ざっくばらん鎮守府
おっさん提督と艦娘の、オープンエロな日常を描きます。
提督は凡人です。 TUEEEE分ゼロです。
中二要素はありません。 大二要素マシマシです。
R-18です。 エロ話多めですがガチ描写はありません。
・・・ コツ コツ コツ カッ
提督 「んあー、本日付けでこの鎮守府に配属になった、提督だ。 以後よろしく」
ワー パチパチパチ
提督 「・・・と言っても、ここの連中とはもうみんな顔見知りだな」
マーネー
提督 「先日は前提督の退役祝いパーティー、みんなご苦労だった」
提督 「前提督も、『こんな大事にせんでええのに・・・』 と見事なツンデレを披露してくださった」
ハハハハハ・・・
提督 「前提督は日本でもトップクラスの指揮者であった。 そして君達は、そんな前提督が育てた精鋭だ」
提督 「一方で自分は、提督の中では中堅程度の経験しかない」
提督 「至らぬ点も多々あるかと思うが、ご指導のほどお願いする」
マカセテヨー
提督 「あそれと、前提督のじいさんは、奥さんに連れられて実家に戻っている」
提督 「と言っても、丸一日休暇があればここから往復できなくもない距離だし、連絡先も預かっている」
提督 「暇ができたら、会って愚痴でも聞かせてやるといい」
提督 「退役したとはいえ、いざとなったらコネで俺のクビひとつくらい簡単に飛ばせるからなあの人」
イイコトヲキイタ コラッ
提督 「あとは・・・そうだな・・・年配提督が引退して、後任は活きの良い若手提督だろうと思った奴」
提督 「残念だったな! 後任は見ての通りのおっさんだ」
ブーブー オッサンッテホドジャ・・・
提督 「ここの艦娘はベテラン揃いだからな。 それなりに経験があって、伸び代もある後任、ということで、俺に白羽の矢が当たった」
提督 「若いツバメに手取り足取り教えたい奴は異動希望を出してくれ。 どこか新設の鎮守府の指導役として推薦してやろう」
足柄 「」 ガタッ
妙高 「落ち着きなさい足柄」
提督 「・・・まあ他にも、じいさんの部下たちだ。 ある程度は融通が利く。 なんか希望があれば受け付けよう」
提督 「とりあえずしばらくは大きな出撃はない。 まずは数日かけて新体制に慣れていってほしい」
ハーイ
提督 「以上、解散!」
・・・ ・・・ ・・・
羽黒 「足柄姉さん、異動希望出しちゃうの・・・?」
足柄 「出さないわよ。 なんかやんなきゃって思っただけよ」
羽黒 「よかった・・・」 ホッ
足柄 「しばらくは提督の手腕でも見させてもらうわ」
妙高 「ふふっ、みんなそんな感じでしょうね」
提督 「ふぃ~・・・おつかれ~」 グテー
長門 「ああ、お疲れ様だ。 新提督」
提督 「挨拶、あんなもんでよかった?」
大淀 「まあ、いいんじゃないでしょうか」
長門 「若干弛みすぎている気がするが・・・」
提督 「新任の挨拶っつっても、俺1ヶ月くらい前からここにいるからなあ・・・」
大淀 「引き継ぎ作業、ご苦労様でした。 お陰様で滞りなく業務が継続できそうです」
提督 「こんなにきっちりできるのは珍しいよ」
大淀 「ですね」
長門 「そうなのか?」
提督 「ああ、提督の交代なんて大抵ロクなもんじゃないからな」
大淀 「前線の後退、拠点の破棄、不祥事による失脚から殉職まで・・・」
提督 「だからこういうちゃんとした引き継ぎってのは滅多にない」
大淀 「軍らしいと言えば軍らしいですね」
長門 「そうか。 ならば今回のは、提と・・・もとい、前提督ならでは、といった感じなのだな」
大淀 「ええ・・・。 前提督も急に、『まずい、鈍った』 とか言い出して後任探し出すんですから・・・」
長門 「一体何が『鈍った』のだろうな? 勘か、頭か、腕か・・・。 見る限り何も衰えていないようだったが・・・」
提督 「たぶん、本人にしか分からない何かしらの衰えを感じたんだろう。 職人か板前みたいな人だな」
大淀 「・・・それにしても、提督も随分と前提督と打ち解けられましたね」
長門 「ここに来た当初はもっとキビキビとしていたはずだが・・・」
提督 「いやだって、じいさん=大将。 俺=大佐。 そらシャキッともするさ」
長門 「それが今や3階級上の上官をじいさん呼ばわりとは。 ・・・いや、これは我々も悪いか・・・」
提督 「まあね。 じいさんは常時艦娘とじゃれ合ってるし、お前らの手前、俺にもやたらフレンドリーだし・・・。 やっぱお前ら軍隊として規格外すぎ」
長門 「致し方あるまい。 駆逐艦に懐かれて正気でいられようはずもない」
提督 「いや正気は保てよ・・・」
ガチャ
卯月 「ぷっぷくぷー! 新しいしれいかぁ~ん、就任おめでとうぴょ~ん♪」
提督 「見ろ。 お偉いさんの威厳を台無しにする艦娘筆頭が・・・」
大淀 「卯月、ノックくらいしなさい」
卯月 「気にしちゃダメぴょん。 間宮さんから伝言でっす! しれいかん歓迎パーティーは定刻通りで準備整いそうです。 びしっ!」
提督 「おう。 あんがとさん」
卯月 「は~い」
タタタッ
長門 「・・・退役パーティーの次は歓迎パーティーか。 忙しないな」
提督 「そんな大したもんじゃないぞ。 まあアレだ、節目を口実に飲んだり食ったり騒いだりするだけだ」
大淀 「予算あんまり残ってないですからね」
長門 「そうか・・・」
提督 「・・・・・・」
提督 「・・・なあお前ら、っていうかここの艦娘全員、こんなポッと出の俺とは比べもんにならんくらい、じいさんのこと好きだったろ?」
長門 「・・・まあな」
大淀 「一応は、艦娘一同、引き止めて、やっぱり駄目で、渋々納得して・・・と一連のやり取りをする時間は十分にあったのですが・・・」
提督 「・・・ま、会えなくなったわけじゃない。 しばらくはちょい寂しくなると思うが、ゆっくり慣らしていこう、みんなで」
長門 「ああ・・・」
大淀 「はい・・・」
大淀 「・・・とか言ってたのに、ずいぶん早く馴染みましたね提督」
提督 「・・・言うな・・・」
文月 「しれいかーん、なんのはなしぃ?」
提督 「文月さんや、ちょっと膝から降りてはくれまいか?」
文月 「えぇ~? なんで~?」
提督 「いや見てみ。 今書類仕事してるやん」
文月 「文月ねー、この報告書書いたことあるよー」
提督 「お、マジ? じゃあ任せていい?」
文月 「んーやだ。 司令官が書く。 あたしここで見る。 おーけー?」
提督 「・・・おーけー。 チェックお願いね」 ナデナデ
文月 「うんー♪」 エヘー
愛宕 「あらぁ~、チェックなら私もしてるから大丈夫よー」 ポヨンッ
提督 「・・・愛宕さん、俺の肩をおっぱい置き場にするのやめてもらっていいすかね?」
愛宕 「えー? だってこのくらい近くないと書類見えないじゃない」
提督 「今日の秘書艦でしょ? 自分の仕事やってよ」
愛宕 「私の分はもう終わったわよ。 今は提督のお仕事の見物」
提督 「・・・あかん。 じいさん勢は化物揃いや」
島風 「おっそーい! てーとく、あなたって遅いのね!」 グイグイ
提督 「やめろ島風。 その台詞は俺に効く」
時津風 「しれー! あそぼー!!」 グイグイ
提督 「お前この状況見てよく言えるね! めっさ執務中なんだけど」
大淀 「・・・毎日楽しそうで何よりです」
提督 「うっさいわ」
愛宕 「提督は反応があるから楽しいわぁー」 ポヨンポヨン
提督 「俺アブラの乗った30代やぞ。 そらおっぱい乗せられたら反応するわ」
愛宕 「やっぱりお年の問題かしら。 前のおじいちゃんも素敵だったけど、そのへん淡白だったのよねぇー」
提督 「そらしゃあない。 じいさんだし。 あと奥さん出来てからずっと一穴主義だって言ってたぞ」
大淀 「言い方・・・」
文月 「しれいかーん。 『ひとあなしゅぎ』 ってなーにー?」
提督 「あー・・・なんでもないぞー。 奥さん大好きって言いたかっただけだぞー」 ナデナデ
愛宕 「奥さんって確か民間の方よね。 やっぱり艦娘じゃダメなのかしら・・・?」
提督 「それはない。 じいさんと呑みに行った時とかお前らを肴にド下トークしてたし」
提督 「『若い娘に囲まれると滾るもんがある』 とか言ってたぞ」
愛宕 「えー? 私達にはよく、『孫娘みたいなもんだ』 って言ってたわよー」
提督 「どっちも本心だよ。 男なんてそんなもんだ」
愛宕 「うーん、もうちょっと押しとけばよかったかしら・・・」
時津風 「しれー! しれーも 『たぎる』 のー?」
大淀 「おい、そこまでにしとけよ」
翔鶴 「提督、以前から打診のあった、北提督との演習の件ですが・・・」
提督 「ああ、そろそろお受けしようと思っている。 こちらの戦力もある程度把握したし」
翔鶴 「はい。 じゃあ私が先方とスケジュール調整しますね」
提督 「北提督とは知り合い?」
翔鶴 「ええ。 前提督の後輩に当たる方で、若い頃よりお互い切磋琢磨しつつ、個人的に交友もあった仲だそうです」
翔鶴 「この鎮守府にも時々遊びにいらしてたので、ここの艦娘とは全員ご縁がありますよ」
提督 「じいさんと並ぶ大先輩か・・・参ったな・・・」
翔鶴 「鎮守府同士でも交流がありますので、配下の戦力はお互い把握しているのですが・・・お強いですよ」
翔鶴 「おそらく今回の演習も、前提督の後任である提督の見極め、もしくは指導の意図もあるかと・・・」
提督 「やっぱりか・・・。 まあ、指揮官としては格上相手だ。 全力で当たらせていただこう」
翔鶴 「いいですね。 私も出してもらえますか?」
提督 「うーん・・・今回は空母よりも戦艦を軸にしようと思う。 すまんな」
翔鶴 「いえ。 それが提督のご判断ならば。 また今度呼んで下さいね」 クルクル
提督 「ああ、期待してるよ。 ・・・人の胸でのの字を書くな。 キャバ嬢か」
北提督 「ほう・・・君が前提督の後任か」
提督 「はい! 厚かましくも身に余る艦隊の後釜を頂いております!」
北提督 「そんな畏まらんでもええよ。 ただの演習じゃ。 お互い全力で楽しむとしようの」
提督 「はい! 胸をお借りする気持ちで、全力で当たらせて頂きます!」
北提督 「ええ返事じゃ!」
――――――――――――――――
提督 「北提督! 本日はありがとうございました!」
北提督 「うむ。 ええ勝負じゃったぞ」
提督 「いえ、完敗です。 大変勉強になりました」
北提督 「・・・浮かん顔じゃの。 たかが演習で負けたくらいで」
提督 「いえ! そのような・・・」
北提督 「ああ、言わんでも分かっとる。 ・・・ええ娘らじゃな。 あとでちゃんと労ったれよ」
提督 「・・・・・・はい」
北提督 「・・・さて、アドバイスがいるかの?」
提督 「はい! お願いします!」
北提督 「ふむ、例えば・・・お前さん、中盤で金剛が中破したとき、動揺したな?」
提督 「・・・はい」
北提督 「慌てて対潜担当の五十鈴、雷撃担当の大井を引き戻して、カバーに入らせようとした」
提督 「・・・はい」
北提督 「しかし下策と思い直し、1分足らずで命令を撤回した。 おそらく指揮のミスと告白し、謝罪の意を伝えた上で」
提督 (そこまで・・・・・・)
北提督 「結果として、編隊自体は持ち直した。 士気もむしろ若干上がったの」
提督 「・・・・・・」
北提督 「さて、ここから分かることが多くある」
北提督 「まず、この隊の指揮官はまだ経験が浅く、近視眼的」
提督 (中堅提督を自称していたが、この方にかかると形無しだな・・・)
北提督 「・・・しかし、それを認め、命令を撤回する度量もある」
北提督 「そして艦隊は、指揮官の能力を知り、思いを知り、その上で従ってみせるだけの能力と信頼がある」
提督 「・・・はい」
北提督 「なあ提督さんや、この高々1分にも満たぬ小さな波紋ひとつとっても、実に多くの情報を敵さんに漏らしたと思わんか?」
提督 「・・・そこまで、読んでおられたのですか・・・」
北提督 「場数が違うからの」
提督 「感服致しました」
北提督 「安心せえ。 こんな真似ができるのはわしや前提督、あと海軍には数えるほどしか残っておらん」
提督 (いてたまるか)
北提督 「・・・じゃがの提督さん。 『姫』 は・・・読むぞ」
提督 「」 ゾクッ
北提督 「精進せえよ」
提督 「はいっ! ありがとうございました!!」
提督 「みんな、お疲れ様」
大和 「あっ、お疲れ様です提督」
武蔵 「いやー負けた負けた! 見事だったな向こうの長門は! 何発かいいのをもらってしまったぞ!」 ハッハッハ
伊19 「むー・・・もうちょいだったのに見つかっちゃたのね」
五十鈴 「まっ、運もあるわよね。 こっちも相手の潜水艦見つけたわよ。 轟沈まで持っていけなかったけど」
金剛 「Oh テイトク、Sorry ネ! この高速戦艦を狙い撃ちするなんて、あっちもタダ者じゃないネー」
提督 「いやいや、頑張ってくれてありがとな。 負けたけど惜しかったよ」
大井 「完っ全に作戦が悪いのよ! 北上さんもいないし」
提督 「うわぁ~ん大井がいじめるよ大和ぉ~」 ダキッ
大和 「わっわわっ! 提督、恥ずかしいですよ」 オロオロ
大井 「いっ、いじめてるわけじゃないのよ?」
金剛 「Hey テイトク! なんで大和の方に行くネ!?」
提督 「・・・・・・」
大和 「・・・提督?」
提督 「・・・ごめんな」
武蔵 「・・・流石は提督だな。 よく分かっているようだ」
大和 「提督・・・。 言わなくてもいいと思いますが、言って欲しそうなのでやっぱり言いますね」
提督 「・・・うん、お願い」
大和 「まず、此度の演習、同じ編成でも、前提督の指揮なら勝てていました」
大和 「加えて言いますと・・・その・・・」
提督 「お前達が各自の判断で動いても勝てていた。 ・・・そうだな?」
武蔵 「・・・我々はこれでも、前提督の教育を受けた精鋭だからな」
提督 「で、今回は敢えて俺の指示に従って、敗北を甘んじて受け入れてくれた」
大井 「・・・意外とちゃんと見えてるようね」
伊19 「提督の指揮は人間味があって好きなの! 前提督のはときどき「なんで?」ってなったの」
五十鈴 「あれは経験と勘による読みよ。 私も時々ついていけなかったわ・・・」
提督 「・・・みんなありがとな。 俺頑張ってじいさんに追いつくよ」
武蔵 「ふむ、こういうのは一朝一夕で身に付くものでもないからな。 気長にやるといい。 協力しよう」
大和 「ふふっ、がんばってくださいね」 ナデナデ
大井 「・・・で、いつまで大和さんに抱きついてんのこれ? 魚雷撃っていい?」
提督 「よっし! 今夜は呑むぞ! 奢るからみんな付き合え!」 パッ
大和 「あっ、はい (残念・・・)」
大井 「北上さんも呼んでいいなら・・・」
五十鈴 「長良と名取も呼んだら来るかな?」
武蔵 「面子増やしてもいいのか? なら隼鷹とポーラも呼んでやるか。 また呑み比べだ」
大和 「一航戦のお二方も喜びそうですね♪」
提督 「あの・・・ほどほどにしていただけると・・・」
そして1年後―――
―――そこには、稀代の智将と謳われながらも自ら艤装を駆って姫級を薙ぎ倒す
インテリムキムキマッチョパーフェクトハイパー提督の姿が・・・!!
提督 (んなわけない) ガバッ
チュンチュン チチチ・・・
提督 (・・・起床ラッパ30分前か。 コーヒーでも淹れてやろう)
コポコポ・・・
加賀 「・・・ん・・・ (コーヒーの匂い・・・)」
ムクッ
提督 「おはよう加賀。 コーヒー飲む?」
加賀 「・・・おはようございます。 頂きます。 ついでにあっちの棚から戴き物のクッキーも出していいですか?」
提督 「いいけど、寝起きでよく食えるな・・・。 あとなんで知ってんだよ・・・」
加賀 「ちょっと贅沢なクッキーですね。 さすがに気分が高揚します」 キラキラ
提督 「とりあえずなんか着て顔洗ってこい。 見えてるぞ」
加賀 「・・・少し、恥ずかしいわね (////)」
――――――――――――――――
天津風 「♪ふふんふふんふん (うん! 今日もいい風吹いてるわね!)」
天津風 「♪ふーれでーりかー (たまたま提督の部屋の前まで来ちゃったし、提督の朝イチの顔でも拝んでやろうかしら)」
ガチャッ バタン
天津風 (!!) サッ
提督 「うっし! じゃあ今日も1日、頑張るぞい!」
加賀 「ええ。 ・・・その、提督・・・、昨夜はありがとうございました (////)」
提督 「ん? いやいや、こちらこそありがとう。 ごちそうさまでした」
加賀 「・・・それはちょっと、下品だと思うわ」
提督 「ははは・・・。 ほら食堂行くんだろ? 今日は加賀は出撃ないからゆっくりしてきな」
加賀 「そうするわ。 じゃあ失礼します」
テコテコ・・・
天津風 (お、思わず隠れちゃったわ・・・) サッ
天津風 (加賀さんが・・・提督の部屋から・・・? しかも、あの会話・・・)
天津風 (・・・確かめなくちゃ!)
バッ
天津風 「ちょっ、ちょっとあなた!」
提督 「・・・ん? 天津風か。 おはよう」
天津風 「おはよう。 ・・・じゃなくて! 今! 加賀さんと!」
提督 「・・・・・・あー・・・・・・見た?」
天津風 「ええ・・・。 その・・・もしかして、加賀さんと、その・・・そういうことする仲なの?」
提督 「えっと・・・うん」
天津風 「・・・いつから付き合ってたの?」
提督 「・・・・・・んとな、たぶんお前イヤな顔するだろうけどな、加賀とは別に付き合ってはいない」
天津風 「・・・・・・は?」
提督 「アレだ、大人の関係というやつだ」
天津風 「ウソ・・・信じられない・・・。 不潔! 最低!」
提督 「やっぱこうなるよなあ・・・」
赤城 「提督、おはようございます」
提督 「赤城か。 おはよう」
天津風 「あっ、赤城さん! 聞いて下さい! 提督が加賀さんと――」
赤城 「(スンスン) うん。 提督から加賀さんの匂いがします」
提督 「わかるの?」
赤城 「ええ。 同じ部屋ですから」
天津風 「えっと・・・赤城・・・さん?」
赤城 「天津風さん。 状況は大体把握してます。 加賀さんもあなたが隠れてることに気づいてたから、今頃たぶんこうなってるって予想してたわ」
天津風 「索敵能力高っ!?」
提督 「なんで加賀は分かってて放置してったんだよ・・・」
赤城 「お腹が空いてたんだそうです。 だから私が入れ替わりで食堂から来ました」
提督 「また朝イチから食堂にかじりついてたのかお前。 フリーダム一航戦どもめ・・・」
赤城 「それはそうと、天津風さんをブリーフィングルームへご案内です」
天津風 「えっ? えっ?」
提督 「まあ、しょうがないか・・・」
天津風 「何? 何なの一体!?」
提督 「まあまあ」
赤城 「とりあえず、こちらをお読み下さい」 サッ
天津風 「・・・・・・『鎮守府内恋愛服務規定』? こんな規則あったの!?」
提督 「いわゆる裏マニュアルだ。 恋愛に興味のあるお年頃になったら渡すようにしている」
赤城 「まだそういうの早い子もいますからね。 変に刺激を与えるのはよくないです」
天津風 「・・・とりあえず、読めばいいのね?」
天津風 「『その1、業務に支障のない限り、自由恋愛を許可する』」
天津風 「・・・ねえ、この鎮守府で男って、あなたくらいなんだけど・・・」
提督 「一応いるだろう。 憲兵さんとか資材運搬の方々とか。 あと街の人でもいいぞ」
天津風 「・・・民間人もアリなの?」
提督 「・・・ウチの自慢の艦娘が選んだ相手なら極力応えてあげたい。 まあ身体検査はさせてもらうけど」
天津風 「え、身体検査?」
提督 「あ、政治用語の方な。 身元調査とかスパイ対策」
天津風 「ふーん」
赤城 「興味なさそうね」
提督 「仮にも戦地だし、お前ら艦娘には、本能的な欲求不満はなるべく解消された状態でいてほしい」
提督 「ただ、男女比の関係で出会いの場が極端に少ないのは心苦しく思っている。 そこでそれ以降の項目だ」
天津風 「えっと・・・『その2、自由恋愛は、艦娘同士、姉妹艦同士のものも含む』。 うわぁ・・・」
赤城 「幾人か喜びそうですね」
提督 「これも自由意志を尊重する。 でもお互いの合意は取ってくれな。 あと編成で離れても文句言うなよ」
天津風 「まあいいわ」
赤城 「あら、これも興味なさそうね」
天津風 「・・・次、『その3、健やかなナイトライフをサポートする商品、書籍等は明石が取り扱っているので相談されたし』」
提督 「裏メニューというやつだな。 プライバシーは守るらしい。 俺でも立ち入れない」
赤城 「私利用したことないです。 今度聞いてみます」
天津風 「・・・『その4、男性を派遣するサービスも明石が取り扱っている。 応相談』。 なによこれ!」
提督 「ホストとか男娼とかだな。 すまないがこれも軍で身体検査済みの者を派遣してもらう」
天津風 「ないわー・・・」
提督 「そう言うな。 ハマる娘もいるかもしれんだろ? 実態知らんけど」
赤城 「ピュアですね~」
赤城 (・・・まあぶっちゃけ、『その1~4』 はおまけみたいなもんなんですが・・・)
天津風 「『その5、必要であれば提督もサービス業務を行う ※付記参照』」
天津風 「はぁっ!?」
提督 「うん・・・まあ、そういうことだ・・・」
天津風 「ちょちょ・・・ふ、付記読ませてね」
天津風 「『付記・提督によるサービス業務について』」
天津風 「『付記その1、艦娘が望み、提督が承諾した場合にのみ、艦娘は提督からの性的または非性的なサービスを受けられるものとする』」
天津風 「うん。 もうおかしい」
赤城 「うーん、そうですか?」
天津風 「ちなみに非性的とは?」
提督 「なでなでとか、添い寝とか・・・」
天津風 「・・・『付記その2、提督が承諾する基準として、艦娘がサービスと明確に割り切れることが条件となる』」
天津風 「あ、これか加賀さんの」
提督 「そう。 これ」
天津風 「『付記その3、恋人関係や婚姻関係の強要、艦娘同士の不和等が見られた場合は、提督の判断でサービスを拒否することができる』」
天津風 「厳しいわね」
提督 「大事大事」
天津風 「『付記その4、「割り切る」という行為自体よく理解していないと判断した場合、提督または他の艦娘によりサービスを中止させることができる』」
天津風 「・・・つまり?」
提督 「無知シチュ、ダメ。 ゼッタイ」
赤城 「ロリコン、ダメ。 ゼッタイ」
提督 「ロリコン言うたらお前ら全員アウトだぞ。 俺おっさんだもん」
天津風 「『付記その5、提督の体調とスケジュールに余裕が無い場合は予約制とする。 管理は大淀が行う』」
天津風 「大淀さんなにやってんすか・・・」
提督 「ごめんやけど、本当に助かってる」
天津風 「『付記その6、提督から艦娘に関係を迫ることは決してない。 もしあれば至急憲兵に通報されたし』」
提督 「これは俺が無理矢理ねじ込んだ」
赤城 「ブーイング多かったんですよこれ」
提督 「女性の側からお誘いする形になるのは本当に申し訳ないと思う。 でもさすがに俺から誘ったらアウトだわ」
赤城 「別にいいのに・・・」
天津風 (別にいいのに・・・)
天津風 「・・・『以上』、と」
赤城 「はい」 ニコニコ
天津風 「・・・随分と物々しい規則を作ったものね。 これじゃあまるであなたが引く手数多みたいじゃない」 ピラピラ
提督 「・・・その規則な、全部過去の教訓を元にできたんだ・・・」
天津風 「えっと・・・つまり・・・?」
提督 「その規則一つ一つにまつわる事件があったってことだよ」
天津風 「・・・」 ゾワッ
赤城 「そういうわけですので、加賀さんのこと許してあげて下さい」
天津風 「・・・ええ、もうそういう次元じゃないのはわかりました」
天津風 (悠長に朝の挨拶とか狙ってる場合じゃなかったわ・・・)
赤城 「ちなみに、このシステムに文句をつけると、私なんかよりもっと怖い娘達が出てきます」
天津風 「わかりました。 わかりましたよもう!」
赤城 「次にあなたと同じような娘を見かけたら、同じように説明してあげてくださいね」
天津風 「知らなきゃよかった・・・」
天津風 「・・・それで、その・・・た、例えば・・・そう、例えばの話なんだけど!」
提督 「ん?」
天津風 「これ・・・私でも利用できるのよね?」 ペシペシ
提督 「待て待て待て! 重要なのはそっちの付記じゃない! こっちの自由恋愛のほう!」
天津風 「うん。 でどうなのよ提督サービス?」
赤城 (ナイススルーです)
提督 「・・・天津風には、まだちょっと・・・早いかなって・・・」
天津風 「は? なによそr」
バーン!
