さよなら、私のお姉ちゃん
大学選抜チームとの試合終了後、帰路のフェリー内でみほが過去を語るという設定の話です。
地元テレビでガルパン視聴してドはまりし、ノリと勢いだけで書いたss。 ガルパンはいいぞー
以下の要素を含んでおります
・駄文、拙文
・設定捏造。キャラ崩壊・キャラアンチ・ヘイト
・軽めの性的描写アリ(凌辱系) 百合描写アリ
・著者はテレビシリーズ+劇場版+OVAのみ視聴して、各種スピンオフ作品は目を通していません
以上の事に耐えられる大洗海岸並みに心の広い方のみ以下にお進みください。
── 大洗行カーフェリー 展望デッキ ──
優花里「西住殿。まだお休みになられないのですか? 」
みほ「うん、もう少しここで星を見てから休むよ」
優花里「では、私もお付き合いしてよろしいですか? 」
みほ「じゃあ一緒に見ようか? 」
優花里「はい」
♢♢♢
優花里「…終わりましたね」
みほ「勝ったんだよね。私達」
優花里「何もかも西住殿のおかげです」
みほ「それは違うよ。みんなが大洗を残したいって思いで戦ってくれたから勝てたんだよ」
優花里「しかし最後のコンビネーションアタックはお見事でした。姉妹って離れていても通じるんですね。私一人っ子だから羨ましいです」
みほ「そうかな? でも大変な事もあるんだよ。昔はよくケンカしたし」
優花里「ケンカですか? 正直想像できないですね~そういえば最後お姉さんから何か受け取っていらしたようですが何をいただいていたのですか? 」
みほ「…優花里さん見てたんだ」
優花里「はっ! ひょっとして聞いてはいけなかったですか? 」
みほ「…優花里さんならいいか(ゴゾゴゾ)……はい、これだよ」
優花里「これは…無線機か何かですか? 」
みほ「爆弾」
優花里「なんだ爆弾かって…ば、爆弾? 」
みほ「お姉ちゃんに言わせると、杜撰な作りのオモチャらしいけどそうだよ」
優花里「何故、そのような物騒な物をお姉さんが西住殿に渡すのですか? 」
みほ「これはね、私達姉妹の罪の箱なんだ。『お母様にはここに来る前全てを打ち明けた。帰ったら沙汰を言い渡されるだろう。最後に姉らしい事が出来て良かった』って
伝言と一緒に渡されたの。処分はお前に任せるって言われた」
優花里「罪の箱とは…ずいぶん意味深ですね~それに全てを話したとは穏やかではないですが一体何を告白されたのです? 」
みほ「聞きたい? でも聞いたら私に幻滅しちゃうかもしれないよ」
優花里「…そう言われると聞くのが少し怖いです」
みほ「どうする? 優花里さんが聞きたいなら話すよ。ただしこの先話す内容は誰にも言わないで欲しいんだ」
優花里「あんこうチームの皆にもですか? 」
みほ「皆には話せる時が来たら話すよ」
優花里「分かりました。怖さより興味の方が強くなってきました。ぜひお聞かせください」
みほ「…ありがとう。少し長くなるから、中に入って何か飲みながら話そうか」
優花里「そういう事なら私が奢ります。自販機コーナーに移動しましょう」
♢♢♢
みほ「そういえば、優花里さんて大洗に来る前は本当に戦車道履修はしてなかったの? 」
優花里「実は地域の子供会が主催する戦車道クラブに所属していました」
みほ「やっぱりそうなんだ。他の子と違って戦車に慣れていたからみたいだからひょっとしてとは思っていたんだ」
優花里「といっても所属チームが財政難から3ヶ月で無くなってしまい、通っていた小学校には戦車道が履修科目としてなかったので
素人同然であります」
みほ「中学で履修は考えなかったの? 」
優花里「近くで戦車道が学べる学校は、学費の高い私立中だけだったので我が家の財政状況を考えると行きたいとは言いだせませんでした」
優花里「奨学金制度の利用も考えましたが、残念ながらそこまで頭が良くなかったもので…大洗女子学園に入学したのも家から近くて
私でも入学できるレベルの学校で学費も安かったからですし」
優花里「ただ大学は奨学金制度の種類が多く、私でも受給資格が取れそうなものがあるので今回の事がなければ大学で戦車道を履修するつもりでした」
みほ「優花里さんから見れば私は恵まれてるのかもしれないね。家でも学校でも好きなだけ戦車に乗れるんだし」
みほ「私も最初は優花里さんみたいに、純粋に楽しいって気持ちだけで戦車に乗っていたんだ」
みほ「それが苦しくなったのは、黒森峰付属中に入学してからだった」
優花里「確かその頃は、姉妹でよく各種メディアに出ていましたよね」
みほ「うん、でも私お姉ちゃんと違って容姿も成績も普通でしょう。悪目立ちした分周りの目が厳しくて良くいじめられてたんだ」
優花里「そんな事はありません! 西住殿は世界一かわいいです! 私が保証します! 」ダンッ!
