2019-03-31 19:37:51 更新

概要

鎮守府生活に嫌気が差した白露が・・・


それは突然の事だった。


「村雨お願い! お姉ちゃんにお金貸して!」


店にやって来たと同時にお金を無心してきた白露。


「一体どうしたの?」


村雨の言葉に、


「何も聞かないで! あたしは鎮守府から出て行く! それ以上の事は伏せて、お願い!!」


「・・・・・・」



”いつもなら愚痴を言って、鎮守府に帰るのに今回は「鎮守府を出る」と言って・・・何かあったのかしら?”


「・・・分かったわ、それ以上の詮索はしないから。」


「ありがとう! それで、悪いんだけどさぁ。」


白露は遠慮しつつも、


「お金貸して♪」


両手を出して満面の笑みを浮かべる白露。


「・・・つまり、鎮守府から出て1人暮らしでもする気かしら?」


「そう、流石村雨じゃん! でも、貯金も無かったし手持ちが少なくて・・・取り敢えず安いアパートでも借りて、


 数か月分の生活費としてお金貸して欲しいんだ・・・もちろん、ちゃんと返すから、本当に本当だよ!!」


「・・・・・・」


「当然でしょ。」と思った村雨。


「そこまで決めたなら、私も何も言わないわ・・・それで、いくら貸して欲しいの?」


村雨の質問に、


「そうだねぇ~、軽く見積もって100万円でいいかな♪」


「・・・・・・」


村雨は少し怒り気味である。


「あのね、白露。100万円を稼ぐのにどれだけの苦労と時間を要するか分かっているの?」


「・・・・・・」


「それに店に来ては、毎日のように提督からお小遣いをせびっているでしょ? それも全て貰った挙句に


 今度は100万円って、一体何様のつもりよ?」


村雨の言い分に、


「だって仕方がないじゃん! アパートに住もうにもお金が無いから住めないし、鎮守府が支給してくれるわけでもないし、


 だから村雨に頼んでるんじゃん!」


「・・・・・・」


「だからお願い!! 絶対に借りたお金は返すから!! 絶対の絶対、ね?」


白露の必死の願いに、


「・・・いいわ、でもちゃんと返してね? 返さなかったらどうなるか位は知っているわよね?」


村雨が白露を睨みつけ、


「もちろん! 提督と村雨からきつ~い説教が来ることは、百も承知だよ!」


「・・・・・・」


「説教だけで済むと思ってるの?」と敢えて言葉に出さない村雨。


結局、白露に100万円を渡して、


「やったぁ! これでアパートを借りられる! 村雨ありがとねぇ~!」


そう言って、店から出て行く白露。


・・・・・・


「へぇ~、白露が鎮守府から出て行くね~。」


提督と村雨が夕食を食べながら会話をしている。


「また時雨たちと喧嘩でもしたのかしら?」


普段なら愚痴を散々言って、帰る白露だが、今回は本当に出て行くと言う事で心配な村雨。


「まぁまぁ、鎮守府生活と違って住居や食費は免除されないからな。 社会勉強の一環としていいだろう。」


提督は意外にも白露の行動を否定しない。


「まぁ、社会の厳しさを知って自分の甘さに気付いたらまた鎮守府に戻るでしょ? しばらく様子見だね。」


そう言って、夕食を食べる2人。



「すぐ戻る」、提督と村雨は思った・・・が、その考えがまさか覆される事態になろうとは2人はまだ知る由もない。


・・・・・・


白露が「鎮守府から出て行く」と言ってから2カ月が経過しようとしていた。


「最近白露見ないわね。」


店の外で水を撒いていた村雨が呟く。


「ちゃんと生活しているのかしら?」


白露はあれでも村雨のお姉さん、姉をそれなりに心配する村雨。


「あら、時雨じゃない?」


店に現れたのは、時雨。


「白露を見てない?」


「・・・最近見てないわ、どうしたの?」


咄嗟の質問、しかし、時雨の言葉に「鎮守府に戻っていない」事を知る村雨。


「白露が「鎮守府から出て行く」と言ったっきり、戻って来なくてもう2カ月が経っちゃって・・・」


心配なのか、時雨にしては珍しく落ち込んでいる。


「・・・と言うか、何かあったの? また白露と喧嘩?」