如月 「しれいかーん! ここねぇ~! うふふっ♪」
天津風 「なっ、如月!? (資料隠さないと・・・!)」
如月 「ん? (チラッ) あーいいわよぉ天津風ちゃん。 私それ先輩だから」
天津風 「うぇっ!?」
如月 「それでぇ、今夜とかど~お? 司令官」
提督 「如月、前にも言ったがお前にはまだ早い」
天津風 (あ、実体験はまだなんだ) ホッ
如月 「ん~じゃあ添い寝だけでいいから。 最近不安で寝付きが悪いの。 ほら、メンタルケア。 お願いよ~」
提督 「いいけど、添い寝と決めたら絶対それ以上のことはしないぞ? 手出しちゃったら自首する」
如月 「えぇ~!? それは困るわ~・・・ (プランA失敗・・・プランBに移行!)」
如月 「・・・ねぇ司令官、私ってそんなに魅力ない?」 ウルッ
提督 「・・・いや、如月はそのままでもじゅうぶん魅力的だよ」
如月 「私、大人の女を目指してるの。 それが私の兵器じゃない部分のアイデンティティなの。 司令官、私、自信が欲しい」
提督 (・・・芝居がかってるけど、ちょっと本音入ってるな・・・)
提督 (しゃあないか・・・) フゥ
提督 「わかった。 気が変わってなかったら、今夜おいで」
如月 「やった♪ かならず行くわ!」 グッ
提督 (・・・まあちょっと・・・泣いてもらうか)
天津風 (出遅れた・・・あとで感想聞こう・・・)
赤城 (お腹空きました・・・)
如月 「・・・ひっく・・・ひっく・・・」
提督 「如月ー、大丈夫かー?」 ナデナデ
如月 「・・・ひっく・・・ごめっ・・・なさっ・・・ひっく・・・」
提督 「こっちこそごめんなー。 怖かったろ?」 ナデナデ
如月 「・・・ひっく・・・あのね・・・ひっく・・・わがんなく・・・なっちゃって・・・ひっく・・・」
提督 「・・・うん」 ナデナデ
如月 「・・・キス・・・してもらって・・・いろんなとこ・・・さわられて・・・ひっく・・・」
提督 「・・・うん・・・うん」 ナデナデ
如月 「・・・あそこも・・・さわられて・・・」
提督 「痛かった?」 ナデナデ
如月 「・・・ううん。 でも・・・ふわぁ~ってなって・・・ぎゅ~ってなって・・・」
提督 「うん・・・うん・・・」 ナデナデ
如月 「・・・だんだんこわくなって・・・なんかもう・・・いっぱいになって・・・」
提督 「・・・そっかー・・・よくがんばったなー・・・」 ナデナデ
如月 「・・・うぅぅぅぅ・・・」
・・・ ・・・ ・・・
提督 「落ち着いた?」
如月 「ごめんなさい・・・。 みっともないところを見せたわ。 恥ずかしい・・・」
提督 「気にすんな。 可愛かったぞ」 ナデナデ
如月 「う~ぁ~死にたいわ・・・」 モゾモゾ
如月 「外っかわ触られただけでこれだなんて、何やってるのよ私・・・」
提督 「如月、こんなもんイヤイヤ経験しなくたって、お前にはお前の魅力があるんだからな。 それを大事にしろよ」
如月 「・・・うん」
提督 「大人の女性ってのも、ゆっくりなりゃあいいからな」
如月 「・・・うん」
提督 「とりあえず今日はもう何もしないけど、ここで寝てくか?」
如月 「・・・うん」
提督 「よし、じゃあ寝んべ」 モゾモゾ
如月 「・・・ねえ」
提督 「ん?」
如月 「・・・ぎゅってして」
提督 「・・・いいけど、当たるぞ? 怖くない?」
如月 「ううん。 慣れとく」
提督 「そか」 ギュッ
如月 「・・・ (////)」 ギュッ
提督 「おやすみ」
如月 「おやすみなさい・・・」
提督 (概ね予想通りの展開だった・・・)
提督 (背伸びしてキャラ作ってるくらいが一番かわいいよお前は)
――――――――――――――――
天津風 「で、ど、どうだったの如月!?」
如月 「えっ!? う、うふふっ。 司令官ったら、すごかったわぁ~♪」
天津風 「ど、どうすごかったの?」 ドキドキ
如月 「これ以上はちょっと言えないわねぇ~ (ごめんなさい天津風ちゃん・・・)」
天津風 「そっか・・・ (やっぱり自分で経験しないとダメね)」
如月 「うん・・・ (私のバカ!)」
天津風 「・・・ (次こそは!)」
如月 「・・・ (次こそは!)」
朝潮 「朝潮型駆逐艦、朝潮、本日より着任しました!」 ビシッ
大潮 「大潮です! 司令官、お久しぶりです! アゲアゲですか!?」 ビシッ
満潮 「ふん! 来てやったわよ司令官」 ビシッ
荒潮 「また会えて嬉しいわ提督。 うふふっ」 ビシッ
霰 「司令官・・・んちゃ」 ビシッ
霞 「あ~ぁ、またクズ司令官と一緒かー」 ビシッ
提督 「おう、みんなよく来てくれた。 長旅お疲れ様」
陸奥 「えっと、確か提督の前の鎮守府の娘達よね。 よろしく」
大潮 「はいっ! お世話になりますっ!」
提督 「ちゃんと後腐れなくあっちの鎮守府を任せたつもりだったんだけどな。 追ってきちゃったかー・・・」
霰 「・・・異動届け、出した。 ・・・あと・・・ちゃんと・・・つっこんで」
提督 「おう、んちゃ。 すっかり持ちネタだなそれ。 お前ら遠征の要だったじゃん。 抜けてあっち大丈夫なの?」
満潮 「新造の私達に任せてきたから安心なさい。 アンタの面倒はやっぱり私達が見てやんないとね」
提督 「・・・えっと・・・もしかして、後任の提督なんかまずかった? 一応ちゃんとした後輩選んだつもりなんだけど・・・」
朝潮 「いえ! 後任の司令官も素晴らしい方でした。 軍人として、その、優れたお方です」
荒潮 「んー平たく言うとねぇ、お硬かったのよぉ~」
提督 「あ~、あいつ艦娘の前でもお硬いままだったかー。 こんなのに囲まれてりゃすぐに柔らかくなると思ったんだけどな・・・」 ナデナデ
霞 「なでないでよ! ・・・まっ、アンタほどクズじゃないけど、ちょっと事務的だったかもね (やった! 久しぶり ////)」
提督 「でもお硬いってんなら、朝潮あたり喜ばない?」
提督 「俺、馴れ馴れしいし雑だし、朝潮って俺のことあんまり良く思ってないんじゃないかなーって思ってたんだけd―――」
朝潮 「そんなことないです!!」
提督 「(ビクッ) アッハイ」
朝潮 「その、個人的な意見で恐縮ですが、司令官のほうが、その・・・好ましいと・・・」
提督 「お、おう・・・ありがとな・・・」 ナデナデ
朝潮 「・・・・・・ (朝潮、がんばりました ////)」 ムフー
陸奥 「提督知ってる? 柴とかの一部の犬種はね、二君に仕えない忠犬の性質があるそうよ」
提督 「なんで今それ言った!?」
霞 「まあ、こっちでもせいぜい活躍してやるわ。 感謝しなさいクズ司令官!」
提督 「言っとくけどな、こっちは強者揃いだぞ?」
大潮 「強者ですか!? 大潮、負けませんよー!」
提督 「とりあえずしばらくは遠征組に付いてってもらうから、先輩方から技術を盗んでこい」
荒潮 「いいけどぉ~、ごほうびはあるのぉ~?」
提督 「・・・前と同じで良ければ」
満潮 「司令官、アンタこっちでもおんなじことやってるわけ?」
霰 「・・・じゃあ・・・提督サービスも・・・復活・・・?」
ガタッ
陸奥 「提督・・・あなたまさか・・・」
提督 「待て待て! 添い寝までだから! それ以上手出してないから!」
朝潮 「? それ以上? なにかあるのでしょうか?」
提督 「ないよーないない! 添い寝なでなでは最高だろー? なー朝潮ー」 ナデナデ
荒潮 「それ以上はぁ~、私達には~、ちょぉ~~っと早いかもねぇ~? うふふふふっ」
提督 「荒潮ワレェ!」 ワシワシ
荒潮 「きゃ~~~♪ (////)」
朝潮 「早い? ・・・もしかして、朝潮の練度がまだ足りないのでしょうか? それで司令官は気を遣って・・・」
提督 「考えすぎだぞ~ (斜め上だけど、ある意味ちょっとカスってるわ・・・)」
霞 「見てなさいよ! 練度なんて簡単に上げてやるんだから!」
提督 「言ってること正しいけどタイミング悪いなお前!」
大潮 「大潮、添い寝のその先へ向かってアゲアゲします!」
提督 「もうわけがわからないよ!」
満潮 「はぁ・・・みんなまだまだね・・・ (結局子供扱いのままかぁ・・・)」
提督 (満潮も知識はあるのか。 なんかショック・・・)
陸奥 「提督も大変ねぇ・・・」 フゥ
提督 「あ、今ちょっとイラッとした。 陸奥爆発しろ」
陸奥 「あ゛!?」
提督 「・・・ごめんなさい」
コンコン ガチャッ
長門 「提督、訊きたいことがあるのだが、先程搬入された資zブフォッ!!」
提督 「・・・長門が爆発した」
陸奥 「あーもうこっち来なさい。 はいとんとん」
朝潮 「戦艦の長門さんですね。 本日付よりこちらに配属になりました。 朝潮型6名です。 あの・・・大丈夫ですか?」
長門 「ああ、問題ない。 よろしく頼む」 キリッ
陸奥 (気合いで体液を止めた!?)
提督 「朝潮、長門は少しその・・・病気でな。 あまり近付かないでほしいのだそうだ」
長門 「そんなことはない」 キリッ
提督 「長門、くれぐれも問題を起こさないように」
長門 「・・・貴方がそれを言うのか?」
陸奥 「提督、私も今改めて見返してみたのだけれど、ご自分の姿をよく確認したほうがいいと思うわ」
提督 「うん。 この全身に6人がへばりついたJSアーマーのことを言っているのなら、さしておかしなことではない。 じきに見慣れる」
陸奥 「・・・・・・そう」
長門 「お の れ 提 督」
提督 「こんちゃー」
ハーイ! パタパタ・・・
伊良湖 「あっ、提督さん。 いらっしゃいませ! ご休憩ですか?」 コトッ
提督 「うん。 一段落したんでおやつタイム。 羊羹と緑茶ちょうだい」
伊良湖 「はい喜んで!ちょっとお待ち下さいね。 間宮さーん!」
パタパタ・・・
提督 「ふぅ・・・。 おしぼりで顔を拭くとかナシエッティ・・・とかいう年齢は終わった!」 ゴシゴシゴシゴシ
電 「おっさんです! おっさんがいるのです!」
暁 「レディーとして失格ね!」
響 「レディーじゃないと思うが・・・」
雷 「もうダメじゃない司令官! ホラ、新しいおしぼりと取り換えてあげるから」 サッ サッ
提督 「おう、六駆もおやつタイムか。 昨日は遠征お疲れさん」
電 「なのです! 今日はオフだから、姉妹でゆっくりしてるのです」
提督 「パフェか・・・。 食いすぎてお腹壊すなよ」
響 「司令官も一口どうだい?」 スッ
提督 「(パクッ、モムモム) うん、うまい。 すぱしーば」
雷 「あっ! 私だってやるんだから! 司令官、あ~ん」 スッ
響 「ハラショー。 後の楽しみにとっておいたチェリーをためらいなく差し出したね」
電 「お世話焼きポジションの防衛に必死なのです」
提督 「・・・」 パクッ、モゴモゴ
雷 「はい、種こっち」 スッ
提督 「(プッ) ありがと。 うまかった」
雷 「そう。 よかったわ」 ポイッ、フキフキ
響 「流れるような夫婦劇。 私じゃなきゃ見逃しちゃうね」
電 「躊躇なく手皿で種を受けたのです。 手慣れすぎてて怖いのです・・・」
提督 「やだ電ちゃんったら。 種を受けるだなんて・・・ (////)」
電 「しねくそ司令官さんなのです」 ニッコリ
暁 「やれやれ・・・。 『あ~ん』 だなんて、みんなまだまだコドモね」
暁 「(ズズッ) ふぅ・・・」 チラッ
提督 「ん? ・・・おぉ暁、 ブラックコーヒーなんて飲んでるのか! 大人だなぁ~!」
暁 「(ピクッ) ふっ・・・まあね・・・」 ドヤァ
雷 「・・・ (司令官・・・分かってるわね?)」
提督 「・・・ (ああ・・・。 『砂糖いくら入れてもブラックはブラック』。 まだ信じてるんだな・・・)」
雷 「・・・ (みんな合わせてるんだから協力してよね)」
響 「・・・ (しかし、いずれはバレるのでは?)」
電 「・・・ (それはそれで楽しみなのです)」
暁 「エレファントなティータイムね・・・」 ドヤァァ
提雷電響 「「「「・・・」」」」 ホッコリ
間宮 「お待たせしました。 羊羹と緑茶です」 コトッ
提督 「お、 ありがと」
間宮 「折角なのでご一緒してよろしいですか? 今ちょうど手が空いてる時間なので・・・」
伊良湖 「えへへ、私もご相伴させて下さい。 最中もサービスしますので」
提督 「もちろん。 じゃあこっちでもお茶会と洒落込もうか。 いただきます」
間伊 「「召し上がれ♪」」
・・・ ・・・ ・・・
提督 「あ~、ぼかぁ~、しあわせだなぁ~・・・」 モムモム
間宮 「やりますね伊良湖ちゃん」 モムモム
伊良湖 「間宮さんにはかないませんよ」 モムモム
提督 「ところでお二方、手は足りてる? 負担かけてない?」
伊良湖 「大丈夫ですよ。 これでも給糧艦ですから♪」
間宮 「もっと艦娘が増えても対応できますから、こちらのことは気になさらないで下さい」
提督 「そっか・・・。 全品無料にしてるからさ、みんなバカスカ注文してないか少し心配だったんだよ」
間宮 「皆さんいい娘達ですよ。 お出ししたものはお残ししませんし」
提督 「『食う母』 の連中は?」
間宮 「むしろすごく気を遣って下さいます」
提督 「ウソぉ!?」
伊良湖 「『メニューのここからここまで』 とかじゃなくて、メガ盛りの方向で妥協してもらってますからね。 手間暇が段違いです♪」
提督 「あかん。 基準が違った・・・」
間宮 「・・・それにしても、前提督の時からそうでしたが、全品無料って珍しいんですよね?」
提督 「うん。 たいていは有料にした上で、間宮券とか特別メニューとかで釣って艦娘の戦意を鼓舞する」
伊良湖 「提督はそうしないんですか? ・・・いえ、今ウチでそんなことしたら暴動が起きると思いますけど・・・」
提督 「やっぱさ、好きなもん好きなだけ食いたいじゃん」
間宮 「シンプルな回答ですね」
提督 「だいたい卑劣だよ。 艦娘達がほとんど鎮守府から出れないのをいいことに、数少ない娯楽である 『食』 を盾にとって・・・」
提督 「予算全体から見りゃ大した出費でもないのに、カルテルかよって話」
提督 「戦果考えたら、艦娘一人ひとりに専属のシェフと執事とボディーガードつけてもバチは当たらんぞ」
伊良湖 「どこぞの超お嬢様学校みたいですね」
間宮 「私、戦果とかないのですが・・・」
提督 「出撃回数や撃墜数だけで評価はせんよ。 後衛あっての前衛だ。 いつも感謝してる」
間宮 (あ、ちょっとかっこいい)
提督 「だから間宮さんにもシェフをつける」
間宮 「私の仕事取らないで~!」
――――――――――――――――
電 「今の話、聞いたのです?」
暁 「専属の執事ですって。 このレディーにふさわしいわね!」
響 「これで夜中にトイレに行けるね」
暁 「ひとりで行けるし!」
雷 「専属の司令官はないのかしら?」
電 「『艦隊ひとり』 を指揮するのです?」
雷 「私がお世話するのよ!」
響 「雷は執事に世話される側だと思うのだが」
雷 「は? お世話される? 私が? なにそれ意味わかんない」
暁 「だめだわこの子・・・」
すぅーーーー・・・・・・
叢雲 「起きろーーーー!!!!」
ガンガンガンガン!!
提督 「あ゛あ゛あ゛あ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛」
隼鷹 「の゛~! の゛~! 」
Pola 「しにます・・・しにますぅ~~・・・」
龍驤 「あかんて工藤~~・・・」
千歳 「や~め~て~・・・」
千代田 「お姉・・・千歳お姉・・・!」
ウネウネウネウネ・・・
叢雲 「怖っ! なんか怖っ!!」
鳳翔 「エクソシストの気分ですね」
・・・ ムクッ ムクッ ムクッ ・・・
提督 「う゛~あ゛~~・・・」
叢雲 「はい司令官、ここはどこ? あなたは誰? なんでここにいるか分かる?」
提督 「・・・ここは食堂、わたしは提督、ここにいるのは昨夜の酒盛りでノックダウンしたから・・・」
叢雲 「はいよろしい。 ついでに言うと起床時刻過ぎてるわ。 もうすぐ他の娘達も朝ごはん食べにここに来るわよ」
提督 「・・・みんな~・・・無事か~・・・?」
龍驤 「・・・なんとかな~・・・」
鳳翔 「とりあえず、全員洗面所に行って、お口をゆすいで、お水を飲めるだけ飲んできて下さい。 あとでしじみのお味噌汁をお出しします」
Zara 「ザラはこの惨状の後始末でもします。 はぁ・・・」
千歳 「あ、後片付けくらいは自分で・・・」 ヨロヨロ
Zara 「そんな状態で無理しないの。 大丈夫、こういう役回り慣れてるから・・・」
隼鷹 「鳳翔さん、頭痛いから迎え酒を・・・」
鳳翔 「・・・怒りますよ」 スゥッ
隼鷹 「ヒッ! 顔洗ってきます!!」
バタバタ・・・
――――――――――――――――
叢雲 「揃ったわね。 じゃあ全員、今日は午前いっぱい、食堂の隅っこで正座!」
Pola 「え゛!?」
叢雲 「まったく、翌日の軍務に差し支えるまで深酒するなんて・・・。 恥を知りなさい恥を!」
龍驤 「堪忍やで・・・」
提督 「あの~叢雲さん、本日の業務とかは・・・」
叢雲 「私がやるだけやっといてあげるわよ。 今日の秘書艦だし」
叢雲 「どのみちアンタ達しばらく使いものにならないでしょ? そこで食堂の晒し者にでもなって、みっちり反省してなさい!」
提督 「面目ないです・・・・・・」
Pola 「てーとく~ポーラ死にますぅ~・・・。 セーザとか拷問ですよ~ぅ」
提督 「こっそり崩しとけ。 海外艦ならある程度大目に見てもらえるから」
龍驤 「なーなー、提督は昨夜のこと覚えとるん? ウチちょっと曖昧やわ」
提督 「ああ、気絶するまでのことは覚えてるぞ。 俺呑んでも記憶飛ばないタチだから」
提督 「特に印象に残ってるのは・・・ポーラのおっぱいがとても綺麗だった。 あれは眼福だった」
Pola 「んふー提督も好きですねぇ~♪ ポーラ、いいお酒があればいくらでもサービスしますよ~♪」
提督 「酒乱め・・・。 千歳も張り合わんでよかったのに・・・。 千代田も姉に合わせることなかったのに・・・」
提督 「でもごちそうさまでした。 お二人とも大変結構なものをお持ちです。 ちとちよサンド最高でした」
千歳 「おっ覚えてませんね (////)」 フイッ
千代田 「ゆうべはなにもなかったはずです (////)」 フイッ
提督 「一方で龍驤は・・・とても気さくで気立ての良い子だと思います」
龍驤 「露骨に胸の話題から逸らすなや!!」
提督 「隼鷹は・・・もう少し艶のある呑み方を覚えろ。 っていうか慎みを持て」
隼鷹 「なっ、なんのことやら・・・」 アセアセ
提督 「思い出させてやろうか? 『あたしのこともちゃんと見ろ!』 とか言ってテーブルに乗って、足をおっp」
隼鷹 「わーわー! はいこの話ヤメヤメ!!」
隼鷹 「いやぁ~しっかし、その歳で酒に呑まれるたぁ提督もまだまだだねぇ~!」
提督 「お前が言うな! っていうか、お前の持ってきた怪しげな酒が原因だろうが!」
千歳 「変わった味のお酒でしたね。 しかも何故かピッチャーに入ってましたし」
Pola 「量だけはありましたねぇ~。 ポーラはそれだけで満足です~!」
提督 「今までにない変な悪酔いしたわ。 あれ絶対怪しいぞ」
千代田 「うーん、なんでしょう・・・なんていうかこう、市販されてるお酒の感じがしなかったような・・・」
隼鷹 「(ギクッ) あ、あれはな・・・そう、梅酒だよ! 自家製の!」
龍驤 「全然梅の味せえへんかったで」
提督 「人工的でフルーティーな香りがしたな。 混ぜものっぽい感じの」
千代田 「隼鷹、あなた千歳お姉に変なもん呑ませたんじゃないでしょうね?」
隼鷹 「・・・・・・」 ダラダラ・・・
提督 「ん~・・・。 おーい鳳翔さーん!」
鳳翔 「はいはい。 これのことですね。 ちょっと中身残ってました。 たぶん密造酒です」 チャプッ
隼鷹 「違うんだよ鳳翔さん! これはちょっとその・・・戴き物で・・・!」
鳳翔 「提督。 鎮守府内の飲酒に関する規則どうなってましたっけ?」
提督 「・・・『アルコール類は、正規品を酒保と鳳翔さんの店でのみ取り扱う』」
提督 「『艦娘ごとの酒量は大まかに把握されており、適量を超える場合は指導がある』」
鳳翔 「隼鷹さん。 確かこの前、『今月はもうお出しできない』 って酒保で断られてましたよね?」 ドドドドド・・・
隼鷹 「それは・・・その・・・たまたま今月だけ・・・」 メソラシ
鳳翔 「・・・提督、常習犯の可能性があります」
提督 「ふむ・・・センダイ=サン!」 ピシッ
シュタッ
川内 「ドーモ、テイトク=サン」 ペコリ
提督 「隼鷹の密造酒ルートについて暴いてほしい。 できるな?」
川内 「・・・報酬は?」
提督 「夜戦・・・と言いたいところだけど確約はできん。 戦況は水モノだからな」
川内 「・・・夜戦(意味深)でもいい (////)」
提督 「・・・わかった。 明日の夜な (////)」
シュッ
――――――――――――――――
提督 「・・・まさか、現物が2樽も出てくるとはなぁ・・・」
隼鷹 「あぁ・・・あたしの毎晩の楽しみが・・・」
提督 「これは廃棄処分とする」
隼鷹 「てっ提督待ってくれよ!」
提督 「うむ。 申してみよ」
隼鷹 「確かに怪しげなところから仕入れたのは悪かったよ。 もうしない。 でも、もう作られちまった酒自体に罪はないだろォ!」
龍驤 「なんや不法滞在の一家みたいなこと言い出したでこの娘」
提督 「密造酒とわかった以上、廃棄以外の選択はないぞ」
Pola 「どうせ捨てるならポーラの胃袋に捨ててもいいじゃないですかぁ~」
Zara 「ポーラあなたね・・・」
提督 「・・・まあ確かに、どぶろくまがいとは言え、呑める酒を下水に流すのも、日本人としてなんか忍びない」
隼鷹 「だろ!? な? な?」
提督 「だから、この酒は海に散ったすべてのものにでも呑んでもらおうと思う。 明日の朝礼の折にでも」
隼鷹 「・・・・・・は?」
――――――――――――――――
提督 「総員、海に向かって・・・黙祷!」
トクッ トクッ トクッ トクッ ・・・
隼鷹 「あぁあぁあぁあぁ・・・」
Pola 「い~や~! ポーラがの~む~の~!」
提督 「そこうるさいぞ!」
西提督 「提督、はじめまして。 西提督と申します。 まだまだ若輩者ですが、よろしくお願いいたします」
提督 「提督です。 こちらこそよろしくお願いいたします。 本日はお互い実りある演習にしましょう」
西提督 「はいっ!」
提督 (おー爽やか真面目系イケメンだ。 スペック高ぇな)
・・・ィトクー ・・・タッタッタッタッ ダキッ!
榛名(西) 「西提督! 探しました! 」 ギュー
西提督 「こらこら、先方の手前だぞ? まったくしょうがないなあ榛名は・・・」 ナデナデ
榛名(西) 「今日は榛名を旗艦にしてくださって、ありがとうございます!」
榛名(西) 「榛名の練度上げを最優先にしてくださっているのですね!? 榛名感激です!!」
西提督 「お安い御用さ! 早く練度を上げて、ケッコンしような榛名!」
榛名(西) 「(キュン) 西提督・・・その言葉だけで、榛名は・・・榛名はもう・・・」 ハアハア
西提督 「アハハおいおい、こんなところdハッ!? しっ失礼しました提督! お見苦しいところを・・・」
提督 「あーいえいえ・・・お構いなく・・・」
・・・タッタッタッ
榛名 「提督~。 準備整いましたよ~」
提督 「あいよー」
榛名 「あ、そこにいらっしゃるのは西提督とそちらの榛名ですね? 本日はよろしくお願いいたします」
西提督 「よろしくお願いします」
榛名(西) 「こんにちは、そちらの榛名。 うふふっ♪」 ギュッ
榛名 「お二人は仲がよろしいですね♪ お付き合いされているんですか?」
西提督 「ええ、まあ・・・。 ついこの間ですがめでたく結ばれまして・・・ (////)」
榛名(西) 「はい! 榛名、今とっても幸せです! (チラッ) あなたも頑張って!」
榛名 「あーいや、ウチは・・・ハハハ・・・。 ええ」
提督 「ハハハ・・・」
榛名(西) (うーん反応悪いですね・・・。 あちらの提督、奥手なのかしら? それとも本命が別にいるのかしら?)
提督 「・・・そろそろ始めましょうか」
西提督 「ですね。 では後ほど」
テコテコ・・・
榛名(西) 「榛名、今日は西提督に勝利を捧げちゃいます!」
西提督 「あんまり張り切って無茶しちゃダメだよ、僕の榛名」
榛名(西) 「西提督・・・」 キュンキュン
・・・ ・・・ ・・・
提督 「いや~鎮守府も色々だなぁ~」
榛名 「ああいうのもいいものですね」
提督 「そう?」
榛名 「ええ。 ちょっと羨ましくなっちゃいました。 だから今夜可愛がって下さい提督♪」
提督 「それでこそウチの榛名だ。 でもごめん。 その・・・先約があって・・・。 明後日の夜なら・・・」
榛名 「ちぇ~・・・。 つれないです提督。 じゃあ明後日でいいです」
提督 「すまんな。 助かる」
榛名 「確か今夜が浦風、明日が那智でしたね。 あとで感想でも聞いときますから」
提督 「おまっ!? ・・・え、お前らそういう情報共有してんの?」
榛名 「もちろんです♪ なんだかんだで提督の愚痴が一番盛り上がりますから♪」
提督 「ねぇどんな悪口言ってるの!?」
榛名 「ふふっ、それは秘密です♪」
提督 「言っとくけど、下手だとか小さいとか早いとか、すげえダメージあるんだからな男は」
榛名 「それより、ほらあっち」
提督 「それよりっておま・・・ん? あっち?」
テイトクーダイスキー ヨセヨハルナー キャッキャッ・・・
時雨(西) 「・・・・・・」 ギリッ
夕立(西) 「・・・・・・ッポイ」 ギリッ
提督 「・・・うわぁ・・・。 鎮守府も色々だなぁ・・・」
西提督 「ありがとうございました」
提督 「ありがとうございました」
提督 「・・・その・・・大丈夫ですか? フレンドリファイアとか色々あったようですが・・・」
時雨(西) 「・・・・・・」 ニヤリ
夕立(西) 「・・・・・・」 ニヤニヤ
西提督 「ご心配おかけして申し訳ありません。 このところ事故が多いもので・・・。 僕も浮かれてないでしっかりしないと・・・!」
榛名(西) 「西提督、榛名は大丈夫です! でも、演習に勝てなくてごめんなさい・・・」 グスッ
西提督 「いいんだよ榛名、君が無事なら。 別に勝てなくたっていい。 僕に笑顔を見せてほしいな」 ナデナデ
榛名(西) 「西提督・・・はいっ!」 ニコッ
西提督 「ああ榛名、君の笑顔が僕は大好きだよ」
榛名(西) 「そんな西提督・・・榛名、嬉しいです (////)」
榛名(西) 「・・・・・」 チラッ
榛名(西) 「・・・・・」 フフン
時雨(西) 「・・・・・・」 ギリィッ
夕立(西) 「・・・・・・ッポイィィィ~~~」 ギリィッ
・・・ ・・・ ・・・
榛名 「提督~、あの娘たち怖いですよぅ~!」 ガクガクブルブル
榛名 「あっちに何か言ってあげないんですか?」
提督 「榛名、世の中にはな、提督の数だけ運用方針があるし、人の数だけ愛の形がある」
提督 「赤の他人の演習相手が偉そうな講釈を垂れるわけにはいかんさ」
榛名 「でもあれ、たぶんもうすぐ揃って悲しみの向こうへと辿り着きますよ?」
提督 「ハハハ。 んなバカな」
大淀 「西鎮守府が壊滅しました」
提督 「ハハハ・・・んなバカな・・・」
大淀 「報告によりますと、ある日突然、西提督、時雨(西)、夕立(西)の三名が失踪」
大淀 「周りの証言から、この艦娘二人による西提督の拉致とほぼ断定されています」
提督 「あの二人・・・目にハイライトなかったなぁ・・・」
大淀 「この事実を知った、当時西提督と恋人関係にあった榛名(西)が発狂」
大淀 「施設を手当たり次第に破壊し、西提督の行方を追って武装状態で鎮守府を出ようとしたところを取り押さえられ、処分を受けました」
提督 「NTRなんて可愛げのあるもんじゃないな・・・」
大淀 「また、西提督と榛名(西)が恋仲になって以降、西鎮守府全体の雰囲気が著しく悪化しており、他の艦娘にも奇行が目立つようになっていました」
大淀 「大本営による検査の結果、西鎮守府に所属する艦娘の8割以上が任務継続困難と判断され、解体が決定しています。 事実上の壊滅ですね」
提督 「ホントに鎮守府一個崩壊しちゃったよ・・・。 大当たりだわ榛名・・・」
――――――――――――――――
提督 「・・・ってことがあってさー。 いやーこえーのなんのって」
時雨 「提督、僕、怖い話苦手なんだ。 急にしないでほしいな・・・」 ギュッ
提督 「ははっごめんごめん。 お前ら見て思い出しちゃって・・・」 ナデナデ
時雨 「・・・ん (////)」
夕立 「みんな仲良くすればいいっぽい! それで全部解決っぽい!」
提督 「せやな。 それが一番やな」 ナデナデ
夕立 「ぽい~♪」 ギューッ
提督 「お前らもあんまり悩み事とか抱え込むなよ。 軍人たるもの、どんな苦境でも、心も体も陽気に身軽に、だ」
夕立 「任せるっぽい! 駆逐艦夕立、高速と高火力が自慢っぽい!」
提督 「色恋沙汰も・・・まあするなとは言わんが、あんまりドロドロするなよ。 あんなもんとりあえずエッチすりゃどうにでもなる」
時雨 「・・・こんなふうにかい?」 キュッ
提督 「・・・もう勃たんぞ。 二人して搾り取りやがって・・・」
夕立 「提督さんの次弾装填はいつになるっぽい?」 コロコロ
提督 「今日はもうむ~りぃ~・・・」
時雨 「止まない雨はないさ」 チョンチョン
提督 「よくわからんけど、今そいつをいじりながら言うセリフではないな」
提督 「・・・まあ、お前ら見て安心したよ。 ウチは俺絡みでああなる心配はなさそうだ」
時雨 「・・・分からないよ? 提督がこういうこと止めて誰か一人と結婚したら・・・」
提督 「安心しろ。 お役御免になるまでは独り身ハーレム王を続けてやるさ。 役得だし」
夕立 「提督さんは結婚とか考えてないっぽい?」
提督 「ここまで好き勝手やっといてそれは卑怯ってもんだろ。 戦争が終わってお前らが退役するまではお前らに付き合っちゃる」
時雨 「その後は?」
提督 「そんな先のことは知らん。 もう寝るぞ。 おやすー・・・」
時雨 「おやすみ・・・・・・」
夕立 「ぽい~・・・・・・」
・・・ ・・・ ・・・
提督 「zzz」
時雨 「・・・・・・」 ジーッ
夕立 「・・・・・・」 ジーッ
時雨 「・・・・・・」 コクン
夕立 「・・・・・・」 コクン
提督 「そういやーさー・・・」
漣 「おっ! これはご主人様が変なこと言い出すパティーンですね!」
潮 「漣ちゃん・・・」
提督 「まあ正解なんだけどさ・・・。 ウチの炊事洗濯掃除ってどう回してんの? 俺あんま気にしたことなかったけど」
漣 「すっごい今更ですね」
提督 「炊事はまあ分かる。 鳳翔さん間宮さん伊良湖ちゃんが食堂を回してる」
漣 「時間帯で甘味処っぽくなったり居酒屋っぽくなったりしますね」
潮 「あ、でも、他にも色んな娘がしょっちゅうお手伝いしてますよ」
提督 「そうなの?」
潮 「はい。 お料理を覚えたかったり、単純にお役に立ちたかったりで、出撃のない娘がよく出入りしてます」
漣 「ほっといてもヘルプが集まるんで、わざわざ当番を割り振る必要はないみたいですよ」
提督 「おーさすが。 人徳だなぁ~」
潮 「私もお料理全然だったんですけど、お手伝いしてたら肉じゃがくらい自分で作れるようになりました」
提督 「ホント? 今度食わせてよ」
潮 「えっ!? あっあの・・・まだ全然人様に食べていただくようなものではないので・・・。 もっ、もう少し時間を下さいっ!」
提督 「ん、そか。 楽しみにしてる」
潮 (が、頑張らないと・・・!)
