提督「終戦しても、愛する人が隣にいなければ」
愛した人は、ずっと遠く。
シリアス(多分)とイチャラブ(多分)
いくつかのエンディング分岐がありますので、後々付け足していきます。
提督「まず、始めに感謝をさせてほしい」
提督「記憶に新しいと思うが、先日の大規模作戦にて深海棲艦の大部分を殲滅し、結果として我々は勝利することが出来た」
提督「それも全て君たちのお陰だ。君たちがいなければ、人間という種族は滅んでいたのは確かだろう」
提督「本当に...ありがとう」
提督「そして、すまなかった」
提督「君たちの仲間、姉妹、友達。大切だった人たちを私は沈めてしまった」
提督「戦況を見誤り、間違った指示を出した。...到底、許されることではないと理解している」
提督「追って私は責任を取るつもりだ」
提督「まぁ、最後にこんな話をするのも癪なので、最後にひとつだけ『提督』として言葉を贈って終わりにするとしようか」
提督「艦娘。力を持った勇気ある少女たちよ────」
提督「────君たちの行先に、幸あらんことを」
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提督「...終戦、か」
提督「つい先日まで続いていた戦争が終わったと言われても、あまり実感は湧かないものだ」
提督「そりゃあ、まだ少なからず深海棲艦が残っているから小規模な戦いは続く訳だが...」
提督「ここは中規模程度の鎮守府だし、あとは横須賀やら佐世保やらが残存勢力と相手するらしいからな」
提督「実質、やることは資材提供程度になった」
提督「ま、後々艦娘沈めたから責任取れとか言われそうだし...それまでは提督として頑張りますかね」ノビ-
提督「...で、いつまで俺の隣に座っているつもりなんだ」
提督「ソファーなんだから空きはあるだろうに」
響「...いつまでだろう。私が飽きるまで、かな」
提督「この数年間で飽きなかった方が不思議なんだが」
提督「...いや、隣に座るのは構わん。それよりも、こんな場所で俺と話していて良いのか」
響「それは...どういうこと、かな?」
提督「言葉の通りだ。...響たちはもう艦娘ではなく人間。一般人」
提督「無理して俺に付き合う必要もなくなったし、これからは自由に生活出来る」
響「...そうかもしれないね」
提督「おまけに一生遊んで暮らせるくらいの金額が口座に振り込まれているらしい」
提督「もう、秘書艦でもない。俺の傍にいる意味は無いんだ」
響「...司令官の言う通り、これから私はひとりの人間として生きていくのかもしれない」
響「暁たちと暮らすかもしれないし、なにか挑戦するかもしれない。普通に暮らして、普通に人生っていうのを体験するのかも」
響「...確かに、それも良いかもしれないね」
提督「なら」
響「それでも、だ。私は司令官から離れたくない」
提督「...理由がわからないな」
提督「響はもう、俺に従わなくて良い。自由に、好きなことをして生きていけるんだぞ」
提督「既に秘書艦でもなし、艦娘でもない。役目は終えたんだ」
響「...」
提督「...そろそろ迎えの車が来る。響、その車に乗ってこの鎮守府を出ろ」
提督「その瞬間、お前は自由だ」
提督「...もう、話すことは無いだろう」
響「...」
響「司令官は...それで良いのかい」
提督「当たり前だ。...さ、早く行け。車が来る」
響「...」
『ルート1 / 響がそのまま従っていたら』
響「うん。...分かった」
提督「...ありがとう」
提督「後のことはこの資料に記載してある。ちゃんと全て読むんだぞ」スッ
響「...」
提督「それと、飯はちゃんと食べるように」
響「うん。その言葉、覚えておくね」
提督「よし。なら大丈夫だ」
提督「行ってこい、響。幸せに...なってくれ」ナデナデ
響「...」
響「司令官...ありがとう」
提督「...あぁ」
響「...行ってきます」スタスタ...ガチャ
提督「俺の分まで、幸せになってくれ」
────1日後 、大本営
提督「...大将殿。お忙しい中時間を設けて下さり、本当にありがとうございます」
大将「ふん。貴様程度の人間に時間を割くのだ、光栄に思え」
大将「それで緊急の要件というのは何だ?」
提督「はい。単刀直入に言わせていただきますと、大将殿には艦娘に対する性的暴行、非人道的な扱い等の疑いが掛けられております」
