シンジ「正体を隠せ?」
2作品目です!更新が遅れるかもしれませんがよろしくお願いします!
*キャラ崩壊あり
*オリキャラ多数
*シンジがかなり女ったらしになっています。
*学校でのシンジの性格は原作通りになっています。
*シンジハーレムです。
それでもいい方はどうぞ!
オリキャラ紹介
飛波 玲奈(ひなみ れいな) 14才 女
飛波財閥の超お嬢様。レイナ自身も財閥の幹部。
黒髪ロングで容姿端麗、成績優秀、運動神経抜群で学校ではアスカよりもモテる。
誰にでも優しい。好きになると一途で結構尽くす。
男はあの日以来嫌いになったが、あの日に会ったシンジにだけ恋をした。
男と最後に手をつないだのは、幼稚園のお遊戯会以来である。(笑)
満月 愛梨 (もちづき あいり) 14才 女
第3新東京市で一番人気のアイドル。通称あーりん。
金髪ロング。レイナとは1位2位を争う程の美貌。成績、運動神経は、シンジとレイナに次いで3位である。
恋愛禁止で、付き合っている人はいない。
かなり気が強く、表面上は「ファンが恋人です」などと言っているが裏では「こんなブタ共が恋人なんて嫌よ!」と思っている(笑)運命の王子様を探しているなど、乙女のような一面もある。
柔凪 神奈(やわなぎ かんな) 13才 女
第壱中学の1年生。学校1のドジっ子。
茶髪のウェーブのかかったセミロング。学年では1位を取る程頭がいいが、それ以外の事になるとてんでダメになる。
例:運動や家事
1日1回は何もないところでコケる。その度、パンチラしてしまう。
手をつないだり、キスをするのは、本当に好きになった人としかしたらダメだと思っている。
これからも増える予定です!
ミ‘‘ーンミ‘‘ーンミ‘‘ーンミ‘‘ーンミ‘‘ーンミ‘‘ー
プーーーー ピッ カチッ
現在、特別非常事態宣言発令中のため、すべての回線は不通となっております。
ガチャン!
シンジ「ちっ!ダメだなこりゃ・・・」
シンジ「・・・携帯は圏外、バスも電車も止まったまま・・・待ち合わせは無理だな」
ピピーピピーピピーピピーピピー
シンジ「しゃあねぇ、シェルターに行くか・・・ん?」
シンジが見ると遠くの方に少女がいた
シンジ「へぇ?可愛いな・・・誰だ?」
バサバサバサバサバサバサ!
シンジが目を逸らすと少女はいなくなっていた
シンジ「ん!?どこ行った?」
ガァァァァン!
シンジ「うお!?な、なんだ!?」
見てみるとそこには多数の戦闘機と・・・
ズシーン! ズシーン! ズシーン! ズシーン!
見たことのない怪物であった・・・
シンジ「おいおい・・・マジかよ・・・」ニガワライ
バシュー!バシュー!
戦闘機が怪物に向けてミサイルを撃った
ドカァァァァン!ドカァァァァン!
しかし、怪物には傷一つ付いていなかった。しかも、一機の戦闘機を墜落させた
ズガァァァァァン!
シンジ「うお!?ちょっ、ちょっと待ってぇぇ!!」
怪物はあろうことか空を飛び、戦闘機を踏みつぶした
ドガァァァァァン
シンジ「あっ、あっぶねぇなぁ!!」
キキキィィィィィィィ!!
ミサト「ごめぇん!お待たせ!」
シンジ「ちょっと!おせぇッスよ!」
ミサト「ごめんねぇ?ちょっち寝坊しちゃって・・・」
シンジ「はぁ!?寝坊!?そのせいで死にかけたら世話ねぇッスよ!」
ミサト「あうぅ、だからごめんって・・・」ショボン
シンジ「はぁ・・・今度から気を付けてくださいね?」ニコッ
ミサト「う、うん////」(き、綺麗な笑顔////)ポー
シンジ「で?あなたが葛城 ミサトさんですよね?」
ミサト「え、えぇ、あなたが碇 シンジくんね?」
シンジ「はい。葛城さん」
ミサト「ミサトでいいわよ、シンジくん♡」ウインク
シンジ「よろしくです、ミサトさん」ニコッ
ミサト「こ、////こちらこそ、よろしくね/////」(やっぱり綺麗ねぇ/////)ポー
シンジ「つか!ミサトさん!早く逃げねぇと!」
ミサト「そ、そうだった!やっば!」
キキキッ!ブゥゥゥゥゥゥン!!
これがシンジとミサトの出会いであった
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ーーーーー
ーーー
ブゥゥゥゥゥゥゥン!
シンジ「なぁ、ミサトさん?」
ミサト「ん?なぁに?シンジくん?」
シンジ「戦闘機があの怪物から離れていくんだけど・・・地雷とか使うんじゃないですか?」
ミサト「えぇ!?N2地雷を使う訳!?伏せて!」バッ
シンジ「うぇ!?」バッ
ズガァァァァァァァン!!
ミサト・シンジ「「うっ!くっ!」」
N2地雷は怪物に直撃した。だが、怪物にはあまり効果がなかった。
ミサト「大丈夫ぅ?シンジくん」イタタ
シンジ「あ、あぁ、なんとか・・・二度も死にかけるとは思いませんでしたけど・・・」イタタ
ミサト「そいつは結構、じゃあ、このルノー・・・どうしよっか?」
シンジが見るとルノーが横向きに倒れていた。
シンジ「どうしようって・・・こうすればいいんですよ、よっと!」
するとシンジはルノーを片手で押して戻した。
ミサト「えぇ!?ちょっとシンジくん!どんな腕力してるの!?」
シンジ「あぁ、こっちに来る前に、少し格闘技をかじっていたんで」
ミサト「そ、そうなの・・・」(そんなの報告書に書いてなかったわよ!)
シンジ「そんなことより、早く行こうぜ?」
ミサト「そ、そうね・・・」
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ーーーーーーーーー
ーーーーー
ーーー
ブゥゥゥゥゥン
ミサト「いやぁ、ルノーが動いてくれて良かったぁ。直通の特急列車も頼んだし、これで、予定時間守れるかも!」
シンジ「・・・一つ、聞いてもいいですか?」
ミサト「ん?何かしら?」
シンジ「あの無駄にでかい怪物はなんですか?」
ミサト「あぁ、あれは『使徒』と呼ばれる、謎の生命体よ。」
シンジ「へぇ?使徒ねぇ・・・」
ミサト「他に何か聞きたいことある?」
シンジ「じゃあ、俺が呼ばれた理由って、もしかしてですけど・・・その使徒って奴を倒すためじゃないですよね?」
ミサト「え!?」
シンジ「だって、俺が呼ばれたと同時に奴も来たんですよ?偶然にしちゃぁ、出来すぎてる。」
ミサト「そ、それは・・・」(すんごい、頭良いんですけど・・)
シンジ「まぁ、言いたくなかったらいんですけど」
ミサト「そ、そうね・・・助かるわ」(ど、どうしよう・・・)
ゲートが閉まります。ご注意ください。
ブーーー プシューー ガシャン
シンジ「特務機関NERV(ネルフ)・・・ねぇ」
ミサト「そう、国連直属の非公開組織。」
シンジ「あの、くそ親父のいるところですね・・・」
ミサト「そ、そう。お父さんの仕事・・・知ってる?」(くそ親父・・・)
シンジ「人類を守る仕事?か、なんか訳の分からないことをしているんでしょ?」
ミサト「・・・」(訳の分からないこと・・・)
シンジ「これからあのくそ親父んとこに行くんですか?」
ミサト「そうね、そうなるわね。」(もう、慣れたわ)
シンジ「はぁ、そうですか」
ミサト「お父さんの事、苦手なの?」
シンジ「いえ、大っ嫌いです。」
ミサト「そ、そう、あっ!お父さんからID貰ってない?」
シンジ「あぁ、あのふざけた手紙と一緒に入ってたやつですよね?」スッ
ミサト「そ、そうそう。あっ!これ読んどいて」(「来い」って・・・これでよく来てくれたわね)
シンジ「・・・分かりました。」
ミサト「ありがとう。」
シンジ「ん?へぇ?これがジオフロントか・・・」
ミサト「そう、あれが私たちの秘密基地『ネルフ本部』世界再建の枢(かなめ)、人類の砦(とりで)となるところよ」
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ガシャン!
ミサト「えぇっとぉ?駅西口を出て?北3番ゲートを右?ルート8に入ると?」
プッ! ガシャン!
ミサト「ん~、やたらと複雑にできてんのよねぇ?」
シンジ「まさかとは思いますけど・・・迷いました?」
ミサト「まだ不慣れなだけよ。まぁ!そのうち進んでりゃあ、そのうち着くわよ!」
シンジ「・・・はぁ、だといいですけど・・・」
ミサト「な、何よ!てか、あれちゃんと読んだの?」
シンジ「あぁ、もう読みましたよ」
ミサト「はやっ!」
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カチッ カチッ カチッ チーン! ウィーン
ミサト「うっ!・・・あ、あら、リツコ。」
リツコ「到着予定時刻、12分もオーバー。あんまり遅いので迎えに来たわ。」
ミサト「あはは、ごめん!」
リツコ「・・・ふぅ・・・例の男の子ね?」
ミサト「そっ!」
リツコ「技術局第一課E計画担当責任者、赤木リツコ。よろしくね?」
シンジ「どうも、初めまして。碇シンジです。」ニコッ
リツコ「え////えぇ////」(かなりの美青年ね)ポー
ミサト「////」(あ~あ、リツコもやられちゃった)
シンジ「・・・どうかしましたか?」ニヤニヤ
リツコ「お、大人をからかうものではないわ////」プイッ
シンジ「やだなぁ、からかってなんかいませんよ・・・俺はいつでも本気ですよ?」ニコッ
リツコ「そ、////それをからかっているっていうのよ!//////」(報告書とは全然違う性格じゃない!)
シンジ「まいったなぁ、どうすれば本気だって信じてくれますか?」
リツコ「し、知らないわよ!/////」
シンジ「じゃあ・・・」スッ
ミサト「シンジくん!?ちょ~っとそれは中学生には早いんじゃないかな!?」(何よ!リツコばっかり!)
シンジ「あれ?ミサトさん?嫉妬ですか?」ニヤニヤ
ミサト「そっ/////そんな訳ないでしょ!////」(ばれてる~!)
シンジ「ふ~ん?まぁ、そうゆうことにしておきますよ・・・」ニヤニヤ
ミサト「ふ、ふんだ!/////」カァァァァ
リツコ「・・・ほっ」(あのミサトがからかわれてる・・・。只者ではないわね)
カチッ チーン
シンジ「あっ!着きましたよ?」ニコッ
ミサト・リツコ「「え、////えぇ////」」(やっぱり綺麗な笑顔///)ポー
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ウィーン ピッ
リツコ「碇シンジくん?あなたに見せたいものがあります。」カチッ
シンジ「うお!?ビックリしたぁ・・・なんすか?これ・・・」
リツコ「人の作り出した、究極の人型汎用決戦兵器。人造人間エヴァンゲリオン、その初号機。我々人類、最後の切り札よ」
シンジ「・・・これが、あのくそ親父の、仕事ですか?」
ゲンドウ「そうだ・・・」
シンジがめんどくさそうに上を見上げると・・・
ゲンドウ「久しぶりだな」
シンジ「・・・ちっ・・・」
シンジは不機嫌そうに顔を俯かせ、舌打ちをした。
ゲンドウ「ふっ・・・出撃」ニヤッ
ゲンドウにはそれが気弱で、昔のシンジのままだと思い鼻で笑いながらそう言った。
ミサト「出撃!?零号機は凍結中でしょ?・・・ッ!?まさか!初号機を使うつもりなの!?」
リツコ「他に道はないわ」
ミサト「くっ!」
リツコ「碇シンジくん?」
シンジ「・・・なんだ?・・・」
リツコ「?・・・あなたが乗るのよ」(急に口調が・・・)
シンジ「・・・あぁ、まぁ、そんなことだと思ってたよ・・・」
ゲンドウ「だったら早く乗れ・・・」
シンジ「・・・断る・・・」
ミサト「ちょっと!シンジくん!?」
シンジ「俺がこれに乗って?使徒とか言うバケモンと戦って・・・俺に何の利益がある?それに、俺はこの組織の人間ではないんだ、お前の命令に従う義務もない。」
ゲンドウ「親の言うことが聞けないのか?」
シンジ「ふん、今までほったらかしにしてたくせに・・・よく言うぜ・・・」
シンジ「それに、どうして俺みたいな子供がこんなのに乗るんだ?お前らが乗ればいいだろ。」
ゲンドウ「他の人間には無理だからな。」(どうゆうことだ?昔のシンジではないぞ)
シンジ「俺にしかできない、特別な理由があるのか?」
ゲンドウ「・・・」
シンジ「・・・答えろよ」イライラ
ゲンドウ「・・・」
シンジ「・・・ちっ・・・」
ゲンドウ「乗るなら早くしろ・・・でなければ、帰れ!」
シンジ「はぁ・・・相変わらずだな・・・」
ドォォォォォォン!
