マイペース提督と艦娘たち【鎮守府の日常と非日常】
やる気マイナス値の青年提督と、艦娘たちの何でもない日常ストーリーです。
(今回は過去作を見ていなくても問題ないストーリー構成となっています)
※以下要注意
・作者の独自設定&後付け設定(今パートからの新設定)
・艦娘のキャラ崩壊
・地の文的な何か
・中身のないストーリー構成
↑が大丈夫という方だけ、一読してもらえたらなと思います。
提督(朝神 青人)
横須賀第二鎮守府の提督。
適性があるため提督になっちゃった人。
叢雲の手綱役。
叢雲
鎮守府の貴重な秘書艦枠。
駆逐艦なのにめちゃ強い人。
提督とはそこそこ長い付き合い。
青葉
提督の自称右腕。
神出鬼没な艦娘だが、提督が名前を呼ぶとどこからともなく現れる。
見かけによらず、仕事も戦闘も中々に出来る艦娘。
長かった大規模作戦が片付き、ようやく夏休みモードに突入した横須賀第二鎮守府。
既に8月が終わろうとしているが、各々はそれぞれ短い夏季休暇を満喫していた。
提督「はぁ……ねむ」ガチャ
青葉「あっ、おはようございます。司令官」
叢雲「川内かあんたは。完全に昼夜逆転してるじゃないの」
※ 現在時刻 PM 5:30
提督「いいんだよ夏休みぐらい」
叢雲「普段の日でも隙あらばゴロゴロしてるでしょ」
青葉「司令官、1枚いいですか? その寝癖で爆発した頭、カメラに収めておきたいんですけど」スッ ←カメラ構え
提督「いや無理。撮るなよ絶対」
青葉「えーっ……!」
提督「ん? 何これ」ペラ
叢雲「大本営からの連絡事項と、みんなの外出届」
叢雲「一応全部目通しておいたから。後で受領印押しといてよ」
提督「あー。おけ」
青葉「皆さんやっぱり外出するんですねー」
叢雲「普段あまり遠出できないからね。あんたもどこか行ってくれば?」
青葉「いいですよ青葉は。暑いですし」
青葉「冷房の効いたこの部屋でゴロゴロしてるのが1番です」ゴローン
提督「ニートやんけ」ポン ←受領印
青葉「いやいや、司令官にだけは言われたくないです」
響(Верный)「出された課題が終わらない」カリカリ
提督「それはあるな」
響「そもそもだよ。休みなのに課題を出すのはおかしいと思うんだ」
響「暁なんて泣きながらやってたよ。さっき」
暁「な、泣いてないわよ! レディーはそんな事で泣かないんだから!」プンスカ
提督「まあ……仕方ない。頑張って終わらそうぜ」
響「司令官、ここ教えて」
暁「あっ、暁もそこ分からない……」
提督「おけ、ちょっと待って。紙取ってくるわ」
響(ふふっ、涙も有効利用しないとね)ニヤ
暁「?」
終わってない課題を手伝ってくれる、ちょろ過ぎる司令官の鑑 ↑
青葉「そういえば今年もやるみたいですよ。バーベキュー」
提督「へー」
青葉「楽しみですね〜。あっ、そういえば新しい水着買ったんですよ」
青葉「青葉は別に興味なかったんですけど、ガサがうるさくてうるさくて」アハハ
提督「ふーん」←興味無
青葉「……あの、少し冷めすぎじゃないですか?」
提督「別に普通じゃね。てか俺行かないし」
青葉「はい出たー、出ましたー。司令官、去年も同じこと言ってましたよね」
青葉「でも結局参加するっていう」
提督「去年はな。今年はもういいわ」
提督(男ほぼ俺1人でくっそ気まずいしorz)
ガチャ
叢雲「あっつ……」パタパタ
青葉「あ、叢雲さん。司令官、今年はバーベキュー参加しないらしいですよ」
叢雲「あら、そうなの?」
叢雲「私あんたの分も予算に含めちゃったんだけど」
提督「えぇ……まじかよ」
青葉「お〜、流石ですね。司令官の逃げ道を一手で潰すとは」
叢雲「ま、今年は他の職員連中も結構参加するらしいし。男はあんただけじゃないから」
叢雲「そこまで気まずくないでしょ」
提督の心の内を完璧に把握する、秘書艦娘の鑑 ↑
提督「うーん、でもなぁ……」
青葉「いいじゃないですか。我々艦娘の水着姿を生で見られるんです」
青葉「それだけで参加する価値があるってものですよ」
叢雲「確かに、それ目的で参加する奴もいるでしょうね」
提督(どんだけだよそいつ……)
※ 結局参加することになりました。
バーベキュー当日。
天候にも恵まれ、浜辺は多くの艦娘と鎮守府職員たちで賑わっていた。
提督「暑い……」パタパタ
鳳翔「あの、本当によろしかったのですか……? こちらに来てしまって」
※ こちら=海の家の手伝いのこと。
提督「全然大丈夫す。むしろ助かりますよ」
千歳「提督、よろしかったらこちらで一緒に飲みませんか?」
隼鷹「おっ、いいねいいね〜! ほれ、こっち来な提督」ポンポン
提督「いや、俺はいいっすよ。そんな飲めないすもん」
隼鷹「かーっ! そんなんだから弱っちいままなんだよ!」
隼鷹「こりゃ1回酔い潰さないとダメだな。うん」
提督「えっ……」
千代田「あーあ、スイッチ入っちゃった」
飛鷹「大丈夫よ。いざとなったら叢雲が飛んでくるから」
鳳翔「ふふ、いいタイミングですね。提督も少し休憩なさってください」ニコッ
提督「あ、まじすか。あざす」
隼鷹「うーん、ビールってのも芸がないよなぁ……どうするよ千歳」
千歳「そうねぇ……」フフッ
提督(やばい。まじで飲まされそうこれorz)
隼鷹「ほれほれ、飲んでみ提督。グイッと!」
※ 隼鷹は日本酒【霧島】を差し出した。
提督「いや、流石にキツいっすよこれは……ほろ◯いとかないんすか?」
隼鷹「何言ってんだ。うちらがそんなの飲むわけないだろ」
千歳「大丈夫です提督。もし潰れても私が介抱してあげますから」フフフ ←酔い度 60%
提督(近い……てか酔うの早くね……?)
??「おーおー、うちらの同志が酔っ払い共に囲まれてるで」スタスタ
??「うわっ、見てくださいよ先輩。やっぱハンパないですね……あの胸部装甲」
??「うろたえるな。提督さんは少しも動じてないわ」
鳳翔「あら、いらっしゃい」
??「隼鷹、司令官はもらってくで。そいつは自分で飲み」
隼鷹「ちぇっ、つまんねーのー」
提督(何か来たー……)
龍驤「ったく、あの飲ん兵衛共が。酒弱い言っとるのに、いきなり焼酎出すバカがどこにおんねん」
葛城「あそこにいましたね。約2名」
瑞鶴「危なかったねー、提督さん。あのままいけば確実に潰されてたよ」
提督「怖えぇ……てかあんなん飲めねーよorz」
龍驤「大鳳、司令官に何かあげたり。酒以外にも持ってきてるやろ?」
大鳳「ええ。提督、何飲みます? 色々ありますけど」
提督「じゃあ……とりあえずコーラで」
瑞鳳「えー、 提督も一緒に飲もうよ〜!」
瑞鳳「美味しいよ? お酒☆」ヒック// ←酔い度80%
提督「ちょ、顔あっか! めっちゃ酔ってんじゃん」
瑞鳳「酔ってないっ! 瑞鳳はこの程度で酔うほど、安い艦娘じゃないのれす!」ヒヒッ//
祥鳳「すみません提督、気にしないでいいですから……」
提督「あ、うっす(小声)」
ワイワイ ガヤガヤ キャーキャー!!
龍驤「ちっ、艦娘がキャーキャー言っとんちゃうぞ。ボケが」
瑞鶴「そうだそうだー! 自重しろー!」
葛城「甲板胸で悪いかー!!」
瑞鳳「うぅ、男なんてどいつもこいつも胸ばかり……」グスン
大鳳「泣かないで瑞鳳さん……私たちがついてるから」ギュッ
酔いが回り、テンションがハイになる組とネガティブになる組の図 ↑
提督「へー、祥鳳さんも酒弱いんすね。なんか意外っすわ」
祥鳳「はい……よく千歳たちに誘われて飲みに行くんですけど、全然強くなれなくて……」
※ 完全にガン無視の2人。
鈴谷「おっ、提督じゃん。ちーっす!」ヒラヒラ
熊野「ごきげんよう提督」ペコ
提督「うぃっす(小声)」
鈴谷「うわー、何この集まりw こっちまで胸がすり減りそうなんだけどw w」
熊野「まさに断崖絶壁ですわね」フフッ
例の五人「「「「「あ"??」」」」」ギラッ!!
祥鳳「ひっ……!」ビク
提督(あ、やべ。これやべーわ)
この後すぐ祥鳳さんと避難しました。by提督
不知火「ラスト、これで決めてください」トス…
陽炎「任せて! とりゃあああああ!!」ズドォン!!
皐月「うわぁ?!」
長月「さ、皐月! くっ、まさか皐月ごと吹っ飛ばすとはな……完敗だ」
漣「試合終了ーっ! 勝ったのは二水戦代表、かげぬいコンビだー!!」←実況役
ワイワイ ワーワー!!
陽炎「よっし! これで次、司令たちに勝てばあたしたちの優勝よ!」
不知火「油断大敵ですよ陽炎。何せ司令のペアは……」チラ
叢雲「適当にボール上げてくれれば後は決めてあげるから。よろしくね」ヒラヒラ
提督「いや、まじ無理なんだけど……何で俺?」
※ 何の説明もないまま、無理矢理連れてこられた模様。
漣「あっ、ご主人様ー! 負けたら二水戦全員に間宮さんの甘味無料券と、夏季休暇1週間延長ですからねー☆」
提督「は?!」
時雨「……何も聞かされてなかったみたいだね」←解説役
青葉「まあいつものことですから。気にしない気にしない!」←解説役②
長門「ルールは今言った通りだ。陽炎、不知火ペアは21点先取」
長門「提督、叢雲ペアは15点先取すれば勝ちとする」←審判枠
提督「? こっちも21点じゃなくていいんすか?」
長門「うむ。陽炎から言い出したことだからな」
陽炎「ハンデよハンデ。あと、何も言わないで景品決めちゃったお詫び」
提督「ああ、おけ」
叢雲「ねえ、本当にいいの? この6点は結構大きいと思うけど」
陽炎「大丈夫大丈夫! ね、不知火?」
不知火「……」キッ ←いつもの眼光
提督(やる気満々やん……まじかよorz)
叢雲「ふーん……ま、あんたたちがいいってんならありがたくもらっとくわ」ヒラヒラ
以下、実況席 ↓
漣「おおっ! これは早くも火花散る展開ですな〜。お2人はこの勝負、どう見ます?」
時雨「そうだね。艤装を身につけてないとはいえ、陽炎も不知火も日頃の訓練で鍛えられてるから」
時雨「若干、提督の方が分が悪いんじゃないかな」
青葉「青葉も同意見ですねー。まあ、叢雲さんが司令官の分もカバーするでしょうけど」
漣「ふむふむ。要は勝つも負けるも全て、ご主人様次第ってわけですね☆」
提督(いや……皐月でさえ吹っ飛ばされるのに、俺にどうしろと……)
陽炎「不知火!」トス!
不知火「ふっ……!」アタック!!
提督「痛った?!」←吹っ飛ばされ奴
長門「6の18。提督よ、もう少し踏ん張らないとこのまま終わってしまうぞ?」
提督(いやー、キツいっすorz)
叢雲「あらら。大丈夫?」
提督「めっちゃ痛えよ……てか2人とも容赦なさすぎな」
叢雲「あんたも神通に鍛えてもらったら? 1ヶ月もあればその細腕もどうにかなるでしょ」
提督「えっ」
陽炎「あ、いいじゃないそれ。ちょうど休み明けに、二水戦全員で合同演習するらしいから」
陽炎「司令も一緒にやりましょうか」ニコッ
提督「いや……」
不知火「やめてください陽炎。司令が倒れたらどうする気ですか」
陽炎「あははっ、冗談よ冗談。残り3本、ガンガン押していくわよ」
不知火「ええ。初めからそのつもりです」
提督「もうやらなくてよくね……? 腕めっちゃ痛いんだけど」
叢雲「……ねえ、この試合勝ちたい?」
提督「え? まあ……勝てるなら勝ちたいわな」
叢雲「じゃあ勝ちましょ。私も負けるのは好きじゃないから」スタスタ
提督「え、勝てんの?」
叢雲「あんた次第ね。上手くいけば勝てるわよ、多分」
提督(? どゆこと……?)
以下、実況席 ↓
漣「これはもう勝負アリですかなー。どう思います? 神痛さん」
神通「まだ勝負は終わっていない。と、言いたいところですが……あそこは陸の上です」←ゲスト枠
神通「陸の上ならば、条件は五分と五分。このままいけば恐らく勝てるでしょう」
青葉「まあ実質2対1ですからねぇ……司令官、あの場じゃカモも同然ですし」
漣「確かに、ちょっとハンデが足りなかったかもですね。後で謝っときますわ」メンゴメンゴ
時雨「……やっぱりフェアじゃないね。あれじゃ提督がかわいそうだよ」ユラァ・・・
漣(ファッ?! 大天使殿が怒ってらっしゃる?!)
陽炎「いくわよ2人とも! 最後まで手加減は無しだからね!」ググッ
提督「なんかめっちゃ狙われてる気すんだけど……」
叢雲「落とさないでよ。何でもいいからとりあえず拾ってね」
提督「まあ……頑張るわ」
陽炎(ふぅ、風もちゃんと計算して……よし、今!)バシッ!!
強烈なサーブが相手コートから放たれた。
狙いは予想通りと言うべきか・・・案の定、俺目掛けて真っ直ぐボールが飛んでくる。
提督(きた……!)グッ
すぐさまレシーブの体勢に入る。
が、ボールはどういうわけか俺の目の前で左側にカーブしていった。
提督「まじ?!」ガクッ
叢雲【飛べ!! あんたの腕なら届くから!】
提督「っ!」バッ
叢雲の怒鳴り声によって、何とか飛び込んでボールを拾うことに成功。
そして完全に明後日の方向に上がったボールは、叢雲の俊敏な動きで相手コートへと還っていった。
陽炎「うっそ! あれ拾っちゃうの?!」
咄嗟の俺のプレーに動揺する陽炎。
試合を見ているギャラリーも、若干だけど騒ついてるのが感じられた。
実況席の漣に関してはポカーンとさえしている。
不知火「動揺している暇はありません。拾ってください、陽炎」←冷静
陽炎「っ、了解!」
叢雲【ほら、あんたも早く構える!】
提督「いやー、今のだいぶファインプレーだろ。てか叢雲もナイスだわ」
叢雲【次の陽炎のスパイク、ブロックして。あんたの背なら余裕で届くでしょ】
提督「え、それはーーーー」
と、言いかけたところで、不知火が陽炎にトスを上げた。
仕方ないので俺もブロックの体勢に移る。(目を瞑りながら)
陽炎「無駄よ! 司令じゃあたしの攻撃は止められないわ!」ズドォン!!
提督「っ……!」
何やら手に軽い衝撃が走った後、長門さんが笛を鳴らした。
長門「ナイスブロックだ提督。7の18、1点返したぞ」
提督「え? ああ、入ったんだ今の……」
陽炎「ちょ、嘘でしょ?! あれブロックしちゃうの?!」ガーン
不知火「……やりますね」
再び観客席が騒ついた。
ていうか、全然気が付かなかったけどギャラリー多いわ・・・軽く30人はいるぞこれ。
叢雲「ナイスブロック。無駄に高い背が活きたわね」
提督「また吹っ飛ばされるかと思ったわ……」
叢雲「その調子でどんどんブロックしてちょうだい。私もその方が楽だから」ヒラヒラ
提督「えぇ……」
以下、実況席 ↓
漣「えーっと……コホン。申し訳ない、ご主人様の超ファインプレーに思わず見惚れてしまってました」
時雨「その後の叢雲の動きも見事だったね。2人とも息ピッタリだったよ」
青葉「いや〜、意外と様になってますね。なんかムカつきます」カシャカシャ ←カメラ
神通「……私も何だか、身体が火照ってきてしまいました」
神通「この試合が終わったら、ぜひお手合わせ願いたいものですね」ユラァ・・・
漣(今度は神通さんかよっ! オーラハンパないんですけど?!)
不知火「っ……!」グッ
叢雲【スパイクと見せかけてのドロップ!】
提督「おけ!」レシーブ!
陽炎(読まれてる?! ていうか掛け声もアイコンタクトも無しで、何でそんな連携がとれるのよ!!)
不知火「大丈夫です、落ち着いて対処すれば司令の攻撃なら止められます」
陽炎「分かってる! ここで1点取って実質同点に持ち込むわよ!」
※ 現在スコア、なんだかんだで14の19。提督と叢雲チームのマッチポイントな模様。
叢雲【思いっきりど真ん中打ち抜いてやんなさい。無駄にコースとか狙わなくていいから】トス!
提督「ふっ!!」ズドォォン!!
陽炎・不知火「「っ……?!!」」
陽炎(ちょ、はっや?! くっ、今のブロック飛んでればよかった……!)
漣「ここで試合終了ーっ! 勝ったのはなんとなんと、ご主人様と叢雲ちゃんチームだー!!」
ワァァァァァァァァァァ!!!!
