武力を持ちながらも戦わず復興を目指す
初投稿です!自分が毎日暇つぶしにと音楽聞きながら妄想してた事を書くので間違っている部分が多いかと思います!
一気には書けないのでちまちま書いていこうかな?と思ってます
後前書きが長いのでこんなに読めるか!という方は後半だけ読んでください
1945年
太平洋戦争末期の日本は危機に直面していた。順調な滑り出しを見せ、次々と戦線を広げて行った日本軍だったが、戦争が長引くにつれアメリカ軍の物量に押されやむなく撤退。遂には沖縄に上陸される事まで敵国に許してしまった
しかし、そこで予期せぬ事態が発生した。沖縄上陸作戦中であるアメリカ軍の艦艇が次々と撃沈され、上陸していた歩兵達にも被害が出始めたのだ。自軍の援軍が敵艦を撃沈しているものと勘違いした日本軍はこの状況を好機とみて残存兵力を全て投じて混乱しているアメリカ軍に奇襲を敢行した
奇襲作戦は成功し海岸線まで戦線を押し上げたが、そこで日本軍は目を疑った。アメリカ軍を襲っていたのは我が軍の援軍ではなく、ましてや人でも無い。見たこともない禍々しい黒い物体があの圧倒的兵力を投じていたアメリカ軍を襲っていたのだ
近海に点在していた艦艇は全て火を上げており、中には浸水し船体が傾き、沈没しつつある艦艇も少なくない、海岸線には歩兵達の死体で溢れていたその場所は今まで自分達が経験してきた戦闘のどれにも当てはまらない、本物の地獄を具現化したような風景を作り出していた
そんな瀕死のアメリカ軍を見て誰もが恐怖した。圧倒的兵力で自分達を押していた敵軍が無残にも散っているのだ。次は自分達。次の目標はもしや我々?と恐怖した日本軍はすぐさま撤退を開始。しかし途中アメリカ軍を攻撃していた黒い物体が日本軍にも攻撃を始め、またたく間に部隊は壊滅し、結果として両軍の部隊は共に全滅。軍を壊滅させた物体の勢力は衰えることなく沖縄本土を攻撃し、沖縄は焦土と化した
日本とアメリカはその結果を聞き、すぐさま休戦協定を結び、アメリカ軍は日本の領海から撤退。日本は残存兵力を全て投入し、物体の排除を目指したが日本の攻撃は全く通用せず、軍は壊滅。更には日本の沿岸部に点在していた街という街を攻撃し、国民を震え上がらせた
他国から完全に孤立した日本はすぐさま国と国民を守る為に緊急避難勧告を発令。沿岸部から人々を退避させ、沿岸部と内陸部との間に壁を設置し、人々を海に近付けさせないようにした
しかし数年後、後に深海棲艦と名付けられた黒い化物達に国を襲われ、成すすべもない日本に僅かな希望が現れた
それは艦艇の力を持った少女達である
艦娘と呼ばるようになったその少女達は深海棲艦に対抗出来ると分かり、すぐさま国は艦娘達の支援を開始。僅かながらも少しづつ艦娘達の数を増やし、国は軍を再建。かつて存在していた鎮守府を再興し深海棲艦へ対抗を始めたのだ
深海棲艦が現れてから6年。艦娘達の活躍によって深海棲艦の勢力も落ち国に、街に平穏が戻りつつあった。そんな中、沿岸部に鎮守府とは別の場所に村のような物が形成され始めた。かつてそこに住んでいた住人が頑なに内陸部へ移動せずに沿岸部に固執する国民を少なくなかったのだ。
そんなある日、沿岸部で密かに住んでいた村の住人が一人の男が浜に流れ着いているのを発見する。村人は男を救助し、気がついた男に色々問いかけてみたが、男は何も覚えていなかったのだ。
そして知らなかった。その男によって、村の生活が一変し、村人に希望を与え始める事を…
ザサー ザザー
??「は〜つまんないの〜」
毎日退屈〜〜!!
家に居ても楽しい事なんてないし、海の方が落ち着くけどやっぱり退屈。どっかに面白い事でも転がってないかな?
??「あ〜〜!やっぱりまた塀に登ってる!!」
この声は!!ま、まずい!