漣 「相変わらずナンパ野郎ですねぇご主人様。 漣の手作りカップ麺いります?」
提督 「いらんわ。 ・・・まあ飯はいいとして、じゃあ掃除は?」
漣 「あ、それはローテですよ。 業者入れらんないので、共用スペースは持ち回りで当番決めてます」
提督 「サボる奴とかいそうだな漣ィ」
漣 「・・・なんですかその疑いの目は?」
潮 「漣ちゃん、よく曙ちゃんに引っ張られてますよ」 クスクス
漣 「おのれうしおん・・・。 ご主人様もお掃除手伝って下さいよぅ!」
提督 「いいよ。 つうか任せっきりだったのな。 すまん」
漣 「うぇっ!? 冗談ですマジレスしないで下さい。 ご主人様はご主人様しか触れない資料とかあるんで、やるならそっちの整理でもしてて下さい」
提督 「それもそうか」
潮 「工廠とか演習場とか食堂とかも、事実上の 『主』 がいますので、適材適所でやってます。 当番制と言ってもちょっと変則的な感じです」
潮 「あと、私室の掃除は各自自己責任です。 でもときどき苦情処理とか抜き打ち検査とかで第三者の手が入ります」
提督 「女子寮っぽいな。 自治もしっかりしてそうだし、下手に立ち入らずにお任せした方が良さそうだ」
漣 「女の園ですよ? wktkしません?」
提督 「どうせジャージ姿でゴロゴロしてるんだろ?」
漣 「いいえ。 基本裸族です」
提督 「マジでっ!?」 ガタッ
潮 「嘘です嘘! もー漣ちゃん・・・」
提督 「ちぇっ・・・。 じゃあ洗濯は?」
漣 「んー・・・。 タオルとかシーツ、あと洗濯カゴに出してもらった物なんかは、非番の娘達の中から当番決めて一括でやっちゃいます」
潮 「シーツを一気に干すのとか気持ちいいですよね。 一応乾燥機もありますけど」
提督 「楽しそうだな。 俺も洗濯物干すの手伝いたい」
潮 「えぇ? ・・・あ、あの・・・提督はその・・・お洗濯物にあまり触らないでいただけると・・・」
提督 「ち、違うよ!? ボクはただ、大空にはためくパンツとブラを眺めていたいだけなんだ!!」
漣 「ご主人様、ぶっ飛ばしますよ♪」
提督 「フヒヒwwwサーセンwww」
潮 「・・・えっと、一応洗濯機とかは誰でも使えるので、自分のものは自分で洗濯するっていう娘も結構います」
漣 「漣は気にしませんけど、うしおんはいつもこっそりやってますね」
提督 「潮のダイナマイトブラは他のお子様ブラと一緒にはためかないのか。 それはとても残念だ・・・」
潮 「・・・あの・・・潮、もう戻ってよろしいでしょうか?」
漣 「ご主人様、これセクハラ案件です」
提督 「すみませんでした!」 ドゲザ
提督 「いやね、こんな話したのもさ、ちょっと気になることがあって・・・」
漣 「なんでっしゃろ?」
提督 「俺の洗濯物どうなってるのかなって」
潮 「えっ・・・今までずっとご存じなかったんですか?」
提督 「お恥ずかしながら・・・。 風呂場で汚れ物用のカゴに入れとくとさ、綺麗になって俺の部屋のタンスに収まってるんだよ」
提督 「なんかそういう業者さんがやってくれたんだろうと思ってたけど、冷静に考えたらお前らの中の誰かしかいないじゃん」
漣 「お察しの通りです旦那。 ローテで当番になった娘が洗濯してくれてますよ。 ・・・もちろん、ご主人様のだけ別にね!」
提督 「チクショウ当たり前だけどちょっと傷つくわ!」
提督 「でもそうと分かったら、今日から自分で洗濯することにするよ。 お年頃の娘さんにさせていいこっちゃない」
潮 「えっ!? いえあのそれは・・・」
提督 「ん?」
潮 「・・・・・・」 フイッ
漣 「・・・・・・」 フイッ
提督 「・・・・・・ひとつ、気になることがあってさ・・・」
提督 「最近、俺のシャツとかパンツとかが新品に替わってるんだよ。 なんか心当たりない?」
潮 「・・・・・・」 フイッ
漣 「・・・・・・」 フイッ
提督 「往生際が悪いぞ」
漣 「タハハ・・・。 そりゃやっぱアレっすよご主人様。 『おにーちゃんのぱんつなんかせったい盗んでないんだからね!!』・・・的な?」
提督 「やっぱりか! やめろよ怖えよ!!」
漣 「ご主人様の使用済みパンツが裏オークションで取引されてたり・・・」
提督 「特価3枚1000円のトランクスで商売すんなバカヤロウ! 晒しものっぽいんでマジ勘弁して下さい」
漣 「考えてもみて下さいよご主人様。 逆の立場なら・・・例えば、潮ちゃんの使用済みパンツ・・・欲しくないですか?」
提督 「・・・・・・」 チラッ
潮 「ひぅっ!? (><)」
提督 「俺はパンツより中身派だ。 ・・・でも、言わんとしていることは分かる」
潮 「・・・・・・ (><////)」 ヒャァ~
漣 「じゃあいいじゃないですか♪」
提督 「あれ? そうか、別にいいのか・・・いやよくねえよ!」
提督 「勝手に持ってくなよ! 欲しけりゃやるから直接来い。 っていうかむしろ、本体の方を嗅ぐだの舐めるだのしに来いよ」
漣 「ぶっちゃけましたね。 でもそれができないピュアな乙女もいるんですよ?」
提督 「パンツもらって喜ぶピュアな乙女がいてたまるか!!」
潮 (・・・・・・ちっ違うんです! あれは出来心だったんです! ><////) プルプル
提督 「・・・・・・」
漣 「・・・・・・」
潮 ( ・・・・・・どうかバレませんように・・・早くこの話題終わって~! ><////) プルプル
提督 「・・・まあアレだ。 そういう内気で可愛い子もいるかもしれんな」
漣 「・・・ソーデスネ」
潮 (・・・・・・助かった) ホッ
提督 「思春期パワーってすげえな・・・」
漣 「ちなみにご主人様、洗濯物の他になんか盗られてるものとかは?」
提督 「えっ? う~ん・・・」
提督 「・・・赤ペンと、消しゴムが新品になってたな。 あっ、あと歯ブラシも。 ・・・安物の消耗品ばっかだな。 良心的だ」
潮 「うわぁ・・・。 その感想もどうかと・・・」
漣 「それにしてもザルですねー。 好き勝手され放題じゃないですか」
提督 「洗濯物もそうだけど、俺の私室って鍵かけてないから誰でも出入り自由なんだよね。 この前卯月がいたずら仕掛けてたし」
潮 「えっと、その・・・いいんですかそんなで?」
提督 「別にいいよ。 私室に弄られて困るようなもんはない。 業務関連は執務室で厳重に保管してあるし、金品についてはお前らを信用してる」
提督 「むしろ最近は客人をもてなす環境が着々と整ってるな」
漣 「客人って? ・・・ああ、夜の・・・」
提督 「あと、俺のじゃない私物もいつの間にか増えてたりする」
潮 (それって・・・マーキング的な?)
提督 「そんなわけで、今や 『自分の私物』 って境界自体が曖昧でなぁ・・・。 もう代わりの新品置いてってくれたらそれでいいよ」
漣 「大らかすぎやしませんかねぇ」
提督 「あでも、いくつか思い入れのある品はあるから、それは持って行かないでほしいな」
漣 「ほうほう。 教えてくださいな。 漣が謎の鎮守府内ネットワークで周知しておきましょう」
提督 「なんじゃそら・・・。 例えば、この万年筆だな」
提督 「俺が提督に初就任した時に恩師から賜ったものでな、今までずっと愛用している」
提督 「就任当初の志を思い出させてくれる品なので、壊れるまでずっと大切に使っていこうと思っている」
漣 「なるほど。 そんなご主人様の汗と涙が染み込んだ品を使って、しっぽりムフフといきたいものですなぁ」
提督 「おいやめろこの鬼畜淫乱ピンク」
漣 「冗談ですってば!」
潮 (漣ちゃん・・・なんてすばr恐ろしい発想を・・・) ドキドキ
提督 「他には・・・この文鎮も思い出の品だな」
漣 「なんかハイソな逸品ですね。 センスが感じられます」
提督 「これは俺が士官学校時代に初彼女にプレゼントされたものでな」
提督 「あの頃よく書庫で一緒に勉強した甘酸っぱい思い出が蘇ってくる一品だ」
提督 「まあいろいろあって別れたんだけど、今でもちょっと遠いところにある鎮守府で提督やってて、連絡もたまに取り合うなk―――」
漣 「あっと手が滑ったっしょぉ~~い!」 ガシッ ポーイ
提督 「あ゛~~~~!!」
潮 (・・・グッジョブです漣ちゃん!)
漣 「ところでご主人様って、漣達に好かれてるって自意識満々ですよね」
提督 「当たり前だ。 俺をそこらの難聴系童貞主人公と一緒にするなよ」
漣 「俺様系イケメン主人公のつもりですか?」
提督 「違う。 俺はただのおっさん。 問題があるのはお前らの方」
潮 「・・・えっ? 私達、ですか?」
提督 「お前ら艦娘は人懐っこいわりに男慣れしてない。 あと惚れっぽい。 要するにクッソちょろい」
漣 「ひどっ!」
提督 「なので、俺っていうか、『提督』 に好意を持つのは自然な成り行きなんよ」
潮 (実際その通りなので何も言えません・・・)
提督 「で、それをいいことに食っちゃってるわけよ。 こんなおっさんが」
漣 「身も蓋もねえ・・・」
提督 「そんなわけで、お前らの中で、『恋人っぽい異性=俺』 みたいな図式ができあがってるのな。 お気の毒なことに」
提督 「ここから先はお前ら次第だ。 いい男見つけようと思ったら、まずはこのおっさんの呪縛から抜け出してみせい! フハハハハ!」
漣 「みんなの笑顔のために・・・私達は・・・負けないっ!」
潮 (二人ともノリいいなあ・・・)
チャプッ・・・
提督 「ふぅ・・・・・・」
提督 「・・・・・・」
すぅ~~・・・・・・
提督 「♪ yeh ×5 wow ×4! yeh ×5 wow ×4! yeh ×5」
ガラッ!
伊58 「♪ survival dAnce! survival dAnce!」
伊8 「♪ trial dAnce!」
提督 「おわっ! なんやねんお前ら!」
伊58 「てーとくこそなんでちか!? お風呂で大合唱はまあ分かるでち。 でも選曲が trf なのは納得できないでち!」
伊8 「バブルが弾けた頃の年代ですね」
提督 「いいだろ別に! 何となく思い浮かんじゃったんだよ! それよか入ってくんなや!」
呂500 「提督、ろーちゃんも一緒にどぼーんしたいって! ・・・ダメ?」
U-511 「・・・・・・」 モジモジ
提督 「お前らまで・・・。 なんで狭い男湯に来んだよ。 大浴場行ってこいよ!」
伊58 「てーとく、ゴーヤ達は今オリョール帰りで疲れてるでち。 労ってほしいでち」
提督 「おうでち公、もっぺんオリョクル行ってこいよ」
伊58 「・・・そんなこと言っていいんでちか?」
提督 「な、なんだよ?」
伊58 「『艦娘の権利について考える特別委員会』 はゴーヤ達の味方でち」
提督 「くっ・・・知っていたか・・・」
伊58 「というわけで、てーとくを三助に任命するでち」
提督 「へいへい。 やりますよお嬢様」
伊8 「『損傷なし、入渠不要』 とはいえ、やっぱり海から帰ってきたら、まずはあったかい真水のお風呂ですね」 クイッ
提督 「はっちゃん、海中でも風呂でもそのメガネなん? オーバーテクノロジーやな」
呂500 「どぼーん! どぼーん!」
伊58 「こらっ! ろー、まず体を洗うでち!」
呂500 「はーい! でっち、早くこっち! 提督も!」
U-511 「・・・・・・ (////)」 モジモジ
呂500 「ユー、恥ずかしがっちゃダメですって! これがニッポンのハダカノツキアイですって!」
U-511 「・・・う、うん・・・ (////)」 オズオズ
提督 「お前ら物怖じしなくなったなぁ・・・」
ゴシゴシ・・・
提督 「こんな感じ?」
呂500 「ん~、もうちょっと強めでいいですって!」
提督 「はいよー。 ろー背中ちっちぇーなー。 あとここの日焼けツートーンがそそる」 ツツー
呂500 「ひゃうっ!? あはは、提督、くすぐたっいですって! (////)」
U-511 「・・・アトミラールは、そっちの方がいい?」
提督 「ん? ユーのその真っ白な肌も大好きだぞ。 すごいな。 雪みたいだ」
U-511 「ん・・・ダンケ (////)」
伊58 「おいそこのエロオヤジ、こっちの背中も頼むでち」
提督 「おう任せろ」 ガシッ
伊58 「そのデッキブラシを下ろすでち」
――――――――――――――――
ゴシゴシ・・・
提督 「・・・ところで、さっきのナントカ委員会の話だけどさぁ・・・」
伊58 「『艦娘の権利について考える特別委員会』 でちね」
伊8 「ああ、アレですか・・・。 人権団体と反戦団体が軍部の一角に食い込んで出来た、ゴロツキ集団ですね」
提督 「なぜか環境保護団体もいるぞ。 艦娘を人と見てるのか希少生物と見てるのかくらいはっきりしてほしいもんだ」
呂500 「ろーちゃんその名前知ってます! この間ここにインタビューに来た人ですって!」
伊58 「メディアを抱き込んで好き勝手やってる嫌な連中だけど、ゴーヤ達と一部利害が一致してるのも事実でち」
提督 「まあなぁ・・・。 お陰で捨て艦戦法撲滅したもんなぁ・・・」
U-511 「・・・・・・」 プルプル
伊58 「その獲物がほとんど狩り尽くされて、連中が次に狙ってるのがブラック労働でち。 オリョクル強行は格好の材料でちよ?」
伊8 「次に槍玉に挙げる生贄を、喜々として待ってる状態ですね」
提督 「んー・・・じゃあほとぼりが冷めるまでオリョクル禁止にとしとくか」
伊58 「それは困るでち! あんな楽ちんな任務そうそうないでち!」
提督 「おまっ!? えぇ~・・・」
伊58 「1日2回までで、気持ちよく働いて美味しいご飯を食べたいでち」
提督 「なんとわがままな・・・」
呂500 「ろーちゃんオリョール大好きですって! でっちに教えてもらったお昼寝スポットもいい感じですって!」
提督 「ほぉ・・・お昼寝・・・ねぇ」 ジロッ
伊58 「・・・うっ」
伊8 「まあまあ。 任務の途中で休憩を取るのも、大事なことです」
提督 「外回りの合間にサボって喫茶店に入る営業職みたいだな・・・」
U-511 「オリョール、ユーも、おいしいウニとエビのいるところ、でっちに教えてもらった」
伊58 「ユー、しーでち!」
提督 「お前それ密漁・・・」
伊58 「ちっ違うでち! ちょっと大きめの海棲生物がその場で捕食行動をとってるだけでち! 大自然の営みの前には漁業権も無意味でち!」
提督 「・・・・・・いいか、絶対持ち帰るなよ。 面倒事はご免だからな」
伊58 「がってんでち!」
伊8 (その場で食べることは黙認するんだ・・・)
提督 「あと、例の委員会には気をつけろよ」
伊58 「分かってるでち。 アレの本来の主張は 『艦娘を造るな、戦わせるな』 でち。 根本的に相容れないでち」
提督 「敵が深海棲艦だからこの程度で済んでるが、人間相手だったら敵国の諜報機関が入り込んで増長してたんだろうなあ・・・」
伊8 「案外今でも、深海棲艦と裏で繋がって、利益供与受けてるかもしれませんよ?」
提督 「ハハハ。 そうだったらおっかねえなぁ」
伊58 「今はまだいいでちが、『戦うな。 話し合いで解決しろ』 とか言い出したらさすがにブチ切れるでち」
提督 「そんときゃ話し合い要員として前線にでも連れてってやれ。 交渉出来たらラッキー、説得の甲斐なく弾が飛んできたら肉壁役ってことで」
伊58 「1ミリも装甲の足しにならないでち・・・」
ちゃぽん・・・
提督 「ふぃ~~・・・・・・」
U-511 「でっち、でっち。 見て。 クラゲ」 プクー
伊58 「ユー、タオルを湯船に付けるんじゃないでち」 ブシューー
U-511 「あぁ~・・・・・・」
呂500 「提督、提督! 潜望鏡やるですって! 潜望鏡! フーゾクの!」
提督 「・・・ろーちゃんや、どこでそんな言葉覚えてきた?」
呂500 「さっきはっちゃんが教えてくれましたって!」 ビシッ
伊8 「私達、潜水艦隊ですから!」 キラーン
提督 「このおバカ! ムッツリメガネ! おっぱい!」
伊8 「フォイヤーしますよ?」
U-511 「・・・潜望鏡? アトミラールが? どういうこと?」
提督 「・・・こういうことだよ。 よっと!」
サバー ピョン!
U-511 「わぁ!」 キラキラ
呂500 「すごいですって! ホントに潜望鏡みたいですって!」 キラキラ
提督 「・・・なんでこの娘らこんなに喜んでんの? 無邪気さが怖いよ・・・」
伊58 「たぶん潜水艦のサガでち」
提督 「む・・・バスタブじゃないから姿勢が保てん。 でち公、左足支えて。 おっぱいメガネは右足」
伊8 「・・・・・・」 イラッ
伊58 「アホでちか・・・」
提督 「そう言いながら支えてくれるキミらが大好き」
呂500 「・・・ん~~・・・・・・?」 クビカシゲ
提督 「どうしたろーちん?」
伊8 「(ニヤリ) 提督ホラこれ。 ろーちゃんに潜望鏡の説明する時に見せた画像」 スッ
提督 「お前こんなところにスマホなんtでかっ! うっわなにこれ!?」
伊8 「いやぁ~これ見た後だと提督のが見劣りしますねぇ~」 ニヤニヤ
提督 「おのれムッツリ・・・。 言っとくけど俺のは平均ピッタリだからな! デカくはないけどちっちゃくもないからな!!」
伊58 「バカどもでち・・・」
伊8 「ゴーヤも見な。 ほれユーちゃんも」 つ スマホ
伊58 「うわキモ・・・」
U-511 「・・・(↑)・・・(↓)・・・(↑)・・・(↓)・・・(→)・・・(フルフル)」
ポン
提督 「うわぁぁぁーーん! ユーたんに慰められたぁ~!」
伊8 「・・・フッ」
提督 「おまえのせいじゃぁ~!」 パチコーン パチコーン
伊8 「ちょっ、おっぱいはたかないでください!」
呂500 「提督、その・・・ろーちゃんは、ちょうど提督くらいのが、好きかなって・・・ (////)」 テレテレ
伊58 「ろー、聞こえてないでちよ・・・」
提督 「それにしても・・・はっちゃん、風呂場にまでスマホか・・・」
伊8 「できれば本を持ち込みたいんですけど、携帯小説で妥協です」
提督 「これ防水ケースか・・・。 事故んない?」
伊8 「妖精さんの特注品なので大丈夫です。 深海でも使える優れものですよ」
提督 「お前まさか、出撃中も持ってってないだろうな・・・?」
伊8 「・・・ソンナマサカ」 フイッ
提督 「没収!」
伊8 「許してください! お願いです! 活字ないと死んじゃう!!」
提督 「どんな病気だよ・・・。 だいたいこんなガバガバ通信機器オーケーなのか潜水艦?」
伊8 「ケースで電磁波遮断できますから! オフラインで小説読むだけですから!」
提督 「・・・わかった。 許可しよう。 でもこれのせいで警戒を怠ったりしたら叩き割るからな」
伊8 「もちろんです! 気を抜く時くらいわきまえてます」
提督 「お前らも監視してやってくれな」
U-511 「はい」
伊58 「任せるでち」
呂500 「厳しくしますって!」
伊8 「・・・提督、ろーちゃんユーちゃんはゲームボーイアドバンスを、ゴーヤはワンダースワンを持ち込んでました」
呂500 「もー! はっちゃん!」
U-511 「ナイショって言ったのに・・・」
伊58 「ひどいでち!」
提督 「・・・なんでお前らそんな微妙な機種なんだよ・・・」
伊8 「あぁ・・・お風呂上がりにシュトーレン食べたい・・・」
提督 「そんなビールみたいに・・・。 クリスマスはまだ先だぞ?」
伊8 「わかってますよ・・・」
呂500 「また今年の冬もみんなで作るですって!」
U-511 「うん。 パネットーネも、イタリアのみんな、作るって言ってた」
伊8 「ホントに!? やった!!」
U-511 「はっちゃんも、手伝って。 アトミラールも、また去年みたいに・・・」
伊8 「もちろん! いっぱい作るよ!」
提督 「おう。 去年と同じ感じでいいんだな?」
呂500 「ドイツ艦のみんなと、マミーヤさんと、ホーショーさんと・・・。 でっちも来る?」
伊58 「ゴーヤは食べる専門でち」
提督 「にしてもはっちゃん、お前のシュトーレン熱はなんなんだよ・・・。 確かに美味かったけど、思い出補正強すぎない?」
伊8 「そんなことないです! あれは神の食べ物です!」
提督 「そんなに好きなら年中作ったらいいのに・・・。 別に珍しい材料使ってるわけでもないんだろ?」
U-511 「んー・・・アトミラール、それ、ちょっと違います」
提督 「違う? 何が?」
呂500 「日本で言うと、真夏にお餅をつくような感じ、ですって」
提督 「・・・あー、なるほど」
伊58 「出されれば食べるし、年中美味しいけど、わざわざ作る気にはならないでちね」
U-511 「うん。 それ」
伊8 「そう言ってみんな手伝ってくれなかったので、はっちゃん、一人で作ったことがあります。 でもなんかいまいちでした・・・」
呂500 「あの時は作ってすぐ食べちゃったからですって! 1週間以上寝かせないとダメですって!」
伊8 「そんな・・・我慢できなくて作ったのに、1週間以上待たなきゃいけないなんて・・・」
U-511 「その後も、寝かせた日数で、味が変わります。 はっちゃんが好きなのは、たぶんもっと後のやつ・・・」
伊8 「もうだめだぁ・・・おしまいだぁ・・・」 orz
伊58 「シュトーレンキチがいるでち・・・」
提督 「長湯した・・・。 そろそろ上がるよー」
伊8 「シュトーレン・・・・・・」 orz
提督 「上がるよー♪」 ガバッ! ワシッ!
伊8 「ひゃうっ!?」
モミモミモミモミ
伊58 「なっなにしてるでちか!? おっぱじめる気でちか!?」
伊8 「・・・・・・ (////)」 ドキドキ
提督 「いやーごめんごめん。 はっちゃんが四つん這いになってるとさ、こう・・・巨乳がさらに強調されてさ。 思わずつい・・・」
伊58 「ふむ・・・・・・」 orz
呂500 「・・・・・・」 orz
U-511 「・・・・・・」 orz
提督 「さ、上がるか」
ガララ・・・ ピシャッ・・・
伊58 「・・・・・・」 orz
呂500 「・・・・・・」 orz
U-511 「・・・・・・」 orz
・・・ ・・・ ・・・
伊8 「提督、自分から手出したら、憲兵に通報していいとか言ってませんでした?」
提督 「通報されたら大人しく従うよ。 ・・・する?」
伊8 「・・・・・・ずるい」
提督 「・・・ずるいだろ?」
伊8 「・・・このあと、ちょっと付き合って下さい (////)」
提督 「喜んで」
伊58 「通報するでち」 ヌッ
ろーユー 「「・・・」」 コクコク
提督 「なんでっ!?」
伊8 「・・・・・・たぶん、4人平等なら誰からも通報されないと思います」
提督 「・・・よし。 スタドリ持ってこい!」
伊58 「それ違うやつでち!」
・・・ポン ペラッ・・・
提督 「はい、これでおしまい!」
阿武隈 「は~い。 お疲れ様です提督!」
提督 「いやぁ~すっげえ早く終わった。 まだ日が高い。 どうすべ?」
阿武隈 「とりあえずおやつにしましょうよおやつ! 甘いもの食べたいなぁ」
提督 「せやね。 ・・・あ、そだ。 たぶんまだ正面海域で訓練してる娘達いるよね。 じゃあ―――」
――――――――――――――――
ザザーン・・・ ミャアミャアミャア ザザーン・・・
提督 「ん~いいねぇ・・・。 野外セットを波止場まで持ってきてのティータイム・・・」
提督 「高度がないから水平線が近いのが難点だけど、訓練の様子もギリ見学できるかな」
阿武隈 「・・・提督ぅ~。 それはいいんだけどぉ~・・・」
提督 「ん?」 チョイチョイ
阿武隈 「なんで阿武隈を膝に乗せてるのー!?」
提督 「え? こうしないと前髪直せないじゃん」 チョイチョイ
阿武隈 「もともとグチャグチャにしたの提督じゃない! それに後ろからだとやりづらいでしょ!?」
提督 「うん。 見づらいから鏡持ってて」 つ 手鏡
阿武隈 「あ、うん。 この角度でいい? ・・・・・・じゃなくて! 」
提督 「あ、紅茶飲みたい。 ちょっと失礼・・・」
カチャッ ズズッ・・・ ゴクン
阿武隈 「近い! 飲む音近い!!」
提督 「あぶさんはわがままだなぁ・・・」
阿武隈 「変なあだ名で呼ばないで!」
チョイチョイ・・・ チョイチョイ・・・
提督 「んー・・・・・・、前髪、こんなもんでどう?」
阿武隈 「えっ? うーん・・・・・・まあ、悪くはないかな。 あ、でもあたし的には、ここのとこをもうちょっとこうm―――」
提督 「あっと手が滑ったぁ~~!!」
ワシャワシャワシャ
阿武隈 「きゃーー!! またやった! 提督がまたやった!! 終わんないじゃない! もうやめてよぉ~!! (><)」
阿武隈 「むぅ~~~~・・・!」 プクー
提督 「ごめんて。 そんな怒んなって。 (チラッ) ・・・あとでドーナツおごるから」
阿武隈 「なんでドーナツ? 今どこ見て言ったの!?」
提督 「・・・・・・もしかして、共喰いになる?」
阿武隈 「むー! 提督のバカ! この髪型にするの大変なのに!」
提督 「かわいいよ よくにあってる」
阿武隈 「褒め方雑! (////)」
提督 (ちょっと嬉しそうじゃねえか・・・)
――――――――――――――――
提督 「えー・・・艦娘には、『フレンチクルーラー族』 と呼ばれるグループがありまして・・・」
阿武隈 「なに語りだしたの突然!?」
提督 「現時点で存在が確認されている中では、阿武隈、金剛、浦風、満潮の4名がこれに属します」
阿武隈 「なにが始まったのコレ!?」
提督 「金剛のフレンチクルーラーは、普段デスデス言ってる割には意外にも、ゆったり目の温もりお姉さんタイプ」
提督 「指を入れると包み込まれるような優しい締め付け感があり、金剛型長女としての包容力を誇る彼女ならでの癒しをお届けします」
阿武隈 「指入れるって何よ!? なんなのその商品紹介みたいなノリ!?」
提督 「浦風はスタンダードタイプ。 キツ過ぎずユル過ぎず、いつまでも浸っていたくなる絶妙な挿入感が、あなたを天国へ誘います」
阿武隈 「今挿入感って言った! 指だよね!? 指もおかしいけど!!」
提督 「満潮はロリっ娘キツキツタイプ。 指一本ですら締め付けられるようなその感触は、あなたの中の禁断の感情を呼び起こします」
阿武隈 「髪型のお団子の話だよね!? それでいいんだよね!? ねえ!!?」
提督 「・・・そして阿武隈は―――」
グイッ!
阿武隈 「あっ・・・」
提督 「なんと言っても、この感度の良さ!」
ソッ・・・ サワッ・・・ ツー・・・
阿武隈 「・・・やっ、触らないで・・・!」
提督 「他の部位も同時に刺激しながら、時に優しく、時に激しく、抽送してあげましょう」
提督 「そうすれば、蕩けるような甘ったるい声と共に、艶やかな幾つもの表情を魅せてくれます」
クニッ・・・ クリュクリュ・・・ ツプッ・・・ ヌリュヌリュ・・・
阿武隈 「・・・あっ・・・やっ・・・そ・・・そんな・・・おく・・・ら・・・らめっ・・・ってそんなわけあるかーー!!」
ドンッ! (※ 阿武隈のポーズ)
提督 「オウフッ」
提督 「・・・このリアクション芸人気質こそが、阿武隈ちゃんの最大の魅力なのです・・・」
阿武隈 「ぜんぜん嬉しくないっ!」
阿武隈 「・・・・・む」 ピクッ
提督 「どうした?」
阿武隈 「・・・レーダーに感あり。 潜水艦1。 そこっ!」
ガシッ ポイッ!
