2017-08-20 00:28:34 更新

提督を思う恥ずかしがり屋の山城と愛情を表に出す金剛と山城に思いを寄せる提督のお話です。

ちなみに、金剛は山城の気持ちを知っていて、山城を応援しているという設定です。


金剛:ヘーイ、テートクゥ、山城、紅茶入れてきてあげたネ。味わって飲むネ。

山城:ありがとう、金剛。ところでなんで秘書官でもないあなたがここにいるの?

金剛:細かいことは気にしちゃノーなんだからね。

提督:まぁまぁ細かいことは気にするなよ。

山城:提督がそういうならまぁ…いいですけど。(せっかく二人きりだったのに)

提督:さて、金剛の美味しい紅茶もいただいたし、もうひと頑張りしますか。

金剛:もぅ~、ほめても何も出ないネ~。

山城:(羨ましい、私も入れてみようかしら。)

~夕方~

提督:やっと終わったー。

金剛:お疲れ様ネー。肩でも揉んであげるネー。

山城:(いいなー)

提督:あぁ、そうだな。食後にでも頼むよ。

山城:じゃあ、是非私にも。

提督:なんだ、山城も肩が凝るのか?

山城:えっ?い、いや、実はそうなんですよ。

金剛:(あと一押しなのにネー)

提督:じゃあ、金剛と山城は食後に私の部屋に来てくれ。

金剛:私も一緒に食べたいネー

提督:そうか、山城もどうだ?

山城:私が御一緒してもよろしいのですか。

提督:あぁ、もちろん。

金剛:(よかったネ)

~食堂~

提督:今日はペペロンチーノか。

山城:(なんでよりによってペペロンチーノなのよ)

金剛:そうだ、テイトクゥ、折角だし今晩は私たちが作ってあげるネ。

提督:そうか?それじゃあ、お言葉に甘えて美女二人の手料理を頂こうかな。

山城:不幸だわ…

金剛:一緒にファイトねー

提督:じゃあ、早速行こうか。

~提督の私室~

提督:キッチンにあるものは適当に使ってくれ。

金剛:うーん、何にもないネー

山城:そうね、あるのは塩と胡椒…だけ?

提督:なんせ作るものといえばチキンラーメンかペヤングくらいだからな

山城:それは料理とは言いません。これからもこんな生活を続けるなら私が毎日ご飯を作りに来ますよ

提督:いい…のか?それは、朝ご飯や昼ご飯もか?

山城:え、えぇ。金剛も手伝ってね。

金剛:えぇ、なんで私までなのネー。山城、チャンスなんだから頑張るネー。

提督:チャンス?何のことだ?

山城:き、気にしなくてください。さぁ、作るので出て行ってください。さぁ、さぁ。

提督:どんだけ必死なんだよ。

~数十分後~

金剛:出来たネー

提督:やっとか。ありがとうな。しかし、こんなに時間かかるなら、山城にご飯作ってもらうのは悪いかな。

金剛:それなら、一緒に住めばいいネー

山城:な、なんてことを言うのよ

提督:それもいいな。まぁ、もちろん山城さえよければだけど。嫌か?

山城:い、嫌じゃないけど

提督:よかった。じゃあ、明日の昼頃にでも荷物を運びこむか。

山城:い、いえ大丈夫です。提督が乙女の下着とかを触るなんて許しません。手伝いは金剛に手伝ってもらいますので。

金剛:えっ。

山城:もちろん手伝ってくれるわよねぇ。

金剛:よ、喜んで。

提督:山城、キャラが変わってるぞ。

山城:さ、それでは、冷めないうちにいただきましょう。

提督:あぁ、そうだな。

~食後~

提督:やはり、二人とも女の子なんだな。とても美味しかったよ。ありがとう。

金剛:それはよかったネ。

提督:さてそれじゃあ、金剛に肩を揉んでもらおうかな。

金剛:わかったネー。じゃあ、そこに座るネー。

提督:悪いな、先にやってもらって。

山城:私はもう大丈夫になったんで遠慮しますよ。ゆっくりお二人でお楽しみください。

提督:何を怒ってるんだよ。

山城:怒ってませんから!!