俺がここにバレるとまずい!!とりあえず落ち着いて咲に説明しよう。
??「んー?ああ、咲か。どうした〜?」
咲「どうしたじゃないよ!!お父さんとお母さんが海に近づいちゃいけないって言ってたでしょ!!お兄ちゃんも言われたよね??」クワァ
怖!?咲のやつ、母ちゃんに似てきたな……まだ8歳なのにこうだと、将来どうなるんだ?
とりあえず、また家に引き戻されるんだろな……ああ、面倒くさいな〜
??「だって家に居てもつまらないじゃん。だったら海沿いで釣りでもしてたほうがずっとマシだね」ヒョイ
咲「また怒られるよ?「鉄平!!また海に行ったのかい!!」って」
確かに母ちゃんの怒鳴り声はすごいからな〜隣の家にも届いているらしいし……
ん?……咲がここに来たって事は……!!!
鉄平「咲、まさかもう母ちゃんにチクってないよな!?」
咲「大丈夫!まだ言ってないよ!でも早く帰らないと駄目だと思うよ」
それは良かった……
母ちゃんの拳はまじで痛いからな〜あの痛みを思い出すだけでも……
いや、考えるのは止めよう……後が辛い……
鉄平「……仕方ない、家に帰るか」
咲「うん、そうした方がいいよ!さ、早く帰ろ!」ガシッ
鉄平「ちょ、咲!手を引っ張るなって!!」オットットト
咲「でも早く帰らないとお母さんに怒られ…るよ……」
鉄平「ん?どうした?急に止まって……」
咲のやつどうしたんだ?急に立ち止まって。
それに、怯えてる??一体何を見てるんだ?
咲「ねぇ……あれって人…だよね?」ユビサシ
海の方を見てみると、確かに何か浮いてる。
また破壊された町の残骸か?って青いし……あれ頭が見える……?まさか、本当に…!?
鉄平「……ああ、間違いない。人が海に浮いてる!!咲!早く大人の人呼んでこい!!」
咲「う、うん!!」タッタッタッ
町の診療所にて〜〜
??「このバカ!!あれ程海に近づいちゃいけないってあれ程言っただろ!!」ガン!
鉄平「いってえ〜〜!!母ちゃん!何も頭殴る事はねぇだろ!!」ヒリヒリ
母親「お前が言いつけを守らないのが悪い!咲まで言いつけを守らないのとは思わなかったけどさ」
咲「うぅ……ごめんなさい」ペコリ
うぅ…頭が割れる!!
大事な息子にこんなことするか!?咲には優しいくせになんで俺だけこんな痛い目に遭わなきゃいけないんだよ!!
医師「まぁまぁ落ち着いて。ここは病院、他に患者さんも居ますから、ね?」
母親「これはすまなかったね。こいつらが言いつけを守っていれば……それで、その人の容態はどうだい?」
医師「酷いな。命に別状は無いが全身傷だらけだ。打撲痕に切り傷、火傷まで負ってる。まるで戦帰りの兵士みたいだよ」カミペラ
鉄平「確かに、引き上げたおっちゃん達も慌ててたな。早く治療してやらないとって」アタマサスリ
先生がそういうのならこの人は戦いに行ってたってこと??つまりは兵隊さんなのか?
でもこんな人見たこと無いし、それにこの町に兵隊さんは居ないし……また他の町がやられて海に流されたのかな??
母親「う〜ん。てことはこの人は軍人さんってことかい?でも青い服装の軍人さんなんて見たことも聞いたこともないよ?」
医師「ああ、私も知らない服装だ。でも持ち物に身分を証明するものは無い。念の為内陸部の軍事施設、町工場にも電話してみたけど、行方不明者は一人も居ないって。完全な身元不明者だね」
やっぱり、母ちゃん達も知らない人なのか。俺はここに住んでる人なら全員知ってる。
隣の家の人は勿論たまに来る配給の人とも知り合いだし、町に余所者が来たらすぐに分かる。
でもここ最近は町の近くに現れたって話は聞いてないし、一体何処から来たんだ?
