加賀「ずいずい……可愛い」那珂「………」
どもー駿河と申します。内容は瑞加賀です。だらだらと書き続けていたのですがようやっと完成です。のんびり楽しんで下さいね。
加賀「特にあの爽やかな笑顔を見るだけで気分が高揚します」
那珂「……………。」
加賀「しかし、私がずいずいと顔を合わせると途端に笑顔が消え去り不機嫌な顔になってしまいます」
那珂「……………………。」
加賀「私はずいずいにはずっと笑顔でいて欲しい。でも私はずいずいと会って話がしたい……那珂、アドバイスを」
那珂「……那珂ちゃんにはちょっと難しいカナ☆」
加賀「…………………。」ギチ…
那珂「真剣に考えるから無言で矢を引くのはヤメテ!那珂ちゃんの顔に穴が空いちゃう!」
加賀「………全く」
那珂「いやいやでもね!何で那珂ちゃんなの?それこそ提督とか〜……赤城さんとか!」
加賀「提督や赤城さんにこの様な些事に手を焼かせる訳にはいかない。私個人の問題だから」
那珂「……個人の問題だから、とか言いつつもう那珂ちゃんを巻き込んでるんだけど…。というか那珂ちゃんには手を焼かせて良いんだ?」
加賀「……優秀な子ですから」
那珂「今絶対付け足しただけだよね!?
うぅ〜酷い〜……でもアイドルはそんな簡単に泣かない!那珂ちゃんスマイルは絶やさない!」
加賀「では、ずいずいに対する助言を」
那珂「流された!加賀さんって結構酷いかも……というかずいずいって何?」
加賀「瑞鶴のことです」
那珂「え」
加賀「瑞鶴の『ずい』を取ってずいずいです。ずいずい魂です」
那珂「」
加賀「ずいずい魂です」
那珂「(帰りたい)」
加賀「さて、話を戻しましょう。ずいずいとどう接すれば良いですか?」
那珂「う、うーん……加賀さんはいつも瑞鶴さんとはどんな話してるの?」
加賀「瑞鶴さん、では無くてずいずいです」
那珂「え」
加賀「ずいずいです」
那珂「ず、ずいずいー…?」
加賀「ずいずい魂です」キリッ
那珂「(キリッ、じゃねぇ)」
加賀「それで、ずいずいとの対話でしたか」
那珂「そ、そうそう。いつもどんな話してるの?ずいか……ずいずいが加賀さんと会って不機嫌になっちゃうって言っても会話ぐらいはするでしょ?」
加賀「それは勿論、挨拶からしています」
那珂「うんうん!それは良いコトだよ!
那珂ちゃんもちゃんと挨拶はするからね。おはようございまーす☆って!」
加賀「朝から嫌な顔を見たわねって」
那珂「それ挨拶じゃない!悪口!」
加賀「いえ、私なりの激励のつもりだけど……」
那珂「朝はいつもそれなの!?」
加賀「パターンが3つあるの。先程の挨拶が1とすれば2は五航戦、今日もしっかり励みなさい」
那珂「うん。それならまぁ……先輩っぽくて良いかな」
加賀「3はおっはー」
那珂「おっはー!?そ、それは加賀さんのキャラにあんまり合って無い気が…」
加賀「一回ずいずいに言ってみましたがその時始めて私はずいずいの苦笑いというものを見ましたね」
那珂「そりゃそうだよ〜…。加賀さんは
クールなキャラなんだから、挨拶も丁寧に言わないと!那珂ちゃん程キラキラしなくて良いから、ちょっと微笑みを加えたら普段のギャップも相まって素敵になると思うんだよね」
加賀「………。」
那珂「勿論挨拶だけじゃなくて軽い会話も交えること!天気のコトとか朝御飯のコトとかね。アイドルの必須条件だよ!」
加賀「…………。」フムフム
那珂「まあ会話はハードルが高いからまずはおはようございますとスマイルスマイル!それだけでも良い印象を与えるからっ……て、加賀さん?何でさっきからだんまりなの?」
加賀「いえ、なんだかんだ言ってちゃんとアドバイスをしてくれるんですね」
那珂「そりゃまあ……乗りかかった艦娘だからねぇ。これもアイドルの仕事だと思えば!」
加賀「……今のあなたはアイドルというよりマネージャー、という方が似合ってますよ」クスッ
那珂「にゃにいーー!?那珂ちゃんは花のセンターだよぉ!」
加賀「ふふ……分かってますよ。那珂、ありがとうございます。早速明日から実践してみますね」
那珂「そーして……。もう、すっかり夜遅くなっちゃったんだから。遅寝はお肌が荒れちゃうんだよ?」
加賀「はいはい……。では、お休み……
ああ、それと」
那珂「ん、何?」
加賀「これは、ほんのお礼です」チュッ
那珂「ひゃっ…!?な、なにを…///」
加賀「それでは那珂、お休みなさい」パタン
那珂「え、う、あ…お、お休み〜」
那珂「………///」
那珂「………………な、那珂ちゃんは皆のものなんだからっ…」
翌朝
加賀「(さて……那珂の教えの通り今日こそはずいずいと話して見せる。自然に、そう、自然に)」
赤城「(な、なんか今日の加賀さんは
ギラギラしてるわね。はっ!?もしかして加賀さんが留守にしていた部屋に侵入してベッドの中で(自主規制)してたのを気付かれたのかしら!?ど、どうしましょう?何とかシラを切るしか無いわね……)」
加賀「赤城さん」
赤城「は、はい!にゃんでしょうか!いえなんでしょうか!」
加賀「?いえ、私は少し寄りたい場所があるので赤城さんは先に食堂に向かっていて下さい」