提督 「おいスコーン投げんな」
・・・ザバー パクッ
伊401 「(モクモク) ごきげんよう。 なんか飲み物もらえる? スコーンオンリーはキツい・・・」
提督 「・・・しおい。 何してんのん?」
伊401 「いやね、提督が訓練見に来たみたいだからさ、なんか為になるアドバイスでもあるんじゃないかなーと思って・・・」
阿武隈 「立ち聞きしてたのね・・・。 残念だけど、くっだらないことしか話してないよ。 訓練組に言伝するような内容はゼロです!」
伊401 「ううん。 二人の会話をそのまんま無線で流してた」
提アブ 「「え゛っ!?」」
伊401 「ちなみに、すぐそこで訓練してるメンバーは、金剛さん、北上さん、浦風、雷、電、満潮。 たぶんみんな聞いてる」
提督 「フレンチクルーラー全種類制覇じゃないですかーやだー!」
阿武隈 「あ、阿武隈イヤな予感がするので一旦戻ります」
提督 「・・・もう遅いぞアブゥ。 今魚雷が見えた」
阿武隈 「えっ!?」
――――――――――――――――
満潮 「・・・・・・殺すわ」
浦風 「まあまあ、いつものおふざけじゃき、大目に見たり」
満潮 「浦風、アンタも言われてたじゃない! ムカつかないの!? っていうかなんなのよフレンチクルーラー族って!」
浦風 「提督さんはいつもあんなもんじゃろ? こんなんでいちいちブチ切れとったら持たんけぇ。 ホレあっちを見てみぃ」
満潮 「あっち?」
金剛 「テイトクの Love Call 届いたネ! やっぱりテイトクのハートを掴むのは、包容力のあるこのワタシデース! (////)」 クネクネ
満潮 「・・・この鎮守府はもうダメかもしれない・・・」
浦風 「うちもぶっちゃけるとな、自分のおらんところで名前出されるのはまあ、そう悪い気はせんわ」
満潮 「くっ・・・あんなド下ネタで髪型ディスられただけなのに、否定できない自分が悔しい・・・」
満潮 「ところで浦風、アンタついこの前から、なんか司令官に甘くなってない?」
浦風 「ほうか? 今まで通りじゃよ?」
満潮 「・・・・・・そう」
浦風 (・・・あん時うち初めてじゃったけど、提督さん気持ちようなってくれたんかいのう・・・ ////)
満潮 (あ、これメスの顔だ・・・・・・)
・・・ ・・・ ・・・
北上 「ん~とりあえず提督と阿武隈ウザい。 やっちゃいましょ~♪」
バシュッ! ・・・ ・・・ ・・・ ドーーーーン!!!!
満潮 「ちょ!? 北上さん何してんの!!?」
電 「満潮ちゃん、心配しなくても大丈夫なのです」
雷 「ウム。 あれぞまさしく・・・」
金剛 「知っているのデスか雷電?」
雷電 「「名前をまとめないで!」なのです!」
浦風 「・・・おまんら、それがしたかっただけじゃろ?」
雷 「冗談は置いといて、普通に演習用の魚雷を波止場の近くで自爆させただけよ、北上さんは」
満潮 「あ、なんだ・・・」 ホッ
電 「司令官さんたちはちょっとしょっぱいスコールをひっかぶる程度なのです」
――――――――――――――――
ドーーーーン!!!! ・・・ ザァァァーーーー・・・・・・
提督 「・・・・・・」 グッショリ
阿武隈 「・・・・・・」 グッショリ
提督 「・・・阿武隈、フレンチクルーラーは無事か? 無事だな。 よかった」
阿武隈 「前髪が無事じゃないわよぅ! もうもうっ!!」
提督 「・・・しっかしなぜ北上に撃たれたんだろう? 満潮とかじゃなく」
伊401 (フレンチクルーラー族の話ばっかだったからだと思うな・・・)
山風 「提督・・・おっ・・・おはよ」
提督 「おはよう山風。 ここでの暮らしはもう慣れた?」
山風 「うん、別に大丈夫・・・。 あの・・・今日、あたしが秘書艦なんなんだけど、初めてで、その・・・」
提督 「そか。 んじゃ簡単なのから教えてくか」
山風 「あの・・・迷惑になるようなら・・・他の人に・・・」
提督 「山風、誰にだって初めてはある。 何事も経験だぞ? どうしても嫌なら順番飛ばしてもらうけど、とりあえずやってみないか?」
山風 「・・・うん、わかった。 提督も、変わってるのね」
・・・ ・・・ ・・・
提督 「まずはこの資材チェックからな。 一応こっちにお前の先輩方が作ったマニュアルがあるけど、まずは俺が――」
山風 「マニュアルがあるの? じゃあ、自分でやってみる。 ・・・提督は、自分の仕事、してて」
提督 「え? でもこれ読むのダルくない? 俺がわかりやすいところかr――」
山風 「いい。 構わないで・・・。 自分でする、から」
提督 「ん、そか。 じゃあやってみ。 わからない所があればすぐに訊いてな」
山風 「ん、わかった・・・」
提督 (・・・・・・今どきの新入社員だこれー!!)
・・・ ・・・ ・・・
提督 「・・・・・・」 カリカリ
山風 (・・・どうしよう・・・ここ、わからない)
山風 (・・・でも、『構わないで』 とか言っちゃったし・・・訊けない・・・)
山風 (・・・っていうか、全然進んでない・・・)
山風 「・・・・・・」 チラッ
提督 「・・・・・・ん?」
山風 「・・・・・・」 サッ
提督 「山風、今どんな感じ?」
山風 「・・・えっと・・・その・・・」 アタフタ
提督 「どれどれ? ・・・あー・・・」
提督 (・・・おk、状況は把握した)
提督 「ここはな、こっちの資料に書いてある数字と比較して収支出せばいい感じ」
山風 「あ、うん・・・。 わかった・・・」 ウツムキ
山風 (・・・きっと、『なんで訊かなかったの?』 って目で見られてる・・・)
提督 「ん~~・・・・・・。 山風、俺これからちょっと自分の用事片付けるからさ、しばらく集中したい」
提督 「すまんけど、これの続きは1400からでいい。 午前はどっかでのんびりして、飯食って休んで、それからまたここに来てな」
山風 「えっ? あっ・・・はぃ・・・・・・」
山風 (これって・・・戦力外通告・・・?)
提督 「じゃあ一旦解散! 戻ってきたらみっちり教えてやるから、しっかり英気を養っとくんだぞ!」
山風 「・・・・・・うん・・・・・・」
ガチャ バタン
山風 (・・・やっぱり、あたしなんかじゃ駄目だったんだ・・・)
トボトボ・・・
提督 「・・・・・・」 カリカリカリカリ・・・
・・・タタタタタッ バーーン!
江風 「提督いるかい!?」
提督 「おう江風。 なんか急ぎの用事か? すまんが今ちょっと手が離せなくてな・・・」
江風 「提督アンタ、山風の姉貴を秘書艦クビにしたンだって!? 役立たず扱いしたンだってな!?」
海風 「待って江風! たぶんそれ、山風のただの思い過ごしだから!!」
提督 「・・・あ~・・・。 今のでだいたい何があったかは掴めた」
江風 「提督にゃ会ったばっかりでまだわからねえかもしれねえけどな、山風の姉貴はちょっと人見知りなとこあっけど、すっげえ頑張り屋でk――」
提督 「江風、お前の提督なめんな。 知っとるわそんなもん」
江風 「だったらなンでモガッ――」
海風 「はいはい江風、ちゃんと話を聞きなさい。 ・・・ごめんなさいね提督」
提督 「海風、助かる。 聞け江風、俺は別に山風を秘書艦クビにしとらんぞ。 本人にも午後からみっちりしごくと言ってある」
江風 「ぷはっ・・・へ? 山風の姉貴はそンなこと一言も・・・」
提督 「さては耳を素通りしたな・・・」
海風 「やっぱり・・・。 どうせそんなことだろうと思いました」 ハァ・・・
提督 「被害妄想の次女に、早とちりの三女、でもって苦労性の長女。 ・・・なかなかバランスのとれた姉妹じゃないか」
海風 「賑やかしの四女もいますよ。 あくまで 『改』 白露型の枠組みですけど」
提督 「完璧やな。 ・・・ところで、山風は自分からお前らに言ったのか? それともお前らの方から聞き出したのか?」
江風 「江風が聞き出したンだよ。 姉貴、帰ってくるなり部屋の隅っこで体育座りだぜ? そりゃ問い詰めるのが筋ってもンよ」
提督 「そっか・・・。 自分から愚痴るくらいが理想なんだけど、まあ親身になってくれる連中に囲まれてるだけでも良しとするか・・・」
海風 「提督も過保護ですね」 クスッ
提督 「逆だ逆。 これからビシバシ教育するぞ。 とりあえず 『構わないで』 とかほざきやがったから、めっちゃ構うことにする」
海風 「嫌われるかもしれませんよ?」
提督 「お前らが好かれ役やるなら、俺は嫌われ役でも構わんよ」
提督 「山風にはとにかく他人によっかかる経験が足りん。 少なくとも誰かに堂々と甘えられるようになってもらう」
海風 (ぶっちゃけ、『誰か』 っていうか、提督にベッタリ甘える未来しか見えませんが・・・)
江風 「ああ・・・なンだ、そういうことか・・・。 安心したぁー! 提督、ヘンに疑って悪かった!!」 パンッ
提督 「気にすんな。 お前の姉を想っての啖呵、なかなか格好良かったぞ」
江風 「よせやい (////)」
海風 「それで、提督は今何をされているのですか? 忙しいとのことでしたが・・・」
提督 「ああ、俺の今日の分のノルマを1400までに終わらせとこうと思ってな。 残った時間は全部山風とのマンツーマンだ」
江風 「おっ、そういうことなら江風も手伝うぜ!」
提督 「いや、山風を追い出しときながら他の娘の手を借りるのも体裁が悪かろう。 お前らは山風のフォローにでも回ってくれ」
海風 「そういうことでしたら、フォローついでに、海風達は山風を誘って提督にお昼でも作って、1400にお持ちしましょう」
海風 「遅めの昼食になりますが、いい取っ掛かりになると思いますよ」
提督 「お、それいいな。 じゃあ約束の時間まで腹空かせて作業させてもらうよ」
海風 「はいっ♪ ・・・提督、山風のこと、よろしくお願いしますね」
江風 「内気な姉貴だけど、頼んだぜ提督!」
提督 「おう任せとけ!」
山風 「提督・・・・・・帰って、きたよ。 その、ごめんなさい、勘違いして・・・。 あと、海風姉と、江風のことも・・・」
提督 「おう、おかえり~。 いい姉妹だな。 大切にしろよ」
山風 「うん。 ・・・これ、お昼。 みんなで、作った。 今、用意するね」
提督 「助かるよ。 めっちゃ腹減ってたんだ」
・・・ ・・・ ・・・
山風 「・・・鯖の味噌煮、どう? お味、染みてる? お味噌、濃すぎない?」
提督 「うん。 ちょうどいい。 なんていうか、優しい味だ。 ほっとする」
山風 「・・・そう、よかった」 ホッ
提督 「この味噌汁も美味いなぁ。 ちゃんと出汁がひけてる」
山風 「・・・そっちは、鳳翔さんが作ったやつ・・・」 ムスッ
・・・ ・・・ ・・・
山風 「あっ、あの・・・あたしが、執務机なの?」
提督 「うん。 今日は山風がメイン。 でもって、教育係の俺はそのすぐ隣」
山風 「・・・・・・近い」
提督 「慣れろ。 今日はずっとこんな感じだ。 覚悟しろよ!?」
山風 「うっ、うん。 あたし、がんばる・・・から」
・・・ ・・・ ・・・
提督 「―――で、この部分、報告ミスがよくあるから、数字が合わんかったらまずここ疑ってな。 こないだ加賀もやらかした」
山風 「・・・加賀さんが? 想像できない・・・」
提督 「うん。 あいつほとんど完璧なんだけど、ごくまれに思い出したかのようにやらかすんだよ」
提督 「でもって変に強情でさ、素直にミスを認めないもんだからタチ悪くってなあ・・・。 あ、これ内緒な?」
山風 「・・・うん」 クスッ
・・・ ・・・ ・・・
提督 「―――こういうときは、過去の開発記録が参考になる。 よっと (グイッ) こっちのバインダーに収めてあるから―――」
山風 「・・・・・・・・・・・・」 ポー
提督 「・・・ん? どした?」
山風 「提督の・・・匂い・・・」
提督 「え゛!? (スンスン) ・・・ぼっ、ぼく、クサい・・・ですかね? 山風さん・・・」
山風 「・・・あっ! ううん! なんでも、ない・・・なんでも・・・・・・」 フルフル
提督 「そ、そう・・・・・・? (チクショー俺もそんな歳か・・・)」
山風 「・・・・・・ (////)」 ドキドキ
・・・ ・・・ ・・・
山風 「(・・・ガクンッ) ハッ! ご、ごめんなさい! あたし今、居眠りして―――」
提督 「zzz」
山風 「・・・・・・提督?」
フリフリ
提督 「zzz」
山風 「・・・提督も、疲れてるのね」 クスッ
チョンチョン・・・
提督 「zzz」
山風 「・・・ありがとう・・・あたしのために・・・・・・」
そーっ・・・ きゅっ・・・
提督 「zzz」
山風 「・・・・・・あったかい・・・・・・」
提督 「はい、これでおしまい! 今日の秘書艦の仕事全部こなしたな。 これで山風も一人前だ」
山風 「ううん・・・。 あたしは、提督に言われた通りに、手を動かしただけ。 まだ一人じゃ、全然わからない・・・」
提督 「まあ、これを一人でちゃっちゃと終わらせて、まだちんたらやってる俺のケツをひっぱたくってのが、ベテラン秘書艦の主な業務だ」
提督 「大丈夫、山風ならすぐにそうなる。 すごく飲み込み良かったぞ」
山風 「ありがとう。 ・・・また、教えてくれる?」 ウワメヅカイ
提督 「おう、もちろん! 何でも遠慮なく訊いてくれ」 ナデナデ
山風 「うん・・・・・・」 キュッ
提督 「・・・・・・」 ナデナデ
山風 「・・・・・・ (////)」
提督 「夜遅くまでよく頑張ったな。 今日はもう風呂入ってぐっすり寝て、明日にでも備えてくれ」 ポンッ
山風 「・・・・・・うん」
提督 「・・・・・・」
山風 「・・・・・・」
提督 「・・・・・・えっと、今日はもう上がりなんだけど・・・・・・」
山風 「あっ・・・うん・・・・・・」 シュン・・・
提督 「・・・・・・んと、打ち上げに、夜のお茶会でもするか?」
山風 「うん!」 パァァッ
提督 (・・・マズい・・・。 いざ蓋を開けてみればこの娘、超依存体質だ・・・)
ガチャ
提督 「ふぁ・・・ねみい・・・」
山風 「・・・あっ! て、提督・・・。 お、おはっ・・・おはよう・・・」 テテテ
提督 「山風、おはよう。 本日の第一村人に遭遇アンド確保。 一緒に朝メシ食いに行くか?」 ナデナデ
山風 「う、うんっ!」 パァッ
――――――――――――――――
提督 「俺洋風。 スクランブルエッグとカリカリベーコン、サラダはシーザーでお願い」
山風 「あたしも・・・あっ! ううん。 やっぱりあたしは和風で」
間宮 「は~い。 (サッ サッ) さ、どうぞ召し上がれ♪」
提督 「ありがと。 相変わらず謎すぎるスピードやな・・・。 じゃ、いただきます」
山風 「いただきま―――」
あきつ丸 「あっ! 山風殿、ずるいであります! 提督殿の右隣は秘書艦の指定席であります。 今日は自分であります!」
山風 「あっ・・・うん。 じゃあ、左に移る・・・」 カチャッ
提督 「あ~、やっぱそういうルール出来てたのね・・・」
・・・ ・・・ ・・・
山風 「提督、お魚、食べる?」
提督 「ほう・・・口内バタートースト風味の俺にそれを突っ込む気概、嫌いではないぞ。 いただこう」
山風 「んっ (ホジホジ) はいっ、あーん・・・」
提督 「(パクッ ムグムグ) うむ。 絶妙な塩の振り加減、流石だ。 はい、お返しのベーコンあ~ん」
山風 「・・・(パクッ) ・・・・・・・・・・・・ (////)」 ジッ
提督 「いや離せよ。 そして噛めよ」 スッ
山風 「・・・(パリッ)・・・・・・(パリ)・・・ (////)」
あきつ丸 「なんだか甘い空間でありますなあ。 提督殿、自分も混ぜて下さい。 はいあ~ん」
提督 「ん (パクッ) ・・・すっぱ! お前梅干し丸々一個はどうなのよ?」
あきつ丸 「いえ、雰囲気的にちょうどいいかと思いまして。 ではごはんもどうぞ。 あーん」
山風 「あっ、あたしもやる・・・!」
提督 「いや~両手に花でおぢさん困っちゃうな~」
・・・ ハヨクエ ・・・ アサカラヒクワー ・・・ クソテイトク ・・・
提督 「そして周りの視線が四面楚歌」
――――――――――――――――
ガチャッ
山風 「・・・あっ、提督! ぐ、偶然・・・ね。 お出かけ?」
提督 「いや、ちょっとトイr―――」
山風 「あっあたしも、一緒に行っていい?」
提督 「なんだ連れションか? いいぞ。 一緒に出ようねって言ったのに待たされて小さな石鹸カタカタ鳴らしてやんよ。 トイレの前で」
山風 「ちっ、ちが・・・ (////)」 カーッ
――――――――――――――――
ガチャッ
山風 「・・・あっ、提t―――」
提督 「さ、どうぞお姫様。 足元に気をつけて」
羽黒 「あはは・・・なんかこういうの、恥ずかしいですね・・・。 また、お願いしてもいいですか? (////)」
提督 「もちろん喜んで」
羽黒 「はは・・・って、山風ちゃん!?」
山風 「あ・・・こんにちは、羽黒さん・・・」 ペコッ
羽黒 「こ、こんにちわ (ペコッ) ・・・えっと、じゃあ私はこれで・・・」 ソソクサ
山風 「・・・・・・」 ジーッ
提督 「ん、どした山風? 伝達事項か?」
山風 「・・・羽黒さん・・・ツヤツヤしてた・・・・・・」
提督 「ん? ああ・・・そうね・・・」
山風 「なに・・・してたの・・・?」
提督 「ん? んと・・・ 『うちあわせ』 ・・・かな?」
山風 「・・・・・・そう・・・」 キュッ
――――――――――――――――
・・・ コンコン ・・・ コンコン ・・・
提督 「(ガチャッ) はいよ、誰? ・・・って山風? どしたの夜遅くに?」
山風 「あ、提督・・・ごめんなさい・・・。 ちょっと・・・眠れなくて・・・」
提督 「そっか。 ん~・・・・・・。 食堂行ってなんかつまむか?」
山風 「・・・ううん・・・いい・・・」
提督 (・・・ぶっちゃけ何がしたいか明らかなんだよなぁ・・・。 パジャマ姿で枕抱えてるし・・・)
山風 「・・・・・・・・・・・・」 ウワメヅカイ
提督 「ん、じゃあ・・・・・・一緒に寝るか?」
山風 「・・・・・・う・・・うん (////)」 モジモジ
・・・ ・・・ ・・・
山風 「・・・・・・提督・・・? ・・・寝てる・・・・・・?」
提督 「・・・・・・」
山風 「・・・・・・」 ギュッ
提督 「・・・・・・」
山風 「・・・・・・」 スンスン
提督 「・・・・・・」
山風 「・・・・・・」 モゾモゾ
提督 「・・・・・・」
山風 「・・・・・・ (////)」 クチュ・・・ クチュ・・・
提督 「・・・・・・」
提督 (・・・・・・これアカンやつや・・・)
海風 「―――で、最近山風に懐かれすぎて困っている、と・・・」 ジトー
江風 「へー、ほー、ふーん・・・」 ジトー
提督 「え、なにこの塩対応? お前らも仲良くしてほしいって言ってたじゃん」
海風 「言いましたけど、上手くいきすぎです。 なんだか、可愛い妹と男を一気に寝取られた気分です・・・」
提督 「おい」
江風 「いやーなんつーかさ、江風ら全員、提督の手のひらの上でコロコロ転がされてンじゃねえのかねェ?」
提督 「そんなんだったら苦労せんわ。 困ってるから相談に乗って欲しいって言ったろ?」
江風 「何に困ってンだよ? 山風の姉貴に好かれてる。 ヤッター! ・・・これでいいじゃンかよ」
提督 「んー・・・。 今の山風はな、ちょっと危ういんよ」
海風 「危うい? と言いますと?」
提督 「あいつさ、周りを 『自分の味方』 と 『それ以外』 に分ける傾向ない? 身内以外どうでもいい、みたいな」
海風 「あぁ・・・。 それはちょっと言い過ぎですけど、確かに他の娘とちょっと打ち解けにくいところありますね」
江風 「江風達姉妹とは結構ズケズケ言い合うけどな。 内弁慶ってヤツか」
提督 「うん。 山風の場合な、特定の相手に入れ込むと、その 『味方の輪』 が狭くなるんだよ。 んで対照的に、輪の中の相手への依存度が高くなる」
江風 「・・・なんかやけに理解あンじゃねえか提督。 アレか、昔そういう女と付き合ったことあるとかいう感じか?」
提督 「変な詮索すんな。 この程度じゃ済まんガチのメンヘラなんて世の中にいっぱいいるぞ」
海風 「・・・提督? いくら提督でも、山風をメンヘラ呼ばわりなんてしたら・・・」 ユラリ
提督 「し、しないしない! これでもあんな良い子に懐かれて浮かれまくってるんだぜ? こっちを見上げてくるところとかくっそかわいいし」
海風 「む・・・それはそれでなんか複雑ですね・・・」
提督 「どうすりゃいいのさ・・・・・・」
提督 「・・・ま、ともかく、はっきり言って、今の山風の状況はあまり好ましくない。 視野が狭くなりすぎとる」
提督 「この鎮守府内の艦娘はみんな互いに背中を預け合う戦友なんだ。 ちゃんと全員と向き合って、味方の輪を広げていってほしい」
江風 「う~~ン・・・。 言いたいことはわかったけどさ、それって結局、山風の姉貴のメンタルの問題だろ? 江風達に何ができるってンだよ?」
提督 「うん、そこでお前ら二人に折り入って頼みたい、重要なお願いがあるんだけど・・・」
ズイッ
海風 「・・・はい、なんでしょう?」
江風 「・・・おう、聞いてやンよ」
・・・・・・ゴクリ
提督 「山風との初えっちのとき、お前ら入れて4Pさせてくんない?」
海風 「・・・・・・」
江風 「・・・・・・」
ガタッ×2 スタスタ・・・×2 ドカッ×2
提督 「・・・あ、あの・・・無言で向かいの席から両隣に移動しないでもらえます・・・?」
海風 「提督はたま~に意味のわかんないことをおっしゃいますよね~・・・」 グリグリ・・・
江風 「良い根性してンよなぁ~」 グリグリ・・・
提督 「痛い、痛いです! 脇腹両サイドからグリグリしないで! 話を聞いて!」
海風 「うかがいましょう」 グリグリ・・・
提督 「止めてはくれないのね・・・。 あのですね・・・山風がどこからともなく提督サービスのことを聞きつけたようでして・・・」
江風 「まあ、もはや公然の秘密だよな・・・」 グリグリ・・・
提督 「・・・で、最近、直接的ではないにしろ、かなり露骨なアプローチを受けとるとです。 何とかのらりくらりかわしとりますが・・・」
海風 「・・・お受けしたら良いじゃないですか。 海風の時みたいに・・・」 グリグリ・・・
江風 「江風も何だかンだでもう何回か夜戦してもらってっからな。 山風の姉貴だけダメとは言わねぇよ」 グリグリ・・・
提督 「その節はどうも。 ・・・そろそろ小生の腹筋いじめるのやめてもらっていいすかね?」
江風 「んで? そこからどうやってその変態プレイの話に繋がるンだよ?」
提督 「ハッ、4P程度で変態プレイとか片腹痛いわ。 ホントの変態プレイってのはな―――」
海風 「・・・そのお話、長くなります?」 ドスッ ドスッ
提督 「痛いっ! ホントに片腹痛いっ!! さっきから攻撃地味過ぎません? ボディは芸人的にリアクション取りにくいんよ!」
江風 「で?」
提督 「・・・いやさ、仮に山風と普通に一線越えちゃったとするじゃん。 間違いなく、ますます俺にベッタリになっちゃうと思うんよ」
日向 「まあ、そうなるな」
提督 「これ以上あの娘の依存体質を悪化させるわけにはいかん。 俺は山風をどこに出しても恥ずかしくない娘にしたい」
江風 「アンタは父親か!? いや父親は手ェ出さねえわ。 鬼父か? 鬼父なのか!?」
海風 「いっそ断るという手は? 山風にはまだ少しその・・・精神的に時期尚早かもしれませんし・・・」
提督 「うーん・・・。 お前らとはしてて山風だけ拒まれてるって知ったら、あんまり良くないことになりそうなんだよな・・・」
提督 「あと、おじさんの理性もわりと限界だったりします。 あの娘の上目づかい無言アピール破壊力ぱない」
江風 「提督の性癖はどうでもいいとして、江風や姉貴が混じる意味がわかンねえンだよなー。 それでどうにかなンのかい?」
提督 「まあなんつーか、この機会に俺をダシに色々知ってもらおうと思ってな。 ウチ流の艦娘としての在り方とか、付き合い方とか、なんかそういうの」
江風 「ふ~~ン・・・」
提督 「・・・それで、その・・・本当にアレなお願いなのは重々わかってるんだけど、どう・・・かな?」
海風 「うーん・・・。 提督のお考えはまだよくわかりませんが、海風は構いませんよ? (////)」 グリグリ・・・
海風 (正直、妹達と一緒というのはかなり恥ずかしいのですが、最近ご無沙汰ですし・・・ ////)
江風 「江風もよくわかンねえけど、提督の頼みなら付き合ってやンよ。 ニシシ (////)」 グリグリ・・・
江風 (ぶっちゃけ、姉貴がどうなンのか超見てえ!)
提督 「ありがとう二人とも! ・・・照れ顔でOK出しながらグリグリ再開するのはなんでなんだぜ?」
・・・ ・・・ ・・・
翔鶴 「・・・あっちのテーブルからラブコメの波動を感じる・・・」
瑞鶴 「えっ!? 陰湿ないじめの現場じゃないのアレ?」
・・・ ・・・ ・・・
伊勢 「どこ行ってたの日向? 遅いよ。 置いてくからね?」
日向 「瑞雲 (訳:ああ、悪かった)」
・・・ ・・・ ・・・
山風 「海風姉・・・江風・・・。 ・・・提督・・・やっぱり、こんなの、おかしいと思う・・・」
・・・ ・・・ ・・・
山風 「・・・えっ? じゃあ三人だけでって・・・? ・・・・・・ずるい。 ・・・うん。 あたしも、する」
・・・ ・・・ ・・・
山風 「・・・海風姉・・・すごい・・・。 なんか、綺麗・・・」
・・・ ・・・ ・・・
山風 「江風、変なこと言わないで。 ・・・うるさい。 恥ずかしいでしょ・・・?」
・・・ ・・・ ・・・
山風 「・・・提督・・・その・・・あんまり・・・見ないで」
・・・ ・・・ ・・・
山風 「あの・・・優しく・・・して・・・ね?」
・・・ ・・・ ・・・
山風 「あっ・・・やっ・・・そんなところ・・・んっ・・・ふぅっ・・・っ・・・っ~~~~~!」
・・・ ・・・ ・・・
山風 「・・・あっ、あの・・・提督・・・。 もう、大丈夫だと・・・思うから・・・」
・・・ ・・・ ・・・
山風 「痛っ! 痛い・・・っ! あっ、その・・・ちょっとだけ、動かないで・・・ごめん」
・・・ ・・・ ・・・
山風 「やめないで! あの・・・二人と、同じように、して・・・? うん、お願い・・・」
・・・ ・・・ ・・・
山風 「・・・んっ・・・んぅっ・・・。 うん・・・もっと、強くしても・・・平気」
・・・ ・・・ ・・・
山風 「あっ あっ あっ あっ あぁっ! ~~~~~~~~っ!!」
・・・ ・・・ ・・・
山風 「~~~~・・・。 はぁ はぁ はぁ・・・。 今のが・・・? すごい・・・」
・・・ ・・・ ・・・
山風 「・・・うん。 ちょっと、休んでる、ね。 その・・・ありがとう・・・」
・・・ ・・・ ・・・
山風 「・・・・・・ (じーーっ)」
・・・ ・・・ ・・・
山風 「あっ、あの・・・あたし、もう、大丈夫だから・・・。 また、三人に、混ぜて?」
・・・ ・・・ ・・・
海風 「海風が言うのもなんですけど、提督、よく持ちましたね」
提督 「ドーピングしてるからな。 ・・・あ違う、三人とも美人さんだからな! 当然だ!」
江風 「遅ぇよ! ニヒヒ」
提督 「ハハハ・・・。 山風、体大丈夫か?」
山風 「・・・わかんない・・・。 まだなんか、ふわふわしてる・・・」
提督 「そっか・・・。 ・・・それで、初めてのえっち、どうだった?」 ナデナデ
山風 「・・・・・・思ってたの違った」 ムスッ
海風 「どんなの思い浮かべてたの?」
山風 「こう・・・提督と二人きりで、まずは手を繋いだり、キスしたり・・・ (////)」
江風 「山風の姉貴、ちょ~乙女!」
山風 「うっ、うるさい! ・・・でも、あたし、子供なのかな? 海風姉と江風の二人は、もっと・・・」
提督 「うんにゃ。 子供ってわけでもない。 っていうか、山風の感覚の方が女の子として正しい」
山風 「・・・そう?」
提督 「そりゃそうよ。 一人の男と相思相愛になって、お互いのペースでラブラブになってくのが普通だ。 人類のほとんどがそうなんだから間違いない」
山風 「あ・・・うん・・・」
提督 「山風。 お前の理想を叶えてくれる男は世の中に星の数ほどいる。 今回は・・・そう、たまたま男運が悪かっただけだ」
山風 「・・・・・・そんなことないけど」 ギュッ
提督 「俺は提督の立場を利用してこんなことしてるエロオヤジだ。 やめるつもりもないし、誰か一人を選ぶつもりもない」 ナデナデ
山風 「・・・・・・うん」
提督 「俺とのことは・・・そうだな・・・この狭い鎮守府の中限定の、日々の訓練と出撃の合間の、ちょっとしたお遊びとでも思ってくれたらいい」
山風 「・・・・・・」
提督 「俺が言えた義理じゃないけど、戦争がとっとと終わって、お前がちゃんとした男と幸せになるのを願っているよ、山風」 ナデナデ
山風 「・・・・・・」
提督 「お前らもだぞ。 海風、江風」
海風 「わかってますよ、提督のスタンスは」
江風 「やっぱなンかずりぃ~よな~提督は」
山風 「・・・・・・二人とも、それでいいの?」
海風 「しょうがないですよ」
江風 「そうそう」
山風 「・・・大人・・・だね・・・」
提督 「そうだな・・・。 この鎮守府のみんなは理解してくれてほんと助かる」
海風 「これでも結構、内輪で説得とかあったりするんですよ」
提督 「そうなの!? 知らんかった・・・」
江風 「まっ、何だかンだでみンな提督のこと好きだからな!」
山風 「そうなの!? 気づかなかった・・・」
江風 「好きっつっても色々あるけどな。 艦娘はバラエティ豊富だかンな!」
海風 「提督のこと、純粋にお慕いする娘もいれば、遊び相手にする娘、オモチャにする娘、いじめる娘、いろいろいますね」
提督 「ひでえ・・・」
山風 「そうなんだ・・・。 あたし、よく見えてなかった・・・。 みんな、一人前で、大人で、すごいなって、思ってた」
提督 「まあ確かに、なんだかんだでみんな一本筋が通ってるな。 個性があってブレねえし」
海風 「山風も、もっといろんな娘とお話してみるといいわよ。 提督との接し方も、ここでの生活のポリシーも、みんなそれぞれ違うから」
提督 「お、ついでに同僚との付き合いとか、戦闘の心構えとかも知っといてほしいな。 みんな結構バラバラで面白いぞ」
江風 「あと夜戦とかな!」
提督 「うるさいぞ夜戦バカ2号」
山風 「・・・」 クスッ
提督 「(コホン)・・・まあ、そういうことだ。 山風、さっきオンナになったついでに、オトナのオンナを目指してみな」 ポンッ
山風 「・・・最低」
提督 「ハハッ、その意気だ。 お手本は周りにいっぱいいるからな。 いろいろ学んでみるといい」 グリグリ
山風 「うん。 あたし、大人の女になる」
提督 「おう」
山風 「提督を、手玉に取る」
提督 「おう。 おぅっ!?」
山風 「・・・冗談」
提督 「はっはっはっは」 ワシャワシャワシャワシャ
山風 「きゃ~~!! (////)」
提督 (うむ。 丸く収まった。 協力感謝!)
