2019-12-15 20:47:14 更新

概要

何もないところで派手に転んで頭をぶつけ、現実を見れるようになった提督。
彼はこれまでの自分の勘違いした行動を思い出し、後悔して艦娘に謝罪することにする。

だが、艦娘たちは実は提督のことを嫌っておらず、真面目になった提督にさらに好感を寄せていたのだ――――。


前書き

暇つぶし程度に見ていただければ幸いです。
誤字、脱字があれば、気軽にご指摘ください。
基本的に土曜日更新です。

叢雲(New!)

1000PV突破しました!ありがとうございます!!


それは突然のことだった。


いつもの如く、艦娘たちを労うために艦娘たちの寮に行こうとしている途中だった。

艦娘たちの寮までは何もない平坦な道。綺麗に舗装されており、段差は1㎜とて無い。



――なのに俺は、その舗装された綺麗な道で、盛大に。そう、それは盛大にこけてしまったのだ。


「ぶべらッッ?!」


何故か前方に転倒し、あまりにも勢いがあったのかそのまま頭を打ち空中で前転を決め、地面に轟沈した。


周囲にいた艦娘はそのあまりにも異常な転び方に目を見開いたが、誰も俺を助けようとはしない。

それもそうだ。


何故なら、俺はこの鎮守府で嫌われているのだから。


俺のきざったらしい言動や、士官学校を卒業してから染めたこの茶色い頭。

大して好感度もないくせに、頭を撫でるなど憲兵に通報されてもおかしくないようなこともしていたのだ。


提督「....あぁ、俺、何してんのかなぁ」


ふと我に返り、これまでの行動がフラッシュバックする。高校時代よりも酷い黒歴史だ。


自分が行ってきたその行為に眩暈を覚え、立ち上がったばかりなのに倒れそうになる。


提督「ま、今までの俺は夢を見すぎていたってことか。あまりにも痛いぜ。痛すぎるぅ...」


現実を受け入れたならやることは一つ。まずこの頭をどうにかしなければ。


提督「黒髪染めは...あるな。まず黒に染めてから髪を切りに行くとするか」



~~~~~~




いつもの如く、艦娘たちを労うために艦娘寮に行こうとしている途中だった。

艦娘寮までは何もない平坦な道。綺麗に舗装されており、段差は1㎜とて無い。



――なのに俺は、その舗装された綺麗な道で、盛大に。そう、それは盛大にこけてしまったのだ。


「ぶべらッッ?!」


何故か前方に転倒し、あまりにも勢いがあったのかそのまま頭を打ち空中で前転を決め、地面に轟沈した。


周囲にいた艦娘はそのあまりにも異常な転び方に目を見開いたが、誰も俺を助けようとはしない。

それもそうだ。


何故なら、俺はこの鎮守府で嫌われているのだから。


俺のきざったらしい言動や、士官学校を卒業してから染めたこの茶色い頭。

大して好感度もないくせに、頭を撫でるなど憲兵に通報されてもおかしくないようなこともしていたのだ。


提督「....あぁ、俺、何してんのかなぁ」


ふと我に返り、これまでの行動がフラッシュバックする。高校時代よりも酷い黒歴史だ。


自分が行ってきたその行為に眩暈を覚え、立ち上がったばかりなのに倒れそうになる。


提督「ま、今までの俺は夢を見すぎていたってことか。あまりにも痛いぜ。痛すぎるぅ...」


現実を受け入れたならやることは一つ。まずこの頭をどうにかしなければ。


提督「黒髪染めは...あるな。まず黒に染めてから髪を切りに行くとするか」