赤城「(あれ、もしかして気付いて無いのかしら…?)わ、分かったわ」
加賀「では、私はこれで」
赤城「……………。」
赤城「……………。」ニタァ
瑞鶴「翔鶴姉、今日は何するー?」
翔鶴「そうね……なんにせよまずは朝の鍛錬からよ、瑞鶴」
瑞鶴「う、分かってるてばー……うあー今日も加賀さんに色々言われそー」
翔鶴「大丈夫よ。ちゃんとやっていれば加賀先輩も……と、噂をすれば、ね。
おはようございます、先輩」
加賀「……おはよう、翔鶴」
翔鶴「(あら……?)」
瑞鶴「………オハヨーゴザイマス」
加賀「えぇ、お、おはよう瑞鶴」ニコッ
瑞鶴「え……あ、うん……」
加賀「(こ、これで良いのですか、那珂!?後は、ええと、会話、会話ーー!)ところですいず、違う、瑞鶴」
瑞鶴「わ、私?はい、えと、何?」
加賀「きょ、今日の朝のオススメはさんま定食、だ、から。で、ではこれで」スッ
瑞鶴「あ、加賀さん!?……行っちゃった。今日の加賀さんどうしたんだろ」
翔鶴「さぁ………。でも、そうね、朝は
さんま定食にしましょうか♪」
瑞鶴「うん、じゃ行こっか翔鶴姉!」
翔鶴「えぇ……(先輩、随分と攻めてきますね。ここまで如実に瑞鶴の好感度を上げてくるとは奥手なあなたにしては珍しい。誰かに入れ知恵でもされたかあるいは……ま、瑞鶴は渡しませんけどね)」
で、赤城は
赤城「ふふ……ふふふ…………加賀さんは朝御飯……20分……いや、30分は……ふふふ…あら、鍵が…もう、加賀さんったら…」カチャカチャ、ピーン
赤城「さぁ、素敵なパーティー始めましょう!ひゃっはー!」ボフッ
赤城「凄い!加賀さんの香りがまだベッドに……!うぇへ、うぇへへへへへ〜♪
加賀さんに包まれてるみたいだわ!あぁ!加賀さんもっと、もっと私を抱き締めてっ!」ゴロゴロゴロ
赤城「しゅごいのぉ……加賀しゃんの匂いがしゅるのぉ………」
那珂「(………とんでも無いものを見てしまった、というかこれ黙って通らないと那珂ちゃん大ピンチ☆…だよね)」
赤城「くふ、くふふふふふふ、加賀しゃん……ん、加賀しゃあん……」
那珂「(モゾモゾし始めたー!?おまけに幼児退行してるし…。これ以上ここにいるのは那珂ちゃんの命の危機に関わる……。)」ソソクサ
赤城「あっ、あっ、加賀しゃーん!!」
加賀「はぁ……流石に緊張したわ」モグモグ
加賀「あれで良かったのかしら……ずいずいは微妙な顔してたけど」モグモグ
加賀「いえ、那珂の教えの通りこなしたから問題は無い筈、よね、きっと」
翔鶴「あー……成る程、そういうことでしたか。先輩?」
加賀「なっ…!?しょ、翔鶴…」
翔鶴「はい、またお会いしましたね。正面、失礼しても良いですか?」
加賀「…五航戦が、私に何か用?」
翔鶴「いえ、少しお話でも♪」カチャン
加賀「誰もそこに座って良いと許可して無いけど」
翔鶴「瑞鶴のこと、気になるんですよね?その件についてなんですが」
加賀「……話にならないわ。そんな話をする為にここまで来たと言うのなら私が席を外すわ」
翔鶴「せんぱぁい……瑞鶴のこと、好きなんですか?」
加賀「だから、何」ギロ
翔鶴「ふふ、怖いですよ先輩。大事なのはスマイル、でしょう?」
加賀「…………翔鶴、何が言いたいの」
翔鶴「あ、ようやく聞く姿勢になってくれたんですね。嬉しいです♪」
加賀「さっさと話して」
翔鶴「もう……。じゃあ、先輩は瑞鶴が好きですか?」
加賀「同じことを言わせるの」
翔鶴「あ、もうその反応で確信しました。もっとも少し前から気付いてはいたんですけどね?」
加賀「……で、何」
翔鶴「瑞鶴は渡しませんよ。以前までのあなたならヘタレ同然でしたから警戒をしてなかったのですが、急に雰囲気が変わりましたからね。今の内に釘を刺しとくってことです♪」
加賀「随分と喋るわね翔鶴。あなたの本性も分かった気がするわ」
翔鶴「うふふ、ご理解いただきありがとうございます。でも正規空母の一航戦としては本当に尊敬してますよ?」
加賀「…そ。私も良い後輩だとは思ってますよ。あなたも、瑞鶴も」カチャン
翔鶴「……行っちゃった」
瑞鶴「あ、翔鶴姉!もー、探したんだからね!急にどしたの?なんか探し人?」
翔鶴「ううん、気にしなくて良いのよ瑞鶴。さ、食事にしましょうか」
瑞鶴「うん!いただきまーす!」
廊下
那珂「はー……赤城さんって結構アレな人だったんだねー。何かもうショックだよ……」
加賀「…………………」
那珂「あ、加賀さん〜!調子はどう?早速挨拶してみt」
加賀「……流石に気分が滅入ります」
那珂「あれ?な、なんか話しかけちゃいけなかったカンジ?」
加賀「…那珂ですか。いえ、挨拶自体は上手く出来た気がせんでもないのですが」
那珂「そ、そっか。なら良かったじゃん!じゃあ私は遠征があるから……」
加賀「えぇ、頑張って来て下さい……」
那珂「………………あーもう!!ちょっとそこで待ってて!」バタン
加賀「え、あ、はい」
テイトク!ナカチャンハキョウノオシゴトオヤスミシマス!
エ、チョ、ナニイッテンノ?
ソレジャアシツレイシマース!
