にこっちがいてくれたから
3年生組は前から面識ありそうだったのでそこから想像して書いてみました!
初めてなのでわからないことだらけですがよろしくお願いします!
うちは元々うちなんて使って無かったんよ
うちを使うようになったきっかけはにこっちと絵里ちの影響やねん
絵里ちに出会う前、にこっちと出会った時に最初に使ったん
音ノ木坂学院は元々生徒数も少ない学校やったから1年生の時はうちの後ろがにこっちやったんよ?
てなわけで高校生活の最初の自己紹介、うちは両親が転勤族で一人暮らしやったから中学の時からの友達はもちろんおらんかったし、ましてや見たことある顔なんて一人もおらんかったんよ
「次の人〜」
うちはその頃今と違って引っ込み思案でそれが自己紹介にも影響しちゃったと思うん
「と、東條希…です…えっと、1年間よろしくお願いします…」
うちの自己紹介のあとにはクラスのみんなが笑ってるような気がしてずっと耳を塞いでた…なんて冗談に聞こえるかもしれへんけどホントのことなんよ?
でも耳を塞いでたうちの耳にも届くぐらい大きな声でにこっちは
「にっこにっこにー♪あなたのハートににこにこにーの矢澤にこです♪えーっとぉ、好きな食べ物は〜甘いものです♪ 夢はアイドルですっ♪」
にこっちこんなように自己紹介してたんよ?
それににこっちの自己紹介の後にはクラスのみんな笑ってたけどうちにはにこっちがとっても輝いて見えたんよ
その日の授業が終わってうちは頑張ってにこっちに話しかけたんよ
「あ、あの!」
「なに?私忙しいんだけど…ってあれ?あんたどっかで…」
「お、同じクラスの…東條希です…」
「あぁ!私の前の子ね!それで?なんか用?」
「え、えっと…ちょっとお話しませ…お話しようや!」
「嬉しいんだけどこれから妹たちの晩ご飯の買い物行かないといけないのよね…」
「そ、そんな「一緒に来る?」
「え、いいの?」
「別にいいわよ、ひとりでいるよりふたりの方が楽しいでしょ?」
「う、うん!」
うちとにこっちの初めてのデート…じゃなかった、初めての会話はこんな感じだったんよ
「矢澤さんって妹いるんだね、私一人っ子だから…」
「ちょっと、苗字で呼ばないでよ」
「え、あ…ごめんなさい…」
「苗字じゃなくて名前で呼んでよ、なんか距離あるみたいで好きじゃないのよね」
「に、にこ…さん」
「呼び捨てでいいわよ」
「じ、じゃあ…にこっち…にこっち!」
「まぁあんたがそう呼びたいならそれでいいわ」
「あ、あの…私も名前で…」
「もっとハキハキ喋ってくれたらいくらでも名前で呼ぶわよ」
「私も名前で呼んでください!」
「ちゃんと喋れるじゃない、これからよろしくね希」
「う、うん!じゃなかった、はい!」
「…敬語じゃなくていいわよ」
「う、うん…でもなんか慣れないから..関西弁…使ってええかな?」
「希って関西の人だったの?」
「そ、そういうわけやないよ?ただずっと敬語使ってたから…」
「いいんじゃない?っていうかこれから関西弁使いなさいよ そっちの方が前よりもっと明るく見えるわよ」
みたいな会話をスーパーの中でずーっとしてたんよ
こんな会話が続くようなたわいもない日常が部活動決定の日に非日常へと変わっていったんよ
「なぁなぁ、にこっちは何の部活に入るか決まってるん?」
「私?私は新しく部活を作るのよ!」
「部活を作るん?何作るん?」
「その名も…アイドル研究部よ!夢はでっかくメジャーデビュー!」
「おぉ…なんか大変そうやね」
「希が副部長ね!」
「えぇ!?うちも入るん!?」
「当たり前でしょ?希は高校で初めてできた大切な友達なんだし」
「にこっちー!」ギューッ
「く、苦しいわよ!」
「うちやるよ!大変やと思うけど…にこっちと一緒に頑張る!」
「ありがと、希」
そこからうちとにこっちのスクールアイドル生活は始まったんよ!…と、思ってたんやけど…
「ちょっと!希!生徒会に出るってどういうことよ!」
「う、うちは断ったんよ!だけど…先生が勝手に…」
「ちょっと先生とこ行ってくる」バタン
