『愛している』の伝え方
────愛の言葉をいま、彼女に。
エピローグ追加しました。
元帥「 ... いま、何と言ったのかね? 」
提督「 今後の生活、私には艦娘の同行は必要ありません、と言ったつもりですが 」
元帥「 違う。その後だ 」
提督「 その後 ... あぁ、今後一切艦娘と接触は致しませんという部分でしょうか 」
元帥「 それだ。 ... 提督。今一度確認したいのだが、君は横須賀にて指揮を執っていた。これは間違いないか? 」
提督「 そうです、元帥殿。私は約一ヶ月前の『艦隊決戦 』にて横須賀から指揮を執り、 艦娘たちに指示を送っていました 」
元帥「 ... やはり、間違いはない。あの時は君の力が無ければ勝利を刻むことは不可能であったし、終戦とまで持っていくことはできなかった 」
提督「 お褒めに預かり光栄です 」
元帥「 だが、それとは違って別に問題がある 」
提督「 ... 問題、とは一体 」
元帥「 提督。... 君はまだ、深海棲艦と戦いたい。そう思っているのだろう 」
提督「 突然何を仰るかと思えば。私は誰よりも終戦を願い、そしてそれを得た。戦いたいだなんて思うはずもありません 」
元帥「 ... では、終戦から一ヶ月もの間に無断でたった一人、艦娘も連れず何度も海に出ていたのは何故かね? 」
提督「 ... 」
元帥「 それに、鎮守府での君の態度。新人だった頃とは打って変わったようだが 」
提督「 無駄なものは排除した迄であります。私たちが行っていたのは戦争であり、決して仲良しこよしの遊びではない。ということを再認識したまでのこと 」
提督「 加えて、単独で海に出たことに関しては安全を確保した上、警備に当たっていました。特に問題は無いはずですが 」
元帥「 そういう問題では ... いや、こんなことワシにいう権利はないか 」
元帥「 ... とりあえず、艦娘と接触を避ける、という点においては考えておく 」
提督「 ありがとうございます 」
元帥「 それと、ワシを含む会議で言った通りだが、本日をもって鎮守府を解体。君は提督ではなく、ただの一般人となる 」
提督「 ... 」
元帥「 同じくして、艦娘という『 女性 』も一般人として世間に溶け込み、生活することとなる。なにか、困ったことがあれば助けてやれ 」
提督「 ... 元帥。お言葉ですが、私は彼女らにあまり良い印象を持たれておりませんので、それは難しいかと 」
元帥「 ... いずれ、君にも分かる。今後の生活については此方が保証するため金には困らんだろう。何か、質問は? 」
提督「 ひとつ。... これだけ、これだけは貴方に言っておきたいことがあります 」
元帥「 ... なんだね 」
提督「 もしも、貴方が私に普通な、一般人として暮らしてほしいというならば、それは出来兼ねることです。何故ならば──── 」
提督「 ────私の戦争はまだ、終わりを告げていないからです 」
────
提督「 話していたら、いつの間にか日が暮れていたな 」
提督「 そろそろ手配された新居へと向かっても良いか 」
提督「 ... で。君はなぜここにいる。確か、私の記憶の中では正式に秘書艦を解任したはずだが 」
川内「 たまたま用があっただけ。別に、提督を追ってきたわけじゃないからね 」
提督「 ... そうか」
提督「 とりあえず、今後の生活については安心していい。学校に通いたいならそうすればいいし、なにか趣味に没頭したいなら遠慮するな 」
川内「 それはさっき偉い人から言われたよ。『 君たちは艦娘ではなく人間として生活できるのだから、自由に過ごしていい 』ってね 」
提督「 話は既に聞いているのか。... であれば、なぜここに居る 」
川内「 ... 迎えの車、待ってたの 」
提督「 迎えの車 ... あぁ。確か元帥殿が手配したようだな 」
提督「 しかし残念なお知らせだ。どうやら道が混んでいるらしく、手配された車は当分来ない 」
川内「 ... そんなこと、私に教えちゃっていいの? 」
提督「 それは、どういうことだ 」
川内「 だって提督、無駄なことは言わない主義だったでしょ。それに、私たちのこと嫌ってたし 」
提督「 ... 私にも人の心はあるということ。ただそれだけで、深い意味は無い 」
川内「 ふーん ... 」
提督「 なんだその目は。まるで私が嘘を言っているのではと疑っている目付きだが 」