あ、そういえばおっちゃんがこれを渡してほしいって言ってたな
鉄平「母ちゃん、その人を助けたおっちゃんがこれが海にこれが浮いてたって」フトコロダシ
母親「ん?…青い帽子?でもこんな帽子見たことない……色から見ても多分この人の持ち物だろうね」ヒョイ
医師「ならそれは私が渡しておくよ。とりあえず、この人は私が預かる。目を覚ましたら連絡するから、ひとまず帰りなさい。もうすぐ日も暮れる」
母親「もうそんな時間かい!?先生、この人を宜しくね!さてと、早く帰って飯の支度をしないとね。鉄平!咲!家に帰るよ!」スタスタ
咲「は〜い!」スタスタ
鉄平「………」
……気になるな〜〜普段兵隊さんと話をする事なんてないし、きっとアレの事についてもよく知ってるはず!!
いい加減家でゴロゴロするのも母ちゃんの手伝いをするのも飽きたし、外で思いっきり遊びたいな〜……
よし!この人に頼んでみよう!!兵隊さんなら色んな経験してると思うし、きっと色んな話が聞けて楽しいんだろうな〜!!
母親「鉄平!!何してるんだい!早くきな!!」
鉄平「は、は〜い!!」タッタッタッ
とりあえずはしばらくは我慢かな。この人が目を覚ましたらすぐに会いに行こ〜っと!!
医師「ふふっ。昔は私もあんな感じだったな。さてと私はこの人の報告書を書かないとね。治ったら村長さんにでも相談してみるかね」カキカキ
ドガァァァン!!
カン!カン!
??『急げ!浸水を止めろ!!!』
??『木材が足りない!!誰か!』
ドーン! ドドドッ!!!
??『うわぁ!?み、水が!』
??『〇〇!?何をもたもたしてる!!訓練通りやってみせろ!!死にたいのか!!』
??『は、はい!!』
この記憶は……?一体何だ??
??『早くしろ!絶対にこのしらぬいを沈めるな!!』
しらぬい?……ここは…船の中なのか?
ドーン!!
??『艦内動力区間にて火災発生。右側面部破損による浸水も深刻化。総員作業中止!直ちに退艦せよ!繰り返す、総員退艦!直ちに退艦せよ!!』
??『班長!!』
??『ここまでか……総員退艦!!このしらぬいを放棄する!!』
??『『はっ!!』』
何なんだ!?これは!!
分からない……!
大事な事だと、自分にここまで問いかけてくるこれは何なんだ!!
痛い…熱い…苦しい……!!
もうやめてくれ!!こんなの、もう味わいたくない!!これ以上俺を苦しめるな!!
『迷い込んできた君が悪いんだよ?』
だ、誰だ!!
『恨むなら人々が生み出した空想や奇跡を恨むんだね?』
お前は誰だ!!
奇跡?空想?一体何の話をしている!!
『まあ、今の君に理解出来るはずが無いよね、また来るよ。与えられたチャンスをしっかりと堪能すると良いよ。紙や鉄屑、人の逸話で語り継がれていた歴史をで目の当たりに出来るんだから』
ま、待て!!まだ聞きたい事が!!
お前はなんだ!お前がこんな物を見せているのか!?
おい!逃げるな!!待てというのがわからないのか!?
いいから……
男「待てと言っているだろうが!!!」ガバッ
男「…………ここは??」キョロキョロ
さっきの場所じゃない……?
なんだこの部屋は?
この匂い……潮の匂い?という事は海の近く?
いや、そんな事はどうでもいい……とにかく、あいつを探さないと!
タッタッタッ! ガチャ!!
男「」ビクッ
医師「どうしたんだね!急に大声を上げて!?」
老人?白衣を着てる……という事は医者か?
ここが病院ならこの部屋の内装にも納得がいく
いや、そもそも俺はいつ怪我をした?そんな記憶はない……どうなっているんだ?
いや、その事ならこの人から聞けばいい話!とにかくあいつを!!
男「ここの住人か?なあ、教えてくれ!あいつは、いっつ!!」ガタッ
医師「おいおい!君は怪我人だ!そんなに暴れるな!」オロオロ
男「あいつは…!俺に話しかけていたやつは何処に居る!!」
医師「な、何を言っている?「良いから教えろ!あいつに聞きたいことが!」…落ち着け貴様ぁ!!!」クワァ!
男「」ビクッ!?