ゲンドウ「奴め・・・ここに気付いたか・・・」
リツコ「シンジくん?時間がないわ」
シンジ「ちょっと、待っててください?いま、あのくそ親父とけりつけるんで」ニコッ
リツコ「な、////なるべく早くね/////」
ゲンドウ「・・・」(リ、リツコ君!シンジの奴!)
シンジ「で?俺をこれに乗せたいんだろ?・・・出すもん出せよ」
ゲンドウ「・・・金か・・・」
シンジ「あぁ、そっち行っちゃった?・・・まぁ、それでいいよ」
ゲンドウ「500万だ。」
シンジ「安い。50億だ。」
ミサト「50億!?ちょっ、それはいくらなんでも・・・」
シンジ「妥当だと思いますよ?ミサトさん?」
ミサト「え?」
シンジ「こっちは命かけてんだ。それに、搭乗してあんなのと戦う労力、人類を守るためだとかでくる精神的苦痛。その他もろもろ。あ、治療費とかは別な。」
ゲンドウ「・・・1億だ・・・」
シンジ「はぁ?いきなり50分の1かよ・・・しゃあねぇ、5分の1の10億でいい。」
ゲンドウ「くっ!・・・・・・いいだろう。」
シンジ「まだだ。俺もこれに乗る以上ここの組織の一員だろう?」
ゲンドウ「・・・だったらどうした。」
シンジ「なら、俺の階級はミサトさんの一つ下でいい。ここでたった一人のパイロットなんだから、当然だな。」
リツコ「あら、シンジくんだけではないわよ?」
シンジ「へぇ?誰なんですか?」
リツコ「シンジくんと同じ年頃の女の子よ。」
シンジ「・・・ふ~ん?今度紹介してもらってもいいですか?」
リツコ「えぇ、構わないわよ。」
シンジ「ありがとうございます」ニコッ
リツコ「き////気にしないで/////」(ゲンドウさんよりシンジくんの方が・・・)カァァァァァ
シンジ「というわけだ。くそ親父、文句ないな?」
ゲンドウ「・・・いや、こちらからも条件を出す・・・」(シンジの奴!私のリツコ君をたぶらかしおって!)
シンジ「条件?・・・まぁ、俺もいろいろ出したしな・・・なんだ?」
ゲンドウ「貴様がエヴァのパイロットであることは最重要機密だ。」
シンジ「ふ~ん?・・・で?」
ゲンドウ「よって、このことは他言無用にしてもらおう。」
シンジ「・・・分かった。」
ゲンドウ「・・・もう一つ・・・」
シンジ「・・・まだ何かあんのか?」
ゲンドウ「・・・万が一のこともある・・・貴様には正体を隠してもらおう。」
シンジ「はぁ!?じゃあ何か!?変装しろってか!?」
ゲンドウ「・・・そうだ・・・」
シンジ「はぁ・・・分かった。この話は後だ・・・」
ゲンドウ「・・・いいだろう・・」
シンジ「じゃあ、乗ってやるよ」
シンジ「リツコさん、説明お願いできますか?」ニコッ
リツコ「え、////えぇ、ついてらっしゃい/////」
ーーーーーーーーーーーーーーーー
ーーーーーーーーー
ーーーーー
ーーー
マヤ「電子信号プラグ、排出終了。」
了解。エントリープラグ、挿入。
ーーーーーエントリープラグ内ーーーーー
シンジ「へぇ~?中ってこんな感じになってんのか・・・」
LCL、注水。
シンジ「え!?ちょっ!?水みたいなの入ってきてるんですけど!?」
リツコ「大丈夫よ。肺がLCLで満たされれば、直接血液に酸素を取り込んでくれます。」〈マイク越し〉
シンジ「ごはぁ!・・・は、早く言ってくださいよ。」
リツコ「ふふっ、ごめんなさいね?」
シンジ「まぁ、リツコさんなら許します。」ニコッ
リツコ「あっ////ありがとう//////」ポー
マヤ「////////」(綺麗な笑顔/////)ポーーー
ネルフ女性職員達「「「「/////」」」」(綺麗な笑顔////)ポーー
ゲンドウ「お前たち!さっさと働け!」(ぬぅ!!シンジめ~!!)
リツコ「はっ・・・み、見惚れていたわ/////」(ゲンd・・・碇司令!邪魔しないでほしいわね)
マヤ「・・・は、はい!」(何よ!髭のくせに!)
ネルフ女性職員達「「「「・・・す、すみませんでした!」」」」(あ~あ、あんな髭の言うこと聞くくらいならネルフやめよっかなぁ)
シンジ「あ!皆さん!」
マヤ・ネルフ女性職員達「「「「「え?」」」」」
シンジ「俺なんかのために頑張ってくれて、ありがとうございます!これからも、頑張ってくださいね!」ニコッ
マヤ・ネルフ女性職員達「「「「「うん!/////私たち頑張るね!/////」」」」」(これからもがんばろ!)
ゲンドウ「おい!お前たち!いい加減に!」
マヤ・ネルフ女性職員達「「「「「あ”?なんですか?碇司令?」」」」」ニッコリ
ゲンドウ「も・・・問題ない・・・さ、作業を続けたまえ・・・」(リ、リツコ君!君は私の味方d・・・)チラッ
リツコ「・・・」(無様ね)プイッ
ゲンドウ「ッ!?・・・」(リ、リツコ君・・・君まで・・・)ガーン
シンジ「・・・」ニヤッ
ーーーーーーーーーーーーーーーー
ーーーーーーーーー
ーーーーー
ーーー
マヤ「シナプス計測。シンクロ率、41.3%」
リツコ「プラグスーツの補助も無しに、すごいわね」
マヤ「ハーモニクス、すべて正常値。暴走、ありません。」
リツコ「・・・行けるわ!」
ミサト「発進準備!」
マヤ「了解。エヴァ初号機、射出口へ」
エヴァ初号機、射出口へ到着。
リツコ「発進準備完了。」
ミサト「了解。・・・構いませんね?」
ゲンドウ「もちろんだ。使徒を倒さぬ限り、我々に未来はない。」(ふっ、決まった)ニ ヤッ
ミサト「・・・」(なに当たり前のこと言っちゃってんのかしら、あの髭)
リツコ「・・・」(何であんなの好きだったのかしら・・・)
マヤ「・・・」(シンジくん!頑張って!)
冬月「碇・・・本当にこれでいいんだな?」
ゲンドウ「・・・」ニヤニヤ
冬月「・・・」(ダメだ・・・こいつ)
ミサト「発進!」
ガシャン! キィィィィィィィィン!!
シンジ「うお!?すっげぇGなんですけど!・・・」
ビー ビー ビー ビー ガシィン!
シンジ「おお!外に出た」
ミサト「いいわね?シンジくん?」
シンジ「あぁ、いいですよ」
ミサト「最終安全装置、解除。エヴァンゲリオン初号機、リフトオフ!」
リツコ「シンジくん?今は歩くことだけを考えて?」
シンジ「歩く?それでいいんですか?」
リツコ「えぇ」
シンジ「分かりました」(歩く・・・)
ネルフ職員達「「「おお!」」」
リツコ「歩いた!」
シンジ「歩く・・・ん?」
リツコ「?シンジくん?どうしたの?」
シンジ「いや、今人影が・・・いた!」
シンジが指さすところに、一人のオカッパ頭の少女がいた。
リツコ「なんですって!?」
ミサト「えぇ!!?ど、どこ!?」
シンジ「ほら、あそこ・・・ってあぶねぇ!」
すると、目の前にいた使徒が少女に手を伸ばしていた。
ミサト「え!?」
リツコ「ありえないわ・・・」
マヤ「・・・すごい////・・・」ポー
シンジは目にも留まらぬ速さで少女に手を差し伸べていた使徒を蹴り飛ばした
シンジ「おい!大丈夫か!?早く乗れ!」
シンジはエントリープラグを射出し、ロープを垂らした。
???「あ、あかん、こ、腰抜けちゃって、う、動けへん・・・」ナミダメ
シンジ「はぁ!?・・・ったく!ちょっと待ってろ!」
ミサト「ちょっと!シンジくん!?」
シンジはエントリープラグからロープで降り、少女のところへと駆け寄った。
シンジ「おい!大丈夫か?早くつかまれ!」
???「は、はいぃ」ナミダメ
シンジ「よし!行くぞ!?」
???「は、はい//////」(わぁ、この人の背中あったかい。安心する/////)
シンジはエントリープラグになんとか戻った。
シンジ「ふぅ、危なかったな・・・大丈夫か?・・・あれ?」
???「すぅ・・・すぅ・・・すぅ・・・」ギュウゥ
少女はシンジにしがみ付きながら寝ていた。
シンジ「はぁ・・・まぁ、怖かったんだろうな・・・」ナデナデ
???「すぅ・・・すぅ・・んんっ・・・えへへ・・・」
シンジは少女の頭をとても優しい顔で撫でて上げていた。
その頃、ネルフ本部では・・・
ミサト「んもう!シンジくんったら、助けに行くなら行くって一言言ってくれればいいのに・・・」ニコニコ
リツコ「まったくね・・・」ニコ
マヤ「シンジくん・・・あの子をあんな中助けに行くなんて・・・素敵/////」ポーー
ネルフ女性職員達「「「「はぁ/////シンジくん!素敵すぎるぅ!////」」」」
ゲンドウ「シンジ!貴様!勝手な真似はゆr・・・」
ミサト「勝手な」ニッコリ
リツコ「真似は」ニッコリ
マヤ・ネルフ女性職員達「「「「「なんですか?碇司令?」」」」」ニッコリ
ゲンドウ「も・・・問題ない・・・作戦を続行しろ・・・」ガクブルガクブル
ミサト「あっ!シンジくん頭撫でて上げてる!」
リツコ「・・・いいわね・・・」ボソッ
マヤ「いいなぁ/////私もされたいなぁ/////」ポー
ネルフ女性職員達「「「「私もぉ~////」」」」ポー
みたいな感じであった・・・・
シンジ「さて、あいつどこ行った?」
シンジは使徒を探した。すると、
シンジ「おっ!いたいた」
使徒はシンジに向かって歩いてきていた。
シンジ「よし!行くか!」バッ
シンジは使徒に向かって走り出した。
シンジ「おりゃ!」
カァァァァァン!
シンジ「ん!?なんだ!?この壁みたいなの!」
リツコ「ATフィールド!」
ミサト「シンジくん!それはATフィールドよ!それがある限り、使徒には接触できないわ!」
シンジ「だったら!・・・ふん!」ガッ
シンジはATフィールドを真ん中から引き裂こうとした。
シンジ「おりゃあァァァァァァ!!」
シンジはATフィールドを引き裂いた。
ミサト「さすがシンジくん!あのATフィールドをいとも簡単に引き裂くなんて!」
リツコ「すごいわね・・・」
マヤ「シンジくん!頑張れ!」
シンジ「よし!これで触れられるな!」
ミサト「シンジくん!使徒の体の中央に赤い球体が見える?」〈マイク越し〉
シンジ「あぁ、見えますよ」
ミサト「それは『コア』と言って、使徒の弱点よ!そこを破壊して!」〈マイク越し〉
シンジ「分かりました!」
するとシンジは、『コア』を集中的に攻撃した。
それに耐えられなくなった使徒は初号機にしがみ付き・・・
シンジ「うお!?ちょっ!離れろや!てめぇ!!」
自爆した。
ドカァァァァァァン!!