大将「なっ...そんな馬鹿な話があるかッ! 」ガタッ
提督「まぁまぁ、落ち着いてください。私はあくまで疑いが掛けられていると申した迄ですよ」
大将「...そ、そうか」
提督「ですので、私が独自に調査しました」
大将「な、なんだとッ!?」
提督「結果から言いますと、全て事実。先ほど挙げたもの以外にも、賄賂や単艦特攻、捨て艦戦法をした事実も確認しております」
大将「う、嘘に決まっているッ!これはなにかの間違いだ!」
提督「ほう、なるほど...。しかし、既にあなたの秘書艦だった艦娘からボイスレコーダーでの証拠を預かっておりますので、それを聞けば嫌でもわかるはずです」
提督「...あぁ、それとも他の証拠品がお望みですか?」
大将「な、な、何を言っている!そんなもので私を捕まえられると思っとるのかッ!」
提督「えぇ、まぁ。あなたが想像しているよりも多くの証拠が揃ってますし。...あ、勿論元帥殿には報告済みです」
提督「...終わりなんだよ、あんたは」
大将「くっ...違う、私は...私はッ!」
大将「まだ終わらんッ!終わらんぞッ!」
提督「...現実逃避も良いですが、そろそろ憲兵が到着する頃です」
提督「素直に捕まって牢屋で反省してください。それが、あなたにできる唯一の償いだ」
大将「...ない」
提督「...?」
大将「ありえ...ない」
大将「私が捕まるなど有り得ないッ!有り得るはずもないッ! 」カチャッ
提督「なっ...」
大将「死ぬがいいッ!この元帥の犬めがッ!」バンッバンッ
提督「あがッ...」ガタッ
提督「まさか...本当に撃ってくるなんて...ッ」ゲホッ
提督「しかも胸...2発かよ」ガクッ
大将「...くッ...馬鹿め」
大将「お前がいけないのだ...」
大将「死ねッ!お前はこの私が直々に殺してやるぞッ!」バンッ
提督「ぁ...」バタン
ダッダッダッ
憲兵「貴様ッ!何をしているッ!」ガチャ
大将「くッ...憲兵!こいつをッ!こいつを捕まろ!」
大将「私にあらぬ罪を着せようとした大罪人だぞッ!」
憲兵「...」
大将「どうしたッ!こいつはまだ生きておるッ!」
憲兵「なにを言っている」
憲兵「逮捕されるのは貴様だ、大将」
大将「なッ...」
憲兵「貴様は罪を重ねすぎた。...もう、生きて罪を償うことは出来まい」
憲兵「提督殿の命といくつもの罪、死をもって償うことを覚悟しろ」
憲兵「連れて行け。精々暴れないことだ」
大将「な...馬鹿なッ!貴様ら!私は大将殿だぞッ!こんなことをしてただで済むと思うなッ!」グッ
大将「やめろッ!離せッ!この私に触れるでないッ!」ズルズル...
憲兵「...」
憲兵「すまない。...もう少し、俺が早く来ていれば」スッ
提督「...ぁ」ボソボソ
憲兵「...分かった。お前が言った通り、報道に名前は公表させない」
憲兵「マスコミに圧力はかける」
提督「...」
憲兵「...最後に言い残したいことは、あるか」
提督「...」フルフル
憲兵「そうか」
憲兵「お前は勇敢だった。もしあのまま大将が好き勝手していたら、海軍は崩壊の一途を辿っていただろう」
憲兵「...艦娘たちにも危険が迫るのを防いだんだな」
提督「...」コク
憲兵「...」
憲兵「ありがとう」
憲兵「そして、さようなら。我が友よ」
──────
『次のニュースです。先ほど、殺人の罪で死刑判決を下されていた海軍大将の処刑が執行されました。調べによると、殺人以外にも艦娘に対する暴行も────』
響「...」
響「司令官、今頃何してるのかな」
響「まだ鎮守府に...」
響「いや。司令官のことだ、きっと執務なんてほとんどやってないんだろうね」
響「...会いたい、な」
『なお、殺害されたのは海軍関係者とのことで───』
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[ルート分岐前]
提督「...そろそろ迎えの車が来る。響、その車に乗ってこの鎮守府を出ろ」
提督「その瞬間、お前は自由だ」
提督「...もう、話すことは無いだろう」
響「...」
響「司令官は...それで良いのかい」
提督「当たり前だ。...さ、早く行け。車が来る」
響「...」
『ルート2 / 響が離れずにいたら』
響「...本当に」
響「本当に司令官は嘘が下手だね」
響「...私が何年、司令官のそばで過ごしてきたと思う?」