医師「貴様が何を動揺してるか知らん!!だが貴様も日本男子の端くれならばそんなちゃちな事で動揺するな!!」
男「……!」
医師「……すまんな。こう見えても元は軍医だ。こうでもしないと負傷し気が動転している兵士は落ち着かない。分かってくれ……」フゥ
男「いや、かなり落ち着いた。けど俺自身何も覚えていんだ。どうしてもこうなっているか教えてくれないか?」
医師「何も覚えていない?記憶喪失か?お前は海に浮かんでいた所を助けられたんだ。身体中怪我だらけで海に浮かんでいたせいか、かなり酷い状態だったが、今は落ち着いてきている」
男「海に浮かんでいた?それに…怪我??」
医師「ああ、運ばれたばかりの頃は本当に酷かった。傷口が炎症を起こし、酷く化膿していた。半月で治ったとは到底思えない治癒力だ」
男「は、半月?二週間も寝ていたのか!?」
医師「ああ、今は月始めだ。まだまだ残暑が残る環境でよく生き残れたものだ。とりあえず、お前さんへの質問は後だな。今はゆっくり休め、いいな?」
スタスタ
ガチャ バタン
二週間も寝ていた?それに、怪我って……いや、腕や足に巻かれた放題を見れば分かることか。
男「今は落ち着いているべきか……」
それに、頭がボーッとするな……重い……
医者の言うとおり、今はゆっくり休むか……
男「こうやってベッドでゆっくり寝るって……久しぶりだ…な……」
男「……」zzz
男「んっ……よし、動くな」
目を覚ましてから一週間ほどか?
だいぶ楽になったな。まさかあれから三日も寝たきりとは。それに、寝たきりのせいか身体が思うように動かないな…
医者「起きたか?朝食、ここに置いていくぞ」カタン
男「また芋か?流石に毎日芋は飽きるぞ」
医者「ぜいたくを言うな。ぜいたくは敵だぞ?」ストン
男「医者ならもっと栄養のあるものを渡してくれ。芋だけじゃ怪我は治らない」パク
一日二度渡される芋……ただ蒸しただけだから味は薄いし、味付けしたくても塩しかない。しかも俺が知っている塩とは色も味も違う……
慣れないな。この味には…
医者「と言いつつ芋を噛じるのか。そう言われても我々の主食は芋だ。まさか米や魚が欲しいと抜かす気か?」
男「そのまさかだが?いい加減芋は食べ飽きてきたからな。第一、目の前に海があるのに何故漁に出ない?」
医者「説明したはずだ、海には凶悪な深海棲艦が住み着いていると」
男「深海棲艦……ね」パク
俺が目を覚ましてから分かったことは主に3つだ
一つ、俺の記憶が一部分欠如している事。
これに関しては何も分からないとしか言えないな。主に自分がどういう生活をしていたか、自分が何者なのかの記憶がない。自分の名前すら思い出せない
二つ、海には謎の深海棲艦と呼ばれている化物が存在している事。
医者の話から大まかな事を聞いたが、分かっている事を要約すると軍を容易く壊滅出来る武力を持ち、それに対抗出来るのは艦娘と呼ばれている少女達だけという事だけ。
どうやら国民に知らされているのはこれだけみたいだな
三つ、明らかに俺が知っている世界とは違う事
これに関しては上手く説明出来ないが、明らかにこの世界を見ていると違和感しか覚えない。自分が知っている常識とこの村に居る人の常識と明らかにずれている。いや、噛み合っていないという方が正解か?
自分が知っている記憶とこの村の生活とで文明に差があると思う。俺の記憶では生活を助ける家電があるがこの村ではそれが存在しない。いや、一つだけ村には唯一の情報源と呼べるラジオがある。しかし、そのラジオでさえ、俺の記憶が正しければ何十年前に使われていた物とそっくりだった。俺の記憶は間違っているのだろうか??