川内「 ... 半分正解、ってところかな 」
提督「 なんだと? なぜ半分だけ ...」
川内「 それは自分で考えなよ。... ほら、提督が良く言ってたじゃん。よく作戦なんかを聞きに行ったら自分で考えろってさ 」
提督「 ... 否定はしない 」
川内「 お、提督がとうとう私に言葉で負けた? 」
提督「 何を言っている。艦娘、特に川内に対しては負けるなど有り得ん 」
川内「 ちょっと。それって遠回しに貶してない? 」
提督「 さぁ、どうだろう。自分で考えたらどうだ? 」
川内「 ... ほんと、性格悪い 」ボソッ
提督「 今のは、聞かなかったことにしてやる 」
川内「 ... うわ、提督が優しくするなんて初めて見たよ 」
提督「 川内にそこまで言われるのは心外だが、確かに私は優しくない。その点については自覚している 」
川内「 自分で自覚してるんだ。... 全く、なんでそんな性格になったんだろうね 」
提督「 ... こうでないと、ダメだ。そう気付いたからだ 」
提督「 戦争の中、優しくすれば甘えて自分が死ぬ。仲良しこよしで戦えば友人が死ぬ。ならば、甘ったるい考えなど捨てるべき 」
提督「 君たちにとってはあまり驚くことではないが、私は一度深海棲艦と戦ったことがある 」
川内「 ... 私たちがまだ、いなかった頃 」
提督「 そうだ。... あの時、私たちは深海棲艦。いわば見たこともない敵を舐めてかかり、結果返り討ち 」
提督「 私はなんとか生き延びることが出来たが、その隣にいたはずの友人の姿は『 人間としての原型がない何か 』に変わっていた 」
川内「 ... 」
提督「 そして、月日が流れて艦娘、君たちが現れた頃。私は友人の思いを継ごうと、必死に提督としての義務を果たそうとしていた 」
提督「 艦娘、いわば仲間とのコミュニケーションを第一に考え、親身になって話を聞いたりした 」
川内「 なんだか、今の姿とは違うね 」
提督「 それはそうだろう。仲良しこよしで戦争をしている訳では無いのに、わざわざ艦娘と仲良くして深海棲艦を倒す。これが間違いだと気づいたのは、何もかも失ったあとだったのだから 」
川内「 ... じゃあ、噂になってる壊滅した泊地は 」
提督「 あぁ。私がいたトラック泊地のことだな 」
川内「 あれって、噂ではなにかの事故で捨てられたってなってるけど ... 」
提督「 ... 大きな間違いだ。あれは事故などではない。奴ら ... 前の元帥が捏造したものだ 」
川内「 なんでそんなこと。その時には私たちだって 」
提督「 話せば長くなるが、前の元帥はお前たちみたいな艦娘を信じてなかった。女の子の容姿をして、自分たちよりも力を持つような者をな 」
提督「故に現代兵器 ... そうだな、今で言うガスなんかを私の泊地に撒いて深海棲艦に効くか試した」
川内「 多分、結果は ... 」
提督「 そう。深海棲艦に効かず、私たち。人間と艦娘にのみ有効で、私のいた泊地は壊滅、艦娘は全員死んでいった 」
川内「 ... なんか、ごめんね。嫌な話だったでしょ 」
提督「 そうでもない。... これはただ、 私の人生の変遷。当時は話すのに気が滅入ったが、なにもかも終わった今では何も感じることはない」
提督「 長話が過ぎた。... 私はそろそろお暇しよう。生憎、歩いて帰れる距離だからな 」
川内「 ... じゃあ、ここでお別れだね 」
提督「 あぁ。もう、会うことは無い 」
川内「 ... 」
提督「 ... 」
川内「 意外と、楽しかったよ。提督との生活 」
提督「 沈黙の後に何を言うかと思えば。そんなわけないだろう、私は常に君を突き放してきた。楽しいわけがない。むしろ嫌だったろう。平和のために傷を負うのは 」
川内「 ... 提督はさ。ちょっと私のこと侮りすぎだよね 」
提督「 なんだと ... ? 」
川内「 確かに、提督は何年も戦ってきて、いろいろ経験したと思う 」
川内「 けど、私だって何年も戦ってきたんだよ。たくさんの人の願いを乗せて、海を走った 」
提督「 ... 昔の、軍艦 」
川内「 そう。艦娘は元よりその軍艦が人の形になったもので、私たちはその時から生きてる 」
川内「 だから、人の形になっても願いは昔と変わらない 」
提督「 ... その、願いとは 」
川内「 みんなが平和であること。みんなが願って、私も願っていること 」
提督「 ... 」