ミサト・リツコ・マヤ「「「シンジくん!」」」
シンジ「あ~、ビックリした・・・」
ミサト「シンジくん!大丈夫!?」〈マイク越し〉
シンジ「え?はい、全然大丈夫ですよ。」
リツコ「本当に!?」〈マイク越し〉
シンジ「あ、あぁ、本当ですよ。それより、どう帰ればいいですか?」
ミサト「今から回収に行かせるわ!そこで待ってて」〈マイク越し〉
シンジ「分かりました」ニコッ
通信終了
ミサト「おらぁ!あんた達!早く回収に行きなさい!」
リツコ「早くして頂戴ね!」
マヤ「早くしてください!え?そんなこと後回しでいいですから、早くシンジくんを迎えに行ってください!」
ネルフ女性職員達「「「「早くしてください!」」」」
ネルフ男性職員達「「「「・・・なにこの扱い・・・」」」」グスッ
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ーーーーー
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私が彼と出会ったのはあの日・・・私が彼に恋をしたあの日・・・。
その日私はいつもどうり、友人と一緒に雑談をしながら帰っていたわ。大企業の娘の私が送迎をしてもらわなかったのは周りの目が気になるから。毎朝リムジンで送迎なんて、目立って仕方ないわ。
そんな友人とも別れ、一人で帰っていると、
不良A「よぉ、ネェちゃん。どこ行くんだ?」
道端で、いつもはいない不良共がいた。そいつらは私の顔を見るなり、厭らしい顔をして私に近づいてきた。私のもとまで歩いてくると、
不良B「これからよぉ、俺たちとどっかいいとこ行こうぜ?」
・・・典型的なナンパであった。自慢ではないが、外に出歩くたびにナンパされていた私は、そんな誘いを受けるはずもなく、無視して歩き出した。すると不良の中のリーダーのような奴が私の手首掴んできて来た。
不良リーダー「ちょっと待てやネェちゃん。無視してんじゃねぇよ!」ガシッ
私は鳥肌が立った。どうしようもない嫌悪感に襲われた。私はそいつの顔に、
レイナ「ッ!?いや!離して!」バチンッ
思いっきり平手打ちをお見舞いしてやった。
するとそいつは頭に血がのぼったのか私を引っ張って路地裏へ連れて行こうとした。私は怖くて叫ぼうとした。
レイナ「いや!誰か!たすk、ムグッ!!?」
だけど、もう一人の奴に口を塞がれてしまい無理であった。私はこんな奴に!・・・と、悔しくて、怖くて、必死に抵抗した。
レイナ「んー!んんー!んー!」ジタバタジタバタ
だけど、女の私がいくら抵抗しようと、年上の、しかも男2人に力で敵う筈もなく、私の抵抗も虚しく、どんどん路地裏の方へ引きずられていった。
でも、どんなに引きずられようとも、私は抵抗をやめなかった。だってやめることは、こいつらに屈服したことと同じことだから・・・。
そしてとうとう、路地裏に連れて来られてしまった。押し倒され、服に手が伸びた瞬間、
???「おい、何やってんだ?こんなとこで。そういうことは家でやれや」
なんて、デリカシーのかけらもないセリフが聞こえてきた。
でも、今の私にはそれが、どんな言葉よりも待っていた言葉であった。見ると私の学校と同じ制服であった。
当然、不良共は、
不良リーダー「なんだ!てめぇは!ガキはすっこんでろ!」
と逆上し、怒鳴り散らしていた。そのセリフを吐いた彼は
???「お前らに用はねぇ・・・あるのはそっちの女のほうだ」
・・・私!?そう思った・・・。不良も呆然としていた。彼はそんなこと気にせず、ずかずかと私のもとまで歩いてきて
ドカッ!
彼は私に覆いかぶさっていたリーダー格の不良の腹を蹴り飛ばした。そして・・・
???「立てますか?お嬢さん?」ニコッ
その笑顔に、私の中である感情が生まれた。しかし今は、これが何の感情なのか分からなかった。
レイナ「あ/////は、はい////」
不良リーダー「くっ!・・・おい!てめぇ!何しやがる!!」
???「あぁ、なんだ、このお嬢さんに付いてたゴミだと思ってたよ・・・」
不良リーダー「なんだと!?」
そう言うと、他の不良が彼を囲った。
???「おいおい・・・年下相手にそんな大人数で・・・恥を知れ」
一瞬だった。彼はほとんど最初の位置から動いておらず、不良が周りに倒れているのだ。
私が呆気にとられていると、
???「大丈夫だったか?どっか怪我とかしてねぇか?」
と、とても優しい声と顔で私にそう尋ねた。私は一瞬なにを聞かれたか分からなかったが程なくして、
レイナ「は、はい。」
と答えた。すると彼は、
???「そうか。そりゃあ良かった。」ニコッ
と私に向かって微笑んだ。その瞬間、私の血液は一気に顔中に集まった。顔から火が出るとはこのことを言うのだろうというぐらい、
私は不甲斐なくも顔を真っ赤に染めてしまった。ドキドキと胸が高鳴った。こんな経験は初めてであった。
それと同時に・・・とても安心した。すると彼は、
???「もう大丈夫だからな」ニコッ
私はその瞬間、我慢していた涙が溢れ出した。
レイナ「・・・ヒック・・・うぅ・・・うぇ~~ん!!」ボロボロ
彼は、私を抱きしめてくれる。
???「よしよし・・・怖かったな」ナデナデ
そのまま、私は安心感に身をゆだねながら、眠りについた。
ーーーーーーーーーーーーーーーー
ーーーーーーーーー
ーーーーー
ーーー
起きたのは、見慣れたリムジンの中であった。
レイナ「・・・私は一体・・・?」
執事「玲奈お嬢様!お気づきになりましたか!?」
レイナ「え、えぇ・・・私はどうしてここにいるの?」
執事「何も覚えていらっしゃらないのですか?」
レイナ「確か・・・不良に手首を掴まれて・・・ッ!?」
思い出した。あの時、路地裏に連れて行かれて、もうダメだと思ったとき、あの方が来てくれて・・・。
レイナ「・・・あの方は?」
執事「あぁ、彼ですか?彼は玲奈お嬢様をリムジンまで運んで来て下さったんですよ。」
レイナ「彼は今どこにいるの!?」
執事「分かりません。玲奈お嬢様を私に預けてすぐにどこかに行ってしまわれたので・・・。」
レイナ「じゃ、じゃあ名前は!?」
執事「・・・それも・・・」
レイナ「そ、そう・・・」
私は、誰も助けてくれないと思っていた。事実、他の男共は見て見ぬふりをして、横を素通りしていたから。
でも彼は私の事を助けてくれた。彼だけは他の男共とは違うと思った。
そんな彼に関する情報は、私と同じ学校ということだけ。やっと見つけた・・・初恋の相手だったのに・・・。
その後も、学校で聞きこみなどをしてみたが、名前が分からない限り見つかる訳がなかった。
しかも、こんな時に父親の都合で、急に学校を転校することになった。第3新東京市だそうだ。
もう、初恋のあの人に会うことができないと思うと、涙が溢れてきた。私としたことが、彼の事を考えるだけで、こんなにも弱々しくなってしまうなんて・・・。そんな私の気持ちとは裏腹に、とうとう転校の日が来てしまった。
父親「おい!もう準備はできたか?」
レイナ「あっ、はい!」
車に乗り込もうとしたその瞬間・・・
彼の・・・初恋の人の後ろ姿が見えた。
レイナ「あっ!待って!!」
私はそう叫んだ。しかし、彼には聞こえなかったようでそのまま歩いて行ってしまう。
私は追いかけていきたかった。しかし・・・
父親「どこに行くんだ!玲奈!もう時間がないんだ!行くぞ!!」
・・・出来なかった。もどかしい思いをしながら、私はしぶしぶ車に乗り込んだ。
もう、彼の事は諦めよう・・・何度そう思ったか・・・。
でも、諦められなかった。だって・・・
・・・あなたの事が好きだから・・・。
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シンジ「学校?」
ミサト「そーよぉ。シンジくんだってまだ中学生なんだから、ちゃぁ~んと学校行かないとねぇ?」
シンジ「まぁ、当然ですね。」
ミサト「そうそう」
シンジ「で?どこの学校なんですか?」
ミサト「えぇっとね・・・あったあった、第壱中学よ」
シンジ「へぇ?あっ!そういえば」
ミサト「ん?どうしたの?」
シンジ「あのくそ親父が条件とかで言ってた、正体を隠すのって学校でもなんですかね?」
ミサト「さぁ?どうかしら・・・今から聞きに行く?」
シンジ「いや、そんなの後ですよ。で?まだ着かないんですか?」
ミサト「えぇっと、あっ!ここよ。」
シンジが見るとそこには
『綾波 レイ』
と書かれていた。
シンジ「ここが綾波の病室ですか?」
ミサト「そうよ!仲良くしてあげてね・・・ってあの子がそうするかしら・・・」
シンジ「?何か言いましたか?」
ミサト「ううん!何でもないわ!さっ!入りましょ!」
ガラガラガラガラガラ
ミサト「こんちわ~!レイ~?元気してたぁ?」
シンジ「こんにちは。君が綾波 レイさんだね?」
レイ「・・・あなた、誰?」
病室に入ると、ベットに横になっていたのは、
薄く水色がかった銀髪。透き通るような白い肌。ルビーのような赤い瞳。そして何より・・・
とても顔の整った綺麗な少女であった。
シンジ「あぁ、俺は碇 シンジです。君と同じ、エヴァのパイロットだ・・・って言っていいですよね?」
ミサト「まぁ、レイも同じパイロットだし・・・いいんじゃない?」
シンジ「はぁ~、適当ですねぇ・・・」
ミサト「あら、悪いかしら?」
シンジ「いいえ、俺的にはとっても好きです。」ニコッ
ミサト「ふふっ/////ありがと////」
シンジ「ところで、綾波。」
レイ「・・・何?」
シンジ「俺がどうしてここに来たか分かる?」
レイ「・・・分からないわ」
ミサト「そういえば私も聞いてないわ。どうして?」
シンジ「それはね綾波?俺は君を・・・俺の所有物にするために来たんだ。」ニコッ
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私はエヴァに乗るためだけに生まれてきた。私は死んでもいいと思っていた。だって私の代わりはいくらでもいたから。
そんな私に絆を作ってくれたのは・・・碇司令だった。
どうしてこんな私を気にかけてくるのか、私には分からなかった。
毎日毎日、碇司令は私のもとにやってきて、
ゲンドウ「レイ、体調はどうだ・・・」
そう聞いてきた。私はその言葉に、
レイ「いつもと変わりありません。」
と素っ気ない返答ばかりしていた。それなのに碇司令は
ゲンドウ「・・・そうか・・・」
そう言い、いつも帰って行っていた。
そんな生活が半年も続いたある日、私の心にある変化が起きた。
私にはないはずの感情が芽生え始めた。
その頃から、私は碇司令が来ると・・・
レイ「とても元気です。碇司令。」
と私を初めて気にかけてくれた人に微笑んだ。
しかし、碇司令は一瞬眉に皺を寄せて、何も言わず出て行ってしまった。
私は何か悪いことをしてしまったのだろうか・・・。そう思った。
その日から、碇司令は・・・私のもとに来なくなった・・・。
きっと悪いことをしてしまったのだろう・・・。
そう思い、碇司令に謝りに行こうと、元々人と接する事が苦手であった私は勇気を振り絞って、いろんな人に碇司令の居場所を尋ねた。
しかし、碇司令はどこにもいなかった。
何処にいるのだろうか・・・諦めかけた私の前に碇司令が通りかかった。
私は急いで碇司令を追いかけた。
レイ「碇司令!待って!」
私はこの時、初めて叫んだ。それ程、碇司令に行ってほしくなかった。
すると、碇司令は立ち止まってくれた。
レイ「碇司令、ごめんなさい!」
私はあの日の事を謝った。周りは何事だ、と私たちを見ている。その目が痛いが、それでも私は碇司令に謝り続けた。
レイ「碇司令!あの日、私、何か悪いことしたんですよね!?謝ります!ごめんなさい!だから許してください!」
許してもらえるとは思っていなかった。でも碇司令の吐いた言葉は私にとって、あまりにも残酷だった。
ゲンドウ「何を謝ることがある、感情のあるお前など用済みなんだ。何も謝ることはない。」
私は目の前が真っ白になった。私を初めて気にかけてくれた人が・・・初めて微笑むことのできた人に、私はなんと言われた?
『お前は用済み』
この言葉に、私は酷い絶望感に襲われた。私はその日から、芽生え始めていた感情を心の奥底に封印した。
でも、それからいくら待っても碇司令が来ることはなかった・・・。
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目の前の少年は私になんと言った?
