」


長月「今のは8時のアホウだろ? さ、皆、仕事に掛かろう」


提督「この場で一番若そうな長月タンが、一番しっかりしている件について」


大淀「安価でも取りますか?」


青葉「恐縮です! 青葉です!」バターン!


青葉「たった今、大淀さんに許可を取った新聞が刷り上がりました!」


青葉「すでに食堂とか要所に貼りだしています!」


新聞『【速報】正規空母瑞鶴氏、提督に振られる!』


新聞『正規空母瑞鶴氏、提督に愛を求めるも、拒絶される。』


新聞『提督が語るところによると、『好みではないから』と、一蹴されたと、瑞鶴氏は胸に手を当てて語った』


提督「さて、青葉さ~ん?」ダークエガオ


提督「この新聞は、発行禁止で良いかなぁ~?」ダーク


青葉「え? でも、大淀さんの監修ももらいま・・・」


提督「大淀ぉ~!」


大淀「はい、なんでしょうか?」


提督「何だよ、この情報てんこ盛りの新聞は!?」


大淀「あ~、それはですね、提督・・・」ニラミツケ


提督「」タジッ


大淀「ケッコンカッコカリの任務、何か月前に来たと思ってます?」ニッコリ


大淀「『ただの限界突破だろ? とっととしやがれ』と言うのが上層部の考えです」


提督「」ダラダラ


大淀「まぁ、まるゆとケッコンカッコカリする、反骨心溢れる提督もいるようですが・・・」


大淀「反骨心なら良いのですが」


提督「ソレ、ゼッタイ、反骨心ジャナイカラ」


大淀「まぁ、失礼ですが、提督を煽らせて頂きました」


大淀「出来れば、4スロットの軽巡洋艦を選べば、幸せになれますよ?」


提督「う~ん、4スロットの軽巡洋艦は魅力的だがなぁ」


青葉「いえ! 司令官は重巡の良いところをもっと知るべきです!」


提督「それは君のお姉さんのセリフでしょ!」


提督「第一、マジに聞くが『瑞鶴が胸に手を当てて』ってどういう事よ!?」


青葉「そこは青葉は削除しようと・・・」


大淀「いえ、そこが重要なんです!


提督「そこがいらない情報なんだが!?」


提督「まるで俺が瑞鶴を振った理由が『胸が小さいから』に見えるじゃないか!」


長月「(さて、今日の演習は・・・)」


Gambier Bay「(長月さん、あれ、放っといて良いのですヵ?)」


長月「(放っとけ。いつもの茶番だろ?)」


バタン!


加賀「失礼します、提督」


提督「入室するなり、襟元を締め上げるのは、失礼じゃないかな~?」ゲホゲホ


加賀「それは失礼しました」ハナシ


加賀「ですが、五航戦の特に未熟な方を振った理由を、お聞きしたいのです」


提督「特に未熟って」


加賀「えぇ、あの子は特に未熟ですから、提督の助けが必要なのです!」


加賀「それを振り払うような真似をしたのですから、一航戦、二航戦、いえ、全航空隊を敵に回す覚悟がおありなのですね?」


加賀「ま・さ・か。瑞鶴の胸も未熟だからとかぬかしませんよね?」


長月「よさないか! 今の貴様の方が不敬だ!」


加賀「っ! 失礼しました」


提督「ったく! 後輩思いもほどほどにしないと、変態になっちまうぞ」


長月「司令官、大丈夫か?」


提督「ありがとう」


加賀「私が変態かどうかは知りません。あなたは瑞鶴を選ぶべきです」


加賀「では、失礼します」


バタン


大淀「では、提督はお取込み中のようですし、今日も一日、元気に行きましょう」


提督以外「お~」




金剛型私室:


霧島「瑞鶴でダメ。しかし・・」


金剛「hi 霧島、何を悩んでるね~」


霧島「提督の女性の好みについて、また考えていただけです」


金剛「女としては、本当に申し訳ナイけど、瑞鶴がdataをくれたネ~」


霧島「あの新聞ですか?」


金剛「Yes!」


金剛「このpicture. 瑞鶴が胸に手を当ててネ~」


金剛「つまり、瑞鶴はバストがpoorだから・・・ Oops 言う事じゃないネー」


霧島「では、お姉さまは如何なさるおつもりで?」


金剛「テートクの好みがわかった以上、Burning Loveあるだけヨ!」


霧島「待った方が良いと思いますが・・・」


金剛「霧島、何かdetaでもあるのですカ?」


霧島「いえ・・・ ただ、何かが引っかかるんです、何かが・・・」


比叡「霧島、あんまり考えすぎても仕方ないんじゃないかな?」


霧島「まぁ、考えるのが楽しいだけなんですけどね」


榛名「でも、提督の好みは、榛名も気になります。知りたいです」


霧島「まぁ、割り出して見せますわ。艦隊の頭脳(物理)なんて言わせません」


比叡「う~ん、あっ!」


榛名「どうしました?」


比叡「何だ、簡単じゃない」タタタタ・・・


榛名「なぜか悪い予感がします」


霧島「奇遇ですね、私もです」




執務室:


提督「さて、時に・・・ 長月、備蓄はどうなってる?」


長月「ちょっと待ってくれ」カタカタ


長月「燃料弾薬がそろそろ2万を超える。鋼材は端から余ってたし、ボーキサイトが不安ってところだな」


大淀「第二次攻略を参考にしますと、15回程度は出撃できますね」


提督「期日は迫ってる・・・ 後は俺が決断するだけか・・・」


提督「よし! 休憩がてら、全員で相談だ。ガンビー、長門に呼び出しをかけてくれ」


Gambier Bay「aye-ayeーSir」


長月「私はお茶でも入れてこよう」


提督「ありがとう」



提督「さて、揃ったな」


提督「現在、資源は燃料弾薬が2万程度、ボーキサイトは1万弱。修復材は100程度ある」


長門「まぁ、ボーキサイトがネックだな」


提督「まったく・・・ オーストラリアを攻略したい気分だぜ」


提督「そろそろ最終攻略を始めようと思うが、何か意見はあるか?」


大淀「攻略の方針はどうなされるのですか?」


提督「まぁ、これと言った決め手はない。やることは第二次攻略と同じだな」


提督「正直、第二次でカードは全部切ったんだ。これ以上の手はない」


長門「う~む、訓練に問題でもあったのだろうか・・・」


提督「それは判らんが、例えそうだとしても、今どうこう出来るわけでもないだろう」


長門「そうだな、今は出来ることをやるしかないか」


提督「他には何か?」


一同「」


提督「無いか」


提督「よし、とりあえず昼まで休憩」


提督「昼までに最後の決断するから、午後一に集まってくれ」


提督「別れ」


一同「別れます!」



提督「ん? 長月、休憩で良いんだぜ?」


長月「司令官の態度が、どうも煮え切らないんでな」


提督「あぁ、まぁね」


提督「これで良いのか、本当に良いのか、ずっと気になってるんだ」


長月「皆に言えない問題でもあるのか?」


提督「いいや、知っての通り、ボーキサイトが少ないのが気になるくらいさ」


提督「後一撃って状況なんだが、そこでボーキサイトが尽きて終了、ってイメージがあってな」


長月「慎重なんだな」


提督「臆病なのさ。本当ならここで止めたいくらいだが、そういう訳にもいかん」


提督「そこで自分会議は堂々巡りさ」


提督「ま、昼までには結論を出すさ」


提督「長月も午後まで休憩しててくれ。俺はコーヒーでも淹れてくる」


長月「司令官!」テヲニギル


提督「お!? おぅ!?」


長月「しばらく司令官の仕事を見てたが・・・ その・・・」


長月「司令官が必死になって考えたんだ。きっと上手く行く!」


長月「それじゃ、私は休憩に入るぞ」


提督「あぁ、休んでくれ」



提督(長月の手、小さくて柔らかかったな・・・)


提督(しかも長月が励ましてくれたよ)


提督「」リョウテデホホヲタタク


提督「よし! もう一度チェックして、決断するか!」



コンコン


提督「どうぞ~」


比叡「失礼します」


比叡「司令、この青葉新聞の記事なんですが、聞いてもよろしいでしょうか?」


提督「よろしくない話題が来たなぁ」


比叡「いえ、瑞鶴さんの事ではなく、司令の好みの話です」


提督「うわ~ぃ、一番やな話がきたぞぃ」


比叡「司令の好みはズバリ、金剛型ですか?」


提督「はずれ。残念賞のティッシュです」つポケットテイッシュ


比叡「あぁ、違うんですか」ケロッ


提督「え? そんだけ?」


比叡「はい。金剛お姉さまと霧島が、提督の好みについて話してまして」


比叡「だったら直接聞けば早いんじゃないかと」


提督「うわ、大胆・・・」


比叡「では失礼しますね」ペコリ


提督「すげぇ戦艦らしい戦艦だなぁ」


提督「行く、叩く、勝つ。それ以外何も考えてねぇよ、アレ・・・」


提督「さて、不安材料しかないが、これで全部だ」


提督「つまり、おれが最後にやらなきゃならないのは、腹をくくる事か・・・」


提督「よし!」



大淀「では、午後の勤務ですが、提督」


提督「あぁ、レイテ沖最終攻略を開始する」


提督「編成は配ったプリントを見てくれ。とは言っても、第二次と同じだけどな」


長月「それじゃ、第二から第四までの艦隊の編成を・・・」


大淀「長月さん、まだ遠征に出ています。戻り次第、現在の艦隊を解体、再編成です」


提督「そうなると実際の開始は・・・ 一番遅いのは、ボーキサイト輸送の第四艦隊か」


長門「3時間後か」


提督「そんじゃ、編成メンバーに連絡頼む」


提督「そうだな・・・ 1800に埠頭に集合、装備点検後出撃だな」


提督「じゃ、一度解散。俺は各部署の点検に行ってくる」



埠頭:


長月「榛名基準! 集まれ!」


総員「」ワラワラ


長月「かし~ら~! 中!」


提督「」ケイレイ


長月「直れ!」


榛名「第一艦隊旗艦榛名! 以下24名、揃いました!」


提督「よろしい」


提督「これより、レイテ沖最終攻略戦を開始する」


提督「くれぐれも、慎重に作戦を実行して欲しい」


提督「些細なミスが、自分はおろか、仲間すら死に追いやる」


一同(どの口で言うか・・・)


