2015-11-05 17:17:28 更新

[一章:突然の再開]


鎮守府解散から一ヶ月の経った頃。

1人の正規空母が新しい鎮守府に配属される事となった。


少女は鎮守府の門の前で1回深呼吸をしてから足を踏み出した。


玄関を抜け、廊下を歩き…着いたのは新しい提督のいる事務室?の前に着いた。


コンコン


少女は事務室?のドアを軽くノックをした。奥から提督らしき声が聞こえてきた


「あ、てきとーに入ってー」


いい加減な返事が返ってきた。


少女はドアノブに手を伸ばした。


ガチャり


「失礼しまs」


言葉を被せるように大きな驚きを隠せない声で喋りかけてきた。


「翔鶴姉⁉︎」


喋りかけてきた彼女が誰なのかすぐに分かった。


「瑞鶴?」


瑞鶴は、翔鶴型航空母艦の二番艦で翔鶴の妹にあたる。


「うん!でも、正規空母が来ると聞いていたけどまぁさか翔鶴姉とは思わなかったよ〜」


「私も驚いたわ」


ジーー


「翔鶴姉は練度どれくらいなの?高いでしょ〜?」


ジーー


「全然だよ…」


ジーー


「嘘でしょ?翔鶴姉〜」


確かに翔鶴の練度は充分ではなかった、前の鎮守府では一航戦の先輩方が主に出撃していたので翔鶴はでれなかったのである。


「あの…無視酷くないすか?」


提督さんが以外マジか顔で言った。


「提督さんいたの〜?」


瑞鶴が見え見えの嘘をついた。


「あ、提督私は翔鶴型航空母艦の一番艦の翔鶴です。よろしくお願いしますね。」


この時、翔鶴と瑞鶴は提督の机の上にある DN作戦 と書かれた極秘資料に気づかなかった。


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


翔鶴がこの鎮守府に配属されれてから一週間が経った時だった。翔鶴が配属されてからの初の演習だーー。


演習の時の艦隊が編成された。


旗艦…翔鶴


瑞鶴


北上


大井


比叡


榛名


だ!


ーーーーそして演習当日ーーーー


相手の編成は、


空母2隻


戦艦2隻


駆逐艦2隻


らしい…


「瑞鶴?調子どう?」


翔鶴が心配そうに聞いた。


「うーん、どうだろう」


笑いながら答えた。


「相手にも正規空母いるって聞いたけど…もしかして…………」


瑞鶴が相手の編成の事について触れた


「もしかして?」


翔鶴が聞き返す。


「あの戦争でトップに君臨した正規空母……赤城先輩と加賀先輩かもしれないわね」


赤城先輩と加賀先輩は確か呉鎮守府に配属になったはずだ…


「瑞鶴?演習相手ってどこの鎮守府?」


「呉鎮守府らしいけど……」


翔鶴は驚いたじゃあ瑞鶴が言っていることは正しいかもしれない…


「確かに赤城さんと加賀さんは呉鎮守府にいるわ…」


「そうなると今回は強敵だね…」


瑞鶴は地面をみて言った。



ーーーーーーーーーーーーーー


「ここの島であってるのかしら?」


「赤城さん…ここは美味しい物が食べれるらしいですよ…」


加賀が少し笑いながら言う。


「え!⁈本当?」


赤城はその冗談に乗ってきた。


「はい…」


金剛型戦艦の頭脳と言われた霧島が言った。


「あそこから上陸しましょう!」


即時に赤城が答えた。


「そうですね」


金剛型戦艦の一番艦金剛も答えた。


「流石!デース!」


「みんな遅いー!もう先に行くーー!」


最速の島風が40ノットぐらいで駆け抜けていった。





演習は両方が500m離れたところから開始される。


演習では模擬弾が使用され、轟沈することはないらしい。



ーー演習開始五分前ーー


「重雷装巡洋艦の本気を見せてあげるわっ!」


重雷装巡洋艦の大井が自信げに言った。


重雷装巡洋艦はあの戦争では帝国海軍が艦隊決戦の切り札としてよういされていた…


「大井っちあまり無理しないようにねー」


同じく重雷装巡洋艦の、大井の親友である北上が心配するように言った。


「金剛お姉様と演習かー」


金剛型戦艦の2番艦の比叡が言った。


「榛名も嫌です…」


同じく金剛型戦艦の3番艦の榛名が嫌そうに言った。


「もう一回作戦を確認するわ!」


旗艦である翔鶴が強く言った。


「私と翔鶴の正規空母は相手の空母を叩くわ。戦艦の比叡さんと榛名さんと重雷装巡洋艦北上さんと大井さんは相手の戦艦と駆逐艦をお願いしますね!」


「「「「「了解!!」」」」


(やっぱり凄いな…翔鶴姉は……)