「ちょっとにこっち!…行ってもうた…」
「先生!希が生徒会に立候補ってどういうことですか!?」
「うーん…希は親と一緒に住んでない事は知ってるよな?」
「し、知ってますけど…そ、それなら私だって片親です!」
「だけどな?お前は妹がいるだろ?希は妹もいないんだ、それに生徒会に入った方が友達も沢山できる それだったら生徒会に立候補させようって事なんだが…」
「っ…!」バタン
うちがこの時本気で先生に断ってたら…にこっちが辛い思いをせんくても良かったのかもしれへん…それからしばらくして生徒会選挙があって喜ばしいことか、悲しむべきことかわからんけど…うちは1年生で生徒会会計になったんよ
「希?会計になったんだって?おめでとう」
「ありがとう.…」
にこっちは言葉では祝ってくれたけど…ずっとうちに目を合わせてくれへんかった、うちがアイドル研究部を抜けたら…部員はにこっち1人だけ…そう思うと涙が出てきたんよ
「何泣いてんのよ…ほんとに泣きたいのは…こっちなのよ?」
「ごめん…ごめんなぁ、にこっち…」
「謝るんじゃないわよ!いつか後悔させてやるんだから!…講堂を満員にして、生徒会なんかに入らんければよかった…って言わせてやるんだから!」
そう言って去っていったにこっちの背中はとっても大きく輝いて見えたと思いたかった…ほんとはちょっと力を入れただけで脆く壊れてしまいそうなぐらい小さく、儚く見えたんや
案の定うちは生徒会での仕事が忙しくなって…次第ににこっちとの会話も減っていったんよ
その頃アイドル研究部は何回か部員が入ることはあったけど…みんなやめていく子ばっかりやった
うちはもちろんにこっちを助けたかった…けどあんな事があった後やったから気まずかったし、それに生徒会の仕事も全然片付かなかったんよ…
1ヶ月…2ヶ月と過ぎて…1年、また一年経って…
新1年生が入学してすぐの入部説明会では…
「にっこにっこにー♪…今、恥ずかしがらずににっこにっこにー♪ができた人はアイドルになる素質がある人です
バカにした人は…アイドルになる素質なんて無い人です!!
.….スクールアイドルになるとぉ〜にこにーみたいにぃ〜と〜ってもどんどんどんどん可愛さに磨きがかかっちゃうよ〜♪
そしてぇ〜素敵な仲間にも出会えるしぃ〜可愛い衣装も着れるしぃ〜もぉ〜自分の可愛さが恐ろしくなっちゃう部活です♪
ぜひみんな入ってね♪」
…うちはすぐに分かった、にこっちが無理してること…1人なんかで上手くいくわけ無いと悟ってること…うちを頼りにしてくれてること!
だからうちはさっそく行動したんよ
穂乃果ちゃん達がスクールアイドル部みたいのを作りたいって言ってたのは生徒会でも噂になってたし
穂乃果ちゃんにとりあえずにこっちのこと教えといたんよ、なにやら神様がお告げをするみたいに頭の中に電気が走ったんよ
絵里ちは穂乃果ちゃん達に手を焼いてるみたいやったけど結果的ににこっちもμ'sの一員になれて、本当に良かったと思う
これで少しは罪滅ぼしできたかな
そしたら海未ちゃんが絵里ちにダンスを教わりた言って言い出したんよ、その時にうちは決めたん
『にこっちもいるμ'sにうちも入って、9人でμ'sを作ろう』…ってな
予想通り絵里ちが8人目としてμ'sに入ってうちも…
「9人や…うちを入れて」
これで9人揃ったんよ、にこっちにはほんと感謝してる…1年生の時はにこっちがおらんかったらずっと友達もできずに暗い高校生活送ってたと思うんよ
「だから、にこっちには感謝しとるんよ」
「だからってなんも繋がってないけど?」
「ま、ええやん!帰りにクレープ食べに行こっ」
「しょーがないわねぇー、暇だからついてってあげてもいいわよ」
「ほな、決定〜!にこっちがいてくれなきゃつまらんもんなぁっ」
おしまい
μ’s結成前の3年生組はエピソードが多そうですね。
希とにこの内面がナチュラルに表現されていて、他のエピソードも読んでみたくなりました。
のぞにこが好きなので、とても楽しめました!
これからも頑張ってください!