みほ「あ、ありがとう。ちょっと恥ずかしいけど嬉しい…お姉ちゃんもお母さんもああいう性格だから相談なんかできなくて、私一人でよく泣いてた」
みほ「そんな時手を差し伸べてくれた人がいたの。同じ学年で通信手の子だったんだけど友達になってほしいって言われて、私有頂天になったんだ」
みほ「でも1ヶ月もしないうちに無視されるようになって、何でだろうって悩んだんだけどある日その子が他の子に話しているのを聞いてしまったの」
みほ「『あの子に良くしてやれば、まほ様と楽に仲良くなれるかと思ったのに当てが外れた』って──」
優花里「なんて事を…ひどすぎます! 」
みぽ「でもそれが現実だった。平凡な少女には重すぎる西住の名前と偉大な姉の影」
みほ「どこまで行っても付きまとう二つの枷から逃れるために、戦車道に打ち込んだの。少なくとも戦っている時は今を忘れられたから」
みほ「そのおかげで、少しはいじめられなくなったから良かったけど」
優花里(確か一時期、西住殿は黒森峰のシリアルキラーって呼ばれていたはすであります。理由は気に入らない相手は敵味方関係なく粉砕するから。ひょっとしてそれが原因なのですか? )
みほ「大丈夫? 顔色真っ青だけど」
優花里「平気です…小腹が空いたので追加で何か買います。西住殿はどうしますか? 」
みほ「私もそうしようかな…あっ、この冷凍たこ焼き、おまけでボコストラップが付くんだ」
優花里「折半して買いますか? 私、あまり量はいらないので」
みほ「だったら一つずつ買ってストラップ欲しいな。秋山さんボコは興味ないでしょう? 」
優花里(この押しの強さを見る限り、とても元いじめられっ子とは思えないであります)
みほ「私がこだわるのはボコだけだよ」
優花「…私、先ほどから全く口を開いていないのに何故分かるのですか? 」
みほ「それはね、隊長だからだよ」ニッコリ
優花里「…それでは夜食もできたようですし、続きをお願いできますか? 」アセッ
みほ「そうだね。私に対する憎しみが本格化したのは高等部に進学して副隊長に指名された事がきっかけだった」
優花里「日本一の強豪校で西住流家元令嬢姉妹が隊長・副隊長を務めるって事で騒がれましたね。月刊戦車道の特集記事も読みましたよ」
みほ「沙織さんの愛読書がゼクシ〇なのにもびっくりしたけど、優花里さんもやっぱり結構マニアックな雑誌を愛読しているんだね」
優花里「その他に戦車セブン、戦車自身、週刊戦車の世界も定期購入しています」キリッ
みほ「凄いね。本当に戦車が好きなんだ」アセアセ
優花里「はい! だからこの学校で西住殿と戦車道を学べて本当に良かったです! 」
みほ「…なら、この先は聞かないほうがいいかも。聞いたら優花里さん、私や戦車道が嫌いになるかも知れないよ」
優花里「ここまで聞いて核心を知らないほうが寝覚めが悪いです。それに西住殿は気付いていないようですが
お姉さんと別れてからずっと泣きそうな顔をしています」
優花里「西住殿は半ば強制され戦車道を始めたのに、私と友達になってくれただけではなく、素晴らしいチームで戦わせてくれました。
その事に対する恩返しがしたいんです」
優花里「無力な私ですが、私が聞く事で西住殿の心が少しでも楽になるならそうさせてください。私は西住殿を絶対嫌いになったりしません。
それだけは信じてください」
みほ「…じゃあ話すね。副隊長になった私に一番容赦ない態度でぶつかってきたのは二年のある人とその取り巻き達だった」
みほ「後で分かったんだけど、その人は私が来なければ副隊長になっていた人で、私と違って人当たりのいい人だったから
隊員にも相当慕われていたみたい」
優花里「その方って確か黒森峰を退学された後、新設校の戦車道隊長に就任されたんですよね? 」
みほ「良く知ってるね。それも私が原因なんだ…あまりに周りの反発がひどいからお姉ちゃんに事情を話し、副隊長を辞めたいって伝えたんだ」
みほ「その時は返事を保留にされたんだけど、翌日の練習前にこんな事言い出したんだ。
『私の人事に不満があるものが多数いるようなので副隊長を再選する。あそこに用意した二台の軽戦車でみほと対戦してもらい