~~~~~~


提督「ふぅ...さっぱりした」


髪は元の黒色に戻し、短くなった。


よし、鎮守府に戻って仕事をしなければ....。






翔鶴「え、て、提督、ですか...?」


執務室に入るなり、そう驚いた表情をしているのは翔鶴だ。

彼女は俺が鎮守府に着任した後、数か月後に着任してくれた古参の空母だ。


今も一軍の艦隊として前線で活躍している。


提督「そうだが....」


俺が仕事をしているのがそんなに珍しい――いや、珍しいな。だって俺、艦娘に気に入られようと必死で仕事は碌にしていなかった。

彼女たちとは上司と部下の関係。所詮は仕事の関係なのだ。


あわよくば恋人に――などと考えていた過去の自分を殴り殺してしまいたい。


提督「翔鶴、すまなかった」


翔鶴「えっ?!」


翔鶴は驚いた顔をしている。

それもそうだろう。これまで碌に仕事もせず、チャラチャラしていた奴がいきなり謝っても許してくれるはずがない。


提督「許してくれなくても構わない。だが、これからは絶対に迷惑をかけないと誓おう。すまなかった」


頭を下げながら謝る。

翔鶴にはこれまで沢山迷惑をかけてきたのだ。


ここで謝ることができないのならば、俺は帝国軍人として、男として生きている価値がない。


翔鶴「て、提督、頭を上げてください。私に頭を下げる必要などないのですから....。それに、これから真面目に仕事をしてくれるんだったら、許してあげます」


提督「しょ、翔鶴....。本当に、すまなかった!」


微笑む翔鶴が天使に見えた。いや、翔鶴は天使だったか。

こんな不甲斐ないクズの塊のような俺を許してくれるとは....なんて慈悲深いのだろう。


これからは誠心誠意、仕事に取り組もう。


そして、翔鶴に負担を掛けないようにしよう――――――――。






~~~~~~


提督「――ふぅ。今日の分はもう終わりだな。....ん?もうヒトフタマルマルじゃないか」


謝罪の後、翔鶴には帰ってもらった。これまで仕事をしてもらっていたのだから、さすがに今日もやってもらう訳にはいかない。

暫くは翔鶴に休暇を与え、秘書官の任も解く予定だ。


俺は秘書官がいなくても仕事ができるようにならなければいけないのだ。


提督「久しぶりに自炊でもするか....。俺が行ったら、食堂の雰囲気も悪くなるだろうしな。嫌いな相手とは飯など食いたくないだろう」


執務室に備えてあるキッチンに行き、冷蔵庫の中と炊飯器を確認する。


提督「飯は炊かないといけないな。豚肉と生姜と――よし、今日の昼は生姜焼きにしよう」


必要な材料を取り出し、フライパンをコンロにおいて火をつける。


温まったら油をひいて、肉を乗せた。


提督(そういえば、俺は食堂でよくもあんなことができたなぁ...)


思い出すのはちょうど1週間ほど前のこと。過去の俺はその日、過ちを犯してしまったのだ。

俺はいつものように山盛りのご飯を食べる赤城に、ふと思ったことを言ってしまったのだ。


"お前、食い意地張ってるよな。太るぞ"と。


女性にそのようなことを言うとは、紳士の片隅にも置けない。

男として失格の言葉を言ってしまったのだ。


赤城は別に太っているわけではない。


日頃から鍛錬をしているから逆に痩せているほどで、スタイルは鎮守府の中でトップと言ってもいいほど良いのだ。

それに、彼女は空母だから資材消費が多い。彼女がほかの艦娘より多くの食事をとるのは、仕方がないことだったのだ。


そうだと分かっていたはずなのに、俺は彼女に酷いことを言ってしまった。


提督「謝らないとな....」


俺は焼いたばかりの生姜焼きとご飯を山盛りに持ったお椀をお盆に乗せると、執務室の外に出た。

目的地は空母寮、赤城の部屋だ。


俺はこの生姜焼きとご飯を赤城に渡し、謝罪をするのだ。


時刻はイチサンマルマル。

赤城も部屋に戻っていることだろう。


すれ違う艦娘たちには、俺がこんなものを持っているせいで変な眼で見られる。

ただでさえ変な奴だと思われてるのに、さらに変に思われてしまう。


だが、構わない。赤城に謝罪できるのならば。






提督「あ、赤城、いるか?」


コンコンと扉をノックし、そう言葉を掛ける。


暫くすると、中から「は~い、今行きま~す」と女性の声がする。


赤城「あら、提督?どうしましたか?」


ガチャ、と開かれた扉から出てきたのは赤城だ。

今日は赤城はオフなので、いつもとは違い少しラフな格好をしている。


提督「赤城、前は酷いことを言ってしまってすまなかった」


俺はお盆を差し出し、軽く頭を下げながら謝罪する。


チラッと赤城の方を見るが、赤城はいまいちよくわかっていないらしかった。


赤城「え、えぇと提督、一体どうしましたか....?」


提督「以前俺が赤城に"太るぞ"なんて言ったことがあっただろう?今思い返せば、あれは女性に言う言葉ではなかったと酷く後悔してな。赤城は空母だからほかの艦娘よりも資材の消費が多いと分かっていたにも関わらず、あのような発言をしてしまった。


本当に、本当にすまなかった」


赤城「・・・」


赤城は無言のままだ。やはり、怒っているのだろうか。

それも仕方がない。


年頃の女性に、デリカシーのないことを言ってしまったのだから。


赤城「ふふっ。提督、私は怒ってはいませんよ?」


提督「えっ?」


怒っていない、だと・・・?


赤城の予想外の言葉に、鳩が豆鉄砲を食ったような顔になる。


提督「ひ、酷いことを言ったのに怒ってないのか....?」


赤城「ええ、勿論少しは傷つきましたが、あまりそういうのは気にしないんですよ、私。あ、この生姜焼きとご飯、食べてもいいですか?」


提督「あ、ああ。それは君のために作ったものだからな。勿論構わないが....」


赤城「私のために、ですか。ふふふ、ありがとうございます。それでは、お仕事頑張ってくださいね」


提督「あ、ああ....」



パタン、と扉を閉じてしまった。

果たして俺の謝罪は伝わったのだろうか...?


でもまぁ、赤城が怒ってなくてよかった。

次からはこういうことがないように、発言には気を付けよう。


それに「お仕事頑張ってくださいね」か....。

そんなこと、鎮守府に着任してから言われたこと、あったかなぁ。



「...残りの仕事は明日の分だが、やるか」


一人でそう呟くと、俺は執務室へ歩を進めるのだった。