那珂「…………………」バタン
加賀「あの………那珂?」
那珂「あー……なんか今日暇になっちゃったナ☆加賀さんは?」
加賀「え、確か今日は何も無かった気が……。勿論は鍛錬は行いますが」
那珂「じゃ、そのタンレンが終わったら那珂ちゃんの部屋に来て!……どうせなんかあったんでしょ」
加賀「……!恩にきます、那珂……」
那珂「(加賀さんも加賀さんで最初とイメージが変わって来たなー…)」
加賀「あ、赤城さん。今から鍛錬をしに行くのですが一緒にどうですか?」
赤城「………………………」キラキラ
加賀「……赤城さん?」
赤城「え、あ、加賀しゃ…ゴホッ!!ゲホッ!ゴホンッ!!はい、加賀さん。
何か言いましたか?」
加賀「だ、大丈夫ですか?鍛錬を行うので一緒に、と思ったのですが……日頃の無理が祟ったんですね。今日はゆっくり休んで下さい」ニコッ
赤城「そそそそそうですね!部屋に戻って休んでいます!」タッタッタッタ…
加賀「では今日は一人で済ましましょう
か。しかし……どうして赤城さんは朝からキラキラしていたのかしら……?」
ー鎮守府、空母修練場
加賀「……………一、ニ……ッ!」
ー…………ボウッ………ガインッーー
加賀「三……………シッ……」
ー……ボウッ………ガガガッ……パリンー
妖精「」グッ
加賀「………はい、上出来です」グッ
加賀「さぁ、慢心せずにもう一射ーー」
瑞鶴「さーやるわよー!あ………ども」
加賀「(ずいずい……!翔鶴もいない様だしこれは……二人きり!?お、落ち着きなさい加賀。これは好機、那珂のアドバイスが無くとも少しぐらいは会話が出来る筈……!)た、鍛錬かしら五航戦」
瑞鶴「ま、そんなとこですね。……先輩に迷惑掛けたく無いですし…」フイッ
加賀「ふん…悪くない心掛けね、五航戦
(そっぽ向いてちょっと照れてるずいすい可愛い……。やっぱりこの空間が一番幸せだわ)」
瑞鶴「うー………加賀さん……」
加賀「?何かしら」
瑞鶴「五航戦って呼ぶの止めて下さいよ。私は瑞鶴です!」
加賀「間違ってはいないでしょう。名を呼ばれたければしっかりとした戦果を出すこと、ね(こと、ねじゃない!!くっ……駄目ね、全く素直になれないわ。朝はどもりつつも言えたのに!)」
瑞鶴「ぐ、それなりに頑張ってはいるわよ!昨日の演習では戦艦二体大破させたし!」
加賀「それで慢心するから最後の駆逐艦の雷撃をくらって損傷を負うのよ」
瑞鶴「べ、別に良いじゃない。結果としては勝ったんだし……。あーぁ…実戦だったら大健闘だったのになー」
加賀「………………あ?」ガッ
瑞鶴「え?あ、あれ、か、がさん?あの、胸ぐら掴んでな、に、を」
加賀「………演習だから、怪我も無かった。それは当然。実弾では無いから」
瑞鶴「か、加賀さんっ……?苦し、い、です……っ」
加賀「そんな、結果ばかり見てるからあなたは成長出来ないのです。最後の雷撃戦であなたは大破した。本当の戦闘だったら轟沈してるかもしれない程の……!」ギリ…
瑞鶴「けほっ……でも、それが戦争じゃない!というかさっき加賀さんが戦果を出せってーーーうぐぅえっ!?」
加賀「えぇ確かにひと昔ならお偉い方が言ったでしょうよ……『生きて帰るぐらいなら死んで敵の艦を道連れにせよ』…
ですがそんなの私は絶対に許しません……!死んで良い艦なんてある訳が無い!
瑞鶴!それはあなたも一緒でしょうに!」ミシミシミシ…
瑞鶴「あ……えへ、やっと、なまえよんで……くれました……ね」ガクッ
加賀「あっ……!?え、あ、瑞鶴!?
瑞鶴ッ!?」
まあ一悶着ありまして、那珂の部屋
那珂「で?」
加賀「…………………………」
那珂「瑞鶴さんの胸ぐら掴んで説教して挙げ句の果てに気絶させましたと」
加賀「……………………………………」
那珂「はぁ……。もう、顔を上げてよ加賀さん。落ち込むのは分かるから…」
加賀「……はい」
那珂「その後は?」
加賀「すぐに翔鶴が来て私を睨みつけた
後ずいずいを連れて行きました…」
那珂「そりゃそうなるよ…。というかこんな時でもずいずいって呼ぶんだね」
加賀「……ずいずい魂……」グスン
那珂「あぁもう泣いちゃダメ!アイドルの涙は安いけど加賀さんの涙は高いんだからぁ!!」
加賀「もう修復不可能なんでしょうか……」
那珂「何言ってるの加賀さん!まだまだこれからだよ!大丈夫、那珂ちゃんにお任せだよ!」
加賀「頼りにしてます…」
那珂「(とは言ってみたものの、このままだとダメ加賀さんになっちゃうよね。
さすがにお仕事に支障が出るとまずいし、まずはいつもの加賀さんに戻って貰わないと…)」
加賀「那珂?」
那珂「(ま、正直この加賀さんも悪くないけどね)ん、ちょっと考え事してただけー。…それより翔鶴さんがちょっと厄介かも」
加賀「それは確かに。やはり姉妹艦と言うのは意図せずとも近くにいられるから羨ましいですね」
那珂「うん、確かにそのメリットは大きいよ。でも近親相姦って言う四字熟語が
ある通り愛に昇華する事は難しいし、距離が近過ぎて話せないこともある…。翔鶴さんが加賀さんを気にしているのは
『他人』だからかもね」
加賀「成る程……。しかしまああなたはよく人を見てますね。さすがマネージャー」
那珂「だーかーらー……」
加賀「ふふ、冗談です。ありがとうございます那珂。やはり頼りになりますね」
那珂「それは当然!なんせ艦隊のアイドルなんだからね!メンバーのケアも大事☆」
加賀「そうですか……。あ、ではお礼と
言っては何ですが」
那珂「え?あーそんなのいらないって。
加賀さんには元々お世話になってるし」
加賀「いえ、これは私の我が儘ですから。何と言おうと受け取って貰います」
那珂「そう…?あ、でもこの前みたいなことは止めてね!?というかああいうことはしちゃダメだよ加賀さん!色んな人に誤解されちゃうから!」
加賀「?あれはあなたにしかしていませんよ」
那珂「ぅえっ……///あーもう!私の教え何か必要無い気がするこの空母!」
加賀「何言ってるんですか…。さ、行きましょう」
那珂「行くって……ドコに?」
加賀「ヒトマルマルマル。この時間帯なら出撃もまだでしょうし、混んでないでしょう。私もよく汗を流しています」
那珂「え」