勝利した者を副隊長とする』って…私、何も聞いていなかったら声も出ない位驚いた」
みほ「当然の如く副隊長候補だった人が名乗りを上げてきた。でも軽戦車って私以外にもう一人いないと動かせないよね。
困っていたらエリカさんが私のパートナーになってくれたの」
優花里「逸見殿がですか? 今回の事といい意外とお優しいんですね。戦車喫茶でお会いした時はきつい印象しかありませんでしたが」
みほ「エリカさんは不器用で自分の気持ちを表すのが苦手みたいだけどいい人だよ。あの後から時々話すようになって
私の味方してくれた理由を聞いたら『貴方は嫌いだけど、あの状況で見捨てたら道義に反する』って真っ赤になりながら言ってくれたし」
優花里「ツンデレ美人ってやつですか。ある意味最強ですね」
みほ「今度エリカさんにあったら伝えておくよ。優花里さんが褒めてたって」
優花里「逸見殿にその様な事を言われるのは少し恥ずかしいです~…それで勝負はどうなったのですか? 」
みほ「勝ったよ。エリカさんのサポートが優秀だったからね。ただその後お姉ちゃんが放った一言が亀裂を深くしたんだ」
優花里「何を言われたのです? 」
みほ「『戦車道にまぐれなし、実力のみ勝敗を決める。それが西住流を体現する黒森峰戦車道の全てですよね? みほを倒せなかった以上副隊長はみほでよろしいですね? 最も己を磨かずいじめを楽しむような人間に私の隣は預けませんが…ついでに貴方からの告白もお断りしておきますよ。
女同士で恋愛感情を持つなど汚らわしい。そのような人間に戦車道を学ぶ資格はありません』」
優花里「それを、公衆の面前で言われたのですか? 」ゴクッ
みほ「うん、結局その人は翌日から学校に来なくなり半月後自殺未遂をして黒森峰を去った。
そして後には大事な仲間を傷つけた2人の犯人が残った。でも一人は西住流家元次期候補にして憧れの象徴。とても手が出せる存在じゃない」
みほ「そうなればどちらに全ての憎しみが向くか分かるでしょう? 」
優花里「西住殿・・・」グスッ
みほ「ひょっとして、私の為に泣いてくれているの? 」
優花里「わ、私も昔いじめられていたから良く分かるんです。誰も救ってくれない世界で生きていくのがどれほど辛いか…」グスグス
みほ「そんなに泣かなくてもいいよ…それでね、優花里さんが知っているあの決勝戦の事なんだけどあの中にもっとドロドロして醜い話があるんだ。
私は英雄なんかなじゃい。人殺しだって言ったら信じる? 」
優花里「人殺しって、あの事故は西住殿の行動で死傷者は出なかった筈です 」
みほ「そうなんだけどね…その事にこの箱が関わってくるんだ」
優花里「この爆弾モドキがですか? 」
みほ「私が転校するきっかけになった決勝戦前夜、ミーティング後自室に戻ってから個人ロッカーに忘れ物をしてしまった事に気付いたの」
みほ「どうしても必要な物だったから取りに行くことにしたんだけど、隊員用の通用口ではなく常時明るい戦車格納庫を通り抜けようとしたんだ」
みほ「急ぎ足でロッカーに向かう私の視界の隅に映ったのは、私が明日搭乗する車輛の前に先輩二人が立っている姿だった」
みほ「近くの物陰に潜んで様子を見ていたら、二人の会話が聞こえてきたんだ」
『セット完了! これで明日は副隊長殿の泣き顔が見られそうだ。ついでに憎らしい隊長殿の顔も潰せる。私ら10連覇とか別に興味ないし~』
『バカ! あんまり大声出すなよ! 』
『スマン。つい嬉しくてはしゃいじゃった』
『でもほんとに大丈夫なの? 爆弾ってやばくない? それにばれたらまずいんじゃないの? 』
『心配性だね~だからこうして人気のない時間をを見計らって作業したんだから大丈夫だって。それに取付けたのは兄貴の知り合いの火薬マニアに
大枚はたいて作ってもらったやつで、手持ち花火ぐらいの威力しかな上に、一定以上の振動がないと爆発しないって言われたよ。
どうせ試合はドンパチやるんだしばれないって。平気平気~』
『まあ、何かあってもあの人を差し置いて副隊長になった身の程知らずの一年にはいい薬って事でいいかぁ~』
『そうそう』