海風 (なるほど、こういう締め方狙いでしたか・・・。 海風もうまいことダシに使われたようですね)
江風 (江風もイイ仕事しただろ?)
コンコン・・・ ガチャ
五月雨 「あの、提督はこちらの会議室におられますか? 頼まれた資料をお持ちしました」
武蔵 「ああ、ご苦労だった。 よし、渡しておこう」
ダカラダメダッテイッテンデショクソテイトク!! バンッ!
五月雨 「(ビクッ) あっ、あの・・・怒鳴り声が・・・。 もしかして、何かトラブルだったりします?」
武蔵 「ん? いやそんなことはないぞ。 いつも通りの特別反省会だ」
五月雨 「特別・・・反省会? いつも通り・・・?」
武蔵 「五月雨は知らなかったか? 週一で開かれる、提督を囲んでの戦術・戦略に関する反省会だ」
五月雨 「えっと・・・よく知りませんが、大丈夫なんですか?」
武蔵 「・・・ふむ。 よければ見学していくか?」
五月雨 「う~ん・・・、じゃあ心配なので、ちょっとだけ・・・」
武蔵 「構わん。 ただし、隅っこで目立たぬように傍観するだけだぞ。 何があっても割り込んだりするなよ?」
五月雨 「しませんよぉそんなこと。 じゃあ、お邪魔します」
――――――――――――――――
曙 「このクソ提督!」
霞 「クズ司令官!」
満潮 「ホントぜんっぜんダメね!」
叢雲 「ホラ、反論してみなさい!?」
提督 「あのう・・・それはですね・・・」
――――――――――――――――
五月雨 「なんかすごいことになってるーー!!?」
武蔵 「うむ。 これがいつもの姿だ」
五月雨 「えっ!? あっ、あの・・・これ私の目の錯覚ですか? 提督が中央で正座してるんですけど!? ウチの毒舌筆頭4人に囲まれてるんですけど!?」
龍田 「あらぁ~? 五月雨ちゃん、いらっしゃ~い」
五月雨 「龍田さんまで!? ダメです・・・この空間は確実に提督のメンタルを狩りにかかってます!!」
龍田 「あらあら五月雨ちゃん。 それじゃまるで私達が提督をいじめてるみたいじゃない~」
五月雨 「あっ、えっ、ち、ちがっ、そうじゃなくてですね・・・」 シドロモドロ
龍田 「ま、その通りなんだけどねぇ~。 うふふふふ♪」
五月雨 「えぇ~~・・・・・・」
武蔵 「五月雨よ、これは提督が望んでやってることだ」
五月雨 「えっ!? とうとうドM複数プレイにまで手を出したんですかウチの提督は?」
龍田 「うふふ・・・。 ある意味そうかも~」
武蔵 「この会議は、提督が 『ハードコアな反省会がやりたい』 と言い出したのがきっかけでな。 今では定期的に開催している」
五月雨 「ハードコアすぎません!?」
龍田 「メンバーも見ての通り、厳選してるわよぉ~」
五月雨 「厳選しすぎです・・・ (龍田さん含めて・・・)」
武蔵 「この武蔵は戦艦級の中で一番甘やかすことがなさそうということで、オブザーバーとして参加している」
五月雨 「あ~、なるほど・・・。 助けに入る天使が誰一人としていませんね・・・」
五月雨 「・・・一応確認だけさせて下さい。 いじめとかプレイとかじゃないんですよね? 反省会なんですよね!?」
武蔵 「無論だ。 これでもしっかりと議論している。 まあしばらく見学していくといい。 すぐにわかるだろう」
曙 「だーかーらー! どうしてここで撤退なのよクソ提督! 旗艦は無傷でしょうが!」
提督 「し、しかし、ですね。 中破の随伴艦を引き連れたままでは万全とは言い難く・・・」
曙 「まだ全然いけるじゃない! 彼我の戦力差を見ればここで追撃の手を止めるのはありえないわよ!」
提督 「この先はその・・・空母がいる可能性がありまして・・・」
叢雲 「確認したの?」
提督 「いえ・・・。 あくまで他の艦隊の目撃情報を元にしたものですが、信憑性は高く・・・」
叢雲 「偵察して発見してから撤退かどうか判断しても遅くなかった。 違う?」
提督 「それはそうですが・・・。 接敵時に先制されるリスクも・・・」
曙 「そもそもこの編成なら空母1~2隻相手でも航空優勢とれるじゃない」
提督 「う・・・そ、その時こそ高速な駆逐艦による雷撃が決め手になるので、万全を喫しようと思いまして・・・」
満潮 「それで撤退? バカじゃないの?」
提督 「しかし、下手な深追いは・・・」
叢雲 「あそこで早々に沈めておくべきだったわ。 ここで逃したことで、敵は後援部隊と合流して即座に補給、逆に追撃される形になった」
提督 「その・・・追撃を振り切れたのも、ひとえに速やかな撤退のお陰であると愚考しますが・・・」
曙 「そんなのただの憶測じゃない。 あんまり調子に乗らないでよねクソ提督!」
提督 「はい・・・すみません・・・」
霞 「で結局、敵の主力は残存、警戒網だけいたずらに広がったってわけね。 どう落とし前つけんのよクズ司令官!?」
提督 「・・・・・・面目次第もございません・・・」
――――――――――――――――
五月雨 「提督が敬語なんですけど!? 正座でうなだれてるんですけど!?」
龍田 「そうよぉ~。 ここでは提督が一番下っ端なの♪」
武蔵 「頑張ってなんとか意見を具申してみるも、ボロクソに叩かれる、というロールプレイだ」
五月雨 「プレイじみてますね・・・。 ・・・にしても、意外とまともなこと話し合ってますね」
武蔵 「当然だ。 反省会だからな。 次の出撃への肥やしになってもらわねば困る」
五月雨 「でもあのお話って、確か3日前の出撃のことですよね? そんなに責められるような結果でしたっけ?」
龍田 「ぜーんぜん♪ 提督も戻ってきた艦隊に 『みんな無事だな。 上々だ。 この調子で向こうの戦力を暴いていくぞ!』 とか前向きなこと言ってたわね」
武蔵 「うむ。 実際に提督の采配は悪くなかった。 情報が不足していたから安全策を採ったまでだ。 まだ英断とも失策とも評価する段階にない」
五月雨 「えぇ~・・・。 じゃあなんであんなに責められてるんですか?」
武蔵 「むぅ・・・提督もあれでなかなか堅実な男でな。 責めるべき大きなミスがあまりないのだ。 残念なことに」
五月雨 「残念って・・・」
武蔵 「おっと失言だったな。 まあ、だから毎度こうして、重箱の隅をつつくようにアラを探して議題に上げている、というわけだ」
龍田 「あの提督の反論もだいぶ手加減してるわねぇ~。 提督が本気で指揮官として論破しだしたら、4人ともすぐ涙目になると思うわ~」
五月雨 「やっぱりプレイなんじゃないですか~・・・」
曙 「この時も、この時も、この時も・・・! 余裕があるのに撤退してるわよね。 やる気あんのクソ提督!?」
提督 「お言葉ですが、無理は禁物です。 帰投すればすぐさま全快の艦隊と入れ替えることができます。 ですから余裕を持って・・・」
叢雲 「いいえ、逆よ。 余裕がある時だからこそ、あえて危険に飛び込んで経験を稼ぐべきだわ」
提督 「なぜです? いたずらに損耗覚悟の進軍をさせることは指揮官として了承しかねます」
叢雲 「あのね、私たちはいつでも万全なわけではないの」
叢雲 「大破した時、自力航行不能な時、疲労が激しい時、燃料がない時、弾薬や魚雷がない時、仲間を曳航している時・・・」
叢雲 「こういった修羅場をくぐってない艦娘は脆いわ。 いざという時にサポートできる余裕があるうちに、そういうのを経験させとくべきよ」
提督 「そ・・・そのような修羅場を作らないことこそが提督としての責務であると・・・」
霞 「できるの? クズの司令官に? 大規模作戦や非常事態には、お手軽に交代要員をまわす余裕なんてないのよ?」
提督 「うっ・・・・・・」
満潮 「もっと実戦で部下を育てることを覚えるのね。 演習だけで蝶よ花よと育てた娘なんて、いざ投入したら簡単に沈むわよ」
提督 「・・・はい。 善処します・・・・・・」
――――――――――――――――
五月雨 「ヘヴィーなお話ですね・・・」
龍田 「なぜか毎回、消極的な提督を好戦的なメンバーが叱咤する流れになるのよねぇ~」
五月雨 「提督はお優しいですから・・・。 私達を大切に思って、極力無茶をさせない方針にしてるのはみんな承知してますけど・・・」
武蔵 「良く言えばそうだが、悪く言えば我らの戦力を十全に活かしきれていないとも、我らの実力を信用しきれていないとも取れる」
五月雨 「ん~・・・でも、私は提督の方針に賛成ですよ。 ギリギリいっぱいよりも、安全に確実に、って感じで」
龍田 「そーお? 私が敵だったら、ちょっと小突いただけで逃げちゃう相手なんて怖くもなんともないわぁ~。 喜んで追撃するわよぉ~♪」
武蔵 「うむ。 安全策も必要だが、時として博打に出て敵に揺さぶりをかけることも必要だ。 一辺倒にならないことも戦略と言える」
五月雨 「はぇ~・・・。 難しいもんですね~・・・」
満潮 「だいたいアンタは駆逐艦に甘すぎんのよ! 特に私達朝潮型!」
霞 「そうよそうよ! いっつも子供扱いして! 他のみんなと同じように扱いなさいよクズ司令官!」
提督 「いっいえ! 決して特別扱いしているわけでは・・・! 出撃回数も編成も、撤退の判断も、戦果の評価も、皆さん平等にしています!」
霞 「う・・・ま、まあ・・・それはそうなんだけど・・・」
満潮 「だったら!」 ズイッ
提督 「は、はいっ!?」
満潮 「・・・・・・だったら、私にも、その・・・司令官にご褒美を・・・その・・・大人みたいな・・・ (////)」
提督 「大人? ・・・・・・・・・ぁ」
曙 「ちょちょちょっと待ちなさい満潮!! なんだか方向性がおかしいわ! もとの議題に戻りましょう」
叢雲 「そそそそうね。 えっとどこだったっけ? 確か先週の出撃記録の・・・」
満潮 「ごまかさないで! 二人ともずるい! 私知ってるんだから! 特に曙なんて、今まで素直になれなかったのに、この前念願叶ってやっtムグッ―――」
曙 「はいこの話題終了! 今日は解散! 終わり! 閉廷! (////)」 グイッ
満潮 「モゴゴゴモゴ!!」 ジタバタ
叢雲 「満潮、あなた疲れてるのよ・・・」 ポン
霞 「何やってんの!? よくわかんないけど満潮を放しなさい曙! 私、満潮の話の続き聞きたい!」
曙 「あったまきた! こうだぞ! こうだぞ!! (////)」 グイッ グイッ
満潮 「ム~~! ム~~~~!!」 タップ タップ
叢雲 「あーもう、やりすぎよ! 放してやんなさい曙!」
提督 「・・・プッwwwぼのたん顔真っ赤w」
曙 「あ゛ぁ゛ん!?」 グイッ
提督 「ヒェッ!?」
満潮 「プハッ! やっと解放された・・・死ぬかと思った・・・」
曙 「だいたい(バシッ)! アンタが(バシッ)! 悪いんでしょうが(バシッ)! このクソ提督(バシッ)! (////)」
提督 「曙様やめてくださいしんでしまいます!」
曙 「私に(バシッ)! あんなこと・・・・・・」
提督 「いった! ・・・・・・ん?」
曙 「・・・・・・ (※ 脳内プレイバック中)」
曙 「・・・・・・・・・・・・ (////)」 カーッ
提督 「ぼのたん顔赤いよ? おこなの?」
曙 「~~~~ッ!!」 ドカッ!
提督 「ひでぶっ☆」
曙 「はい、もう会議おしまい! 帰る!!」
タッタッタッタッ・・・ バン! バタン・・・
提督 「・・・・・・・・・・・・」
叢雲 「・・・司令官、生きてる?」
提督 「・・・死んでます・・・」
叢雲 「曙出てっちゃったわね・・・。 まあ会議はもう終わりでいいんだけど、曙にはあとで満潮に謝らせないと・・・」
満潮 「・・・別にいいわよ。 曙の気持ちもわかるし・・・」
提督 「・・・同病相憐れむ」 ボソッ
満潮 「ていっ!」 ベシッ
提督 「ブヒィッ☆」
叢雲 「まあ、コレはどうでもいいとして(ベシベシ)、反省会が変な方向へ流れたのはあなたのチョンボよ、満潮」
満潮 「う・・・それはごめんなさい・・・。 私も勢いでつい・・・」
叢雲 「・・・・・・(コソッ) そういう話なら、後で相談に乗るから・・・」
満潮 「ホント!?」
叢雲 「もちろんよ。 あなたのお仲間はいっぱいいるから安心なさい」
満潮 「うんっ!」
提督 「フヒヒwww拙者びっくりするほど蚊帳の外でござるwww」
霞 「なんなのこれ? 一体何の話が進んでるの? 説明しなさいよクズ司令官!」
提督 「なんでもないよ霞たん。 ぼくちんピュアな君が大好きだよ。 一緒にアイス食べに行こ?」 ナデナデ
霞 「・・・なんか思いっきりバカにされてる気がする・・・。 あとクズ司令官がかつてないほどキモい・・・」
――――――――――――――――
五月雨 「・・・なんか、すっごいグダグダに終わりましたね・・・」
武蔵 「まあ、こういう時もある」
五月雨 「龍田さん見てるだけでしたね。 よかったんですか? 混ざらなくて」
龍田 「あの4人って話したがりなのよね~。 だからほとんど任せてるわ。 でもここぞという場面には口を挟ませてもらうわよ~♪」
五月雨 (どうかここぞという場面が来ませんように・・・)
五月雨 「・・・それと、あえて今までツッコミませんでしたけど、あちらで不知火が黙々とメモを取っているようですが・・・」
龍田 「彼女には主に書記をしてもらってるから~」
不知火 「・・・・・・・・・・・・」 カキカキ
不知火 「お呼びですか? 司令」
提督 「よく来たな不知火。 手短に用件だけ言おう。 突然で悪いが、お前の特別反省会書記の任を解こうと思う」
不知火 「なっ!? なぜですか!? 不知火に何か落ち度でも・・・!?」
提督 「いや、お前に落ち度はない。 落ち度があるのは俺の方だ。 すまない」
不知火 「司令にも落ち度があるとは思えません。 事情があるのならお聞かせ下さい」
提督 「・・・うむ、では話そう。 俺はな不知火、お前に出会った当初、お前のその姿に惹かれたのだ」
不知火 「え (////)」
提督 「戦艦クラスの眼光、冷徹な物言い・・・。 間違いない、この娘は俺に厳しく接してくれると・・・」
不知火 「あ、そういうことですか (シュン) ・・・不知火は、司令のために自分がなすべきことをしているまでです。 厳しいなどと・・・」
提督 「ああ。 この通り見る目のない俺だが、しばらくお前と過ごすうちに、ようやく気づいた」
提督 「お前のその、気遣わしげな視線と温かな言葉に。 お前がこんなにも表情豊かだったことに・・・」 スッ
不知火 「い、いえ! 不知火は決してそのような・・・ (あ・・・司令・・・頬に手を・・・ ////)」
提督 「今までの我が身の不明を詫びさせてほしい。 お前を誤解していた。 すまなかった」
不知火 「司令・・・ (////)」 スリ・・・
提督 「ぬいぬいかわいいよぬいぬい」
不知火 「・・・沈めっ!」 ゴスッ
提督 「・・・っぉぉぉ~~・・・・・・。 いいヒジ持ってんなお前・・・」
不知火 「司令、いくら司令と言えど、そのような侮辱は看過できません」
提督 「違うって! 愛情込めて呼んだだけだって!」
不知火 「あ、愛情・・・? (////)」
提督 (こういうチョロいとこも分かるようになったんだよなあ・・・)
提督 「・・・まあ、すまんかった。 ちょっとさっきの反省会の変なモードを引きずってたみたいだ」
不知火 「そ、そうです! その反省会の件でした。 なぜ不知火が外されるのですか!?」
提督 「あの会議はな、俺を容赦なく責め立てることのできる人材だけに参加者を絞っている。 不知火、お前には荷が重い」
不知火 「そんな・・・。 司令! 不知火で力不足だとおっしゃるのであれば、すぐにでも鍛え直してご覧にいれます!」
提督 「ん~・・・そういうこっちゃないんだよなぁ・・・」
不知火 「司令のご期待に添えぬとあらば陽炎型二番艦の名折れ! 何卒、不知火にもチャンスを!」
提督 「そうは言うけどなあ・・・。 お前、さっきの反省会でも割って入ろうとしたじゃん。 それも何度も・・・」
不知火 「っ! そっ、そんなことは・・・」
提督 「俺お前の表情が分かるって言ったろ? 正直、いつ誰かに飛びかかるんじゃないかとヒヤヒヤしたぞ」
不知火 「しかし、あの者達は司令に何度も無礼を・・・」
提督 「そういう趣旨だっつったよな?」
不知火 「・・・・・・はい・・・」
提督 「・・・不知火よ、お前の生真面目さと忠義心には提督としてとても感謝しているし、俺個人としてもとても魅力的だと思う」
不知火 「・・・勿体無いお言葉です (魅力的 ////)」
提督 「ただ、お前はあの場には向いていない。 これは単に適材適所の話だ。 お前も毎度自分からイヤな思いすることないだろう」
不知火 「・・・・・・」
提督 「お前にはお前に合った活躍の場をちゃんと用意するから・・・」
不知火 「・・・・・・不知火が・・・」
提督 「・・・ん?」
不知火 「・・・不知火が、提督を追い詰めることができれば良いのですね?」 ギロッ
提督 「(ゾクッ) お、おう・・・。 でもいじめっ子役はもう何人かいるから・・・」
不知火 「他の者には手出しさせません。 この不知火が全ての不埒者に代わって、司令の期待に応えてみせます!」
提督 「そういうとこが向いてないっつってんだよ!」
曙 「その・・・さっきは悪かったわね、満潮」
満潮 「いいわよ別に。 でもせっかくだからお詫びに、司令官とのこと聞いちゃおっかな?」
曙 「・・・くっ・・・ぐっ・・・」
叢雲 「まあまあ。 曙もこっち座んなさいな。 一緒に満潮の相談に乗ったげようじゃないの」
曙 「相談って? ・・・あっ」
満潮 「そ、そんな大したもんじゃないわよ・・・」
叢雲 「・・・で満潮、相談内容は 『司令官で処女捨てたいんだけどどうしたらいい?』 ってことでオーケー?」
満潮 「しょっ!? まっままままま待ちなさいよ!! そんなこと一言も言ってないじゃない!」
曙 「叢雲アンタね・・・」
叢雲 「あら、今更このメンバーで気兼ねすることなんてないじゃない。 このくらいガールズトークの範疇よ」
曙 (叢雲はこういうとこやっぱ強いわね・・・)
叢雲 「でどうなの?」
満潮 「ちょっと待ってよ! そんなのいきなり言われても困る!」
叢雲 「え? 相談内容違った?」
満潮 「そういうんじゃなくて! もっとこう・・・いろいろあるじゃない。 まずはデートしたり、手を繋いだり・・・」
曙 「お子様かっ!」
叢雲 「ヘタレかっ!」
曙 「チキンかっ!」
叢雲 「処女かっ!」
満潮 「うっさい!! もうあっちいけビッチども!!」
――――――――――――――――
天龍 「なあ龍田、なんでオレはその反省会ってヤツに呼ばれないんだ?」
龍田 「あら? 天龍ちゃんも参加したいの? 提督いじめに」
天龍 「ちげえよ! いじめなんてカッコ悪いマネできっかよ! そうじゃねえだろ!」
龍田 「じゃあな~に?」
天龍 「いや、その反省会ってさ、要は度胸試しみたいなもんだろ? 提督ビビらすのが目的の」
龍田 「まあ、それもあるわね」
天龍 「ならこのオレこそうってつけじゃねえか! 世界水準の怖さってやつを教えてやるぜ!」
龍田 「・・・えっと、天龍ちゃん。 言いにくいんだけど―――」
バーン!
