沙織「ボコのピアス? 」
中身はないです
百合(まほみほ)描写あり。後は何でも受け付けるという方のみお進みください。
早朝
─2年A組 教室─
みほ「沙織さん、おはようございます」
沙織「みぽりんおはよう。朝から深刻な顔してるけど、またお姉さんが家に侵入した? 」
みほ「私の部屋でみんなに裸エプロン姿を披露したお姉ちゃんなら、着払いの○○便で送り返したからしばらく来ないんじゃないかな」ニコ
沙織「そ、そうなんだ。でもみぽりん ” 妹に恥をかかせる姉なんか粛正してやる ” って言いながら色々やってたじゃない。本当に平気なの? 」アセッ
みほ「西住流はあのくらいでどうにかなるヤワな鍛え方をしている流派じゃないから心配ないって。向こうに届く頃には全快してるから」
沙織「…やっぱり砲弾飛び交う中で生身の上半身晒す人達は凡人と違うんだね」
みほ「そうかな?…話は変わるけど、沙織さんは体に穴って開けた事ある? 」
沙織「体に穴? ひょっとしてみぽりん私に内緒で彼氏と大人の階段上っちゃった? 」ポッ
みほ「違うって…口で説明するより実物を見せた方がいいか」
ゴソゴソ、コトン
沙織「これはボコのピアス? 結構可愛いじゃん。こんなのがあるんだ~」
みほ「昨日一人で午後ボコミュージアム行って売店で見つけたんだ。イヤリングのつもりで買って、家に帰ってからよく見たらピアスだったんだ」
沙織「あー良くあるね。で、それをつけたいと? 」
みほ「寝る前に生徒手帳読み返したらピアス禁止とは書いてなかったし、せっかくだから試してみたいかなって」
沙織「そういえばクラスにピアスホール開けたって話してた子がいたよ。その子にどうやったか聞いてみる? 」
みほ「お願いします」
沙織「その代わり後でクレープ奢ってね。いいお店見つけたんだ~」
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昼休み
─ 食堂 ─
沙織「例の件だけど、お医者さんで開けてもらうのと自分で開ける方法の2つがあるって教えてくれた」モグモグ
みほ「お医者さんで開けられるなら、そっちの方がいいかな~」ムシャムシャ
沙織「でもお医者さんでやってもらう場合、親の同意書が必要だって言われたよ。みぽりん、あのお母さんに書類へのサインって頼める? 」
みほ「そんなうわついた話をしたら、西住流総本山の特訓コース送りにされます」キリッ
沙織「名前からして凄そうだけどみぽりんは受けた事があるの? 」
みほ「一回だけあります。お姉ちゃんと一緒に訓練を抜けだし、隣町に怪獣映画を見に行った事がバレた時に連れて行かれました。
お姉ちゃんは下山以降、自害用のカプセルを持ち歩くようになり、またアレを受けろと言われたらその場で飲むと言っています」ガタガタ
沙織「じゃ、じゃあお姉さんに頼めない? ほら、前に書いてもらった書類みたくちょこちょこっとサインしてもらえばいいんだし~」
みほ「あの時は非常事態だったから書いてくれたけど、基本的に真面目な人だから無理だね。」
沙織「じゃあ自分でやるしかないか。教えてくれた子は専用の器具があるって言ってた。それで小さい針を耳朶に打ち込むんだって」
みほ「話を聞くだけでちょっと怖いけど、ボコの為に勇気を出そうかな」
沙織「戦車の17ポンド砲は怖くないのに僅か数㎜の針が怖いって何かおかしくない? 」
みほ「普段から身近にある物に恐れは抱かないからね」シレッ
沙織「じゃあ、自分で開けるのに何が必要がもう少し詳しく聞いておくから」(戦車道の家元ってやっぱり怖い)
みほ「ありがとう」
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一学期終了
─みほが暮らす学生寮─
沙織「さて、ご飯も食べたし、お風呂も入ったし、これからみぽりんを私達の手で大人にしてあげよう」
みほ「さ、沙織さんその言い方はちょっと恥ずかしいかな」テレッ
華「これがその器具なんですか? 2つあるんですね」
沙織「1回きりの使い捨てだから、両方開けたいなら2個必要なんだって」
華「そういえば、今日は秋山さん来ていないんですねね」
沙織「ゆかりんなら、急用があるみたいで練習終わったらすぐ帰ったよ」
ガチャーン! ポトン、コロコロコロ…
みほ「……! 沙織さん、華さん! 手で鼻と口を塞いで! 早く! 」
沙織「え? 」
シュ――――――
華「あら…」コテン
沙織「ちょっ! 一体何が...」スヤァ
麻子(食事後テーブルの下で丸くなって就寝中)「ZZZ……」
みほ「しまっ…」バタン
モクモクモク……………ガチャ、ドドドド
「I'm Back 」ニヤリ
「お前達、確保対象はそこの一体だけだ。素早くトラックに積み込め。それから手足はしっかり拘束しておけよ。逃げられたら困るからな」
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翌日
─黒森峰学園艦 隠し部屋─
みほ「ん……」
まほ「おはようみほ。ゆっくり休めたか。もう昼だぞ」
みほ「いかにも実家に帰ってきた妹を起こすやさしい姉みたいな雰囲気出してるけど、お姉ちゃんが黒森峰の強襲部隊を使って
私を大洗から連れ出した事実はきちんと覚えているから」
まほ「相変わらず厳しいな」
みほ「なんでこんな事をしたの? 」
まほ「あのプードルみたいな髪型の娘…確か秋山とか言ったな。その娘と少し前から懇意にしていて、お前の幼少期(入浴シーン)の写真と引き替えに一日の行動を連絡してもらっていたんだ。そうしたら私の許可もなしに体を傷つけようとしていると報告を受けたから捕獲しただけだ」
みほ「お母さんならともかく、お姉ちゃんの許可を取らなきゃいけない理由が私にあるのでしょうか? 」
まほ「こんな格言を知っているか? ” 姉の体は姉のモノ、妹の体は姉のモノ ” つまりお前の体は私のモノなんだから
許し無しで何かしたらいけないのは当たり前じゃないか」
みほ「そんな格言はありません! ダージリンさんに失礼です」
まほ「戦車道ルール三章第二項」
みほ「 ? 」
まほ「” 戦車道履修者は履修中に限り、眼鏡以外の金属製装飾品を着用しない事。ただし身体的ハンデを補う目的の金属製器具はこの限りではない ”」
みほ「あっ…」
まほ「確か大洗は、二週間後に継続との練習試合を控えていたのではなかったか?