優花里「それってまさか、その二人がこの爆弾を西住殿の車輛に仕掛けたって事ですか? 」
みほ「そうだよ。そして私は二人に気付かれないよう足音を忍ばせ更衣室に移動し、忘れ物を回収して通用口から立ち去った」
優花里「…とても信じられません」
みほ「そうだよね。でも事実なんだ。証拠もここにあるしね」
優花里「西住殿は何故そのような行動に走ったのです? 」
みほ「私疲れていたんだ。あの場所には私に悪意を向けてくる人しかいない。頑張っても褒めてもらえるどころか敵意が増すばかり。
そのうちね、私にこんな環境を与えた戦車道が、西住流が、黒森峰が憎くて仕方ないようになったの」
みほ「だから壊したかった。でも臆病な私には自分から何かをする勇気はなかった。だから差し出された奸計に乗ったの。
何を犠牲にしても全てから解放される為にね」
みほ「最低でしょう? でもこの話にはまだ続きがあるんだ。翌朝隊長だったお姉ちゃんから言い渡されたのはフラッグ車の変更命令。
理由はプラウダ側に作戦内容が漏れた可能性があるからだって説明された」
優花里「……」
みほ「私は当然反対した。でも決定は覆らずあの事故が起きた。本当の事を言えば止められたかもしれないのに言えなかった…これで分かったでしょう? 私は英雄なんかじゃない。ただの卑怯者なんだよ」
みほ「学園艦に戻った私を待っていたのは昔以上の負の感情だった。黒森峰は機甲科中心で回っている学校。
その全生徒を敵にするって事は他科の生徒をも敵にするって事なんだ」
みほ「それも私に与えられた罰だと思って耐えていたけど、道を歩いてるだけで絡まれたり
聞こえよがしに陰口言われたりするのが毎日っていう生活はさすがに心が折れて、一週間で引きこもりになっちゃった」
優花里「で、でもその爆弾が原因で事故が起きたとしたら何故ここに実物が存在してるんです。おかしいじゃないですか? 」
みほ「それはね、お姉ちゃんが回収したから」
優花里「まほ殿が? さっぱり話が見えないのですが…」
みほ「あの日二人が去り私が逃げたのを、少し離れた場所でお姉ちゃんが目撃していたらしいんだ。
漏れ聞こえた話から二人が何をしたのか察したお姉ちゃんは、私の車輛を捜索しこの爆弾を見つけた」
みほ「本来なら責任者に報告してしかるべき処理をすべきなのに、お姉ちゃんはそうしないでお金で動く生徒を使い、秘密裏に私の車輛から爆弾を外し
爆発しないように処理をさせて自分で持っていたんだって」
みほ「さらにお姉ちゃんは万全を期してフラッグ車を入れ替えた。勝利の為に犠牲を厭わないのが黒森峰の戦車道だから。
……そしてあの事故は仕組まれた事故から優花里さんが知る本当の事故に摩り替ったの」
みほ「私が全てのカラクリを知ったのは大洗に転校する前日、お姉ちゃんから寮の自室に呼び出され、これを見せられらて尋問された時だった」
みほ「『あの決勝戦が、我が黒森峰にとって大切な試合だと分かっているのになぜこのような事をした? 私が防いだから良かったが
一歩間違えば我が校の、惹いては西住流の大醜聞になったんだぞ』きつく問いただすお姉ちゃんに、自分の気持ちを伝えたんだ。
そうしたら…うっ……くっ…」
優花里「に、西住殿、一体どうされたのです? 」
みほ「そうしたら私、お姉ちゃん…に……乱暴された」
優花里「……! 」
みほ「『逃げたかっただと! 私は長い間逃げられずに苦しんできたのに! そんなに壊れたいなら私が壊してやろう! 』って叫んで私を押し倒して…」
みほ「あんな表情のお姉ちゃんは初めてで、私怖くて抵抗できなくて…意識が戻った時には全部終わっていた」
みほ「現実を受け入れられなくて天井を見つめたまま放心していたら、お姉ちゃんが着ていた制服を体にかけてくれてその時言われたんだ」
みほ「『私は謝らない。お前は愛しい私の妹。それは今でも変わらない。だが同時に戦車乗りとしてのお前に嫉妬していた。私にはない天与の才を持つお前にな…今回の事、あの証拠をもってお母様に報告したいならするがいい。私は全てを受け入れる覚悟だ』って…でも私何も言えないまま大洗に来たんだ」
みほ「私、汚いよね…醜いよね……こんな子が隊長なんてやる資格はないよね…」
