2018-09-01 16:37:20 更新

概要

私立グリモアール学園って純粋におかしいよね

転校生って、あの中で本当に『楽しく』暮らしているのかな?

…きっと誰かは。病んでいるのかもね


前書き

コメントで私立グリモアール学園の人達をヤンデレにするかを決めさせていただきます。

まぁ、書くかは別にしても、暇があれば書こうと思います。

(名前)(出して欲しいセリフ 注意汚い言葉はダメです)
(ヤンデレのジャンル)

これらを書いてくれればそれをいれつつ書きます。

補足。コメント待ちです。


〜里中 花梨〜


おらはなぁ。転校生が心配でな〜。


毎日毎日、それこそ朝から晩までずっーとクエストガンバって。


けど、転校生は弱音も吐かずにクエストに行くだろ?


おらはそんな転校生を見てるとな、胸のあたりがきゅーってなるんだべ。


でも、今日は少しだけぇだけど。ちょっと嬉しい日だべな。


外は雨が降ってるけど、転校生はいつもおらの作るご飯につられてここにくるんだ。


ミナや明鈴なんかも、一緒に来てなぁ。皆美味しいそうに食べてくれるすけ。おらも凄く嬉しいんだべ。


でも、転校生だけはまた別だなぁ。まるでお日様の様な明るい笑顔。あんなに美味しいそうに食べてくれるのは、レナと転校生だけ。


トントン


ほら、今日も帰って来た。けど、来たのは転校生だけ見たいだべな。


「お帰り、転校生。ほら、席に座りな。今おらが腕によりをかけて作ったるすけ。待ってるんだべ」


…?今日の転校生はどうも様子がおかしいすけな。


あんなに暗い顔は、おらも見たことがないなぁ。


トントントントンとザクッザクッ、おらの持っている包丁の音だけが、この部屋ん中に響いている。







「ほら、いっぱい食べるすけ。おかわりもあるから、気にしないでいいべ」


今日作ったのは、青椒肉絲と炒飯。あとは中華スープ。炒飯は、小蓮がよく作るから、少し真似させてもらったべ。


「…どうだ?美味しいか?」


「フフッ。んだんだ。美味しい物を食べるのはいいことだべ」


それでも、どこか転校生の顔には、何かが付いているかのような感じだな。


「…転校生。今日は何があったんだ?おらが聞いてやるすけな」


転校生はしぶしぶながらも、ちゃんと喋ってくれた。


『僕は、きっといらない存在なんだ』


その言葉を聞いた瞬間。おらの中の何かが外に出ようとしている。


ドンドン、ドンドンと。内側から壊されそうな勢いで、おらの胸を痛くする。


『皆は僕を頼ってるんじゃない』


…それは違う。転校生。それは違うんだべ。


『皆は僕の、この力を頼っている』


…違う。転校生に助けられた人もいっぱいいるんだべ。


『もう、何を信じていいのか。分からないんだ』


「…そうか。転校生。ちょっといいだけ、いいか?」


おらは。転校生の方に行き。後ろから抱きしめる。


今のおらじゃ。何を言っても、きっと駄目だべ。それなら、いっそ。おらに甘えてくれさえすればいいすけ。


「大丈夫だべなぁ。転校生は一番ガンバっているんだ。今の転校生には、少しだけ休憩が必要だべ。今は、おらに甘えるすけ」


転校生は、少しだけ驚いたあと。後ろから回したおらの右腕を掴みながら泣いたんだ。


おらは、あいた左腕で、その髪を優しく撫でた。


『…母さん…』


その言葉を聞いた瞬間。おらは、何を思ったか分からないが、バッと。転校生の方を見た。