「演習開始!」


張り詰めた声で翔鶴が叫んだ。


「私と翔鶴と比叡さんと榛名さんは索敵機を飛ばして下さい!」


「「「了解!」」」


瑞鶴は青空に短弓を構え索敵機として零戦ニニ型を三機発艦させた。


「頼んだわよっ!」


短弓から放たれた矢は航空機と上空で変化し、他の索敵機と集合し敵艦隊の方へ飛び立っていった。


「早く見つかるといいですね!」


榛名が期待を込め言った。


「そうですね……そろそろ向こうの索敵機も来ると思いますし…」


いつもとは違う険しい顔で比叡が言った。


「相手は何せ赤城さんと…」


トゥートゥトゥトゥ


「2番艦から入電!ワレ、敵艦隊ヲ発見スと後30秒で戦艦の射程圏内に入ります!」


翔鶴が叫んだ。


「私と瑞鶴は第一次攻撃隊を発艦!戦艦の比叡さんと榛名さんと重雷装巡洋艦の北上さんと大井さんは砲雷撃戦の準備を!!!!」


「「「「「了解!!!」」」」


「五航戦!翔鶴!」


「五航戦!瑞鶴!」


「「第一次攻撃隊!発艦してください!」


翔鶴と瑞鶴は短弓を上空に向け矢を引いて、放った。弓は上空で零戦五ニ型、九九艦爆、九七艦攻の3種類の航空機が次々と発艦していった。


翔鶴と瑞鶴の航空機だけで百二十機近くはあると思う。


「頼んだわよ…」


心配そうに瑞鶴は小声で言った。


まもなく、空中集合が完了し翔鶴たちの攻撃隊が相手の艦隊の方へ飛んでいった。



しばらくたってから翔鶴に入電が来た。


トゥートゥトゥトゥ


「第一次攻撃隊より入電!敵艦載機と空戦中!戦況は……劣勢みたいね……」


残念そうな顔で翔鶴が叫んだ…


「でも!敵艦載機の零戦は旧式の二二型だそうよ!」


「頑張ってね……」


瑞鶴が前と同じく小声で言った。



「敵艦載機!対空戦闘始めぇぇ!」


比叡が叫んだ!


「比叡お姉様!左舷です!」


続いて榛名も叫んだ。


敵艦載機が比叡に急降下を開始した。敵の急降下爆撃隊だ!


「比叡さん!回避行動を!」


翔鶴が叫んだ!