~~~~~~



「...む。もうイチヨンマルマルか。そろそろ演習が終わって報告しに来る頃だな」


コンコン



....噂をすればなんとやら、ってやつか。ちょうどいいタイミングで演習が終了したようだ。

確か今回の艦隊の旗艦は叢雲だったか。彼女にも迷惑をかけたな...。


「入って、どうぞ」


「....ッ?!し、司令官が仕事をしてる....?!」


「な、なんだその目は」


まるで偽物を見るような目だな。まぁ、今までの俺の態度を見ていればそう思うのも仕方ないか。

初期艦として鎮守府に着任してもらった彼女は、この鎮守府の最古参で練度は既にカンストしている。


一か月ほど前だっただろうか。彼女にプロポーズしたのは。


...あぁダメだ。考えただけで死にたくなる。

なんだよ。「一生俺のそばに居ろ。マイスウィートプリンセス」って。気持ち悪いわ!!


「...あんた、仕事できるのね」


「当たり前だ。これでも提督だからな。....って言っても、これまでの態度だとそう思うのも仕方ないな」


「よくわかってるじゃない。これ、報告書ね。しっかり纏めておくのよ?」


「ああ。いつもすまないな」


前までは無言で書類を渡して去っていった叢雲だが、俺が仕事をしていることに興味を持ったのだろう。

珍しく叢雲と会話が続いた。


「じゃ、私はこれで失礼するわ」


「あ、ちょっと待ってくれ」


叢雲を呼び止めると、机の中から間宮券を取り出す。


「これでおいしいものを食べて体を休めてくれ」


「....ありがと」


そう言って彼女は出て行ってしまった。

少しは見直してくれただろうか。前よりは信頼してくれただろうか。



...ないな。たかが間宮券ごときで彼女が機嫌をよくするはずがないし、見直したりもしない。

やはり、じっくり時間をかけて少しずつ信頼を重ねるしかないのだろう――。



執務室外


(馬鹿司令官。しっかり仕事をしていればそれなりにかっこよく見えるじゃない・・・)


執務室の扉に寄りかかり、ほんのり頬を赤く染めた彼女の姿は実に綺麗だったと、後に新聞記者は語る。



~~~~~~


後書き

編集中に艦これをしてしまう....。欲望に負けてしまいました。
許してください!なんで(以下略

そしてオチが雑ゥ!もっと内容構成を考えなければ...。

登場させてほしいキャラクターなどがいれば、コメントでお教えください...!!
ネタを思いつき次第、更新したいと思います。

因みに翔鶴は大好きです。嫁です。空母大好きです。


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このSSへのコメント

9件コメントされています

1: 桃蜘蛛 2019-12-11 01:42:10 ID: S:ZC5YMd

これは期待ですね

2: SS好きの名無しさん 2019-12-11 06:58:04 ID: S:ci2hlb

↑誤字とか報告してやんなよ

3: SS好きの名無しさん 2019-12-11 08:13:29 ID: S:HuOs-n

主の思い書く金剛が見たいです!ネタが思いつけば是非に!

4: Sizuku24 2019-12-11 18:23:15 ID: S:FQQr_z

>>1 >>2 >>3
1番さん、ありがとうございます!期待に応えられるように頑張りますね!

2番さん、誤字報告はどんどん送っちゃってください!

3番さん、リクエストありがとうございます!金剛も入れようと思います!

5: SS好きの名無しさん 2019-12-11 23:56:30 ID: S:a_pmbl

叢雲が見てみたいです!

6: SS好きの名無しさん 2019-12-13 07:47:52 ID: S:NY8jYc

新しい!
そして期待!

7: SS好きの名無しさん 2019-12-13 23:41:13 ID: S:b-wmPq

メッチャ期待ヽ(・∀・)ノ

8: Sizuku24 2019-12-14 21:50:37 ID: S:psei_J

>>5番さん
叢雲追加しました!短めで、オチが雑になってしまいましたが...申し訳ないです

>>6番さん、7番さん
ありがとうございます!!

9: SS好きの名無しさん 2020-01-13 05:21:10 ID: S:gsIW1z

面白かったです、キャラが増えたら艦娘側の視点とかも見てみたいです。
あと一番最初の髪の毛の色あたりまで同じ内容が重複してるのが気になりました。


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