男「………」モグモグ
医者「……また考え事か?急に黙り込んで」
男「んっ……まぁな。正直記憶が無いとここまで不便とは思ってなかった」
医者「私は怪我や病気なら治せるが、記憶は治せないぞ?過度な期待はしないでくれ」
男「元よりしていない。治せるなら俺はもう治っていると思うからな」ガタッ
医者「嫌味を吐く元気はあるようだな………また海に行く気か?」
男「ああ、芋だけじゃ腹は膨れないからな」スタスタ ヒョイ
医者「物好きなやつだ。この村で海に行こうとするやつは藤村のとこの子だけだぞ?いつ死ぬか分からん場所に行くなんてな」
男「鉄平と咲の事か。安心しろ、もしもの時はあいつ等を抱えて帰ってくる」ガチャ
医者「止めようとはしないのか。まあ、止めても無駄か…………無事に三人で帰ってこい」
男「あぁ、またあんたの顔を見れるといいな」バタン
医者「おかしな男だ。だが、生きる知識はある。重症を負っても帰ってくるな。あの男は」
ザザ~ ザザ~
男「やっぱり芋だけじゃ足りないな…」グウ~
今日はどうするか。前はフジツボやらそこらの巻貝で済ませたが、そろそろ魚が食いたいな。本当なら肉が食いたいが、俺の記憶が正しければ今の時代は牛や豚なんて滅多に食べられてなかったはずだしな。
いや、そもそも釣具も無いのにまともなサイズの魚が取れるはずがないか。ここは無難に、貝と蟹でいくかな。医者のから聞いた事には、ここは潮の流れの関係上、色々な物が流れ着くって話だ。
おっ、さっそく鍋発見!これに今日の獲物でも入れるか。さてと、手頃な岩に貝とかは〜〜
??「あっ!やっぱり海に居たな!!」
男「ん?ああ、お前か、鉄平」
鉄平「また一人で何か食べるんでしょ!?俺も食わせてくれ!!」タッタッタッ
藤村鉄平。俺があの医者以外で話した数少ない村人の一人だ。二つ下の咲と母親との三人暮らしで父親は二人が幼い頃に戦死したらしい
俺が芋だけの生活に耐えきれなくなって密かに海で海産物を食っていた所を影から見られてしまって口封じに食べさせたらすっかり味を占めたらしい。俺が居ないときでもこっそり海に行って貝をつまみ食いしてるみたいだ
男「また付いてくる気か?海は危険だぞ?」
鉄平「そういう兄ちゃんだって海に居るじゃんか!兄ちゃんが海に行くなら俺も行く!!」
男「はあっ……なら、後ろの咲も連れて行かないとな」
鉄平「げっ……咲〜!出てきていいぞ〜!」
咲「………バレてたの?」ヒョコ
鉄平「みたいだよ。でもなんで咲も来るって分かったんだ?」
男「大方、鉄平が持ち帰った貝か何かを食べてその味が忘れられなくなったとかだろ?お前昨日大量に持って帰ってたからな」
鉄平「俺だけ食うのはバチが当たるからな。食べ物は皆で分け合う。これが村のおきてだ!」
男「ただの貝の塩茹でがそこまで良かったのか?もっと美味しい物はいっぱいあるぞ?」
咲「でも美味しかったもん!毎日毎日お芋は嫌!私だってお兄ちゃんと一緒につまみ食いとかしちゃうし」スタスタ
男「兄が兄なら妹も…という事か。なら浅瀬に移動するぞ。今日も貝探しだ」スタスタ
鉄平「よしっ!咲、行くぞ!」タッタッタッ
咲「は〜〜い!!」タッタッタッ
浅瀬にて〜〜
男「この辺りでいいか。そこらの岩やらに黒い貝がくっついているだろうから石をぶつけて取ってくれ。取れたのはこの鍋にでも入れておいてくれ。いいか?黒い貝だけだぞ!!」ヒョイ
二人「「は〜〜い!!」」タッタッタッ
さてと、木材にトタン、破れた服に……これは……洗濯板か?本当に色々な物が流れ着くみたいだな。
おっ、今度は桶か。この位の大きさならちょうど良いなって妙に重いな………なるほどな。底にイガイがびっしりくっついてる。そりゃ重いはずか。
あ、イガイってのは岩とかにくっついてる細長いシジミみたいな黒い貝だ。さっき鉄平達に取りに行かせたのはこれだな。他にもフジツボとか色々食べられる貝がある。ただこういう貝には場所によっては毒を持っているから注意が必要だな。特に港とかに居るやつは。
まあここは潮の流れのもあるし、海自体はとても綺麗だ。昨日もここのを食べたが特に何もなかったし、大丈夫だろうな。
男「とりあえず邪魔だし、剥がすか。ヘラを貰っておいて良かったな」
ガリッ! ガリッ! ペリッ!!