加賀「入渠です。ま、この場合は入浴でしょうが」
那珂「」
加賀「背中、流してあげます」
那珂「」
加賀「那珂?」
那珂「いや、でも私は汗なんか書いてないし。うん、ノーノー」
加賀「気持ち……良いですよ?」ジッ
那珂「その台詞と瞳アウトー!!ダメ、無理!!那珂ちゃんは入りません!」
加賀「むぅ…。しかし私の背中洗いはパーフェクトと赤城さんから評価は貰ってますよ」
那珂「いやいやテクニック云々の話じゃなくて……」
加賀「ぐだぐだ言わずにとっとと来る。
アイドルは文句なんて言いませんよ」ズルズル…
那珂「あ、アイドルを引き合いに出さないで!って、引っ張らないでー!」ジタバタ
入渠もとい入浴ーーーカポーン
那珂「(最近流されること多いなー……。主な原因は全部加賀さんだけど)」
加賀「那珂、入りますよ」ガラッ
那珂「はいはい………!?か、加賀さん!せめてタオル巻いてよ!」
加賀「艦娘同士ですからそんなに気にしなくても」
那珂「私が気にするのっ!(というかおっぱいでかい……!)」
加賀「さ、那珂。どうぞこちらへ」
那珂「うぅ……那珂ちゃん大ピンチかも…」
加賀「では失礼致します」ゴシゴシ
那珂「ねぇ加賀さん……。正規空母の一航戦がたかだか軽巡の背中を流すっていうのはプライドが傷付いたりしないの……?」
加賀「同じ空母ならともかく軽巡とは競い合うところが別になって来ますから。
プライドはありますけどね」ゴシゴシ
那珂「そっかー……。那珂ちゃんはちょっと気負いしちゃうよ…」
加賀「ふふ、あなたはもっと我が強い人かと思っていましたが……思い違いでしたね」ゴシゴシ
那珂「それはこっちの台詞だよー。加賀さんはもっとクールな人かと思ってた」
加賀「ん……それは、どういう意味なんですか…?」クニュ
那珂「(ん?)だって加賀さんって結構表情が変わるしね。もっと無感情かなと」
加賀「私達は…にん、んぅ、げん…みたいな、ものでしょう?……はっ、私にだって、感情はありますよっ……」ニュル…ニュル…
那珂「あ、あの……加賀、さん?ナニ、してるの…?」
加賀「ぅん…?あぁ……これは…赤城さんに、教えて貰ったやり方ですから……ぁ…」シュルン
那珂「そっかー。後で提督に報告しないとねー」
加賀「……?提督にもしてあげるのですか?」
那珂「それはダメ。提督の提督がてぇいとぉくぅ!!になっちゃうから。というかもうそれやっちゃダメ。人をダメにするからダメ」
加賀「そ、そこまで駄目ですか。分かりました、これからはあなたにしかしません」
那珂「那珂ちゃんにもしちゃダメ!これは耐え難いものがある……!」
加賀「そうですか…。では諦めます」
那珂「そーして…。(疲れを取るために来たのになしてこんな疲れねばいけぬ…)」
加賀「では、パート2を」
那珂「もう結構っ!!」ガラッ
加賀「さて、さっぱりしたところで再び作戦会議には戻りましょうか」
那珂「うーん……次はどうしよっかなー……」
加賀「ずいずいの好感度を上げつつ翔鶴には出来ないことが理想的ですね」
那珂「まーた難しいこと言ってくれるね〜。でも、那珂ちゃんにはまだプランがありまーす!」ドヤァ
加賀「流石です」パチパチ
那珂「翔鶴さんと加賀さん。瑞鶴さんにとって『優しい』と言ったらどうしても翔鶴さんになるのは分かるよね」
加賀「どちらかと言われれば確かにそうなりますね」
那珂「で、瑞鶴さnー」
加賀「ちなみにずいずいです」
那珂「……ずいずいの抱く加賀さんのイメージは『厳しい』になるかな。それは日頃の言動とか態度で分かるものだしね」
加賀「……つまり?」
那珂「普段の態度と真逆なコトをするーーーつまり『ギャップ』を武器にすることが加賀さんに出来る翔鶴さんとの差別化ってこと☆」
加賀「ギャップ、ですか?」
那珂「そ。ギャップの一番分かりやすい例はツンデレかな。普段ツンツンしてるからこそデレる時に価値を見出せる。
加賀さんはツンツンしてる訳じゃないけど五航戦に対する扱いは中々きついからね。でもそれはこの場合においてマイナスじゃ無い。仮に翔鶴さんがずいずいに対して優しい言葉を掛けても何の変化も生じないし、普段とは違う厳しい言葉を掛けても特にインパクトは得られない」
加賀「よく喋りますね…」
那珂「アイドルはトーク上手じゃ無いとね♪で、加賀さんがずいずいに対して厳しい言葉を掛けるのはいつも通り。それは回を増す事によってずいずいにも慣れが生じて来る様にね。だ、け、ど、その逆はどうかな…?」
加賀「…………逆」
那珂「ずいずいにとって加賀さんから怒られる、冷たくされることはあっても褒められるなんてことは考えたことは無い筈。つまり予測出来ないことをすれば良い……他人とは言え同じ正規空母、そこを共通の話題にして褒め倒せばずいずいと言えど確実に堕ちる……っ!」
加賀「………!」
那珂「ずいずいが加賀さんに抱くイメージは確かにさっき言った通り『厳しい』
……だけど練度も高く一航戦である加賀さんにはその態度も許される。自らの力を知っているからこそ加賀さんは加賀さんなの。そんな加賀さんを見てずいずいはこうとも思っている筈……そう、それは『憧れ』ッ!!」ズビシィ
加賀「それは………どうなんでしょうか」
那珂「あれ?今までそういう視線とか感じたこと無かった?」
加賀「ずいずいから今まで向けられたものは敵意や嫉妬、呆れぐらいです」
那珂「うーん……それは分かりやすいからであって内心ではどう思ってるかは分からないんだよね。ずいずいは顔に出やすいけどそれは負の感情だけかも」
加賀「いえ、それも無いかと。翔鶴と話していたり二航戦と鍛錬を積んでいる時はむしろ笑っていることの方が多いぐらいですから」
那珂「ふむ……(加賀さんと話している時は素直になれないだけか。で、それは加賀さんも同じ。双方がマイナス同士なら足したところでマイナスにしかならない。でも……)」
加賀「……何故私といる時は笑ってくれないのでしょうか……。いえ、やっぱり私が酷い言葉ばっかりずいずいに言ってるから…」ズーン
那珂「あぁもう!まだ大丈夫だよ加賀さん!修復可能!せめて仲良くなるぐらいは出来るって!」
加賀「………どうやって……?」
那珂「第二那珂ちゃんプランの発令!