皐月 「て~んりゅ~! いっしょにおやつ食べに行こ~♪」 テテテギュッ
睦月 「てんりゅ~ちゃ~ん! 間宮さんとこへ出撃準備はいいかにゃ~ん♪」 テテテギュッ
天龍 「お前ら、その気の抜ける呼び方やめろ! 水雷戦隊番長の天龍様だぞ!」
皐月 「そんなこといいから早く! ボク、ヨーグルトパフェ食べたい!」
天龍 「お前ら午前中にもサンデー食ってたじゃねえか!」
睦月 「午後のおやつは別腹にゃ! 睦月はストロベリーパフェにするにゃしぃ♪ 天龍ちゃんは?」
天龍 「オレはチョコパ・・・じゃなくてだな! 知ってっかお前ら、甘いもんばっか食ってると虫歯になるんだぞ?」
睦月 「ちゃんと歯磨きしてるから大丈夫にゃしぃ♪」
天龍 「ホントかぁ~? 虫歯は痛ぇぞぉ! メシ食えなくなるくらい痛ぇぞぉ~! フフフ・・・怖いか?」
皐月 「ふふ・・・ボクを怖がらせようだなんてかわいいね、てんりゅー」
天龍 「チッ・・・ビビりやがらねえ・・・。 龍田ー、ちょっとこいつら連れて行ってくんわ」
龍田 「は~い。 ごゆっくり~♪」
オイヒッパンナッテ! ヤメロノッカルナ! キャッキャッ・・・
龍田 「・・・まあ、天龍ちゃんにあの反省会は無理よねぇ~・・・」
――――――――――――――――
朝潮 「・・・霞? こんなところでどうしたの?」
霞 「朝潮・・・。 あのさ、最近、満潮が遠くにいる気がすることってない?」
朝潮 「遠く? 雷撃の距離が伸びたってこと?」
霞 「そうじゃなくて、こう・・・私達より一足先にデビュー、みたいな」
朝潮 「でびゅう? 何かの暗号?」
霞 「そうじゃなくて、クズ司令官と・・・」
朝潮 「司令官!?」 パタパタ
霞 「・・・・・・もういいわ・・・」
――――――――――――――――
五月雨 「・・・・・・」 ボー
五月雨 「・・・・・・ (※ 正座させられる提督のイメージ)」 ボーー
五月雨 「・・・・・・・・・ (※ 罵られる提督のイメージ)」 ボーーー
五月雨 「・・・・・・・・・・・・ (※ 蹴っ飛ばされる提督のイメージ)」 ボーーーー
五月雨 「・・・・・・・・・・・・・・・ (////)」 ゾクゾクッ
五月雨 「・・・・・・はっ!? 私、今、一体何を・・・・・・」
秋雲 「・・・・・・」 シャッシャッ
提督 「・・・・・・なあ」
秋雲 「・・・・・・ん?」 シャッシャッ
提督 「たしかに俺言ったけどさあ・・・俺に出来ることならたいていの望みは叶えてやるって・・・」
秋雲 「さすが提督! ヨッ太っ腹!」
提督 「うん。 太っ腹なのかどうかは今確認できるよやったね☆ ・・・問題はそのもうちょい下」
秋雲 「下って思ってたほど下じゃないんだね~。 うん。 位置は大事」
提督 「・・・そか、お役に立てて何より・・・。 で進んでる? 俺のチ●ポの写生は・・・」
秋雲 「写生大会と射精大会って定番のネタだよね~。 一瞬言い淀む思春期女子の愛らしさよ」
提督 「なんでお前が現役JCの生態に詳しいかは置いとくとして、素でチ●ポ描かれるのって結構ハズいな・・・」
秋雲 「まあまあ、ヌードモデルのつもりで胸張りなよ~」
提督 「言っとくけど美術のヌードモデルって普通、肉体美を描くのが目的だからな。 チ●ポ目当てじゃないからな!?」
秋雲 「ちゃんと身体全体のデッサンもやってるから安心してよ。 でも秋雲さんの美術的にはソッチの方が重要なのよね~」
提督 「どうせ修正かけるじゃん?」
秋雲 「アホぉう!! 修正は基準の最低限なの! ファンと偉い人との板挟みなの! みんな泣く泣く墨塗ってんの!」
提督 「お、おう・・・。 なんかすまん・・・」
秋雲 「肝心なところは消しちゃうのに、残ってるところが手抜きだったらすぐバレるんだからね!」
提督 「はぁ、そすか・・・・・・」
秋雲 「提督は 『【悲報】オータムクラウド先生、チ●ポ見たことない処女だった!』 とか言われていいの!?」
提督 「それは知らんがな」
秋雲 「まったく・・・。 しっかりしてよね」
提督 「ハイ、サーセン (なんで謝ってんだ俺・・・)」
秋雲 「・・・・・・ところでねえ提督、提督のソレって、ほぼ標準なんだよね?」
提督 「これか? うん。 客観的に言って間違いない」
秋雲 「そっかぁ・・・。 う~ん・・・・・・」
提督 「・・・あっ! 言っとくけど、成人向け創作のアレは誇張表現だからな!? 腹ボコォなんてしてたまるか!」
秋雲 「いやでも、アレくらいないとインパクトが・・・」
提督 「なんだよもぉ~・・・。 そんなに巨根が見たけりゃ他の男に頼めばいいだろぉー・・・」 イジイジ
秋雲 「ごめんて。 いじけないでよ」
提督 「いやでも、冗談抜きで頼むトコ頼めば手配できるぞ? 見た目ザンギエフからエドモンド本田まで」
秋雲 「あ、それはいらないです」 (真顔)
提督 「そ、そうか・・・・・・」
提督 「・・・・・・それで、俺はアレを放置し続けていいのか?」
秋雲 「ん~? ああ、アレ?」
磯波 「・・・・・・ (////)」 ピッ
提督 「・・・・・・磯波なにしてんのん?」
秋雲 「なにって、撮影係さ~。 デジカメの」
提督 「えぇ~・・・・・・」
磯波 「・・・・・・ (////)」 ピッ
秋雲 「いや~流石にこの場で描き写すだけじゃ足りないからね~。 今後の資料と思ってご協力下され」
提督 「イヤン。 ちょっと羞恥感ぱないんですけど」 クネッ
秋雲 「おっさんがしなを作るな」
磯波 「・・・・・・ (////)」 ピッ
提督 「・・・あのさ、磯波どう見てもイヤイヤやらされてるように見えるんだけど・・・」
磯波 「・・・・・・そ、そんなことないですじょ? (////)」
提督 「めっさ動揺してる (かわいい)」
秋雲 「磯波には今アシスタントに入ってもらってるからね~。 その流れでこの資料集めにも呼んだってわけさ~」
提督 「磯波、断っちまえこんなもん」
磯波 「あ・・・いえ、し、仕事ですから・・・・・・ (////)」 ピッ
提督 「オーク先生や、よもや磯波が地味でいい子なのをいいことに無理矢理アシらせてるわけではあるまいな?」
秋雲 「その略し方、悪意しか感じない~!」
磯波 「地味って言わないで~・・・」
提督 「あれ? なんで俺が責められてんの?」
磯波 「あ・・・あの、提督、無理矢理とかじゃないです。 お手伝い楽しいですし・・・」
提督 「ふ~ん・・・」
磯波 「・・・(ハッ!?) あっ! でっでも! 決して同人誌とかえっちなのとかが好きなわけじゃなくてですね・・・! (////)」 ワタワタ
秋雲 「おっ。 たった今、助手が先生を見捨ててダバダバ逃げる音がした!」
磯波 「ちっ、ちがっ・・・」
提督 「切り捨てたれこんな奴。 無理するこたないぞ磯波。 今すぐカメラ叩きつけてこのきったねえ空間から出てった方がいいと思う。 割とマジで」
磯波 「・・・えっ・・・・・・」 ガーン
秋雲 「(ハァ~) ・・・提督、磯波は真面目で責任感強いんよ。 秋雲の新刊のために、仕方なく、提督のソレ撮ってくれてるんよ。 わかる?」
提督 「いや、だから嫌ならやめれば―――」
秋雲 「シャラップ! 磯波が降板したら、交代要員は青葉にするかんね」
提督 「磯波様いてくださいお願いします!」
磯波 「あ・・・。 はっ、はい! 頑張ります!」 ホッ
秋雲 「ほらほら磯波~、提督の許可も出たんだし、もっと積極的に行きなよ~」
磯波 「は、はい! 提督、失礼します! 磯波、恥ずかしいけど頑張ります!」 ピッ ピッ
提督 「うお近づいてきた! アレ? この娘意外とグイグイ来る・・・。 ・・・・・・ 磯波・・・もしかして、結構楽しんでる・・・?」
磯波 「しっ仕事ですから! 磯波全然えっちじゃないですけど、仕事ですからっ! (>< ////)」 フンフン
提督 (あ、変なスイッチ入ってる・・・)
秋雲 (この状態になると仕事率アップなんだよね~磯波は)
提督 「・・・・・・それで、俺はアレを放置し続けていいのか?」
秋雲 「さっきと同じ台詞だね~」
大鯨 「・・・・・・ (////)」 モジモジ
提督 「・・・大鯨が部屋の隅っこで座ってうつむいてるんだけど・・・」
磯波 「さっきと同じ展開ですね」
大鯨 「・・・・・・ (////)」 モジモジ
秋雲 「照れちゃって、かわいいよねぇ~」
提督 「うん、かわいい。 ・・・じゃねえよ! すっげえ居心地悪そうじゃん! なんで連れてきた!?」
秋雲 「大鯨はウチの看板売り子だからね~。 これも福利厚生の一環だよ~」
提督 「売り子? そうなの?」
秋雲 「うん。 あの娘がさ、お金を受け取ってエグい表紙の同人誌を渡すんよ。 赤ら顔で。 震え声で。 そりゃ~捗るってもんよ~」
大鯨 「・・・・・・ (////)」 カーッ
提督 「あぁ、わかるわぁ~。 ・・・いやダメでしょ! なにイヤイヤさせてんだよ!?」
秋雲 「ん~・・・。 大鯨~、イヤイヤやってる?」
大鯨 「いえ・・・イヤじゃないです。 あっ! お手伝いできるのがですよ!? えっちなことじゃなくて・・・はい」
提督 「お前も磯波と同類か」
大鯨 「ど、同類じゃないです~!」
磯波 「同類じゃないです!」
提督 「おいムッツリを押し付け合うな! 別にええやんかオープンで。 おっちゃんはえっちな娘好きやで」
磯波 「そうなんですか? じゃあ磯波それで」
大鯨 「えっ? 磯波ちゃんずるい・・・・・・」
提督 「何この不毛な局地的ライアーゲーム」
秋雲 「あ、じゃあ秋雲も。 ねえ今ここで脱いでいい? やっぱエロ絵描く時は全裸の方が筆が乗るんだよね~」
提督 「えっちさと品のなさは別ですぅ~」
秋雲 「うっわ言い方くそムカつくわぁ~」
提督 「大鯨を見習えよ。 こうして俺らと話してる間も俺から目をそらしてるだろ。 アレが淑女の慎みというやつだ」
秋雲 「・・・ (提督、やっぱり気づいてないんだね~・・・)」
磯波 「・・・ (艦娘ならではの反応速度と視力で、提督の視界から外れた瞬間にガン見してるんだけどね)」
大鯨 「・・・ (・・・言ったら殺す)」
磯波 「・・・ (大鯨さん・・・アイコンタクトの時だけなんか言葉遣いが・・・・・・)」 ブルッ
秋雲 「ヘイヘイ提督~。 主砲の仰角下がってんよ~。 なにやってんの~」
提督 「お前な、この状態維持すんのがどんなけ大変かわかってんのか?」
秋雲 「えっ、そうなの? てっきり、射精(だ)さなきゃそんまんまでいるもんかと・・・」
提督 「んなわけあるか! うら若き乙女たちに視姦されてる方向でめっちゃ妄想回転させて維持してるんだぞ! さながら水面下を掻く白鳥の如く!」
秋雲 「きったない白鳥だねぇ~」
大鯨 「・・・・・・ブフッ」 プルプル
提督 (・・・大鯨がツボった)
秋雲 「それって薬品とかでなんとかなったりする? 滋養強壮的な」
提督 「・・・秋雲よ。 俺とこのマイサンとはもう数十年来の付き合いだ。 今やコイツがどんな状態であろうと、俺の理性はいくらでも制御がきく」
提督 「ただし、ドーピングした場合はその限りではない。わかるな?」
磯波 (お、襲われちゃうのかな? ////) ドキドキ
秋雲 「そっか~・・・。 じゃあしゃ~ないね~。 まあついでだし、ちっちゃい状態のも描かせてもらうよ~」
提督 「言い方せめて鎮静状態とかにして。 ってかそれ需要あんの?」
秋雲 「まずないね~。 でもそれだけに資料も少ないんだよね~。 秋雲もちゃんと生で観察するの初めてかも」
提督 「男性的にはこれが平常状態なんだけどな。 おかしなもんだ」
磯波 「レア画像ですね! いただきます!」 ピッ
提督 「磯波お前ふっきれたなぁ」
大鯨 「・・・・・・」 プルプル
提督 「まだ面白かったのかよ大鯨!? ああもう我慢すんな。 下ネタでツボったっておじさん幻滅しないから」
・・・ ・・・ ・・・
秋雲 「よっし! 提督、もういいよ。 休憩終わり。 はい勃たせて~」
提督 「アホか! 無茶言うな!」
秋雲 「あ、勃起するとこも撮りたいなぁ~。 でも録画機器ないし・・・」
秋雲 「磯波、連続撮影いける? あとでストップモーションみたいな感じで繋げるからさ~」
磯波 「任せて! 頑張る!」
提督 「おい勝手に話進めんな! いきなり言われても無理だっつの。 先立つもんよこせ」
秋雲 「先立つもん?」
提督 「オカズ。 とりあえず秋雲、お前脱げ」
秋雲 「えぇ~・・・? なにそれ引くわ~~・・・」
提督 「お前さっき自分から脱ごうとしてたじゃねえか!」
秋雲 「人からせっつかれるとちょっとね~・・・。 磯波、任せた!」
磯波 「えっ? ぃ、磯波がですか!? あぅ・・・」
提督 「わくわく♪ わくわく♪」
磯波 「と、とりあえずは・・・・・・こんなところで・・・」 ピラッ
ムクッ
提督 「うむ、素晴らしい。 恥ずかしそうに顔を背けながらスカートをたくしあげる仕草がたまりません。 耳まで赤いのもポイント高し」
提督 「そして何より、スカートから覗く飾り気のない淡いピンクのパンツ! セーラー服の垢抜けなさと相まって大変目に心地よいです」
磯波 「・・・・・・ぅぅ・・・ (////)」
提督 「だがまだだ。 まだ足りない。 磯波、そのままパンツのクロッチ部分を横にずらすのだ。 こう、クイッと」
磯波 「・・・~~~~~~~~・・・・・・ (////)」 クイッ
ムクムクッ
提督 「・・・ハラショー。 見たまえ磯波。 これが君の戦果だ」
磯波 「あっ! 大きくなるとこ撮るの忘れた!」
提督 「気にするとこそこかよ!」
・・・ ・・・ ・・・
磯波 「あっ・・・またちっちゃく・・・・・・」
提督 「・・・すまぬ。 さっきの磯波ポイントを使い切った」
磯波 「変な表現やめてください!」
秋雲 「こんなこともあろうかと! 提督、ホラあっち見て~」
提督 「ん? あっち?」
大鯨 「・・・・・・ (////)」 モジモジ
提督 「・・・あれ? 大鯨、そのエプロンの下、何も着てなくない・・・?」
大鯨 「・・・・・・てっ・・・て・い・と・く♪ ・・・こっ、こうですか? (////)」 ピラッ
バッキーン
提督 「大鯨はん・・・あんた、なんちゅうもんを見せてくれたんや・・・なんちゅうもんを」 ホロホロ
大鯨 「・・・お・・・お気に召して何よりです・・・ (////)」
大鯨 「・・・・・・」 グッ
磯波 「・・・ (むっ・・・。 今、提督に見えないように小さくガッツポーズ決めたね大鯨さん)」
秋雲 「・・・ (一瞬だけど 『してやったぜ』 って顔したね~。 アレは魔性だわ~)」
提督 「ダンケシェーン。 大鯨ポイントが沢山溜まった。 さあこれでしばらく戦えるぞ先生!」
秋雲 「むぅ・・・なんか面白くない・・・。 こうなったら、秋雲ポイントも上乗せするよ~」 モゾモゾ
提督 「あ、それはもういいです」
秋雲 「なんでさっ!?」
若葉 「この若葉がドMだという風潮」
提督 「それな」 スパーン
若葉 「っ・・・。 まったく、どこからそんな噂が流れたのやら・・・」
提督 「誤解なのか? なにやらそういう言動があったと聞いているが」 スパァーン
若葉 「っ。 ああ。 確かに若葉は以前、中破したときに、 『痛いぞ! だが・・・悪くない』 と言った」
提督 「ほう、悪くなかったの、かっ?」 スパァァーン!
若葉 「っく・・・違う! 悪くないと言ったのは、強敵に相対したことに対してだ。 この若葉、戦いに身を置くことこそが艦娘としての悦びと心得ている」
提督 「なるほど。 むしろ勇ましくも凛々しい戦士の言葉というわけだ、なっ!」 スパァァァーーン!!
若葉 「ぅっああ! 決して、痛いのが気持ちいいとか思っているわけではない。 というかそんな変態いるわけないだろ常識的に考えて」 ビクンッ
提督 「・・・そうだな。 いるわけないな」 グニグニ・・・
若葉 「んっ・・・あと、『24時間寝なくても大丈夫』 と言ったのは、艦娘ならば当然のことだ。 我々は長時間の出撃にも耐えられる」
提督 「提督としては、ちゃんと時間をやるから、休めるときに休んでほしいのだが・・・」 グリグリ・・・
若葉 「そ、そうか。 心遣い痛み入る。 若葉としても、早く次の戦場を用意してくれたほうがありがたい。 寝ずにじっとしているのも性に合わん」
提督 「もう少し、休みを多く取って余裕を持ってもいいんじゃないか?」 サスサス・・・
若葉 「時間は貴重だ。 それに、何もされないと、体がむずむずするのだ。 まあこれも、若葉が根っからの戦士だということの証左だな」
提督 「そうか・・・・・・」
若葉 「・・・どうした? 手が止まっているぞ。 じっとしてるとむずむずすると言っただろう。 さあ遠慮なくやるがいい」
提督 「・・・なあ、時間が貴重だと言うなら、これに時間を割くだけのどんな意味があるんだ?」 パシーン
若葉 「くっ、やるな・・・! いいか、痛みのコントロールというのは、艦娘には重要な役割を持つんだ」
提督 「そうなの・・・かっ」 パシィーン!
若葉 「あふん! ああ、痛みによって自身の損傷を瞬時に把握することができる。 しかし、痛みで動きが鈍るようでは艦娘失格だ」
提督 「なるほ・・・どっ!」 パシィィーーン!!
若葉 「はぁぁん! だからこうして、定期的に機能を確認する必要があるのだ・・・っ」 ビクンビクン
提督 「俺、他の娘にこんなことしたしたことないんだけど・・・」 スリスリ・・・
若葉 「ほ、他の娘にはしなくていい! これは若葉だけが負うべき、戦士としての職務だ。 いいか、絶対だぞ!」
提督 「わかったよ・・・。 んで、こんなもんでいい?」 サスサス・・・
若葉 「よし、では次に移ろう」
提督 「まだやんのかよ・・・」
若葉 「いいか提督。 『鬼』 や 『姫』 は知能を持つ。 ともすると、艦娘を捕えて情報を引き出そうとするかもしれない」
提督 「そういう事例は見つかってないけどな」
若葉 「事によっては、拉致監禁された上、おぞましい拷問に晒されることもあるかもしれない」 ゾクゾクッ
提督 「うへぇ・・・俺そういうの苦手・・・」
若葉 「そう、全身の穴という穴に肉棒をt―――」
提督 「ねえよ!!」
若葉 「・・・・・・・・・・・・」
提督 「・・・・・・・・・・・・」
若葉 「そう、全身の穴という穴に肉棒を突っ込まれることもあるかもしれん」
提督 「・・・ソウダネ」 ガックリ
若葉 「うむ。 というわけで、慣れておかねば! いざというときに、若葉が機密を漏らさぬように・・・! (////)」 くぱぁ・・・
提督 「お前叩かれて発情してシたくなっただけじゃん!」
若葉 「くっそぉ・・・! この若葉、決して負けんぞ! 戦士の誇りにかけて・・・! (////)」 フリフリ
提督 「戦士の誇りさんに謝れドM!!」
龍田 「この龍田がドSだという風潮」 スパーン
提督 「・・・それな」
龍田 「まったく、どこからそんな噂が流れたのかしらねえ? うふふふふ・・・」 スパァーン
提督 「っ姐さん怖いです・・・。 で、誤解なのか?」
龍田 「もちろん誤解よ~。 私達は艦娘よ。 敵を殲滅することは本能なの。 楽しくて当然じゃない♪」 スパァァーン!
提督 「っく、一理あるな。 ・・・ちなみに、今やってるこれは?」
龍田 「あのね、私達ってほら、深海棲艦が相手だと、基本的に手加減なしに沈めるだけじゃない」 パシン
提督 「って! ・・・うん。 まあ、傷つけずに無力化とか拿捕とかは指示したことないな」
龍田 「人質や捕虜が有効なら遠慮なくさせてもらうけど、そういうのもなさそうなのよね~」 パシーン
提督 「つっ! ・・・うん。 そういう研究結果は出ている」
龍田 「だから、陸(おか)でも手加減とか苦手なの~。 こうして練習しないといけないくらいに」 パシィーーン!
提督 「Ouch! な、なるほど・・・。 でもここまで練習する必要あるか? 戦闘じゃ役に立たないんだろ?」
龍田 「ん~、一応軍属だし、対人戦闘もあるかもしれないじゃない? 提督の護衛とか、狼藉者の排除とか・・・」 ギリギリ・・・
提督 「まあ・・・少ないけど・・・そういう役目をお願いすることは・・・あるな・・・ぐぐ・・・」
龍田 「やっぱり、人間をミンチにしちゃダメよね~。 うふふふふっ♪」 グリグリ・・・
提督 「怖い怖い怖い! うん、できれば生け捕りにして。 人間社会だとそこ超重要」
龍田 「ちゃんと、優しく、人をいじめる技を磨かないとね~♪」 グニ グニ
提督 「なるほど。 そうか・・・」
龍田 「・・・んっ・・・・・・」 チュッ
クチュ ピチュ レルレル・・・
龍田 「っふぅ~~・・・。 そうよ~♪ (////)」 クニュ クニュ
提督 「・・・で、これにはどんな意味がある?」
龍田 「ほら、私達こんな姿だけど軍のモノだし、時にはこの身体を使って将官殿をお慰めすることも―――」 クチュ クチュ
提督 「ねえよ!!」
龍田 「・・・・・・・・・・・・」
提督 「上官としてそんな命令は絶対に出さん。 覚えておけ」
龍田 「・・・・・・・・・・・・」
龍田 「うふっ、うふふふふふっ♪」 グイッ クチュッ
ずにゅうぅぅ~~・・・
提督 「龍田さん建前忘れてますよ建前!」
龍田 「もうどうでもいいじゃないそんなこと♪ うふふふふっ♪ (////)」 ハァハァ
提督 「ひどく興奮してらっしゃる~~!!」
鈴谷 「提督提督ぅ~! 今日のお昼、期待しといて♪ 鈴谷と熊野で仕込みし終わってるから!」
提督 「そらまた珍しい。 わかったよ。 楽しみにしてる」
鈴谷 「あ、場所は食堂じゃなくてこの執務室ね。 運んでくるから♪」
提督 (・・・これ絶対何か企んでるヤツだ・・・)
・・・ ・・・ ・・・
鈴谷 「チーッス! おっまたせ~♪」
熊野 「ごきげんよう提督。 お昼をお届けに来ましたわ♪」
提督 「はいらっしゃい。 ありが・・・・・・」
熊野 「お昼のメニューは、ポークソテーとポテトサラダ、オニオンスープ、それと焼き立てパンですわ♪」
鈴谷 「ほら見てよこのパン。 ふっわふわ♪ 最近やっと納得できるのが作れるようになってさ~」
提督 「・・・お、おう・・・」
鈴谷 「はいっ、業務は一時休戦! 机の上片しちゃって~」
熊野 「配膳いたしますわ~」
提督 「・・・・・・天国のばあちゃん元気かな~・・・」
鈴谷 「提督、無理矢理ツッコミ放棄しないでよ!」
提督 「はいはい。 ちゃんとツッコんでやるよ。 ・・・で、お前らのその格好、神戸屋レストランの制服か?」
鈴谷 「うっわ店名言い当てたよ・・・。 提督引くわー・・・」
熊野 「もしかして提督って、制服フェチですの?」
提督 「なんで目の前で直にコスプレしてる奴にそこまで言われにゃならんのだ・・・」
熊野 「で、どうですの? 似合ってまして?」 ヒラッ
提督 「似合ってるけどさー。 最初に 『なんで?』 って疑問が出てくるかな」
鈴谷 「いや~アレだよ。 おいしい焼き立てパンを出すお店ってとこから連想でね。 折角パン作ったんだし、なんか一風変わった給仕したいじゃん?」
提督 「安直やな。 あと 『パンツ食った』 ってダジャレはボク言わないよ絶対」
熊野 「そのネタ、厨房で3回言われましたわ・・・」 ハァ
提督 「よし、今度ウチのお笑いレベル底上げ週間を作ろう」
鈴谷 「あっ! 提督、この格好のもう一個重要な理由言い忘れてた! 神戸生まれのお洒落な重巡がここに!」 ビシッ
熊野 「ですわっ!」 ドヤァッ
提督 「神戸屋レストランは神戸名物でも何でもねえよ!」
熊野 「えっ、そうなんですの!?」 ガーン
提督 「お前も知らんのかい! 確か、親会社の創業者にちょっと縁(ゆかり)があって屋号に入れただけだよ。 神戸には店舗の1件もない」
鈴谷 「うわ店舗情報まで・・・。 提督キモい」
提督 「鈴谷ちゃん鈴谷ちゃん。 JK特有の 『おっさんにキモいって言っとけば安パイ』 みたいな風潮、嫌いじゃないけど好きじゃないよ」
熊野 「まあまあ。 この際、お洒落な洋食屋さん風なら何でもいいじゃありませんの」
提督 「開き直りやがったな・・・。 まあ俺も理由が分かれば何でもいいや。 二人ともくっそ可愛いぞ。 大好き」
熊野 「んふふ・・・。 そうやって鼻の下を伸ばしていただけると、この熊野、頑張って鈴谷のテンションに振り回された甲斐がありますわ (////)」
提督 「やっぱ元凶はお前か鈴谷!」
鈴谷 「は? 元凶? むしろ褒めてよ! ある意味MVPだよ! ホラッ♪」 クルッ
提督 「ちっくしょうあざといターンしやがって・・・。 ガチでMVPあげたくなるじゃねえか・・・」
熊野 「おバカなことやってないで早くお召し上がりなさいな。 お洒落に、そして優雅に!」
提督 「お前やたらとお洒落キャラ押すね」
鈴谷 「あ忘れてた。 はい提督、お箸」
提督 「お洒落感台無しだよ!」
提督 「うわすっげえ! このパンマジで美味いよ! もっちりふわふわしてる」
鈴谷 「でしょでしょ♪ 他のみんなからも絶賛だったよ。 間宮さんからもお墨付き貰ったし」 ドヤッ
熊野 「間宮さん対抗心燃やしてましたわね。 次から 『鎮守府のパンは自分で作る』 とか言い出すんじゃないかしら?」
提督 「おいおい・・・。 こういう数人前のならまだしも、ウチに卸してるパンを全部自家製になんてしたら、流石に今あるオーブンじゃ足らんぞ」
熊野 「パンって手間も設備も時間も結構かかりますものねー・・・」
鈴谷 「間宮さんなら何とかしちゃいそうなのが怖いけどね~」
提督 「・・・まあ当面は、片手間にこんな感じの規模のを試作するだけで満足してもらおう」
熊野 「それよりほら、他のも食べてみてくださいまし」
提督 「せやな。 メインはポークソテーか。 この流れならそこは神戸牛のステーキだろJK」
熊野 「神戸牛なんて、この鎮守府全部ひっくり返しても出てきませんわよ」
提督 「うん知ってた。 逆に出てきたら怖いわ。 主に何の経費で落としたのかが」
鈴谷 「たまには贅沢しよ~よ~提督ぅ~」
提督 「いっつも新鮮な魚介食っとるだろうが。 アレ都会じゃ高いんだぞ。 この海セレブめ」
鈴谷 「言われてみればそっか。 ・・・あれ? なんか私騙されてる・・・?」
提督 「んじゃ、いただきまふ」 ムグ
モッシャ ・・・ モッシャ ・・・
熊野 「どう、ですの?」
提督 「うはははは。 なるほどなるほど。 うん、うまいよ」 ムグムグ
鈴谷 「その意味深な笑いはなんなのさ~!?」
提督 「いやー。 女子高生っぽい味だな~っと思って」 モグモグ
鈴谷 「・・・ (ヒソヒソ) ちょっと聞きまして熊野さん? あちらのご主人、ちょっとヤバイんじゃなくって?」
熊野 「・・・ (ヒソヒソ) ええ聞きましたわ鈴谷さん。 『女子高生の味』 とか言いましたわ。 正直熊野ドン引きですわ・・・」
提督 「ちょっ! 誤解だって! そういうフェチな意味じゃないから!」
鈴谷 「提督、前々から怪しいとは思ってたけど、やっぱJK好きだったか~・・・。 鈴谷とサポする?」
提督 「おい不穏当な発言すんな! あと 『前々から怪しい』 の部分詳しく!!」
熊野 「このままでは提督が街の女子高生を襲って独房に・・・。 手遅れになる前にいっそ熊野が体を張って・・・」
提督 「お前はどこのいけないルナ先生だ! なんで二人ともちょっと乗り気なんだよ!? そうじゃなくって、味付けの方!」
熊野 「女子高生っぽい味付けって言われましても・・・。 ・・・どんな味ですの・・・?」
提督 「ん~とね~・・・。 例えばこのポークソテー。 遠慮のないケチャップとソース味。 子供が喜びそう」
鈴谷 「むっ、子供舌だって言いたいの?」
提督 「まあぶっちゃけるとそう。 でも俺も子供舌だから気にすんな。 win-winだ」
鈴谷 「ん~~・・・うん。 なら許す♪」
提督 「許された♪ こっちのポテトサラダもしっかり塩コショウ振ってあるし、スープもかなりブイヨン濃いめ」
熊野 「ええ、こっちのほうが美味しいかと思いまして・・・」
提督 「うん。 要するにね、『高血圧? 生活習慣病? なにそれおいしいの?』 と言わんばかりの若々しさがあるんよ、お前らの料理には」
鈴谷 「う・・・もうちょっと健康に気を遣ったほうがよかったかな・・・?」
提督 「いやいや。 俺だって学生時代はこんなのばっか食ってたからね。 今でもたまにこういうの食うとたまらなく美味い」
熊野 「でもやっぱり、ヘルシーとかバランスとか、もうちょっとお洒落な方面でも褒められたいですわ。 せっかく一汁二菜用意しましたのに・・・」
提督 「そういうのはプロに任せりゃいいんだよ。 こっちの方がお前らのカラーが出てていいじゃん」
鈴谷 「提督~、私らも一応カロリーとか気にするんですけど~。 サラダ系女子なんですけどぉ~↑」
提督 「嘘こけ! 完全に体育会系だろがお前ら! ガッツリ食ってガッツリ運動せえ。 若いうちはそれが一番だ」
鈴谷 「まっ、運動には事欠かないけどね~♪」
提督 「カロリーとか塩分とか気にするのはな、歳食ってる上にデスクワークばっかの奴のやることだよ。 お前らはそういうの気にしなくていい」
熊野 「なるほど・・・。 私達はともかく、提督にお出しする料理は一考の余地がありますわね。 今後は気をつけますわ」
提督 「えぇ~・・・。 俺もたまにはこういうジャンクなの食いたい」
鈴谷 「あー! 今ジャンクって言った! ひっど~い!」