川内「 みんなが笑えて、いっぱいご飯を食べれて、普通に生活のできる。私にとっては、それが平和 」
提督「 なら、良かったな。お前の願いはもう叶ったぞ 」
提督「 戦争は終結し、人々には平和が。お前たちは人間として生活できることになり、これからは何不自由ない生活が約束されている 」
提督「 良かったじゃないか。川内の願いがやっと叶って。きっと、この国の国民全員は感謝してるだろうさ 」
川内「 そう。... みんな、平和が訪れて幸せになったと思う。それは本当 」
川内「 けどね。私の知ってる人はまだ、独りぼっちで戦っているの 」
提督「 ... 」
川内「 大切な仲間を失って、自分の行動に後悔して。いつも罪悪感を抱えながら、辛そうに生きてた 」
川内「 独りだけ。私の知ってる人は独りだけで、自分の中にいる敵と戦ってる。たった独りだけの、悲しい戦争をね 」
提督「 ... きっと、そいつはロクでもない奴なんだ。救いようのない、どうしようもない奴。仲間なんて元からいなかったのさ 」
提督「 独りだけなら誰も傷つかない。傷を負うのは自分だけ。こうすればみんなを守れる。そう、気付いたんだろう 」
提督「 放っておけ。そんな人間は、社会から取り残された存在。君が心配するほどの人間じゃない 」
提督「 ... きっと、そいつは死に損なった。あの時、死んでいればこんなにも胸を締め付けられることは無かったのに、ってな 」
提督「 あぁ、そうだ。... 一層のこと、私もあの時に死ねばよかった。きっと、友ではなく私が死んでいたら──── 」
川内「────そんなこと、私が言わせないから 」
提督「 ... 何故 」
川内「 ... 他人が助かるなら、自分が傷ついたっていい。あの時死ねば、自分の気持ちも救われた。そんな考え、絶対にダメなの 」
川内「 提督。もし、提督がその考えを変えないのなら、私が無理やりにでも変える。例え嫌がってもね 」
提督「 ... 君は、私を否定するのか 」
川内「 当たり前。... 提督。人の命と人生っていうのはたったひとつなの。なのに提督は自分の命を軽く見すぎてる 」
提督「 軽く... 」
川内「 誰かを助けるためなら、自分が犠牲に。もしもあの時自分じゃなくて、友人が生きていたら。多分、提督はそんなことを考えて生きてきたんだよね 」
川内「 けど、それは少し違うと思う。仮に、提督の友達が生きていたとしても、その人は提督になろうとするかも分からないし、もしかしたら普通の一般人になってるかも 」
川内「 もしも、提督になってその人が艦隊決戦に挑んだとしても、最悪負けていたかもしれないし、勝っていたかもしれない。... そういう未来が、あったかも 」
提督「 ... 」
川内「 でもね。私が目で見て話しているのは提督なんだ。私がよく知る、提督。... いま生きているのは提督で、艦隊決戦で勝利へ導いたのも提督。 友達が、とかそんな未来、私は知らない 」
川内「 ...提督。私、提督に秘書艦を任されてから、ずっと傍で貴方のことを見てた 」
提督「 ... 」
川内「 だから、困ったことがあれば助けたいの。... 辛そうな提督を見るのは辛いから 」
提督「 辛くなど、ない。私はひとり、それで十分だ 」
川内「 ... それが提督の本心なの? 」
提督「 あぁ。これが、私の本心だ。助けなんて必要ない 」
川内「 ... 本心、かぁ。... もし、さっき言ったことが本心なら──── 」
川内「 なんで、提督は泣きそうな顔をするの? 」
提督「 ... 馬鹿言え。そんな表情、するわけない 」
川内「 してるよ。... いまにも泣きそうで、助けて欲しいって表情 」
提督「 ... 」
川内「 ... いままで、ひとりで辛かったんだよね。... 誰にも、助けてもらえなかったんだよね 」
提督「 ... 違う 」
川内「 もうひとりの優しかった自分を消そうと、心が痛むのを気のせいってことにしてきた 」
川内「 自分が戦うことで他人を助ける。... 自分だって、本当は助けてほしかったのに 」
提督「 ... 違う。助けてほしいなんて思ってない 」
川内「 いいの。もう、自分の気持ちを隠さなくて。... 私、提督のためならなんでもできるよ 」
川内「 助けてほしいっていうなら全力で助ける。生きるのが辛いっていうなら、私が一生付き添って貴方の辛さを半分こする。これなら、辛くないし独りぼっちじゃないでしょ? 」