提督:あっはい。

~数分後~

金剛:終ったネー。

提督:ありがとう。気持ちよかったよ。

山城:じゃあ、私たちはお風呂に行ってきます。

提督:あぁ、おやすみ。山城には明後日の朝からお願いしてもいいか?

山城:わかりました。おやすみなさい。

~お風呂~

金剛:にしても、よかったネ。明後日から頑張ってネ。

山城:全くあなたっていう人は。結果的にはうれしいけど、ちょっと強引すぎるのよ。

金剛:なんなら、私の分も作ってくれていいのヨー。

山城:これ以上私の手間を増やさないで。それに、あなたの分も作ると二人きりで提督と食べられないじゃない。

金剛:ちゃっかりそこまで狙ってるのネ。抜け目のない子、ウフフ

山城:あなた、さっきから度々キャラ変わってるわよ。

金剛:だって、これまでにないほど楽しいのよ。

山城:そういえば、あなた、私といるときネーネー言わないのね

金剛:だって、長音があったほうがかわいいじゃない。

山城:提督は譲らないわよ。

金剛:そんなことはしないネ。確かに私は提督にグレートラブを持ってるけど、今こうして、

   あなたと提督について話したり、あなたと提督と私とで一緒にいる時間がとても楽しいのよ。

山城:そ、そう。た、たまには提督を貸してあげてもいいわよ。

金剛:ありがとうネ。

山城:じゃあ、私は先に上がらせてもらうわ。

~翌朝~

提督:さて、そろそろ仕事を始めるか。

山城:私はもう少しすると荷物を提督の私室に持っていくのでいなくなります。代わりは姉さまにお願いしています。

   くれぐれも、く・れ・ぐ・れ・も過ちのないように。

提督:お、おぅ。気を付ける。

~数時間後~

扶桑:にしてもなんでまた、山城と同居なんて?

提督:ど、同居じゃねぇし。昨晩、金剛と山城に俺がチキンラーメンとペヤングしか食べてないことを言うと、金剛のおかげで、

   なんやかんやあって三食作ってくれるようになったんだ。

扶桑:あらあら、まるで夫婦ですね。

提督:ふ、夫婦だと!?そ、そんなことはないぞ。

扶桑:だけど、提督は山城のことが好きなのよね?

提督:そ、それはそうだけど。

扶桑:金剛さんとどちらが好きなの?

提督:金剛はどちらかっていうと良き友達ってところだな。

扶桑:そう。とにかく、山城を泣かせたら呪ってあげるから。

提督:善処します。

そのころの山城

山城:この箱とこの箱を運んでくれる?

金剛:わかったネ。にしても、同居なんてまるで夫婦みたいね。

山城:ふ、夫婦ぅ!?

金剛:好きな気持ちは今も変わらないのでしょ。

山城:それはあなたもでしょう。

金剛:私のこれはラブだけど、山城のほど深くないネ。そういう意味では私よりあなたのほうが妻にふさわしいわ。

   私は妻じゃなくて愛人で十分ね。

山城:な、なにを言ってるの。愛人なんてこの私が許すとでも思っているの?

金剛:冗談ネ。しかし、妻になることは否定しないのネ。

山城:そ、それは。確かにいつかはなれたらいいとは思っているけれど。

金剛:そのいつかはもうすぐ来るかもネ。

~その夜~

提督:本当に来たんだな。

山城:もちろんです。今日から、提督を健康優良児にしてみせます。

提督:そこまで意気込まなくてもいいぞ。ところで、どうして金剛までいるんだ?

金剛:心配しなくても大丈夫ネー。山城と提督の初夜の邪魔はしないネー。

山城:そ、そんなことなんてしないわよ。私はただ提督に美味しいごはんを食べてもらおうと思っているだけよ。

金剛:わかってるネー。冗談ネー。

山城:そう、ならいいけど。

金剛:じゃあ、そろそろ私は戻るネー。

山城:えぇ、おやすみ。

金剛:私の分のご飯も作ってくれてもいいのよ。

山城:作りません。さっさと帰ってよ。

金剛:仕方ないネー。おやすみなさい。

提督:あぁ、おやすみ。

山城:(ついに二人きりになってしまったわ。どうしよう。)

提督:(ついに二人きりになってしまった。どうしよう。)

提督・山城:あのっ

山城:どうぞ。そちらからどうぞ。

提督:あ、あぁ。そうだな。山城は男と二人きりで夜を過ごすのは怖くないのか?