提督「正直な話、ものスゲー怖かったし、さんざん後悔した!」


長月「なっ!?」


提督「もう二度と、誰かが沈むような指示は出さないので、お願いだから従ってくれ!」


提督「」最敬礼


一同「・・・」


一同「・・・」


龍驤「アホか!」


龍驤「軍隊の上官なんぞ、『駆逐艦1隻沈みました、それが何か?』が普通や!」


龍驤「駆逐艦1隻、沈みかけただけでそれかぃ!」


龍驤「まったくアホや! アホがおるで!」


一同「・・・」


龍驤「せやからみんな、こんな優しいアホが、これ以上泣かないように、キメるで!」


一同「お~!」ガヤガヤ


提督「龍驤・・・」


龍驤「勘違いしなや。うちらは『国』を護りたいんやない・・・」


龍驤「国に住む家族、仲間、友達を護りたいんや」


龍驤「あんたもアホやけど、それでも仲間や! 護ったる!」


龍驤「みんな! それでエエか!?」


一同「」パチパチパチ


提督「ありがとう、みんな よし! 装備点検!」


榛名「」マワレミギ


榛名「総員、装備点検!」


榛名「主武装!」


総員「よし!」


榛名「副武装!」


総員「よし!」


榛名「補助装備!」


総員「よし!」


榛名「」マワレミギ


榛名「総員、装備よし!」


提督「再度確認する! 決戦に相応しくない、非攻撃装備の者はいないな!?」


総員「よし!」


提督「よし!」


提督「レイテ沖最終決戦、掛かれっ!」


総員「掛かります!」ケイレイ



執務室:


提督「全艦隊出撃すると、やる事がねぇな」


長月「日常訓練の燃料弾薬まで節約だからな・・・」


大淀「思い出しますねぇ。あの戦争の末期を・・・」


提督「そこまで追い込まれてね~よ」


提督「今、艦隊はどの辺だっけ?」


大淀「その質問も何度目ですかね。E7-Wを過ぎたところです。じきに会敵の知らせが来ると思います」


長月「今、思ったんだが・・・」


提督「どうした?」


長月「睦月型はいつも遠征ばかりじゃないか」


提督「あぁ、助かってるが、それが?」


長月「いや、睦月型の中で、最終ボスに出会ったことがあるのは、私だけじゃないか。って思ってな」


提督「その辺はホント、スミマセンデシタ・・・」


長月「あ、いやそうじゃなくてだな、これって仲間に自慢できるんじゃないかと」


大淀「それが今では司令部要員の一人ですからね。私も長門さんも助かってますよ」


提督「大出世だな」


長月「自分で言いだした事だが、なんか照れ臭いな」ホホソメ


提督「と、連絡だ。うん、単縦陣一択でしょ。支援艦隊にはこっちから連絡入れる」


提督「後の事は考えないでいい。支援砲撃を確認後、突撃。お土産はボスの首でいい。掛かれ!」


大淀「はい。支援砲撃開始、掛かれっ!」


提督「さて・・・ 早くて数分、遅くても1時間程度か・・・」


提督「長月、お茶でも淹れてくれ」


長月「何を暢気な・・・」


長月(何だ、この戦場のような空気・・・)


長月(司令官も、大淀も、動かない)


長月(あぁ・・・ 突撃の指示待ちの艦橋の空気だ・・・)


長月「判った、緑茶でいいな」


提督「あぁ」



給湯室:


長月「ふぅ・・・ 息苦しい・・・」


長月「懐かしい気もしないではないが、慣れるものでもないな」


長月「お茶菓子は何かあるのか?」ガサゴソ


長月「水ようかん。これで良いな」



執務室:


提督「よし! 残敵に気を付けながら帰投してくれ」


大淀「提督、おめでとうございます」


長月「提督、お茶が入ったぞ。大淀も」


提督「おぉ、ありがとう」


提督「長月、作戦成功だ」ダキシメ


長月「わっ!? な、な、何を・・・!」


提督「長月が励ましてくれたおかげだ! ありがとう!」ギュー


大淀「オッホン! え~と、憲兵さんの連絡先は・・・」


提督「止めて淀さん違うのこれはつまりやっと作戦が終わって嬉しくてついだからやらしい意味はまるでなくてこれはだから」ハナシ


大淀「まったく、遂にやらかしたかと・・・」


提督「いやホント、他意はないからね」


大淀「判りましたから、次段作戦を発動してください」


長月「今のが最終作戦だろう?」


大淀「えぇ、長月さん、そこの棚の、そこの隣です。そう、その資料に従って連絡をお願いします」



ウウウウ~~~~~


提督『総員、傾注!』


提督『現時点をもって、『レイテ沖最終決戦』を終了。これより期限まで海域の掃討を行う』


ヤッター!


ウレシイナァ


ヨシ! イイカンジジャナイ!



長月「この『作戦』って・・・」


大淀「えぇ、やってみてください」ニッコリ



食堂:


長月『こちら執務室。長月だ』


間宮「あら、長月ちゃん。どうして執務室から?」


長月『訳あって司令部要員をやってる。それより、伝達する』


長月『ニイタカヤマノボレ0200』


ガタッ!


間宮『了解! 作戦を開始します』


間宮「伊良子ちゃん、ニイタカヤマノボレ0200!」



執務室:


長月「何なんだ? この暗号は」


提督「まぁ、あれだ。間宮さんも伊良子ちゃんも軍属だろ?」


提督「だけど、艦娘なのに、やってることは食堂のおね~ちゃんだろ?」


長月「艦娘であることは忘れるな、と言う事か」


提督「違う違う。むしろ、艦娘の誇りってものがあるでしょ?」


提督「こんな下らない事でも、その足しになりゃいいかなって遊びさ」


大淀「えぇ、鳳翔さん。打ち上げです。間宮さんと伊良子さんと相談して、2時間でお願いします」


長月「あっちは良いのか?」


提督「ほしょさんは、出撃するじゃん」




鎮守府駐車場:


龍鳳「総員、かし~ら~! 中!」


龍鳳「直れ!」


提督「こんな時ばかりの活躍で済まないね、龍鳳」


龍鳳「良いんですよ提督。免許持ちで手の空いているのは私くらいですから」


提督「で、以下潜水艦隊ね」


58「大規模作戦の時なんて、お仕事がないでち」


提督「なにも全員で来ることは無いだろうに」


U 「お役に立ちたかったけど・・・ だめ?」


提督「うん、人出は多い方が良いな、うん!」


長月「司令、鼻の下が伸びてるぞ」


提督「おっと! それでは旗艦、俺。第二艦隊旗艦龍鳳!」


提督「乗り込め!」


ワー!


モットツメルデチ!


ナンデミンナシテ リュウホウノクルマニノルノ?


アハトアハト! アハトアハト!


イクモイクノー!


提督「やれやれ・・・ こっちには長月だけか」


長月「不服か? 司令」


提督「美少女と二人っきりだ。これで文句が出るならホモ野郎だね」


長月「美・・・ 馬鹿なことを言うんじゃない!」


提督「さて、目標、業務用スーパー! 前進!」




車内:


長月「車と言うのは、速いものなんだな」


提督「ん~、信号待ちやら何やらがあるから、巡行で考えると20ノット出てないぞ」


提督「下手したら10ノット出てないかも知れん」


長月「そうなのか・・・」


提督「つ~か、出かけてるなら、バスから外とか見てるんじゃないか?」


長月「そういう移動の時は、皆と話してるからな」


提督「そっか~」


提督「・・・」


長月「・・・」


提督「鼻の下なんて伸びてないぞ~」


長月「何の話だ?」


提督「さっき、長月が言ったじゃねぇか」


提督「確かにUみたいに、儚げな子も嫌いじゃないが・・・ うん、違うなぁ」


長月「デレデレしてたくせに」


提督「してね~よ」


長月「・・・」


提督「・・・」


提督「あ~、長月、『月間丸』、少し読ませてもらったが、なかなか読みごたえがあるな」


長月「そうか?」


提督「あぁ、個人的にも興味があるし、提督としても知っておいた良いことが書いてあるな」


長月「司令官も興味があるのか?」


提督「そりゃあな。興味がなけりゃ提督業に応募なんてしないし、一応、かじった程度だが軍事マニアもやってたからな」


提督「提督になる前から、大和と武蔵はもちろんだが、伊勢日向、金剛、龍驤は知ってたぞ」


長月「なんだ、そのメジャーなんだかマイナーなんだか判らないところは」


提督「まぁ、大和武蔵は知らん方がおかしいが・・・」


提督「申し訳ないが、伊勢日向は『世界最強の輸送船』の異名だな」


長月「それ、日向の前で言ったら、飛行甲板で殴られるぞ」


提督「龍驤は、『アクタン・ゼロ』だな」


長月「あぁ、有名だな。解析されたゼロ戦として」


提督「あ、もうそろそろ着くな」


提督「申し訳ないが、その他の艦船は、提督になってからのお勉強よ」


長月「しっかり勉強してくれ。私の事ならいつでも教えるぞ」


提督「では長月ちゃんの身長体重から・・・」


長月「全長102.72m、全幅9.16m、基準排水量1315tだ。満足したか?」


提督「そのデータで興奮はできねぇなぁ」



業務用スーパー:


提督「んじゃ、大鯨は58と19とUを連れて肉の方をお願いする」


提督「俺は長月と168と8で、お菓子と野菜、ジュースを見て回る」


提督「領収書は忘れるなよ」


提督「では、買い出し、掛かれ!」


一同「掛かります!」



提督「こっちはほとんどお任せコースか・・・」


8 「シュトーレンは売ってないのね」


提督「帰り道にパン屋があったろ、寄ってみよう」


提督「無くてもがっかりするなよ?」


8 「ダンケ♪」


168 「クラッカー10箱でいいの?」


提督「人数を考えりゃ、少ない方じゃねぇの?」


提督「そのまま食う訳じゃなし、カナッペにするんだろ」


長月「お菓子って、どんなのが良いんだ?」


提督「長月の感性に任せる。そうだな・・・」


提督「ありきたりでコーラ、オレンジジュース、カフェオレを買うから、それに合わせてみてくれ」


長月「そう言うのは望月あたりが得意そうだが・・・」


提督「ふむ・・・ 小さい食パンと、果物の缶詰でも買うか」


提督「あと、面倒だからスプレー式のクリーム、と」


提督「あ~、8、168。3つくらいナッツ類のお菓子を持ってきてくれ」


8 「ヤボール」


168 「了解」



店員「ありがとうございました」


提督「これでOKだな、買い忘れはないな?」


龍鳳「はい。ばっちりです」


提督「それじゃ、目標、鎮守府、帰還するぞ」


提督「あ、龍鳳、俺らはパン屋に寄るから、そのまま戻ってくれ」



調理場:


川内「卵100個、茹で上がったよ!」


鳳翔「でしたら、それを流水で冷やして剥いてください」


神通「ジャガイモ、つぶしに掛かります。海風さん、雪風さん、お願いします」


雪風「はい! 全力で潰します!」


海風「雪風さん、少し粒が残るくらいですよ?」


雪風「はいっ!」


提督「やってるねぇ。ただいま」


間宮「お帰りなさい、提督」


提督「第一輸送船団、無事に帰投しました。糧食隊の指揮下に入ります!」ケイレイ


伊良子「提督ったら」クスッ


提督「と、言った端から、俺と長月は別行動をとらせてもらうがね」


提督「ゴニョゴニョ」マミヤニミミウチ


間宮「はい、大丈夫です。お願いします」


提督「そんじゃ、長月、行くぞ~」


長月「何だ? 手伝わないのか?」


提督「こっちは忙しそうだから、執務室の方の給湯室を使おうぜ」


長月「大皿なんて持って、何をする気だ?」


提督「ふっふっふ~」



給湯室:


長月「それで、私は何をすればいいんだ?」


提督「そうだな、その小さい食パン、耳を切り取って4つに切ってくれ」(フライパンに油を入れてる)


長月「こ、こうか?」


提督「そうそう。耳はこっちに寄こして」(油を温めている)


提督「グラニュー糖にシナモン・・・ こんなもんか?」


長月「終わったぞ」


提督「そんじゃ大皿に切ったパンを、見栄え良く並べて」(パンの耳を揚げてる)


長月「パンの切れ端だけなんて、料理とは言えないぞ」


提督「んで、そのパンの上に、スプレーのクリームを載せて」ジュージュー


長月「こんなものもあるのか・・・」シュー


提督「よし、油を切ってこっちは完成、っと」


長月「こっちは終わったが・・・ パンは白いしクリームも白いし、真っ白だな」


提督「さて、取り出したりますはミカンとサクランボの缶詰」


長月「それを載せるのか?」


提督「Yes! これでちょっとおしゃれなデザートの出来上がり」


長月「顔に似合わず、しゃれた物を作るな」


提督「浅いグラスに揚げたパンの耳を立てて、皿の真ん中に置いておこう」


提督「完成、と言うには少し寂しいな」


提督「ミントとオリーブオイル、それに砂糖を合わせて・・・」


長月「何をするんだ?」


提督「いや、色合いが白と赤と黄色だけで寂しいだろ?」


提督「そこで簡単ミントソースを作って、緑も加えるんだよ」(パンの隙間に線を描く)


提督「はい、長月ちゃんと提督合作『パンのカナッペと揚げスティックパン』完成~」


長月「これは・・・ 素直にすごいと言わざるを得ないな」


提督「あぁそうだ」(揚げスティックパン1つ取る)


提督「長月、あ~ん」サシダシ


長月「え?」


提督「味見してないからな。あ~ん」


長月「あ、あ~ん」


パクッ


提督(やべぇ、可愛い!)


提督「ど、どうだ?」


長月「うん、甘ったるくないし、サクサクしてて美味しいな」


提督「そうか。じゃ、飾りつけ班が終わったら持って行こう」


提督「長月は調理場を見てきてくれ」


長月「判った」



提督「やべぇ、心臓がバクバク言ってやがる・・・!」



執務室:


提督「ただいま~」


大淀「あら提督、さきほどは給湯室で、長月さんと『お楽しみ』でしたね」


提督「デザートを一品作っただけです、ハイ」


大淀「その割には、随分とニヤケてますよ?」


提督「そんなに?」


大淀「えぇ、通学路で見たら、ノータイムで通報するくらいに」


提督「人を変質者みたいに・・・」


大淀「変質者じゃないですか」


提督「仰せの通りです、はい」


提督「ま、素敵な画像は、脳内のフォルダに仕舞ってロックして、と」


大淀「どんなラッキースケベか知りませんが、作戦の進行具合は7割と言ったところです」


提督「具体的には?」


大淀「食堂の設営班からは、飾りつけ完了の報告が入ってます」


大淀「帰還はあと1時間は掛からないでしょう」


提督「帰投次第、補給と入渠。完了後、すぐに始められそうだね」


大淀「はい、大規模作戦も、こんな感じで行ってくれれば良かったのですがね」


提督「言ってくれるなよ。まぁ、全力を尽くした自信はあるが、反省点もあるな」


大淀「反省会には、是非とも呼んでくださいね」


コンコン


提督「どうぞ~」


青葉「恐縮です! 清く正しい青葉です!」


提督「報道分艦隊ね、お疲れ様」


青葉「小休止がてら、報告に来ました」


磯波「あの・・・ 青葉さん、良いのですか?」


青葉「何がです?」


磯波「執務室を、まるで休憩室のように使っちゃって・・・」


提督「構わないよ。特に機密に触れるような会議でもしてない限り、みんなに対してドアは開いてるよ」


大淀「お茶でもお入れしましょう」


提督「お願いするよ」


提督「そんじゃ青葉、磯波。済まないが検閲させてもらって良いかな?」


青葉「そう思って、サムネイルを印刷してきました。どうぞ!」


提督「手際の良いことで・・・」


磯波「あの・・・」


提督「何でしょ?」


磯波「これも任務扱いと聞きましたが、どんな目的なんでしょうか?」


提督「あ~、うん、まぁ、『いずれ来る終わりに向けて』?」


磯波「ええっ!?」


磯波「終わりって、そんな・・・!」


提督「どんな想像したんだよ。怖いなぁ」


提督「この戦(いくさ)だって、どんな形になるか知らんが、終わりはあるだろ?」


磯波「はい・・・」


提督「まぁ、一番暢気な想像をするなら、半数以上は社会に出るわけだ」


提督「その時にさ、これをアルバムにして、コメントも添えてさ」


提督「みんなに持って行って欲しいのよ」


磯波「提督・・・」ウルウル


提督「ここでは辛いことや、痛いことがいっぱいあると思う」


提督「だけどさ、そのアルバムには、間違いなく楽しいことも記録されてるんだ」


青葉「司令官、純情な駆逐艦を口説かないでください」


提督「口説いてねぇよ!」


磯波「素敵な目的です! 私も青葉さんと一緒に頑張ります!」ケイレイ


提督「まぁ、目的に沿って頼むよ。茶目っ気も忘れずにね」


磯波「はいっ!」


提督「んで、青葉。これとこれはボツ。アルバムにゃ載せられない」


提督「これと・・・ こっちのこれは保留」


青葉「え~、これもダメですかぁ~?」


提督「う~ん、じゃ、保留にしとこう」


提督「そんじゃ済まないが、報道分艦隊は、パーティーの間も撮影を頼む」


提督「酒は二次会か、その後に別に席を設けるから」


青葉・磯波「了解しました!」



埠頭:


榛名「レイテ沖攻略連合艦隊、ただ今帰還いたしました!」ケイレイ


提督「ご苦労! 連合艦隊一同の奮戦、感謝する!」トウレイ


提督「この後は身体の整備を2時間でやってもらう!」


提督「その後、打ち上げがあるので、参加するように!」


提督「質問は!」


一同「ナシ!」


提督「では、別れ!」


一同「別れます!」


提督「・・・で、きれいに散らばれれば良いんだけどねぇ」


榛名「脚にダメージ貰った子もいますからねぇ」


提督「そんじゃ再編成~。臨時修復艦隊、車いす艦を中心に輪形陣~」


提督「目標、工廠前、適当に微速で前進~」


龍驤「つくづく、格好付かんなぁ」


提督「まぁ、オチが付くのが、わが鎮守府ってところで」




肩の荷が下りる瞬間



食堂:


霧島『マイクチェック、ワン、ツー』


霧島「どうぞ、司令」


提督『あ~、正直ここは「皆さん、楽しくやってください」で済ませたいが・・・』


提督『後で大淀に怒られるから、それなりに真面目にやらせてもらう』


ドッ!


提督『まず、前線に出てくれた者には、改めてここで感謝を述べさせておらう』


提督『今の海軍では、一戦闘ごとにMVPを決めるのが推奨されてるが、そんなものはルールの上の得点王みたいなモンだ』


提督『今回の大規模作戦に関わった者、すなわちこの鎮守府の艦娘全員がMVPだ』


提督『だから、「誰が一番」ではなく「皆で一番」であることを、ここで祝いたいと思う』


提督『それでは、乾杯!』


カンパーイ!


大淀『バイキング方式で、あちらが糧食班の作品、反対側は持ち寄りの作品になっております』


大淀『閉会は2100です。皆さん、節度をもって楽しんでください』



大淀「では提督、コーラで良いですか?」


提督「うううっ、この場でアルコール禁止はキツいぜ」


大淀「良いじゃないですか。提督は作戦中、たらふく飲んだでしょう?」


長門「諦めて後片付けを指揮するんだな」


長月「私が漂流していたのは3日程度だが、そんなに飲んだのか?」


長門「あぁ、見てただけで、日本酒で3升は飲んでたな」


提督「いいよいいよ。引け目があるから、何だってやってやるさ」


提督「そんじゃ、司令部要員組も・・・」


提督「え~、大規模作戦、お疲れ様でした」


提督「では、作戦の終了と長月の無事を祝って、乾杯!」


一同「乾杯!」


大淀「はぁ~。冷えたビールが美味しいですよ、提督」


長門「この喉越しが堪らないな」


提督「お前らなぁ・・・」


長月「司令官、コーラは美味しいか?」


提督「え~、美味しいですよ、美味しいですとも!」


提督「チクショー、何か持ってきてやる~」


大淀「でしたら、サラダを中心に、バランスよくお願いします」


長門「肉も頼むぞ」


長月「よく司令官を使いパシリにできるな」


長門「こう言うのも変だが、提督は上官でありながら、対等であろうとするからな」


長門「もういっそ、友人付き合いした方が、提督も気を使わなくていいらしい」


長門「まぁ、公私を分ければ問題ないだろう」


長月「確かに、司令官は公私はしっかり分けてるな」


長月「と、言うか、あんなに軽い面のある男だとは思わなかったよ」


大淀「そうなんですよね。普段は三枚目なのに、締めるところではきっちり締める」


大淀「付き合いやすいタイプです」


提督「面倒だから大皿で盛って来たぞ~。んで、小皿にはさっき作ったパンのカナッペ」


長門「そのカナッペは提督が作ったのか?」


提督「いんや、俺が作ったのは揚げスティックパン。これは長月に作ってもらったよ」


長月「指示を出したのは司令官じゃないか。私は指示通り作っただけだ」


大淀「提督って、そんな芸も持ってたんですねぇ」


提督「芸ってね、君」


長門「その揚げスティックパンはまだあるのか?」


提督「いんや、売り切れてた」


長門「そうか、残念だな」


提督「そんなに食べたきゃ、レシピならいくらでも教えるぜ」


提督以外(そうじゃないってば・・・)


長門「まぁ、今度頼むよ」


長門「では私はそろそろ戦艦組と歓談してくるとしよう」


提督「いてら~」



カスミチャンヲタタエヨ!