スヤスヤと眠っているその顔には、一滴の涙が、頰をつたわりながら落ちていった。


それの同時に。おらを壊そうとしていた何かが、その勢いを増し。ドス黒い何かが、身体中に染み渡るのを感じた。


「…そうかぁ。そうだべなぁ。おらは転校生のお母さんだもんなぁ。えへへ、なら、おらが守ってやらねぇと駄目だべな」


そう。これは当然の事すけ。母が子を守るのは当然のことだからな。


「んだ。転校生は…『 』はまだ子供だから、こんな危ないところに来ちゃ駄目だべな。大丈夫すけ。おらが…お母さんが一生守ってやるからな?」



翌日。宍戸から、転校生の私物、ケータイや、発信機などを自室に置いたままの状態で行方が分からなくなるという事件が発生した。と、学園内に伝えられた。


直ぐに捜索部隊が編成されたが、それと同時に、里中 花梨の行方も分からなくなってしまった。


そちらの捜索は料理部の方に任せようとしたが、緊急なクエスト。このグリモアに向かってくる魔物が群れをなしているとの報告により、中断された。




それから数週間の捜索が続き、転校生は下半身が無い状態で見つけられ、里中 花梨は、そこから数メートル先の崖下で見つかり、重症で運びこまれた。



???


「おはよう、『 』。ほら、席に座りな。今おらが腕によりをかけて作ったるすけ。待ってるんだべ」


『おはよう母さん。今日も早いね』


「んだんだ。お母さんはこう見えても早起きだべ。さ、早く食べるすけ」


「そうだ。お母さんが。おらが一生守ってやるからな。もうどこにも行かないでくれな」


家具も何も無い。虫の一匹もいないその部屋の中では、既に壊れた里中 花梨が、目を開いたままの転校生の上半身を大事に抱きかかえながら、いつまでもいつまでも、笑っているのでした。







ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


〜皇 絢香〜


ある日。僕は移動教室でクラスへ向かう時のことだった。


クラスの前には人だかりが出来ており、凄くごちゃごちゃしていた。


「ねぇ、皆何かあったの?」


「え?転校生君知らないの?あー、でも初めてかもしれないねー。ほら、あの子よ」


僕は、人混みの隙間から顔を出すと。そこには、凄くキラキラした女の子がいた。


名前は知っている。売店の雑誌にも出ている程の人気なアイドル。皇 絢香さんだ。


「あ、教室戻らないと。転校生君じゃーねー」


その人の声を聞いたのか、どんどんと人混みは無くなり、次第には、絢香さんと僕だけになっていた。


それが僕と絢香さんの最初の出会いだった。






ある日。私は途中からの登校になった。


クラスに向かういつもの廊下には、私目当ての人混みが出来ていた。


「あー!皆おはようー」


「おはよう、絢香ちゃん!」

(おぉ、絢香ちゃんだ〜。可愛い〜!)


「おぉ、アイドルだアイドル」

(いやぁ〜いつ見ても可愛いなぁ)



皆が私の事を知っている。正直言って、この『アイドル』という仕事は苦だと感じているが、仕事なので仕方ない。


私には、他人の心を読む力がある。いわゆるサトリだ。


この力のせいで私はずっと、聴きたくない声ばかりを聞いて来た。


だんだんと人混みが無くなっていき、全員が行ったのを確認する。


「…ふぅ。アイドルやるのも楽じゃないわね」


「…綺麗だなぁ」

(綺麗だなぁ)


