守りたいもの
※初SSの為クソ文才です。
※漢字の間違えとかある場合がございますが、何となくで察してやってください()
※時雨が好きな方には読んでほしいが読んで欲しくもない()
※あれ、なんかこれどっかで見たことある設定とか台詞じゃねとか思っても暖かい目でおねがいしゃす┏●
※以上の注意項目で
まぁ大丈夫だし暇だからって方は読んでってくだせぇ_|\○_
それではどうぞお読みください。
助産師さん「お母さん!頑張って!もうちょっとですよー!!」
時雨「うぅっ!ハァハァ…」
僕「時雨!頑張れ!!もう少しだぞ!」
助産師さんのその言葉に応えるように力む時雨、そんな時雨の手を握り、頑張っている彼女に対し「頑張れ」としか言えない非力な僕。
・・・・・・・・・・
それから約2時間後…
オギャーオギャー
誰もが待ちに待った「声」が部屋の中に響き渡る
助産師さん「おめでとう!かわいい女の子ですよ!」
僕「やったな時雨!女の子だってよ!!」
時雨「・・・・・」
僕「おい、時雨?」
時雨「・・・・・」
僕「どうしたんだよ…疲れて寝ちゃったか?・・・・・えっ…」
その時僕は時雨の手が段々冷たくなっていっているのをやっと気がつくことが出来た。
僕「し、時雨?」
時雨「・・・・・そんなに呼ばなくても聞こえてるよ…」
時雨はようやく返事をしてくれたが、その声は弱々しく今にも途切れてしまいそうな声だ。
僕「助産師さん!時雨の様子が!」
助産師さん「え、お母さんがどうかされたんですか?」
僕は隣で赤ちゃんの体を拭いたりしていた助産師さんに時雨の様子がおかしいことを説明する。
助産師さん「お母さん!大丈夫!?・・・・・
今すぐ救急車を呼びます!!
お父さんはお母さんのそばについていてください!」
助産師さんが時雨の様子を確認するやいなや、形相を変えて救急車を呼ぶと言い出した
僕は最初何を言っているかわからなかったが「お母さんのそばにいてください」だけは体が無意識に反応し、時雨の元に駆け寄った
時雨「・・・・・赤ちゃんは?」
僕「元気だよ!今助産師さんが見てくれてるから!」
時雨「そう、よかった…
ねぇ…」
僕「どうした!?なにか欲しいのか!?水か、何か食べたいのか?」
僕は動揺し震える手でコップに水を注いで時雨に渡そうとする
時雨「うんん、そうじゃないよ
ちょっと来て」
時雨は弱々しく微笑み、僕をそばに来るように手招きをした
そしてそばに来た僕の手を力無く握り、微笑みながら話し始めた
時雨「・・・・・僕は幸せ者だね、君に出会えて、好きになって、結婚までして、[最後に]君との宝物を残せて、君のそばにいれるだなんて…ホントに幸せなだなぁ」
僕「何言ってんだよ!?これからもだろ!こんな時に変な冗談言うなよ…」
そうだ、こんなのは悪い冗談だ!
・・・と自分に言い聞かせていたが、悪い考えが全く消えてくれない
それどころかどんどん溢れ出してくる
僕「(やめろ、考えるな!少し疲れてるだけだ、休めば良くなる、良くなることだけを考えろ、ネガティブに思うな・・・・・)」
必死に考えを矯正するように心で叫びつづけた
だが、その考える時間さえも終りを告げる
時雨「・・・・・ちゃんと朝はご飯食べるんだよ、洗濯もきちんとして、服も脱ぎっぱなしはダメだからね、休むことも仕事ってことを忘れないように、・・・・・あと…うっ、うぅ・・・・・あとね・・・・・」
僕「時雨…なんだよ、何でそんなこと今言うんだよ!僕馬鹿だからその時その時で注意してくれよ!時雨がいなくちゃ飯だって作れないし、洗濯だってできない!服だって部屋に散らかりっぱなしでまた徹夜して仕事しちゃうよ!!