カスミチャンハショジョセイボ!


ドンドコドンドコ


アレガニホンノオミコシデスカー


オロシナサイヨ! モウイッソコロシテェ!



大淀「あら、私も羽目を外す時間が来たようです。では、失礼しますね」


大淀「霞ちゃんを称えよ!」ダダダッ!


長月「何なんだ、今のは?」


提督「さぁね。正直、知らないし知りたくもない」


長月「責任者がそれでいいのか?」


提督「ま~、淀さんが関わってるなら、グレーゾーンギリギリくらいでしょ」


如月「あら~、司令官、可愛い子を独占してるのねぇ」


睦月「提督、長月ちゃん、お疲れにゃしぃ!」


提督「はい、二人もお疲れ様。楽しんでるか?」


如月「みんな盛り上がってるわよ。しっかし、またお神輿が出たのねぇ」


睦月「海外艦の人や、私の妹たちも喜んでます」


提督「こうして日本文化が間違って広がるんだなぁ・・・」


如月「と・こ・ろ・で、司令官は、いつまで長月ちゃんを独占するのかしらぁ?」


長月「如月、少し酔ってるな?」


如月「どうかしら?」


提督「あ~、睦月型の中で、長月だけ司令部要員にしてしまって、済まなく思ってる」


提督「とりあえず、皆と並ぶくらいの航行能力になるまでは、演習で頑張ってもらおうと思ってるんだが・・・」


提督「そこまで鍛え上げてもらって、後は長月の意思と、状況でまた考えるつもりだ」


如月「そうなんですかぁ~。他に何か、考えがあるのかと思っちゃいましたぁ。あはっ」


長月「他にも何かあるのか? 司令官」


睦月「もぉ~! 如月ちゃん! そういう意味じゃなくて、長月ちゃんを誘いに来たんでしょ!」


如月「うふふ。ちょっと提督をからかっただけじゃない」


長月「まったく・・・ 司令官、私はちょっとあっちに付き合ってくる」


提督「あ、あぁ。うん。いってらっしゃ~い」



睦月「それじゃ、改めて乾杯にゃしぃ!」


3人「乾杯!」


長月「ふぅ、司令官には悪いが、ビールが美味いな」


如月「あらぁ? 提督は今日は飲んでないの?」


長月「後片付けの指揮をするそうだ。だから最初の音頭意外は飲んでないらしいぞ」


睦月「ガッチガチの真面目さんにゃしぃ」


長月「そう思っていたがな、その真面目な堅物な姿は司令官としての格好つけだったようだぞ?」


睦月「およ?」


如月「そう言えば長月ちゃん、前に『提督の言ってることが判らない』って言ってたわねぇ」


長月「司令部要員になって判ったが、司令官は口を開けばジョークやギャグを言うぞ」


長月「判りにくいが」


如月「うふふ・・・」


長月「なんだ?」


如月「提督に嫌われてなくて、良かったわねぇ」


睦月「そんな事考えてたにゃしぃ?」


長月「し、仕方ないじゃないか! 司令部要員になるまでは、ろくに目も合わせないし!」


長月「会話も任務の一言二言で終わりだし!」


如月「でも、それだったら、長月ちゃんが沈んじゃった時に、あんなにはならないわよねぇ」


長月「そんなに酷かったのか?」


睦月「私たちに報告に来た時は、ガチガチの真面目さんだったにゃしぃ」


如月「でもそれからは、いつも酒瓶装備」


如月「な~んか、引っかかるのよねぇ~」



イチバン、ジュンヨウ! ヌギマス!


マケテラレナイナ! コノナチモヌグゾ!


トメロォ! ダレデモイイ! チカクノヤツ! トメロォ! オレハミナイゾ! ニゲルゾ!



如月「随分、お料理も無くなっちゃったわねぇ」


睦月「糧食班のが美味しいのは当然として、持ち寄りも美味しいのばかり」


如月「そう言えば、ここの大皿・・・」


青葉「あ、いたいた」


青葉「恐縮です! 青葉です!」


青葉「ここのお皿、『作・提督、長月』とありますが、何が載っていたのでしょう?」


如月「えぇ!? 長月ちゃん、提督とお料理したの!?」


睦月「すごいにゃしぃ!」


長月「意外にもいい手際でな。真ん中のコップには、揚げたパンの耳が立ってて、周りには私が盛り付けたパンのカナッペ、だったか? それが置いてあった」


青葉「なるほど・・・ 司令官が作ったのは、揚げたパンの耳の方ですか」


如月「司令官のお料理、食べたかったわぁ~」


睦月「睦月も食べたかったにゃしぃ・・・」


青葉「と、言いますか、司令官と料理ですか・・・」


青葉「長月さんが羨ましいですね」


長月「司令部要員で、私だけが暇だったからな。だからだろう」



提督『え~、傾注!』


提督『現在2050。パーティは2100までだから、残ってる料理とかは持ち帰れるようにしちまえよ』


提督『ちぃと早いけど、糧食班は酒類の撤収を始めて欲しい』



青葉「では、青葉は片付けの様子を撮ってきますので、失礼しますね!」


長月「私はついでに片づけを手伝っていくが、二人はどうする?」


睦月「睦月もそうしたいけど、如月ちゃんを部屋に送ってくるにゃしぃ」


如月「私は大丈夫よぉ~」


長月「そんなフラフラで何を手伝うつもりだ。休んで置け」


如月「んもぅ、提督にできる女アピールするつもりだったのにぃ」



提督「食器類はシンクに漬けておけばいいそうだ。一応、食べ残しは捨てておけよ」


提督「まず、追加の椅子とテーブルを片付けろ~」


提督「きれいに片付けろよ。少しでもズレてると、大淀に腕立て伏せの刑を食らっちまう」


提督「ほうき隊、各個に隅から中央に追い込め。モップ隊は作業準備に掛かれ」


長月「まるで司令官のように、号令をかけてるな」


提督「だろう? 惚れてもいいのよ?」


長月「馬鹿なことを言ってるんじゃない!」


酒匂「司令~、ここの汚れ、ほうきじゃ取れないよぉ~」


提督「待ってろ。特設デッキブラシ隊。参る!」


長月「手伝えることはあるか?」


提督「んじゃ、水切りとちり取りとバケツを頼む」


長月「判った」



提督「はい、みんな、お疲れさ~ん」


提督「持って行けるように、ジュースとかお菓子や料理を取っといてあるから、帰りに持って行ってね」


提督「じゃ、解散~」


一同「別れます!」



提督「あ~、長月。少し付き合ってくれるか?」


長月「なんだ、司令官」


提督「長月に、どうしても言いたいことがあってな」


提督「付いてきてくれ」



埠頭(例のベンチ):



提督「ま、ここで良いか」


長月「何だと言うのだ?」


提督「ま、その前に。缶ビールとフライドポテトを貰ってきたけど、いる?」


長月「ビールだけ貰おうか」


提督「はいよ」


提督「そんじゃ、何に対してか判らんが、乾杯」


長月「なんだそれは。乾杯」


提督「っぷっは~! やっと酒にありつけたぜ」


長月「片付けなど、誰かに任せればいいだろうに」


提督「俺は別に、偉い人じゃないし」


長月「司令官が偉くないなら、誰が偉いって言うんだ」


提督「さぁねぇ?」


提督「ただ、偉いからって、偉そうにふんぞり返って、面倒なことを人に任せるのは、偉い人のする事じゃねぇな」


長月「司令官も、思うところがあるんだな」


提督「まぁね」


提督「まぁ、こんなことを話すために、付き合ってもらったんじゃない」


提督「長月や・・・」


長月「なんだ改まって」


提督「いや、MVPなんぞいないと言っときながら、俺的にはMVPをあげたい子が居るんだ」


長月「あげればいいじゃないか」


長月「どうせ、天龍か大淀か青葉か」


長月「そこら辺だろう」


提督「なんでそのチョイスか気になるんだが、大外れだよ」


長月「違うのか? いつも周りにはべらせて、楽しそうにしてるじゃないか」


提督「俺、泣いていい? そんな風に見られてたなんて・・・」


長月「じゃあ、誰だって言うんだ」


提督「長月、手を握っていいか?」


長月「なんだ、いきなり。まぁ、構わないが」


提督「ありがとうな、長月」ギュッ


長月「何だ!? 何なんだ!?」


提督「最後の攻略の時、長月が励ましてくれただろう」


提督「あれ、すごく効いたんだ・・・」


提督「正直な話『長月がそう言ってくれるなら、もう少しやれるかも知れない』って思ったんだ。長月がMVPだ」


長月「わ、私は何もしていないぞ!?」


長月「第一! 司令官は私の事を見ようともしないじゃないか!」


長月「目も合わせないし!」


提督「あ~、うん。それか~」


提督「すっごくアホな弁解して良いか?」


長月「何だって言うんだ!?」


提督「長月が可愛いから、直視できなかった・・・」


長月「・・・」


長月「は、はぁ!?」


提督「まぁ、何だ! 今後ともよろしくと言いたいだけだ!」


長月「判ったから、手を放してくれ!」


提督「あぁ、ごめんな」パッ


提督「・・・」


長月「・・・」


提督「・・・」


長月「・・・」


長月「わ、私はも、もう行くぞ!」タタタタ・・・


提督「あ、あぁ、ありがとう・・・な」



睦月型の部屋:


バン!(勢いよくドアを開ける長月)


バッ!(そのままベッドに飛び込む長月)


長月「~~~~~~!」ジタバタ(布団を被って赤面する長月)