「ふぇ!?」


初めてだった。声が二重に重なるのはあるが、心の声と素の声が、ここまで重なるのを聞くのは初めてだった。


それが、私と彼との出会いだった。





僕は絢香さんの素の感情?を見てしまい、そこからはもう大変な日が続くようになった。


度々聞かれる、脅しのような言葉の数々。


会ったが最後。荷物持ちをさせられら始末だ。


だからといって食堂では隣同士には座れないからわざわざ時間を決めて入る決まりにはなっているが


いざ入ると、絢香さんは、時間を守らずにチラチラとこちらを見てくる始末である。


「あれ?珍しいじゃない。あんたがここにいるなんて」


そんな時に、大抵声をかけてくれるのは、トップモデルの『鳴海 純』だ。


「いやいや。僕は基本ここで食べますよ。だいたい何ですか、野菜少ししか入ってないじゃないですか。野菜食えや野菜」


「…私が生野菜無理なのを知っての要望かな?なに?私に喧嘩売ってる?」


「勝てない戦いにわざわざ行かないですよー」


お決まりの軽い言い合いをした後に、いつも2人でお昼を食べている。


「あ、そういえば、シャンプーの安いお店とかしらない?売店のシャンプーが売り切れでさ」


寮の風呂は全員合同のお風呂だ。少しだけ広く作られており、男子の4分の1が入れる程である。まぁ、全体人数の2割程度しか男子いないからなぁ。


それで、シャンプーやタオルは各自の持参なのだ。


「んー。あ、あそこあるわよ。店の帰りに通るマ○ドの隣の業務スーパー」


「あれ?あったっけ?まぁいいや。で?次いつ?」


店とは、2人の予定があった日にこっそり通うゲーセンのことだ。


ふと、絢香さんの方をチラッと見てみると、そこにはもう別の人が座っていた。


「次はー…。あれ?どうしたの?」


「え?いや、なんでもないです」





転校生の反応は珍しかった。自分の心と一緒の事を言っている人なんて初めてだった。


私は、口止めをしつつ。自分の興味の対象である転校生を監視した。


たまに、移動教室が被った時は、私が教科書を(わざと)落として転校生に拾わせて荷物持ちをしてもらっている。


本当だったら、お昼も見張ってないといけないけど、転校生との間柄を、あの新聞部に聞かれたらまずいことになりかねないので、お昼は別々にしている。


(…転校生のやつ。意外と食べるの遅いわね。何かしら…。病気?)


多分気付かれてはいないだろう。この私、皆のアイドルである私のステルス術は伊達じゃないわね


(え?何?絢香ちゃんて意外とぼっち?)


(アイドルが一人で飯食ってる…)


そう。いつもだ。いつも私は、この声の中で生きている。


…変われると思っていたのに。


(あれ?誰か来た…ってあれ。純じゃない)


私の友達である純と、転校生が喋っている。この距離だと、心の声も聞こえないから何言っているのか分からないけど…


(とても、楽しそうだなぁ)


ズキィ


…?ふと、胸に違和感がある気がしたが、ほんの一瞬だったので、そこまで意識もしなかった。


(…もう、行きましょう)


私は、食べていたものをさげてから出口の方に向かうと、ふのある声が聞こえた。


いや、これは聞こえたんじゃない。何かの拍子に見てしまったんだろう。


(転校生)


私はドキッ!とし、少し周りを見た、そして、私の隣にはいつもまにか転校生がいて、その前には純がいた。


(転校生は私の行為を引かなかった)

(転校生は私の事を絶対好きなんだ)

(転校生は私の事を支えてくれるんだ)


それは純の感情であり、心の声だった。


ズキィ。ズキィ。


私は、胸の痛みに耐えきれず、その場から逃げるように出て行ってしまったんだ。





ある日。絢香さんと街に行った。その日の絢香さんは酷く落ち込んでおり、理由を聞いてみると、仕事でミスをしてしまったらしい。


僕は、その日。絢香さんにプレゼントをした。


形に残るように、僕は彼女に髪飾りをプレゼントしたんだ。


「何これ。…ふふっ。及第点ね、でも…ありがとう。転校生」


彼女は、顔を赤らめながらお礼を言った…。むしろお礼を言うのは僕の方だと思うのに…。





ある日。私は転校生と街に行った…。正直に言うと、私は転校生の事が好きである。展開が早いとか遅いとかそんなのはどうでもいいの。


でも、私にとって、それは辛い感情だった。


アイドルは、恋愛御法度。しようものならアイドルを辞める覚悟も必要だと聞いたことがある。


その日は、私の買い物に色々と付き合ってくれた。


私にとって、彼の声は全て、甘い囁きにしか感じ取れなくなっている。


…突然。彼からプレゼントを貰った。


「今日。なんか元気が無かったから。プレゼントしたいんだ」

(今日。なんか元気が無かったから。プレゼントしたいんだ)