提督(うわ、めっちゃギャラリーいるやん……)
叢雲「お疲れ。意外と様になってたわよ」
提督「え? まあ……夢中だったからな」
皐月「すごかったよ司令官! 僕たちじゃ手も足も出なかったのに!」
提督「いや、ほとんど叢雲のおかげだよ。俺なんかミスばっかだったし」
長月「そう悲観することはない。司令官にしては上出来だったぞ」
提督「あざーす」
霞「何勝った気でいるのよこのクズ!!」
提督「! えっ……?」チラ
神通「提督、お疲れのところ申し訳ありません」
神通「もし可能でしたら休憩の後。もう一試合、お願い出来ますでしょうか……?」ユラァ・・・
提督「じ、神通さん?! いやちょっとそれは……」
霞「もしかして勝ち逃げする気? 鎮守府のトップとその秘書艦ともあろう者が」
叢雲「へぇ……言うわね。私は別に構わないわよ」
提督(いや、俺が相当キツいんですけど……)
霞「ふふ、そうこなくっちゃ」
霞「あ、言っとくけど。私たちが勝ったら景品はいただくからね」
ハァ?! キイテナイゾニスイセンー!! フザケンナー!!!
神通「あ、あの、私は別に景品なんて……」
霞「うっさいわよ外野! 負けたあんたたちが悪いんでしょ!」ウガー
提督「すげーな。みんなどんだけ景品欲しいんだよ」
叢雲「これまた1から試合やり直した方がよさそうね。じゃないとフェアじゃないわ」
提督「え、まじでやんの? つっらorz」
※ この後、無事また1から試合をやり直す羽目になったのだった。
提督「あー 身体中痛ぇ……」グッタリ
叢雲「運動不足ね。普段から鍛えてないからそうなるのよ」
青葉「まあそれでも、陽炎さんたち相手に無双してましたけどねー」
青葉「他の方々もビックリしてましたよ? 司令官て実は結構すごい人なんじゃないかって」
提督「それさぁ……ほんと困るわ」
提督「普通に遊ぶ分には全然いいよ。俺も楽しいし」
提督「ただ剣術とか組手の相手役とかさ、まじシャレにならんだろ……」
※ バーベキュー以降、執務室から引っ張り出される回数が更に増えた提督。
叢雲「ふふ、まあそれはそれでいいんじゃない? ついでだから色々と鍛えてもらいなさいよ」
提督「いや死ぬわorz」
青葉「いやぁ、今年の秋刀魚祭りも大盛況ですね〜!」
叢雲「みたいね。おかげさまで目標漁獲数も余裕で超えてくれたわ」
提督「みんな秋刀魚漁ガチ勢だからな」
青葉「司令官も釣りに行ってみたらどうです? やってみると案外楽しいですよ」
提督「いや、いいわ。やったことないし先ず」
叢雲「そもそも餌つけられないからね。その時点でお察しよ」
青葉「えぇ……それは流石に情けなさすぎますよ司令官」
提督「いいんだよ釣りとか別に。興味ないし」
叢雲「毎年同じこと言ってるわねあんた。少しは他の言い回しも考えたら?」
青葉「青葉は知りませんでしたよ……ていうか餌も触れないって、女子か!」
提督(だってキモいんだもんあれ)
提督「はぁ……結局こうなるんだよなぁ……」スタスタ
※ 叢雲と青葉に言われて仕方なく、鎮守府近くの堤防にやってきた提督。
時雨「あ、提督だ。珍しいね、ここに来るなんて」
村雨「あら、こんにちは提督。提督もF作業しに来たの?」
提督「ん、まあ……様子見的な?」チラ
提督「うわ、結構釣れてるやん。さすが」
村雨「ふふ、F作業なら任せておいて。っと、またかかった!」ググッ
時雨「おお、やるね村雨。これは僕も負けてられないな」
提督「へー、やっぱみんな上手いんだなぁ」
村雨「提督もやってみる? 意外と簡単に釣れちゃうよ、ここ」
提督「いや、俺やったことないから。釣り」
時雨「大丈夫、提督にも出来るさ。僕が教えてあげるよ」ニコッ
提督「お、まじ? じゃあやってみようかな」
こうして、なんだかんだで提督の初釣り(秋刀魚)体験が始まった。
提督「……全然かからないな」
時雨「焦っちゃダメだよ。釣りは根気強くやらないと」
提督「うーん……」
村雨「あっ、ごめんなさい提督。また釣れちゃった♪」←本日8匹目
提督「おー、すげえ。さっきからめっちゃ釣ってるやん」
村雨「ふふっ、だから言ったでしょ? F作業なら任せておいてって」ドヤ
提督「いやぁ、頼りになりますわー」ピクッ
時雨「! 提督! かかってるかかってる!」
提督「え? あっ!」
提督「……うっわまじか。逃げられたorz」
時雨「どんまい。次いこう、次」
響(Верный)「やあ、楽しそうだね。私も混ぜてもらえるかな」スタスタ
提督「別にいいけど、ここ全然釣れないぞ。俺が下手なだけかもしれないけど」
響「司令官と違って釣りには慣れてる。問題ないよ」スッ
提督(うわ、めっちゃ釣ってるー!! え、何でみんなこんな上手いの??)
響「司令官は釣りは初めてなのかい?」
提督「そう。くっそむずいわ……」
響「そうか。それは仕方ないね」
提督「でもなぁ……流石に1匹も釣れないのはダサ過ぎるでしょ」
漣「そうでもないですぞご主人様」スタスタ
提督「ん? 何が?」
漣「今日1匹も釣れてないのは、ご主人様だけじゃないってことよ」
時雨「あれ、そっちはダメだったの?」
漣「ダメダメですね。まあ強情な子なんで、釣れるまでテコでも動かないでしょうなー」
響「ああ。なんか察した」
時雨「まあ……うん。そういう日もあるよ」
提督「? てか先ず向こうって釣れんの?」
漣「釣れますよ。今日は調子悪いみたいですけど」
提督「へー」
村雨「時雨ー! 七輪持って来たわよ〜!」タタタ
時雨「うわ、いつの間にかいないと思ってたら……食べる気満々だね村雨……」
提督「うーん……ほんとかかんないな」←戦果0匹
漣「場所変えたらどうです? 向こうとか結構よさげですよ」
提督「じゃあそっち行くかー。1匹も取れないのは流石にあれだしな」
時雨「提督、もうすぐ秋刀魚焼けるよ。食べてかなくていいのかい?」
提督「うん、ちょっと行ってくる」
響「じゃあ司令官の分もいただこうかな。いい? 司令官」
提督「ええよ」
響「やったね。スパスィーバ(Спасибо)」
・・・
曙「……」←釣り中
漣「微動だにしませんね、さっきから」
提督「それだけ集中してるんだろ。これ邪魔しない方がいいな」
提督「戻ろうぜ」
漣「ノンノン。それじゃ面白くないじゃないですか」
提督「何を求めてるんだよお前は……」
漣「それに、ぼのたん1人じゃ寂しいかもですし。ここは提督として寄り添ってあげましょうヨ」
提督「いや、絶対そんなことないから。あいつそんなキャラじゃないだろ先ず」
漣「えぇ?! ご主人様、釣りやったことないんですか?!」
提督「! おまっ……!」チラ
漣「ごめんなさいご主人様、わざとなので許さなくても大丈夫です」テヘッ☆
提督(こいつ……)
曙「ねえ、うるさいんだけど。集中出来ないでしょ」キッ!!
漣「ほ、ほらー。怒られちゃったじゃん」←若干ビビり奴
提督「何で俺のせいなんだよ……」
提督(やっぱ戻ろ。俺いても邪魔なだけだし)
曙「別に静かにしてるなら戻らなくてもいいわよ。釣りしに来たんでしょ?」
提督「え、まあ……うん。向こうじゃ全然釣れなくて」
曙「そりゃそうよ。向こうは村雨たちが釣りまくってたし」
提督「あー、そういえばめっちゃ釣ってたな」
曙「初心者には難しいかもしれないけど、こっちでも釣れるっちゃ釣れるわよ」
提督「まじ? じゃあもうちょっと粘ってみようかな」
曙「まあ、釣れるかどうかはクソ提督次第だけどね」
提督「うーん、俺釣りに関してはくっそヌーブだからなぁ……」
漣(意外と仲良いよね、この2人)←蚊帳の外状態
提督「かからんなぁ……」
曙「何言ってんのよ。竿投げてからまだ5分も経ってないのに」
提督「いや、もっとガンガン釣れるものだと思ってたわ」
曙「今日釣り始めたド素人に釣れるほど、秋刀魚釣りは甘くないから」フン
漣「ド正論すぎて草」
提督「それな」
曙「……あたしだって、今日はまだ一匹も釣れてないのに」ボソッ
提督「! お、これきたんじゃね?」ピク
曙「えっ?!」
漣「どうせまた逃げられてるに一票」
提督「っと……あれ、またいないんだけど」
漣「ワロタw ほんとにいないじゃないですかw w 」
曙「何やってんのよクソ提督。 せっかくかかってくれたのに」
提督「くっそぉ……逃げ足早くね?こいつら」
漣「単にご主人様が下手くそなだけかと。今のぼのたんなら絶対釣れてたもん」
曙「まあね。クソ提督とあたしじゃ、そもそものレベルが違うから」
提督(いや、今日始めた奴と比べんなよ……)
曙「ていうか、サビキ仕掛けで釣れない時点でセンスないのよ」
提督「サビキ? 何それ」
曙「はぁ? そんなことも知らないの?」
曙「まったく、これだからクソ提督は……」ハァ
提督「だから今日初めてやったんだって。これも時雨の竿借りてるだけだし」
漣「やれやれ。無知なご主人様のために、この漣が解説してあげましょうか」スッ ←釣り竿
漣「えー、サビキ仕掛けというのはですね。このように、枝状に複数本の針が付いた仕掛けのことを言います」
漣「秋刀魚は大きな群れで回遊してくるので、サビキ仕掛けで狙うと非常に効率よく釣れるのです」フンス
提督「へー」
曙「ま、あたしは一本釣りだけどね」ビュン ←竿投下
提督「一本釣り?」
曙「そ。こっちの方が、秋刀魚を傷つけることなく釣れるのよ」
曙「多少効率は悪くなるけど、食べるなら少しでも傷のない秋刀魚の方がいいでしょ?」
提督「確かに」
曙「まあ見てなさい。釣れたらあたしがご馳走してあげるから」
曙「バカ舌なクソ提督に、とびっきり美味しい秋刀魚の塩焼きを」
提督「あ、あざす」
漣「バカ舌ってdisられてますよご主人様。そこはスルーでええの?」
提督「叢雲にもよく言われるからな。今更だわ」
漣「えぇ……(困惑)」
曙「きたっ!!」ピクッ
提督「おおっ」
漣「いけぼのたん、そのまま引っ張れ! 釣り上げろ!」フレーフレー
曙「黙れ! 集中出来ないから!」クワッ!
漣「あ、ハイ。スミマセンでした」
提督「めっちゃキレられてんじゃん」
漣「やらかしたンゴorz」
曙「よしっ! ほら、釣れたわよクソ提督!」
提督「おー、さすが」
曙「当然よ」フフン
漣(あ〜 ご主人様には素直なぼのたん、ぐうかわなんじゃ^ 〜)ニマニマ
曙「結局、今日は一匹だけか。あたしもまだまだね」
提督「はぁ……」
漣「ご主人様ダメダメじゃないですか。0匹は流石に草も枯れちゃうよ?」
提督「もう無理だ。俺には向いてないわこれ」
漣「よしよし。漣がナデナデしてあげるから、元気出して」ナデナデ
提督「いいよ別に」シッシ
漣「じゃあギューってしてあげる! おいで、ご主人様。漣の胸の中に」
提督「は……?」
※めっちゃ嫌そうな顔してます ↑
漣「あ、あの、そんな顔されると逆に傷つくんですが……」
曙「慰めるわけじゃないけど、誰にだってそういう日はあるものよ。また明日やってみれば?」
提督「……だな。そうするか」
漣(いや、何で漣のギューより立ち直り早いの? おかしくない??)
・・・
時雨「そっか。結局釣れなかったんだね」
提督「いやー、めっちゃむずかったわ。まあ2回も逃した俺が悪いんだけど」
響「ひょおふぁみれたんら、ふぃふぁふぁらいよ」モグモグ
時雨「うん、先ずは口の中の秋刀魚飲み込もうか」
提督「……めっちゃ美味そうだな」
曙「待ってなさい。もうすぐ焼けるから」
提督「あ、うっす」
漣「ん〜っ! やっぱ秋刀魚は塩焼きに限りますなぁ〜」パクッ
曙「どう? 美味しいでしょ?」
提督「うん、美味い」モグモグ
響「一本釣りか。難しいのによくやるね」
曙「慣れればどうってことないわよ。慣れればね」
村雨「でも効率悪くない? 普通に釣った方がいっぱい釣れると思うけど」
曙「あたしは効率なんて気にしないから。自分で満足のいく釣りができればそれでいいの」
村雨「ふ、ふーん。そうなんだ」
漣「ひゅ〜ひゅ〜! カッコいいぞぼのたんー!」パチパチ
時雨「釣り師の鑑だね」
響「私は釣るより食べる派かな。時雨、秋刀魚お代わり」
時雨「ダメ。鎮守府に納める分も残しておかないと」
村雨「響ちゃん食べ過ぎー。それじゃ夜ご飯食べられないでしょ」
響「問題ない。こう見えて、結構食べる方なんだ」
磯風「ふっ、そうかそうか。ならばこの磯風の焼いた秋刀魚を、存分に味わうがいい!」
「「「「「誰も呼んでない (よ) (です) (から)」」」」」キッパリ
磯風「むっ……?」
提督(即答かよ。流石に笑うわ)
磯風「ならば司令、試しに食べてみてくれ。頼む」
提督「えっ……」
磯風「味の感想を聞きたいんだ。今までで一番、上手く焼けてるはずだからな」スッ
他五人「……」サァァ・・・ ←退避
提督(おい、みんなどこ行くねん)
提督「え、えっと……味見はした? ちなみに」
磯風「? ただの秋刀魚の塩焼きに、味見が必要なのか?」
提督「そ、そう……だね。確かに」
磯風「率直な感想でいいぞ。不味かったら不味いって言ってくれ」
提督「おけ。いただきま——」
提督「っ!」ピタッ
磯風「……司令? どうかしたのか?」
提督「あ、い、いや……何でもないっす」
提督(ちょっと待って、これまじでやばいぞ……めっちゃ生臭いし、身がわけ分からん崩れ方してるもん)
秋刀魚「」ゴゴゴゴゴ
提督(絶対あかんやつやんこれorz)
漣「大丈夫かなご主人様。なんかノリで離れちゃったけども」
曙「どう見ても大丈夫じゃないでしょ、あれ」
響「食べたくないなら食べたくないって、正直に言えばいいのに」
響「私なら絶対に言うよ」
時雨「それを正直に言えないのが提督なんだよ……」
村雨「頼まれたら断れない性格だからねー。ま、そこが提督のいいところなんだけど♪」
漣「でも彼女の焼いた秋刀魚を食べた人は、必ずお腹壊して2日3日は動けないって聞くよね」
———シーン
漣「……もしかして、事実だった系ですか……?」
曙「知らないわよ。あたし食べるより釣る派だし」
響「あいどんとのー、だ」
村雨「逆にどんな味なのか気になるわねそれ……」←実は釣るより食べる派
時雨「ま、まあ、心配しなくても大丈夫だよ。もし本当にヤバかったら——」
青葉「おや、皆さんお揃いで」シュタ
他四人「「「「?!!」」」」ビクッ!
時雨「あっ、青葉さん。さすが、仕事が早いね」
青葉「いえいえ、それほどでもありませんよ〜」アハハ
他四人((((今どこから出てきた……??))))
時雨「青葉さん、提督のお腹がピンチなんだ。何とかならない?」
青葉「あー、今年も捕まっちゃったんですね……分かりました、ここは青葉にお任せを」スゥゥ・・・
青葉「磯風さーん!」
磯風「む?」
青葉「憲兵の皆さんが今直ぐにでも、磯風さんの焼いた秋刀魚食べたいって言ってましたよー!!」
磯風「なに……? 了解した。直ぐ行く」
他五人(((((憲兵巻き込んだ?!!)))))