・・・・・だから…やめて、くれよ…」
時雨「もぅ、泣いちゃダメだよ。これからは[刻雨]だっているんだから、しっかりしてね」
どんなに辛い時でも涙を見せなかった時雨が泣きながら説教をして、泣きながら反発している僕の涙を拭った。
そして、[最後の宝物]を僕に任せるからしっかりしてね、と託された
助産師さん「お母さん!今救急車来ますからね!!しっかり!いい、救急車が来るまで寝ちゃダメだからね!!」
電話をかけてくれていた助産師さんが[刻雨]を抱えて戻ってきた。
時雨「助産師、さん…赤ちゃんを…刻雨の顔を見せてくれないかな?」
助産師さん「はい!いま隣に寝かせますからね。ほ~ら刻雨ちゃん、あなたのお母さんですよ~」
助産師さんは目に涙を浮かばせながら、横になっている時雨と手をつないでいる僕の間に、刻雨を寝かせた。
時雨「刻雨…お父さんのことお願い、ね。たまにめんどくさがっちゃう所もあるけどその時は厳しくしていいからね。お父さん、朝弱いから出来れば刻雨が起こしてあげてね。あとは…元気にお父さんと仲良く生きていくんだよ。」
僕「時雨・・・・・あ、あぁ……う、う…」
時雨「まだまだいっぱい教えたい事もあったし、刻雨の成長していく姿が見たかったけど・・・・・ごめんね……君が生まれてきてくれてよかった・・・・・ありがとう。大好きだよ」
時雨「そして、 あなた……あとはよろしくお願いします…あなたの事を愛しています!」
僕「・・・・・うん!ぼくも時雨のことを愛しています。ずっと…ずっと・・・・・」
時雨は[最期]の言葉をまっすぐ僕を見て言ってくれた。
だから僕もまっすぐに見つめて答えた。
その答えを聞いた時雨は、微笑み、そして深い深い眠りに落ちていった。握られていた手からも全ての力が無くなった。
僕はその手を刻雨の小さな手と重なるように置き、最初で最後の川の字に寝転がった。
僕「時雨…しぐれ・・・・・」
それから救急車が来るまでずっと川の字に横になっていた
そして、時雨は亡くなったと改めて医者から言われた時、僕は涙をこぼしながら、だが決して下を向かずに、決意を固めた
[託された宝物を守り育て抜くと。]
~~~~それから5年の月日がたった~~~~
僕「おーい、刻雨。」
刻雨「おとうさーん、まってぇ~」
僕「ほら、だからお父さんが持つって、雨降ってるし、傘持ちながらじゃ大変だろ?」
刻雨「だめ!これはこくうがもっていくのぉ~」
僕「わかった、じゃあ傘だけお父さんに貸して、そしたら刻雨がそれ持っていっていいから」
僕「(ふぅ、この性格は多分時雨に似たんだろうな(笑))」
刻雨「はーい!」
僕「はい、いいお返事」
・・・・・
僕「おっ、もう少しで[お母さん]の所だぞ!がんばれ。」
刻雨「うん!こくうね、がんばる!」
僕「ほーら着いたぞ!
・・・・・時雨ただいま」
刻雨「おかあさーん!たーだーいーまー!」
そう、僕と刻雨は時雨のお墓参りに来ていた
刻雨「おかあさんみてみて!これね、こくうがもってきたの!えらい?えらい!?」
僕「お母さんもえらいって刻雨の事褒めてくれてるぞ!やったな!」
刻雨「やったー!」
刻雨が持ってきたのはお墓に飾るための花束だ。刻雨なりに僕の手伝いをしてくれてるらしく非常にかわい・・・・・助かっている。
僕「じゃあおてて合わせるからこっちおいで。」
刻雨「うん!」
僕「おめめとじておてて合わせるんだぞ」
刻雨「も~わかってるよぉ~」
ぶー、とした感じで答える表情も我が娘ながらとてもかわいい!
僕「(笑)」
そして、目を閉じた
きっと刻雨は真似をしているだけで何も考えては無いんだろうな~
なんて考えながら、時雨のことを思い浮かべる
僕「(やっぱりここに来ると色々思い出すなぁ)」
一緒に過ごした日々や初めて出会った日、そして、プロポーズの時などのこと様々な事を思い出してしまう。まぁだけど僕はずっと思い出し続けるだろう、いつか本当に時雨に出会える日まで・・・・・
僕「・・・・・よし、じゃあ帰るか刻雨」
刻雨「うん!」
ほんとに素直でいい子に育ってくれてるなぁ
お父さん嬉しい!!
と、考えていると一つ何気ない質問が口を出ていた
僕「なぁ刻雨、刻雨は雨って好きか?」
刻雨「う~とね、お外であそべなくなっちゃうからきらい」
僕「そっか・・・・・お外で遊べないとつまらないもんなぁ」
少し残念に思っていたが、
刻雨「でもね、きょうのあめはすき!」
刻雨はぴょんっと僕の手に捕まりこう続けた
刻雨「いいあめだね!」
僕「!!!」
僕「あぁ……あぁ、そうだな!いい雨だな!」
そっか、やっぱり時雨が生命を賭して残してくれた命なんだな
この子は立派に育てて見せるよ、時雨
「(うん、ずっと見守ってるからね。がんばって!)」
僕「えっ、しぐ!!・・・・・れ…」
不意に後ろから時雨の声が聞こえたと思ったがそこには時雨の姿は当然無かった
刻雨「??お父さん?」
僕「何でも無いよ、じゃあ帰ろうか!」
刻雨「はーい!」
時雨ありがとう。
俺にしか守れないもの、俺の守りたいもの、
それは今、ここにいる
そっちにいくのはまだまだ先になりそうだけど沢山土産話持っていくからな、待っててくれ。
じゃあまたね。
~Fin~
最後まで読んでいただいた方本当にありがとうございました。
何かアドバイスとか感想などございましたらコメントお願い致します。
辛辣なコメントでも感想頂けたら嬉しいです(でも多分泣きます。。。)
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