『俺の所有物にする』
私は言っている意味が分からなく、首をかしげると。
シンジ「あぁ、分かんねぇ?えっと、なんて言えばいいかな・・・まぁ、簡単に言うと、俺のモノになれっていう意味。」
俺のモノになれとは私の事?そう聞くと
シンジ「そうそう。で、なってくれる?」
私は、断った。だって・・・
レイ「あなたは、私のもとからいなくならない?」
・・・怖かった。私を気にかけてくれた人は、私に感情があると分かると、簡単に私のもとからいなくなった。
だから怖かった。所有物にすると、俺のモノにするといっても、私に感情があると分かったらあの人のように簡単に私を捨ててしまうんじゃないかって。
でも彼はこんな私の不安とは裏腹に、
シンジ「はぁ?何言ってんだ。お前は俺のモノなんだから、いなくなるもないだろ。」
そう答えた。とてもぶっきらぼうで、荒々しい言い方だったが、その言葉で一瞬にして私の不安を消し去った。
レイ「私・・・感情・・・あるよ?」
シンジ「感情くらい、誰だってある。逆にない方が珍しい。」
レイ「・・・私はあなたのモノになってもいいの?」
シンジ「いや、こっちが頼んでんだけど・・・あぁ!もう!」
そういうと彼は、いきなり私を抱きしめた。
シンジ「お前がどんな目にあったか知らねぇけど、お前に感情があったって、俺はいなくなったりしねぇ!」
私はこの人を信じてもいいのだろうか・・・。でも、もうこの人しかいないと思った・・・。
だって・・・
レイ「お願い・・・私を・・・あなたのモノにして?」ニコッ
あなただけが、私を気にかけてくれる、最後の人だから・・・。
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リツコ「今なんて言ったの?」
ミサト「だからぁ!レイがシンジくんにメロメロになちゃったのよぉ」
リツコ「どうしてそんな事になるのよ!大体レイには感情がないはずでしょ!?」
ミサト「でも、現にシンジくんにメロメロだし・・・」
リツコとミサトが見るとそこには・・・
レイ「碇くん////大好き////」スリスリ
シンジ「よしよし」ナデナデ
レイがシンジに目一杯抱き着いていた。
リツコ「どうしてなのかしら?感情は無いと思っていたのに・・・」
ミサト「レイの話だと、結構前からあったらしいわよ?」
リツコ「なんですって!?じゃあ、どうして今まで・・・」
ミサト「さぁね?そこまでは教えてくれなかったわ。どっちにしても、シンジくんを説得するしかないわね・・・」
リツコ「シンジくん?どうして?」
ミサト「直接レイに聞いてみるといいわ。」
リツコ「?レイ?あなた、どうして感情があることを隠していたの?」
レイ「え?」チラッ
シンジ「言いたくなかったら言わなくていいぞ?」
レイ「じゃあ、言いたくないです」
リツコ「ど、どうしてかしら?別にシンジくんに許可を貰わなくてもいいんじゃないかしら?」
レイ「そうゆう訳にはいきません。だって・・・」
リツコ「だって?」
レイ「だって私は・・・碇くんのモノだから・・・/////」ポッ
リツコ「なっ!!?」
ミサト「ね?」
リツコ「はぁ・・・まぁ、いいわ・・・」
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シンジ「おい、くそ親父」
ゲンドウ「・・・なんだ・・・」
シンジ「あんたは条件として正体を隠せって言ってたよな。」
ゲンドウ「・・・あぁ・・・」
シンジ「それは学校でも有効なのか?」
ゲンドウ「・・・もちろんだ・・・」
シンジ「やっぱかぁ・・・まぁ、大体予想してたからいいけど・・・」
ゲンドウ「ならば、これを付けろ」スッ
ゲンドウが出したのは・・・カツラだった。
シンジ「カツラァァァァ!!?なんでカツラなんだよ!!これだけでいいのかよ!?」
ゲンドウ「・・・問題ない・・・いいからつけてみろ」
シンジ「はぁ、分かったよ・・・」
シンジはそう言ってカツラをつけた・・・。
シンジ「おら、つけたぞ。」
ゲンドウ「・・・見てみろ・・・」
そう言ってシンジに鏡を差し出した。
シンジ「はぁ、カツラを付けたところで、なにも変わらねぇと思うぞ・・・って」
シンジ「なんじゃこりゃァァァァ!!」
シンジが見ると、鏡に映っていたのは
・・・まぁ、要するに典型的なブサイクであった。
シンジ「ちょっ!はぁ!?おかしいだろ!何でカツラ被っただけでこんなになってんだよ!」
ゲンドウ「・・・ネルフの技術開発局の者に作らせた。女性職員に頼んだら断られたので、男性職員に頼んだ。」
シンジ「どうりで・・・つか、これ被って学校行くのかよ・・・」
ゲンドウ「・・・不服なのか?・・・」
シンジ「・・・いや・・・いい暇潰しが出来た・・・これ被って行ってやるよ。」
ゲンドウ「・・・そうか・・・」
シンジ「それじゃ。」
プシュッ ウィーン プシューー
ゲンドウ「・・・ふっ・・・」(これで存分に女に嫌われるがいい、シンジ)
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私が第3新東京市に来てから、1年が経った・・・。
ようやくこちらの生活にも慣れた。沢山の友人も出来た。でも、男子の友人はゼロ。
1年前の事があるので、男の事は苦手・・・って言うより、嫌い。当然、彼氏もいない。
だって私は今でも彼の事が好きだから。1年前に第2新東京市で私を助けてくれた彼。今でも私は諦められていなかった。
1年も前なのだ・・・いい加減諦めもつくのかと思ったが・・・ダメだった。どうしても、彼以外の男が汚く見えるのだ。
自慢ではないが、この学校でも私はモテた。それはもう、転校したその日は大変だった。放課後は告白の嵐だった。
全員、真剣に告白してくれた。でも、そのすべてが同じに聞こえた。すべて丁重に断った。
そんな中時々、私の肩を掴んで
男子生徒「どうして付き合ってくれないんだ!」
という風に迫ってきた人もいた・・・。その瞬間、1年前と同じ嫌悪感に襲われた。
レイナ「いや!触らないで!」
前はこんなことなかったのに・・・。泣きたくなった。実際、そんなことがあった日は酷い嫌悪感の所為で食事が喉を通らなかった。
それから、一時してからようやく告白も落ち着いてきて、ラブレターだけになった。
ラブレターは直接男に会う訳ではないので、ちゃんと返事を書いて、その人の下駄箱の中に入れておいた。もちろん返事は、NOだ。
誰とも付き合う気はなかった。すると、そんな私の事を嫌う女子生徒達が出てきた。
何で誰とも付き合わないんだとか、ちょっと可愛いからって調子に乗るなとか、いろんな悪口を言われた。
でも、私は全然気にならなかった。だって、何を言われたって誰とも付き合う気はないし、彼を諦める事なんて出来ないから。
そんな中、最近ある噂で持ちきりになった。転校生が来るそうだ・・・。
最近は怪物が来るとか何とかで、疎開する人の方が多いというのに。でも私はそんなこと、どうでもよかった。
転校生が誰であろうと、彼でなければ意味がない。
転校生は今日、私のクラスに転校してくるそうだ。
レイナ「それじゃあ、行ってきます。」
執事「いってらっしゃいませ。」
私はあの日以来、毎日送迎してもらっていた。最初はやっぱり周りの目が嫌だったが。もう慣れてしまった。
私はいつも通り、自分の下駄箱に行き、靴を履きかえようと、下駄箱を開けると
バサァァ
この頃毎日こんな状態だ。これだけの数のラブレターに1つ1つ返事を書くのは結構つらい。
私は散らばったラブレターをすべて拾い、バックの中に入れた。
教室に入ると、みんな今日の転校生の話をしていた。
それを無視して私は1人の友人にあいさつした。
レイナ「おはよう、ヒカリ。」
ヒカリ「あっ!おはよう!レイナ。」
彼女の名前は洞木 ヒカリ。私のただ1人の親友である。
ヒカリ「ねぇ、レイナ。レイナは今日くる転校生のこと、興味ある?」
レイナ「ないわ。」
ヒカリ「やっぱり?レイナはあの人の事しか頭にないもんね?」
レイナ「そ、そうよ?何か悪いかしら?/////」
ヒカリの言うあの人とは当然『彼』である。ヒカリは私が彼の事を好きだということを知っている。
ヒカリ「ふふふっ。いいえ、いいことだと思うわよ?」
私はいつもこの事で彼女にからかわれてしまう。
レイナ「そんなこと言って、またからかっているでしょう?」
ヒカリ「あれ?分かっちゃった?」
レイナ「毎日言われてば、イヤでも分かるわ。」
ヒカリ「ごめんごめん。」ニコニコ
そんな他愛もない会話をしていると
担任「えぇ、皆さん。席に着いてください。」
先生が来てしまった。
ヒカリ「じゃあ、また後でね?」
レイナ「えぇ」
担任「えぇ~皆さん、今日は転校生を紹介します。君、入りなさい。」
???「あ、はい。」
みんなの視線が教室の出入り口のドアの方へ向けられた。
男の声だったので、女子生徒は期待の目を、男子生徒は女子ではなかったことへの落胆の目を向けている中、私の目線はどれも違った。
私はただ1人、困惑の目を向けていた。
この声をどこかで聞いた覚えがあったからである。相手は転校生だ、そんなことはあるはずがない。
ガラガラガラガラガラ
転校生が入ってきた。私は見覚えのある顔か見てみた。しかし、まったく見覚えのない顔だった。
シンジ「あの、初めまして。碇 シンジです。よろしくお願い、します。」
彼に対する私の第一印象は、『困惑』だった。
その後のみんなの反応は女子生徒は落胆。男子生徒に関しては勝った!と彼を見下していた。
でも、彼はそんなこと気にしていなく、
担任「えぇ~碇君。君は飛波さんの隣の席に座ってください。」
シンジ「はい。」
その担任の声に従っていた。男子の目線が彼への嫉妬へと変わった。
でも、彼はその視線を受け流しながら、
シンジ「初めまして、飛波さん?」
私に挨拶をしてきた。ここでも私は困惑した。
男に話しかけられたというのに、不思議と嫌悪感はなかった。
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どんな反応をするか見物だな、と思いながら教室に入った。
すると、そこには予想していなかった人物がいた。
それは、確か1年前に助けた少女がいたからである。
何でこんなところに!と思ったが、確か少女を助けてすぐの頃、確か・・・飛波って女の子が転校するとか騒いでいたな。
そうか・・・この娘が飛波財閥のねぇ?こっちに転校したんだ・・・。全然知らなかった。
女子たちが落胆の顔をしていた。まぁ、当然だな。こんなブサイクが転校生とか、最悪だろう。
男子共が勝った!みたいな顔をしていた。覚えてろよ?コノヤロー。
担任の指示であの飛波の隣になった。
すると、男共の目が一気に嫉妬の目に変わった。
へぇ?飛波さんモテてんのか、まぁ、かなり美人だしな、なんて思いながら、指定された席に向かった。
すると飛波さんが困惑の目を俺に向けていた。
ん?どうしたんだ?俺カツラちゃんと被っているよな!?あ、ちゃんと被ってる。じゃあなんでだ?
そう思いながらも俺は飛波さんにあいさつした。
すると、彼女はまた困惑な顔をしながらもあいさつを返してくれた。
レイナ「あ、はい。初めまして。碇君。」
こんなブサイクに・・・いい娘だななんて思っていると、男共の嫉妬の目がさらに険しくなった。
おっと、これ以上話してたらめんどくさいことになりそうだな、そう思い大人しく席に着いた。
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これからが大変だった。
碇君は転校したてで分からないことがたくさんあったので、他の教室に行くときは一緒に行動して教えて上げたり、パソコンのどこを操作したりするのかとか、色々なことを教えていた。碇君は覚えがいいのか、全部一回で覚えていた。
その度、男子の目線に困惑したが、それ以上に困惑したのは、男子と至近距離で話しているのに嫌悪感が全くないことだ。
最初は偶然かと思ったが、全くないのはおかしいと思った。こんなこと、碇君とあの日の彼以来初めてだった。
レイナ「あ、あの、碇君?」
シンジ「え?なに?」
レイナ「碇君はどこから転校してきたの?」
シンジ「あぁ、えっと、第2新東京市だよ。」
彼と同じだ・・・そう思った。碇君は彼なんじゃないかと思った。
でも、性格も、何より外見が違いすぎる。じゃあ、私はどうして碇君だけ平気なんだろうと思った。
そしてもう一つ、碇君と彼の共通点があった。
それは・・・私にひたすら優しかったこと。
彼も、いきなり泣き出してしまった私を優しく抱きしめてくれた。
碇君も私がどんなに、間違ったことを言っても優しく、違うよって教えてくれた。
もしかしたら、私はこんな碇君の優しさに嫌悪感を抱かなかったのかもしれない・・・。
そんなことを考えていたらあっという間に放課後になっていた。
すると、碇君が、
シンジ「あの、飛波さん。良かったら、あの、学校、案内してくれないかな?」
これが碇君以外の男子だったら、即断っていただろう。でも碇君なら、そう思った。
レイナ「あ、うん、いいよ」ニコッ
私はこの学校に来て初めて、男の子に笑顔を向けた。
その瞬間、一人の男子生徒が叫んだ。
男子生徒A「おい!転校生!ちょっと来い!!」
そう言って、数人の男子生徒が碇君を連れて行った。
その中には私に告白して肩を掴んできた人がいた。
私も急いで碇くん達を追いかけた。
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やれやれ、俺が余計なことを言ってしまったせいで、めんどくさいことが起きてしまったな・・・。
さて、どうするか・・・。正体を隠している以上、ボコボコにするのはまずいしな・・・。
しょうがない、黙って殴られてやるか。はぁ~、眠い・・・。
・・・ん?着いたようだな。
男子生徒A「転校生!お前、ちょっと飛波さんに優しくされたからって、調子に乗んなよ!」
調子に乗っているつもりはないんだがな・・・。
シンジ「あ、あの、僕、そんなつもりは・・・」
男子生徒B「そんなつもりなくても、そう見えるんだよ!」
すると、急に腹を殴られた。
シンジ「ぐふっ!」ドサッ
はぁ、やっぱいてぇな。やっぱり、ボコボコにしてやろうかな・・・。
なんて思っていると。
レイナ「やめて!」
飛波さんが来た。ビックリした。いやマジで・・・。
こんなブサイク、放っておくのかと思ってたから・・・。
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とても怖かった。男子に自分から話しかけるのは1年ぶりくらいだろう。
でも、碇君が殴られるのを見て、いてもたってもいられなかった。気付いたら、叫んでいた。
レイナ「碇君を傷つけないで!」
多分私は、碇君とあの日の彼を重ねていたのかもしれない。
唯一私が好きになれた彼と、唯一全く嫌悪感を抱かなかった碇君。
それだけの理由で私は碇君に傷ついてほしくなかった。
最低な理由だ・・・。自分で嫌になる。
でも、それでも、最低でも、碇君は助けたかった。こんな私を助けてくれた彼みたいに・・・。
レイナ「い、碇君から離れて!」
精一杯叫んだ。すると1人の男子生徒が
男子生徒Ⅽ「どうしてだよ!どうして飛波さんは俺じゃなくて、こんな奴に笑顔を見せるんだよ!」
それは、私に告白した時、肩を掴んだ男子生徒だった。
私はなんて答えればいいか分からなかった。
碇君は嫌いじゃない。でも、恋愛で言うと問題は別だ・・・。
碇君は私にとって何?嫌悪感のない男子?好きな人?