睦月「にゃ、にゃしぃ!?」


卯月「何があったぴょん!?」


長月「あり得ない、そんなのはあり得るはずがない!」


文月「長月ちゃんがもぞもぞしてるよぉ~」


弥生「長月ちゃん・・・ 何か・・・ あったの?」


長月「何でもない! 何もない!」ジタバタ


長月「第一、可愛いというなら睦月や弥生や文月だろう!」


長月「わ、私が可愛いなんてあるはずがない!」ジタバタ


卯月「う~ちゃんは可愛くないっぴょん!?」



埠頭(ベンチ):



青葉「恐縮です、青葉です!」


提督「あ~、青葉か。今日はお疲れ様」


青葉「司令官、何か反応が鈍いですよ?」


提督「やっと飲めたからなぁ」


青葉「それに、さっき走って行ったのは、長月さんですか?」


提督「そだね~」


青葉「『禁断の愛! 長月さんに迫る変質者の罠!』ってところですか?」


提督「あ~、一応、弁解して良いかな?」


青葉「どうぞ!」メモトリダシ


提督「メモを出すんじゃねぇよ」


提督「長月には手を出してねぇし、愛も囁いてない」


青葉「ふむふむ・・・」


提督「ちょっとお礼を言っただけだ」


青葉「なるほど・・・ お礼を言ったら、長月さんは走り出していってしまった、と」ニヤニヤ


青葉「どんな『お礼』ですかねぇ?」ニヤニヤ


提督「どうしても、面白おかしくしたいようだな」


青葉「そりゃ~、司令官は、この鎮守府では注目の的」


青葉「司令官が、ああした、こうした、こう言ったって言うのは、みんなが知りたいことなんですよ」


提督「俺はどこのアイドルだっての」


提督「そう言うのは那珂ちゃんに任せるよ」


青葉「隣、いいですか?」


提督「構わんよ。ホレ、ビールもどうだ」


青葉「ありがとうございます」プシュッ


提督「まぁ、今日は撮影、ありがとうな」


青葉「いえいえ、半分以上趣味ですから」


提督「冷えてきたな。ほどほどにして引き上げようぜ」


青葉「え~。司令官にくっつけば暖かいですよ」ポスッ


提督「大部分が寒いんだっての!」


青葉「もう少し、こうしていたいな」


提督「仕方ねぇ、飲み終わるまでだぞ」


青葉「恐縮です!」


提督「ったく、猫みたいに顔をうずめてきやがって」


青葉「女の子にくっつかれるのは、嫌ですか・・・?」


提督「・・・嫌じゃないが、困ると言うか、照れ臭いと言うか・・・」


青葉「・・・司令官、好きな子がいるんですよね?」


提督「・・・」


青葉「その子がくっついてくるなら?」


提督「おい、青葉。結構呑んだろ?」


青葉「お酒って便利ですよね~。大胆な発言も、お酒のせいにできるんですから」


提督「その代わり、まともに取られないがな」


青葉「しかし、青葉は取材班だったので、まだ一滴も飲んでません!」


提督「おおぅ・・・」


青葉「お酒のせいにして誤魔化そうとしても、そうはいきませんよぉ~?」


提督「指でくりくりするな。くすぐったい!」


青葉「青葉は察しが良いので、ここで止めておきます」


青葉「司令官が好きなのが青葉じゃないと判ったんで、あとで衣笠の膝でわんわん泣きます」


提督「いや、嫌いじゃないよ?」


提督「ノリもいいし、話しやすいし・・・」


青葉「はい、そこまで」


提督「・・・」


青葉「諦めさせないって、どれだけ残酷なんですか」


提督「済まん・・・」


青葉「口頭ですみませんが、明日明後日、有休を申請します」


青葉「これから隼鷹さんのところに殴りこんで、明日は二日酔い、明後日は青葉が振られたって新聞を作ります!」


提督「最後のはさぁ・・・」


青葉「どうせ、大淀さんに申請すれば一発ですから」


提督「チクショー! 今から権限はく奪するか!?」


青葉「都合の悪いことは発禁。どこの独裁者ですかね~?」


提督「判った判ったよ! ったく・・・」


提督「俺には何もできねぇ」


青葉「やだなぁ~」


青葉「司令官、瑞鶴さんに続いて、ソロモンの狼も袖にしたんですよ?」


提督「はい?」


青葉「つ・ぎ・は、司令官が水雷突撃する番じゃないですか」


青葉「俺に告白して来いと!?」


青葉「そうすれば、青葉も瑞鶴さんも、司令官に恋心を持ってる子も成仏できます」


提督「成仏ってさぁ・・・」


青葉「それとも、部下には突撃を命じて、自分は突撃できないと?」


提督「指揮官先頭は海軍の伝統だけどね」


提督「突撃ねぇ・・・」


青葉「約束です! 司令官も突撃すること!」


青葉「では、青葉はこれにて、隼鷹さんに突撃してきます!」ケイレイ


青葉「いざ!」


タタタタタ・・・


提督「簡単に言ってくれるぜ・・・」


提督「告白して、振られてお仕舞なら、どんなに楽か・・・」



蒼龍「提督ぅ。こんなところで何してるんですか」


提督「あぁ、蒼龍か。ちぃと、人間関係と量子力学について悩んでてな」


蒼龍「はいはい、いつもの妄想ですか。一緒に飲みましょ」


提督「おい、引っ張るなよ。どこで誰と呑むってんだ」


蒼龍「多分、提督も気晴らしになるメンバーですよ」


提督「離せって。行くから!」



大淀私室:


提督「って、淀さんの部屋かよ!?」


大淀「いつまで待たせるんですか、提督」


提督「いや、待たせるも何もさ・・・」


天龍「早く来いよ。こっちは提督を肴に早くやりたいんだ」


瑞鶴「面白いものが見れるって、このメンバー・・・」


提督「あ~、俺、闇系の仕事があるから帰っていいかな?」


大淀「闇系? 海防艦のお風呂でも覗くんですか?」


提督「いくら何でも海防艦はないわ!」


蒼龍「まぁまぁ、これを見ても帰れますか?」


提督「グレン・リベット・・・12年だと!?」(本場スコッチ。たまにスーパーでも売ってる)


大淀「仕方ありませんね。提督は忙しいようなので、これはこの場で飲んでしまいましょう」


提督「あ~、忙しいのは勘違いだったわ。俺もいいかな?」


瑞鶴「提督さんって、こんなにチョロい人だったんだ・・・」



天龍「なんだそりゃ! あはははは!」


瑞鶴「私だって、びっくりしたわよ! 胸が小さいから振られると思ったらさ」


瑞鶴「もの凄~く真面目な顔をして『瑞鶴は・・・ 胸が・・・ 大きいんだ』って」


瑞鶴「胸が大きいなんて言われたの、初めてよ!」


大淀「私の胸でも、まだ大きいなんて言うんですからねぇ」


提督「ウルセ~!」


天龍「そんじゃ、俺とか蒼龍なんて、提督にはどう見えてるやら」


天龍「言ってみ、うん?」


提督「おぉ言ってやる! デカすぎるわ!」


提督「世の男どもが、そんなカボチャサイズを有難がるのが俺には理解できんわ!」


天龍「言ってくれるねぇ。ふふふ・・・ 怖いか?」


提督「あ~、はいはい、怖いから押し付けるんじゃねぇ!」


瑞鶴「しかし、蒼龍さんは、どうして提督の趣味が判ったの?」


天龍「あ~、それな。俺もつい最近、チビどもの苦情をまとめて判ったってのに」


蒼龍「言っちゃっていいのかなぁ?」


提督(シィ~! シィ~!)


蒼龍「良いようだから言うね」


提督「良くねぇっての!」


蒼龍「いやホント、最初の頃からあれ? とは思ってたんだけどね」


蒼龍「妙に駆逐艦ばかり、じっと見てるし」


蒼龍「あの頃は、大潮ちゃんばかり前線に出てましたよねぇ~?」


大淀「『朝潮型はガチ(ロリ)』と言われてますが・・・」


蒼龍「覚えてる、大淀さん。装備の改修の任務が、初めて来た時」


大淀「あ~、初期艦の電ちゃんが泣いてましたねぇ」


提督「止めてくれよぉ」


蒼龍「調子に乗った提督が、その場にあった装備、全部、大潮ちゃんの改修に使っちゃって・・・」


大淀「電ちゃんが、自分の艤装まで使われたって、泣きついてきたんですよねぇ」


天龍「バッカでぇ~!」


瑞鶴「うわ・・・ 最低・・・」


天龍「つ~か、大潮って、まっ平・・・ あ・・」


蒼龍「さぁ、提督。ここには提督が変質者だと言う事を知ってる艦娘だけです!」


蒼龍「どうぞ! 大潮ちゃんの魅力について語ってください!」


提督「どんな罰ゲームだよ!」


瑞鶴「あ~、確かに私、胸、大きいわ・・・」


提督「引くんじゃねぇ! 瑞鶴!」


大淀「語れないと言うなら、提督の評価について、ある事ないこと書いて大本営に送るだけです!」


提督「大淀てめぇ!」


蒼龍「さぁさぁ!」


提督「・・・大潮ってさ、元気じゃん・・・」


提督「いつも元気って言うか、こっちまで元気づけてくれるような、さ」


大淀「だれがそんな、恋愛小説みたいな甘いことを言えと言ったぁ~!」バン!


大淀「もっと、ハイソックスに覆われたアキレス腱に劣情を感じるとか、そう言うのを聞きたいんです!」


蒼龍「え? そんなニッチな性癖なんだ・・・」ドンビキ


瑞鶴「うわ~、ロリコンってだけで社会不適合者なのに・・・」ドンビキ


提督「そこ! 信じない! さすがにそこまでニッチではないわ!」


提督「そして淀さん! 言うから水を一杯飲んできなさいな!」


大淀「あら、立てません」


天龍「持ってきてやるよ。提督、戻るまで言うなよ」


提督「そこまでして聞きたいか・・・」



天龍「ほれ」


大淀「ありがとうございます」


提督「まぁ、仕方ねぇ、言うか」


蒼龍「待ってました!」


提督「まぁ~、なんだ。大潮って、元気よくいつも胸を張ってるだろ?」


瑞鶴「そうですねぇ」


提督「その、何とも言えない曲線美がだな・・・?」


天龍「曲線美って、蒼龍みたいなボン、キュッ、ボンを言うんじゃねぇのか?」


提督「いやいやいや」


提督「大潮を横から見た図を思い浮かべてくれ。で、胸を張ってるだろう?」


一同「・・・」


提督「鎖骨の当たりから、お腹までの緩やか~な曲線のラインがだな・・・?」


天龍「変態だ~!」ギャハハ!