村雨の質問に、


「喧嘩と言えば喧嘩、かな。 夕立と少し揉めちゃってね・・・」


時雨が少しずつ事情を話して行く。


・・・・・・


「ふ~ん、そうだったの。」



時雨の話によると、夕立の我儘に毎日振り回されっぱなしだったらしい白露。


勝手におやつは食べられる、大事な物を壊される、誰かに相談しても「お姉ちゃんなんだから」と皆から言いくるめられ、


遂に白露の不満が大爆発、それで「出て行く」と言う話になったようだ。



「まぁ何と言うか・・・白露が可愛そうね。」


村雨は白露側のようで、


「確かに気持ちは分かるけど、お姉ちゃんなんだから・・・妹への気遣いは当たり前なんじゃないかな?」


時雨の言い分に、


「・・・それを聞いている限り、原因は夕立だけではなさそうね。」


「えっ?」


「時雨にも覚えがあるんじゃない? 自覚はしていないようだけど?」


「・・・・・・」


時雨は急に無言になる。


「ほらね・・・白露なら私の店に来たわよ、ただし2カ月前にね。」


「! それで、白露は何て言ってたの?」


「さぁ・・・1人で生活したい、と言って私からお金を借りて行ったわ。」


「1人で生活したいって・・・何を考えているのさ、白露は!」


時雨は少し怒り気味。


「どこに行ったか分かる?」


「・・・残念だけど、そこまでは分からないわ。 ただ”安いアパートを借りる”とか言ってた気が。」


「・・・そう、情報ありがとう村雨。」


時雨は店から出て行く。


「全く・・・同じ部屋に住んでいるのに、どうしてお互い気遣いが出来ないのかしらね~。」


村雨は呆れた様子でため息をつく。


・・・・・・


白露を見なくなって3ヵ月が経つ頃、


「村雨いる~?」


元気よく扉を開ける・・・そこには、


「白露じゃない! 今までどこに行ってたの?」


3ヵ月ぶりの白露との再会、


「いやぁ~・・・あの後色々あってね~。」


白露は頭を掻きながら舌を出す。


「? 色々って?」


村雨が首を傾げ、


「はいっ、まずは借りたお金ね! はいっ、100万円! ちゃんと確認して~。」


白露は懐から100万円を出す。


「・・・・・・」


村雨は渡された帯付き札を数えて行く。


「うん、確かに100万円・・・頂きました。」


これで、借金返済をしたわけだが、


「どうしたの? 3カ月の間に何があったの?」


「いやぁ~、実はね~。」


白露は笑いながら、


「宝くじが2等(1000万円)当たっちゃってさぁ~♪」



白露によると、村雨から借りたお金でアパートを借り、残りのお金は生活費に充てて1人暮らしを始める。


借りたお金から少しだけ宝くじに投資した結果、何と2等が当たったとの事。


「一応借りたお金で当選しちゃってるから、おまけで出すね~。」


そう言って、更に追加の200万円を差し出す白露。


「いえ、私は100万円でいいけど・・・」


借金と大金を出されて困惑する村雨、


「後ね~、何とこのあたし! 無事に就職出来ちゃってね~♪ 来月から仕事に行くんだ~♪」


何と、就職場所まで獲得した白露。


「何かね~、道を歩いていたら女の人から「家で働かない?」って言われて、元気よく受け答えしたら


 見事採用されちゃって・・・給料も鎮守府と比べたら断然良くてね~♪」


そう言って、白露は立ち上がり、


「ごめんね~、今から仕事の研修があるから。 終わったらまた寄るかも・・・じゃあ村雨もお仕事頑張ってね!」


そう言って、店から出て行く白露。


「・・・・・・」


「本当に1人暮らしを始めちゃった」と驚くと同時に、


「何か心配ね、面倒な事に巻き込まれなければいいんだけど・・・」


と、心配の両方の気持ちを持つ村雨。



しかし、村雨の心配とは裏腹に、白露のお姉ちゃん気質と元気な性格が功を成してか、


白露に次々と幸運が舞い降り続ける。



「確かこのアパートだったわよね・・・」


村雨が時雨・夕立と一緒に白露が住んでいるアパートに着いて、


「白露、開けてくれない? 時雨と夕立が話をしたいって。」


村雨が扉を叩くが・・・返事が無い。