提督「 ... どうして、そこまで 」
提督「 こんな人間、捨てておけばいいのに。... 惨めで、無力な人間なんて 」
川内「 ... 捨てておけるわけ、ないでしょ 」
川内「 助けてって。ひとりで辛そうにしてるのに、見殺しなんてしたくない 」
川内「 私はみんなが平和に、幸せな生活をしてほしい。... だから助けるの 」
提督「 ... 助けたとしても、きっと後悔するぞ 」
提督「 なんでこんなやつを。どうしようもないやつだなと再認識することだろう 」
川内「 絶対、そんなことない。... あるわけないよ 」
提督「 ... 言いきれるのか。あるわけないと 」
川内「 言いきれるよ。... 私、提督のこと好きだから 」
提督「 ... っ 」
川内「 ずっと傍にいたい。それが、提督と何年も過ごしてきた私の思いで、 願いのひとつ 」
提督「 ... ちっぽけな願いだ 」
川内「 提督はそう思うかもしれないけど、女の子からしたら十分すぎる願いなんだよ? 」
提督「 ... 十分か 」
川内「 うん。... 私にとっては、十分すぎる願いだよ 」
提督「 ... もしかしたら、幸せに出来ないかもしれないぞ。苦しい時が続くかも 」
川内「 その時はその時。幸せになれるように、二人で話あっていけるなら、良い関係だと思わない? 」
提督「 ... 私が、幸せに。そんなこと許されるのだろうか 」
川内「 許されるに決まってる。... だって、幸せってのは誰にでも得られる権利があるものでしょ? 」
川内「 だから、私と二人 ... これからの生涯、二人で一緒に生きていかない? 」
提督「 ... 」
川内「 何かあれば相談しあって、辛いことがあったら共有する。楽しいことは分かちあって、そのまま幸せになるの 」
川内「 私、そんな人生が素敵だと思うな。... 提督は、私とじゃ嫌?」
提督「 ... 嫌、じゃない 」
提督「 ... もしも。君と歩める人生があるなら、私だって 」
提督「 私だって幸せになりたい。誰かを愛して、互いに助け合えるような。そんな関係が ... ほしい 」
川内「 ... それは、本心なの? 」
提督「 あぁ。私 ... 俺が今まで思っていた、本当の思い。... そして、君のことを好きな、提督じゃない一般人としての俺が抱く願いだ 」
川内「 そっか。... じゃあ、これからは一緒に居てくれるのかな 」
提督「 ... 一緒 」
提督「 あぁ。ずっと、ずっと一緒だ 」
提督「 ... だから、俺の傍から離れないでくれよ 」
川内「 当たり前でしょ。... 私、提督から離れるつもりなんて一切ないもん 」
提督「 そうみたいだな。... これじゃあ、天国に行っても離れてくれなさそうだ 」
川内「 天国かぁ ... 。うん、多分背後霊みたく提督にくっついてると思う 」
提督「 背後霊って ... 川内、どこまで私に付いてくるつもりだ 」
川内「 んー ... 一生。私たちが死んで、天国に行っても付いていこうと思ってるよ 」
川内「 けど、天国に行くまでは時間があるからさ。まずは二人で今後のこと、考えようよ 」
提督「 今後 ... そうだな。これからのこと、二人で考えよう 」
提督「だが、その前に君へ渡しそびれたものがあった」
川内「 渡しそびれた ... 大切なものなの?」
提督「 そうだ。... 君に、渡さないといけないもの 」
川内「 渡さないといけないもの、かぁ。... 一体、どんなものを──── 」
提督「────結婚指輪。君に渡しそびれた、提督しての最後の贈り物。そして、普通の人間として贈る最初のものだ 」
川内「 ... っ 」
提督「 以前から渡そうと思っていたが、受け取ってくれない。そう思っていた 」
提督「 だが。それではダメだと。誰でもない、君が気づかせてくれたんだ 」
提督「 ... もし、俺でよければ。こんなものですまないが、受け取ってくれないか? 」スッ ... パカッ
川内「 ... 」
提督「 川内 ... ? 」チラッ
川内「 ... や、やめてっ。私の顔、見ちゃダメ 」
川内「 ちょっと、その、予想外だったから 」
提督「 ... ダメ、だったか? 」
川内「 違う、違うの。嬉しいよ。嬉しいけどっ ... 」
川内「 ... て、提督。私で、いいの?もう、変えられないよ? 」