蒼龍「これが・・・ 本物・・・?」


大淀「憲兵さ~ん! 憲兵さ~ん!」


瑞鶴「それなりに優秀な人なのに・・・」


大淀「でも、しばらくしたら大潮さんに色目を使わなくなりましたよね?」


提督「あ~、うん」


瑞鶴「もっと気になる子が来たとか?」


提督「そうじゃなくてね、霰が来たんだよ」


蒼龍「また出たよ。ガチ」


提督「可愛い・・・ って思った後、気づいたんだよ」


提督「あれ? もしかして、このレベルが標準なんじゃね? って」


提督「そう思ったら、何か醒めた」


天龍「つまんねぇ奴だな、そこまで行くなら、憲兵一直線だろ」


提督「やめぃ!」


瑞鶴「は~い、せんせー」キョシュ


提督「はい、瑞鶴君」


瑞鶴「提督が駆逐艦大好きな変質者と言うのは、嫌って程判ったけど、そうなると浜風ちゃんとかは?」


提督「今は戦艦の話はしていません」


蒼龍「じゃ、我らが玉子焼き機、瑞鳳」


提督「うん、可愛いねぇ。可愛いけどさ」


蒼龍「いいじゃない。提督の大好きなポニーテールだし、大人だし、駆逐艦だし」


天龍「さ・い・ご!」ケタケタ


提督「なんつ~か、可愛すぎるんだよなぁ。あざといって感じ?」


瑞鶴「それじゃ、我ら空母の誇る元一航戦、空母の違法建築、龍驤さんは?」


提督「おい、大先輩だろうが」


瑞鶴「龍驤さんも大人だし、提督の大好きな曲線美だし、駆逐艦だよ?」


天龍「だ・か・ら!」ヒーヒー


提督「龍驤もさ、可愛いんだけど、なんか違うんだよなぁ」


大淀「贅沢言ってますよ、このロリコン」


天龍「言っちゃあ悪いが、その辺で満足しときゃあ、まだ救えるんだがなぁ。このロリコン」


蒼龍「いい加減、誰が好きか言っちゃいましょうよ。このロリコン」


瑞鶴「何? この流れ、私も言わなきゃダメ? こ、このロリコン」


提督「君たちね・・・」


提督「それは俺の中に仕舞って置く事だよ。口が裂けても言えるかぃ」


提督「悪いが俺はそろそろ戻るぞ。一応、まだ考えることがあるからな」


天龍「おぅ、片づけはやっておくから気にすんなよ」


瑞鶴「御休みなさ~い」



提督私室:


提督「いい加減、誤魔化しきれんかねぇ・・・」


提督「うやむやにするメリットが、デメリットを上回ってきたか?」




そして時は動き出す



睦月型私室:


睦月「みんな起きるにゃしぃ! 朝にゃしぃ!」


如月「睦月ちゃんは朝から元気ねぇ」


文月「みゅ~、まだ眠い~」


菊月「望月、シャキッとしろ!」


望月「あ~? これでも目は覚めてるよ~」


卯月「やよぴょん、相変わらず寝起き悪いぴょん」


弥生「別に・・・ 普通だよ・・・」


皐月「窓開けるよ~」


水無月「うわっ、まだ寒いねぇ」


三日月「あれ? 長月ちゃんは?」


長月「ここだ・・・」


睦月「うわっ!? すごい顔にゃしぃ!」


長月「そんなに酷いか?」


文月「目の下に隈が出来てるし、何か顔が赤いよ~?」


卯月「もしかして長月ちゃん、寝れなかったぴょん?」


長月「あぁ。体調管理も出来ないとは、艦娘失格だな」


睦月「今日は鎮守府全体休みだから大丈夫にゃしぃ」


如月「長月ちゃんは寝てなさいな。食堂で何かもらってきてあげるわ」


望月「判る判る。夜は眠れないのに、日が昇ると眠くなるんだよねぇ~」


長月「済まない、そうさせてもらおう」



食堂前:


如月「そうなんだぁ~? 私はすぐに寝ちゃったから、知らなかったわぁ」


睦月「夜中にももぞもぞしてて、眠れなかったみたいにゃしぃ」


如月「可愛い・・・ねぇ?」


如月「みんな可愛いけど、長月ちゃんは凛々しいってタイプよね。どっちかと言うと」


文月「誰に言われたんだろ~?」


如月「そんなの、ねぇ?」


卯月「あ、司令か~ん!」


提督「おぉ、お早う」


卯月「司令官、卯月は可愛くないっぴょん?」


提督「何だそりゃ?」


弥生(まだ拘ってたんだ)


提督「こんな事より、長月の姿が見えないようだが、二日酔いか?」


卯月「そんな事言われたぴょん!?」


文月「長月ちゃんはね~、お部屋で寝てるよ~」


提督「どこか悪いのか!? だったら見舞いに」


如月「行っちゃダ・メ。余計に悪化するわよ?」


提督「何だそりゃ?」


如月「寝ている乙女の所に行って、何をする気かしら?」


提督「あ"・・・」


提督「ハイ、オトナシク治ルノヲ祈ッテマス」


如月「よろしい」


提督「しゃあない。飯食って釣りでも行くか~」


提督「長月によろしくな~」


卯月「うーちゃん、可愛くないっぴょん・・・?」



食堂:


金剛「Hey 青葉。顔が青いって言うか、土気色さしてるね~」


青葉「あはは・・・ 昨日、司令官に返り討ちにあってから、自棄で軽空母を追撃しまして」


金剛「Oh・・・ あっちでも、隼鷹が伸びてるネー」


ハイ、オカユ。コレナラタベラレルデショ?


サンブガユガウレシイネェ。


青葉「ほぼ相打ちですが、隼鷹さんには勝ったようです」


金剛「隼鷹にWinって、どれだけdrinkしたんですか・・・」


金剛「って、それよりも、提督に返り討ちって、alcoholで?」


青葉「いえいえ、ラブアタックです」ハハ・・・


金剛「Oh・・・ 何と言うか、言葉がnothingね・・・」


青葉「良いんですよ金剛さん、喜んでも」


金剛「ウ~ン、でも、素直に喜べませんネー」


金剛「霧島に提督の好みを調べさせていたんですケド・・・」


青葉「フムフム」


金剛「比叡が提督に直接聞きに行きまして、はっきりと『金剛型は好みじゃない』と言われたそうです」


青葉「司令官の連戦連勝は止まりませんねぇ」メモメモ


青葉「それで、金剛さんはどうするんです?」


青葉「司令官Love勢筆頭だったじゃないですか」


金剛「今でも提督へのLoveは、新型高温高圧缶のようにBurningデス」


金剛「でも、missionplanをchangeすることにしました」


青葉「良ければ青葉も協力しますよ?」


金剛「まず、提督の相談に乗って、相手に告白するように仕向けマス」


金剛「それでお互いにLoveなら、そこでEndデス・・・」


青葉「え~」


金剛「提督がHappyならGoodとしまショウ」


金剛「Bat! そこで提督がheartbreakするなら、それがchanceデース!」


青葉「うわぁ・・・」


金剛「heartbreakしてnervousになっている提督に近づいて、私の魅力に気付かせるのデース!」


青葉「うわ~、最低な作戦ですね」


金剛「それで? 青葉は協力してくれるんですカ?」


青葉「勿論です。オペレーション『Thief cat』。青葉も一枚噛ませてもらいます」


金剛「ところで、『二日酔いランチ』如何デス?」


青葉「三分粥に梅干し、シジミのお味噌汁。デザートにプリンで、中々いけますよ」



埠頭:


提督「何も考えねぇで、浮き釣りで良いか・・・」


ポチャン


大潮「司令官、お早うございます!」


提督「おぉ、相変わらず元気だなぁ」


大潮「はい、アゲアゲで行きます!」


提督「アゲアゲでルアーか」


大潮「はい。サバとかを狙おうと思います」


提督「ルアーはやってみたいが、判らんからなぁ」


大潮「大潮もよく判りませんけど、動画で調べました」


提督「そっか。まぁ、それ以前に何度もルアー投げる体力がねぇよ」


大潮「そうですか」


大潮「司令官は、何狙いですか?」


提督「癒し?」


大潮「何ですかそれ~」


提督「色々あるのよ、これが・・・」



大潮「来ませんねぇ・・・」


提督「俺は海を眺めるついでに、糸を垂らしてるから良いんだけどね」


提督「まぁ、サバとかは回遊魚だから、そのうちに来るさ」


大潮「そうなんですか?」


提督「一日二回くらいかな? 同じところをぐるぐる回ってるのよ、連中は」


大潮「う~ん、場所を変えてみます!」


提督「おぅ、頑張れよ~」


大潮「はい! アゲアゲで行きます!」



提督「見事に当たりがねぇな・・・」


提督「いつからここらは死の海になったんだ?」


金剛「提督ー、こんなところにいたんですカ」


青葉「『激写! 釣り糸を垂れる提督。狙いは伊潜か!?』」


提督「あ~、潜水艦に見てもらうって手があったか」


金剛「No、何もHitしてないネー」


提督「うん、魚がいねぇんじゃねぇかって思えてきたよ」


青葉「でも、足元をちょろちょろ泳いでるのがいますよ?」


提督「ありゃサバだ、サバ」


金剛「サバって、あんなにlittleなんですか?」


提督「いきなりデカいわけないでしょ。メートル超えの魚だって、数センチの頃があるんだから」


青葉「では、青葉たちもご一緒しましょう」


金剛「Let's fishingネー」


提督「青葉はまだしも、金剛は釣りなんかするのか?」


金剛「実はやった事がnothingでーす」


提督「初心者セット、見事に袋のままだな」


提督「セットの仕方は判るか?」


金剛「ン~、Tryしてみま~す」



提督「うん、んで、そこにスナップサルカンを結ぶんだけど、8の字結びは判るか?」


金剛「Oh! 8の字ね~」クリクリ


提督「あ、元々は船のロープワークだったな」


提督「そうしたら、そのサルカンに仕掛けのサルカンとカゴを付ける」


金剛「明石がbeginner向けと言ってたから、サビキにしたネー」


提督「ま、レディ向けだわな。0.5号針か。んじゃ、下に錘を付けて完成」


金剛「このカゴに、エサをInするんですネ?」


提督「OK。そしたらリールのベールアームを上げて、足元にドボン」


提督「錘が海底につくと、感覚でわかるだろ?」


提督「そうしたら、リールをちょっとだけ巻く」


金剛「What!? Rodがブルブル震えマス!」


提督「どれ、巻いてみ?」


金剛「Burning Love!」マキマキ


青葉「小サバばかりですねぇ」


金剛「提督ぅ~! これ、どうすればいいですカ~!」


提督「ラジペン持ってねぇのか。ホレ。これで針を外して、バケツに入れとけ」


金剛「What's! ビチビチグネグネしマス!」


提督「そりゃ~、こいつらだって生きていたいからなぁ」


提督「ま、金剛はその調子で釣りを楽しんくれ」


青葉「いいなぁ、金剛さん」


提督「初心者にはまず、釣れる楽しさを知って欲しいからな」


提督「釣れないのに続けるなんて、サバイバルじゃなきゃ拷問だぜ」


青葉「それで、司令官は拷問を受けている真っ最中ですか」


提督「ん~、青葉との約束をどうしたもんか、考え中でな」


青葉「はい?」


提督「水雷突撃するメリットとデメリット」


青葉「聞いてもいいんですか?」


提督「おい金剛。このポニテの美少女は誰だ?」


提督「俺の知ってる青葉は、こんなことは言わねぇぞ」


青葉「も~、青葉だって、聞いて良いことといけない事の区別はします!」


提督「そかそか」


提督「ま、青葉は聞く資格があるからな」


提督「まぁ、ここには男は俺しかいないからか、何なのか。何が良いんだか判らんが、複数の艦娘に好かれてる訳だ、俺は」


青葉「そうですね~、空母に続いて、重巡まで撃沈ですからねぇ」


提督「実際は、空母は艦載機全滅程度、重巡は会敵したけど砲火は交えずと思ってるぞ」


青葉「そうですかねぇ?」


提督「実際、空母の方とも関係は悪くなってないし、重巡もこうして話しかけてくれてる訳だ」


提督「でも、なんか違うんじゃね?」


青葉「と言いますと?」


提督「本当なら、振られたら恨んだり、憎んだり・・・」


金剛「そんなんじゃありまセ~ン!」


提督「でもさ、試しに・・・ そうだな・・・ 『やっぱ、比叡が好きだわ』と言ったらどうする?」


金剛「それは・・・ でも・・・」


提督「さて・・・ 全力で・・・! 行かせてもらう!」


(青葉を抱きしめ!)


金剛「No! No! No!」


青葉「司令官・・・ 指輪・・・ いつまでもお待ちします・・・」ウットリ


提督「ほれ、これだ」


提督「正直、艦娘が『俺』を好いてるか、『提督』を好いてるか判らん」


提督「ま、こんなもんだ」


金剛「青葉、羨ましいから、後で工廠裏デ~ス」


提督「そう言うなら、金剛型は俺が惚れた戦艦だぞ?」」


金剛「What's!?」


提督「申し訳ないが、『活躍したのは金剛型』としか知らなかったから、戦艦同士の殴り合いをしたのは霧島とは知らんかった」


提督「しかし、だ」


提督「あの戦争を通して、金剛型の速力が空母機動部隊に付いていけたことは、米軍にとっては恐ろしいことだと思う」


青葉「そうなんですか?」


提督「そりゃそうだ。空母なんて近づけばお仕舞なのに・・・簡単に言えば青葉、ヲ級とタ級で編成されてるんだぜ?」


青葉「うっわ~」


提督「それに、実は新人のアイオワ、大和の対抗馬ではないと言われている」


提督「アイオワのライバルは、金剛型」


提督「速力があるから、鈍足で強力な戦艦なら逃げられる。高速でランクの劣る巡洋艦なら、捻り潰せる」


提督「そんなのが4隻も、太平洋を跋扈してるんだぜ?」


提督「米軍としては厄介だわ」


提督「活躍ぶりと頼もしさから考えると、金剛が戦艦の最高傑作だと言っても過言ではないと思う」


金剛「そこまで思ってくれたなんて・・・ テイトク・・・ 愛してます」


青葉「金剛さん、羨ましいので、あとで工廠裏に・・・」


金剛「って、提督ゥ~! 引いてマスよ!」


提督「おぉ!? 何だこりゃ!?」


提督「暴れるな、暴れるな、ステ~イ・・・」


青葉「大物ですね!」


提督「青葉カメラ構えるなつか手伝えって何を手伝ってもらえばいいんだタモないかタモ!」


金剛「網ならありマス!」


提督「それがタモだ! つ~か、サビキなのになぜ持ってきた! でかした!」


金剛「何をすればいいデスか!?」


提督「寄せるから掬って! よいしょ~~~~~!」


金剛「Now!」


提督「つ・・・ 釣れた・・・!」


金剛「Wow! Bigデ~ス!」


提督「待て! 金剛! 触るな!」(足で踏む)


(エラにナイフ。バケツにIn)


金剛「どうしました提督ゥ~?」


青葉「あ~、アイゴですねぇ」


金剛「アイゴ?」


提督「毒のある魚。背びれとかが刺さると腫れあがるぞ」


金剛「そんなpoisonを持ってるfishをどうするんですカ?」


提督「食う」


金剛「No! 死んじゃいマス!」


青葉「ヒレに毒があるだけで、食べられますってば」


提督「夜はこいつを肴に一杯かな?」


青葉「う~、昨日、飲み過ぎたんで参加できません~」


提督「そうなると、金剛とサシかぁ・・・?」


金剛「I understand! 今すぐお風呂に入ってきて、勝負下着で参ります!」


提督「あ~、青葉さんや。そうだなぁ? 榛名あたりに声を掛けてくれないか?」


青葉「榛名さんで良いんですか?」


金剛「Wthat's!? テートクゥ、初めてで3人は・・・」


提督「俺の貞操を護るためだよ!」


青葉「人選、間違ってません?」


提督「うん、霧島でよろ」




提督私室:


提督「つ~訳で、乾ぱ~い」


霧島「乾杯!」


金剛「カンパイ!」


金剛「シカシ、霧島って名前のalcoholがあるんですネェ」


提督「まぁ、艦娘の名前がついてる酒は、目に入ったら買うようにはしてるわな」


霧島「私もネットを教わってまず最初に検索したのは、まず私の名前でした」


提督「霧島は上手く現代に適応してるな」


霧島「そうしたら、私の前世の事もたくさん出ましたが、このお酒の名前もありました」


金剛「それでは、霧島はこのalcoholは初めてではないノ?」


霧島「いえ、最初に呑んだのが『黒霧島』でして・・・」


提督「その様子からすると、そこで止めちゃった、と」


霧島「はい。自分と同じ名前なのに、少し悲しかったですね」


提督「今度の『白霧島』はどうよ?」


霧島「はい。黒に比べて味わいとアルコール臭が軽くて、飲みやすいですね」


提督「まぁ、俺も黒より白が好きだな。ゆっくり呑んでくれ」


金剛「うぅ~、金剛ってアルコールalcoholはnothingですか~?」


提督「無いはずはないだろ。元々は地名だし、山の名前だ」


霧島「しかしこのお刺身も美味しいですね。白身魚の・・・なんでしょう? これは」


金剛「Poisoned fish(毒魚)ネー」


霧島「なるほど・・・ そうなると、フグ? いえ、普通に食用のフグならトラフグ・・・」


金剛「No、もっと驚いて欲しかったヨー」


霧島「お姉さまも食していたでしょうに」


金剛「Oops! しまったネー」


提督「まぁ、刺すと毒って魚だから、食う分には何の問題もないよ」


霧島「でしょうね、司令も食べてらっしゃいましたし」



金剛「テイトクー! 愛してるって言ってくれなきゃ、Noなんだからね~!」


提督「判った! 判ったから抱き着くな!」


金剛「昼間、Loveな戦艦って言ってくれたじゃないですカー!」


提督「落ち着け、『金剛型」だ、『金剛型』」


霧島「はい、お姉さま、お代わりです。どうぞ」


金剛「thank you、霧島」ゴクゴク


提督「おい、その呑み方・・・」


金剛「う~、提督ぅ、I Love You」パタン


霧島「計算通り・・・」ニヤリ


提督「霧島は新世界の神にでもなるのか?」


提督「さっきから、水と酒を交互に飲んで、上手い飲み方だと思うが・・・」


霧島「えぇ、これも計算通りです」


霧島「司令もお願いした通り、あまり飲んでいないようですし」


提督「そりゃ、飲もうとすると首振って合図出してきたからな」


提督「大方、金剛を潰してから話がしたかったんだろ?」


霧島「さすが司令。判ってくださいましたか」


提督「愉快な話じゃないだろうがな」


霧島「どうでしょうね? とりあえず、お姉さまを部屋に寝かせてきます」ヨイショ


提督「おぉう。金剛をお姫様抱っこかよ・・・」



霧島「お待たせしました」


提督「まぁ、飲みなおし、かねぇ?」


霧島「私はあまり飲みませんし、飲めませんよ?」


提督「俺が潰れるまでに、本題か結論に行きたいものだね」


霧島「まぁ、半分以上が私の個人的趣味ですので」


提督「何よ?」


霧島「私の推察の答え合わせです」


提督「え~と?」


霧島「お姉さまに言われて、司令の好みの女性を割り出していたのですが・・・」


霧島「はい、ストップ。飲んで潰れて逃げようって言うのはナシです」


提督「うわぁ~い。ろくでもない話題だったよ・・・」


霧島「青葉さんに貰ったデータだと、2つの点が浮き上がりました」


霧島「『胸の大きさは気にしない』。執務室に良く行っている艦娘としては、勤務以外だと天龍さんが挙げられますけど・・・」


霧島「別段、天龍さんとの距離が近いわけでもない。大きいと言うなら愛宕さんは高雄さんですが・・・」


霧島「あまり執務室に行かない、と言うか呼ばれないし、編成もあまりされない」


提督「一周回って面白くなってきたな」


提督「続けて」


霧島「はい。では次に司令と比較的親しい艦娘を、可愛い系と奇麗系に分類します」


霧島「大淀さん、長門さんは奇麗系、天龍さんも、一応そっちですかね」


霧島「青葉さんは、可愛い系」


提督「」


霧島「どうかしましたか?」


提督「なんも? データ、古くねぇ?」


霧島「そうですか・・・?」


提督「いや、良いんだ」


霧島「しかし、問題なのが、提督は特に誰とも積極的に話そうとはしないと言う事です」


提督「そんな事はないんだけどなぁ」


霧島「さらにデータを解析するなら、瑞鶴さん、青葉さんも好みではない」


霧島「つまり、可愛い系も奇麗系も全滅・・・」


霧島「司令? 一応、お姉さま方の前では否定しましたが・・・」


提督「ホモ疑惑? 飽きたわ、そんなん」


霧島「はい?」


提督「提督養成学校とかで、男どもが集まりゃ下ネタエロネタ風俗ネタよ」


提督「とても女性には聞かせられないがな」


霧島「まぁ、私もドックでの会話を、司令の耳に入れようとは思いません」キラン


提督「・・・そんなひどいの?」


霧島「う~ん、女性器の話だったり、あせもの話だったりしますが、部位が部位ですからね」


提督「・・・あの子が、そんな話をしてるとは思いたくないなぁ」


霧島「まぁ、男女の話になることは、あまりありません」


霧島「あ、司令、湯飲みがカラですよ、どうぞ」


提督「おぉ、あんがと」


霧島「そもそもが、艦娘との交際は、身元から思想まで入念にチェックされますからね」


提督「退役しても、GPSや監視付きだからなぁ」


霧島「そう言う事も含め、皆の視線は提督に集まるんでしょうね」


霧島「しかし司令、仲間内でのホモ疑惑は、どう晴らしたのですか?」


提督「晴らしてねぇよ?」


霧島「はい?」


提督「実際にホモじゃねぇし、ホモだったとしても、惚れるような性格イケメンは・・・ あ、一人いたわ」


霧島「いたんですか・・・」


提督「だけど、ホモじゃないから『ありがたい』でおしまい」


霧島「それじゃ、一部では司令はホモのままなんですね?」


提督「面倒を避けられるなら、それでいいや」


霧島「なんか投げやりですね」


霧島「しかし、このお刺身、本当に珍しい味ですね」


提督「アイゴなんて、巷に流通しないからな。楽しんでもらえりゃ嬉しいわ」


霧島「本当に司令、色々知ってますねぇ」


提督「褒めても何も出ねぇぞ」


霧島「では、台湾総統似のお酌は如何ですか?」


霧島「自覚してんのかぃ。頂くが」


霧島「ふふっ、かつては植民地だった台湾のトップが、この戦艦霧島だとは、面白い時代です」


提督「コスプレだからね!? コスプレ!」


霧島「ふふっ」


提督「ったく・・・」


霧島「それで司令、『どの子』ですか?」


霧島「『どの子』か教えていただければ、そんな女子高みたいな話をしてるか、教えられますよ?」


提督「」


霧島「私の勝ち、で良いですか?」


提督「だな、You Win、ついでにパーフェクトもくれてやらぁ!」


霧島「ストリートファイターでしたっけ? 古いゲームですね」


提督「知ってるんじゃねぇよ」


霧島「しかし提督。近いうちにはっきりさせないと、怖いことになりますよ?」


提督「どう怖いの?」


霧島「一昨日、BX(売店)の本屋を覗いたら『逆レイプ入門(初級編)』がありました」


提督「回収して良いかな?」


霧島「昨日、ありませんでした」


提督「すぐ売れた!?」


霧島「まぁ、金剛お姉さまのベッドの下にあったってオチですが」


提督「俺は聞いてない、霧島も忘れろ」


霧島「う~ん、中級編と上級編が気になりますが・・・」


霧島「さて、ごく一部冗談はさておき、司令には気になる艦娘がいることが判りました」


提督「だからさっきから飲ませてたんだな?」


霧島「笑えばいいんですね、こう言うときは」フフッ


提督「計算通り、って顔で笑うなよ」


霧島「では、霧島! 戦艦の殴り合い(お話)を開始します!」


提督「死んでまうわ!(物理)」


霧島「いえ、真面目な話ですが、告白しないのですか?」


提督「よし、白旗を上げよう」


霧島「無効です、私は見てません」


霧島「お姉さまみたいに、白旗を上げた相手から逃げたりしません」


提督「金剛の黒歴史を・・・」(ニコニコ大百科)


霧島「では、司令が告白できない理由を・・・ 考えましょう」ヒック


提督「」


霧島「1:振られる可能性が100%、あるいはそれに近いから」


霧島「A:最低でも50%、口では嫌ってる子もいるけど、全体的な好意は高め」ヒック


提督「霧島さ~ん?」


霧島「はい? 艦隊の頭脳をお呼びですか?」ハイライトオフ


霧島「1-1、振られる可能性が半分以下でも怖い?」


霧島「A:作戦的に司令は博打も厭わない、過去に口頭でも言ってた」


霧島「Q:自身の恋愛なら?」


霧島「A:不明。多角的に考察すべし」


提督「霧島さ~ん、声に出てますよ~?」


霧島「他の想定も考慮せよ」ヒック


提督「霧島さ~ん! 霧島さ~ん!」


霧島「結局、司令がヘタレまでは判りましたが、その後です」


霧島「告白して振られれば良いんです」


提督「」


霧島「告白できない理由があるのですか?」


提督「あるねぇ」


霧島「私も頭脳派ですし、司令も勝るとも劣らない頭脳派なのですから、それを克服できないのですか?」


提督「まぁ、複合要因と言って置く」


霧島「ふむふむ、理由は一つではない」


霧島「司令が告白できない一番の理由って、何でしょうねぇ」


提督「一番はやはり・・・ って、言えねぇよ」


霧島「『言わない』のではなく、『言えない』んですねぇ」


霧島「でも司令官?」


提督「はい!?」


霧島「その子に言えなくても、姉妹艦に相談するのもいいかもしれませんよ?」


提督「姉妹艦かぁ・・・ でもなぁ」


霧島「でも、何です?」


提督「何デモナイデス、はい」


霧島「そうじゃなければ・・・ あぁ、なるほど・・・」


提督「何だよ?」


霧島「択捉型だったら、それは告白も相談も難しいですよねぇ」クスッ


提督「択捉型でも日振型でもねぇよ! さすがに小学校低学年に・・・ は・・・」


提督「萌えないと・・・ 思う」


霧島「いや、そこは言い切って下さいよ」


提督「いやぁ、対馬はあれ、かなりヤバいぞ?」


霧島「同意を求められましても・・・」


提督「いや、提督御用達の某掲示板を見ると、対馬はかなり人気なんだわ」


提督「まぁ、良ぉ見れば、ただの面倒くさがりなんだがな」


霧島「良ぉ見てるんですね?」


提督「あれ、育ったら初雪になるぞ?」


霧島「さて司令? 海防艦ではないとすると・・・ 神風型?」


提督「おい・・・」


霧島「暁型」


霧島「吹雪型」


提督「探るんじゃねぇよ」


霧島「ダメですか。反応が見たかったのに」


霧島「あぁ、朝潮型を忘れてました」


提督「探るんじゃねぇっての」


霧島「では、私はここらで失礼しますね?」


提督「あぁ、どうせ海域の変更で数日は暇だ。片づけは良いぞ」


霧島「ごちそうさまでした。失礼します」ペコリ


パタン


提督「なんかもぉ・・・ 弊害が出始めてるな・・・」




(続く)


後書き

困ったときの青葉頼み。
どこかの天狗並みに、出せば勝手に動きますねぇ。

そしてやっと一期最後のイベントの話に掛かりました。
スクショなんてほとんど残ってないよ・・・
あ、私の実話が入ります。天龍旗艦も実話、その貴下の面子も本当です。
更に・・・ 長月を沈めたのも本当です。帰ってきてくれたのも。


このSSへの評価

8件評価されています


SS好きの名無しさんから
2019-06-08 23:34:30

ドイツ騎兵さんから
2019-05-12 13:53:36

アルマゲドンさんから
2019-03-06 23:01:16

U.N.Owenさんから
2019-02-21 01:08:39

名前のない戦艦さんから
2019-02-19 16:37:21

SS好きの名無しさんから
2019-02-19 14:21:51

SS好きの名無しさんから
2019-02-12 19:50:50

だるまんじさんから
2019-02-11 23:03:19

このSSへの応援

7件応援されています


SS好きの名無しさんから
2019-06-08 23:34:34

SS好きの名無しさんから
2019-03-10 14:22:58

レオつんさんから
2019-02-27 13:44:32

U.N.Owenさんから
2019-02-21 01:08:45

名前のない戦艦さんから
2019-02-19 16:37:22

SS好きの名無しさんから
2019-02-19 14:21:47

だるまんじさんから
2019-02-11 23:03:20

このSSへのコメント

7件コメントされています

1: SS好きの名無しさん 2019-02-11 00:57:13 ID: S:gWrV-b

前書きの通り嫁艦のイチャラブssってメンバーが人気定番キャラで
固定されがちかも。一杯艦娘いるだけにもったいない

2: SS好きの名無しさん 2019-02-19 14:23:37 ID: S:hSul44

描写が丁寧で雰囲気もらしくて好き
今後も頑張って下さい続き待ってます
色々用語、空気が出てるけど
現職さんか元さんなのだろうか………

3: 黄十字 2019-02-19 21:32:03 ID: S:76dgvc

わ~い、2人も米もらった~!w

1さん:
大概が固定だし、エロいか端から好きかなんですよねぇ・・・
もっとこぉ・・・! ラブコメが欲しいのです!
なので、「無ければ書く!」を実践しましたw

2さん:
「描写が丁寧」って・・・テレテレ
現職と言うなら、ロリコンについては現職です!<(`^´)>エッヘン
あ、元と言うならG1342014ですw

4: SS好きの名無しさん 2019-02-23 08:42:40 ID: S:QbtXmh

アメリカ英語と英国英語は別言語だと思うんですが、それは。

5: SS好きの名無しさん 2019-02-27 17:49:50 ID: S:xKBzje

誤字?報告をば。

 『浜風』がポニテで「…じゃ」とか言ってるトコがあります。まぁ、これは浦風ですよね。

 海外艦ズでアークロイヤルだけ頭文字が小さいのは(Aではなくa)なんかの仕様ですかね?

 ここの艦娘達は幸せそうで良いですね。
続きを楽しみにしています。

6: 黄十字 2019-03-07 18:10:44 ID: S:sIhEYd

5さん

thank youです!
名前とセリフ、どっちを直そうかな?

>ここの艦娘達は幸せそうで良いですね。
つ~か、色々とオカルティックな設定が裏にあったりしますが・・・
前世で頑張ってくれた船&英霊ですから、幸せに笑わせるのが提督の仕事だと思ってますw

-: - 2019-03-07 18:20:10 ID: -

このコメントは削除されました


このSSへのオススメ


オススメ度を★で指定してください