その髪飾りには、私の髪の色と少しだけ似ている赤色のヘアピンだった。


それは、ただのヘアピンだったが、私にとっては、その髪飾りは、大事な宝物になっていた。


「何これ。…ふふっ。及第点ね、でも…ありがとう。転校生」


それが、私にとっては精一杯の感謝の気持ちだった。


…好き。好きなんだ。私は彼の事が大好きなんだ。


改めて、私はそう感じた日だった。





僕は、純に呼び出され、屋上に来た。


放課後の屋上には、純と僕しかいない。


「…ねぇ。転校生…いや、『 』私と付き合ってよ」


「…」


正直言って驚いたが、純の表示は全くふざけている様子などない。本気…なのだろう。


「私ね、『 』を好きになっちゃったの。でね、私考えたんだ。皆から隠しながら付き合っちゃおうよ」


「…でも、モデルって恋愛禁止なんじゃ」


「そんな決まりなんか知らないわ!」


その声は純の叫びだった。心からの叫びだった。その叫びに気付いた人はどうやらいないらしい。


「私の中で渦湧いてるのよ!モデルの仕事と『 』の事!でも諦められないの!だってあなたは!『 』は!私のことを』


僕は耐えきれずに、純を抱きしめた。なんで抱きしめたのかは分からない。けど、こうしないといけないと、僕は思ってしまった。


「…ごめんね、純。僕には好きな人がいるんだ。僕にとっては、彼女が一番なんだ…。だから」


「…ぅぅ。なん、で。抱きしめながらヒッグ言うのよ…バガァァァァァァ」


純は泣いてしまった。声を漏らしながら、大きな声で泣いてしまった。


でも、僕にとっての一番は、彼女しか…いないんだ。







初めてだった。愛しの彼が私に嘘をついたんだ。


「ねぇ、転校生君!どこ行くの?」


「え?もう寮に帰るんだよ?」

(…急いで純に会わないと)


彼は、私という未来の奥様に対して嘘をついたんだ。


「え?あ、そ、そっか。じゃあね!」


こんなに愛らしい彼女を置いて別の女に会いに行くのは…正直に言って。殺してやりたい程に憎らしかった。


私は、彼の後を追うことにした。




「…ねぇ。転校生…いや、『 』私と付き合ってよ」


私は、意識が飛びそうになった。私の、私だけの夫を目の前で取られそうになるからだ。


憎らしい。憎らしい憎らしい憎らしい憎らしい憎らしい憎らしい憎らしい憎らしい憎らしい憎らしい憎らしい憎らしい憎らしい憎らしい憎らしい憎らしい憎らしい憎らしい憎らしい憎らしい憎らしい憎らしい憎らしい憎らしい憎らしい憎らしい憎らしい憎らしい憎らしい憎らしい憎らしい


だから私は、あの女に分からせようと思った。


私ダケノ『 』ダトイウコトヲ









…ん?ここは?


ドチュドチュドチュドチュ

パンパンパンパン


音が聞こえる。


あっあっ!い…いぃ!


目を開けると、そこには、私の好きだった転校生と、その上で腰を振っている私の友達。皇 絢香の姿があった。


「んー!ん''んー!!!」

(な!転校生!)


「ん?はぁ…はぁ。あれ?起きちゃった?ふふふ、ねぇ、純。今、貴方はどんな気持ちなのかしら?」


「んー!んー!!」

(何がどうなって…。あ、し、縛られてる!)


目の前には、絢香と転校生が繋がっているのがはっきりと見える。


転校生の表示が見えないが、その足はピクリとも動かない。


「ねぇ、どう?どう?どう!貴女が好きだった『 』を目の前で犯されて!どんな気分なの!!」


私の好きだった転校生が、目の前で犯されている。なんで?本当だったら、そこは転校生の本当に大好きな人がまたがるんでしょ?


「……」

(いやだいやだいやだいやだいやだいやだ。本当だったら、本当だったら私が)


「無いよ?そんなこと決してありえない。だって…んっ!わ、私の、大事なあっ!夫…だから」


言っている意味が分からなかった。夫?何を言っているのだろう。


よく見てみると、絢香の大事なところからは、白い液体が出ていた。


「ん…。んんー。ん"ん"ん"ーーーーー!!!」

(あぁ。あぁぁぁ。あ"あ"あ"ぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!)


返して返して返して返して返して返して返して返して返して返して返して返して返して返して返して返して返して返して返して返して返して返して返して返して返して返して返して返して返して返して返して返して返して返して返して返して返して返して返して返して返して返して


私のだ私のなんだ転校生は私の支えなんだ私がいなきゃダメなんだ嫌だそこから離れて嫌だ嫌だ嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌ぁぁぁぁぁぁぁぁぁぉ!!!