山城:大丈夫です。だって、一緒にいるのは奥手すぎる提督ですから。

提督:ひとこと余計だぞ。さ、明日は俺も一緒に起きるから早く寝よう。山城はあっちの部屋を使ってくれ。

山城:えっ。一緒の部屋で寝ないのですか?

提督:えっ。一緒の部屋で寝るつもりだったのか?

山城:だって、提督といるよりもお化けのほうが怖いんですもの。

提督:それは、俺がお化けよりも怖くないってか。

山城:えぇ。

提督:う~ん。もっと提督として威厳を身に着けるべきかな。

山城:その怖いとはなんとなく違うような。まぁ、いいわ。さっさと寝ましょう。

提督:じゃあ、俺はあっち向いて寝てるから。

山城:別に気にしなくてもいいのに。

提督:俺が気にするの!!もういいや。俺は寝るからあとは山城の好きなようにすればいいさ。

山城:わかりました。おやすみなさい。

提督:あぁ。おやすみ。って、いくら何でも近すぎかと。

山城:さっさと寝なさい。

提督:ぐぇ。

~翌早朝~

山城:提督の寝顔はどちらかというとかわいい部類なのかしら。

提督:zzz

山城:さて、そろそろ作りますか。

提督:そうだな。最初だし俺も手伝うよ。

山城:い、いつからお目覚めに?

提督:山城が俺の寝顔をかわいい部類とかぬかすあたりから。

山城:もう、忘れてください。

提督:ぐぇ。

山城:一番恥ずかしいところを聞かれた。

~朝~

提督:あぁ~首がいてぇ。

山城:寝違えたんですか?

提督:これまでそんなことはなかったんだがな。

山城:朝ごはんを食べ終わったらまた揉んであげましょうか?

提督:お願いするよ。さて、早速ご飯を食べよう。

山城:どうぞ召し上がれ。腕によりをかけたんだから。

提督:はい、あ~ん。

山城:な、な、なにを。

提督:だって作ってくれたから、せめて食べさせてあげようと思って。

山城:じゃあ、一口だけ。

提督:はい、あ~ん。

山城:え、え!?し、仕方ないわね。あ~っむぐっ。

提督:はっはっは。引っかかった。朝の仕返しだ。

山城:覚えてるんですね。二度寝しますか?

提督:ご、ごめんなさい。遠慮させていただきます。

山城:罰として、もう一度食べさせてください。真面目に。

提督:さっき一口だけって…

山城:何か問題でもありますか?

提督:い、いえ何もありません。は、はい、あ~ん。

山城:んっ。さすが私ですね。とっても美味しいです。

提督:それはよかったですね。ははは。

金剛:ヘイ、テートクゥ。昨晩はお楽しみでしたか?

提督:開口一番何言ってんだこいつ。

山城:あら、そんなこと言ってもし何かあったら不満でしょう。

金剛:もちろんネー。だって提督は私の運命の人だからネー

山城:あら、何を言っているのかしら。そんなことはないはないわよ。気のせいよ。

提督:まあまあその辺で。さてそろそろ仕事を開始するか。

山城:今日はたくさん仕事があるそうですよ。

提督:そうか。じゃあさっさと終わらせて、山城の美味しい昼ご飯を頂こうかな。

山城:も、もう。冗談はそれほどにしてください。

金剛:むぅ~。なんか私だけ仲間はずれな気がしまーす。

提督:そんなことはないぞ。

金剛:そうだ、紅茶を入れるネー。

提督:そうだな。期待して待ってるよ。

~昼~

山城:提督ってまともに仕事すれば早く終わらせられるんですね。まさか午後の分まで終わらせるとは。

提督:当たり前だ。俺をだれと心得る。

金剛・山城:一提督

提督:そうだけど。そうだけどね。もっと他にないの?