提督「...5年」
響「そう。 ...だから、他の人には分からないことだって、私には分かるんだ」
提督「何を言い出すかと思えば。...なら、響は俺の何をわかっていると」
響「分かるよ。司令官のことなら、なんでも」
響「好きな人のことだから」
提督「...」
響「ねぇ、司令官」
響「本当に君は離れてほしいと思っているのかな」
提督「何を言う。そのつもりで、俺は」
響「...なら、ちゃんと目を見て言ってほしい」
響「司令官も言っていたじゃないか。話は相手の目を見て、はっきりと」
響「これは司令官が言った言葉だよ」
提督「...」
響「...見て」
響「私を、もっと見て」
響「何があっても、ずっとそばにいる。そう誓った1人の人間が、目の前にいるから」
提督「...」
提督「...この先、お前を危ない目に合わせるかもしれない」
提督「もしかしたら怪我じゃ済まないことも」
響「...それでも、私はそばにいるから」
響「どんな時だって隣に居る。...これが、私の答えだよ」
提督「...」
提督「...大馬鹿だ、お前は。何を言おうとも、全く聞きやしない」
響「ふふ、確かに大馬鹿かもしれないね」
響「けど、昔から諦めの悪いことくらい司令官は知っているだろう?」
提督「そうだった。...そうだったな」
提督「すっかり忘れていた。響はこういう娘だってこと」
響「そこは『娘』じゃなくて『恋人』って言われる方が嬉しいかな」ギュッ
提督「...あざとい」
響「あざとくなんてないよ。ただ、手を握った方が司令官も喜ぶかなって、ね」
響「それとも抱きつかれるのをご所望かい?」
提督「どっちも変わらんだろ」
提督「...いや、抱きつかれる方が嬉しいな」
響「だと思ったよ。司令官、私の匂いが大好きだからね」
提督「人を匂いフェチに仕立てるな。...確かに響の匂いは好きだが」
提督「...なぁ、響」
響「なんだい、司令官」
提督「...」
提督「この鎮守府には、お前と俺以外誰もいないよな」
響「そのはずだよ。...司令官が一番理解しているんじゃないかな」
提督「まぁ、それもそうだな」
提督「...飯、食べるか」
響「うん。間宮さんも居ないし、2人で作ることになるけどね」
提督「だな。...まぁ、料理は一通りできるから大丈夫だろ」
響「前にパエリアを作った時は散々だった気がするよ」
提督「...忘れろ」
響「あ、怒った」
提督「怒ってない」
響「いや、それは怒ってる顔だよ」
提督「怒ってはない。拗ねてるだけだ」
響「...」
提督「おい。いま無言だったが面倒な奴とか思ってただろ」
響「よく分かったね」
提督「いや否定しろよ」
響「私は嘘をつかないことで有名だからね」
提督「そんな響、知りません」
響「...へぇ」
提督「...」
提督「すみませんでした」
響「分かれば良いさ」
提督「...久々に威圧してくる響を見た」
響「ん、そうかい?今も威圧じゃないけど怒ってはいるよ」ニコッ
提督「...」
提督「いや、その。...先程までの突き放すような発言、大変申し訳ありませんでした」
響「...本当に、そう思ってるのかな」
提督「ここで嘘はつかん」
提督「...本当にすまなかった。お前を傷つけたくないばかりに、離れてほしいなんてことを」
響「...」
提督「響?」
響「...きす」
提督「...?」
響「きす...して」
響「してくれたら...許すから」プイッ
提督「...は、恥ずかしいな」
提督「すっごい恥ずかしいんだけど、これ」
響「...司令官、そこは無言でキスをするところだよ」
提督「何言ってんだ。俺にそんな器用なこと出来るわけない」
響「...そっか」
響「じゃあ──────」
響「──────こうしてあげるね」チュッ
とりあえず、書けるところまで。
この響はちょっと大人びてます。あとあざとい。
誤字だったり、こうした方が良いなと思った文はちょくちょく変えてます。
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このssすっごい好き。頑張って書いてください。
たかつさん
応援ありがとうございます。多分、近日中には別ルートも完成するかと思いますので、お時間があれば見てみてください。
おらルート3書けよかいてくださいおねがいしまふ
みがめにさまはんさみかたきさん
まだルート2の途中なので、暫くお待ちを。
待ってます