頑張ってこー加賀さん!」オー
加賀「お、おー?」
那珂「(でも、片方のプラスが大きかったら答えはマイナスにはならないからね♪)」
五航戦、瑞鶴翔鶴の部屋
瑞鶴「う〜ん……っ、あ、れ?」パチ
翔鶴「瑞鶴ッ!」ギュー
瑞鶴「わ、翔鶴姉?ここは……私達の部屋?」
翔鶴「えぇ、修練所で倒れてたのよ?
……もう、心配したんだから」
瑞鶴「そっか……あ、加賀さんはーーー」
翔鶴「さあ瑞鶴!今日はクッキーの作り方教えてあげる!瑞鶴、前に教えたマフィンは上手く出来てたし今回も楽しみね!」ズイ
瑞鶴「え、あ、うん」
翔鶴「行きましょう瑞鶴。事前に間宮さんから場所も借りてたから、ね?」
瑞鶴「………うん!(ま、聞くのは後でもいっか)」
司令室
提督「あ?午後の出撃の編成を変えろ?
……おい、どういう意味だ」
那珂「言葉通りだよ☆……次は空母主体編成の作戦だったよね」
提督「あぁ、『アルフォンシーノ方面進出』。練度の高い空母を2隻以上だ。面子はもう組んであるぞ。……ほら」ピラッ
那珂「ん、えーと……」
旗艦
軽巡 那珂改二 lv96
正規空母 加賀改 lv52
正規空母 翔鶴改 lv45
正規空母 瑞鶴改 lv38
戦艦 陸奥改 lv 31
重巡 足柄 lv 15
那珂「(相変わらずレベリングの差が酷い……。バラバラに育ててるから仕方ないんだけど。私が旗艦なのは……まあレベルだよね。もうすぐケッコンカッコカリ出来ちゃうよこれ…)」
提督「陸奥と足柄のレベルが低いけど空母部隊のゴリ押しでいけんだろ。大体お前俺の編成を見ずに編成を変えろとか……で、どうだ?やっぱそれで良いだろ」
那珂「翔鶴さんout金剛さんinで」
提督「えぇー……」
那珂「空母は二隻で十分!……大体何で金剛さんは練度が高いのに使わないの」
提督「最近あいつの相手するのがすっげー疲れるんだよ……」
那珂「そんな提督主観の文句なんて知らないよー。とりあえず、そういうことで」
提督「へいへい、お前にゃあ逆らえねぇよ。秘書艦にした瞬間調子に乗りやがって……。さっさとバラせば良かったぜ」
那珂「私も最初はそう思ってたよ?
じゃ、那珂ちゃんはこれで。伝達よろしく〜」バタン
提督「あいよ………………。ったく、そろそろ気付け、馬鹿」
食事処ー間宮
翔鶴「さて、張り切って美味しいクッキー作るわよ、瑞鶴!」
瑞鶴「任せてよ翔鶴姉!……ま、作り方分かんないから宜しくね」
翔鶴「えぇ、勿論。……ところで瑞鶴、どうせたくさん作るし誰かにあげる?」
瑞鶴「あ、それ良いかも!うーん……どれぐらいの人にあげよっかな。まずは提督とー、二航戦の蒼龍さんと飛龍さんでしょー……あ、金剛さん達も喜びそう」
翔鶴「…………他には?」
瑞鶴「他?うーん………それぐらいかなー……」
翔鶴「………っ!」ニィ
瑞鶴「よし、一丁やりますか!翔鶴姉、美味しいの作ろうね!」
ガガッーーー
翔鶴「えぇ…………♪ん、放送…?」
提督『午後からの作戦、『アルフォンシーノ方面進出』の編成について発表する。名を呼ばれたものは後に司令室へ来る様に」
瑞鶴「あー……。こりゃ教えて貰うのはまた今度になりそうかな、翔鶴姉」
翔鶴「そうね。でも私達が選ばれているかは分からないけど……」
提督『那珂、金剛、加賀、瑞鶴、陸奥、
足柄の6人が今回の作戦攻略編成だ。もう一度言うが呼ばれたものは早急に来い。いいな』
翔鶴「」
瑞鶴「あ、呼ばれた。翔鶴姉!クッキーはまた後で教えてね!」タタッ
翔鶴「ま、待って瑞鶴っ!っ〜〜!あの提督は何を考えてるの!?」ギリ
再び司令室
提督「おけ、これで全員だな。悪いな、急に呼び寄せてごふぅーー」ガバァ
金剛「テェイトゥクー!!最近構ってくれなくて寂しかったヨー!」スリスリ
提督「あぁもううぜぇ!!三日前間宮に連れてったじゃねぇか!」
金剛「ワタシはもっと分かりやすいloveが欲しいんデス!kiss!please!」
提督「盛るんじゃねぇ!おい陸奥!こいつ離してくれ!」
陸奥「……ほら、金剛ちゃん。もう止めてあげーー」メゴォ
金剛「人のコイジを邪魔するヤツは、horseに蹴られてfu◯k youデス!」
提督「陸奥ー!というかお前言葉遣いが荒いんだよ!もっと自粛しろ!」
金剛「oh!ワタシとしたことが……sorryネー」
足柄「ふふ、でも良い感じよ金剛。そう、私達は餓えた狼……男を脅す、いや堕とす為には障害を全て取り除かなければならないのよ!」
提督「お前はどういうポジションだ」
金剛「yes sir!流石アシガラteacherデース!」
那珂「いつの間にか師弟関係に…」
加賀「ここの連中は相変わらず騒がしいですね、那珂」
那珂「もー……那珂ちゃんがセンターなのにー。……ん、来たかな」
瑞鶴「失礼します!…あ、私が最後だったのね。皆お待たせ」ペコ
金剛「ズイズイズッコロバシー!来るの遅いデース!」
足柄「あら今日は翔鶴じゃない方なの?ま、期待してるわよ!前線は私に任せなさーい!」
瑞鶴「……瑞鶴です。これでも正規空母ですからね!久々の実戦ですが、頑張ります!」
陸奥「た、楽しみね」ヨロ…
ワイワイ……デース!……ヨンデルワー!