レイナ「碇君は・・・私の・・・大切な・・・」
違う・・・碇君は私の・・・
レイナ「友達だから!!」
思いっきり叫んだ。そうだ、碇君は私にできた、初めての、男の子の友達だから・・。
だから、失いたくない。彼は私の好きな人だけど、碇君は私の友達だから。
レイナ「私の大切な友達から離れて!」
すると男子生徒は碇君から離れてくれた。でも、その代わり、私に近づいてきた。
男子生徒Ⅽ「なんでだよ!何でこんな奴が!・・・」
どんどん近づいてきた。怖い!怖い!でも、これで終わったら今までの弱い私のままだ・・・。
変わらなきゃ!こんな弱い私を彼に見られたら、きっと笑われちゃうから。
それ以上に私は、碇君を助けたかったから・・・。
レイナ「こんな奴こんな奴って!碇君の事、何もわからない癖に!外見だけでしか人を判断しないあなたたちなんかに!私は笑顔を見せたりなんかしない!」
そう言ってやった。男子生徒は私のもとまで来ると、
男子生徒Ⅽ「言わせておけばこのアマ!!」
叩かれるっ!そう思い、目を瞑り、次に来る衝撃に身構えた。
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友達かぁ。そんなのは予想外だったな。
てっきりみんな、俺の事なんか空気みたいに扱ってくるのかと思ってたのに・・・。
お前だけだよ・・・俺の事を友達って呼んでくれたのは。
他の奴は、話しかけても無視か、話しかけてくんなオーラを纏わせてたからな・・・。
でも、友達で終わりかぁ。俺的には・・・もう少し先の関係になりたいんだけどな。
よし、決めた。飛波レイナ。お前を俺に惚れさせてやる。
このままでもいいが、それだと本当に友達で終わりそうだからやめた!
正体は・・・まぁ!飛波だけなら問題ないでしょ!
そうと決まったら早速って、あれ?俺蹴った奴は?っておい!
パシッ!
シンジ「おい・・・今何しようとした・・・」
ちょっと本気の殺気を出しながら言ってやった。
男子生徒Ⅽ「ひいぃぃ!お、お前!本当に碇かよ!」
シンジ「あぁ、それは言えないから。それと・・・さっきはよくもやってくれたな!おい!地味に痛かっただろうがァァァ!!」
・・・全員ボコボコにしてやった。
シンジ「ふぅ、すっきりした。飛波さん?怪我なかったか?」
シンジ「もう大丈夫だからな?」ニコッ
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私はいつまで経っても来ない衝撃に、少しずつ目を開けた。
するとそこに立っていたのは・・・碇君だった。
碇君?そう思っていると碇君は男子生徒達を殴り飛ばし始めた。
一瞬だった。碇君は一瞬で5人はいたであろう、男子生徒を打ちのめした。
でもどうして碇君が?そう思っていると、碇君が怪我はないかと聞いてきた
私は、
レイナ「う、うん。大丈夫・・・。」
と答えた。そして・・・
『もう大丈夫だからな』
この言葉に、私は懐かしさと、心が温かくなったのを感じた。
そして・・・
レイナ「・・・ヒック・・・うぅ・・・うぇ~~ん!!」ボロボロ
一気に涙が溢れ出した。
すると碇君はあの日の彼のように、優しく私を抱きしめてくれた。
抱きしめてくれた碇君の腕の中は彼の腕の中そっくりだった。
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レイナ「・・・んん・・・あれ?私・・・」
シンジ「あ、目ぇ覚めた?」
目が覚めると碇君の腕の中だった。
レイナ「えぇ!?碇君!?あ、ご、ごめんなさい!私ったら////」
シンジ「あぁ、別にいいぞ?もう少しこのままでいろ」
レイナ「あ////うん/////ありがとう////」
私は碇君の言葉通り碇君の腕の中に戻った。だって、もう少し碇君の腕の中にいたかったから。
レイナ「で、でも、碇君。そんなしゃべり方じゃなかったでしょ?どうして?」
シンジ「ん?それはね・・・正体隠せって言われてたからな。」
レイナ「正体?」
シンジ「そう、実はこの姿もさ、本当の姿じゃねぇんだよね。」
レイナ「そ、そうなの!?」
シンジ「あぁ。今まで騙しててごめんな?」
レイナ「ううん。良いの。それより!その本当の姿を見せて?」
シンジ「あぁ。多分あったことあるぞ?」
レイナ「え?」
そう言って碇君はカツラを取った。
すると、私の目の前に、私が夢にまで見た、会いたくて会いたくて仕方がなかった、あの日の彼がいた。
レイナ「あ/////あなたは/////」
シンジ「久しぶりだな?お嬢さん?」
レイナ「・・・ヒック・・・うぅ・・・」ウルウル
シンジ「えぇ!?ちょっ、な、なんで泣くの!?」
レイナ「だっ、だって、ずっとぉ、あっ、会いたかったからぁ/////」
私はずっと会いたかった。ずっとずっと彼の事だけを想ってきた。
そんな彼が目の前にいるのだ。泣かないはずがなかった。
レイナ「ふぇぇ・・・会いたかったよぉ/////」
私はまた碇君に抱き付いた。
シンジ「おいおい、またかよ?・・・」ナデナデ
碇君は私の頭を撫でてくれた。
それは夢なんじゃないかと思うくらい、とても幸せな一時だった。
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ーーーーー
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レイナ「ねぇ、碇君?どうして私に本当の姿を見せてくれたの?」
私は碇君に寄り添いながら聞いた。
すると、碇君は
シンジ「ん?あぁ、それはな。お嬢さんを俺に惚れさせてやろうと思ったんだよ。」
そう答えた。私は予想外の答えにビックリした。
レイナ「そんな理由でばらしちゃっていいの?」
私がそう聞くと、
シンジ「俺にとっては一番大事なことだからな。お嬢さんが俺の事を好きになればそれでいい。」
彼はそう答えた。でも私はおかしくて笑ってしまった。
レイナ「ふふっ、そうなの?でも、残念でした。」
シンジ「分かってる。今から惚れさせてやるよ。」
そんな勘違いをしている彼に私はきっぱり、
レイナ「違うよ。そうじゃなくて、私はもう1年前にあなたに惚れているわ。」
こう言ってやった。
シンジ「へ?」
レイナ「ふふふっ////驚いた?私はあの時からずっとあなたの事が好きなの////」
シンジ「はぁ、そうだったのかよ・・・それを早く言ってくれよ、お嬢さん。」
レイナ「そんなの分かる訳ないわ。それより、私の事はちゃんと名前で呼んで?」
シンジ「それもそうだな。レイナ、俺の事も名前で呼んでいいぞ?」ニコッ
レイナ「うん////ありがとう。シンジくん。」ニコッ
『ありがとう』
あの日言えなかった言葉を、ようやくあなたに言うことが出来ました。
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男子生徒D「おい、聞いたか?」
男子生徒E「あ?何を?」
男子生徒D「だから、飛波さんが最近転校してきた男に惚れたって話。」
男子生徒E「はぁ!?飛波さんが!?じゃあそいつ、かなりイケメンなんだろ?」
男子生徒D「いや、全然らしいぜ?つか、ブサイクの部類に入る奴だ。」
男子生徒E「えぇ!?なんでそんな奴を!?」
男子生徒D「知らねぇよ!もしかしたらだけど、飛波さん、脅されて無理やり・・・。」
男子生徒E「なんだと!?転校生の奴!ぜってぇ許せねぇな!」
男子生徒D「あぁ!最低な奴だぜ!」
・・・なんて、噂が立つようになった。これの所為でシンジくんの評判は益々悪くなってしまった・・・。
私は何を言われても全く気にしないのだが、シンジくんはそうでないだろう。
そう思い、私はシンジくんにその事を謝ると、
シンジ「あぁ、そんなこと、レイナが謝ることじゃねぇよ。それに、俺は気にしてねぇから。」
と言ってくれた。そんな優しいシンジくんの事を・・・その、もっと好きになってしまったわ。
・・・えへへ////、とニヤけていると、シンジくんが
シンジ「ん?どうした?なんか俺言ったか?」
なんて言うから。私は、
レイナ「だって、シンジくん優しいから・・・もっと好きになっちゃったわ////」
なんてことを言ったら、
シンジ「そっか?じゃあ、もっと好きにさせてやるよ。」
と、このままキスするのではないかというくらい、顔を近づけて言われてしまった。
ボンっ!!
という音が出るくらい顔を真っ赤にさせてしまった。・・・ふ、不意打ちを食らってしまったわ。
あ、あうぅ////なんて言っていると、
シンジ「そんな顔して・・・誘ってんのか?」
ボボンッ!!
なんて、腰を抱かれながら言われてしまった。
し、失神するかと思ったわ////・・・
こ、こんなことされたら、普通の女の子はコロッと堕ちちゃうわ。
・・・ふふふっ、シンジくんのこんな姿、学校で知ってるの・・・私だけなのよね・・・。
えへへへぇ~//////
なんて私がまたニヤけていると、
シンジ「だから・・・誘ってんの?俺だって男なんだぜ?そろそろ限界なんですけど・・・。」
そう言ってさらに私に顔を近づけて意地悪な顔で笑った。
でも、そんな笑顔でも至近距離から見ていた私は、とてつもないダメージを受けた。
本当にシンジくんの事が好きなんだと思い知らされた。
そして、私はとうとう、ニヤけながら気を失ってしまった。
そして、そのままシンジくんの膝の上に頭を乗せて眠ってしまった。
そんな、私とシンジくんのお昼休みの出来事であった。
ーーーーーーーーーーーーーーーー
ーーーーーーーーー
ーーーーー
ーーー
私は学校が終わってからも忙しい。何故なら、お父様とお母様のお仕事のお手伝いをするからだ。
別にやれ、と言われてやっている訳ではない。自分からやると言い出したので苦ではなかった・・・今までは。
最近はシンジくんと放課後デートなるものに行ってみたいと思っていた。
シンジくんは私が財閥の幹部であることを知っているので、誘うことはしないが、私がそうではなかった。
シンジくんとデートに行きたかった。ひたすらに行きたかった。
だから、お父様とお母様に休みを貰えるように頼んでみたが、
父親「休み?一度も休みを貰おうとしなかったお前がどうしたんだ?」
レイナ「そ、それは・・・」
なんて言われれば、何も言い返せなかった。シンジくんの事は言えないし、
それに、シンジくんがカツラを被った状態で、私の好きな人です!なんてお父様とお母様に言ったら、
シンジくんと私が引き離されかねないわ。それだけは避けなければ・・・。
なんて考えていると、
母親「もしかして、彼氏でもできたのかしら?」
父親「なんだと!?本当か!?レイナ!?」
レイナ「えぇ!?」
お、お母様!!?ど、どうして分かったんですか!?なんて言えないから、どうしてか聞いてみると、
母親「さぁ?女の感かしらね?」
ふふふっ、なんて可笑しそうに笑うものだから、もうばれてるんだと思う。お父様はどうか知らないけど・・・。
だから私は観念して白状した。
レイナ「は、はい。お母様の言う通り、好きな男の子はい、います。////」
父親「な、なんだとォォォォォ!!?」
母親「あら!本当にいたの?」
レイナ「は、はい。/////」
父親「ど、どこの誰だァァ!!わ、私のだ、大事な娘をどこの馬の骨とも知れない男に渡してたまるかァァァ!!」
母親「・・・こんな人はほっといて、ねぇ、レイナ。あなたの好きな人ってどんな人なの?」
レイナ「わ、私が他の男に襲われたときに助けてくれたんです。/////」
母親「まぁ!素敵な方ね!ルックスは?」
レイナ「え、えっと・・・こ、今度!家に招待してもいいですか!?その時に、彼をお見せします!」
母親「まぁ、彼ですって。えぇ、分かったわ。いつにする?」
レイナ「あ、え、えっと・・・明後日!明後日にしましょう!!」
母親「そうね。分かったわ。」
父親「お、おい!勝手に話を・・・」
母親「勝手に話を・・・なんですか?」ニコォ
父親「な、何でもな、ない。」
という訳で、シンジくんが私の家に来る事になりました。
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ーーー
レイナ「という訳なの!どうしよう!シンジくん!」
シンジ「いや、どうしようじゃねぇよ!!デートの話がどうして両親に挨拶に行くに変わってんだよ!話が飛躍しすぎだろ!?」
両親に挨拶って・・・結婚のお許し貰いに行くんじゃねぇんだぞ?