「留守かなぁ?」


時雨が思っていると、


「あれぇ~? 村雨に・・・時雨と夕立じゃん。 何してんの?」


後ろに白露の姿が、


「白露、時雨と夕立が話があるんだって。」


村雨の言葉に、


「ふ~ん、あたしは別に聞きたくないけど!」


2人を貶す白露。


「事情があるのは聞いた・・・外で話をするのも何だから、室内で話をしましょう? 鍵を貸してくれる?」


村雨の言葉に、


「ああ、あたし、今そこには住んでいないんだよねぇ~。」


「えっ? でも、白露はここに住んでいるんでしょ?」


「うん、でも今はこっちなんだ~♪」


そう言って、白露が3人を案内する。


・・・・・・


「ここだよ~♪」


白露が案内した場所は、アパートではなく1軒屋だった。


「・・・どう言う事?」


村雨は訳が分からない。


「いやぁ~、この家・・・大家さんが住んでいたんだけど。」


白露が説明する。


「1週間前に腰を痛めちゃって、今入院してるの。 それで、あのアパートに住んでいた時からお世話になっていたし、


 よくお話をしていたの。 そしたら、大家さんが「私が退院するまでこの家で住んでもいいわ」って言ったの!」


「・・・・・・」


「でも、代わりに家賃の回収をやる事が条件になってるけどね~、アパートにはいい人がたくさんいるし、


 昨日も家賃滞納をした人なんていなかったし、あたしとしては楽なお仕事かなぁ~♪」


「・・・・・・」



鎮守府から、そして時雨たちから離れた事によって白露の本来の運が開花されたのか、


今の白露はかなり幸せな生活を満喫している。


「さてと、今から次のお仕事に行かなきゃ。 悪いけどお話はまた今度ね~♪」


そう言って、白露はポーチを肩に掛けてその場から去る。



白露はある意味、人間社会での生活が合っている、


鎮守府ではお姉さん気質や明るい性格は目立ちにはいいが、戦闘やスキルにはあまり影響を及ぼさない。


しかし、人間社会では白露の持ち前の明るい性格や、元気いっぱいな姿に人々が癒され、白露の周りには常に人が集まる。


「鎮守府から出て行く」という話はまさに現実となり、白露自身もこの生活に満足していた。


・・・・・・


「それで? 白露に一体何をしたの?」


村雨が店を急遽、臨時閉店して時雨と夕立を呼んだ。


「この前の話を聞いた限りでは、”白露のおやつを取った・大事な物を壊した”では確かに怒るかもしれないけど、


 鎮守府を出て行く事態までにはならないはずよ。」


「・・・・・・」


時雨は無言のままだ。


「時雨と夕立を貶していたけど、白露に何をしたの? 白露が「鎮守府から出て行く」とまで決めた原因は一体何?」


村雨の追及に、


「・・・じ、実は。」


時雨が前に言わなかった本当の理由を打ち明ける。


「最近になって白露に、更なる改装案が出てね・・・」


時雨が少しずつ話して行く。


「特殊任務を達成して、白露が改装の際に必要な”戦闘詳報”を手に入れたんだけど・・・」


時雨がしばし口を閉じる。


「手に入れたんだけど、何?」


村雨の追及に、


「夕立が事もあろうに、他の駆逐艦の子に他の物と交換しちゃったんだ。」


「・・・他の物って?」


村雨の質問に、


「アイスクリームっぽい~♪」


夕立が悪びれる事も無く答える。


「・・・(呆)」


村雨は呆れて物が言えない。


「それを知ったのは夕立がアイスを食べた後で、すぐに白露に報告して説得しに行ったんだけど・・・時既に遅くて。」


「時雨も一緒に食べていたっぽい~。」


「夕立は黙ってて!!」


「ぽい~・・・」


「戦闘詳報は他の子の改装に使われちゃって、司令官には「管理不足だ」って散々怒られて・・・


 部屋に戻った途端に白露はもう激怒して、「鎮守府から出て行く!」と言って・・・今に至るんだ。」


時雨の説明に、


「ちょっと待って、白露が戦闘詳報を渡した駆逐艦の子に説得しに行ったの?」


村雨の問いに、


「うん、そうだけど?」


「何で?」


「? 何でって?」