山城:そうね~。奥手すぎて厄介な方。

提督:まだ、引きずってるのかよ。それよりも、どこで食べるんだ?

山城:食堂か中庭はいかがですか?

提督:そうだな。中庭に行くか。金剛はどうする?

金剛:明日から御一緒するネー。今日は食堂に行ってくるネー。

~中庭~

周辺の艦娘:なにあれ。観衆の前でイチャイチャしやがって。

提督:なぁ、山城よ。ここは些か目立ちすぎないか?

山城:そうですね。これはちょっと予想外です。

提督:場所を変えようか。

山城:わかりました。

~執務室~

提督:結局ここに帰ってきてしまったな。

山城:やっぱりここが落ち着きます。

提督:さて、今日のお昼はなぁ~にかな?

山城:なんですか、その腹立たしい聞き方は?

提督:は、腹立たしい…

山城:まぁ、いいですけど。今日は誰かさんのせいで時間がなかったので簡単なものですよ。一応栄養バランスは考えてありますが。

提督:ありがとうございます…

山城:いつまでへこんでるんですか。さっさと食べますよ。はい、あ~ん。

提督:強引に押し込んだりしないよね?

山城:全く提督じゃないんですから。

提督:本当にすみませんでした。それでは、お言葉に甘えて。あ~ん。

山城:ど、どうですか?

提督:うん!!美味しいよ。

山城:よかったです。

提督:ところで、山城はいつまで敬語なんだ?

山城:だって、上官ですし。

提督:ほぼ、同棲してるのに?

山城:提督は普通に話してほしいのですか?

提督:そっちのほうがより親密かな~って。

山城:わかりました。提督はそんな風に思ってたのね。

提督:あぁ。山城とはできる限り一緒にいたいからな。

山城:そ、そうなのね。と、ところで、午後からはどうするの?

提督:そうだな。昼寝でもするか。

山城:も、もしよかったら膝枕でもしてあげるわよ。

提督:そうか、じゃあお願いするよ。

山城:じゃあ、こちらへどうぞ。

提督:(やべぇ、すげぇやわらかい)

山城:(どうしよう、提督がこんなに近くに)

提督:なぁ。

山城:ひゃ、ひゃい。

提督:何をそんな慌ててんだよ。子守歌でも歌ってくれないか?

山城:な、なんで私がそんなことを。

提督:まあまあ、頼むよ。

山城:仕方ないですね。~♪~~♪~~~♪~~~~♪

提督:(これはたまらんな。あぁ、だんだんと眠くなってきた)

山城:(うっとりしてる提督はかわいいわね)

金剛:ヘーイ、テートクゥ。

山城:しー。静かに。提督が寝てるんだから。

金剛:あらあら、わたしは邪魔だったネ。ごゆっくり。

山城:(私も眠くなってきたわ、少し寝ようかしら。)

~数時間後~

提督:(なんだ、この状況は。目が覚めたら山城が寝てる。しかも、もう日が暮れてるじゃないか)

山城:う~ん。て…い…と…く…

提督:(どうしよう。これは精神衛生的によくない。とってもよろしくない。かといって、こんなにかわいい寝顔をしてると起こすのも憚られる。…しかたない、起こすか。)

提督:山城、そろそろ風呂に行こうぜ。

山城:えっ。もうそんな時間!?っていうかどんな起こし方よ。本気にしちゃうじゃない。

提督:俺は別にかまわないけど。

金剛:なら、私も行くネー。

提督:お前いつからいたんだよ。

金剛:二人が仲良く寝始めたあたりから。

山城:あなた、帰らずにずっとドアの向こうにいたわね。

金剛:あなたたち寝すぎネー。一体私がどれだけ恥ずかしい思いをしたことか。

山城:自業自得じゃない。

提督:じゃあ、三人で行くか。この時間ならまだだれも来ていないだろう。

山城:えっ、本当に行くの?

提督・金剛:もちろん

山城(ダイエットしておけばよかった。)

提督:もしかして嫌か?なら、俺と金剛だけで行くが。

山城:それはダメ。私も行くわ。

提督:決まりだな。


このSSへの評価

このSSへの応援

このSSへのコメント


このSSへのオススメ


オススメ度を★で指定してください