トントン
みほ「え? 」
沙織「みぽりん」
華「みほさん」
麻子「西住さん」
みほ「みんな、いつからそこに? 」
沙織「ほら、フェリーの中って意外と乾燥してるじゃない。喉乾いて目が覚めちゃったんで、冷たいお茶を買うつもりでここに来たら
ゆかりんとみぽりんが真剣な顔で話してるの見ちゃって…ゴメン、二人の会話ほぼ全部聞いちゃいました」
華「私は、秋山さんがなかなかお部屋に戻ってこないので心配になって探していたんです。そうしたら途中で武部さんに会って一緒に来ました」
優花里「私を探しに来てくれたのですか? 」
華「当り前です。友達じゃないですか」
麻子「私は沙織が部屋を出る時に派手に転んだ音で目が覚めた。軽く散歩して寝るつもりで歩いていたら
自販機の影に隠れている二人を見つけたから付き合った」
みほ「…あ、あの」
ギュッ
沙織「みぽりん、ありがとう。そんな思いをしたのに私達と戦車道やってくれて」
華「それだけではありません。来たばかりの大洗女子学園を愛し廃校から救う為に二度も戦ってくれました」
麻子「誰にでもできる事じゃない。お前はもっと自信を持っていいんだぞ」
優花里「そうですよ。それに私も話の内容に驚いてしまいましたが、そんな深い話をしてくれたって事はそれだけ信用してくれたって事でしょう?
不詳秋山優花里感激です! 今日の事は一生胸にしまい込みます。だから安心してください」
沙織「だからみぽりん。今度は私達がみぽりんの力になりたいんだ」
華「出来ることがあったら何でも言ってください」
麻子「私達は友達だろう。少しは頼れ。お前は一人で色々抱えすぎだ」
優花里「そうですよ。私達西住殿の言う通りにします。何が望みですか? 」
みほ「…じゃあちょっとだけ甘えちゃおうかな」
みほ「少しだけこのままで……今だけだから」
沙織「少しだけなんて言わないで、いっぱい泣いていいんだよ」
華「全てを洗い流す位の勢いで泣いてしまってください」
麻子「ここには私達しかいないんだ。気にするな」
優花里「私達は仲間です。だから心を解放してください」
みほ「みんな、ありがとう……」
………………
………
…
沙織「すっかり夜が開けちゃったね」
麻子「…朝日を浴びたら眠くなってきたぞ」
沙織「ダメだよ今寝ちゃ。朝食後すぐ下船準備しないといけないんだから」グイグイ
華「そういえばお腹が空きましたね。朝食はバイキングでしたっけ? 」
優華里「西住殿、その爆弾はどうするおつもりです? 」
沙織「青春ドラマみたく海に投げちゃえば? そして絶叫するの」
麻子「海にごみを捨てるのは違法行為だぞ。第一何を叫ぶつもりだ? 」
沙織「彼氏募集中とか、目指せモテ女とかかな? 」
麻子「それはお前の願望じゃないか。 そんなものを聞く海の迷惑も考えろ」
みほ「お姉ちゃんの話だと、爆発はしないみたいだしとりあえず持って帰るよ」クスクス
麻子「処理に困ったら生徒会の連中に任せたらどうだ? あいつらなら権力で何とかするだろう」
沙織「そうそう、私達大洗を救った救世主なんだしそのくらいの我儘は許されるよね~」
華「…そろそろ朝食会場に移動しませんか? 私皆さんを食べてしまいたいくらい飢えているんです」
沙織「ちょっと! 華さんがそれを言うとシャレにならないから!…さあ、みぽりんもゆかりんも一緒に行こう!
早くしないと行きの時と同じように華さんが食べつくしちゃうよ~」
みほ「うん! 」クスクス
優花里「はい! 」ニッコリ
♢♢♢
みほ『あの話の中で誰にも言っていない事実がある』
みほ『それは私もあの副隊長さんと同じ気持ちをお姉ちゃんに抱いていたって事』
みほ『あそこまで過激な事は望んでいなかったけど、お姉ちゃんと触れ合えて、私に嫉妬してたって言われた事は少し嬉しかった』
みほ『でもそれはもう告げられない思い。私はここで見つけた新たな道を歩むと決めたから』
みほ『だから』
みほ『さよなら、私のお姉ちゃん』
─ fin ──
SSって難しい。もっと頑張ります。
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