なんて思っていたら
レイナ「だって・・・シンジくんの事、ばらしちゃダメなのかと思ったから・・・。」
なんて可愛いこと言った。
シンジ「あぁ、そうか。そうだったな。忘れてた。ごめんな?俺の所為で・・・。」
レイナ「ううん!そんなことないよ!!それより・・・どうしよぉ。」
シンジ「そんなに悩まなくていいと思うけどな?」
レイナ「だって、シンジくんの正体ばらしちゃダメだし・・・正体隠したままだと・・・その・・・」
シンジ「まぁ、あの顔だしな・・・」
レイナ「う、うん。だからどうしようかなって・・・。」
シンジ「いいんじゃね?ばらしても。」
レイナ「えぇ!?い、いいの!?」
良いに決まってんだろ?俺にとっては、あんなくそ親父とのバカみたいな約束?よりも、お前の方が大事なんだよ。
なんて言ったら、
レイナ「えぇ!?/////・・・で、でも!やっぱりダメだよ!」
・・・何がダメなんだ?と聞くと
レイナ「だから!シンジくんの正体をばらすこと!」
シンジ「?俺は別にいいけどな?」
レイナ「シンジくんが良くても!私的にはダメなの!」(お父様にシンジくんがエヴァのパイロットだってばれたりでもしたら大変な事になるわ・・・。)
シンジ「まぁ、レイナがダメならいいけど・・・。で?どうするんだ?」
レイナ「うっ!ど、どうしよぉ・・・。」
シンジ「・・・はぁ、じゃあ、その日は俺が用事あるから無理だって言えばいいよ。」
レイナ「えぇ!?で、でも・・・いいの?」
シンジ「ん?どうしてだ?」
レイナ「だって・・・そんなことしたらお父様が・・・」
シンジ「あぁ、心配しなくたってレイナは悪くないよ。悪いのは俺だから。レイナが怒られることはないよ。」
レイナ「ッ!?///////シンジくん!!」
いきなりだけど、レイナに抱き付かれてしまった・・・。なんか言ったか?俺・・・。
シンジ「うお!?ど、どうしたんだ?急に?」
レイナ「だってシンジくん、優しすぎるんだもの/////」
そう言って、猫みたいにスリスリしてきた・・・。めっちゃ可愛い////。
シンジ「・・・本当に///襲われたいのか?お前は・・・//////。」
レイナ「あ/////だ、だって・・・好きなんだもん・・・/////。」
シンジ「・・・俺も好きだぜ?レイナ。」
ボボボン!!
なんか爆発した音がした・・・。レイナ!?や、やばい・・・。
シンジ「レイナ!大丈夫か?ご、ごめんな?」
レイナ「ふみゅう~~/////」
やり過ぎたな・・・。
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ーーー
レイナ「という訳で、シンジくんはその日、用事があるそうなのでまた今度にしてもらってもいいですか?」
母親「まぁ、そうなの?残念ねぇ・・・。分かったわ。」
レイナ「ありがとうございます!お母様!」
父親「まったく!うちのレイナの誘いよりも大事な用事とはなんなんだ!」
レイナ「さ、さぁ?そこまでは聞いてません。」(問題はお父様ね・・。)
母親「まぁまぁ、シンジくんにだって用事くらいありますよ。」
父親「うむ・・・それもそうだな・・・。」
レイナ「・・・」(さすがお母様!)
母親「あ、そうそう、レイナ?」
レイナ「はい?」
母親「この前のお休みが貰いたいって話、いいわよ?」
レイナ「本当ですか!?」パァ
母親「えぇ、そうですよね?あなた?」
父親「あぁ。一日くらい休んだって仕事に支障は出ないからな。」
レイナ「ありがとうございます!お母様!お父様!」(やった!これでシンジくんと放課後デートができるわ!)
母親「ふふふっ、そんなに嬉しいの?もしかして・・・噂の『彼』とデートかしら?」
レイナ「えぇ!?//////そ、そんなことは・・・////」
母親「あら?図星だったかしら?」
父親「なんだと!?レイナ!私は許さんぞ!?」
レイナ「ち、違いますよぉ!////し、失礼しますね!」
ガチャ バタン!
母親「ふふふっ、あの子ももう、年頃の女の子ですものね。」
父親「むぅ・・・心配だ・・・よし!執事にレイナの監視を・・・」
母親「そんなことしたらどうなるか・・・分かってますよね?」ニッコリ
父親「わ、わわ、分かっています!」ガクブル
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と、とうとう放課後になってしまったわ・・・シ、シンジくんをで、デートに誘わなければ・・・。
レイナ「き、緊張してきたわ////」ドキドキ
だ、ダメよレイナ!気をしっかり持つの!・・・すぅ~・・・はぁ~・・・。よし!
レイナ「シ、シンジくん!」
ま、マズいわ・・・。声が裏返ってしまったわ・・・/////。わ、私としたことが・・・。
シンジ「え?な、何かな?飛波さん?」
正体を隠したままなので、『レイナ』ではなく『飛波さん』と呼ばれることに、若干の寂しさを感じつつ、
レイナ「あ、あのね?こ、これから用事とかある?」
そう聞いた。
シンジ「え?」
み、みんなの(主に男子の)し、視線が痛いわ!ど、どうしてそんなに見るの!?わ、私そんなに変な声だったかしら・・・
シンジ「ど、どうしたの?急に?」
なんてことを聞いてくるシンジくん。い、言わないとだ、ダメよね・・・、
レイナ「え、えっとね?えぇっと・・・その・・・も、もし用事とかなかったら・・・これから買い物に付き合ってほしいなって・・・。
ダメ・・・かな?/////」
男子共「「「ひ、飛波さん!!!?ど、どうしてそんな奴を誘うんですか!?そいつじゃなくたって俺が一緒に行ってあげますよ!!?」」」
なんて男子が言い始めた・・・。うるさいわね・・・。ちょっと、ほんのちょっとだけあなた達に殺意がわいたわ・・・。
私はシンジくんじゃなきゃ意味がないの!なんて言ったらまた男子がうるさくなってしまうので、
レイナ「ご、ごめんなさい・・・。今日はシンジくんにちょっと用事があって・・・。」
男子共「「「そ、そうですか?・・・」」」
と言いつつ、あまり引き下がろうとしない男子に私はビシッと言ってやろうと思ったら、
シンジ「あ、あの、飛波さんは僕に用があるみたいなので・・・あの・・・」
とシンジくんが私を止めて、そう言ってくれた。
やっぱりシンジくんは優しい////。でも、そんなシンジくんに、
男子共「「「あ”ぁ?邪魔すんなよ!」」」
と言って、シンジくんを突き飛ばした。
シンジ「うわっ!?」ドテッ
よくもシンジくんを!と言ってやろうと、口を開いた瞬間、
???「ねぇ、廊下の真ん中で座ってると邪魔なんだけど?」
という声が聞こえてきた。誰だろうと見ると、どこかで見たことのある少女が立っていた。
男子共「「「あっ、あーりん!?」」」
あーりん?・・・やっぱりどこかで聞いたことが・・・
シンジ「あ・・・ご、ごめん・・・すぐ退けるから・・・。」
そう言ってシンジくんは退けようとした。すると、
男子共「「「おい!早く退いて差し上げろ!」」」
男子「邪魔なんだよ!」
ゲシッ!
男子の一人がシンジくんを蹴り飛ばした。
シンジ「うっ!!」ドサッ
レイナ「シンジくん!?」
私はシンジくんに急いで駆け寄ろうとした。でも、行けなかった・・・。
あーりん「君・・・だいじょ~ぶ?」
あーりんという方が先にシンジくんに駆け寄ったから・・・。
シンジ「・・・え?」
男子共「「「えぇ!?あーりん!?」」」
あーりん「だからぁ、大丈夫?」
シンジ「あ・・・う、うん・・・。」
そう言ってシンジくんはあーりんさんの差し出された手を掴んだ。
あーりん「私、乱暴する人・・・嫌いだなぁ~・・・」ボソッ
なんて、聞こえるか聞こえないかぐらいの声でつぶやいた。
すると、男子共は聞こえていたようで慌てていた。
男子共「「「い、いや!違うんです!これはあーりんの邪魔にならないようにと・・・。」」」
あーりん「えぇ~?私、そんなこと頼んだ覚え無いんだけどぉ?」
男子共「「「あ、いや、それは・・・」」」
なんて言われて、すごく困っていた。
あーりん「あっ!私仕事があったんだ!それじゃあねぇ~」タタタッ
そう言って走って行った。しかし、すぐに立ち止まって、
あーりん「あ、ねぇ君!なんて名前なの?」
シンジ「え?ぼ、僕?」
あーりん「そうそう!そこの君!」
シンジ「シンジ・・・碇・・シンジだけど・・・」
あーりん「ふぅ~ん。じゃあまたね!シンジ!」タタタッ
今度こそ走って行った。・・・って!な、な、な、なな、何!?あの人は!わ、わ、私のし、し、シンジくんをいきなり呼び捨てにするなんて!・・・な、なんなの?こ、この敗北感は・・・。
シンジ「な、なんなんだ?い、いったい・・・?」
シンジくんも戸惑っているようだった。
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レイナ「ほら!シンジくん!早く早く!」
シンジ「おいおい!そんなに急がなくたって店は逃げねぇぞ??」
私は今シンジくんと放課後デートをしている。色々とあったが、夢にまで見たシンジくんとのデートなのだ。
シンジくんは今カツラを被っている。万が一の事もあるので正体を隠しているのだ。
本人曰く『学校の奴らにバレたら面倒だから』だそうだ。
私としては、正体を隠さないでデートしたかった。折角の初デートなのだ、シンジくんの顔を見ながらデートしたかった。
でも、我が儘ばっかりも言っていられない。折角仕事の手伝いを休んでまでしているデートなのだ。
それに、シンジくんとデート出来るだけでも私は十分幸せだ。
でも、シンジくんがカツラを被ることによって一つ問題が起きた。
それは、シンジくんがすれ違う人達に軽蔑の目を向けられることである。
シンジくんが他の女の子にチヤホヤされないのでいいのだが、好奇の目で見られると結構腹が立つものだ。
私を見るとき(主に男)は好意的な目を向けているのだが、シンジくんを見るとき(男女とも)は好奇の目で見るのだ。
やはり、みんな内側を見ようとしないで外見ばっかり見て人を判断するんだな、と思った。
私の中で男の評価が一段階下がったところで、目的地に着いた。
シンジ「アクセサリー?」
レイナ「うん!私ね、こう言う所に友達とも来た事なかったから、シンジくんと行きたいなぁって思ってたの////」
もちろん、友達からこういう店に行かないかと誘われたことはあったのだが、小学生の時から仕事のお手伝いをしていたので誘いを断っていたのだ。お父様とお母様は気を利かせて『休みはいらないのか』と聞いてくれたが私は『必要ないと言っていた』。
その頃は、友達と遊びに行っている暇が合ったら少しでも多く両親の役に立ちたいと思っていたから。
シンジ「へぇ?初めて来たんだ?」
レイナ「う、うん・・・。おかしいかな?」
そう言われて、シンジくんに変に思われたかと思った私はシンジくんに聞いてみると
シンジ「いや、そんなことねぇよ。それよりも、レイナが初めてくる場所に俺も一緒に来れて嬉しいよ。」
そう言ってくれた。やっぱりシンジくんは優しい。こんな私の事を気遣ってくれて、一緒に来れて嬉しいと言ってくれた。
えへへへ/////と笑っていると、店員さんが話しかけてきた。
店員「いらっしゃいませ~。何かお探しですか?」
レイナ「あっ、あの・・・えっと・・・」
突然話しかけられて何を言っていいか分からなかった私に、シンジくんが、
シンジ「あ、この子に似合いそうなものありますか?」
と、言ってくれた。店員はシンジくんを見てあからさまに嫌そうな顔をしたが、すぐに営業スマイルを浮かべると『かしこまりました』と言って、商品の所に歩いて行った。シンジくんのこんなさり気無い優しさに嬉しくなった私は、
レイナ「ありがとう。シンジくん/////」
シンジくんにお礼を言った。するとシンジくんは、
シンジ「ん?あぁ、どういたしまして。」ニコッ
そう笑顔で返してきた。し、シンジくんがカツラを被っていてくれてよかった・・・。
もしカツラをしていなかったら、シンジくんの笑顔を直に食らっていただろう。シンジくんの笑顔は、女の子が見れば必ず惚れるって言う位綺麗だったから・・・//////。これを、他の女の子たちが見ればどうなるだろう・・・。考えただけでもゾッとした。こ、この笑顔は私以外には見せないようにしないと、ら、ライバルが増えかねないわ・・・。と、冷や汗を掻いていると、シンジくんも商品を見に行っていた。
シンジくんが何を見ているか気になった私は、シンジくんの所に駆け寄った。
レイナ「シンジくん?何を見ているの?」