時雨は村雨の言っている意味が分からない。


「普通、原因を作った人間が説得しに行くものでしょ? その原因を作ったのは夕立、あなたなわけでしょ?」


「ぽ、ぽい~。」


「一緒にアイスを食べた時雨にも責任があるわよね? それなのに何で、時雨たちからではなく白露に行かせたわけ?」


「そ、それは・・・」


時雨は急に無言になる。


「自分たちの失敗を白露に押し付けたわけ? 時雨たちのせいで更なる改装が出来なくなった白露に、


 更には紛失させた責任を押し付けたって事? ねぇ、どうなのよ!」


村雨は怒り心頭である。


「だって仕方ないじゃん! 夕立がそもそもアイスと交換したのが問題でしょ! 僕は「アイスを貰った。」って言うから


 少し食べた程度なのに何で僕が責められるの? 全部夕立が悪いんだよ!!」


「ぽ、ぽい~・・・ぐすっ。」


時雨に責められて夕立は泣いてしまう。


「あ、そう。 もういいわ!」


村雨は呆れ返り、


「白露が鎮守府から出て行きたくなった理由がよく分かったわ! 時雨たちは白露の事を”お姉さん”としてではなく、


 単に”便利屋”扱いにしか思っていなかったわけね!」


「そ、そんな事ない! 変な言いがかりしないでよ!!」


流石の時雨も言われ続けて、怒りを露わにする。


「まぁいいわ。 白露は今の生活に満足しているようだし・・・時雨たちが説得しても恐らく聞かないでしょうから、


 後は2人で勝手にすればいいわ。」


村雨は興ざめしたのか、席を外そうとする。


「ちょっと村雨! 僕たちは喧嘩をするために集まったわけじゃない! 白露がどうやったら鎮守府に


 戻って来てくれるかの相談だったはずでしょ!」


時雨の言い分に、


「じゃあ結論は1つじゃない、”戦闘詳報を手に入れて白露に渡す”・・・ただそれだけでしょ?」


最もな答えである。


「それが出来ないから困ってるんじゃないか!」


時雨は猛反論する。


「出来ないじゃない! 何とかして手に入れる、ただそれだけの事! 時雨は本当に白露と仲直り


 する気はあるわけ?」


「・・・・・・」


村雨の言葉に時雨は何も答えられない。


「その戦闘詳報っていうのは、どうやったら手に入れられるわけ?」


村雨の質問に、


「・・・クォーター任務で確か手に入れられるし、特定の海域攻略でも・・・手に入れられるよ。」


時雨が渋々答える。


「じゃあそれで戦闘詳報を手に入れて、”白露に渡して謝る”、それでいいじゃない。」


「でも、他にそのアイテムが必要で改装する仲間がいるから・・・白露の分まであるかどうかは・・・」


「そんな事、白露に関係ないから!」


「えっ?」


「アイスで交換出来たんでしょ? じゃあ、戦闘詳報を手に入れた仲間に「アイスと交換して」って


 言って交換してもらえばいいじゃない?」


「そんな事、普通出来るはずが・・・」


そう、普通に考えれば”アイスと交換”なんて割に合わないことぐらい分かる。


「そうよ。 でも時雨たちは、アイスを食べたいがために交換した・・・本当に白露から見たら愚妹よね。」


「・・・・・・」


「もう話すことなんて無いわ、後は2人でゆっくり考えて行動しなさい。 白露ときちんと仲直りするまで、


 この店にも来ないで、はっきり言って白露には今の生活の方が遥かに幸せだわ。」


そう言って、村雨は時雨と夕立を追い出すと店を閉めた。


「何だよ、村雨まで!」


不機嫌になった時雨は夕立と一緒に鎮守府に戻る。


・・・・・・

・・・



結局、白露を鎮守府に戻す方法が思いつかないまま時間だけが過ぎる毎日。


「うう~・・・プリンが無いっぽい~。」


夕立が部屋の冷蔵庫を何故か隅々まで見回す。


「何やってるんだい、夕立。」


時雨の言葉に、


「いつもだったら置いてあるプリン・・・ずっと置いて無いから、夕立食べれないっぽい~。」


プリンが食べられないだけなのに、泣き出す夕立。


「そりゃそうだよ、プリンならいつも白露が持って来てくれて・・・」


時雨は気づく。



”そうだ・・・白露が毎日、僕たちの分も貰って来ていたんだ。”