「わかってる!でも、避けきれない!」


比叡が必死に回避行動をとっている。


「大井っち!右任せるよー」


北上が敵艦載機を回避しながら大井に呼びかけた。


「はーい!」


回避行動をとっていた比叡が敵の爆撃により小破した…


「比叡お姉様!大丈夫ですか⁉︎」


続いて、翔鶴の元に敵の艦攻隊が接近!魚雷を投下した。


「翔鶴姉っ!」


次の瞬間水柱が立った。


「翔鶴さん⁉︎」


榛名が心配そうに叫んだ。


煙の中から影を発見し、瑞鶴は少しだけ安心した…


「翔鶴姉⁉︎大丈夫⁈」


瑞鶴は翔鶴の方へ駆けつけて行った。


「私はなんとか……」


翔鶴姉は大破状態だった……

限られた航空戦力しかない。


そんなときに瑞鶴に入電が来た。


トゥートゥトゥトゥトゥ


「第一次攻撃隊から入電!敵の空母1隻中破!戦艦1隻大破!第二次攻撃を求む…」


嬉しそうに瑞鶴はみんなに叫んだ。


「翔鶴姉はここで休んでて!私の艦載機を先に収容してから発艦させ、その後に翔鶴姉の艦載機も収容してから攻撃に出すわ!」


「瑞鶴…ありがとう……」


第一次攻撃隊が続々収容され燃料などの補給が行われた。さっきの攻撃により多くの零戦が未帰還となったが、艦爆と艦攻は無傷の機体の方が多かったようだ。


「榛名!決めるわよ!」


そう、比叡は言って榛名より先に敵艦隊に突入した。


「酸素魚雷!20発発射よ!」


大井が叫んだ。北上と合わせて40発の魚雷が停止していた金剛にめがけて魚のように泳いでいった。


金剛はそれに気づき回避行動をとるが1発をくらって小破した。


第一次攻撃隊の収容が完了し、第二次攻撃隊の発艦準備も完了させた。


ピーーー


無線から比叡の声が聞こえた。


『瑞鶴?こっちから目視できる分だけで、中破したのは赤城で加賀が第二次攻撃隊を今発艦させている!』


比叡からの連絡は第二次攻撃隊を急げということだった。


「よし!第二次攻撃隊!発艦!」


気合を入れ短弓を構え矢を放っていった。空中集合を完了し、敵艦隊へ出現した…それと同時に相手も攻撃隊を送ってきた。


「頑張ってね……」


小声で瑞鶴は言った…………


ブーンブーンと攻撃隊のエンジン音がした。上空を見ると敵の艦載機が目視できた。


「敵機直上!!」


大井がみんなに叫んだ!


「敵の狙いは空母ね!」


このままだったら翔鶴姉に轟沈判定が下される……翔鶴姉は大破、艦載機も送ることもできないぐらい甲板がボロボロだった。


(このままじゃ戦艦や巡洋艦の子達に被害が……)


いつも翔鶴は自分の心配より他人の心配をする。


ドカーーーン


とてつもなくデカかい水柱が目の前に立った。


「比叡お姉様⁉︎」


「比叡!!」


榛名と瑞鶴が水柱の方へ叫んだ。どうやらとてつもない爆発は比叡が被弾したのだろう。


「何にあの艦載機……新型なの…?」


瑞鶴が相手の艦載機をみて唖然としていた。


加賀の第二次攻撃隊には流星改が含まれてのであった。


トゥートゥトゥトゥトゥ


「第二次攻撃隊から入電……第二次攻撃隊壊滅的打撃…敵の新鋭戦闘機が……」


伝達は途中で途切れた。


「そ、そんな……」


皆が唖然として瑞鶴の報告を聞いていた。


もうすでにこちらの航空戦力は0敵の空爆を受けるだけとなった。そんなときに頼れるのは戦艦と巡洋艦しかいない!


『榛名!大井!北上!敵艦隊へ突入せよ!』


提督からの無線だった。


「「「了解!!」」」


榛名と大井と北上は最大戦速で海を駆け抜けて敵艦隊の方へ突入していった。





「あー負けちゃったねー…」


瑞鶴が呟いた。


「みなさん!また今度の機会の時に頑張りましょう!」


「榛名は前向きだなぁー」


比叡が少し笑いつつ言った。それを見ていた他の艦娘達も少し笑みを浮かべた。



翌朝、十三戦隊が執務室に集められた。


「今から、明後日行われるDM作戦について説明する。」


十三戦隊の艦娘達は息を呑んだ。


「榛名」


提督はそう言うと、榛名が太平洋の地図に指をさし言った。


「ここは、フレッツ島です。一週間ほど前に索敵をした時に新型の深海棲艦を確認しました」


「滑走路らしきものを装備した深海棲艦です、しかもこの深海棲艦が立っているところは海でなく地面です。私たちはこの新型の深海棲艦の名前を【飛行場姫】と名付けました」


「つまり、私達、十三戦隊はフレッツ島に生息するこの【飛行場姫】を攻略するのがDM作戦です」


「ありがとう、榛名」


「我々は、この【飛行場姫】を脅威とみなした。十三戦隊は他の鎮守府の機動部隊と手を組んで速やかにこの深海棲艦を撃破してほしい。榛名、もう一回お願いする」


「はい。詳しい作戦内容を伝えます。まず先ほど提督がおっしゃったように他の鎮守府と手を組んで機動部隊を編成します。昼戦は、機動部隊でこの【飛行場姫】に攻撃します。それでも、【飛行場姫】を撃破できなかった場合は夜戦を仕掛けて攻撃します」


「ありがとう、榛名」


「詳しい編成メンバーは後ほどアナウンスで言う」




































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