提督「あ、俺さっき飯食べたばかりだからさ。俺の分も持って行っていいよ」
磯風「済まない。司令の分はまた今度、別に焼いてあげるからな」スタスタ
提督「あ、あざす……」
青葉「いやぁ、危ないところでしたね〜」シュタ
青葉「もしあのまま食べてたら、100%またお腹壊してましたよ?」
提督「ほんとだよ。先ず見た目からしておかしいもんあれ」
提督「まじで助かったわ」ハァ
青葉「曲がり形にも、司令官の右腕ですからね。これぐらいのこと、朝飯前ですよ」フンス
提督「お、おう……」
・・・
ー 執務室 ー
提督「はぁ……疲れた」ガチャ
叢雲「おかえり」
衣笠「お邪魔してま〜す!」
提督「あれ、いつの間に」
衣笠「青葉が秋刀魚漁に出た艦隊の取材に行くって言うから、代わりに寛ぎに来ちゃった♪」ゴローン
提督「ああ、そういえばそんなこと言ってたな」スタスタ
叢雲「それで? どうだったのよ、釣りの方は」
提督「ん? 死んだ」←釣果0匹奴
叢雲「ふーん。中々帰って来ないから、てっきり楽しんでるのかと思ってたんだけど」
提督「まあ楽しかったよ。明日もやりに行くわ、多分」
叢雲「あらそう。なら今日の夕食のメニュー変更ね」
叢雲「秋刀魚料理は、あんたが釣ってきた秋刀魚で作ることにするわ」
提督「いやいいよ別に。普通に作ってよ」
叢雲「え〜? どうしようかしらねー」
叢雲「あんたが食べれるように調理するのも、いちいち手間かかるし」
提督「えぇ……今更過ぎるでしょそれは……」
満潮(改二)「はい、改造終了の報告書。明石さんが渡してって」スッ
提督「ん、ありがと」
叢雲「これで八駆は晴れて全員、第二改造完了ね」
叢雲「どう? 改二になった気分は」
満潮「別に、前とそこまで変わらないわよ。まあ艤装の性能はそれなりに上がったらしいけど」
提督「12.7㎝連装砲C型改二……? 夕立の使ってるB型とは違うのかこれ」ペラ
叢雲「多分、B型改二の改修型でしょ」
提督「へー」
満潮「……それじゃ、私これから訓練あるから。報告書、ちゃんと渡したからね」スタスタ
提督「! あっ、ちょっと待った!」
満潮「?」
叢雲「何枚?」
提督「4枚。朝潮たちの分も」
叢雲「了解」カリカリ
満潮「なに? 早く行かないと訓練始まっちゃうんだけど」
提督「いや、これ。改二祝いと……秋刀魚漁頑張ってくれたっていうあれで」スッ ←甘味無料券
満潮「……くれるの?」
提督「うん。3枚は朝潮たちの分だけど」
満潮「そう……ありがと、ありがたく頂いておくわ」ニコッ
提督「あ、うぃっす」
———パタン
提督「ふぅ……なんか、前より雰囲気柔くなった?」
叢雲「改二になると性格が変わる子もいるからね。強ち間違ってないんじゃない」
提督「いやー、でもあの間よ。怖すぎだろ……」
叢雲「それはあんたがコミュ障なだけでしょ」キッパリ
提督「それな」
提督「俺に言われても分からん!」カリカリ
叢雲「なに、また艤装改造の申請書?」
提督「そう」ポン ←判子
提督「まあ気持ちは分かるけど、にしても多過ぎな」
叢雲「陽炎型に白露型……この辺はもう恒例行事ね」ペラ
叢雲「あら? この字、青葉のじゃないの」
提督「あいつも出してんのかよ……」
青葉「そりゃ出しますよ!」シュタ!
提督(いたんかい)
青葉「大本営は一体いつまで青葉を焦らす気なんですか?」
提督「だから知らんて」
叢雲「妖精は気まぐれだからね。ま、そのうち来るわよ」
青葉「因みに、そのうちっていつ頃で?」
叢雲「そ、そのうちはそのうちよ。気になるなら、大本営の工廠に直接聞きに行ったら?」
青葉「あっ、確かに……それいいですね」
提督「いいのかよ……」
提督「ゲホッ、ゴホッ……あー、だるorz」
青葉「完全に風邪ですね。面白いぐらいに鼻声ですよ、司令官」
叢雲「最近多いわね。鎮守府内でも、職員連中の間で流行ってるみたいだし」
提督「まじかよ。絶対うつされただろこれ」
叢雲「なーに言ってんの。体調管理は自己責任でしょ」
叢雲「ったく、いい歳して。自分の身体ぐらい、自分でちゃんと管理しなさいよね」
提督「すんませーん……」
叢雲「ほら、マスク。後で薬もらってきてあげるから」スッ
提督「あざっす」
※ 面倒見の良過ぎる秘書艦娘の鑑 ↑
提督「ゲホッ、ゲホッゴホッ!!」カリカリ
大淀「あの、大丈夫ですか? 先ほどから咳が酷いみたいですけど……」
提督「まあ熱はないんで。身体は多少怠いすけど」
叢雲「だから休んでればって言ったじゃないの」
提督「いや、流石にこの量の書類を全部任せるのは……ダメでしょ」
※ 月の初めは結構忙しい模様。
大淀「……私も手伝います」スタスタ
提督「え、でも大丈夫なんすか? そっちは」
大淀「はい。今は提督が思ってるほど、こちらは忙しくありませんよ」
提督「へー。そうなんすね」
叢雲「ありがと、助かるわ」
大淀「……」ペコリ
大淀(いつも1人で退屈ですからね。たまにはお喋りしながら仕事をしても、罰は当たらないでしょう)クイ
・・・
大淀「……」カリカリ カタカタ
提督(わー、さすが淀さん。仕事はっや!)
叢雲「やっぱり捗るわね。1人でも手伝ってくれる人がいると」
提督「んな。いつもの数倍楽に感じるわ」
大淀「青葉さんは手伝ってくれないんですか? 今日はいないみたいですけど」
提督「いや、あいつはダメっすね。だいたいゴロゴロしてるだけなんで」
大淀「は、はあ……」
叢雲「あら、でも言えば手伝ってくれるわよ?」
叢雲「あんたが引っ張り出されてる時とか、私結構助かってるもの」
提督「まじで? それは知らんかった」
大淀「青葉さんは広報担当としても、非常に優秀な方ですからね」
大淀「こういったデスクワークに関しては、私以上に御手のものだと思いますよ」
提督「ふーん。全然そうは見えないのに」
青葉「……」
青葉(なんだか出て行き辛いですねこれ……)←聞き耳立て奴
叢雲「いい夫婦の日?」
青葉「はい! 本日11月22日は、世間でそう呼ばれてるみたいですよ」
青葉「何でも、パートナーがお互いに感謝の意を示し、より絆を深める日なんだそうです」
叢雲「ふーん。あんた知ってた?」
提督「さっき知った」カリカリ ←作業中
青葉「まあ青葉も、知ったのは今日なんですけど」
提督「なんやねん」
青葉「ほら、お2人はカリとはいえ、ケッコンしてるじゃないですか」
青葉「なので一応お伝えしておこうかなと」
提督(余計なお世話だわ)
叢雲「最近多いわね、そういう語呂合わせみたいなの」
叢雲「この前はポッキーの日?だったかしら。それもあったし」
提督「んな。他にもまだまだあるからね」
叢雲「へー、そうなの」
青葉(完全に平常運転ですね……)
提督「俺も休みてぇー」カリカリ
叢雲「その文書、今日中に処理しないとダメよ」
叢雲「滞納して文句言われるの私なんだから」
提督「へーい……」
コンコンコン ガチャ
大淀「失礼します」ペコ
提督「! うわ、もしかしてそれも追加っすか?」
大淀「ええ、そのもしかしてです。お忙しいところ申し訳ないのですが……」
叢雲「そこ置いといてちょうだい」
大淀「はい、お願いします」スッ
提督「はぁ……了解っす」カリカリ
叢雲「それ終わったら次こっちね。もう目は通したから、判子だけ押しといて」
提督「あいよ」
大淀「……」
大淀「コホン……いつもありがとうございます。提督、叢雲さん」
提督「へ?」
叢雲「? どうしたのよ急に」
大淀「あ、いえ。今日は勤労感謝の日ですから」
大淀「日々鎮守府を支えてくれているお2人に、感謝の意を述べておくいい機会だと思いまして」
提督「いやいや、そんな。こちらこそですよ」
提督「俺なんか淀さんに比べたらクソですからね」
叢雲「そうね。労働時間でいえば、あんたの方が十分働いてるわよ」
大淀「私はこれが仕事ですから。問題ありません」クイ
叢雲「ふふ、いつも助かってるわ」
叢雲「ありがと、大淀」
提督「ほんと、毎日毎日あざっす」
大淀「……」ペコ
大淀(自分から言い出したのに、いざ言われてみると少し恥ずかしいですね……//)
陽炎「ちょっと司令!」バン!
提督「へ?」
陽炎「何で二水戦だけ祝日に訓練あるの?!」
陽炎「他の隊はみんな休みなのに!」
提督「いや、それは……」
陽炎「しかもいつにも増してキツかったし……まあこれは、気抜いてたあたしが悪いんだけど」
叢雲「そんなにキツいなら神通に言えばいいじゃないの」
叢雲「訓練に関しては全て、神通に一任してあるんだから」
陽炎「そんな恐ろしいこと出来るわけないじゃない(真顔)」
提督「神通さんなら案外、聞いてくれそうだけどね。優しいし」
陽炎「分かってないわねぇ……あの人、訓練のことになると人が変わるのよ」
提督「まじ?」
陽炎「いっぺん見に来たら? 多分ビビるから」
提督「そんなにか……」
叢雲「訓練メニューは私も目通したわ」
叢雲「ちゃんと練りに練られてて、いい仕法だったと思うけど」
陽炎「はぁ……いいわねえ、秘書艦は」
陽炎「訓練より絶対楽そうだもん」
叢雲「あら、だったらやってみる?」
叢雲「私が代わりに訓練出てあげるから」
陽炎「! え、いいの?!」パァァ
叢雲「いいわよ別に。あんたも、構わないでしょ?」
提督「まあいいけど……」
コンコンコン ガチャ
不知火「失礼します。陽炎がここに——」
陽炎「あ、不知火! 聞いて、あたし秘書艦やることになったから!」
不知火「秘書艦を……? 随分と急な話ですね」チラ
叢雲「なんかね。やりたいみたい」
不知火「は、はあ……」
叢雲「陽炎の抜けた穴は代わりに私が入るから」
叢雲「よろしくね、不知火」
不知火「! は、はい。こちらこそ、よろしくです」ペコ
青葉「なるほど、それで陽炎さんが秘書艦を」
提督「うん。なんか全然来ないけどな」
※ 現在時刻 AM 6 : 10
叢雲「まったく……引き継ぎがあるから、1時間早く起きるよう言っといたのに」
青葉「寝坊じゃないですか?」
提督「まあしゃあない。そのうち来るだろ」
ダダダダダ!!!!!
提督「あ、来たんじゃね?」
青葉「おや、意外と早かったですね」
叢雲「うっさいねえ、朝っぱらから」ハァ
バタン!!
陽炎「はぁ、はぁ……ごめん、完全に寝坊したわ……」ゼェゼェ
提督「めっちゃ疲れてんじゃん。まだ始まってもないのに」
青葉「おはようございます、陽炎さん」
叢雲「遅いわよ。何時だと思ってんの?」
陽炎「ほんとごめん。マニュアル読んでたらいつの間にか寝落ちしちゃって……」
陽炎「不知火に叩き起こされちゃったわ」アハハ
提督「まあこれぐらいの時間ならセーフでしょ」
提督「今日は朝礼もないし」
青葉「大丈夫ですよ陽炎さん。司令官は朝礼がある日に限って寝坊しかけますから」
陽炎「えっ、そうなの?」
青葉「はい。その度に、叢雲さんに叩き起こされてます」
青葉「ねえ、司令官?」ニコ
提督「いいんだよ俺のことは言わなくて……」
陽炎「もしかして、司令を起こすのも秘書艦の仕事だったりする?」
叢雲「いや、それは別。秘書艦やってる奴の気分次第ね」
陽炎「ふーん。了解」ニヤ
提督「え、なに……?」
叢雲「さてと、それじゃ今日も始めましょうか」
提督「んー」
陽炎「よろしくね」
青葉「よろしくお願いしまーす」
※ 各自、それぞれの持ち場へ移動。
陽炎「へー、結構少ないのね。書類」
陽炎「もっと山積みになってるのを想像してたわ」
提督「多い日はもっと多いけどね」カリカリ
叢雲「こらこら、どこ行くの。あんたはこっち」
陽炎「へ?」
叢雲「ついて来て」スタスタ
陽炎「えっ、どこ行くの??」
叢雲「秘書艦室。あんた専用の部屋よ」
陽炎「! そ、そんな部屋あったんだ……」
叢雲「ま、今は誰も使ってないけどね」
陽炎「ふーん……てっきり秘書艦は、ここで仕事するものだと思ってたんだけど」
叢雲「それも秘書艦やってる奴の自由」
叢雲「ここでやろうが向こうでやろうが、どっちでも構わないわよ」
陽炎「そうなんだ」
———パタン
提督「秘書艦室か。そういえば誰も使ってないな最近」
青葉「基本的に皆さん、ここでお仕事されるのを選びますからね〜」
青葉「あ、でも青葉は時々使ってますよ? 秘書艦室」
提督「使ってんのかよ……」
ー 秘書艦室 ー
書類の山々「」デデーン
陽炎「」←唖然
叢雲「よしっ、やるわよ」スタスタ
陽炎「……これ全部あたしがやるの?」
叢雲「? そうだけど?」
陽炎「いやいやいや、多過ぎでしょ!!」
陽炎「1人じゃどうあがいても絶対終わらない量よこれ!?」
叢雲「だから朝一で少しでも減らしたかったの」
叢雲「恨むなら寝坊した自分を恨みなさい」
陽炎「うぐっ……」
叢雲「ほら、手動かして。朝餉までそう時間ないわよ」
陽炎「はーい……」トボトボ・・・
・・・
※ 作業開始から数分後 ↓
陽炎(何これ、全っ然減らないんですけど!!)カリカリ
陽炎(これ全部1人でやるとか絶対無理! 終わるわけないじゃないの……)スッ
バサバサ・・・ ←机から溢れる書類たち
陽炎「っ、ああもう!!」
叢雲「それ拾ったら一旦切り上げていいわよ」
叢雲「そろそろ朝餉の時間だから」
陽炎「はぁぁ……全然進まないわ……」
叢雲「初めてにしちゃ上出来よ。この調子で頑張ってね」
陽炎「……頑張れないかもorz」
青葉「どうですか陽炎さん。初めての秘書艦は」
陽炎「まさかあんな書類が多いとは思いませんでした……」
陽炎「だいぶしんどいです。既に(真顔)」
提督「はっや。まだ2時間しか経ってないよ」
陽炎「だって処理しても処理しても、減ってる気がしないんだもん」ムスッ
提督「そんなに?」
陽炎「机から溢れそうなぐらい、とんでもない量だったわ」
提督「……まじかよ」
青葉「あー、いつもの就任祝いですか」
陽炎「? いつもの?」
青葉「秘書艦が代わるとですね、各部署から送られてくる書類が一気に増えるんですよ」
陽炎「えっ」
青葉「あれ、叢雲さんから聞きませんでした? 秘書艦交代時の恒例行事なんですが」
陽炎「は? 何ですかそれ。初耳ですよあたし」
青葉「おや。叢雲さんも意地が悪いですね〜」アハハ
陽炎(全然笑えないんですけど??)