「くっ!…ふふ、私から…。彼を取ろうとしたからよ、私の彼をぉ!」


ドチュドチュドチュドチュドチュドチュドチュドチュドチュドチュドチュドチュ


私は見ないように目を瞑った。けれど、彼と絢香が繋がり続ける音だけがこの空間の中に響く。







私は、外に放り出された。どうやら、ここは、絢香の寮部屋だったらしい。


外に出ると、中の音はいっさい聞こえず、その音を思い出すだけでも吐き気が出る。


…帰ろう。きっとこれは夢なんだ。


明日からはまたいつもと通りの日常が始まるんだ。


…『 』との、楽しい日々が始まるんだ。







「そんなのは無いのに。可哀想な純ちゃん。ね?あなた」


(……)


「もう、いつまで拗ねてるの?でも、あなたが悪いんだからね?浮気なんかしちゃってさ」


(……)


私は、彼から声を奪った。声を出さなくしたんだ。


正確には、発音できなくした。


彼の声を聞いていいのは私だけなんだ。


他の女に聞かせるなんて。考えただけでも嫌な気分だ。


「だーかーらー。ね?ずっと一緒にいよ?私と一緒に、永遠に幸せになろ?」


「…ね?あーなーた❤︎」







ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


〜氷川紗妃〜



「こらー!廊下は走るなといつも言っているでしょー!」


「氷川さんごめーん!今本当に急いでるから後でねー!」


皆さまこんにちは、氷川紗妃です。ここ最近風紀を乱す人達が続出している中、私はある1人の男子生徒の事を毎日追い回しています。


そう、彼こそが風紀を乱す人達の中でも要注意危険人物としてブラックリストに載っている『転校生』さんです。


「…はぁ。…はぁ。毎日毎日…なんで規則を守らないのでしょうか…あの人は」


いつも追いつけないで終わるこの少しだけの時間が、私が彼と喋れる唯一の時間です。


「おーおー。風紀委員さんは毎日お熱いですね〜」


「な!いつも何なんですか!彼とは何もないし交際なんてこの学園では規則違反です!」


…私の心はいつでも嘘を付いている。こんなに毎日追いかけていたら流石に私でも分かってしまう。


私は彼のことを気になり始めているのだろう。たったこれだけの時間でも彼との唯一の時間がとても楽しく思えてしまっているのだ。


例え彼からは何とも思われてなくても…。どうしようもなく彼のことが…


キーンコーン


「あ、もうそろそろ時間ね。ほら、五分前着席が基本です。教室に入ってください!」






「あー、この式がこうなってだな、前やったと思うがお前達が使う力をを用いてー」


…ここ最近。授業に耳を傾けていないことが多くなっている。


一応予習はしているから、授業内容は覚えているのだが、どうしても彼のことを考えてしまうのだ。





『あれ?氷川さん。奇遇だね、寮に戻るの?』


突然。私は彼に呼び止められた。


『えぇ、あ、また第1ボタンを外して。ほら、直しますからジッとしていなさい』


彼の服装は相変わらず乱れている。何故こんなに乱れているのだろう。


『あはは…。ねぇ、氷川さんって。可愛いよね』


突然彼はそんなのこと私の耳元で囁いた。


『…はぁ!?そ、そそそ!そんな』


私は驚いてしまう。





「はーい。氷川。ここ解いてみろ」





『ねぇ、氷川さん』


その甘い声に…私は。





「おーい、聞いてるのか?氷川ー」


「ひゃぁ!は、はい!なんでしょうか!」


「んーと、ここをこうした場合としてどう動けばいいのか案を出してみろ」


「…は、はい!えーと…まず二手に分かれて……ーーーー。です」


「よし、いつも通りだな。さて、ここからだが」


…はぁ、いつもこんな感じ。集中できない…。確かに気になっていますし、もっとお話が

できたら…なんていつも思っています。が、やっぱり一生徒として風紀は乱してはいけない

……そんなこと。よーく分かっているんですが…。








「あ、氷川は今日はいーですよ」


「…え?」


授業が終わり、私は風紀委員会の部屋に行く途中。水無月風子委員長

からそう言われた。


「あ、あの。どうして」


「いやですね、ここ最近どーにも転校生の様子がおかしいんでさぐって

来てほしーんですよ」


「様子…ですか」


