機動偶像ガンライブ!プロローグ
サ●ライズを代表するSFアニメの金字塔と可憐なスクールアイドル達が何故かコラボレーション!泥臭い戦場をステージに舞い踊る(?)乙女達の戦争<ライブ>をご覧あれ。
パロディの魂…もとい塊のような作品になっています、どこかで聴いたような台詞がちょくちょく出てきます。ドンパチ描写が苦手な方は後退をお勧めします。当然のようにキャラ崩壊したり宇宙世紀の史実考証があいまいだったり架空の部隊が登場しますのでご注意ください。
―地球連邦軍欧州方面前線基地周辺―
二機の陸戦型GMが重たげな駆動音と足音を上げ廃市街地を走り抜ける。それぞれ両手にマシンガンとシールドを構えている。その二機が向かう先にも陸戦型GMが待ち構えている。手に持ったマシンガンはその二機の方へ向けられている。
「舐めるなよ、俺様は二千回以上の作戦を成功させ、模擬戦でも負けなしのスペシャル様だ。」
一機の方の陸戦型GMの中で若手だが腕に自信はあるらしいパイロットが誰に言うでもなく呟いた。
「マキちゃん、今回もやるの?これ…」
『当たり前でしょ、私達の小隊長になるならそれなりの腕は無いと困るでしょ?それに、一対二でやるって言い出したのは向こうよ。』
陸戦型GMのコックピットでホシゾラ・リン軍曹はニシキノ・マキ曹長と通信していた。内容は作戦に関することではない。これまで何人ものベテランを葬ってきた『新小隊長歓迎のセレモニー』についてだ。
「この前の人は二人で倒したらモビルスーツを見るのも嫌になって、その前の人はリンだけで倒したらPTSDになって、さらにその前の人はマキちゃんが怖すぎて途中で逃げ出したにゃ。」
『所詮その程度だったってことよ。模擬戦でも使えない指揮官が戦場で役に立つはず無いでしょ。それと、お喋りはお終い。そろそろ射程範囲よ、いつも通りにね。』
「了解、先に行くにゃー!」
二機の陸戦型GMの内一機、リンの機体が加速する。同時にマキ機が廃屋の屋根に登り伏せ撃ちの体勢を取る。
ビルへの衝突だけで致命傷になりかねない廃市街地でリンは陸戦型GMとは思えないスピードで駆ける。
「来やがったな、かかってこい!」
小隊長の陸戦型GMがリン機の方を向く。遮蔽物により姿は捉えていないがレーダーがこの方向を指している。
次の瞬間、別の方向からアラートが響き渡り機体が激しく揺れる。マキの射撃だろう。
「着弾!?舐めるなよ、俺様はぁ…」
リン機が廃ビルを飛び越え姿を現したと思ったら次の瞬間には肉薄、タックルを喰らっていた。
「スペシャルで…」
倒れつつ小隊長がコックピット内で喚く。リン機のシールドで殴り飛ばされ廃ビルに突っ込む。
「二千回で…」
衝撃によりメインジェネレーターが停止。コックピット内が赤い非常灯で薄暗く照らされる。さらに数度の小刻みな衝撃。フルオート射撃を喰らったのだろう。
「模擬戦なんだよぉぉぉぉぉおおおおおお!!!!」
叫ぶと同時に緊急脱出機構が作動して空に打ち上げられる。打ち上げられる際に舌を噛んだのか意味不明な言葉を喚きつつ落下する。
リンはそれを割と近くでカメラ越しに眺めていた。
「あの人も多分辞めちゃうにゃー。」
他人事のように言ってのける。
『仕方ないじゃない、弱いんだから。…連邦軍にロクな人材は残ってないのかしら?』
マキが失望したように返す。
『それはそうとあの陸戦型GM、直るかしら?』
手足と頭部は残っているもののペイント弾で真っ赤に染められ、フレームが歪み、オイル漏れが発生している陸戦型GMを一瞥してため息をつく。見るからに酷い有様だ。
「絶対ニコちゃんに怒られるにゃー…」
毎度恒例、小隊長歓迎のセレモニーはいつも通りの結果に終わった。