叢雲「ああ、あれね。いわゆる就任祝いってやつよ、あんたの」コトッ ←朝餉の支度中
陽炎「書類の山で祝われたって、あたしちっとも嬉しくないんだけど」ジトメ
叢雲「まあ最悪、訓練関係と出撃関係の書類だけ目通しといてくれればいいから」
陽炎「……他のやつは?」
叢雲「事務方に回すなり、後回しにするなり。あんたのご自由に」
陽炎「え、本当にそれで大丈夫なの? 秘書艦に回ってきた書類なのに」
叢雲「そこはあんたの目を利かすのよ」スタスタ
陽炎「? どういうこと……?」
青葉「つまりですね、優先順位を決めろってことです」
陽炎「青葉さんには分かるんですか?」
青葉「事務仕事はよくお手伝いさせてもらってますからね」
青葉「どこかの誰かさんが引っ張り出されてる時は特に」チラ
提督(俺のことか)
※ 自覚はしてる模様。
陽炎「優先順位ね……なるほど」フム
陽炎「よし、ちょっと続きやってくる!」
青葉「えっ、もう直ぐ朝ご飯ですよ??」
陽炎「先に食べてて! あっ、あたしの分も残しといてよ!」タタタ
———パタン
青葉「ああ、行っちゃった……」
提督「てか陽炎の分もあんの? 朝飯」
青葉「あ、そういえば」
叢雲「あるわよ。一応4人分作っといたから」スタスタ
提督「おお、さすが」
叢雲「戻ってきたら渡してあげて」
叢雲「私この後直ぐ、陽炎の代わりに訓練出ないといけないから」
提督「あいよー」
青葉「了解です!」パクッ
提督「食べんの早えよお前」
提督「訓練て何するん」モグモグ
叢雲「ほら、この前新しい陣形の資料が大本営から届いたでしょ」ペラ
提督「ああ、あったな。そういえば」
青葉「青葉知ってますよ。確か警戒陣って名前でしたよね」
叢雲「そ。警戒陣を使った航行訓練を中心に、出来たら砲雷撃演習まで」ペラ
提督「結構ハードそうだな」
叢雲「そうでもないわよ。昼挟んでヒトゴーマルマルまでらしいし」ペラ
提督「いや、だいぶハードだろそれ」
青葉「さっすが叢雲さん」
青葉「神通さんの訓練をそうでもないなんて、他の駆逐艦の方が聞いたらひっくり返りますよ」
叢雲「そうねえ……体動かすの久々だから、鈍ってないといいんだけど」ペラ
提督「? さっきから何読んでんの」
叢雲「ん? 陽炎の訓練データ」ペラ
提督「訓練データ? なんで今?」
叢雲「いきなりいつもと違う動き方されちゃうと、不知火たちが困っちゃうでしょ」
叢雲「だから少しでも、陽炎の動き方を頭に入れとく必要があるのよ」
提督「あー、確かに」
青葉「あの、それって今見ただけで出来るものなんですか……?」
叢雲「そりゃ多少は違うところもあるけどね。でも、だいたいはリンクさせるつもりよ」
青葉「は、はあ……(困惑)」
青葉(普通ならそんな事、データ見ただけじゃ出来るわけないんですがね……)
※ 絶対に出来ないとは言っていない。
提督「てかわざわざ叢雲が行かなくてもさ、黒潮とか今フリーの子たち入れとけばよくね?」
叢雲「もう全員断られた。『訓練がしんどそうだから』って」
提督「えぇ、まじかよ……」
ー 秘書艦室 ー
陽炎「これは訓練関係だからこっち。これも出撃と遠征関連だからこっちでっと」テキパキ
陽炎「ふぅ……お腹減った。これ持って行ったら1回戻ろ」
書類の山「」
陽炎「まったく、何が着任祝いよ。ただ面倒な事務仕事を押し付けてるだけじゃない」フン
コンコンコン
陽炎「どうぞー」
黒潮「うわ、ほんまに秘書艦やってるやんww」ガチャ
不知火「どうやら、サボってはないみたいですね」
陽炎「むっ……何よあんたたち。何か用?」
黒潮「別に用はないで。暇潰しに覗きに来ただけやからな」
不知火「不知火は演習場に行くついでに」
陽炎「演習場って。方向真逆なんですけど」
黒潮「うはー、何やこの紙の量。これ全部秘書艦の仕事なん?」
陽炎「弄らないでよ。今やっと仕分けが終わったところなんだから」
黒潮「ほーん。案外ちゃんとこなしてるんやねぇ」
不知火「マニュアル読み耽って寝坊した甲斐がありましたね」
陽炎「んもう、邪魔しに来たんなら出てってくれる?」キッ
黒潮「おー、怖い怖い。これは戦艦クラスの眼光やわ」ケラケラ
陽炎「はぁ……ていうか黒潮。あんた暇なら、あたしの代わりに十八駆入りなさいよ」
黒潮「叢雲にも言われたなぁそれ。もう断ったけど」
陽炎「そこは断らないでよ……」
不知火「因みになぜ断ったのですか?」
黒潮「だって、二水戦の訓練とか超しんどいやん」
黒潮「ウチそんなん耐えられへんもん」
陽炎・不知火「……」
※ 沈黙は肯定(定期)
陽炎「さ、さてと。ついでだし2人共、ちょっと手伝ってちょうだい」
不知火「あまり時間がかからない事なら」
黒潮「何のついでか分からへんけど……しゃあない、ウチも付き合ったるわ」
陽炎「ありがと。やっぱり持つべきものは優秀な妹たちね」スッ
陽炎「この書類を分担して、下まで運んで欲しいの」
書類の山「」デーン
不知火「これ全てですか?」
陽炎「そう。全部」
黒潮「え、これ全部処理済みやったん??」
陽炎「まさか。ざっと目通しただけよ」
陽炎「でもいいの。ちゃんと優先順位決めたから」
不知火「は、はあ……」
黒潮「単に自分でやるのが面倒くさいだけやろ(確信)」
・・・
陽炎「失礼しましたー」ガララ
陽炎「ふぅ、これでやっと朝ご飯食べられるわ……」
黒潮「何や、まだ食べてなかったん?」
陽炎「食べる前にどうしても片付けたかったのよ」
黒潮「ほーん」
不知火「しかしこの時間だと、食堂はもう昼まで開かないはずですが」
陽炎「叢雲が作ってくれてるから。それ食べる」
不知火「なるほど」
黒潮「なあ、ウチもこれから執務室行ってええ?」←唐突
陽炎「? 何で?」
黒潮「え、暇やから」
陽炎・不知火「……」
※ 若干イラっときてる模様 ↑
不知火「そんなに暇なら黒潮も、不知火と一緒に訓練受けてください」
黒潮「それは勘弁やわ。あの人の訓練は冗談抜きでしんど過ぎるもん」
陽炎「だからって執務室来ないでよ」
※ ぐう正論。
黒潮「ええやんか別に。司令はんなら絶対いいって言ってくれるよー?」
陽炎「……」
不知火「言うでしょうね。間違いなく」
陽炎「はぁ……」
不知火「不知火はそろそろ訓練の時間なので。これで失礼します」
陽炎「ん、頑張ってね」
不知火「陽炎も秘書艦業務、頑張って下さい」スタスタ
黒潮「大変やねえ、2人とも」
陽炎(後で十八駆に叢雲じゃなくて黒潮を入れるよう、司令に頼んでみよ)
ー 演習場 ー
叢雲「二水戦の訓練てやっぱ厳しいの?」
霞「厳しいなんてもんじゃないわよ。あの人、訓練中は一切容赦ないから」
霰「実戦の方が楽に感じるレベル……」
叢雲「へー、そんなに」
不知火「叢雲は神通さんの訓練は初めてでしたか」
叢雲「ええ。訓練は基本、受ける側じゃなくて教える側だからね」
不知火「た、確かに……そうでしたね」
霰「頼もしい……」ボソ
※ 漂う謎の貫禄。
霞「ふん、どうだか」
霞「ずっと執務室に篭ってて、体も鈍ってるんじゃないの?」
叢雲「それは否定出来ないわねえ。ここ最近ずっと書類整理に追われてたし」
叢雲「まあでも、多分大丈夫でしょ」
霞「いや、多分じゃ困るんだけど」
不知火・霰「……」
不知火(何でしょうか、この謎の安心感は)
霰(やっぱり頼もしい……陽炎よりずっと……)
※ 陽炎をdisってるわけではありません。
・・・
神通「皆さんおはようございます」
二水戦s「「「おはようございます!!」」」ビシッ!
叢雲「おはよ。今日はよろしくね」
神通「いえ、こちらこそ」
神通「叢雲さんに満足していただける訓練が出来るよう、精一杯努めて参ります」ペコ
叢雲「別に普段通りでいいわよ。私も疲れちゃうし」
神通「またそんな、ご冗談を」フフフ
二水戦s「「「っ……」」」ゾクッ・・・
※ 嚮導艦の笑顔に、思わず身の毛がよだつ駆逐艦娘たちの図 ↑
陽炎(うっ、何か急に寒気が……)
陽炎「し、司令。これも後でハンコ押しといて」スッ
提督「んー」ポチポチ ←携帯弄り中
陽炎「……ねえ、さっきからずっと携帯弄ってるけど」
陽炎「司令の分の書類、まだ残ってるわよ?」
提督「うん、後でやるよ」
陽炎「後でって……」チラ
青葉「〜♪」カチャカチャ
黒潮「」zzZ
※ お気に入りのカメラを整備する者と、ソファーの上で爆睡する者の図 ↑
陽炎(何これ)
陽炎(これ絶対秘書艦の方が楽じゃないの。訓練でこんなこと考えられないんだけど)
※ あまりにも緩すぎる光景に、思わず言葉を失う秘書艦。
提督「? 何この申請書」スッ
陽炎「ああそれ。黒潮を叢雲の代わりに、十八駆に編成して欲しくて」
陽炎「別にいいでしょ?」
提督「あー……でも断ったんじゃなかったけ」
陽炎「訓練がしんどいっていう理由でね。黒潮も元は二水戦なのに」
提督「うーん、どうしようかな」
青葉「司令官的には、叢雲さんが側にいてくれた方がありがたいですよね」
青葉「仕事も捗りますし」カチャカチャ
提督「まあ……」
陽炎「むっ……あたしだって慣れればあれぐらいこなしてみせるわよ」ムッ
提督「おお、頼もしい」
陽炎「ていうか、あたしより叢雲の方が大変なんじゃない」カリカリ
提督「なんで?」ポン ←判子
陽炎「秘書艦業は慣れれば仕事も早く出来るようになるけど、訓練はそうはいかないもの」
提督「まあ……そうだね」
青葉「いやぁ、それこそいらぬ心配ですよ」カチャカチャ
陽炎「? どうしてですか?」
青葉「そりゃあもう、くぐり抜けて来た場数が違いますからね」
青葉「それに陽炎さんだって、叢雲さんの練度はご存じでしょう?」
陽炎「はい。特に大きな実力差は感じませんでしたが」
青葉「おっ、中々言いますね〜」カチャリ
提督(いつまでカメラ弄ってんだよ……)
・・・
※ 訓練開始から数刻後 ↓
ザァァァァァ
不知火「つ、次です。両舷前進第一戦速!」
叢雲「了解」
霞「霰、今度はちゃんとついて来てよ……」ゼェゼェ
霰「っ、ちょっと厳しい……かも……」フラ・・・
不知火「! あ、危なっ——」
バシャーン!!
霞「ちょ、あんたたち何やって……!」
叢雲「あらら。また派手にやったわね」
不知火・霰「……」ポタポタ
神通「はい、そこまでです。十八駆逐隊はこれより、10分間の休憩とします」
神通「次、第八駆逐隊」
朝潮「は、はい!」
不知火「っ……霰、怪我はありませんか」
霰「大丈夫……でも疲れた」ガクッ
霞「だ、だらしないわよ……たかだか2時間弱の、航行訓練ごときで……」
※ たかだか× 2時間も◎
叢雲「ほら、とりあえずこれで拭きなさい。そのままだと風邪引くわよ」スッ ←タオル
不知火「あ、ありがとうございます」
霰「……」グデー
叢雲「はぁ……霰、その帽子とって。拭いてあげるから」
霰「……感謝」
霞「他人の心配? 随分と余裕あるじゃないの」
叢雲「まあね」ゴシゴシ
霰「叢雲は疲れないの……?」
叢雲「疲れないわけないでしょ」
霰「えっ」
不知火「しかし不知火の目には、全く疲れてないように見えるのですが……」
叢雲「それは表に出してないだけ。本当はかなり疲れてる」
霞「いや、ちっともそうは見えないんだけど」
霰「やっぱり凄い……」
不知火「流石です」
霞「ま、まあこれぐらいやってくれないとね。他の艦娘に示しがつかないし」
叢雲「だから疲れてるってば(まだ余裕はあるけど)」
陽炎「なんか、意外と楽ね。秘書艦の仕事って」カリカリ
提督「そう?」
陽炎「うん。訓練側だったら今頃、魚に餌あげてたかも」
提督「出たその言い方。おもろすぎだろ」
※ 通じる人には通じる言い回し。
陽炎「ほんと冗談抜きでキツいのよ。肉体的にも精神的にも」
陽炎「今日の訓練なんか特にそう。航行訓練はあの人、超真剣にやるからね」
提督「真面目だもんなぁ、神通さん」
陽炎「多分、今日はみんなヘトヘトで動けないんじゃないかしら」
提督「そんなにか……」
青葉「秘書艦の仕事もそんなに甘くないですよー、陽炎さん」カチャカチャ ←カメラ(定期)
陽炎「ええ、もちろん分かってます」
提督「いや、お前が言っても説得力なさすぎるわ」
コンコンコン ガチャ
大淀「失礼します、っと」
提督「あっ、お疲れっす」
陽炎「?!」
陽炎「あ、あの……もしかしてそれも……?」
大淀「はい。処理していただきたい書類の追加分です」ドサッ
書類の山「」\デーン/
陽炎「」←唖然(2回目)
提督「うっし、そろそろやるか」
大淀「お願いします。就任初日の陽炎さんには少し、荷が重いかもしれませんが……」
提督「大丈夫っすよ。最悪、青葉に手伝わさせるんで」
青葉「何で青葉が手伝う前提なんですかね……」
ザァァァァ・・・
不知火「もし一発でも当たれば追加訓練ですからね。各自、死ぬ気で避けてください」
霞「ちっ、つくづく貧乏くじね……さっきからこっちばっか狙われてる」←下編成
叢雲「これも警戒陣の特徴ってわけね」←下編成②
※ 警戒陣は下に編成された艦が狙われやすくなります。
霰「……」グッ
不知火「霰、叢雲に寄りすぎです。もう少し離れてください」
霰「っ……ごめん」
ドンッ ドンッ!!
霞「ちょ、どんだけ私の方狙ってくんのよ!!」
叢雲「へえ、あの距離から夾叉弾か。さすが八駆、いい狙いしてるわね」
霞「感心してる場合じゃないんですけど?!」
霰(やっぱり叢雲の近くにいて正解……)
ヒュルルルル
霞「っ、このクズが!!」サッ
叢雲「おー、ナイス回避」
不知火「やりますね」
霰「……」パチパチ ←無言の拍手
霞「はぁ、はぁ、何で私ばっかり……」ゼェゼェ
スゥゥゥゥ・・・
叢雲「おっと、危ない危ない」サッ ←miss
不知火「! 酸素魚雷……いつの間に……」ゾク
霰「全然気が付かなかった……」
霞「わ、私も全く見えなかった。よく気が付いたわね今の」
叢雲「……」チラ
神通「……」ニコ
※ 無言の会話(矛盾)
叢雲「はぁ……確かにおっかないわね。あんたたちの嚮導艦」
他三人「「「??」」」
神通「流石ですね叢雲さん。あれに気が付くなんて」
神通「私なりに本気で撃ったはずなんですが」
叢雲「ったく、勘弁してよ。訓練用だって当たれば痛いんだから」
神通「申し訳ありません。つい身体が火照ってしまいました」フフフ
叢雲「はぁ……」
他三人「「「……」」」ポカーン
霞「あ、あの魚雷……神通さんのだったのね……」ゾワッ
不知火「なるほど。道理で不知火たちでは見えないはずです」
霰「でも、叢雲だけは見えてた……やっぱりすごい」
不知火「ええ。流石としか言いようがありません」
霞「……駆逐艦て何だっけ」
※ 各々の想像にお任せ致します。by提督
陽炎「……」ポカーン
青葉「すみません陽炎さん、そちらの書類取ってもらってもいいですか?」カタカタカタ ←高速タイピング
陽炎「へ? あ、はい。どうぞ」スッ
青葉「ありがとうございます」
青葉「司令官、今月の資材の収支報告書です。後で判子押しといてください」
提督「あ、うん。あざす」
陽炎「すごい、どんどん書類が減ってく……」
提督「これ夜までに普通に終わりそうやな」
青葉「青葉のおかげで」
提督「まあ……だな」
陽炎「青葉さんてこんなに仕事の出来る人だったんだ……」
陽炎「いつも執務室でだらけてるイメージしかなかったんだけど(ド直球)」
青葉「何ですかその勝手なイメージは……」
※ ほぼ合ってます。
陽炎「そっか。いつも執務室にいるのはこうやって、司令のお手伝いをするためだったのね」
青葉「あー……まあそれもありますね」
提督「嘘乙。俺がいる時は常時ゴロゴロしてるやんけ」
陽炎「えっ」
青葉「そ、それはあれですよ! 能ある鷹は爪を隠すってやつです!」
提督「何やねんそれ」
陽炎「はぁぁ……疲れたぁ」ゲンナリ
叢雲「あら、意外と進んでるじゃない。もっとペース遅いと思ってたんだけど」
陽炎「青葉さんが手伝ってくれたからね……ほんと助かったわ」グデー
青葉「司令官が新しいカメラを新調してくれるって言うので、致し方なく」
提督「おい、言ってねーぞ」
叢雲「ふーん……まあこの調子なら、手貸す必要もなさそうね」ペラ
提督「普通に終わるよ。てか訓練どうだったん?」
叢雲「ああ、案外楽しかったわよ。久しぶりに身体動かせたし」
提督「へー」
陽炎(神通さんの訓練が楽しいって、どんな感性してんのこの子)
※ 超真顔 ↑
叢雲「あんたたち昼餉は? もう済んだ?」
提督「いやまだ。さっきまでずっと書類整理してたし」
叢雲「了解。午後練まで時間あんまないから、昼餉はサンドイッチね」スタスタ
提督「うぃー」
陽炎「え、昼も叢雲が作るの?」
叢雲「? そうだけど」
青葉「あっ、青葉も手伝いまーす!」タタタ
提督「俺卵抜きでよろ」
陽炎「……」
陽炎(駆逐艦て何だっけ……?)