那珂「……ほら、加賀さんも!」グイグイ
加賀「な、那珂。あなたの言う第二プランとはこういうことだったんですか?」
那珂「そそそ〜♪一緒に出撃して、戦って、守り合う!そうすることで深まる絆!艦娘だからこそ出来ることだね!」
加賀「で、でも前の事もありますし…」
那珂「あーもう!大丈夫!れっつごー!」ドン
加賀「は、はい」
金剛「oh!今回はカガも参加するんデスカ!空母が二隻いると心強いデース!」
加賀「五航戦の子なんかと一緒にしないで」ギロ
足柄「出た出た……加賀は相変わらずねー」
瑞鶴「ちょっと!もう私もあんたと肩を並べる位成長したんだからね!」
加賀「……中々大きく出たわね瑞鶴。実戦を楽しみにしてます」ニヤ
瑞鶴「えぇー楽しみにしときなさい!その済まし顔………あ、名前……///」
加賀「っあ、いや、だ、だから何ですか。名前を呼んだくらいでその反応とは随分チョロいですね(可愛い、可愛い、可愛い、可愛いっ……!)」
瑞鶴「う、うるさいわね!提督さん、出撃まだなの!?」
提督「ぎゃーぎゃーうるせぇな全く…。
言われなくてもすぐ出撃だ。出撃準備に取り掛かれ。慢心はするな。絶対生きて帰って来い……分かったな」
那珂「りょーかい☆」
加賀「はい」
金剛「yes!」
瑞鶴「任せといて!」
陸奥「えぇ」
足柄「勝利が!戦が!私を呼んでるわーーー!!」←聞いてない
提督「合わせろやお前らぁ!!」
後、海上へーーー
那珂「那珂ちゃんを〜♪好きになるのは〜♪わ〜か〜る〜けど〜♪『那珂ちゃんは皆のものだから!』あなただけのアイドルには〜♪なれない〜♪」
瑞鶴「……ちょっと那珂?何なのその歌?」
那珂「え?『那珂ちゃんはアイドル止めへんで』だけど?ちなみにfullverのCDは間宮さんのパフェが3つ食べられる値段」
陸奥「……随分と高いわね」
那珂「そっかな?那珂ちゃんの美声が聞けるから安いもんだと思うよー」
足柄「そんなもん買うなら私はダンベル買うわね」
加賀「それもどうかと……」
足柄「何ぃ!?加賀!ダンベルは良いものよ!あの丁度良い重量感……たまらないーー(ドカーン)んにゃ!?んにゃー!」ショウハ!
金剛「why!?アシガラteacherー!」
瑞鶴「ちょっと!駆逐ロ級一体来てるわよ!?」
那珂「ごっめーん☆歌に夢中で偵察機出すの忘れてたー…てへっ♪」
加賀「しっかりして下さい那珂……。
さて、不意を突かれたとはいえ足柄の小破だけで済みました。反撃、開始です」
那珂「おー☆」
陸奥「(加賀が旗艦で良いんじゃないかしら)」
司令室
ピー……
『ごっめーん☆歌に夢中で……』
提督「あいつは全く……」
コンコン
提督「おう、入れ」
翔鶴「失礼します提督。……少し、宜しいですか?」
提督「編成のことか?俺も最初は翔鶴を入れようと思ってたんだけどなー。空母は二隻で十分らしい。今回は練度の高い加賀とレベルを上げておきたい瑞鶴、ということで」
翔鶴「ああいえ、そういう話では無くて……♪」ギュウ
提督「しょ、翔鶴。何してるんだ?」
翔鶴「提督、どうして那珂をレベリング……いえ、旗艦にしているのですか」
提督「……は?」
翔鶴「たかだか軽巡ですよ?何かが秀でている訳でも無く、中途半端な性能……。私には理解出来ませんね」
提督「ああそうかい。俺もお前が理解出来ないね。何が言いたいのかは知らんが、そういうことを言いに来たのならとっとと出て行け。仲間を貶す奴は大嫌いだ」グイッ
翔鶴「ふふ、疑問に思っただけですよ。
そんなに怒らなくても良いじゃないですか提督♪」
提督「怒っては無いが残念に思ったな。
翔鶴、お前は仲間思いの優しい奴だと思っていたが」
翔鶴「あら、間違ってませんよ?私は仲間思いの優しい艦娘です。ただ一部を除いて……ね。私と瑞鶴の中を引き裂くものは全て私の障害です」
提督「おーおー……。結構言うじゃねぇか翔鶴。はっ、そういう事を言ってくれる方が俺は好きだねぇ」
翔鶴「ありがとうございます提督♪改めて私のこと知っていただけましたね?その上でこれからどうしていくのか……期待してますよ、提督」バタン
提督「お、おぉ……何だってんだ全く……。そりゃ家族みたいなもんだから大切にしたい気持ちは分かるんだけどなぁ……何か常軌を逸している気がするぞあれ」
再び海上ーーボス戦闘
足柄「てぇえええいあぁ!!」メゴォ
那珂「足柄さん前出過ぎ〜!センターは那珂ちゃんなんだから!」ゴーン
金剛「yeah!アシガラteacherやナカチャーンには負けられないデース!」ドーン
駆逐ニ級「…………」ススス
軽巡ト級「…………」ズズズ
陸奥「無茶苦茶やってるわね……ん、ちょ、ちょっと!?戦艦とか空母叩くのは良いけど駆逐と軽巡も処理しといてよ!……あ」カッ
………ドゥーン……………
瑞鶴「陸奥さーーーーーん!?」
加賀「瑞鶴、陸奥が誘爆するのは毎度の事です。気にしないで下さい(やりました。自然な感じで瑞鶴の名を…!)」
瑞鶴「そ、そうなの?なら良い……のかな、と!」ザヒュッ……ブォン…
加賀「ん……瑞鶴、矢の引きがまだ甘いですね。それでは艦載機の飛距離が伸びません」
瑞鶴「う、うるさいわね……。当てて見せるわよ!」ザヒュ……ガンッ…
空母ヲ級「……………」ニィ
加賀「瑞鶴!?危ないッ!」グイッ
瑞鶴「えっーーーー」
ーーーォンーーーガガガガッ……
ヲ級「チッ………」
瑞鶴「あ、あの……加賀、さん…?」
加賀「殺されたいのですか」ギロッ
瑞鶴「(めっ、めっちゃ怒ってる…!?)