提督「 君から言っておいてそう言うのか。... じゃあ、俺もこの言葉を返すことにしよう。『 誰だって、幸せになれる権利がある 』 ってな 」
提督「 ... 俺は、君に救われた。ならば、今度は川内のことを救いたい。どういう形であれ、幸せにしてあげたい 」
提督「 川内。俺は、生涯をかけて君を幸せにすると誓う。だから──── 」
提督「 ────俺と共に、人生を歩んでくれませんか?」
────Epilogue
提督「 ベランダから見える花火、綺麗だな 」
川内「 そうだね。... やっぱりマンションの最上階だし、見晴らしは最高みたい 」
提督「 ... なぁ、川内 」
川内「 ん、どうしたの 」
提督「 ... 花火ってさ。一度は大きな光と景色を生み出すけど、そのあとはすぐに消えるよな 」
川内「 そりゃあ、花火だからね 」
提督「 別に俺はポエマーではないが ... なんだか花火を見ていると、時間が流れるのって早いなぁ、なんて思ったりするんだ 」
川内「 ... それ。私も思ってたよ。確かに花火と同じくらいに、私たちの過ごした時間は短いし 」
提督「 ... やっぱり、時が過ぎるのもなんだか早いものだ 」
川内「 うん。... あれから、もう半年だもんね 」
提督「 半年といっても ... 色々あったし、あっという間な気がしたな 」
川内「 本当、そんな感じ。色々あったけど ... その度に、提督が居てくれたから私は安心できた 」
提督「 ... 嫁を守ってこその男だ。痴漢男なんかに触らせてたまるか 」
川内「 男前だね。... そういう所、私好きだよ 」
提督「 ... その言葉、素直に受け取っておこう 」
川内「 お、提督が素直になるなんて。環境だけじゃなくて人も変わるってことが証明されたね 」
提督「 馬鹿言え。俺は俺のまま。何も変わらん 」
川内「 ... ふーん。じゃあ、最近になって積極的にキスしてくれるのは変わってないって言えるの? 」
提督「 それは ... 確かに、変わったところかもしれない 」
川内「 ... 提督。今日、やけに素直じゃない? 」
提督「 普通だろ。... いつもの俺。別に素直になったつもりは毛頭ない 」
提督「 ... が、今日くらいは川内にだけ素直になっても良い。そんな気がした 」
川内「 なにそれ。... なんか、私としても不思議な気分 」
川内「 ... なんで、素直になろうと思ったの? 」
提督「 なんで、か。そうだな。 強いて言うなら ... 」
提督「 君の浴衣姿に見蕩れていた。それだけだ 」
川内「 ... もう 」
川内「 そういうとこだけ、ほんとに素直にならないでよ 」プイッ
提督「 素直じゃないとよく君から言われてな。たまには改心しようと思ったんだ 」
提督「 ... 本当に。浴衣姿、独り占めしたいくらいに似合っているよ 」
川内「 ... 独り占め、もうしてるでしょ 」
提督「 あぁ ... そうだった。そうだったな 」
川内「 ... ここは二人だけの家で、提督と私だけが居て良い場所。もう、独り占めはできてるじゃん 」
川内「 ... ねぇ、提督。いま、ここには二人だけだよね 」
提督「 そうだろう。俺と川内、二人だけだ 」
川内「 じゃあさ。誰も見てないなら、いまここで ... 」
川内「 もう一回キス、してもいい? 」
少し大人びてる川内ちゃんです。宜しければ評価、コメントをお願いします。
あまあまですなぁ~!!
末長く爆発しろ(お幸せに)
どうも!御無沙汰してます!作品、読ませていただきました!
くそぅ……川内、可愛い!
提督の心境もとてもよく解ります……そりゃ、そんな過去を経験したら、多少なりとも不信感ってやつは芽生えますわな。
そして、それを全て理解したうえで受け入れる川内……いいなぁ。こういう関係、いいなぁ。
とても楽しく……集中して一気読みさせていただきました!
機会あらば、また素敵な作品を綴ってください。
1の名無しさん(わかりやすいよう数字をつけました)
甘々大好きですんで( 。∀ ゚)
これからもぜひ、他作品共々宜しくお願いします。
2の名無しさん
爆発しますな(?)
このSSで川内提督をもっと増やしたい...
柔時雨さん
またまたコメントしていただきありがとうございます。
これからも時間があればですが、SSを書けたらなと思っておりますので、応援宜しくお願いします。