※ 各々の想像にお任せ致します(2回目)
陽炎「ねえ、そっちは訓練どこまで進んだの?(このサンドイッチうっま)」モグモグ
叢雲「航行訓練はひと段落で、午後は砲雷撃訓練だって」
陽炎「へー、もう砲雷撃やるんだ」
陽炎「てっきり午後も航行訓練だと思ってたのに」
叢雲「あんたがいないから、気使ってくれたんじゃないの」
叢雲「私あくまでも臨時だし」
陽炎「うーん、ありがたいようなありがたくないような……」
青葉「司令官! 青葉こういうカメラが欲しいです!」スッ ←カタログ
提督「だから知らんて……」
黒潮「……んあ? 何やいい匂いが……」クンクン
黒潮「って、うちも食べる!!」バッ
叢雲「あ、起きた」
青葉「おはようございます。随分長いお昼寝でしたね」
黒潮「いやぁ、日頃の疲れが溜まってたもんで。ついな」アハハ
陽炎「……」ゴゴゴゴ ←無言の圧力
提督(うわー、めっちゃキレてるー)
・・・
黒潮「んっ、めっちゃ美味しいわこのサンドイッチ!」モグモグ
黒潮「これ全部叢雲が作ったん?」
叢雲「卵が入ってないやつは私」
青葉「入ってる方は青葉が作りましたー!」
黒潮「はー、2人とも料理上手やなぁ。磯風とは大違いや」
陽炎「あれは料理以前の問題でしょ」
提督(それは分かる気がする)
※ 詳しくは秋刀魚回をご覧ください。
陽炎「ていうか、何であんたまでここで食べてるのよ」
黒潮「陽炎だってここで食べてるやん」
陽炎「あたしは秘書艦。今まで眠り呆けてたあんたとは違うの」
黒潮「うち今日フリーなんよ。どこで過ごそうがうちの勝手やろ?」
陽炎「寝るなら自分の部屋で寝ろってこと。ここは執務室、あんたの昼寝部屋じゃないんだから」ガミガミ
黒潮「はぁ……まーた陽炎の小言が始まった。そろそろ耳にタコができそうやわ」
陽炎「ちょっと黒潮! 何よその態度は!!」
黒潮「分かった分かった、ちゃんと聞いとるって」
提督「まあそんなに騒がない分には別にいても——」
陽炎「司令は黙ってて」キッパリ
提督「あ、はい」
青葉「あらら。提督としての威厳はどこへ行ったんでしょうねえ」
叢雲「そんなもの、元から備わってないでしょ」ズズー ←茶
青葉「確かに」
提督「それな」
※ 午後の業務開始 ↓
陽炎「まったく、司令は少し甘過ぎるのよ」カリカリ
提督「へ?」
陽炎「だ・か・ら! 司令がああやって甘やかすから、黒潮もつけ上がるの!」
陽炎「編成案の事だってそう。司令からガツンと言ってやれば、あの子も納得せざるを得ないんだから」
提督「まあ……そうだね」
陽炎「司令の場合、飴と鞭で例えると100%飴なのよ。少しは鞭も使わないとダメ」
提督「す、すんません……」
※ 艦娘に説教される提督の鑑はこちらです ↑
提督「いや、でも俺だって言う時は言うよ?」
陽炎「ふーん。司令がガツンと言ってるところなんて、あたし見たことないけど」
提督「そりゃ言う必要ないからな。みんないい子だし」
陽炎「ほーら、直ぐそうやって甘やかそうとする」ジトメ
提督「いやだって事実なんだもん」
陽炎「はぁ……まあ司令のそういう所が、面白くていいんだけどさ」ボソッ
提督(てか俺の方が怒られてるしな。そもそも)
陽炎「ふあ……ふぅ……」ノビー
陽炎(ずっと座ってるのも案外しんどいわね……)
提督「疲れた?」
陽炎「ううん、大丈夫。こんな事で疲れてたら駆逐艦なんて務まらないもん」
提督「おお、さすが」
陽炎「でも毎日続けられるかって言われると、ちょっと自信ないかなぁ……」
提督「まあそれはしゃあない。好きで秘書艦やる奴なんていないし」
陽炎「? 叢雲は?」
提督「あー……あれはまた別だな」
提督「正確には、やってもらってるってのが正しい。あれは」
陽炎「いいじゃない別に。ケッコンまでしてるだから」
提督「カリな」
陽炎「カリにしては随分、仲良さげだけど?」
提督「まあ……悪くはないんじゃね」
陽炎「喧嘩とかしないの? 毎日一緒にいて」
提督「いや、しないな。したとしても100%負ける」
陽炎「ふふっ、司令そういうの弱そうだもんね」クス
提督(弱いって思われてた)
※ 事実です。
陽炎「あっ、じゃあ青葉さんは? あの人もいつもここにいるんでしょ?」
提督「あれはゴロゴロしに来てるだけな」
陽炎「ふーん……」
提督「まあたまに役に立つけど」
陽炎「……青葉さんも青葉さんで司令のこと相当好きよね」
提督「さあ……どうなんだろうね」
青葉「……」
青葉(また青葉が出て行き辛い話を……)ガクッ ←2回目
青葉「た、ただいま戻りましたー」シュタ
提督「んー」
陽炎「わっ! え、青葉さん?!」ビクッ
青葉「あ、驚かせちゃいましたか……すみません陽炎さん」
提督「やば、今ペン吹っ飛んだぞ」
※ 驚き過ぎて思わず、持っていたペンを吹っ飛ばした陽炎さん。
陽炎「い、いえ。あたしも少し気が抜けてました」
提督「もう普通に入って来いよ扉から」
青葉「はいはい、次は気をつけますって。ね、陽炎さん!」
陽炎「へ? あ、はい……あたしは別に」
提督「はぁ……まあいいけど。俺も使ってるし」
青葉「そうですよ。言うなれば司令官も同罪ですからね?」
提督「お前ほどポンポン使ってないけどな。俺は」
陽炎「? さっきからなんの話?」
提督「え? あー……」チラ
青葉「ふむ……陽炎さんになら教えてもいいかもしれません」
青葉「陽炎さんもある意味、こちら側の人間ですし」ニヤリ
陽炎「えっと、その……何をでしょうか」
青葉「ふっふっふ、知りたいですか? 知りたいですよねぇ??」
陽炎「は、はい……一応」
青葉「分っかりましたぁ! 久しぶりにタネ明かしといきましょう!」
陽炎(なんか青葉さん、変なスイッチ入ってない……? これ)
提督「言うならはよ言えよ」
・・・
青葉「——ざっと説明するとこんな感じですかね」
青葉「どうです? 全然気が付かなかったでしょう?」ドヤァ
※ 腹立たしいぐらいドヤ顔してます ↑
陽炎「えっと、要するに……青葉さんと司令だけが知ってる、秘密の抜け道的なモノが何個もあって」
陽炎「青葉さんはそれを使い、毎度瞬時に現れたり消えたりする……と」
青葉「誰にも言っちゃダメですよ? バレたら大淀さんに怒られちゃいますから」
陽炎「は、はあ……(普通怒られるだけじゃ済まないと思うけど)」
青葉「まあ物は試しです。ついて来てください」スタスタ
陽炎「あ、はい」
提督「やっぱここか」
青葉「はい。この部屋からだと1番使いやすいので」コンコン
陽炎「?(壁……? もしかして、よくある壁が回転する的なやつかしら)」ドキッ
※ 地味にワクワクしてる様子の陽炎さん。
青葉「あっ、ちなみに壁は回転しません。流石にそんな大掛かりなモノは作れませんでした」
陽炎(あれ、違った)
青葉「ですが——」スゥゥ・・・
陽炎「!! え、えっ?!」
陽炎(消えた……と言うよりすり抜けた……?)
青葉「とまあ、こんな感じです」ヌッ
陽炎「ぶっ!!」
提督「こっわ。首しか出てないやん」
青葉「あははっ、この芸もお約束ですよね〜」
※ 首だけ青葉(ネーミングセンス0)
陽炎(そんなお約束嫌だ……)
青葉「さあ陽炎さん、どうぞ。ずいずいっと中へ」
陽炎「うっ……な、なんか不安になってきた……」チラ
陽炎「ねえ、司令も一緒に来て。お願い」
提督「え」カリカリ ←意外と仕事中
陽炎「いいから! お願い!」グイ
提督「ちょ、待ってちょっと!」
青葉(あれ、青葉ってもしかして信用されてない……?)
ー 演習場 ー
霞「ちっ、このクズが!!」ズドォン!!
不知火「沈め!!」ズ ドンッ!!
霰「撃ちます……」ドンッ!!
ヒュルルルル ドゴオオオオオ!!!!
深海模型×3「」大破
叢雲(あんたたちだって全然疲れてないじゃない。しかも全員、命中率高いし)
霞「ほら次、あんたの番」
叢雲「ん」チャキン
霞「みんなのお手本になるようなモノを期待してるわ」
叢雲「はいはい。及ばずながら、頑張らせていただきます(なんてね)」
不知火・霰「……」ジー
※ 向けられる期待の眼差し。
叢雲(うっ、なんか期待を裏切るようで良心が……)ドン ドン!
バシャーン・・・
叢雲「? あれ、おかしいわね」ドン ドン ドン!!
深海模型「」miss!
霞「ちょっとちょっと! いくらなんでも外し過ぎでしょ!」
叢雲「そ、そう? ま許容範囲だと思うけど」
霞「はあ?! 私が言ってるのは——」
不知火「霞、訓練中です。私語は慎んでください」キッ
霞「っ、だってこんな……」
霰「続けて叢雲……陽炎だって、当たらない時は当たらないから……」
叢雲「え、ええ。ごめんなさい」
叢雲(うーん、絶不調時の陽炎ぐらいに抑えてみたんだけど……わざと外すってのも案外難しいわね)ドガン!!
ドオオオオオ!!!! ←爆☆散
一同「「「?!!!」」」ザワッ
叢雲(あ、やば。力の調整間違えた……)
※ 深海模型は戦艦並みの耐久値があります。by明石
陽炎「うわ、ほんとにすり抜けちゃった!!」
陽炎「え、これどういう構造?!」ギュッ
提督「っ、陽炎さん痛いっす……」
陽炎「あ、ごめんごめん。つい力入っちゃった」パッ
青葉「構造の事はもし知りたければ、夕張さんに聞くといいですよ」
青葉「設計したのも設置したのも全て彼女ですから」
陽炎「はーっ、もう工作艦でもやっていけるんじゃない? あの人」
提督「それはある」
青葉「3度の飯より機械弄りが好きな方ですからねえ。この鎮守府の夕張さんは特に」
陽炎「なるほど。道理で全然見かけないはずだわ」
提督「ずっと工廠籠もってるからな」スゥゥ・・・
陽炎「あれ、もう戻っちゃうの??」
提督「誰もいないとやばいでしょ。流石に」
陽炎「あー……それもそうね」
青葉「今度時間がある時にルート案内しますよ」
陽炎「えっ、本当ですか?!」パァァ
青葉「もちろん。陽炎さんならきっと上手く使ってくれるはずですから」
陽炎「やったぁ! ありがとうございます!!」
提督「はぁ……また資材たかられるなこれ」
夕張「まいど〜、資材の取り立てに伺いましたー!」ニコニコ
提督「ほら来たよ」
青葉「さすが、仕事がお早い」
陽炎(取り立てって……)
※ 正確には資材をねだりに、です。
夕張「あれ、陽炎ちゃん? もしかして秘書艦やってるの?」
陽炎「は、はい。今日からですけど」
夕張「へえー、珍しい。喧嘩でもしちゃった?」
提督「何でそうなんの。別にしてないよ」
夕張「そうなんだ。てっきり喧嘩して、秘書艦やってもらえなくなったのかと思った」アハハ
青葉「本当にそうだったら面白かったんですけどね〜」ハハハ
提督(なんやねん)
※ 日頃の行いが悪い結果。
夕張「何で急に秘書艦代わったの?」
提督「え、何でって……」
陽炎「あ、それはあたしが。無理言って代わってもらったんです」
夕張「あら。よかったですねー、提督」
提督「なにが?」
夕張「自分から秘書艦をやりたいなんて言う艦娘は、この鎮守府じゃ希少種ですよ?」
夕張「提督にとっては、中々に喜ばしい事じゃないですか」
提督「まあ……そうだね」
陽炎「うっ、なんか少し複雑だわ……」
※ 秘書艦をやりたかった△ 訓練より秘書艦の方が楽そうだったから◎
夕張「それではその喜ばしい気持ちのまま、こちらの書類にハンコをお願いします!」スッ
提督「……でたよ。絶対くると思ったわ」ウケトリ
夕張「さっすが提督、そうこなくっちゃね♪」
陽炎「? 何ですかこの書類」
夕張「ああ、気にしないで。お小遣いを貰うための申請書みたいなものだから」
陽炎「は、はあ……?」
提督「あまり変な事に使わないでよ」ポン ←判子
夕張「分かってますって。この夕張の腕をもっと信じなさい」スマイル☆
提督「……まあいいけど」
陽炎(いいんかい)
※ 心の中で盛大なツッコミを入れる陽炎さん。
夕張「それじゃ、私はこれで!(次は何試そっかな〜♪)」ルンルン
———パタン
陽炎「……もの凄くご機嫌だったわね」
提督「資材大好きマンだからな」
青葉「お金より資材を取る人ですからねぇ……まあちゃんと腕も一流なんですけど」
陽炎「どんだけ開発好きなのよ……」
ザァァァァ・・・
不知火「次発装填。陣形に慣れてないとはいえ、命中率が悪すぎます。そろそろ各々で修正してください」ガシャン
霞「簡単に言ってくれるわね……そういうあんただって、全然じゃないの……」
不知火「……」
霰「修正……不可……」
※ オレンジ疲労2名、赤疲労1名(誰とは言わない)
叢雲「初めての陣形にしちゃ、全然及第点だと思うけどね」
不知火「いえ、明らかに第八駆逐隊のそれより低い……このままではダメダメです、落ち度あり過ぎです……!!」グッ
叢雲「何でそこで落ち度が出てきた」
※ 疲れるとボケ?に走る不知火さん。
霞「喋ってる暇があったら集中しろ!」クワッ
叢雲「ああ、ごめんなさい。つい」
霰「んちゃ」
霞「ハァ、ハァ……orz」ゼーゼー
叢雲「ちょっと、大丈夫?」
霞「うっさいわね……ならあんたがツッコミなさいよ……」
叢雲「それは遠慮しとくわ。私そんなキャラじゃないし」
霞「……あっそ(この体力バカ!)」
不知火「無駄話はそこまでです。各艦、魚雷戦用意」ガシャン
霞「ふん、こうなったら絶対あんたより多く当ててやるわ」
叢雲「いや、味方同士で競争してどうすんのよ」
※ ド正論。
不知火「撃て!!」
霞「沈みなさい!」
霰「撃つよ」
叢雲(疲れてても掛け声だけは大きいわね……)
神通「さて、そろそろ頃合いですね。疲労もいい具合に溜まってきたでしょう」
二水戦s「「「っ……」」」プルプル
※ 赤疲労者続出(誰とは言わry)
神通「それでは予定通り、本日の訓練はここまでとします。お疲れさまでした」
二水戦s「「「お疲れ様でした!!」」」ビシッ!
叢雲(赤疲労だってのに……ほんとよくやるわね、あんたたち)
神通「叢雲さん」
叢雲「? ん?」
神通「……その様子だと、まだまだ余裕そうですね」
神通「安心しました」ニッコリ
叢雲「案外そうでもないわよ。ずっと書類と睨めっこしてた私にとっては、存外ヘビーな訓練だったわ」
神通「叢雲さんにそう言って頂けると、私も訓練のしがいがあります」フフフ
叢雲(あっ、これ変なスイッチ入れちゃったかも……)
・・・
大潮「うぅはぁ……疲れた、疲れたよぉ……」
満潮「なんか終わってみれば、いつも以上にしんどかった気がするわね……」
朝潮「くっ、こんな事で疲れているようでは……!」ギリ
満潮「いや、訓練なんて疲れてなんぼでしょ。何で悔しがるのよ」
荒潮「終わった……私、今生きてる……?」
満潮「大袈裟すぎ——って言いたいところだけど、私もとっくに赤疲労なのよね……」ハァ
霞「あら、みんな揃って酷い顔ね。荒潮なんて顔真っ青じゃないの」
不知火「お先です」ペコ
霰「んちゃ」
満潮「なに、わざわざ煽りにでも来たの?」
霞「まさか。煽るぐらい余裕があるのなんて、叢雲ぐらいでしょ」フン
満潮「……そういえば終始けろっとしてたわね」
霞「陽炎以上の体力バカよ、あれは。とてもじゃないけどついて行けないわ」
満潮(体力バカって……素直に練度の違い認めればいいのに)
※ 素直さ=満潮>>>霞
陽炎「はっくしゅ!」
陽炎「うぅ……ごめん司令、ティッシュある?」
提督「あるよ。青葉そこのティッシュ投げて」
青葉「はいはい」ポイ
提督「っと。風邪?」スッ
陽炎「あはは、そんな柔じゃないわよ。あたし元気だけが取り柄みたいなものだし」
提督「そ、そうなのか……」
※ どう反応していいか困る提督の図。
陽炎「ふぅ、結構頑張ったわね。就任初日にしては、中々いいスタートじゃない?」
提督「だね。意外と順調」
陽炎「でしょ? って事で、陽炎、休憩入りまーす!」
提督「あ、俺も休もー。なんか小腹減ってきたし」
※ 休憩に入るタイミングは基本自由です。
陽炎「あたし甘い物が食べたい。具体的にはパフェとか餡蜜とか」
青葉「いいですね〜。青葉もお腹空いてきちゃいました」
提督「流石にここにはないわ……お菓子とかアイスならあるけど」ガララ
陽炎「! え、これ全部お菓子??」
提督「うん。腹減った時用にね」
提督は引き出しからお菓子を取り出した!