ご、ごめんなーー」
加賀「………………」キリキリキリ……
那珂「!?」ゾクッ
那珂「金剛さん足柄さん全速力で後退して!!早くッ!」
足柄「な、何よ急に。まだ本気出して無いのにー」ザーッ
金剛「ま、旗艦の言う事は守らないとネー」ザーッ
那珂「伏せてっ!」バッ
金剛・足柄「え」
加賀「ーーー堕ちろ」ヒュンヒュンヒュン
……グゥオォォォォンーーードガガガガガ……
……………グゥオォォォォンーーードガガガガガ……
………………………グゥオォォォォンーーードガガガガガ……
足柄「」
金剛「」
那珂「………はぁ……」
陸奥「」タイハ
ヲ級「………ッ!?」タイハ
加賀「後は……あなただけですね。残ってくれてありがとうございます。見逃すので帰ったら仲間に伝えて下さいね」
ヲ級「ヲッ………?」
加賀「瑞鶴に手を出したら、次は無い」ボソッ
ヲ級「〜〜〜〜!?」ゾッ
加賀「では、帰って、どうぞ」
ヲ級「………………………」ギュンッ
加賀「……さて、終わりましたね。那珂、鎮守府に戻りましょうか」
那珂「う、うん。……全艦、鎮守府へ
帰投せよ。あ、足柄さんと金剛さんは陸奥さんを引っ張ってあげて」
足柄「………」ザバー
金剛「………」ザバー
陸奥「」ズルズル
那珂「(帰ったら皆に間宮さんのパフェ奢ってあげよう……。加賀さんと瑞鶴さんは……大丈夫かな)」スッ
瑞鶴「……あ、あの、加賀さん」
加賀「…何ですか?(ど、どうしましょう那珂!?さっき暴走した挙句に意図せず二人きり!何を話せば!)」
瑞鶴「ご、ごめんなさい!」
加賀「すいませんでした(ああもう謝っときましょう!まずはそこから…)」
瑞鶴「……え?」キョトン
加賀「……え?(キョトンってしてるずいずいが凄まじく可愛い)」
瑞鶴「な、なんで加賀さんが謝るの?
私が悪いんです!集中せずに弓を放ったから敵艦に隙を狙われて……」
加賀「ふむ、確かにそれはあなたの悪いとこです。雑念が入った時点で艦載機には歪みが生じます。矢を放つ時は冷静に、そして目標をしっかり見抜いて下さい」
瑞鶴「う……はい、その通りです…」ズーン
加賀「ですが、瑞鶴。未熟なのは恥じることではありません。それは成長出来る、ということなのですから」
瑞鶴「……え?」
加賀「あなたの良いところは吸収の早さと前向きな姿勢です。言われたことを素直に受け止め、改善する……今まで私はあなたに辛辣な言葉を何度も説いて来ました。その度にあなたは悪態を吐きつつも言われた通りに鍛錬を行って来ました。それは誰でも出来ることではないのですよ、瑞鶴」
瑞鶴「……かが、さん」ジワ
加賀「もっと自分を誇って下さい。あなたは……私の自慢の後輩ですから」
瑞鶴「……ぅ、あ……うぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあ!!」ギュッ
加賀「ず、瑞鶴!?……いえ、そうですね。今だけは、泣いて良いですよ」
瑞鶴「うぐっ……!泣い、てなんか……あぁ……ああああああぁ!」ボロボロ
加賀「………………」ギュッ
瑞鶴「あぁぁぁぁ……あああああああああぁぁぁぁ!!」
加賀「(……やっぱり、私はずいずいが好きなんですね。この子の脆いところも、強いところも私は愛おしい)」ペロ
瑞鶴「ひゃっ……///か、かがさん……?」
加賀「あなたの涙はしょっぱいですね。
ですが、悪くない味です」
瑞鶴「な、なな……///」
加賀「瑞鶴、聞いて欲しいことがあります」グイッ
瑞鶴「そ、そんなことよりさっきの行動の説明をーーー」
加賀「好きです」
瑞鶴「…………………そっか」
加賀「瑞鶴……」
瑞鶴「……うん、分かってる…。ねぇ……加賀さん、凄く嬉しいよ。……えへへ、また泣きたくなってきちゃった…」
加賀「…………………」グッ
瑞鶴「………加賀さん、」
瑞鶴「ごめんなさい、加賀さんの思いには……答えられないっ………!」ギリッ
加賀「そう……ですか……」
瑞鶴「だって……っ!だって、私達は人間じゃない!いつ轟沈するか!いつ解体されるのか!それが分からないのにっ……」
加賀「………………」
瑞鶴「私だって……加賀さんのこと、好きだよ……。でもそんなこと言ったって……しょうがないじゃない!」
加賀「……瑞鶴」
瑞鶴「っ………だから……ごめん、なさいっ……」
加賀「瑞鶴……顔を上げて下さい」
瑞鶴「え………?」スッ
加賀「いや馬鹿ですかあなたは」ズビシッ
瑞鶴「あいたっ!?な、何するのよ!」
加賀「黙って聞いてれば沈むやらバラされるやらどうでも良いことをグチグチと……下らない」
瑞鶴「ええっ!?下らなくでは無いでしょどう考えても!」
加賀「良いですかずいずい。正直もう私はあなたとにゃんにゃん出来たらどうでも良いんです」
瑞鶴「待って加賀さん落ち着いて本当に落ち着いて!?凄いこと言ってる凄いこと言ってるからぁ!」