その後、整備班長のヤザワ・ニコにリン、マキの二人がどやされる光景も毎度恒例だった。
―地球連邦軍欧州方面第九機甲大隊司令部―
「ええ、そういうことです。他の人材は…居ませんか、仕方ありません、では士官学校の候補生たちに関する資料を送ってください、ええ、士官学校です。至急お願いします。」
電話が切れる。第九機甲大隊長のアヤセ・エリ少佐がため息をつく。
「ソノダ中尉、これからも第一小隊長として働いてもらうわ。元々は司令部付の狙撃手なのに申し訳ないわね。」
「いえ、気になさらないでください。それに、あの問題児二人を部下にするのは常人には不可能です。」
第一小隊長代理のソノダ・ウミ中尉が答える。至って真面目な口調だが半ばあきらめを含んでいる。
「いつも以上に一方的な展開やったしね。カードも今回のはアカンって言うてた。」
大隊副官のトウジョウ・ノゾミ大尉が加える。『じゃあなんで止めなかったんだ』というツッコミは無い。
三十分後―
「「失礼します。」」
書類の束を抱えて入って来たのは第九大隊第一小隊担当オペレーターのミナミ・コトリ伍長とコイズミ・ハナヨ伍長だ。
「司令部事務の方に先程請求された資料が転送されてきたためプリントアウトして持ってまいりました。」
コトリが説明する。ハナヨが制服ではなく作業着であるところを見ると偶然通りかかたところ、手伝わされたのだろう。
「それと、今回の模擬戦で陸戦型GMが一機、三日は使えないとヤザワ班長が…」
ハナヨが別の報告事項をエリに伝える。
「そう…でも安心しなさい、新しいモビルスーツを一機受領することになったの。」
エリの声がいくらか弾んでいるようだ。
「ど、どんなモビルスーツですか?」
「機密に触れるようなことでは無いから教えるわね。ガンダムよ。」
「が、ガンダムですか!?あのV作戦で開発されて…(中略)…と最近噂のガンダムですか!?」
「ええ、検品落ちのパーツを組み合わせて作った陸戦型だけどね。戦闘力は圧倒的よ。」
「ほ、本当ですか!?生でガンダムを見られる日が来るなんて、感激です!」
ハナヨの目が輝いている。モビルスーツマニアとしてはたまらないのだろう。
「それはそうと、誰を選ぶのですか?」
ウミが仕事に戻るよう促す。
「そうだったわね。ミナミ伍長、書類を。」
「はい、こちらになります。」
コトリが書類の束を手渡す。エリはそれをパラパラとめくる。
「ここまで細かいデータを三十分足らずで…ありがたい話ね。…ハラショー!」
ページをめくっているとエリの手が途中で止まった。
「ん?どないしたん?」
ノゾミが覗き込む。教官からの成績評価はD。最低クラスの成績。いわゆる劣等生のプロフィールとシミュレーターのログと練習機のログが記載されていた。
「ノゾミ、この子はいいと思わない?」
「動きがあまりよくないやん。普通に上の方から選んだ方がいいんちゃう?」
「それじゃつまらないでしょ?それにこの子の動き見てみなさい、おもしろそうじゃない?」
エリが資料を見せつつノゾミに説明した。
「ふーん、ま、エリちが言うなら間違いないやろ。カードも言うんや。悪くないって。」
「決まりね。士官学校に連絡を取るわよ。校長に直接で。」
ハナヨが手近にあった電話機をエリにわたした。
「コウサカ・ホノカ…か。」
エリがその名を呟き士官学校に電話を掛けた。
―士官学校演習場―
二機のGMが荒野を走る。その片方のコックピットの中でコウサカ・ホノカはぼやく。
『コウサカ!ボサッとしてる暇は無えぞ!さっさと展開しろ!』
無線から飛んでくる教官からの怒声。
「了解!」
ホノカは怒鳴り返して所定位置への展開を終えた。