陽炎「どんだけ溜め込んでるのよ……(羨ましい)」
青葉「あっ、青葉お茶淹れて来ますね」シュタ
提督「んー」モグモグ
陽炎「……なんかもう、色々とやりたい放題って感じね。ここ」
陽炎「んー、そういえば訓練どうなったかな」パクッ ←アイス
提督「もう終わってる時間だな。そういえば」
陽炎「予定通りならね。でもあの人の場合、延長なんてざらだから」
陽炎「まだやってる可能性も——」
ガチャ
叢雲「ふぅ……」パタン
提督「あ、帰って来た。お疲れー」
叢雲「シャワー借りたわよ。ついでに洗濯物取り込んどいたから」
提督「ああ、あざっす」
陽炎「? あれ、あんた頭の艤装は? あの耳みたいなやつ」
叢雲「外した。私今日はもうフリーだし、別に必要ないもの」トサッ ←着席
陽炎「た、確かに。それもそうね」ジー
青葉「お疲れ様です、叢雲さん。今お茶淹れますね」
叢雲「あら、気が利くわね。ありがと」
陽炎「……ねえ、司令」
提督「ん?」
陽炎「ここの叢雲ってさ、すっごい大人びてない? 駆逐艦なのに」
提督「まあ……昔っからだけどね」
陽炎「毎日1人で秘書艦こなして、神通さんの訓練を受けても平然としてる……」
陽炎「ケッコンすると駆逐艦でも、みんなああなるの?」
提督「へ? うーん、どうだろ……」
※ ケッコンしても体力は上がりません。
叢雲「あ、忘れてた。これ、判子押しといて」スッ
提督「? 何それ」
叢雲「訓練用の模型が壊れちゃったのよ。それの追加申請書」
提督「あー。おけ」ウケトリ
陽炎「工廠で直してもらえば? あたしたちもいつも工廠に持って行ってるし」
叢雲「無理ね。海の藻屑と化した物は、いくらなんでも直せないでしょ」
陽炎「う、海の藻屑……?」
提督「海の藻屑って。何したん」
叢雲「ちょっとね。力の調整間違えちゃった」
陽炎「えっ」
青葉「ほほう。つまり主砲でドガーンと、やっちゃったわけですね!」
叢雲「そ。いやー、焦った焦った」
提督「それ周りの方が絶対焦ったやつやん」
叢雲「霰と不知火はそうでもなかったけど、霞がね。結構驚いてた」
提督「そりゃそうなるだろうな」
青葉「その光景、ぜひ写真に収めたかったですね〜」ハハハ
陽炎「いや、全然笑えませんけど?!」
陽炎「戦艦並みに丈夫なのに、一体どうやったら海の藻屑にできるんですか?!」
※ 陽炎さん、渾身のツッコミ。
叢雲「偶然よ。たまたま当たりどころがよかっただけ」
叢雲「そんな気にすることでもないでしょ」
陽炎「……あんた火力そんなに高かったっけ?」
叢雲「まあ。少なくとも陽炎よりは高いわね」
陽炎「はぁ……いいなあ、改二。あたしにも早く来ないかしら」
青葉「あ、そうだ。よかったら陽炎さんも青葉と一緒に、直談判しに行きませんか?」
陽炎「? 直談判?」
青葉「はい! いつになったら改二艤装完成するんだって、ちょっと大本営の方に」
陽炎「えっ。そ、それは流石にマズいのでは……」
※ 流石にビビる陽炎さん。
提督「お前やめろよまじで。冗談抜きで俺の首飛ぶからな」
青葉「大丈夫ですよ! 司令官の代わりなんていくらでもいますから!」
提督(こいつ……)
叢雲「ふふっ、言われてるわよあんた」ケラケラ
陽炎「ご、ごめん司令。笑っちゃいけないって分かってるんだけど……フッ」クスクス
提督「……まあいいよ別に。ほんとのことだしな」
叢雲「あら、拗ねちゃった?」
青葉「拗ねましたね。記念に1枚いいですか?」スッ
提督「撮ったらそのカメラぶっ壊すからな(本気)」
青葉「うっ……あー、どうも今日は調子が悪いみたいですねこのカメラ」
青葉「撮るのはまた今度にしておきましょう。残念ですが」
陽炎「え、もしかして本気で怒ってる……?」
叢雲「まさか。青葉は前に本当にカメラ壊されてるから、懲りてるだけよ」
陽炎「あれ冗談じゃなかったんだ……」
陽炎「うげえ、これ……この前あった駆逐艦一斉テストの結果じゃない」ペラ
提督「あー、もう結果きたのか。早いな」
陽炎「しかも全員分。こんなものまで秘書艦になったら見れるんだ」
叢雲「他にも訓練関係やら任務関係、出撃関係の書類も全部見れるわよ」
陽炎「知ってる。一応朝のうちにざっと目通しといた」
陽炎「だいぶ関係ないのも混じってたから、それは全部下に回したけど」
叢雲「ふふ、なるほどね。道理でいつもより少ないはずだわ」
提督「全部……」
青葉「今頃下はてんてこ舞いでしょうねー。絶対後で遠回しに嫌味言われますよ」
陽炎「え、ダメだった?」キョトン
提督「いや、別にいいんだけど。うん」
※ かなり図太い性格な模様。
陽炎(それにしても、発表前に全員の結果見れちゃうなんて。これも秘書艦の特権よね)ペラ
陽炎(うわー、不知火……相変わらず成績いいわねあの子)ペラ
陽炎「ぶっ! ちょ、黒潮赤点じゃないの!?」
叢雲「ああ、赤点だったわね。そういえば」
提督「あらら」
陽炎「あんだけ余裕ぶっこいててこれはないわ……後でお説教ね」ハァ
青葉「ふむふむ、黒潮さんは赤点と……」カキカキ
青葉「ちなみに、陽炎さんは大丈夫だったんですか?」
陽炎「あたしは……まあ可もなく不可もなくって感じですね」ペラ
叢雲「つまり平均ってわけね」
陽炎「そ、そうよ」
青葉「平均、なるほど……」カキカキ
陽炎「ちょっと青葉さん、何メモしてるんですか」
青葉「あはは〜、お気になさらず」
陽炎「いや気にしますよ普通……」
コンコンコン ガチャ
神通「失礼します」ペコ
陽炎「!」ビクッ
提督「あ、お疲れっす」
青葉「お疲れ様ですー」
神通「お疲れ様です。本日の訓練の結果報告書をお持ちしました」スッ
提督「ん、あざっ——」
陽炎「こ、ここは秘書艦のあたしが! お預かりします!!」
神通「あら、そうですか。ではお願いします」ニッコリ
陽炎「はいっ! お任せください!」ビシッ
※ 実は突然の嚮導艦の来訪で、心臓バクバクの陽炎さん。
叢雲「にしても、相変わらず仕事が早いわねえ。他の隊はまだ誰も持って来てないってのに」
神通「いえ、そんな事は。いつも通りですよ」
神通「それより叢雲さん、今お時間よろしいですか?」
叢雲「? 別に構わないわよ。ちょうど暇してたし」
神通「ありがとうございます」ペコ
陽炎「」ポカーン
提督「? どした?」
陽炎「! ううん、何でもない」
陽炎(普通なら「何ため口訊いてんだ」って引っ叩くところだけど……やっぱ只者じゃないわ、この子)
陽炎「ねえ司令、お願いがあるんだけど」
提督「ん?」
陽炎「演習したいの、叢雲と。1対1の実戦形式で」
青葉「」ピクッ
提督「1対1?? あー、どうだろ……」
陽炎「お願い! この通り!」チラッチラッ
提督「うーん……てか何で? どうしたの急に」
陽炎「別にどうもしないわよ。強いて言うなら好奇心?かしら」
陽炎「うちの秘書艦がどれぐらい強いか、興味あるのよね」
提督「興味……」
陽炎「あたし1回も叢雲が戦ってるところ見たことないし」
陽炎「ね? いいでしょ?」
提督「……まあ叢雲がいいって言うなら。多分いいって言うだろうけど」
陽炎「ほんと?! やった! ありがと司令♪」
提督(そういや1回も一緒に出撃した事なかったか……)
陽炎「あたしお茶淹れてくるわね!」タタタ
提督「あ、うん。あざす」
青葉「……実戦形式ですか。陽炎さんらしいですね」
提督「やばい、神通さんに怒られるかも。勝手にこんな約束しちゃって」
青葉「大丈夫ですよ。司令官がいいって言うんですから」
提督「うーん……」
青葉「陽炎さんもそれを狙って、司令官にお願いしたのかもしれませんね〜」
提督「勘弁してくれよorz」
※ 艦娘に怒られる事を懸念する、提督の鑑。
叢雲「は? 演習?」←帰ってきた
提督「うん。なんかやりたいんだってさ、1対1で」
陽炎「よろしくお願いします!」
叢雲「随分唐突ね……別にいいけど」
提督「あ、いいんだ」
陽炎「よしっ! 今日はもう遅いから、明日にしましょ!」
陽炎「時間は……」
叢雲「ちょっと待ちなさい。明日って、訓練海域の空きは——」
陽炎「ああ、それなら大丈夫。午前中だけ第六演習場を貸切で使えるようにしといたから」
提督「え、いつの間に……」
叢雲「へえ、やるじゃない。あんた秘書艦向いてるわよ」
陽炎「そりゃどーも」
陽炎「でもごめんね、秘書艦は今日限りで降りるわ」
叢雲「あら、もう降りるの? 残念」
陽炎「あたしはやっぱり、訓練で身体動かしてる方がいいみたい」
陽炎「今日1日机に向かってて、それがよく分かったの」
叢雲「ふーん、そう。了解」
陽炎「あ、秘書艦は降りるけどここには遊びに来るから」
陽炎「だから司令、あたしの分のお菓子も用意しといてね!」
提督「あ、はい」
※ いつものメンバーに、陽炎さんが追加されました?
↓ フタヒトマルマル 執務室 ↓
陽炎「はぁぁ、終わったぁ……」ガクッ
提督「お疲れ。いやー、まさか終わるとは思ってなかったわ」
陽炎「まったく、どいつもこいつも……提出期限ぐらいしっかり守れっての」ブツブツ
※ 仕事が終わったと思う度に報告書やら何やらが増え、イライラが蓄積されていった陽炎さん。
叢雲「終わったみたいね」スタスタ
叢雲「夕餉、用意してあるから。冷めないうちに食べちゃいなさい」
提督「うぃー」
陽炎「ん、この匂いは……」
提督「カレーだな」
※ 即答。
青葉「陽炎さん陽炎さん! 食べながらでいいので、今日1日秘書艦やってみての感想をお願いします!」モグモグ
陽炎「か、感想ですか?(青葉さん食べるのはや……)」
陽炎「わっ、美味しい……あんた料理も上手なのね」パクッ
叢雲「まあ毎日作ってればね。嫌でも上手くなるわよ」
叢雲「特に注文の多い奴に作る場合は、色々と手間もかかるし」チラ
提督「うん、美味い」←知らないふり
叢雲「元々薄味が好みだったのよ私。でも誰かさんの影響で、今はすっかり好みも変わっちゃったわ」
陽炎「あたしは薄味よりも、しっかり味がついてる方が好き」
提督「分かる」
青葉「青葉は別にどちらでもウェルカムです」モグモグ
叢雲「まあその辺は人それぞれね」
叢雲「おかわりは?」
提督「いる」
陽炎「あたしもー」
青葉「青葉もお願いしまーす」
提督「お前どんだけ食うんだよ」
青葉「だって美味しいんですもん。叢雲さんの作るカレー」パクパク
※ 次で5杯目。
陽炎「あ、そうだ。今度磯風にも教えてやってよ、美味しいカレーの作り方」
叢雲「別にいいけど、私あの子にも分かるように教えられる自信ないわよ」
陽炎「うっ、そっか……叢雲でも苦戦するレベルで酷いのね……」ガク
青葉「まあ磯風さんは感性が少し特殊な方ですから。諦めましょう」
叢雲「いや、最早わざとやってるんじゃないかレベルよ」
陽炎「そんなに……?!」
提督「わざとはやばいだろ」
※ 作った料理はちゃんと残さず処理しています。by磯風
夕食&業務終了後の執務室。
叢雲「うん、どこも問題なし。ほんと秘書艦向いてるわよあんた」トントン
陽炎「呆れた……訓練して料理作って、おまけにデスクワークまでって」
陽炎「あんた艦娘の皮かぶった鉄人か何かでしょ」
叢雲「別に、もう慣れただけよ。誰かさんのおかげでね」
青葉「ほら、言われてますよ司令官」
提督(知ってるよ)
※ 自覚あり。
コンコンコン ガチャ
不知火「失礼します」ペコリ
陽炎「あら、不知火じゃない。どうしたの?」
不知火「いえ、夕食時でも食堂で陽炎の姿が見えなかったので」
不知火「何かやらかしたのかと思い、心配になって様子を見に来ました」
陽炎「別に何もやらかしちゃいないわよ……ご飯はここで食べてただけだし」
不知火「司令、陽炎はちゃんと秘書艦としての任を果たせてましたか?」
提督「ああ、うん。頑張ってたよ」
不知火「少し間がありましたね。これは陽炎の落ち度です」
陽炎「ちょっと、勝手にあたしの落ち度にしないでよ」
陽炎「ていうか司令も、何でそこで詰まるわけ??」
提督「え? いや、頑張ってたって」
陽炎「ほら不知火、聞いた? あたし叢雲にも秘書艦向いてるって、太鼓判押されたんだから」フフン
不知火「叢雲は訓練も完璧でしたよ。神通さんの訓練を終えても息一つ乱さない程に」
陽炎「だって鉄人だもの。当たり前でしょ」
叢雲「何その謎理論……」
※ 陽炎の脳内 → 鉄人=超人。
陽炎「でもだからって、手加減とかしないでよね」
叢雲「さあ……どうかしら」
不知火「手加減?」
陽炎「明日叢雲と演習するの。1対1で」
不知火「! そうだったのですか……」
陽炎「さてと。今日は貴重な体験をありがとうございました!」
陽炎「明日も早いので、これで失礼します!」ビシッ
提督「あ、うん。お疲れ様」
叢雲「お疲れー」
青葉「お疲れ様でした〜」
不知火「……」ペコリ
———パタン
青葉「陽炎さん、やる気満々でしたね」
叢雲「いいじゃないの。訓練ってのは本気でやらないと意味ないし」
青葉「では明日の演習は、叢雲さんの本気を見られるという事でよろしいのでしょうか!」ワクワク
叢雲「さあね。私は普段通りやるだけよ」
青葉「むぅ、濁しますね……」
以下、かげぬいの私室 ↓
不知火「そうですか。では何のミスもなく、1日を終える事が出来たのですね」
陽炎「だからそう言ったでしょうが。少しは信用しなさいよ」
不知火「別に信用していないわけではありません」
不知火「ただ急に叢雲と演習だなんて、何かの見せしめかと思わざるを得なかっただけです」
陽炎「見せしめって、あんたねぇ……」ムカッ
※ ド直球。
陽炎「そういう不知火だって、あまり人のこと言えないんじゃないの??」
不知火「さて、何のことでしょうか」
陽炎「今日の訓練、霰と衝突事故起こしたそうじゃない」
不知火「! あ、あれは……」
陽炎「報告書に書いてあったわよ」
陽炎「神通さん、『風邪引かないか心配です』だってさ」ケラケラ
不知火「っ……」
陽炎「まったく、呆れちゃうわね。その練度で衝突事故って何よ」ハッ
不知火「……確かに、あれは不知火の落ち度です」
不知火「ですが不知火は、叢雲の実力を側で体感しました」
陽炎「ほーん。それで?」
不知火「砲撃戦も魚雷戦も、不知火以下な陽炎では攻撃一つ当たらないでしょう」
不知火「あの深海模型のように海の藻屑になるのがオチです」フッ
陽炎「なっ……! 言ったわねあんた!!」
不知火「ええ、言いました。事実なので」
陽炎「〜〜〜っ! 落ち度だらけのバカ不知火!!」ブン! ←枕
不知火「ヘブッ!?」
※ 顔面直撃、効果は抜群の模様。
陽炎「あはは! ざまあみなさい!」
不知火「……不知火を怒らせたわね」ギロッ
陽炎「何よ、やろうっての?」
不知火「沈め!!」ビュン
壁ドンッ!!!!
陽炎「?!」
陽炎「ちょ、あんた少しは加減を——」
不知火「問答無用!」ビュン
陽炎「ば、 バカ! 枕が破けちゃうでしょうが!!」
※ 枕は無事2つとも破れてました。
不知火「申し訳ありませんでした」ペコ
陽炎「ご、ごめんなさい司令……」
提督「まあしゃーない。そういう時もあるよ」
叢雲「枕と壁、その他諸々の器物破損にクレーム多数と」
叢雲「本来なら始末書どころか、余裕で処罰ものだけどね」ジロ
陽炎「うっ……」ビクッ
不知火「不知火はどんな処罰でも受けます。いえ、受けさせてください」
提督「いや、そんな大事じゃないから別に。ほんと気にしなくていいよ」
不知火「それでは不知火の気が済みません。どうか不知火に処罰を」
陽炎「あたしも受けるわ。不知火だけのせいじゃないし」
提督「うーん……どうしよう」
叢雲「そろそろじゃないかしら」
提督「なにが?」
コンコンコン
陽炎・不知火「「っ!!」」バッ!
陽炎「し、不知火……」
不知火「……これは処罰以上の何かを覚悟した方がいいかもしれませんね」
叢雲「来たわね」
提督「? あ、どうぞ。空いてます」
ガチャリ・・・
神通「失礼します」ペコリ
陽炎(ひゃああああああやっぱり来たーっ?!!)
不知火(知ってました)
提督「あれ、神通さん。おはようございます」
叢雲「おはよ。後はよろしくね」
神通「了解しました」
神通「提督、少しばかり2人をお借りしてもよろしいですか?」
提督「え? ああ、はい。全然」
神通「ありがとうございます」ニッコリ
陽炎(司令ーっ!! そこはノーって言ってよ!!)