どうやらシンジくんが見ているのは髪飾りの並んだ棚であった。
レイナ「髪飾り?」
シンジ「あぁ、ちょっと目に入ってさ・・・あっ」
するとシンジくんが何かを見つけたようだった。
レイナ「? シンジくん?何か見つかった?」
シンジ「いや、これなんかどうだ?」
レイナ「え?」
そう言ってシンジくんが私に見せてくれたのは、プラチナで出来た淡いピンク色の桜の花びらの髪飾りであった。
レイナ「・・・綺麗///・・・」
シンジ「だろ?目に入った瞬間に、レイナに似合いそうだなって思ってさ。」
レイナ「え?//////」
に、似合いそう?わ、私に?・・・そう言われて、とても嬉しかった。だって、私にこんなこと言ってくれた人居なかったから・・・/////。
レイナ「ほ、本当?に、似合う?」
シンジ「あぁ、似合うよ、きっと。それに、もともと、レイナのために選んだんだからな。」
レイナ「//////」
そう言われれば、もう何も言い返せなかった。だ、だって・・・シンジくんが私のために選んでくれたんですもの。嫌だなんて言えなかったわ。だから、私はシンジくんが選んでくれた髪飾りを付けてみた。
レイナ「ど、どう?に、似合うかな?」
シンジ「あぁ、良く似合っているよ。すっげぇ可愛い。やっぱり、俺の目に狂いはなかったな。」
レイナ「////////」
もう顔が赤くなって仕方がない。もう、自分でもわかるくらい顔が赤くなっていた。こんな顔をシンジくんに見せたくなくて、俯いていると、シンジくんが、
シンジ「ん?レイナ?なんで下向いてんだ?もっと顔見せてくれよ?」ニヤニヤ
と、シンジくんが意地悪そうな笑顔でそういった。か、からかわれているんだわ・・・。く、悔しい・・・。
でも、シンジくんに言い返す言葉が見つかるはずもなく、私は精一杯の反抗をした。
レイナ「シンジくんの・・・い、意地悪・・・//////」
シンジ「レイナが可愛すぎるから、俺は意地悪したくなるんだよ。」
私の精一杯の反抗もシンジくんには通用しなかったようで、逆に返り討ちにされてしまった・・・。
そのあと、シンジくんはすっかり拗ねてしまった私のご機嫌を取ると言って、髪飾りを買ってくれた。
現金なもので私の機嫌はたったそれだけで直ってしまった。そして、私にとってこの髪飾りは一生の宝物になった。
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ーーー
シンジ「で?次はどこに行くんだ?」
レイナ「えぇ~とね・・・あっ!もうこんな時間!?」
そ、そんな・・・もうこんな時間だなんて・・・
シンジ「? 何時に帰らなきゃいけないんだ?」
レイナ「え、えっと・・・6時・・・」
シンジが時計を見ると時計の針が5時40分になろうとしていた。
シンジ「あぁ、じゃあ今日はもう無理だな・・・」
レイナ「うぅ、もっとシンジくんと色んな所に行きたかったのに・・・」
折角のシンジくんのデートなのにアクセサリーのお店にしか行ってなのに・・・。もう、今日のデートは終わりかと思うと気持ちが落ち込んでしまった。そんな私にシンジくんが、
シンジ「別に今日行きたい所に全部行かなくたって、次のデートの時に行けばいいだろ?逆に今日全部に行ったら次の楽しみがなくなるぞ?」
そう言ってくれた。そうは言ってくれたものの、やっぱりまだシンジくんと一緒にいたかった。
レイナ「そ、それは、そうだけど・・・まだ、一つしか行ってないのに・・・」
シンジ「いいじゃねぇか、行く場所がデートで少なければ少ないほど、沢山デート出来るぞ?」
レイナ「え?///////」
そ、そうなのかな・・・?で、でも、
レイナ「わ、私は、い、行きたい場所がなくなったって・・・いっぱいシンジくんとデートしたいな・・・/////」
シンジ「ッ!?/////」
そ、そう言ってみたが、や、やっぱり照れてしまった。シンジくんの顔が直接見れなくて俯いていると、シンジくんが何も言わなくなったので、どうしたんだろうと、おそるおそるシンジくんの顔を見ると、急に抱き締められてしまった。
レイナ「シンジくん!?////////」
シンジくんに抱き締められた私は心臓がドキドキと高鳴った。顔も真っ赤にしてしまった。
私はシンジくんの胸に顔を埋める形で抱き締められているのでシンジくんの心臓の音が聞こえてきた。
少し心臓の音が早い気がした。シンジくんもドキドキしてくれてるんだ。そう思ったら、私はとても嬉しくなった。
もしかしたら、私だけがドキドキしてて、シンジくんは全然ドキドキしていないんじゃないかって少し不安になっていたから。
嬉しくなった私は、シンジくんともっと触れ合いたくてギュッと抱き着き返した。
お互いの息が顔にかかる位に密着して、とてもドキドキした。心臓の音が、シンジくんに聞こえてしまうんじゃないかって言うぐらい、ドキドキしていた。恥ずかしいけど、今はもっとシンジくんと抱き合っていたかった。
シンジ「あのなぁ、レイナは男に対して無防備すぎるよ。/////」
レイナ「え?」
シンジ「これじゃあ、他の男子たちが諦められないのも分かる気がするよ・・・。」
レイナ「もしそうだとしても、私はシンジくん以外興味ないわ!だって、私が好きになった最初で最後の男の人だもん!」
シンジ「じゃあ、俺もその気持ちに応えなきゃな?」
レイナ「え?」
シンジくんが私の気持ちに応える。それは、私がフラれるかも知れないということだった・・・。
その瞬間、私の顔が一瞬にして青ざめた。私ははっきり言ってこの関係に満足していた。もちろん、この先の関係になりたいとは思っていたのだが、シンジくんに拒否されるかもしれないと思うと、今の関係が崩れてしまいそうで怖かった。もし、恋人になりたいと言って、シンジくんが嫌だと言ってしまんじゃないか、そう思っただけでどうしようもない恐怖に襲われた。
だから、告白してフラれてしまうよりも、今の関係を続けようと思ったのだ。そして、少しずつでもいいからシンジくんに釣り合うような女性になって、いつかシンジくんを振り向かせようと思っていたのだ。それなのに、シンジくんは今私の気持ちに応えるというのだ。
シンジくんにフラれてしまったら私は・・・もう金輪際男の人と話すことはないだろう。私はシンジくん以外の男の人が苦手なのだ。
そんな男と話すことさえ困難な私に、シンジくん以外の男の人を好きになることはない。だから、もう私にはシンジくんしかいないのだ。
そのシンジくんを失ったら・・・。そう思うだけで、涙が出てきた。だから私はシンジくんに今気持ちに応えなくたっていいと言った。
しかしシンジくんは、
シンジ「いや、もう決めたんだ。」
そう言って、カツラを取った。カツラを取ったシンジくんはやっぱり何度見ても格好良かった。そう言われてしまえば、もう私は何も言えなかった・・・。このまま、フラれてしまうのか・・・。
な、泣いたらダメだ。泣いたらシンジくんは優しいから、無理してでも私の事を受け入れてしまうから。そんな卑怯な真似はしたくなかった。それに、そんな事されたって私はちっとも嬉しくなんてないから・・・。あぁ、とうとうフラれるのか私は・・・。今日は家に帰ったら思いっきり泣こう・・・。泣いてシンジくんの事を忘れられるか分からないけど、いつまでもシンジくんを好きでいても、シンジくんの迷惑になるから・・・。・・・よし!覚悟はできた。今なら何を言われたって受け入れられる。
でも、シンジくんから発せられた言葉は、私が覚悟していた言葉とは、あまりにも掛け離れていた。
シンジ「俺は、飛波レイナさん。君の事が好きだ。俺の恋人になってくれますか?」ニコッ
そう、私の大好きな笑顔でそう言った。その瞬間私の脳は思考を停止した。たっぷりと15秒ほど思考を停止させたところで、私の脳はようやく思考を活動させた。シンジくんが私の事が好き?・・・恋人になってくれ?・・・え?・・・。
あまり活動してはいなかったが、シンジくんの言った言葉を頭の中で何回も繰り返して、ようやく言ったことを理解できた。
シンジ「レイナ?」
ま、まずい・・・シンジくんが不安そうな顔をしている。は、早く今のこの気持ちを言いたいのに、嬉し過ぎてうまく言葉が出ない。
すると、シンジくんが急に慌て始めた。
シンジ「れ、レイナ!?な、泣いてんのか?」
え?な、泣いてる?私が?・・・あっ、本当だ・・・泣いてる・・・。で、でも、どうして?う、嬉しいのに、嬉しいはずなのに、どうして涙が出るの?・・・は、早く泣き止まないと!さ、さっき覚悟を決めたのに。泣かないって決めたはずなのに。早く泣き止んでよ!
でも、そんな私の気持ちとは裏腹に涙は止まってはくれなかった。
レイナ「うぅ・・・ち、違うのぉ・・・ぐすっ・・・ほ、本当は、嬉しいはずなのにっ、ひっぐ・・・な、涙が出ちゃうのぉ・・・。と、止まってよぉ・・・ぐすっ・・・こ、これじゃあ、シンジくんに勘違いされちゃうぅ・・・」
私は必死に涙を拭った。でも、涙はとめどなく流れて止まってはくれなかった。すると、シンジくんの抱き締めてくれている腕の力が強くなった。
レイナ「え?・・・し、シンジくん?」グスッ
シンジ「あのな?レイナ。涙ってのはな?嬉しいときにも出るんだぜ?」
う、嬉しいとき?そう聞くと、
シンジ「あぁ、レイナは嬉しくて泣いてくれているんだよな?」
レイナ「う、うん。」グスッ
シンジ「じゃあ、俺の恋人になってくれるんだよな?」
そうだ、今度こそ言わなきゃ!この気持ちを、シンジくんに!
レイナ「うん!私は碇シンジくんが好きです!わ、私を、シンジくんの恋人にしてください!」ニコッ
私はとびっきりの笑顔をシンジくんに見せてそう言った。するとシンジくんは、
シンジ「あぁ・・・一生大切にするよ」
そう言って私に優しくキスしてくれた。キスからはシンジくんからの優しさが表れていて、とても幸せだった。
私のファーストキスは、ちょっとしょっぱかった。
ーーーーーーーーーーーーーーーー
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ーーーーー
ーーー
翌日、私はとても寝不足だった。シンジくんとキスしたことでずっとボーっとしていた。
シンジくんに家まで送ってもらってからの記憶が曖昧だった。帰ってからお父様が何か言っていたけど、それもあまり覚えていない。
お母様も、私に今日はどうだったか聞かれたが、それも生返事で返していた。
唯一しっかり覚えているのは、食事の時に噛むのを忘れていて喉に詰まってしまって咳込んでしまったことくらいである。
早々にベットに入ったはいいが、目を瞑るとシンジくんとのキスの感触が思い出されて、眠るどころかドキドキしてきたのだ。
その日のベットではもうキャーキャーとゴロゴロ転がっていた。少し前の自分ではありえない光景だった。
結局その日は転がり過ぎて疲れて寝てしまったのだ。しかし、一晩経てばようやく落ち付くことができ、いつも通りの自分に戻った。
レイナ「・・・んんっ・・・ふあぁぁ・・・」
一先ず伸びをすると、欠伸が出た。眠い目を擦りながら私は学校へ行く準備に取り掛かった。
今までも自分を磨くことに手抜きはなかったが、今ではシンジくんがいるのだ。今まで以上に自分を磨いた。
シンジくんと昨日のデートで晴れて恋人にはなれたがそれでも私はシンジくんには釣り合わないと思っている。
だから、シンジくんに釣り合うような女性になれるように相当努力しているつもりだ。
レイナ「よし!」
支度が終わった。最近するようになったのは、唇に薄くリップを付けるようになったことだ。
唇が乾燥するわけではないのだが、お母様に『リップを塗った方が大人っぽく見えるわよ』と言われたので、すぐに実践してみた。
レイナ「・・・これでシンジくんは私の事、少しでも意識してくれるかな・・・/////」
と軽く頬を染めながら呟いた。そして、シンジくんが私を褒めてくれる事を想像してみた・・・。
すると、さらに頬を赤く染めてしまった。これも、最近するようになったことである。
シンジくんの事ばかり考えて、シンジくんならなんて言うかとか、シンジくんは褒めてくれるかなとか。そんなシンジくんの事が中心の生活になってしまった。でも、この生活に私は満足している。シンジくんの事を考えているだけで私は幸せになれるから。
母親「レイナ~!?もうご飯よ~?早く下りてらっしゃ~い」
レイナ「あっ!は~い!」
いけない!早く朝ご飯を食べないと学校に遅刻してしまうわ。あっ!まだ終わっていなかったわ!