提督 「ちゃうちゃう! 褒め言葉だよ褒め言葉! 間宮さんも鳳翔さんも洗練されすぎてるからさ、やっぱたまーにこういうのが恋しくなるんよ」
熊野 「う~ん・・・あのラスボスの方々と棲み分け・・・。 うん、考えてみるとこれはおいしいポジションですわね」 キラーン
提督 「だろ? だからまた食わせてくれ。 贅沢言うようだけど、いい感じに間が空くとまた食いたくなるだろうから」
熊野 「お任せあれ! また今度作ってきますわ♪」
鈴谷 「アレだね。 たまーに妻の元を離れて上がり込んでくる男を受け入れる愛人のポジションだね♪」
提督 「例えが不穏! めっちゃ不穏!」
熊野 「・・・差別化を図って、わざと子供っぽい濃い味付けにした方がいいかしら・・・?」 ブツブツ
提督 「あ、変に奇をてらわないでいいからな。 お前らが一番美味いと思う味付けにしてくれ。 多分それが俺にとっても一番嬉しい」
鈴谷 「子供舌同盟結成! ・・・みたいな?」
提督 「改めて言われるとなんだろう結構不本意」
鈴谷 「提督~。 お冷や足すね~」
トポトポ・・・
提督 「・・・・・・お前、その前傾姿勢わざとだろ?」
鈴谷 「あ、わかる?」
提督 「その神戸屋レストランの制服、胸のとこ強調されててエッロいよな」
鈴谷 「ま~ね~♪ うん。 提督のヌメヌメした視線が気持ちいい♪」
提督 「なに? お前そういうのに目覚めちゃったの?」
鈴谷 「女なんて見られてナンボでしょ?」
提督 「うはービッチくせぇー」
鈴谷 「ビッチ言うなし!」
熊野 「くっ・・・。 なんだか胸の話になると屈辱ですわ・・・」
提督 「くまのんも人並みにいいもん持ってんじゃねえか。 並んで比べると鈴谷のがちょっと大きいだけで・・・」
熊野 「その比べるというのが嫌なのですわ!」
提督 「お前お嬢キャラっていう強烈なの持ってんだから、そんくらい譲ったれよ」
鈴谷 「そ~そ~。 熊野は清楚担当。 私はヨゴレ担当。 って誰がヨゴレかっ!」
提督 「そーそー。 鈴谷はこういう担当」
熊野 「むぅ・・・。 提督は大きいのと小さいの、どっちが好みですの?」
提督 「またベタな質問を・・・。 もちろんd―――」
鈴谷 「『どっちも』 禁止」
提督 「チクショーメー!!」
鈴谷 「ホレホレ答えてみ? 『強いてどっちかって言うと』 でいいから」 ニヤニヤ
提督 「・・・トップがアンダーより小さいえぐれっぱいが好きです」
熊野 「化物ですわ!」
提督 「失礼なこと言うなよ。 実在してたら差別だぞ」
鈴谷 「そういうクソリベラルみたいな逃げいらないから」
提督 「モノを食べる時はね、誰にも邪魔されず―――」
鈴谷 「ゴローちゃん逃げもいいから」
提督 「んだよー! どっちも好きなんだからいいじゃんかよー! おっぱいに貴賎はねえよ! 謝れよ! おっぱいの神様に!」
鈴谷 「うっわ逆ギレしだしたよ・・・」
熊野 「(すぅ・・・) とおおぉぉ↑おおぅ!」
ガシッ ピトッ
提督 「・・・熊野氏熊野氏、なにしてんのん?」
熊野 「さ、触って比べてみればいいんじゃありませんの・・・ (////)」 グイグイ
提督 「おい清楚担当どこ行った!? カムバックお嬢! 神戸生まれのお洒落な重巡!」 モミモミ
鈴谷 「とか言いながら揉まない!」
提督 「これは手が勝手に動いちゃうもんなの! 反射なの! オジギソウみたいなもんなの!」
熊野 「んっ・・・とっ、とりあえず、お昼の残りも早く食べちゃってくださいまし (////)」
鈴谷 「あ、このあと2時間くらい空き作っといたからね。 食べ終わったら提督の部屋に直行ね」
提督 「完全にご休憩じゃねえか! お前らはじめっからそういう魂胆か!?」
鈴谷 「あったり前じゃん♪ 何のためにこんなコスプレしてきたと思ってんのさ」
提督 「文化祭みたいで微笑ましいとか思ってた俺のピュアな心を返せ!」
熊野 「あれだけネットリ視姦しておいて、よくそんなことが言えますわね・・・」
鈴谷 「・・・んでどうする? ナニする?」
提督 「・・・・・・制服汚してもいい?」
熊野 「・・・・・・お洗濯でどうにかなる程度でしたら・・・ (////)」
提督 「・・・はっ・・・はっ・・・はっ・・・」
タッタッタッタッ・・・
――――――――――――――――
初風 「・・・へぇ、珍しい。 提督が走ってる」
天津風 「あら初風、おはよう。 あなたは見るの初めてかしら? 提督は忙しくない日はたまに運動してるわよ」
初風 「おはよう天津風。 そうだったんだ・・・。 一人なのかな? よかったら声かけてご相伴しない?」
天津風 「あ、やめたほうがいいわ。 今競走してるところだから」
初風 「競・・・走?」
――――――――――――――――
タタタタタッ
島風 「てーとく、おっそーい! がんばれー!」
キュッ ポン
提督 「おう! ・・・はっ・・・はっ・・・」
島風 「まったねー!」
タタタタタッ
――――――――――――――――
初風 「競走って島風と? 無謀すぎるでしょ!」
天津風 「ええ、だからハンデっていうか、特別ルールでやってるらしいわ」
初風 「特別ルール? あっ、さっきのやつ? 提督の背中に何か書いてたけど」
天津風 「そ。 同じトラックを走って、島風が周回遅れの提督を追い越すときに、背中の紙に 『正』 の字を書いてるらしいわ」
初風 「スコアボードとか使いなさいよ・・・」
天津風 「提督が10周走る間に正の字がいっぱい溜まったら、島風の勝ちなんですって」
初風 「もはや徒競走とは呼べないわね・・・。 」
天津風 「まあね・・・。 あホラ、また追い越すわよ」
――――――――――――――――
タタタタタッ
島風 「てーとく、たっだいまー! しまかぜ、もっとペース上げてくよー!」
キュッ ポン
提督 「おかえりー! ほどほどになー。 ・・・はっ・・・はっ・・・」
島風 「はーい! またねー!」
タタタタタッ
――――――――――――――――
初風 「・・・なるほど。 背中に一筆入れつつ、一声かけてポンと叩くのが島風お決まりのパターンなのね。 勝負の最中にしちゃ余裕ね」
天津風 「まあ、あれがあの娘なりのスキンシップなんでしょうね。 見てると結構微笑ましいわよ」
初風 「・・・こりゃ確かにボード使うのは無粋ね・・・」
タッタッタッタッ・・・
提督 「・・・はっ・・・はっ・・・はっ・・・」
タタタタタッ
時津風 「しれー! しれぇー!! ボールとってきた!」
キュッ ポンポン
提督 「おう、おつかれー! ・・・はっ・・・はっ・・・」
時津風 「もっかい投げて! もっかい!!」 ポスッ
提督 「・・・っし任せろ! いくぞ! とおおぉぉ↑おおぉぉぅ↓!!」
ブンッ
時津風 「わーい! とってくるー!!」
タタタタタッ
――――――――――――――――
初風 「・・・・・・あれは?」
天津風 「時津風も競走に参加してるのよ。 こっちも特別ルールで」
初風 「あのボール投げ?」
天津風 「そ。 提督がボールを思いっきりぶん投げる。 時津風はそれを取ってくる。 これで1往復」
初風 「思いっきりったって100メートルも飛ばないでしょ。 1往復短くない?」
天津風 「あのボール、妖精さん特製ですっごくよく転がるらしいの。 頑張って追いかけないと大変なことになるわよ」
初風 「そもそも、なんで一緒にトラック走らないの?」
天津風 「目標に向かって一直線に追いかけるほうが、やる気が出るんですって」
初風 「わんこだわ・・・」
天津風 「わんこね・・・」
初風 「・・・あと、提督が熊野式気合術使ってたのが気になったんだけど・・・」
天津風 「最近ハマってるらしいわ」
初風 「提督がやると軽くイラッとするわね」
天津風 「わかるわ」
・・・ ・・・ ・・・
初風 「・・・にしても、提督も奇特よね。 艦娘と運動で勝負だなんて・・・」
天津風 「ん? そう?」
初風 「見た目小娘とこんなに身体能力に差があったら普通、一緒に走ってて嫌になるもんじゃないの? 男のプライド的なアレで」
天津風 「んー、アイツはそういうの気にしないタイプみたいね。 あとほらアレ。 よく見てみなさい」
初風 「ん?」
――――――――――――――――
島風 「てーとく! もうすぐ背中の紙埋まっちゃうよ! がんばってね!」 ポンッ
提督 「はいよー!」
タタタタタッ
提督 「・・・・・・・・・」 ジーーッ
時津風 「しれー! はいボール!」 ポン
提督 「よっしゃ飛べよぉぉぉ~~~!!!」 ブンッ
時津風 「おお~飛んだ飛んだ! 待て~!!」
タタタタタッ
提督 「・・・・・・・・・」 ジーーッ
――――――――――――――――
天津風 「・・・アレが嫌そうな顔に見える?」
初風 「・・・提督、遠ざかるお尻をガン見してるわね・・・」
天津風 「かたや痴女スカートとZ旗パンツ、かたやスカートはいてない上に黒スト紐パン。 ・・・まあ、見るわよね普通・・・」
初風 「提督ェ・・・。 ・・・ところで、スカートのこと言ったらあなたも似たようなもんじゃない、天津風」
天津風 「そうよ。 悪い?」
初風 「開き直ってるわね・・・」
天津風 「しょうがないじゃない。 私達みんな 『かくあれかし』 と造られたんだから」
初風 「今更だけど、なんで私達こんな格好で激しい動きができるのかしら・・・?」
天津風 「妖精さんの力よ」
初風 「便利ワードねそれ・・・」
提督 「・・・はぁっ・・・はぁっ・・・はぁっ・・・・・・。 ふぅ・・・・・・」
島風 「んーー! てーとくと朝の駆けっこ、楽しかった!! またやりたいです!」
時津風 「しれー! もう終わりー!?」
提督 「お前らマジで底なしやな・・・。 今日はもうこれで勘弁してください。 よしよし・・・」 ナデナデ
時津風 「んぅ~~!」 パタパタ
島風 「あっ、しまかぜもっ!」
提督 「はいはい」 ナデナデ
島風 「おぅっ、おぅっ!」 キラキラ
提督 「さてと・・・。 島風、背中の紙取ってくれる?」
島風 「これ? はいっ!」 ペリッ
提督 「おぉ! 正の字いっぱいだなぁ。 すごいなぁ島風」 ナデナデ
島風 「当然です! だってしまかぜ速いもん!」 フンスッ
時津風 「どれどれ~? あたしにもみーせーてーよー!」
提督 「ほれ。 時津風もよう走った。 時々ノーコンでごめんなー」 ナデナデ
時津風 「えへへぇ~。 いいよいいよー。 うれしいうれしい♪」 ピョコピョコ
提督 「ふむふむ。 んじゃあ、本日の優勝者は―――」
雪風 「しれぇ! 走るの終わりました? 雪風、ダム作り終わっちゃったので待ってました! ヒマでした!」 ヒョコッ
提督 「・・・雪風に決定!」 ビシッ
島風 「え~~っ!?」
時津風 「ずるい~~!!」
雪風 「雪風、幸運の女神のキスを感じちゃいます!」
提督 「さあ雪風よ。 願いをいえ。 どんな願いもひとつだけかなえてやろう・・・」
雪風 「だっこ!」
提督 「いいけど、俺今汗だくだから、後で―――」
雪風 「えいっ!」 ダキッ
提督 「ウボァ」
雪風 「(スンスン) えへへホントだー。 汗クサいですしれぇ!」
提督 「やめて嗅がないで! あ、雪風も土臭いぞ」 スンスン
雪風 「やあんっ♪」
島風 「むぅ~~・・・。 えいっ!」 ダキッ
時津風 「しれー! しれー!! あたしもー!!」 ダキッ
提督 「やめろ! コケる! コケるから!」
ドテッ
提督 「・・・・・・ふぅ。 ・・・空が青いなー・・・・・・」
島風 「だねー・・・・・・」
提督 「みんな汗臭いな。 体が冷える前にはよシャワーでも浴びんと・・・」
雪風 「もうちょっとこのままでお願いします!」 スリスリ
提督 「んーしゃーないなー・・・」 ナデナデ
雪風 「しれぇ!」 ギューッ
時津風 「しれー!」 ギューッ
島風 「オゥッ!」 ギューッ
アハハハハ・・・
――――――――――――――――
天津風 「・・・とまあ、毎回結局、勝敗とかどうでもよくなるのよねあの娘達・・・」
初風 「うわぁ・・・。 なんか、青春ドラマとホームコメディーとペット番組を足して3で割ったような空間ね・・・」
天津風 「恋愛ドラマとか薄い本とかは入ってないの?」
初風 「薄い本て・・・。 見た感じ、そういうピンクいのはなさそうなんだけど・・・」
天津風 「わかんないわよ? ウチじゃ最近、あの提督にしてこの艦娘アリって感じだし・・・」
初風 「愛玩動物ポジションも油断ならないわよね・・・」
提督 「ちーす。 お呼ばれで来ました。 一緒に休憩させてくんちゃい」
扶桑 「山城。 提督がいらしたわ。 ダメ元で声をかけてみたのだけれど、来てくれて嬉しいわ」
山城 「そうですね姉さま。 なかなか提督とゆっくりお話する機会ありませんものね。 不幸だわ・・・」
提督 「いやーすまんすまん。 なんせ人数多いからさ。 でもちゃんと平等に接してるつもりだぞ」
扶桑 「山城。 とりあえず提督に膝枕してあげようと思うのだけれど、どうかしら?」 ポンポン
山城 「そうですね姉さま。 姉さまのお膝は私の特等席ですが、今日だけは提督にお譲りします。 不幸だわ・・・」 サッ
提督 「お、おう・・・。 なんか有無を言わさぬ流れだな・・・。 いや、いただけるもんはいただくッス。 失礼するッス」
ポスッ
提督 「お~こりゃええ・・・。 扶桑の膝枕はふとももの宝石箱や~・・・」
扶桑 「山城。 提督のおぐし、ちょっとゴワゴワしてるわ。 やっぱり男の人って違うものなのね」 ナデナデ
山城 「そうですね姉さま。 提督、禿げてないようですね。 不幸だわ・・・」
提督 「なんで不幸!? かろうじてまだ大丈夫だよ。 未来は分からんけどな」
扶桑 「・・・山城。 提督のお耳、ちょっと汚れてるみたい。 耳かきをしてさしあげたいのだけれど・・・」 ジーッ
山城 「そうですね姉さま。 はいどうぞ、耳かき棒です。 姉さまプロ並みのお手前ですものね。 不幸だわ・・・」 サッ
提督 「お、マジ? 耳かきしてくれるの? ありがてえ。 ここは天国か・・・」
カリカリ・・・ カリカリ・・・
提督 「ぬぉ・・・ふぅ・・・。 ええのぅ・・・。 この頭蓋に響く音がたまりません・・・」
扶桑 「山城。 提督が気持ちよさそうに目を細めていらっしゃるわ。 なんだか母性本能をくすぐられるわね」 カリカリ・・・
山城 「そうですね姉さま。 動くと危ないですから、提督がじっとしていてくださればいいのですけれど・・・。 不幸だわ・・・」
提督 「あぁ^~最高なんじゃぁ^~・・・」
扶桑 「山城。 わりと大きいのを発見したわ。 いけるかしら? これはちょっと腕の見せ所ね」 コリコリ・・・
山城 「そうですね姉さま。 大きいのが取れると気持ちいいですよね。 取る方も取られる方も。 不幸だわ・・・」
提督 「ぬ゛ぉ゛・・・コリコリ言ってる・・・。 ・・・・・・あのさあ・・・、さっきからなんか、二人のやり取りがパターン化してない?」
扶桑 「山城。 提督が何のこと言ってるのか分かる? 私にはよく分からないわ」 ペリペリ・・・
山城 「そうですね姉さま。 まあ、あの提督ですし、いつものことですよ。 不幸だわ・・・」
提督 「やっぱり会話テンプレじゃねえか! ってか山城、お前の 『不幸だわ』 、完全にただの結び言葉だろ! 無線の 『どうぞ』 と一緒だよ!」
扶桑 「山城。 ちょっと今いいところだから、提督には静かにしてほしいわ」 ペリッ ペリッ
山城 「そうですね姉さま。 提督にも困ったものです。 ツッコミにも場所をわきまえてほしいわね。 不幸だわ・・・」
提督 「あ・・・ハイ。 サーセン・・・」
扶桑 「山城。・・・・・・よし! 取れたわ! まあご立派!」 ゴソッ
山城 「そうですね姉さま。 あら大きい! なんだか嬉しいですね。 ちょっと小高いところへ飾っておきましょう。 不幸だわ・・・」
提督 「お゛ぅ゛っ・・・ふぅ・・・。 ってやめろ飾んな! 」
扶桑 「山城。 あと梵天で細かいの取ったら、右耳は終わりね」 ボソボソ・・・
山城 「そうですね姉さま。 これで提督も少しは聞く耳を持って下さればよいのだけれど・・・。 不幸だわ・・・」
提督 「ねえ二人とも、俺ちゃんとお前らと会話できてる? 俺ちょっと不安なんだけど・・・。 あと山城、何気に毒吐くな」
扶桑 「山城。 ・・・・・・ふ~~~~っ」
提督 「うひゃいっ!? 扶桑、なんで耳フーする前に山城のこと呼んだ!? 完全に不意突かれたわ!」
山城 「そうですね姉さま。 ・・・・・・・・・・・・。 不幸だわ・・・」
提督 「何もないんかい! 頑なにテンプレ守ろうとすんなよ!」
扶桑 「山城。 私が提督を独占するのも悪いから、左耳はあなたにお任せしようと思うのだけれど、いいかしら?」
山城 「そうですね姉さま。 どんなことであれ、姉さまと分け合えることが山城の喜びです。 不幸だわ・・・」
提督 「ねえお願い・・・。 ぼくとお話しして・・・」 シクシク
山城 「さあ、提督。 今度は私がお相手いたします。 こっちへいらしてください」 ポンポン
提督 「! 山城が普通に喋ってくれた!! やった! 俺は抜け出せたんだ!! あの不幸姉妹コントの謎空間から!」
扶桑 「? 何をおっしゃっているのかしら? 提督は・・・」
提督 「まあまあいいじゃないか♪ んじゃ失礼します」
ポスッ
提督 「デュフフッ。 山城も扶桑に負けず劣らずのふんわり膝枕。 あとやっぱ二人とも匂い似てんね。 落ち着くわ~・・・」
山城 「姉さま。 提督の左耳も結構溜まってるみたい。 不幸だわ・・・」 ジーッ
扶桑 「そうね山城。 やりがいがあって楽しいと思うわ」
提督 「・・・あれ? おかしいな・・・。 この会話の流れ、ついさっき聞いたぞ・・・」
山城 「姉さま。 まずは浅いところから、焦らすようにするほうがいいんでしょうか? 不幸だわ・・・」 カリ・・・ カリ・・・
扶桑 「そうね山城。 そのほうが提督を手玉に取ってる感じがして楽しいと思うわ」
提督 「やっぱこれさっきのテンプレだ!! 話す順番入れ替わっただけじゃん!」
山城 「姉さま。 この耳の上のくぼみもほじってみたほうがいいかしら? 不幸だわ・・・」 コリコリ・・・
扶桑 「そうね山城。 意外とそこも気持ちいいらしいわ」
提督 「ちくしょうまただ! ループから抜け出せたと思ったのに台無しだ! この耳かきはまるで俺の人生だ!! 誰も俺を愛さない・・・・・・」
山城 「姉さま。 そろそろ奥参ります。 提督が動かないでいてくれると助かるのだけれど・・・。 不幸だわ・・・」 カリカリ・・・
扶桑 「そうね山城。 安心なさいな。 提督はあなたのふとももに囚われて動けないようだから」
提督 「あぅ・・・。 ねえ君たち、会話のキャッチボールって知ってる? 俺、さっきから姉妹のキャッチボールを眺めてるだけなんですけど・・・」
山城 「姉さま。 こっちの耳にもいいサイズのがありました。 山城、本気でかからせて頂きます。 不幸だわ・・・」 ペリペリ・・・
扶桑 「そうね山城。 逆に押し込んじゃわないように慎重になさいな」
提督 「おぅふ・・・。 ほら俺もグローブしてるよ? 三人いるんだからトライアングル作ろ? ヘイパス! ヘイパース!」
山城 「姉さま。 今いいところに引っかかりそうで引っかからないわ。 不幸だわ・・・」 カリッ カリッ
扶桑 「そうね山城。 焦っちゃダメよ。 手が震えるようなら、一旦耳から離してプラプラさせるといいわ」
提督 「ぬ・・・ぐ・・・。 ・・・俺、もしかして嫌われてる?」
山城 「姉さま。 ・・・主砲、よく狙って・・・捉えました! ほら、姉さま。見てくださいこの首級(しるし)を! 不幸だわ!」 ズルリ
扶桑 「そうね山城。 さすがは私の妹よ。 圧倒的火力で敵の旗艦を沈めたわ。 さあ、まだ残敵掃討が残ってるわよ」
提督 「んほぉっ・・・ (ビクンビクン) っ! ・・・・・・あの・・・ボク、何かしましたか・・・?」
山城 「・・・姉さま。 私が思うに、提督は何もしていないと思います。 不幸だわ・・・」 ボワボワ・・・
扶桑 「そうね山城。 私達は文字通り、何もされていないわ。 なにしろ、伊勢と日向よりも出撃のお誘いが少ないものね・・・」
提督 「・・・えっ? ちょっと待って! それが理由でその態度なの!?」
山城 「姉さま。 やっと気づいていただけたようですね。 不幸だわ・・・」 フキフキ
扶桑 「そうね山城。 私達せっかく改二になったのに、軽んじられているようで悲しいわ・・・」
提督 「誤解だから! 全然軽んじてないから! ・・・っていうかお二人さん、ついさっきまでそんなそぶり全く見えなかったんだけど・・・」
山城 「姉さま。 実はつい先ほどの提督の反省ムードに乗っかってみただけだとバレてしまいそうです・・・。 不幸だわ・・・」
扶桑 「そうね山城。 ちょっと悪ノリしてみただけなのだけれど、なんか提督が勝手に思い直してくれるのなら結果オーライだと思うわ」
提督 「ぶっちゃけすぎだろお前ら・・・。 言っとくけど、出番が少ないのは出撃がたまたま偏っただけだからな。 引き受けた任務の都合ってだけだから」
山城 「姉さま。 私達やっぱり、出番ないのかしら・・・? 欠陥戦艦なのかしら・・・? 不幸だわ・・・」 ズーン・・・
扶桑 「そうね山城。 私達、高火力だけが取り柄なのに・・・。 主砲が泣いてるわ・・・」 ズーン・・・
提督 「あ~もうわかったよ! 今度お前らが中心になりそうな任務受けてきてやる! 忙しくなるぞ。 覚悟しろよ!」
山城 「姉さま。 忙しくなりそうですって。 不幸だわ・・・!」 キラキラ
扶桑 「そうね山城。 今度こそ扶桑型の力、認めさせてあげましょう。 弾薬庫がムズムズするわ・・・」 キラキラ
提督 「はぁ・・・お前らの力なんて元から認めてるっつの・・・。 んで、そろそろ普通に会話してくれまいか?」
山城 「・・・姉さま。 こうなった以上、提督に何かお礼を差し上げなくてはいけないと思うのですけれど・・・。 不幸だわ・・・」
扶桑 「・・・そうね山城。 何がいいかしら?」
提督 「いやいや、この耳かきで十分ですって。 あとそのテンプレ会話を取っ払っていただけたら万々歳」
山城 「姉さま。 困りました・・・。 提督にあげられるようなものといったら、ひとつくらいしか思いつきません。 不幸だわ・・・ (////)」 ガシッ
扶桑 「そうね山城。 差し上げられるものといったら、この身ひとつくらいよね・・・ (////)」 ジリッ
提督 「待って! 俺今ただの休憩中だから! 執務室に戻ったら残務と再戦だから!」
山城 「姉さま。 提督のスケジュールを失念していたわ。 このあと大変そう。 不幸だわ・・・ (////)」 ギュッ
扶桑 「そうね山城。 今日は遅くまでお手伝いする羽目になりそうね。 不幸だわ・・・ (////)」 カチャカチャ・・・
提督 「ふ、不幸だぁ~~~~!!」
――――――――――――――――
利根 「とうまー! とうまー!」
筑摩 「利根姉さん、筑摩です・・・。 妹の名前間違えないで下さい・・・」
提督 「よう! 伊勢、日向。 最近どうよ?」
日向 「瑞雲」
提督 「え?」
伊勢 「あらごきげんよう提督。 こっちは元気よ。 日向も 『ああ、悪くない』 だって」
提督 「・・・そ、そうか」
ヌッ
提督 「ん? どうした日向。 ・・・ってか顔近い近い!」 オドオド
日向 「・・・・・・晴嵐」
提督 「???」
伊勢 「提督、日向はこう言ってるわ。『先日、扶桑姉妹のハニートラップにかかって、便宜を図ってやったそうだな』 ・・・と」
提督 「翻訳内容長いな! ハニートラップて・・・。 耳かきしてもらっただけだぞ」
日向 「瑞雲!」
伊勢 「『耳かきのことも、そのあとしっぽりのことも、本人達がしっかり自慢して回っていたぞ。 このスケコマシ!』 ・・・だそうよ」
提督 「何言いふらしてんだあいつら! どおりで最近、秘書艦の娘らが気楽に休憩させてくれないと思った・・・」
日向 「瑞雲」
伊勢 「『収賄どころか、女の身体で任務を捻じ曲げるとは、軍人として情けない。 恥を知れお●んぽ野郎!』 ・・・と言ってるわ」
提督 「ねえその翻訳本当に合ってるの!?」
日向 「・・・晴嵐 (////)」
伊勢 「『・・・ところでその手、私でも使えるだろうか? いや、迫るなら伊勢のほうが適任だな』 ・・・と言ってるわ (////)」
日向 「瑞雲!?」 ブンブン
提督 「お前が軍人としてブレブレじゃねえか! あと後半絶対伊勢が付け足しただろ!」
伊勢 「バレたか。 てへっ☆」
提督 「(かわいい) だいたい捻じ曲げるってほどのもんじゃねえよ。 いつか誰かがやらなきゃけない任務を、ウチが受け持って前倒ししただけだ」
日向 「瑞雲」
提督 「・・・ねえ、いい加減その日向式暗号使うのやめてくんない?」
日向 「・・・まあ、そうなるな」
伊勢 「『Exactly.』 ・・・そう言ってるわ」
提督 「言われんでも分かるわ! お前の翻訳ガバガバやな。 伊勢以外の通訳者おらんのか?」
日向 「おかしいな・・・。 日向式暗号は瑞雲を崇拝する者なら誰でも理解できるはずなのだが・・・」
提督 「なにそれ怖い・・・。 ごめん、俺はそっち側じゃないみたいだ。 っていうかそれ暗号の存在意義として間違ってない?」
日向 「問題ない。 瑞雲を愛する者に悪人はいないからな」
提督 「あ、そすか・・・」
伊勢 「提督、それでその・・・『提督を接待すればワガママを聞いてくれる』 って噂が、鎮守府内でまことしやかに囁かれてるんだけど・・・」
提督 「あの不幸姉妹、あとで折檻してやる・・・! すぐにその噂の火消しにかかるぞ! 全力だ!!」
日向 「提督、耳かきでよければ私がしてやるぞ。 私の瑞雲なら隅々まで一網打尽にできる」
提督 「意味わかんねえよ! 怖い想像しちゃったじゃねえか!」
日向 「もちろん、私自身の腕もかなりのものだ。 常日頃から瑞雲を膝枕して耳かきしてやっているからな」
提督 「耳どこだよ!? それただのメンテだろ?」
日向 「あとはその・・・夜の方も、瑞雲と・・・ (////)」
提督 「もういい! もうしゃべんな日向! どんどん悪い方向へ向かってるぞ!」
伊勢 「提督ー。 私ももっと出番欲しいなー。 チラッ チラッ♪」
提督 「カタパルトずらして何をしとるんだお前は・・・。 懐柔はされません。 賄賂もハニトラも無駄です」
伊勢 「え~!? 嘘つきー! 扶桑型びいき~!」
提督 「アホ! 扶桑姉妹は本当に最近活躍の場が少なかったから融通しただけだ。 お前らついこの前大仕事終えたばっかじゃねえか!」
日向 「ああ。 あれは悪くなかった」
提督 「だいたいお前らってそんな戦果争いするような仲なの? あんまギスギスしたのやめてほしいんだけど・・・」
伊勢 「え? 仲は良いわよ。よく伊勢型と扶桑型の4人で 『航空戦艦あるある』 とかで盛り上がってるわ」
提督 「お、そうか。 よかった・・・」 ホッ
日向 「戦果であろうと何だろうと、競い合うほうが楽しいだろう? 武勇伝の交わし合いも良い酒の肴になるしな」
提督 「あ、そういう体育会系のノリなのね・・・」
伊勢 「でもいいなー扶桑達。 私達も早く改二になりたい」
提督 「まーこればっかりは授かりもんだからな。 気長に待とう」
伊勢 「そんな子作りみたいに・・・。 なんとか大本営に掛け合ってもらったりできないの?」
提督 「無茶言うなよ・・・。 でもそうだな・・・まずは俺達にできることからやっていこう」
日向 「なにっ!? 改二実装のために私達にできることがあるのか!?」
提督 「あるぞ。 まず、お前らは見た目が地味で印象薄い。 最初は形から入っていこう」
伊勢 「・・・ちょっと待って。 地味って言われたのは後で追求するとして、見た目で何か影響が・・・?」
提督 「もちろんあるぞ。 『扶桑型テラカワユスwwwよーしパパ改造しちゃうぞ~♪』 って感じで決めてるに違いない大本営は」
日向 「よし。 大本営を爆破してくる」
提督 「ごめん冗談だから落ち着いて! でもせっかくだからこのネタに付き合って!」
伊勢 「結局提督のお遊びに付き合うだけじゃない・・・。 で、私達が地味だって?」
提督 「うむ・・・。 艤装の方は問題ない。 厳(いかめ)しくて特徴あると思う。 問題は本体装甲の方だな」
伊勢 「え? ダメかな? 巫女装束と見せかけて袴部分が短いスカートっていう、わりと特徴ある意匠なんだけど・・・」
提督 「う~ん・・・。 スカートが朽葉色(くちばいろ)でなんか地味。 髪や艤装の色と相まって、全体的にくすんだトーンで落ち着きすぎてるんだよなあ・・・」
日向 「これはもともと甲板の色だ。 ちゃんと意味がある」
提督 「セピア姉妹・・・」 ボソッ
伊勢 「ちょっと! 聞き捨てならないわその呼び名! ほらよく見なさい。 さり気なく散りばめられた赤がいいアクセントになってるでしょ?」
提督 「うーん足りない・・・。 ここは伊勢神宮にあやかって、もっとめでたいくらい紅白色を・・・」
伊勢 「それじゃ扶桑姉妹になっちゃう! あと、お伊勢様は朱塗りとか紅白模様とか比較的少ないわよ」
提督 「むぅ、そうか・・・。 あと残ることと言ったら、もうちょっとこう・・・色気を・・・」
日向 「脱げばいいのか?」
提督 「うんっ!」 キラーン