不知火(知ってました)
神通「さあ、行きましょうか。陽炎さん、不知火さん」ニコッ
陽炎「っ……はい」
不知火「どこへでも」
※ 既に諦めた2人。
提督「……あれ怒ってた?」
叢雲「さあね」
提督「てか演習するんじゃないの。陽炎と」
叢雲「もう無理でしょ」
提督「あ、そうなん」
この後、処罰以上に恐ろしい何かが2人を襲ったとかなんとか。
まあ知ってましたけど。by不知火
青葉「ほほう、青葉の知らない間にそんな事が」
陽炎「思い出したくもないですよ……ほんっと酷い目に遭ったわ」ゲッソリ
提督(やっぱ怒ってたのかあれ)←なんとなく察してた
叢雲「あんたがちゃんと叱ってれば、陽炎も神通からのお咎めはなかったかもね」
陽炎「司令……」ジトー
提督「いや、そんなこと言われても……」
青葉「なんで青葉にはいつもうるさいのに、他の方相手だと静かなんですかね」
青葉「おかしいなー」
提督「お前は別だろ」
青葉「うわ、贔屓だ贔屓! 司令官のせいで青葉の会じゃ終始浮きっぱなしなんですけど!」
提督「なんだよ青葉の会って……」
※ 各鎮守府の青葉が集まり、集めた特ダネやスクープを発表する会。
コンコンコン ガチャ
大淀「失礼します」ペコリ
提督「あ、お疲れっす」
青葉「大淀さん大淀さん、司令官が青葉にばっか強く当たるんです! 酷くないですか??」
大淀「は、はあ……しかしそれはいつもの事なのでは?」
青葉「ガーン……大淀さんにまでそう思われてたんですね……」
提督「だから言ったやん」
叢雲「気にしなくていいわよ。それより用件は?」
大淀「はい。大本営より新たな改二艤装が完成したとの通達がありまして」
大淀「早いうちに提督のお耳に入れておこうかと」スッ ←リスト
陽炎「! 改二……」
提督「へー、まじっすか。誰だろ」ウケトリ
青葉「とうとう来ましたか。青葉改二」
青葉「まったく、待ちくたびれましたよ」
提督「いや、お前の名前ないぞ」
大淀「青葉さんの改二は今回もお預けです」クイ
青葉「……」
※ 草。
叢雲「そう落ち込まないの。改二なんてなくても、あんたは十分強いんだから」
青葉「知ってましたよ……まあ青葉は慣れてますから、こういう焦らしプレイ……」ガクッ
陽炎「駄目元で聞くけど、あたしの名前あったりする?」
提督「あー……ないな。書いてない」
陽炎「ですよねー」ハァ
大淀「陽炎型の改装については、現在上層部の方で検討中だそうですよ」
陽炎「! 本当ですか?!」パァァ
叢雲「喜ぶのはまだ早いんじゃない。まだあんたって決まったわけじゃないんだから」
陽炎「わ、分かってるわよ」ドキドキ
青葉「青葉改二……」
提督「諦めろ」
大淀「先ずは前段階として、改二艤装とはまた違った艤装を造る予定らしいです」
大淀「まだ当分先にはなるそうですが」
陽炎「改二とは違った……」
叢雲「よかったわね。何はともあれ、陽炎型に改二が来る事は確定したわけだし」
陽炎「うん。やっと来たって感じね」
陽炎「あの、大淀さん」
大淀「何でしょう」
陽炎「この情報って教えてもいい情報ですか?」
大淀「ええ、まあ。特に規制がかけられてるわけでもないので」
陽炎「ありがとうございます」ペコ
陽炎「みんなビックリするだろうなぁ……あっ、白露にも教えてあげよっと」ニヤ
青葉「白露さん……そういえばあの人もまだでしたね」
提督「また申請書の嵐が来るな。これは」
叢雲「今度は白露がここに乗り込みに来るかもね」
提督「……勘弁なんですけどorz」
提督「ほんと毎度毎度よくやるよな」
青葉「艦娘と人間が日常生活の中で交流できる、貴重な場ですからねー」
青葉「それに結構人気らしいですよ?」
提督「へー」
青葉「あれ、そういえば今回は誰が選ばれたんでしたっけ?」
提督「知らん。まだ資料きてない」
叢雲「今回は加賀と瑞鳳、それと新メンバーに長月と卯月」ペラ
提督「資料きてたんかよ。てか今卯月って言った?」
青葉「卯月さんですか。これは一波乱ありそうですね〜」
叢雲「あー、あと大淀もいたわ」
提督「え、淀さんも? どんなメンツだよ……」
叢雲「さあね。適当でしょ」
青葉「まさか大淀さんまで選ばれるとは。これは取材不可避」カリカリ
提督「それに卯月って、あいつ接客できないだろ絶対」
青葉「もしお客さんにイタズラして苦情とか来ちゃったら、司令官責任ですよね?」
提督「いや、俺にどうしろってんだよorz」
叢雲「ま、大淀もいるし大丈夫だとは思うけどね」
提督「不安しかねぇ……」
ー 某日、某会議室 ー
大淀「——以上が、此度のコラボ企画の大まかな内容です」クイ
瑞鳳「卯月ちゃんが店長ですか。なんだか楽しいお店になりそうですね!」
加賀「……」←無言
卯月「店長って、何すればいいぴょん?」キョトン
長月「いや、その前にだ。卯月が店長というのは納得がいかない」
長月「司令官、なぜ卯月が店長なのか理由を聞かせてくれ」
提督「えっ」
青葉「まあそうなりますよねー」カリカリ
※ 会議なので提督も出席しています。with議事録担当の青葉。
卯月「むっ……納得がいかないってどういう事ぴょん?」
長月「卯月に店長が務まるとは思えないからな」
長月「私がやった方がまだマシだろう」
卯月「……うーちゃん信用なさすぎぴょん」ズーン
※ 日頃の行いの結果。
大淀「卯月さんの店長就任は決定事項です。今更変更は出来ません」
長月「し、しかし……万が一、店側に迷惑をかけたらどうするんだ?」
大淀「そうならないよう、我々でサポートしていきましょう」
瑞鳳「はい! 私もまだまだだけど、お手伝い頑張ります!」
加賀「そうね」←便乗
長月「み、みんな……済まない、助かる」
卯月「ちょ、ちょっと待つぴょん! うーちゃん流石に任務はキチンとこなすぴょん!」
卯月「そもそも、何でうーちゃんが迷惑を掛ける前提で話を進めてるぴょん?!」
※ 日頃の行いの結果です。
青葉「上手くまとまったみたいですね」
提督「だな」
大淀「では、これにて会議を終わりたいと思います。お疲れさまでした」
ゾロゾロ・・・
卯月「……もういいっぴょん。こうなったら一人で甘味やけ食いするっぴょん」
卯月「全部司令官の奢りで!」
ピタッ
提督「は?」
加賀「奇遇ですね。私もちょうど行こうと思っていたところです」
提督「おい、なに便乗してんの」
加賀「?」キョトン
提督「? じゃないわ!」
瑞鳳「さっすが提督! 太っ腹ですね〜!」
長月「ふむ、ここは素直にお言葉に甘えておこう」
提督(まじかよ……まあこの人数なら別にいいか)スッ ←財布
青葉「では青葉もお言葉に甘えて——」スタスタ
提督「待てよ。お前まだ仕事残ってんだろ」ガシッ
青葉「そ、そんな! 何で青葉だけ?!」
※ 日頃の(以下略)
青葉「そういえば、よみうりラ◯ドとのコラボもかなり大盛況みたいですねー」
叢雲「らしいわね」
提督「ほんと謎だわ。瑞雲の事とか誰も知らねえだろ」
青葉「瑞雲の事に関しては、行けば日向さんが熱弁してくれるんじゃないですか?」
提督「熱弁て、誰得だよ……」
叢雲「今回は鉢巻までしてるぐらいだから、多分0から100まで教えてくれるわよ」
提督「みんな瑞雲の話聞かされてんのか。ほんと何しに来たんだって感じだろうな」
青葉「まあ瑞雲以外にも、コラボしてるアトラクションとか色々ありますから」
青葉「中でも榛名さんのバンジージャンプは大人気みたいですよ?」
提督「へー」
※ 無関心。
叢雲「それあれでしょ。榛名が描かれたクッションが受け止めてくれるってやつ」
青葉「はい。榛名さん自身は少し複雑な気持ちみたいですけど」
提督「だろうな」
青葉「あとはそうですね……比叡さん特製カレーも食べられるみたいです」
提督「へー」←2回目
青葉「……まるで興味なしですか」
提督「だって行かねーもん。そんな行く暇もないし」
叢雲「あら、行きたいなら行ってくれば?」
提督「いや、いい。行くのめんどい」
青葉「えーっ、司令官が行けばいいネタになるのに……」
提督「てか提督がそういうとこ行っちゃダメだろ」
提督「身バレするわ」
叢雲「別にそんな決まりないけど」
青葉「司令官てご家族の方以外には、自分が提督だってこと明かしてないんでしたっけ」
提督「そう」
叢雲「案外バレないものね」
提督「意外とな」
青葉「絶対バレませんよ。街中歩いてても、司令官が提督やってるだなんて誰も思わないですって」アハハ
叢雲「確かに」
提督「……それはそれで複雑だけどな」
提督「みんな就活頑張ってんなぁ……」ポチポチ ←携帯弄り中
青葉「司令官の周りでも、やっぱり就職活動してる人っているんですか?」
提督「そりゃいるだろ。みんなやってるよ」
青葉「大変ですねぇ……まあ誰もが通る道なんでしょうけど」
叢雲「いいわね、もう終わってる人は楽で」
提督「俺? 別にそうでもないだろ」
叢雲「あら、今も暇そうに携帯弄ってるようだけど?」
提督「休憩だよ休憩。さっきまで書類片付けてたやん」
叢雲「休憩って、あんた何時間休憩すれば気が済むのよ」
提督「3時間ぐらい」
※ ザ・適当。
叢雲「ったく……そんな適当ばかりやってたら、いつ提督の任を降ろされるか分からないわよ」
提督「えっ、そうなん?」
青葉「も、もしかして司令官がクビに……? それはそれで面白そうですけど」
提督「全然おもしろくねーよ」
叢雲「この時期は提督の入れ替えもあり得るから」
叢雲「言っとくけど、あんたも例外じゃないからね」
提督「まじか……」
青葉「だそうですよ司令官。ちゃんとお仕事してくださいね」
提督「……まあクビになったらなったで、そん時考えよ」
※ ポジティブ精神 ◎
青葉「いやいや、そこは頑張りましょうよ! 今のこの緩々な生活を、青葉は手放したくありません!」
提督「なんやねんそれ」
青葉「それに、青葉ルートも頻繁に使えなくなりますし……考えれば考えるだけ、青葉にとってはデメリットしかないです」
提督(知らんがな)
叢雲「まあでも、あんたの場合は事情が事情だからねぇ……幸か不幸か、当分は大丈夫でしょうけど」ジトメ
提督「やった。叢雲が言うなら大丈夫だな」
青葉「ふぅ……今の生活が守られた……」ゴローン
提督「何が守られただよ。たまには出撃してこい」
青葉「出撃してきましたよ。よみ◯りランドとか、ローソ◯海域の偵察にも行ってきました!」
提督「それまた違うやつやん……」
青葉「お2人とも知ってます? よく我々艦娘とコラボしてる有名店に、深海棲艦が出没してるという噂」
提督「は? なんだよ急に」
叢雲「噂でしょ。本当にいたら大騒ぎになってるはずだし」
青葉「それがですね……実に上手く変装していて、殆ど人間と区別がつかないんだそうです」
提督「へー。こっわ」
叢雲「あんた見たの? 実際にあいつらがいるところ」
青葉「いえ、実際に見たわけではないのですが……ほら、今またコラボしてるじゃないですか」
青葉「なので今度こそ、真実を突き止められるんじゃないかなーと思いまして」
叢雲「ふーん」
※ 無関心。
青葉「司令官、今度一緒に調べに行きません? もし本当だったら出世ものですよ!」
提督「やだよ。めんどくさい」
青葉「えー……」
叢雲「そんなこと言って、前に潜水艦で北方まで出張ったの。どこの誰だったかしら」ジトメ
提督「あれは別だろ。一応遊びじゃないし」
叢雲「夕張が言ってたわよ。死ぬかと思ったって」
提督「……まあ確かにやばかったな」
青葉「なんですかそれ。青葉初耳なんですけど」
提督「……」
※ 沈黙は金。
陽炎「ちょっち失礼するわよー」ヌッ ←壁から
提督「おおっ」
青葉「おや、陽炎さん。お疲れ様です」
叢雲「あんたねぇ……普通に扉から入って来なさいよ」
陽炎「えへへ、だって便利なんだもん」
叢雲「まったく……」ハァ
陽炎「それより舞風がケーキ作ったんだけどさ、よかったら食べに来ない?」
提督「ケーキ?」
陽炎「そう、ケーキ。ちょうど今売ってるやつと同じ物よ」
提督「あー」
青葉「大人気らしいですね。ショップの方は既に完売してるとか」
提督「そんな人気あるのか。すげーな」
陽炎「どうせ暇でしょ? 今ならそのケーキをタダで食べられるわよ♪」
青葉「はーい、青葉行きます! 暇なので!」
叢雲「あんた暇だって思われてるわよ」
提督「別にそこまで暇じゃないけどな……」
※ 結局食べに行きました。
ー 鎮守府内、工廠 ー
陽炎「……」ソワソワ
黒潮「なんで本人でもないのに、そんなソワソワしてん」
陽炎「だって気になるんだもん。ちゃんと可愛く改造できてるかどうか」
黒潮「……改造に可愛いも何もないやろ」
※ 心底呆れた顔 ↑
叢雲「ま、改造のベースはあんただから。もし満足いかなかったらあんた自身の力不足ね」
陽炎「うっ、嫌なこと言わないでよ……」
ガララ
陽炎「! 来た!!」
陽炎「不知火ーっ!!」ダダダ
黒潮「やれやれ……」スタスタ
明石「無事、改造終了しましたよ。艤装との同調率も問題ありませんでした」
叢雲「ん、お疲れ様」
明石「艤装の試運転は……」チラ
不知火(改二)「……」
黒潮「ほーん、中々ええやん」
陽炎「うん、流石あたしの妹! スーパー可愛いわ!」
不知火「ベースは陽炎ですから。そう言うなら陽炎がそうなのです」
陽炎「もう、それはあんたの可愛いさがあってでしょ♪」ダキシメー
不知火「……」ギュー
黒潮「はいはい、ここいたら邪魔やから。続きは部屋でやろなー」
叢雲「……試運転は少し時間置きましょうか」
明石「了解しました。準備だけしておきます」
叢雲「ええ、よろしく」
※ できる秘書艦と工作艦の図 ↑
提督「うーん……」ペラ
叢雲「また面倒な事になったわね」バサッ
大淀「既に多数の輸送船が襲撃されています」
大淀「人的被害は今のところ確認されていませんが、奪われた兵站物資の事を考えると状況は深刻です」クイ
叢雲「それで? 大本営はなんて言ってるの」
大淀「直ぐに迎撃艦隊を編成し、各鎮守府と協力して兵站物資を奪還せよ……と」
提督(奪還せよか……キツイな)
叢雲「ふーん……だって。あんたの判断は?」
提督「……正直、奪還はあまり現実的じゃないような」
提督「撃沈を最優先にして、それで奪還できそうだったら奪還すればいいんじゃね……?」
叢雲「はい決まり。大淀、これ編成案ね」スッ
大淀「! さ、先ほど正式な命令が下されたばかりなのですが……」ウケトリ
提督「まあでも、結局は横須賀の指示待ちなんすけどね」
叢雲「……あの嫌味な奴が大人しく協力するとは思えないけど」フン
提督(めっちゃ嫌うやん)
大淀「……」クイ
※ ノーコメント。
青葉「新しい情報が入りましたよー!」シュタ
叢雲「来たわね。戻ってきたばかりで悪いけど、頼めるかしら」
青葉「はい!」
提督「はっや。まじでどっから集めてんだよ」
青葉「ふっふっふ、それは秘密です! が、ちゃんと正確無比な情報なのでご安心を」
提督「なんやねん」
叢雲「大丈夫よ、そこだけは信用してるから」
青葉「いや〜、お褒めに預かり光栄です」アハハ
大淀「……」
大淀(この方は毎度毎度、一体どこから入って来てるのでしょうか……)
青葉「どうやらまた各海域で、深海棲艦の動きが活発化してきてるみたいですね」
叢雲「あれだけ奪っといてまだやる気なんて、ほんと恐れ入るわ」
青葉「青葉は奪った物資をどうするのかが気になります。まさか深海で和食屋でも開く、なんて事はないでしょうし」
叢雲「存外ありえるかもよ。奴らだんだん人間じみてきてるから」
青葉「あ、あはは……あまり笑えない話ですね……」
提督「……」
提督(結構キツイなこれ。資材はまだいいとして、みんなの疲労も徐々に溜まってきてる)ペラ
提督(もし長期化したら……どんすんだこれorz)
青葉「しれいかーん、こっち向いてください」
提督「あ?」チラ
青葉「シャッターチャンス!」カシャ カシャ
提督「!」
青葉「やった! 司令官の珍しいシリアス顔、カメラに収めちゃいました!」
提督「おい何撮ってんだよ。消せ」
青葉「まあまあ。ちゃんとカッコよく撮れてますから」
叢雲「あら、私にも見せて」
提督「だから……」
青葉「ほら、こんな顔の司令官そうそう見られませんよ!」
叢雲「へー、意外とよく撮れてるじゃない」
青葉「これでも一応プロですので。あっ、後で司令官にも送ってあげますね」アハハ
提督「いらねえよ……」
※ 写真は無事、後で送られてきたそうな。
大淀「提督、出撃中の第二艦隊より……最後の兵站物資を奪還したとの報告が入りました……」
提督「あ、あざす」
青葉「だ、大丈夫ですか大淀さん。目の周りクマだらけですけど」
叢雲「寝てないの?」
大淀「いえ、睡眠は……たぶん大丈夫です……」
提督「いや、全然大丈夫じゃなくないすかそれ」
青葉「榛名さんでも大丈夫って言わないですよ。その状態で」
※ ここ数週間、兵站物資奪還作戦の影響で激務に追われていた大淀さん。
叢雲「お疲れ様。でもちゃんと睡眠はとらないとダメよ」
大淀「はい、肝に銘じておきます」クイ
青葉「でもよかったですよね。特に目立った被害もなく終わってくれて」
提督「ほんと焦ったわ。これ警備の体制も見直す必要あるだろ」
叢雲「そうね。戦力的には大した事ないけど、また暴れられちゃ敵わないし」
大淀「その件で提督と叢雲さんには、大本営から招集命令が出ています」
提督「えっ」
青葉「大本営!! 青葉もついて行っていいですか?!」
大淀「ダメです」クイ
青葉「ガーン……」
叢雲「日にちは?」
大淀「詳しくはまだ。ここだけの話、事後処理でそれどころじゃないんだと思います」
提督「事後処理……」
叢雲「今回の一件で海軍の信用ガタ落ちしたからね」
叢雲「あの爺も相当参ってるんじゃない?」フッ
大淀「笑い事じゃないですよ。警備には艦娘だって関わっているんです」
大淀「それを指揮していた提督にも、責任が問われる可能性は否定できません」
提督「つら……」
青葉「え、普通にまずいじゃないですか。どうするんです?」
叢雲「別になにも。まあなるようになるでしょ」
叢雲「ねえ、司令官?」ニコ
提督「こういう時だけ司令官呼びするのやめてもらっていいすか……」
黒潮(改二)「よっしゃー! 遂にうちも改造終了やで!!」デーン
———シーン
不知火「……」パチパチパチ ←ギャラリー①
陽炎「あら、あんた髪伸びたんじゃない?」←ギャラリー②
黒潮「って、ギャラリーすくなっ! なんで陽炎と不知火しかおらんの??」
陽炎「そんなこと言われても」
不知火「それは恐らく、伊勢さんの改造の方に人員を割いてるためでしょう」
不知火「あちらの改造は大規模なものと聞きました」
陽炎「あー、らしいわね」
黒潮「はぁ……2人の時はもっと盛り上がってたのになぁ……」トオイメ
陽炎「なーにしょげてんの。改造したくても出来ない子だっているのよ?」
黒潮「そ、そりゃそうやけど……」
不知火「まあなにはともあれ、黒潮も無事改造できてよかったです」
陽炎「そうね。おめでとって言うのも変だけど、みんなで改二になれてよかったわ」
黒潮「2人とも……」ウルッ
不知火「黒潮だけに改二がこないのも、逆にこちらが辛いですからね」
黒潮「なっ、そんな理由かい! 若干うるっときて損したわ!」
不知火「ふふ、冗談です」
陽炎「さあ、司令に改二祝いせびりに行くわよ!」
不知火「言い方が悪いですよ陽炎。そこはねだる、の方が可愛く聞こえます」
陽炎「そっか。じゃあねだりに行きましょ」
黒潮「いやいや、どっちもそんな変わらんし。ていうかこの流れもう3回目やで?」
※ 陽炎、不知火、黒潮 new!