加賀「私はあなたと全てを共にしたいだけです。食事戦闘会話移動報告睡眠風呂
夜戦厠夜戦(意味深)」
瑞鶴「後半がアレだし夜戦って二回言ったよ加賀さん!?ちょ、ちょっといい加減に……っ!」
加賀「そして、轟沈する時も解体される時が一緒が良いんです、瑞鶴」
瑞鶴「っ………!」
加賀「あなたが沈まない様に全力を尽くします。あなたを解体するという令が出されたのなら命を尽くしてでも阻止します。それでも無理ならば私も共に逝きます」
瑞鶴「そ、そんなの無茶苦茶よ!」
加賀「重々承知してます。そしてそんな馬鹿な覚悟をする程私はあなたが好きなんです、瑞鶴」
瑞鶴「うっ………なに、それ…」ヘタ
加賀「瑞鶴?」
瑞鶴「ほんっとに……馬鹿だよ加賀さん……私なんかの為に……ばかぁ…」
加賀「なんと言われ様が構いませんよ。
私はもう迷いません。これが私の生きる理由です。瑞鶴を守る為ですから、私も沈みません」
瑞鶴「……そう、だね。加賀さんも沈まないよ」
加賀「えぇ、当然です。それはーーー」
瑞鶴「…私が守ってあげるから、ね」
加賀「ず、ずいかく……?」
瑞鶴「加賀さんも無理する人だからねー。これは私が守ってあげないと駄目だよ」
加賀「そ、それは……」
瑞鶴「……一緒。私も、加賀さんとずっと一緒にいたい……かなー///」テレ
加賀「瑞鶴……!」ギューッ
瑞鶴「きゃっ!?か、加賀さん苦しい苦しい!」
加賀「離しませんよ。やっと手に届いたんですから」
瑞鶴「うん……そうだね。加賀さん、これからもよろしくっ!」ニコ
加賀「えぇ、こちらこそ……ね」クスッ
加賀「(那珂……。やりました)」グッ
『えぇ、こちらこそ……ね』ジジッ
那珂「はいはい……。もう、お腹一杯ですよ……っと」バツン
足柄「ん、どうかしたの?」←立ち直った
那珂「別にー。那珂ちゃんのファンを一人幸せにしただけー」
金剛「また電波発言デスネー?ナカチャンはそろそろ現実見た方が良いデスヨ?」←立ち直った
那珂「ふぅ……分かってないねぇ金剛さん。真のアイドルって言うのは自然にファンを作ってしまうんだよ…」ドヤァ
足柄「……確かにうっとしさではナンバー1ね」
金剛「同感デース」
那珂「……二人とも加賀さんの攻勢見て落ち込んでたクセに」
足柄「はあ!?ち、違うわよあれは!」
金剛「そもそも空母とは分野が違いマース!落ち込む訳が無いデス!」
那珂「どーだかー?ほら、さっさと帰るよ!陸奥さん引っ張って!」
足柄「アンタも手伝いなさいよ!コイツ体重もビッグ7だわ!」
金剛「クッソ重いデース!fu◯k you!」
陸奥「」
那珂「あーあ……折角皆頑張ってくれてたから間宮さんのパフェでも奢ってあげよっかなーと思ったのにな〜」チラッ
足柄「とっとと運ぶわよ金剛!」
金剛「year!アシガラteacher!」
陸奥「」
那珂「はー……現金なんだから全く…。
………んーーー………でも!今日はたくさん食べさせてあげないとね!なんせ、瑞鶴さんと加賀さんが恋仲になった幸せになった日だしね!………………………………でもまぁ」
那珂「ちょっと寂しいのは、那珂ちゃんのワガママ……かなぁ。幸せになってね……加賀さん……」
fin
瑞加賀と言ったがあれは嘘だ。真のヒロインは那珂ちゃんだったのだ!作者が好きな艦?ナカチャンダヨー
さて、最後まで読んで下さりありがとうございました。瑞加賀も好きなんですが一番好きなのは那珂ちゃんです。すいません。那珂ちゃんはこう……安易に幸せになって欲しくないのでこういう形で書くことになりました。ごめんね、那珂ちゃん。余裕があればもう一本書こうかなと。またリクエストがあればコメ欄にお願いします。そういうの凄く嬉しいです。ただまあ那珂ちゃんは抜きでお願いします。ではでは、提督の皆さんが那珂ちゃをドロップor建造した時に俺みたく
毎回「愛してるよ」と囁ける様になることを願って、後書きとさせていただきます。
執筆中にも関わらずコメントや応援を下さった皆様!俺は見てますよ!モチベーションが上がりました!ありがとうございます!
これは那珂ちゃんじゃなく那珂さんですわー
応援せざるを得ない
加賀さん頑張れ
那珂推しの提督……、いいと思います。
<さっさとバラせば良かったぜ
バラすって、まさか解☆体ってことか?
さりげなく恐ろしい事言うなぁ、この提督は…
コメントありがとうございます。
ちょこちょこ返答していきますねー。
1>ナカチャンダヨー
2>加賀さんってこう……不器用に頑張りそうですから余計応援したくなりますね。
3>提督の皆さんももっと素直になれば……
4>口は悪いですが艦娘思いの提督さんです。
完走おめでとうございます
那珂ちゃんには是非幸せになって貰いたいものです
で、後日談的な物は無いんですか!
あの後の2人と翔鶴が気になる所です
6>現在別話として執筆中ですー