連盟審判がサポートする試合はすべて公式ルール適用になるんだぞ。隊長自らの規約違反で試合前に失格になるつもりだったのか? 」
みほ「…ごめんなさい」
まほ「わかってくればいいんだ」
みほ「じゃあこれ外してくれる? 素肌に黒森峰のジャケットだけ羽織ってベッドに大の字で拘束って倫理的にまずいと思うんだ」ガチャ
まほ「残念ながら解放は出来ない。これからお前には特別講習を受けてもらう」
みほ「特別講習? 」
まほ「今回の事をお母様に話したら大変ご立腹で、即刻総本山に放り込めと言っていたんだ。しかし私手ずから再教育を施すという事で許してもらった」
みほ「お母さんに話しちゃったの? 」
まほ「○○便で送り返された恨みは大きいぞ。扱いが荒くあちこちぶつけたから今でも体中が痛い上に、着払いの料金は私の小遣いから引かれた」
シュッ、キュポ
みほ「お姉ちゃん、手にお持ちの瓶に入った怪しげな液体は何でしょう? 」アセッ
まほ「お前の指導用にお母様から分けてもらった。素手で触ると厄介な代物だから扱う時は手袋必須らしい」
トロッ…
みほ「きゃ! おなかの上、生暖かくて気持ち悪い…」
まほ「これで準備は整った。授業開始だ。戦車道ルールを冒頭から暗唱しろ」
みほ「嫌だよ…うひゃ! そこ、抓っちゃ、ダメぇ……」ブルッ
まほ「言い忘れたが、お前に垂らしたのは捕虜尋問用の塗り薬で、早く洗い流さないと大変な事になるらしい。あまり強情を張らない方がいいぞ」
みほ「せ、戦車道とは、戦車同士の戦闘を通……んふっ…くっ」
まほ「この状態で全章正しく復唱できたら大洗に返してやる」ヌルヌル…コリッ!
みほ「こんなの…絶対……おかしいよっ」ビクビク
まほ「何とでも言え、これが西住流だ。少しでも間違えたら最初からやり直しだぞ。試合に間に合うよう頑張れ。お前ならできる」モニュ
みほ「お姉ちゃん、横暴な振舞いを” 西住流 ”で押し通すのやめませんかぁ…」ビクン
まほ「言い換えれば ” 据え膳食わぬは戦車乙女の恥 ” かな」ツツー
みほ「やっぱり、教育なんて建前で完全にお姉ちゃんの趣味じゃないっ……」ゾクゾク
まほ「いいじゃないか。スキンシップは大事だぞ」ナデナデ
みほ(…優花里さん、絶対許さないんだから! )
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─数週間後 ボコミュージアム内特設ステージ─
『今日は特別なショーがあるんだ! なんと××動物園の協力により実現した、ボコとブラックマンバの対決だよ!
よい子の皆はガラスケースの中にいるボコを応援してあげてね! 』
沙織「ゆかりんの臨時バイト先ってここなんだ」
みほ「うん! バイト代を練習試合で大破した戦車の修理資金に当てて欲しいって自分から志願したんだ」ニコニコ
華「私、ネットであの蛇の事を調べたら凶暴で恐ろしい毒蛇だって書いてありました。高額バイトとはいえ戦うのは危険過ぎるのではないですか? 」
みほ「大丈夫、あのボコの着ぐるみ、戦車道で使われる謎カーボンを糸状にして編み込んだ特殊繊維製で蛇の牙なんか通さないから」
麻子「西住さん、その事は秋山さんに伝えたのか? 」
みほ「…ボコ! 頑張れ! 」ブンブン
麻子(秋山さんの怯えようが尋常じゃなかったから、気になってはいたんだが教えてないんだな。まあ帰艦時の西住さんの状態を考えれば当然か)
みほ「ボコー! そろそろやられていいんだよー ボコはボコボコになってこそボコなんだから」ニコッ
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