伊勢 「すっごい良い笑顔でバカ言わないの! 日向、安易な露出は危険よ。 もう既に痴女ギリギリの娘もいるわ」
提督 「お前もなかなか言うねえ・・・。 でもこれだけは言わせてくれ。 お前ら胸部装甲が鉄壁すぎると思う。 服の上の形すら分からん」
伊勢 「また胸の話? 提督っておっぱい好きよね」
提督 「おっぱいが嫌いな男子なんかいません! いいか、二航戦を見習えお前ら。 飛行甲板を乳の下に添える勇気!」
日向 「なぜどいつもこいつも人体の急所たる胸部を晒したがるのか・・・」
提督 「いきなりそこだけ現実的になるなよ・・・」
提督 「んーダメだ! 外見は後回し! 続いてキャラ付けの方だ!」
伊勢 「ぶん投げたわね・・・。 キャラ付けって性格のこと? そっちもやるの?」 ハァ・・・
提督 「これはお前の問題だぞ伊勢」
伊勢 「えっ、私?」
提督 「ああ。 日向の方は問題ない。 見ての通りの瑞雲バカだ。 キャラ立ってる。 あと 『まあ、そうなるな』 だけでもあと3年食っていける」
日向 「まあ、そうなるな」
伊勢 「どんな基準よ・・・」
提督 「残るはタイガーショットまで習得すれば完璧だ」
日向 「ん? ああ、提督に借りたあのマンガか。 試してみたが、コンクリの壁にヒビが入る前にボールが破裂したぞ」
提督 「やったんかい・・・」
日向 「やはりマンガで得た知識はダメだな。 今度サッカー公式のボールを砲丸にするよう掛け合ってくれ」
提督 「誰もやんねえよそんな殺人サッカー!」
伊勢 「日向は自由よね・・・」
提督 「だろ? それに比べて伊勢、何だお前は!? 普通にいい娘! ザ・プレーングッディ!」
伊勢 「いいじゃないの! なんで私いい娘でダメ出しされてるのよ!」
提督 「特徴なさすぎるんだよ!」
日向 「しかし提督、世の中には 『普通』 がアイデンティティのキャラもいると聞くぞ。 ウチの吹雪とか・・・」
提督 「アレはメインヒロインっぽいポジションだから許されるの! 他の娘がやったらただのモブ!」
伊勢 「もっ、モブ!?」 ガーン
提督 「もっとなんか特徴出せ特徴!」
伊勢 「くっ・・・。 う~ん・・・、主砲・・・は、改装してから八門に減っちゃってるから・・・、やっぱりカタパルト?」
提督 「それだ!!」
伊勢 「えっ?」
提督 「カタパルトを使って、こう・・・う~んと・・・。 ・・・が、楽器にするとか?」
日向 「打楽器か弦楽器か、それが問題だ」
伊勢 「鳴らないわよ!」
提督 「ダメか・・・。 じゃあアレだ! 万能調理器具にしよう! さすらいの料理人が背負う中華鍋的なやつ!」
日向 「ふむ。 まな板代わりにはなるだろうし、上手く火が通れば石焼きに使うという手も・・・」
提督 「今度試しに焼肉やってみよう。 案外遠赤外線でいい感じに焼けるかもしれん」
伊勢 「嫌よ! 焼肉の匂いが落ちなくなったらどうするのよ!?」
提督 「むう、ダメか・・・。 ・・・そう言えば今思い出したんだが、目玉焼きも作れるまな板甲板については既にエキスパートがいたな・・・」
日向 「そうだな。 カタパルトは諦めよう。 相手が悪い」
伊勢 「・・・あんまり言うと式神が飛んでくるわよ」
提督 「くそう・・・何かないのか・・・? 伊勢・・・伊勢神宮・・・赤福!」
伊勢 「赤福? 確かに名物だけど・・・」
提督 「今日から伊勢は大の赤福好きということにしよう。 いつも懐に忍ばせて、ことあるごとに取り出して食べたり相手にあげたりするのだ」
伊勢 「仕方ない、特別な赤福をやろう・・・ってなるかっ!」
提督 「あと、赤福アローを手に、撃って当たったものを全て赤福に変えるのだ。 なんという独創性! 強烈にキャラ立ってる!」
日向 「そういうキャラもういるぞ。 ご当地キャラだが、今や全国区でゲーム実況したりする有名人だ」
提督 「マジで!? 日本頭おかしい・・・」
伊勢 「あの・・・あんまり私で遊ばないでくれる? だいたい私弓使わないし・・・」
日向 「ならば刀ならどうだ? 佩刀(はいとう)する娘は少ない。 私達の他は天龍、龍田、木曾くらいだ。 おまけに由緒正しき海軍刀だぞ」
提督 「う~ん・・・。 気になってたんだけどさ、そのゴツい艤装でホントに刀振り回せるの? なんかお互いの良いとこスポイルしてない?」
日向 「君、言ってはならんことを・・・」
提督 「ぶっちゃけそれさ、武装じゃなくて儀仗扱い―――」
伊勢 「はいこの話題やめやめ! 他を探しましょ!」
提督 「そ、そうだな! 他か・・・他に何かないのか・・・? 伊勢・・・伊勢海老!! そうだ! 伊勢のポニーテールを伊勢海老にしよう!」
伊勢 「生臭いわよ馬鹿!」
提督 「蟹飼ってる娘もいるし、へーきへーき」
日向 「流石に伊勢海老ほどの大きさが髪のパーツになっているとなると、話が違ってくると思うのだが・・・」
提督 「これもボツかぁ~・・・。 ちぇ~残念・・・」 グデー
伊勢 「めっちゃダレてる!? 残念なのはこっちよ!」
提督 「・・・あ、そろそろ良い時間だぞ。 出撃頑張ってな」
日向 「もうそんな時間か。 ああ、いい暇つぶしになった。 お礼に勝利を約束しよう」
伊勢 「私の改造案、暇つぶしだったの!?」
提督 「ふぶきー。 ふぶきー」
吹雪 「はいっ! なんですか司令官!?」
提督 「今日の昼何食った?」
吹雪 「日替わり定食のメンチカツです。 おいしかったです!」
提督 「普通だなー」
吹雪 「普通ですよー」
・・・カリカリ・・・ ・・・カリカリ・・・
提督 「ふぶきー。 ふぶきー」
吹雪 「はい! どうしました司令官?」
提督 「さっきの演習の紅白戦の結果どうだった?」
吹雪 「1勝1敗1分けです。 上手くチーム分けできたので、みんな全力を出して健闘できたみたいですよ」
提督 「普通に上々だなー」
吹雪 「普通に上々ですねー」
・・・カリカリ・・・ ・・・カリカリ・・・
提督 「ふぶきー。 ふぶきー」
吹雪 「はーい! お呼びですか司令官?」
提督 「この海域の哨戒なんだけど、どんな感じ?」
吹雪 「えっと・・・、直近の1週間ですと、遭遇戦が4回。 敵ははぐれの小物ばかりで、計15隻撃沈してます。 こちらは悪くても小破止まりです」
提督 「普通に平和だなー」
吹雪 「普通に平和ですねー」
・・・カリカリ・・・ ・・・カリカリ・・・
提督 「ふぶきー。 ふぶきー」
吹雪 「はいはい。 司令官」
提督 「今日のおやつ何がいい?」
吹雪 「『本日のおすすめ』 は確か、豆大福ですよ。 私、ついいつもおすすめ頼んじゃうんですけど、外したことないです」
提督 「普通にうまそうだなー」
吹雪 「普通においしそうですよねー」
・・・カリカリ・・・ ・・・カリカリ・・・
提督 「ふぶきー。 ふぶきー」
吹雪 「はいはーい! なんですにゃ司令官?」
提督 「あのさ、なんで俺が今お前とこんなとりとめのない会話してるのか分かる?」
吹雪 「私が今日の秘書艦だからじゃないんですか?」
提督 「普通の答えだなー・・・。 50点」
吹雪 「普通の答えでしたかー・・・。 残りの50点は何ですか?」
提督 「実を言うとだな、次のエピソードでひとまず締めるから、その前に箸休め的なものを挟みたかったんだ」
吹雪 「? よくわかりませんけど、私、箸休め的なポジションなんですか?」
提督 「うん。 いい意味で。 吹雪と話すと普通にホッとするし、一緒にいると普通に落ち着く」
吹雪 「あ、それはなんだか普通に嬉しいです」
提督 「アットホームな職場です」
吹雪 「それブラックですよ?」
・・・カリカリ・・・ ・・・カリカリ・・・
提督 「ふぶきー。 ふぶきー」
吹雪 「はいっ! しまむら吹雪、がんばりますっ!」
提督 「さっきチラッとパンツ見えたぞ」
吹雪 「えっ? やだっ!? (バッ) ・・・もー・・・司令官のえっち! (////)」
提督 「普通の反応だな。 普通すぎて逆に震えが来るくらい新鮮・・・」 ブルッ
吹雪 「どうせ普通ですよーだ! ふーんだ! (////)」 プイッ
提督 「・・・やべえなこれ・・・教科書に載せたい」
・・・カリカリ・・・ ・・・カリカリ・・・
提督 「ふぶきー。 ふぶきー」
吹雪 「はぁい司令官。 あなたの吹雪ですよぉ」
提督 「今夜、どう?」 ジッ
吹雪 「どうって何が・・・・・・あっ! (////)」 カァァッ
提督 「冗談冗談♪ 吹雪は普通にいい反応するよなー」
吹雪 「も、もうっ・・・。 これ立派なセクハラですよっ! 私なら冗談で済みますけど、普通は完全にアウトですからねっ! (////)」
提督 「ははっ、ごめんごめん。 吹雪が普通にかわいかったからさ、ついからかってみただけだよ」
・・・カリカリ・・・ ・・・カリカリ・・・
・・・スススッ ・・・キュッ
吹雪 「・・・司令官。 司令官」
提督 「はいよ。 吹雪、なんぞなもし?」
吹雪 「・・・・・・あ、あの・・・私なら、普通に・・・その・・・今夜、いいですよ・・・・・・?」
提督 「・・・・・・おかしいな・・・。 この展開は普通じゃない・・・」
吹雪 「普通ですよ」
提督 「普通か?」
吹雪 「はい 。 恋人同士なら普通です」 ジッ
提督 「それもそうか・・・あ違う。 俺と吹雪は恋人同士じゃない。 おーけー?」
吹雪 「バレちゃいましたか。 てへっ☆」
提督 「こやつめ、ハハハ・・・ (あっぶねえ・・・。 なんか普通に雰囲気に飲まれるとこだった・・・)」
吹雪 「ちぇー残念・・・。 ・・・まあでも、別に恋人同士じゃなくたっていいじゃないですか。 司令官と私なら普通のことですよ」
提督 「う・・・。 それを言われると弱いな・・・」
吹雪 「・・・・・・司令官」
提督 「ん?」
吹雪 「私達、こんなふうにずっと普通に暮らしていけたら、素敵だと思いません?」
提督 「・・・ん、そうだな。 それはなんだか、普通に素敵だな」
吹雪 「はいっ! 普通に素敵ですっ♪」 ニコッ
提督 「・・・・・・」
提督 (・・・なんだろう・・・? 今、少しだけ、何かが怖くなった・・・)
提督 「ようこそおいでくださいました。 前提督」
前提督 「すまんの押しかけて。 ああ、そんな畏まらんでええよ」
提督 「奥様もようこそいらっしゃいました。 ご無沙汰しております」
前提督妻 「お久しぶりね提督さん。 お元気そうで何よりだわ」
提督 「積もる話もありますし、応接室でのんびりとお茶にいたしましょう」
前提督 「提督や、なんぞぎこちないの。 前はもっと砕けとったろ?」
提督 「その・・・久しぶりですので、加減が・・・・・・」
前提督 「『よっ、じいさん、久しぶり!』 りぴーとあふたーみー」
提督 「・・・(コホン) ・・・よっ、じいさん、久しぶり!」
前提督 「貴様上官を愚弄するか!」
提督 「自分で言えっつったろ退役軍人(ベテラン)!」
前提督 「よし。 その調子じゃ!」
提督 「ちぇー・・・。 また俺遊ばれるんですかねぇ~・・・」
前提督 「まだまだっちゅうこっちゃ」
前提督妻 「『おいくそばばあ!』 りぴーとあふたーみー」
提督 「言いませんよ!!」
・・・ ・・・ ・・・
提督 「・・・で、いかがですか? ご隠居生活は」
前提督 「おう、実はの、やりたいことが多すぎで大忙しじゃ」
提督 「へぇ・・・。 何かご趣味でも始められたんですか?」
前提督 「うむ。 いろいろやっとるぞ。 いろいろ。 たとえば、り―――」
前提督妻 「料理を急に初めて、焦げた目玉焼きを食べさせられたわ」
前提督 「・・・・・・他にも、に―――」
前提督妻 「庭いじりと称して、私のガーベラを引っこ抜かれたわ」
前提督 「・・・・・・あと―――」
前提督妻 「時限爆弾づくりと称して、自作の時限信管に軍から横流ししてもらったC4を―――」
前提督 「すたっぷ!」
提督 「・・・最後のは聞かなかったことにしときます・・・」
・・・ ・・・ ・・・
提督 「じいさんの元部下の娘達、全員まだここにいますよ」
前提督 「ほう・・・。 一人も出て行かんかったか」
提督 「ええ。 後で会ってやってくださいね。 絶対みんな喜びますから」
前提督 「よし。 ええ転職先を斡旋しといてやろう」
提督 「引き抜かないでください!」
前提督 「まあ、あの娘らのことはよう知っとる。 電話も手紙もちょくちょく来よるしな」
提督 「手紙て・・・。 ネット電話とかSNSとかじゃなんですか?」
前提督 「儂は使えるが、苦手な娘らも多い。 ええ加減現代に慣れてほしいもんじゃが・・・」
提督 「まあ、古風なのも趣があっていいもんですよね。 手紙なら形に残りますし・・・」
前提督妻 「なぜか私もちょくちょく相談に乗ってるわよ。 私ただのおばあちゃんなのに・・・。 若いっていいわね」
提督 「ははは、慕われてるんですよ」
前提督 「ちなみに、内容の大部分はお前への愚痴じゃ」
提督 「うぇっ!?」
前提督妻 「ふふ・・・。 他愛ない 『女子とーく』 だから気にしなくていいわよ。 ちゃんとした愚痴は全部貴方のところに直接行ってると思うわ」
提督 「はぁ・・・まぁ、そうだといいのですが・・・」
前提督妻 「いい娘たちね。 みんな活き活きとしてるのが伝わってくるわ。 もうちょっと自信持ちなさいな」
提督 「畏れ入ります・・・。 あそうだ。 確かこの前、赤城と加賀がそちらへお邪魔しましたよね。 ご迷惑おかけしませんでしたか?」
前提督 「・・・あいつらは二度と呼ばん」
前提督妻 「あら、いいじゃない♪ 気持ちいい食べっぷりで見てて楽しかったわ♪」
提督 「・・・ここをお立ちになる際には、お土産を沢山ご用意させて頂きます・・・」
前提督 「まあそんなわけでな、手紙やら何やらで、あの娘らが今どんな生活しとるのかも一通り把握しとる」
提督 「そう、ですか」
前提督 「・・・・・・もちろん、提督、お前との関係もな」
提督 「!」
ザッ ダン
前提督 「おー・・・。 おまえ、見てみい。 見事な土下座じゃ。 素早かったなー。 しかも無言」
前提督妻 「えっ? あっ、ちょっと、どうしましょあなた・・・?」 オロオロ
提督 「・・・・・・」
前提督 「・・・とりあえず、土下座の意味を問うていいかの?」
提督 「お詫びです。 私という個人から、前提督という個人に対しての・・・」
前提督 「・・・ 『個人』 ときたか・・・」
提督 「貴方から託して頂いた艦娘達を、汚(けが)しました」
前提督 「ふむ・・・」
提督 「・・・・・・」
前提督 「では、『提督』 として、その件に関して詫びることはあるか?」
提督 「・・・いいえ、ありません」
前提督 「ほう・・・」
提督 「・・・・・・」
前提督 「まずはその 『提督』 としての申し開きを聞こう。 顔を上げい! 目を見て話せ!」
バッ
提督 「私は、その行為が、彼女達にとって必要なことであると信じています」
前提督 「・・・・・・続けい」
提督 「あの娘らは・・・艦娘達は、護国の要。 人類に残された、唯一つの希望です」
提督 「我々人類は、彼女達を信じて、戦場に送り出すことしか出来ない」
提督 「私の 『提督』 としての最大の職務は、彼女達を心技体すべて充実した状態で、適した戦場へ送り届けることです」
提督 「彼女達と関係を持つことで、多少なりともそれが叶うのであれば、私は倫理を捨て、外道になることも恥と思いません!」
前提督 「・・・つまり貴様は、戦況のために、あの娘らを抱いておると?」
提督 「はい」
前提督 「仕事として、イヤイヤ抱いておると?」
提督 「いいえ! 身に余る光栄と思っております!」
前提督 「正直な奴じゃの・・・」
提督 「・・・・・・」
前提督 「・・・提督」
提督 「はい」
前提督 「立てい!」
提督 「はい!」
バッ
前提督 「目ぇ瞑って歯ぁ食いしばれぃ!」
提督 「はいっ!」
ギュッ・・・・・・
・・・・・・ベチン
提督 「・・・・っえ? デコピン・・・ですか・・・?」
前提督 「ほんに変なところで固いやっちゃな~」 プラプラ
提督 「えっと・・・」
前提督 「なんじゃ? 自分では悪いと思っとらんのじゃろ? なんで儂に殴られにゃならん?」
提督 「それは・・・そうですけど・・・・・・」
前提督 「だいたい、儂はとっくにお前に全て託して退いた身じゃぞ。 提督様に意見できるはずもなかろう」
提督 「それはちょっと・・・嫌味っぽいかと・・・」
前提督 「ところで、最初の 『個人』 としてのお詫びっちゅうのはなんじゃ?」
提督 「その・・・前提督に思慕を寄せている娘達の、想いを踏みにじってしまったと思いまして・・・」
前提督 「ふはははは! アホじゃな貴様。 なあおまえ、面白いだろこやつ」 ペシペシ
前提督妻 「・・・そう? 私はあんまり面白くないわね・・・」 ギューー
前提督 「いたたたた! ・・・すまん提督よ。 儂の家内は思った以上に女だったようじゃ・・・」
提督 「・・・・・・」
前提督 「とりえずおまえは黙って聞いといてくれ。 なっ?」
前提督妻 「はいはい。 男同士の話ですねー・・・」 ツーン
前提督 「ふぅ・・・。 ・・・さて、と、提督よ」
提督 「はい」
前提督 「まず、お前は大きな誤解をしとる。 お前はあの娘らを儂から託されたと思ってるようじゃが、あの娘らは元から自由の身じゃ」
提督 「・・・と、言いますと?」
前提督 「あの娘らは自分の意志でここを離れることも、引退することも、どこかに自分を売り込むこともできる。 そうするため知恵とコネは与えた」
提督 「・・・・・・」
前提督 「あと、命令を体よく無視する方法と、上官の寝首をかく方法も教えてある」
提督 「おい」
前提督 「それでもここに残っとるっちゅうことは、お前を認めとるっちゅうことでもある。 お前のそのやり方も含めてな」
提督 「・・・じいさんとの思い出が詰まってて、ここを離れがたいってことも・・・」
前提督 「そんな未練たらしい娘はおらんよ。 女っちゅうのはな、縁の切れた相手には冷たいぞ」
前提督妻 「オホン・・・」
前提督 「・・・・・・ (ヒソヒソ) あとアレじゃ、艦娘と関係を持つことに関しても、そんなに小難しく考えんでええ」
提督 「えぇ? でも・・・」
前提督 「儂もいろんな提督を見てきとるからな。 一人と事実婚状態の奴もおれば、そもそも女として見るなどありえんという奴もおる」
前提督 「セクハラして嫌われる奴もおれば、口説いてとっかえひっかえするジゴロもおる。 お前のようにな」
提督 「俺、自分からは手出してないっすよ!」
前提督 「知っとる。 愚痴筆頭がそれじゃ」
提督 「う・・・・・・」
前提督 「そもそもな、嫌なら平然と爆撃かますようなしたたかな娘らじゃぞ。 お前は慕われとるよ。 今も手足ついとるし。 わはは」
提督 「笑えないです・・・」
前提督 「お前の戦績はずっと見させてもらっとる。 まずまずといったところじゃ」
提督 「そこは・・・申し訳ないです・・・。 やっぱりじいさんのようにはいきません」
前提督 「いやいや、よくやっとるよ。 これなら誰もお前のやり方に文句は言わん。 お前は艦娘達と信頼を築けとる。 もっと胸を張れ」
提督 「・・・はい」
前提督 「土下座どころか、ふんぞり返って 『俺のやり方にケチ付けるな』 くらい言って欲しかったのう。 一国一城のハーレム王として」
提督 「俺どんなキャラですか・・・」
前提督 「だいたい儂に土下座とか意味分からんわ。 なんじゃ? 『抱いてすまん』 とでも言いたかったんか? 儂に言ってどうする?」
提督 「しかし・・・彼女らは、じいさんが育てて、じいさんのことを長い間慕ってきた娘達です。 どうにも負い目が・・・」
前提督 「ばかもんが! それこそあの娘ら自身が決めることじゃ。 『儂のもんだから手を出すな』 などと言われるとでも思うたか?」
提督 「それは・・・」
前提督 「・・・提督よ。 正直に言うとな、儂はお前に感謝しとる。 儂があの娘らに与えてやれんかったもんを、お前は与えとるからな」
提督 「・・・・・・」
前提督 「・・・クソッタレ人類に使い潰される哀れな娘らじゃ。 ほんの少しでも、仮初めでもええ。 報われてほしいと思っとるよ・・・」
提督 「じいさん・・・」
前提督 「・・・ありがとうな。 これからも、儂の 『元』 娘らを、宜しく頼む」
提督 「・・・・・・はいっ!」
前提督 「・・・それで、あの娘らを食いまくった感想はどうじゃ?」
提督 「おいじじい」
前提督 「いやはや羨ましいのう・・・。 儂もあと30年・・・いや20年若ければ・・・」
提督 「いろいろ台無しだよ!」
ポンッ
前提督妻 「ちょっと、いいかしら?」 ゴゴゴゴゴ・・・
前提督 「ひゅいっ!?」
提督 (・・・離れてよう・・・)
前提督妻 「・・・説教の残りは、帰ったらみっちりとしますからね!」
前提督 「・・・はい・・・ すんまそん・・・」
提督 「奥さん。 差し出がましいようですが、若輩者から一言申し上げさせてください」
前提督妻 「ん? なあに?」
提督 「じいさんは、どの艦娘からも強く慕われていました。 それはもう、子供から大人まで」
前提督妻 「この人、昔っから女ウケだけは良いのよねぇ・・・」 グリグリ
前提督 「やめてやめて・・・」
提督 「ご承知の通り、艦娘達は皆美人ないし美少女です。 正常な男性であれば、迫られると抗い難いほどに・・・」
前提督妻 「まあ、貴方が良い例よね~。 男ってのはどうしてこうも―――」
提督 「それでも、じいさんは奥さんに操を立てておられました」
前提督妻 「・・・・・・」
提督 「同じ男性として言わせて頂けるなら、鋼の意志です。 よほど奥さんへの想いが一途でなければかないません」
前提督妻 「・・・・・・」
提督 「私は前提督のことを、男として尊敬しております」
前提督妻 「・・・・・・ふぅ。 貴方の言い分はわかったわ。 ありがとうね。 うちの旦那のために・・・」
提督 「い、いえ・・・・・・」
前提督妻 「・・・ (本当は勃たなかっただけなんじゃないの?)」
前提督 「・・・ (うっさいわい!)」
前提督妻 「・・・ (・・・ま、あの子に免じて大目に見といてあげるわ。 今度私を旅行に連れてってちょうだい)」
前提督 「・・・ (お、おう・・・)」
・・・ ・・・ ・・・
前提督妻 「私はごく一般的な女性ですからね。 正直なところ、貴方の言う 『はーれむ』 っていうの? 理解できないわ」
提督 「・・・ですよね・・・」
前提督妻 「どなたか一人を選んで添い遂げることは出来ないの? いいものよ」 キュッ
前提督 「・・・・・・」 ポリポリ
提督 「・・・一人を選ぶと、残りの娘達のケアができなくなります」
前提督妻 「ケア・・・ねえ・・・」
提督 「・・・・・・」
前提督妻 「男の艦でもいればよかったのにね・・・」
提督 「ええ。 それは本当に・・・」
前提督妻 「・・・・・・そう・・・。 なんとなくわかったわ。 あの娘達には、貴方のような方が必要なのね・・・」
提督 「はい。 そうでありたいと願っております」
前提督妻 「でも、それは戦う時だけのことよ。 戦いが終わったら、どうなさるの?」
提督 「それは・・・」
前提督妻 「あの娘達はとても純粋だわ。 右も左も分からないようないたいけな少女を虜にして、貴方はどう責任を取られるおつもり?」
提督 「・・・それについては、考えていることがあります・・・。 もしよろしければ、お話を聞いてご意見頂けますか? じいさんも」
前提督妻 「ええ。 うかがいましょう」
前提督 「ん、ええよ」
提督 「戦いが終わったら、私は―――」
――――――――――――――――
前提督 「・・・アホじゃな」
前提督妻 「・・・アホね」
提督 「言うと思いましたよ!」
前提督 「うまくいったらお前、随分と愉快な人生じゃな」
前提督妻 「そう? 私は寂しい人生だと思うけど・・・」
提督 「・・・まあ、自分にできる責任の取り方といったら、そのくらいかと・・・」
前提督妻 「そうね。 貴方はあの娘達のために出来る限りのことをしようとしている。 それが正しいのかどうか私にはわからないけれど、私は応援するわ」
前提督 「儂は何も言わん。 好きなようにやれ」
提督 「ありがとうざいます。 またご相談させてください」
提督 「今日は泊まっていかれるのでしょう? 来賓用の部屋をお使いください。 ご案内します。 場所はご存知でしょうが・・・」
前提督 「勝手知ったる古巣じゃしの」
提督 「あ、古巣ということでしたら、以前の通り提督私室をお使いになりますか?」
前提督 「アホウ。 あの部屋はもうとっくにお前のにゃんにゃん部屋じゃろうが。 客室でええよ」
提督 「はは・・・。 何日でもお好きなだけ泊まっていただいても・・・というか、住んでいただいても構いませんよ?」
前提督 「あのな・・・」
提督 「・・・・・・お二人で、こちらに越してこられませんか? 書類上は何とかします。 できましたら、まだまだ戦術についてのご指導を・・・」
前提督 「・・・・・・提督や」
提督 「・・・はい」
前提督 「甘えんな」
提督 「・・・・・・すみません」
――――――――――――――――
球磨 「あっ、提督クマ! あ間違えた。 元提督のおじいちゃんクマ!」
多摩 「久しぶりにゃおじいちゃん! 現場復帰するにゃ!? 違うにゃ? そうかにゃ・・・」
鳳翔 「前提督、ご無沙汰してます。 奥様も。 お話はうかがってます。 今日は宴会ですよ。 腕によりをかけて作らせて頂きます」
如月 「あっ! おばあちゃん! この前は相談に乗ってくれてありがとう!」
長月 「なにっ!? このお方が如月のご意見番のマダムか! 私も話を聞きたい!」
ワイワイ ガヤガヤ ・・・
・・・ ・・・ ・・・
提督 「・・・・・・・・・・・・提督、か・・・・・・」
――――――――――――――――
前提督 「世話になったの」
提督 「いえ、こちらこそ。 大したおもてなしも出来ませんで・・・」
前提督 「なにを言っとる。 もみくちゃにされたわ・・・」
前提督妻 「本当にみんな元気よねー。 私若返っちゃったわ♪」
提督 「ははは・・・。 是非またお越しください。 一同お待ちしております」
前提督妻 「ええ。 是非」
提督 「それと、たまにご相談に乗ってください。 あの娘達とも、私とも」
前提督 「儂らは相談所かなんかか?」
提督 「・・・相談所、兼、駆け込み寺、兼、密告先です」
前提督 「あの娘らにとってその役割はお前だろうに・・・」
提督 「俺に言いにくいのがそちらへ行くんですよ。 受け皿になって頂けると助かります」
前提督 「まったく・・・。 あんまりこき使わんでくれよ」
提督 「ボケ防止には適度な刺激が良いらしいですよ」
前提督 「ほっほっほ。 言うようになったの」
提督 「ははは・・・。 ・・・・・・・・・・・・」
前提督 「・・・・・・提督」 ポン
提督 「はい」
前提督 「しっかりの」
提督 「はいっ!」
前提督 「ではまたの」
前提督妻 「またね~」
提督 「お達者で!」
・・・ ・・・ ・・・
提督 「・・・・・・・・・・・・」
提督 「ん~~っ! うしっ!」 パンッ
クルッ
提督 「頑張るか! なあ俺の鎮守府!!」 ビシッ
時雨 「――― 僕はキメ顔でそう言った」
提督 「・・・・・・・・・・・・時雨・・・・・・いたの・・・?」
時雨 「うん」 ニッコリ
提督 「・・・・・・・・・・・・見られた・・・・・・」 シクシク・・・
時雨 「よしよし」 ナデナデ
衣笠 「提督の静かな泣き声は、海沿いの広く澄み渡った大空に、遠く遠く、吸い込まれていった・・・・・・」
提督 「お前もいたんかい!」
青葉 「第一部、完!」 パシャ パシャ
提督 「もうやだ!!」
お読みいただき、ありがとうございました
↓続編、あります
http://sstokosokuho.com/ss/read/11365
忠犬あしゃしおw
刺激的とまではいかないけど、ちょうどよい塩梅の楽しさ、気に入ってます。頑張って下さい!
鬼畜淫乱ピンクは酷いw
更新楽しみにしてます
(((o(*゚▽゚*)o)))続きまだ?
描写がない方が色々想像できていい…。
いい…。更新楽しみにしてます!
二航戦に酷いことしたら…みっともなく泣くからな!いい大人が泣くからな!
いろいろな意味で、面白い
期待大です‼
とても読み応えがありました。面白い!
リクエストなのですが、飛龍ちゃんを出さしてください!
何でも島風‼
戻ってまいりました
大変遅まきながら、コメント返しさせて頂きます
>>1 様
朝潮わんこ、ずっと撫で続けてたいです
>>2 ムフロン 様
ありがとうございます!
こんな感じでゆるくやっていきます
>>3 様
ありがとうございます
うっくぅ~、なんも言えねぇ~・・・
>>4 ポテ神提督 様
レス遅れてごめんなさい・・・
どうにか一部完結しました
>>5 カープ優勝!@二航戦提督 様
ありがとうございます
フリですか? フリですね!
>>6 様
お楽しみ頂けて光栄です。 いろいろな意味で
>>7 様
ありがとうございます!
二航戦は何のネタでいじろうか思案中です
う~ん・・・着物・・・おっぱい・・・
天龍ちゃん処女なの?
遠征番長処女なの?
どうして?軽巡の中だとトップ5にはいるよ?(おっぱい)
あのキャラでも攻められると弱い(独自設定)んだよ?
可愛いじゃんか!?
>>16 kokoa 様
フフ・・・怖い(はじめてが)