男「よし、とりあえず剥がせたか。後は目的の蟹は………ん?」ゴトッ
カサカサ……カサカサ……
男「居たな………俺が知ってるやつとかなり違うが……」
イソガニ。俺は浅瀬とかにいる人差し指くらいのちっちゃい茶色のカニを探していたんだが、どう見てもあれは手のひらサイズ。いや、それ以上のサイズのやつが目の前に5、6匹いた。
一体何年物だ?それもこんなに沢山。どうやら爪で貝殻を砕いて身を食ってるみたいだな。
って!蟹が爪で殻を砕いて食うなんて聞いたことないぞ!?どんな生き方をしてきたんだよ……
だが、デカイということはつまりそれ程身があるという事だよな?なら悩む必要は無し!
男「すきを見て甲羅を掴む。全部は無理でも2匹位は………「たすけて〜〜!!」……んん??」
??「たすけて〜〜!!だれか〜!!!」
あ〜〜……俺は夢でも見てるのか?
変な服装のちっさい人形生物が蟹に捕まって助けを求めてるように見える……
駄目だな。どうやら記憶だけじゃなく目も頭もおかしくなったみたいだ。早く医者に見てもらわないと
??「っ!そこのにんげんさん!!助けてください〜〜!!」
どうやら夢でも幻でもないみたいだな。今はっきりとこっちを見て助けを求めたぞ?
今!はっきりと!!目が合ったぞ!!!
ふぅ……どうやら俺の頭は正常みたいだ。いや、記憶が無いから正常では無いか………
あぁ!!もう!!!
男「ちょっと待ってろ!!」
ヒョイ ポトッ ヒョイ ポトッ ヒョイ ポトッヒョイ ポトッ ヒョイ ポトッ ヒョイ ポトッ ヒョイ ポトッ……………
ってどんだけ居るんだよ!!もう桶は蟹でいっぱいだぞ!? こいつどんだけカニを引き寄せたんだよ……と、これで最後か
男「ほれ、これでいいか?」ポトッ
??「あ、ありがとうございます〜〜あやうくかにのえさになるところでした〜」
男「そうか、これからは蟹に捕まるなよ?じゃあな」ヒョイ スタスタ
??「はい!!………ってちょっとまってくださ〜い!!」ガシッ
おい、引き止めるな。俺は今蟹の事で頭がいっぱいなんだ。
未確認生物と!じゃれあっている!!時間は無い!!!
早く鉄平達を引き連れて村へ戻るとするか。あいつらもきっと貝を鍋いっぱいにしている頃だろう。今日は大漁だ!!
??「もしかして、げんじつとーひしてます??」
おいなんで考えてる事が分かるんだよ。心でも読めるのか?流石未確認生物。侮れないな
……なんて茶番をしてる場合でも無いな。仕方ない……
男「一体なんだ?俺の目的は達成したんだが…」
??「おいていかないでください!!またかににおそわれちゃいます!!」
男「だから助けろと、そういう訳か。で?何処までお前を連れていけばいい?」
??「つれていってくれるんですか?ならよこすかちんじゅふまでおねがいします!!」
男「……ん?もう一度言ってくれ」
??「よこすかちんじゅふまでおねがいします!!」
よこすかちんじゅふ??
よこすかってもしかして横須賀か?神奈川県の。
でもちんじゅふって……そういえば、確か横須賀には海軍の軍艦停泊地があったな。それで昔は海軍基地の事を鎮守府って呼んでいたような……
男「まさか、横須賀鎮守府か?海軍施設の」
??「はい!わたしはよこすかちんじゅふしょぞく、かがのかんさいきのそうじゅうしです!!」
男「………まじか」ハァ
どうやら、とんでもない拾いものをしてしまったようだな……
軍属の謎の小人か。この先どうなるか、意外にも分からないものだな……
とまあこんな感じで書いていこうかなと思ってます!
何か不自然な所はないですかね?読みにくい、わかりにくいと言われたらすぐ直しますから教えてくれると嬉しいです!!
神作!(なのかなあ?)
続き、楽しみにしてるよ。
五月雨改さんどうもたまに見てマース
そしてこれは面白いです(´∇`)ケラケラ
続き期待してます(*`・ω・)ゞ