そこで気づく姉の気遣い・・・いつも当たり前に持って来ていたから、有難みに気付かなかった時雨。


・・・・・・


些細な事で夕立と喧嘩をしてしまった時雨。


「時雨、酷いっぽい~! 夕立の大事なぬいぐるみを捨てたっぽい~!」


夕立は自分のぬいぐるみを捨てた事に激怒、しかし時雨は、


「ずっと前から「片づけて!」と言ってるだろう! それを守らなかった夕立が悪いだけじゃん!!」


時雨が猛反論して、


「時雨なんか大っ嫌いっぽい~!」


「僕だって夕立の事なんか知らない! もう顔だって見たくないよ!!」


明らかな姉妹絶交宣言・・・これ以降、2人は一切顔を合わせることも、会話をする事も無くなった。


「・・・・・・」


時雨は思う、


「こんな時、白露がいたら・・・」



姉妹が喧嘩をしていると、すぐに間に入って仲裁をする白露。


当然ながら、妹たちは姉の白露によって説得され、それで事が済むことがほとんどだ。



「・・・・・・」



いつも一緒にいたため、白露の存在の大きさに全く気付かなかった。


それどころか、時雨と夕立は更なる改装を白露よりも先に行われ、”姉よりも活躍する妹”として言われた時代もあった。


姉である白露も、当然妹ばかり活躍されて悔しかったはずである・・・それでも、嫌な顔1つせずに、


「頑張ったじゃん!」 「おめでとう!」と言ってくれた白露。


・・・・・・


白露の存在は鎮守府内でも大きく、


「最近、白露さん見ませんけど・・・体調が悪いんでしょうか?」


「部屋をノックしたんですけど、返事が返って来ませんでした。」


「私たちに出来る事があれば、何でもしてあげたいです!」


と、白露の事を気遣う言葉が毎日のように、時雨たちの耳に入る。


当然、「鎮守府を出て行った」ことなど、誰も知るはずがなく仲間に会う度に、


「白露さんに会いたいんですが?」


「これ、皆で買った白露さんへの差し入れです。」


「体調が良くなったら、また白露さんと一緒にお話がしたいです。」


と、仲間のほとんどの内容が白露であり、時雨と夕立の内容など皆無である。


・・・・・・


「白露、お願い! 鎮守府に戻って来てよ!!」


白露が住む家に時雨が説得しに応じるも、


「嫌だ、あたしはここの生活が合ってるから、鎮守府には帰らないもんね~!」


当然ながら、白露は拒否をする。


「戦闘詳報の事は本当にごめん・・・ううん、ごめんなさい! 次の任務で手に入れたら


 必ず、絶対に白露に渡すから・・・だからもう許してよ白露!」


時雨の必死の願いに、


「じゃあ戦闘詳報を手に入れてから来てよ、今は持ってないんでしょ? なら話にならないね!」


そう言って、白露は躊躇いも無く扉を閉める。


「白露・・・白露姉さん!! 開けて、扉を開けてよ!! お願いだから!!」


時雨は何度も扉を叩き、叫ぶも白露は一切応じなかった。



その後、時雨は鎮守府に戻るも、


他の仲間からは相変わらず、白露への心配がほとんどであり、自分たちの印象が薄い事に初めて気付く、


そして、夕立と2人だけの毎日肩身の狭い生活を余儀なくされた。


白露も、鎮守府に戻る気は全くなく、今の生活にとても満足しているのだった。










「白露、艦娘を辞める!?」 終










続きは、「人として生活するか、艦娘に戻るか?」 にて。










このSSへの評価

2件評価されています


SS好きの名無しさんから
2020-07-23 20:14:42

ニンニク2さんから
2019-04-07 09:00:01

このSSへの応援

2件応援されています


ニンニク2さんから
2019-04-07 09:00:02

SS好きの名無しさんから
2019-03-28 22:00:10

このSSへのコメント

4件コメントされています

1: SS好きの名無しさん 2019-03-29 08:07:57 ID: S:1sLGK1

メタ視点でも艦娘辞めたがってても違和感無いしなあ白露ちゃん
明るく努めてても馬鹿にされるポジションって辛い

2: キリンちゃん 2019-03-29 21:14:22 ID: S:pt5YH0

因みにこのss、続編あります~♪

3: SS好きの名無しさん 2019-03-31 12:06:54 ID: S:c-8Ig5

出番は少ない、妹達はおろか他の艦娘との絡みもほぼ無い。
改ニや妹達の人気や武勲と比較され馬鹿にされる、相方の筈の
時雨は夕立や西村艦隊ばかり。ついに制作者にまで馬鹿にされる。
改ニになったら絡みもしなかった妹達が唐突にお祝いボイスとしらしぐ

白露の6年間簡潔にまとめると多分こんな感じだもんなぁ・・・
リアル社会人なら退職不可避

4: SS好きの名無しさん 2019-04-08 10:45:59 ID: S:o9QtHl

サバゲーマンです。
全作品見ました!!面白い作品を首を長くしてお待ちしてます。


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