話を聞くに、どうやら転校生が変な行動をしている…という。


ある男子生徒からは、

「なんかコソコソしてたり、前までのあいつらしからぬ服装の乱れ

とかも目立ったりって。なんなんでしょうね」


同じ風紀委員である、冬樹イヴさんからは、

「ここ最近…いえ三日くらいなんですけどこの図書館に来なく

なりましたね。毎日来ていたくらいですし…もういいですか?」


「まぁ、本当に最近の話しですし、気にしない方がいいのでしょう

けど、何かあっても大変ですからねぇ」


「そうですね…。分かりました、では、今日はこれで」


「はい、では氷川。後は任せますよ」




中央広場



でも、だ。様子を見ているように。そんなことを言われても彼がど

こにいるのかなんて検討もつかない。


前までなら部屋か相馬レナのところにいるのですが…。


タッタッタッタッ


「ん?…陸上部はもう終わっている時間だけど」


そこには彼がいた。


ボサボサ髪の毛。第1ボタンを開けている制服。頰には湿布の

ような物が貼ってあり、ビニールの袋を持ち、どこかに急いで走っている転校生さん

の姿があった。


「…また服装を乱して…。まったく」


まぁ、そんなことを言ったって追いかけるんですけど。でも、

あんなに急いでどこに行くのかしら。





校舎裏


ボギッ、ドゴッ、バゴッ


その場からはとても鈍い音が聞こえてきた。


何かを殴る音、叩く音。とても耳障りな声を発しながら誰か

を殴る男子生徒。


その場にうずくまりながら涙を流している転校生さんの姿。


「テメーガッ!無能なのにチヤホヤされるのがッ!!気にくわ

ねーんだよッ!」


ゴギッ


その男子生徒が転校生さんの肩を潰すように踏み付けると肩が

外れたのか骨が折れたのか…とても鈍くて重い音がした。


「ヒッグ…ごえんなさい…ごめんあさい」


泣きながらその男子生徒に対して謝り続ける転校生さんの姿。


カラン…そんな音を立てながら転がる鉄パイプ。


私はそれを拾いながら声をかけるよりも早く





男子生徒を殺した








懲罰房


「うぐっ!…ひ、氷川さん?」


私は男子生徒を殺したあと、その死体をその場において転校生

さんを担ぎ、懲罰房へと投げ飛ばした。


「…ごめんなさい。ずっと気がつかなくて」


「でも安心してください。これからは私があなたを守ります」


私自身、なんでこんなことをやっているのか分からなかった。

でも、とても気分が良い。


そんなことを思いながら私は転校生さんの手当てを始めた


「ごめんなさい。あなたを傷つかせてしまって」


「でも、安心してください。あなたはもう怪我も病気もしません」


「イッ…なにを言って」


私は少し乱暴に転校生さんの手当てをした。でも、彼の血を、痣

を見ていると凄く気分が高揚する。


「これからはここで生活してもらいます」


「風紀の乱れが出る外にいるより何倍もマシです」


「嫌だ…。僕は…」


転校生さんが泣きながら拒否してくる。その泣き顔をみると、とても

とても興奮する。


「服がちゃんと着れないのなら私が着せてあげましょう」


「排泄行為ができないのであれば私が手助けしましょう」


「ご飯を規則正しく食べないのであれば私が食べさせてあげましょう」


「きちんとした睡眠を取らないのであれば側にいて眠らせてあげましょう」


「ここはあなたと私だけの世界。大丈夫です。この世で『』の味方は

私だけので充分」


だから…お願いします。もう傷つかないでください。

私の愛しい転校生さん。


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SS好きの名無しさんから
2019-11-20 16:31:34

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1: 華林 2018-05-04 08:26:25 ID: nsFndYCv

誰にしようか迷うところ…。皆さまだったらこの3人の中で誰がいいと思いますか?

相馬レナ…1
我妻浅梨…2
楯野望…3

是非、投票の方をお願いします…。これであってるかな?


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