私は部屋を出ようとしたときに、自分の支度が終わっていないことに気が付いた。
レイナ「・・・うん!これでよし!」
そう言って部屋を出た私の髪には、銀色に輝く淡いピンク色の桜の花びらが付けられていた。
ーーーーーーーーーーーーーーーー
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ーーー
教室に行くと、いつもと違う雰囲気が漂っていた。
レイナ「ヒカリ、おはよう。ねぇ、どうしたの?」
ヒカリ「あっ!レイナ、おはよう。それがね?うちのクラスに綾波さんっていたでしょ?その綾波さんが退院したから、今日からまた、登校してくるんだって。」
レイナ「へぇ~?綾波さんが?」
どうりで特に男子たちが騒がしいと思ったわ。でも、私はこの時ばかりは男子が騒ぐのは分かった気がした。
綾波さんは女の私でも綺麗と思うからである。透き通るような白い肌、薄く水色がかった銀髪、深紅のルビーを思わせる赤い瞳。
それに、とびっきりの美少女なのだ。男子が放って置く訳がなかった。しかし、彼女は少し変わっていた。
数多の男子が彼女に言い寄って行った。しかし、その全員に対して彼女は『無視』という態度を取った。
誰がどんなことを言おうと、その人の顔すら見ようとしていなかった。その中には、女子生徒に人気のあるサッカー部のエースだったり、
バスケ部の部長だったりしたのだが、その人たちに対しても他の男子たちと同じ態度を取っていた。
しかしそんな中、一際モテている、如何にも自分に自信を持っている男子生徒が綾波さんに言い寄った。周りは無理でも自分なら綾波さんを
堕とすことができると思ったのだろう。しかし、彼がどんなに言い寄ろうと彼女の態度は他の男子と何ら変わらなかった。それは彼の自身に傷を付けたのだろう。彼は急に態度を変えると、彼女の胸倉を掴んで頬を叩こうとした。
しかし、次の瞬間、綾波さんは逆に彼の胸倉を掴むと背負い投げをしていた。あまりの事で何があったのかよく分からなかった。分かったのは、ろくに受け身も取れずに苦痛に悶えている男子生徒が地面に転がっていることだけだった。綾波さんはそんな彼をこれまた無視してそのまま、さっさと歩いて行った。それからというもの綾波さんに言い寄る男子生徒はいなくなった。さすがにあんなものを見た後に言い寄るのは無理があったのだろう。しかし、次に彼女に目を付けたのは、女子生徒だった。
綾波さんは女子生徒に人気のあった男子生徒を、少なくとも10人は無視したのだ。彼女たちはそんな彼女を虐めの対象にした。
最初はまだ軽い方だった。机にゴミを入れたり、下駄箱の靴を隠したりしていた。それを、ヒカリや私が見逃すはずもなく、すぐさまやめるように言った。しかし、それは逆効果だったようで、さらに虐めはエスカレートした。
次の日、綾波さんの机は無くなっていた。周りを見ると、虐めていた女子生徒が面白そうに笑っていた。
ヒカリと私はその子たちに文句を言おうとした。しかし、綾波さんはそれを気にした風もなく、床に座った。
全員が呆気に取られていた。私たちが綾波さんに床に座らないでと言ったところ彼女は、『でも、私の席は・・・ないもの』と言った。
私たちは教室で使われていない机を綾波さんに使わせたため綾波さんは床には座ることはなかった。それから、綾波さんは虐められなくなった。虐められなくなった代わりに、綾波さんは教室で完全に孤立してしまった。
それから、少し経った頃、綾波さんが重傷の怪我をしたので長期の休みに入ったのだ。そんな彼女が再び登校してくるのだ、みんなが騒ぐのも当然と言えるだろう。特に男子たちはあわよくば綾波さんとお近付きになろうという魂胆だろう。よくそんな事が出来るものだ。綾波さんが虐められているときには助けようともしなかったくせに・・・。そう思っていると、一人の女子生徒が教室に入ってきた。
レイ「おっはよ~う!飛波さん!洞木さん!」
レイナ・ヒカリ「「・・・へ?・・・」」
か、彼女は誰だ?それが私の感想だった。ヒカリを見ると、彼女もそうだったようで、とても困惑した表情を浮かべていた。
それはヒカリだけではなく、クラスのみんながそうであった。そうしていると綾波さんも何故か困惑した表情を浮かべた。
レイ「? どうしたの?飛波さん、洞木さん?」
レイナ「え?あ、貴方・・・本当に綾波さん?」
レイ「え?うん、そうだよ?」
さも当然という風に言う綾波さん。だが、それにしては性格が変わり過ぎではないだろうか?
長期の休みに入る前とはまるで別人だ。一体長期の休みの間に何があったのだろうか。そのことを聞こうと思ったが、
一人の男子生徒が綾波さんに話しかけた。
男子生徒「あ、あの、君、本当に綾波さん?」
レイ「・・・飛波さん!私、学校結構休んじゃったからさ、ノート見せて?」
そう聞いたが綾波さんはそれを綺麗に無視して私にノートを見せてほしいと言ってきた。無視するところは休みに入る前と変わらないが、困惑していてそこまで頭が回らなかった。
レイナ「え?え、えぇ、別にいいけど・・・。」
レイ「ありがとう!」
そう言って自分の席に着いていった。さっきの男子生徒は・・・ショックで真っ白になっていた。
ーーーーーーーーーーーーーーーー
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ーーーーー
ーーー
その頃シンジは学校ではなく、ネルフに向かっていた。
シンジ「朝っぱらから・・・何の用だ?」
そう愚痴りながらネルフのセキュリティーカードを通しながらネルフへ入って行った。
シンジがネルフに呼ばれた理由はシンジの学力、運動神経を計測するためと、ハーモニクステストを行うからだ。
シンジ「えぇっと・・・ここか?」
シンジが来た部屋は技術開発室だった。
シンジ「失礼しま~す・・・あの、リツコさん?」
リツコ「あぁ、シンジくん。ごめんなさいね?学校もあるのに呼び出しちゃって。」
シンジ「いえ、他でもないリツコさんの頼みですから。」ニコッ
リツコ「あ///ありがとう///」
シンジがそう言うとリツコは軽く頬を染めた。
シンジ「で、まずは何をすればいいんですか?」
リツコ「そうね、まずは学力をはかりたいと思ってるわ。」
シンジ「分かりました」
リツコ「じゃあ、マヤ?お願いね?」
マヤ「はい、先輩。それじゃあシンジくんこっちよ?」
リツコがそう言うと一人の女性職員がシンジを誘導した。
彼女は伊吹マヤと言うそうだ。女子大生だと言っても違和感がないくらいの幼顔である。
マヤ「じゃあ、シンジくん?ここで待ってて?////」
シンジ「はい、分かりました。ありがとうございます、マヤさん。」ニコッ
マヤ「////う、ううん!い、いいのよ!これくらい/////」
シンジ「それでもです。こんな可愛い人に案内してもらったんですから、お礼を言うのは当たり前ですよ。」ニコッ
マヤ「ッ!?//////そ、そそ、それじゃあ!/////」
そう言ってマヤは逃げるようにして部屋を出て行った。その顔が真っ赤だったのは言うまでもない。
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ーーー
シンジの学力検査の結果、国語94点、社会96点、数学100点、理科100点、英語98点、合計488点であった。
その場にいる全員がこの結果を見て、自分の目を疑った。こんな結果、中学2年生の全国学力検査で1位を取る人でも469点なのだ。
よって、シンジが全国の中学2年生の中で一番頭が良いということを表しているのだ。
リツコ「うそ、ありえないわ。」
マヤ「すご~い、シンジくんって頭良いんだ//////」
シンジ「マヤさんに褒めてもらえて嬉しいです。」ニコッ
マヤ「もうっ!/////シンジくんったら//////」ポッ
リツコ「さて、シンジくん。これから運動神経の検査に入りたいのだけれど、いいかしら?」
シンジ「あ、はい。大丈夫ですよ。」
リツコ「それじゃあ、ついてきて?」
シンジ「そーいえば、運動神経はなにをするんですか?」
リツコ「簡単な基礎体力を見せてもらうつもりよ。」
シンジ「へぇー、分かりました。」
この後、シンジが運動神経でも過去最高記録を出したのは言うまでもない。
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その頃学校では、憂鬱な午前中の授業は終わり、昼食の時間になっていた。
みんな、お弁当や売店で買ったパンなどを食べていた。
レイナ「さて、シンジくんがいないけれど、私も食べようかしら。」
私はシンジくんが来るまではヒカリ二人と食べていたが、最近はシンジくんとヒカリの三人で食べていた。
しかし今日はいつもの三人ではなかった。
レイ「おいしぃ~、レイナのお弁当って誰が作ってるの~?」モグモグ
そう、いつもはいないレイである。レイとは朝の出来事で仲良くなり、名前で呼び合っている。
朝の時点では、まだ男子はレイに話しかけていたりしたのだが、その度にレイが無視していたので今ではもう諦めたようだ。
レイナ「ふふふっ、お母様が作っているわ。」ニコッ
レイ「へぇ~、レイナのお母さんって料理上手なんだね~。シンちゃんとどっちが上手かな?」
レイナ「シンちゃん?」
ヒカリ「ねぇ、レイ?シンちゃんって誰?」
レイ「あ、シンちゃんって言うのはね、碇君の事!」ニコッ
へ?シンジくん?どうしてレイがシンジくんの事を知っているの?
あれ?しかもシンちゃんってなんだかとっても仲が良さそうなんだけれど。
レイナ「ねぇ、レイ?どうしてレイがシンジくんのこt・・・」
私がレイにそう聞こうとしたとき、
ガラガラガラ!
シンジ「お、おはよう・・・。」
シンジくんが学校に来た。
レイ「シンちゃぁん!////」
その瞬間、レイがシンジくんに抱き付いた。
シンジ「えぇ!?ちょっ!?////」
レイ「シンちゃぁ~ん/////会いたかったよぉ~/////」ギュウゥ∼
男子たちがその様子を見て怒り狂っていた。そして「飛波さんは捨てられたのか」と言う声が聞こえてきた。
・・・・男子たちに本気で殺気を覚えた。
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教室に入った瞬間レイに抱き付かれてしまった。
困ったもんだな、さっさと飯でも食おうと思っていたんだが・・・。
さて、どーしたもんかね。
シンジ「あ、あの、き、君は?/////」
レイ「え?シ、シンちゃん?わ、私の事、忘れちゃったの?」ウルウル
シンジ「え、えぇ~っと・・・あはは・・・」
レイ「うぅ・・・私をシンちゃんの物にするって言ったのはウソだったの?」ウルウル
男子共「「「なに!?おい!碇!!てめぇ!!ふざけんなよ!!!」」」
はぁ、やっぱりこうなるか。めんどくさい・・・場所を変えるか。
シンジ「き、君!と、とにかく場所を変えよう!」ダッ
レイ「ふぇ?」ツレテイカレル
男子共「「「あ!おい!!碇!!!」」」
レイナ「シンジくん!?」
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シンジ「さて、ここまで来ればもう大丈夫だろ。」
レイ「し、シンちゃん?////」
シンジ「レイ。」
レイ「あっ/////・・・よ、よかった・・・シンちゃん私のこと覚えててくれたんだね////」
シンジ「当たり前だろ?」ニコッ
レイ「えへへへ/////・・・うん////」スリスリ
たったこれだけで嬉しそうに抱き着いてくるレイを見てると、「もうこのままでもいいかな」って思えてきたが
見つかってしまうと面倒なので、要件をレイに伝えることにした。
シンジ「それより、レイ。学校では家でしてるようなことはしたらダメだって言っただろ?」
レイ「あっ・・・ご、ごめんなさいぃ」シュン
「あぁ、やっぱ学校でも抱き着いてもいいよ」、と言ってあげたいのをなんとか抑えつつ
シンジ「次は気を付けような?」ニコッ
と言ってあげると
レイ「うんっ!!////」パァァァ
悲しそうな顔から、パァっと花が咲いたように笑顔になった。
・・・可愛すぎるだろ////
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シンジくんとレイが教室を出て行ってからというもの、私の機嫌は最悪だった。
シンジくん達を追いかけたが、見失ってしまい、結局教室に戻ってきた。
今頃何しているのかとか、レイとシンジくんは知り合いなのか、いろいろ聞きたいことがたくさんある。
レイナ「シンジくんが帰ってきたら、問い詰めなくっちゃっ!」
そう言いながら待っていると、シンジくんとレイが帰ってきた。
・・・・・・・・・・レイがシンジくんに寄り添いながら。
レイナ「レ、レイ?こ、これはどういうことかしら?」
レイ「?どういうことって?」
レイナ「ど、どうしてレイがシンジくんに寄り添っているの?」
レイ「んふふ、それはねぇ・・・」
シンジ「レイ。」
と、シンジくんが少し低い声でレイを呼んだ。するとレイは
レイ「あ、はぁ~い。ごめんねレイナ、また後で話すね。」
と言った。シンジくんにも
シンジ「レイナ、後でちゃんと話すから、な?」
と言われてしまった。シンジくんがそう言うなら、と今は問い詰めるのを諦める事にした。
シンジ、相当たらしですねw
続き待ってます!
がんばって続きを書いてください!!!
続き頑張って書いてください(^ー^)
シンジのハーレムメンバーは増えるんでしょうか。つ続き待ってます(*^▽^*)
続きが早く読みたいです
続き楽しみ