青葉「……」カシャカシャ
青葉「ふむふむ。皆さん改二になって随分大人っぽくなりましたね〜」←隠れギャラリー③
———スタスタスタ
黒潮「大規模改装ってどんななんやろな」
陽炎「そりゃあ大規模って言うぐらいだし、ものすっごい改装なんじゃない?」
不知火「不知火が聞いた話だと、今までにない艦種への改装らしいのですが」
黒潮「今までにない?」
不知火「はい。戦艦でありながら、艦載機の発着艦を可能にした艦種だそうですよ」
黒潮「……は? なんやその改装」
※ ぐう正論。
陽炎「え、何その改装!! あたし見たい!」
不知火「見に行きますか? 終わってるか分かりませんけど」
陽炎「うん、行こう! 黒潮の改二祝いはその後って事で!」
不知火「分かりました。黒潮もそれでよろしいですか?」
黒潮「んー、ええよ別に。うちも気になるしな」
と、いうわけで・・・
夕張「伊勢さんの改装? それなら今さっき終わったわよ」
不知火「そうですか……どうやら入れ違いになってしまったみたいですね」
陽炎「これから試運転ですか?」
夕張「そ。あなたたちも見物?」
陽炎「したいなーって思ってます」
夕張「あら、じゃあ一緒に行きましょうか。私も艤装のデータ収集の件でちょうど行くところだったから」
陽炎「はーい! ほら、行くわよ2人とも!」
黒潮「やれやれ。あっちこっちと忙しい姉やな」ハァ
不知火「ついでに黒潮も試運転しておきましょう」
黒潮「え、うち? うちは別に……もう陽炎と不知火のデータで十分やろ」
不知火「関係ありません。黒潮の艤装は黒潮の艤装、不知火たちとは違います」
不知火「一度身体の方に馴染ませておくべきです」ズイ
黒潮「わ、わかった。そうする」
不知火「わかればいいのです。別にギャラリーがいなくても、不知火たちがちゃんと見ていますから」
黒潮「うん……ん?」
不知火「だからそう落ち込まないでください」
黒潮「いや、別に落ち込んでないんやけど」
※ どこかズレてる不知火さん&困惑する黒潮さんの図。
ー 鎮守府内、演習場 ー
伊勢(改二)「ふっ!」パッ
シュオオオオオオ!!
艦載機s「」ブーン
伊勢「! やった、できた!!」
ギャラリー「「「おおー」」パチパチパチ
伊勢「日向見た?! 出たよ艦載機!」
日向「ああ。見事なものだな」
瑞鶴「へえー、結構いい感じじゃない」
翔鶴「ええ。とてもきれいな編隊でした」
伊勢「いやあ、これも全部2人の指導のおかげだよ」アハハ
翔鶴「そう言っていただけると私たちも嬉しいです」
翔鶴「ね、瑞鶴?」
瑞鶴「当然! なんてったって、私と翔鶴姉ぇが指導したんだもん」
※ 結構練度高めの2人。
明石『伊勢さん、次は主砲の方もお願いします』←無線
伊勢「はーい」
日向「伊勢よ、その新しい飛行甲板で瑞雲も飛ばしてみてくれないか」
伊勢「あっ、ごめん日向。今瑞雲積んでないんだよね」
日向「な、なに……?」
伊勢「新型の彗星なら積んでるから、あとで見せてあげる」
伊勢「たぶん日向も気にいると思うよ」
日向「」ガーン
翔鶴「あ、あの……日向さん?」
瑞鶴「ま、瑞雲より彗星の方が単純に強いしね。今の伊勢なら瑞雲も必要ないでしょ」
日向「……そうか。瑞雲の時代は終わったのか」トオイメ
日向「道理でいくら瑞雲について語っても、誰も聞く耳持たなかったはずだ」フッ
瑞鶴「あ、あんたよみ◯りランドでそんなことしてたの……?」
翔鶴「一般の方々に瑞雲の話は……少し厳しいものがありますね」
日向「まあいいさ。時代の流れには逆らえん」
日向「私も来るべき改造の日に備えておくとしよう」
翔鶴・瑞鶴(あ、いいんだ……)
※ 切り替え精神 ◎
提督「ええ……もう2人も辞めたのかよ。早すぎだろ……」ペラ
青葉「お二方とも、あまりの多忙さに嫌気がさしちゃったみたいですねー」
青葉「青葉の調べによると、艦娘とも上手くコミュニケーションが取れていなかったとか」
提督「あー……ドンマイすぎる」
大淀「他人事じゃありませんよ?彼らが辞めたことで、そのしわ寄せがうちに来るんですから」
ドサッ ←(書類の山々)
提督「はあ……キチー」
※萎え度MAX。
大淀「耳の痛い話です」
大淀「着任前がどれだけ優秀でも、着任してから使い物にならないんじゃ意味がありません」
大淀「近頃の訓練生は、そのことをまるで分かっていないんです!」
青葉「は、はあ……なるほど」
大淀「まったく、人件費だって馬鹿にならないっていうのに……」ブツブツ
※ テンション迷子。
青葉「お待たせしました、叢雲さん。何かコメントがあればどうぞ」ササッ
叢雲「何よいきなり。別にないわよそんなの」カリカリ カタカタ ←お仕事中
青葉「いやいや、ほら。実に1年振りの晴れ舞台ですよ?」
青葉「次がいつになるか分かりませんし、ここは大いに目立っておかないと!」
叢雲「……だって」
提督「俺に言うなよ……」
※メタ発言さーせん。
青葉「模様替えしましょう!!」バッ
※鬼唐突。
提督「ねえ、ここ数字合わないんだけど」
叢雲「見せて」
提督「あい」スッ
青葉「司"令"官"!!」
提督「! な、なんだよ……」
叢雲「ちょっと、これ先月のデータじゃないの。そりゃ合うわけないわよ」
提督「まじで?ちゃんと確認したんだけどな」
青葉「叢"雲"さ"あ"ん"!!」バン!! ←机
叢雲「な、なんだってのよ急に……」
※ドン引き。
青葉「いえ、なんだか思いっきり目立っておいた方がいい気がしまして」
青葉「次がいつになるか分かりませんし」アハハ
提督「意味分からん」
※メタ発言恐縮です。by青葉
青葉「それにもう冬ですよ?未だに秋仕様なのうちぐらいですって」
青葉「壁紙に関しては夏ですし」
提督「文月って秋じゃないの」
青葉「何言ってるんですか。7月ですよ7月」
提督(まじかよ)
※事案。
叢雲「それで?炬燵でも出せっての?」
青葉「おっ、炬燵いいですね~」
提督「ないだろそんなの。あったらとっくに出してるよ」
青葉「そこは明石さんか夕張さんに頼めば直ぐなのでは?」
提督「いや……まあそうかもだけど」
提督「どうなん炬燵」チラ
叢雲「ノー」
提督「だってさ」
青葉「知ってました」ガックリ
叢雲「炬燵なんて置いたらみんなここに入りびたるでしょ?」
叢雲「ただでさえ年末は忙しいのに、普段仕事しない奴が更に仕事しなくなっちゃうわ」ジト
提督「……なんで俺?」
※日頃の行いの結果。
青葉「うーん……あっ、じゃあこんなのはどうですか?」
・・・
青葉「おお~!あったかいです!」
暖炉さん「」メラメラメラ
夕張「安全面も完璧よ。何があっても燃え移ったりしないから安心して」
叢雲「はぁ……結局こうなるのね」
明石「今更模様替えだなんて、どうかしたんですか?」
叢雲「どうもこうも、いつも通りよ」
提督「だって青葉がうるさいんすもん」
明石「は、はあ……」
コンコンコン ガチャ
大淀「失礼します……って、皆さん何してるんです?」
青葉「大淀さん大淀さん、どうですこの暖炉。すごくあったかいですよ!」
夕張「どう?私と明石の手作り暖炉よ」
明石「かけた時間の割には完成度高めです」
大淀「はあ……?(いつの間に??)」
叢雲「気にしないで頂戴。いつものことだから」
大淀「……お疲れ様です」ジト
提督「いや、俺さっきまでちゃんと仕事してたんすよ……」
※日頃の行いsy
コンコンコン ガチャ
天龍「帰ったぜー、ってあったけえなおい!」
鬼怒「うわ、あったかい!!何ここ天国?!」
※遠征艦隊、ご帰還。
提督「お疲れっす」
青葉「天龍さんに鬼怒さん、こっち来て一緒にあったまりましょー」
鬼怒「うわ、暖炉だ!まじパナイ!」ササッ
天龍「おいおい、どうしたんだよこれ」
叢雲「暖炉」
天龍「いや、それは見れば分かるけどよ……」
天龍「なんで今更暖炉なんだ?」
提督「なんか青葉が置きたいって言うんで」
天龍「……それでそんな直ぐ用意できんのかよ」
※普通は無理です。
大淀「ちなみに、この暖炉の材料はどこから調達したんですか?」
大淀「まさか鎮守府の資材を勝手に使ったわけじゃないですよね?」キッ
夕張「冗談。そんな横領じみた事しないわよ」
明石「ご心配なく。全て提督の自費です」
提督「えっ」
大淀「そうですか。それなら良いのですが」クイ
提督(全部俺負担かよ……)
青葉「さすが司令官、太っ腹ですね~!」
鬼怒「ひゅーひゅー!」
提督(あいつ……)
天龍「まあ、なんだ。頑張れよ」
提督「……うっす」
※察し力◎
提督「もっと給料上がんねーかなあ」
叢雲「これ、計算間違ってるから直しといて」スッ
提督「あ、はい」
※安月給乙。
陽炎「……おっそーい!」ガタッ
陽炎「いつになったら来るのよあの子は!?」
叢雲「そのうち来るでしょ」カリカリ ←執務中
青葉「そうですよー。まだ時間に余裕もありますしー」ダラーン ←怠け中
陽炎「むう……」
青葉「まあ妹さんの着任ということで、早く会いたいというお気持ちも分からなくはないですが」
陽炎「べ、べつにそういうわけじゃ……なくないですけど」
その1:姉妹艦が舞い上がる
青葉「でもあれですよね。本当は横須賀第一の方に着任するという話だったのに」
青葉「なんで急にこちらに回ってきたんですかね」チラ
叢雲「さあ……駆逐艦娘はこっちで面倒見ろってことなんじゃない?」
陽炎「横須賀第一の提督って、あの感じ悪そうな人でしょ?」
陽炎「今回ばかりはいいことしてくれたわー」
青葉「司令官の直属の上司ですね!感じ悪いかは置いといて」
叢雲(ふっ……感じ悪いのばれてるじゃない)
※叢雲、アウトー
陽炎「ところで、司令は?全然戻ってこないけど」
青葉「工廠に行くって言ってましたけど、確かに遅いですね」
叢雲「いつもの遊覧タイムでしょ。そのうち戻ってくるわよ」ペタリ ←判子
陽炎「……それサボりじゃないの?」
※そうとも言います(そうとしか言いません)
ー 鎮守府内、正門 ー
提督「やべえ、工廠で涼んでたらこんな時間になっちまった」
提督「早く戻らないと……ん?」タッタッタ
??「あぢい……なんでこんな暑いの」
提督(あれ、あの子……)
??「提督室、提督室……ああ、喉乾いた……」
提督(やっぱそうだよな。今日来るっていう新人の……)
??「……ん?」チラ
提督「あっ」ペコ
??「……あの、提督室ってどこにあるか知ってます?」
??「あたし、今日からここに配属になったんですけど」
提督「え?ああ、こっちっす」
??「こっちか……ありがとうございます」トボトボ
提督(めっちゃダウナー?な子だな)
提督(てか提督ってばれなかったの草)
その2:提督だと気付かれない
ー 提督室前 ー
??「ここか……」
コンコンコン ガチャ
早潮「失礼します!本日付けで横須賀第二鎮守府に配属となりました、はやs」
陽炎「早潮!!」ガバッ
早潮「?! か、陽炎姉?!」
陽炎「そう!あんたのお姉ちゃんの陽炎です!」
陽炎「まったく、待ちくたびれたわよ?」
早潮「いやあ、色々あってさ」
早潮「っと、その前に提督に挨拶しないと……」
陽炎「あー、いいのいいの。今いないから」
早潮「いない?いないってどういう……」チラ
青葉「どうもー、早潮さん。青葉ですー」
叢雲「叢雲よ。よろしく」
早潮「あ、はい。よろしくお願いします……?」
その3:新人は提督室の光景にだいたい戸惑う
ガチャリ
提督「あぢい……」
提督・早潮「あっ」
叢雲「遅い。もう新人の子来てるわよ」
提督「ああ、どうもっす」ペコ
早潮「あ、どうも」ペコ
早潮(えっ、この人提督だったのー?!)ガーン
その4:あとで知って驚愕される
陽炎「あははっ!そりゃびっくりするわよね」
陽炎「道訊いた相手がよりにもよって司令だなんて」
早潮「まあ、ね」
早潮(だって、提督がTシャツ1枚で歩いてるなんて普通思わないでしょ……)
※鎮守府の日常
陽炎「でもまあ、こんな感じでゆるゆるなところだから」
陽炎「居心地はだいぶいいと思うわよ」
早潮「……そうみたいだね」チラ
提督「いつまで寝そべってんだよ」
青葉「だってこの部屋涼しいんですもーん」ゴローン
提督「はぁ……俺も寝てえ」
叢雲「ならさっさと今日の作業片付けることね」
叢雲「ほら、さっきから手止まってるわよ」テキパキ
提督「ううす……」
陽炎「ま、司令はいつもあんな感じ」
陽炎「見ての通り司令って感じはまったくしないんだけど、いい人よ」
早潮「陽炎姉、聞こえてるよそれ」
陽炎「いいのいいの、司令はそこがいいところなんだから」
早潮「えぇ……」
提督(あざす)
※一応褒めてます
陽炎「そうだ、他の妹たちにも会わせたげる。ついでに鎮守府も案内するわ」
早潮「! マジ?!陽炎姉以外にも陽炎型いるんだ」
陽炎「いるわよそりゃあ。手のかかる妹たちがたくさんね」
早潮(たくさん……親潮姉とかもいるのかな?)
提督「……」ドキッ
陽炎「さてと、それじゃ行きましょうか」
早潮「あ、待って陽炎姉。その前にちゃんと提督に挨拶して行きたい」スタッ
陽炎「ああ、そういえばちゃんとした挨拶まだだったわね」
提督「確かに」
早潮「今更改まるの恥ずいんだけど……」コホン
提督(それはそう)
早潮「えっと、陽炎型駆逐艦五番艦、早潮!」
早潮「浦賀生まれ! 提督! よろしくね!」ニカッ
提督「あっ、うす。こちらこそよろしくっす」
※コミュ障おつ。
青葉(シャッターチャンス!)カシャカシャ
陽炎(あー、やっぱ持つべきものは可愛い妹だわ~)ウンウン
叢雲「はぁ……やれやれね」
その5:一周回って最初に戻る
イベント終わったので・・・(2年ぶりぐらいの更新)
子供の頃は一ヶ月もあって暇だと思った夏休みも大人になると恋しくなるねえw
太公望も釣りをして天下を取ったいうし
存外にほっぽちゃんでも釣れたりねw
夏休みの終わりまで一週間を切ると同時に宿題スタート。
あるある。
更新切望、更新切望
大事な事なので2回言いました。
お願い島風 。
やっぱり面白いですねっ!