のび太「未来の僕がやさぐれている」未来のび太「fuck you」その2
のび太「未来の僕がやさぐれている」未来のび太「fuck you」その1
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次にのび太が目覚めたのはベッドの上だった。視界に広がる白い蛍光灯に思わず一言漏らす。
のび太「知ってる天井だ。保健室だな」
???「起きたのかい。のび太君」
聞き慣れた声に飛び起きると見慣れた青狸がそこにいた。
のび太「ドラえもん。 修理が終わったんだね!!」
ドラえもん「うん。おかげさまで。あと、今なんかバカにされた気がするんだけど気のせい?」
のび太「気のせいだよ? 誰も君の事を青狸だなんて思ってないよ」
ドラえもん「よし、のび太君。一緒に運動しよう。僕が全力で殴るから全部受け止めておくれ」
のび太「すいません」
そう言って二人で笑いあったのだった。
ひとしきり笑ってからのび太はドラえもんに今まであった事を話した。
ドラえもんはのび太の話を聞き終わると罰が悪そうな顔をしながら呟いた。
ドラえもん「もしかしたらパラレルワールドの未来に来てしまったかも知れないね」
のび太「つまり.......どういう事?」
ドラえもん「簡単に言えば僕たちの未来とは違う未来へ来ちゃったって事さ」
のび太「元の世界には戻れるのかな?」
ドラえもん「無理だよ。だってこれを見て」
そう言ってドラえもんは折りたたんだハンカチをのび太に渡した。
のび太は用心深くソレを開けると中には灰が入っていた。
のび太「これは?」
ドラえもん「タイム風呂敷さ。どうやら一回使うとダメになってしまうらしい。コレを見る限りタイムマシンももうダメだろう」
「そ、そんな。それじゃ帰れないってこと!?」
「そうなるね」
「えーーー」
???「他の患者さんも寝てるんでお静かに」
のび太•ドラえもん「すいません」
???「その声ドラちゃんなの?」
仕切りが開かれポニーテールの若い看護師が姿を現した。
のび太「君は...静香ちゃん?」
静香「あらまあ、若いのび太さんじゃない。タイムマシンに乗って来たって事は本当だったのね」
そう言って微笑む静香を見てのび太は顔を赤く染めた。
???「静香さん忙しんだから早くして!!」
静香は先輩に呼ばれた事に大きな返事をした後、のび太達の視線に合わせてしゃがみながら謝った。
静香「ゴメンなさいね。バタバタしちゃって」
のび太「気にしないで。僕たちに構わず行って来なよ」
静香「ふふふ。ありがとう。のび太さんにそんな言葉言ってもらえるのは新鮮だわ」
ドラえもん「君は一体この時代でどこまでぐれたんだい?」
静香「ふふふ。その掛け合いも新鮮ね。そうだわ。ドラちゃんにお願いが有るんだけど、この時代ののび太さんとお話して欲しいんだけど良いかしら」
ドラえもん「別に良いけど、未来のび太君は何処にいるんだい?」
のび太「・・・」
静香「ドックの奥よ。彼はいつもそこにいるわ。私も仕事を片付けたら行くから先に行ってて」
のび太「ねえ、静香ちゃん。最後に一つ教えてくれないかな?」
静香「未来ののび太さんの事?」
静香の顔には影が差し、疲れたように言った。
静香「ドックの奥へ行けばわかるわ。彼がああなるのも仕方の無いことだもの...」
そう言って静香は席を外した。
ドラえもん「どうする?」
のび太「行くっきゃないだろ。静香ちゃんの頼みだし。帰る方法はまた考えよう」
ドラえもん「その前に鏡見ろよ。鼻の下が伸びてるぞ」
のび太「全くドラえもんはうるさいなあ。そんなことよりさっさとドックへ行こう」
のび太はフラフラする体をドラえもんに支えて貰いつつ、ドックへ向かった。長い道のりだったが、元々はのび太が通う小学校だったため迷うことは無かった。
ドラえもん「何だろうココ凄く暗いね
のび太「そうだね」
ドックの奥は金網で先に進めなくなっていた。その先は暗闇になっておりドラえもんとのび太の恐怖心を増長させていた。
のび太「照明は...。あったコレだな」
のび太が照明をつけると金網のその先にあった物が照らし出される。
のび太「これは...青いガリオン?」
???「ただのガリオンじゃない」
のび太「未来の僕!!」
野比「挨拶だな。もっと喜べよ過去の俺。それと、久しぶりだなドラえもん」
ドラえもん「これがバカでアホでマヌケでトンチンカンなのび太君の未来......別人じゃないの?」
のび太「そんなことはどうでも良いこの青いガリオンは何だ!?」
のび太は嫌な予感が隠しきれず大声をあげた。野比はその様子をせせら笑うようにのび太へ疑問を投げかけた。
野比「オイ、過去の俺。いつも遊んでいる仲間の中で誰の未来の姿をみていない?」
のび太「・・・」
野比「わかっているのに黙るか...。それなら、教えてやろう。
コイツの名は奇襲作戦用万能兵器ドラガリオンだ。つまりは...」
ドラえもん「......僕の未来の姿?」
野比「そうだ。ドラえもんの各部位のパーツを使用する事でガリオンを奇襲用に改修した物だ」
のび太「そんな...」
野比「どうだドラえもん。未来に絶望したか。どうした? 何か言えよ。何か言って見ろよ!!」
野比は溜まっていた物をぶちまけるように大きな声を上げた。
カタン。何かが落ちる音がに反応して3人は入口を見た。そこには静香が飲み物を盆に乗せて立っていた。
どうやらその一つを零してしまったらしい。
野比はチッと舌打ちするとリルルの名前を呼んでからドックの入口へ向かった。
静香「...お邪魔しちゃってごめんなさい。良かったらお茶でもと思って」
静香は野比が横を通りすぎる時にあたふたと盆を野比に差し出した。
野比はそれを無視してそのまま校舎の方へ向かった。
静香が盆を持ったまま固まっているとリルルがその盆をひっくり返し怒鳴りちらした。
リルル「野比中尉に失礼だと思わないのか!!」
静香「す、すいません」
静香は飲み物で濡れた体を拭くことも許されず萎縮した。その様子を見てリルルは爪を噛んだ。
リルル「何でお前なんだ。私の方が野比中尉に尽くしているのに...。
チッ!! もう良い!! 源看護官はここは拭いて置くように!!」
静香「ハ、ハイ!!」
リルル「返事がなってな....」
野比「リルルもう良い。こっちへ来い」
リルルがそこまで言いかけた言葉を野比が制止した。リルルは野比の顔を見ると、シュンとしてすいませんと一言謝る。
野比「すまなかった源看護官。コレを使ってくれ」
そう言って野比は上着を静香に掛けるとそのまま出て行った。
リルルは終始、野比の視界から隠れた処で静香を睨んでいたが野比と共に部屋を出て行った。
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