『よし、戦闘開始!勝利条件は敵部隊の無力化。』
同時に全機が目標へ走り出した。
三分が経過して状況は膠着していた。互いに遮蔽物に身を隠し様子を探り合っている。
「行くよ!」
ホノカがしびれを切らして飛び出した。当然、敵にとっては格好の標的だ。
『おい、何をしている、指示は出していないぞ!』
僚機からの通信、集中砲火を浴びているホノカを援護しようと彼の機体もまた、前に出た。
「こっちが制圧する側の想定なら早く決めないと包囲殲滅される!」
ホノカが必死に回避運動を取りつつ反論する。座学の成績は良くはないが積極性はある。
『どっちが制圧側とか指定は無かっただろうが!』
僚機の反論が返ってくる。
「練習機だとカタログスペックの半分しか出力が出ない…」
ホノカがぼやいていると二方向から同時に銃撃。とっさに楯を構えるが半分は直撃だ。
「くっ…まだまだ…」
ホノカは反撃を試みるが機体が動かない。GMは脆い、誰もが常日頃感じていることだ。
『コウサカ機、戦闘不能!貴様は戦死だ!もう十回目だぞ!コックピットで反省していろ!』
教官からの容赦ない叱責。だが、五分と経たずに焦りの色を隠せない声色の教官から通信。
『コウサカ、機体のロックを解除する。至急帰投して校長室へ迎え、制服でな。…まさか、何かの手違いだろ…いや、気にするな、急げよ。』
この模擬戦ではペイント弾を使用しつつも受けたダメージに応じて機体の動きに制限をかける仕様なので戦闘不能になった機体でもロックを解除すれば自走可能だ。
「了解。」
ホノカが機体を格納庫へ向かわせる。
―士官学校校長室―
校長室には制服を纏ったホノカと教官、校長が向かい合っていた。
「私にも信じられない話なのだが…」
校長が話を切り出す。
「コウサカ・ホノカ候補生。君に招集がかかった。」
「ど、どこの士官学校ですか?」
「いや、実戦部隊だ。」
「…は?」
思考回路がショート寸前のホノカ、後ろで教官が頭を抱える。
「地球連邦軍欧州方面第九機甲大隊。『μ’s(ミューズ)』の愛称で呼ばれている。聞いたこともあるだろう。あそこの変人…目の付け所が違うと有名な指揮官が君をスカウトしたいと先程連絡があってな。使い捨て小隊長にはしないと向こうも言っていた。一足早い任官だ、このご時世にめでたいと思えるかは別だが言っておく、任官おめでとう准尉。」
「これで、私も晴れて少尉に…」
「准尉待遇だと言ったはずだが?」
「………」
ホノカは言葉を失う。ひきつった笑顔が心境を物語っているようだった。
「まあその…何だ、あの部隊は実力主義を徹底していてな、階級など何の意味もないことで有名だ。」
教官が焦ってフォローを入れる。フォローになっているかは別の問題だが。
また一つ運命の歯車が動き出した。欧州をめぐる戦いはこれから激化していく。そしてこの欧州戦線が地球連邦とジオン公国の戦争の行方を大きく左右するということはまだ誰も知る由は無かった。
まずはプロローグです。企画は当初00とラブライブ!のクロスオーバーSSにしようという企画だったのですが話が二転三転して宇宙世紀を扱っていくことになりました。08小隊のような雰囲気を出せるように頑張っていきます。以下、次回予告をどうぞ。
ホノカ「一足早く士官学校を卒業して実戦部隊に配備されたホノカ、だけど配属先は実戦部隊のイメージを滅茶苦茶にしてくれた、こんなイカれた環境で戦っていくにはどうすればいいのか分かんないよー!次回、機動偶像ガンライブ!『ファーストライブ!』シリアスは五分と続かない!」
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