2020-07-23 13:51:42 更新

概要

今はもう退役したとある提督と艦これの世界の生まれから今現在へ至った歴史を現実の出来事を踏まえ、史実を踏まえ、振り返りながら、懐かしみながら語るお話

http://sstokosokuho.com/user/info/3157
前アカのSSをある程度読んでおくとさらに物語を楽しむことができると信じて話を作っていきます


前書き

この物語はある提督と艦娘たちの歴史をたどる物語
なぜ奴らが生まれたのか、なぜ彼女たちじゃなければだめなのか
なぜ、どうして、その疑問を時にリアルに時にSFに解き明かしていく物語となる


始まり


2012年11月某日


この世界に新種の魚類が発見された。それは機械の鱗を身にまとい漁船の網を破壊していった

けれどそれらが姿を現すのは浅瀬に鮫が現れる確率よりも低かった

被害は少なく人々は次第に忘れていった


12月某日


遂に初の犠牲者が出てしまう。それらは突如現れ近くを航行していた漁船にとびかかり乗組員事その胃袋に入れてしまった

軍はその一報を受けそれらの殲滅に動き出す

けれど並の重火器では奴らの鱗を破ることはできず一度目の攻撃はダメージを与えられず敗北する


何度目かの交戦ののちついに群れの一匹をしとめることに成功する。解剖の結果奴らは魚ではなく今まで見たことのない組織で体を構築した機械に近い何かということが発表された


前回の交戦の結果、歩兵の火器では奴らの装甲を破ることができないという結論が出た。

歩兵の飽和攻撃で何とか一匹を倒したもののやつらは日に日に数を増やしている

軍は護衛艦を使い奴らの掃討を始めた

結果多少の犠牲は出るものの遭遇から1時間もたたずに殲滅にすることに成功する


12月末


しばらく快勝を続けていたが時期に異変が始まる

なんと鎧魚に新種が現れたのである

それは全身に軍艦の砲塔を生やした化け物で何よりも恐ろしいのが体の半分がデカい顎上の形をしており顎の上部から人に酷似した何かが顔をのぞかせている

突如現れた新種は鎧魚を守るように立ち回り護衛艦を次々と沈めていったのである

条約などが絡みそのすべての性能を発揮できない護衛艦はなすすべもなくつぶされて行ってしまう

軍の会議により全面的に武装の解除を行い新種を撃破することに成功する

だが、奴らの手はそこで緩むことはなかった


12月末日


ついに恐れていたことが起きた。前回の会敵以来何とか優勢を維持できていた人類

けれど、その均衡はこの日壊された

今までは半漁人もどきと鎧魚で形成された群と戦っていた軍隊

その日2回目の戦闘の時にまたしても新種が現れたのだ

それは人間の少女の見た目をしていた。決定的に違うとすれば両腕から鎧魚のようなモノが生えておりそこから半漁人もどきとは比べ物にならない火力の砲撃を繰り出してきたのだ

その日人類は初めて決定的な敗北をしてしまう


2013年2月


幾度となく交戦し劣勢を虐げられながらもなんとか制海権を維持していた人類

過去の歴史を頼りに最新鋭の爆撃機や戦闘機などをフル稼働させ少女の化け物たちからの侵攻を抑えていた

ある時軍上層部の発案により燃料機化爆弾が作戦海域に落とされることになった

化け物たちを一か所に押し込みそのタイミングで投下したのだ

結果、敵群体を壊滅させることに成功する。けれど、環境への影響は多大なものとなってしまった

追い詰められた時の切り札としてそれは使われるようになっていった


3月某日


またしても。またしてもそれがやってきてしまう

そう。新たな新種がまたしても表れてしまったのだ

そいつは少女の体に珍妙な蛸に酷似した帽子をかぶっていた

軍はそれを発見次第即時機化爆弾を落とすよう命令を下した

が、そいつは蛸の口を開け艦載機とも思えるものを飛ばしてきた

敵艦載機は徐々に高度を上げていき爆撃機を瞬く間に撃墜していく

開戦当時から戦闘機に乗っていたエースパイロットによる決死の突貫で何とか爆弾を命中することに成功する

が、爆風が晴れた後には傷一つないそいつが悠然と立っていた

結果その日人類は完全なる敗北をし、以降制海権を奪われ続けていた

のちに長い戦いの相手となる敵の名前が決定する

深海棲艦。それがやつらの総称となった

突如海の中から現れる姿からついた名だ


4月中旬


人類はなすすべもなく追い詰められていったのである

一度は核を落とす決断を下すがもうまともに戦えるパイロットは残ってはいなかった

そして敵の艦載機は練度を上げていきもはや人類に勝てるビジョンは存在しない


そんな時彼女たちは現れた

それは旧日本海軍の軍艦が沈んでいる場所から突如現れた

船の艤装を身に着けた少女たちは近海にいる深海棲艦に突撃した。時に単独で、時に複数で攻撃をして制海権を取り戻していったのだ

ある程度戦ったのち彼女たちは軍の上層部に暗号通信を送ってきたのだ。それは第二次世界大戦時の大日本帝国が使っていたものであった

その内容は軍の指揮下に入り深海棲艦と戦わせてくれとのことであった

軍は何日も考えたのちにある男を”提督”として担ぎ上げ彼女たちの指揮にあたらせた

何とか近海の制海権を取り戻した彼女ら達だが次第に数が増えていき”提督”一人では手に負えなくなってしまう。

そして軍がとったのは一般から提督を募集し自らの傘下に入れたのち教育、育成し日本のために戦わせることだった

のちに彼女たちは艦娘と呼ばれるようになる


ここまでが一般に入手可能な情報である


そして月日は流れ7月某日


キャスター「昨晩また深海棲艦の侵略がありました。近くの鎮守府の提督により被害は最小限に抑えられました」


もう何百回と聞いたニュースだ

キャスターも機械のように感情もなく読み上げている

後に提督となりそう呼ばれる男性は携帯のテレビでニュースを見ていた


提督「いつになったら終わるんだろうな。提督なぁ……俺もそれになれたらこのくそみたいな会社ともおさらば出来るんだがな……」


当時の提督はまだ会社人であまり馴染めていなかった

元々の性格も影響して会社での居場所が徐々になくなって言っていたのだ

提督、艦娘というのはニュースで知っているが詳しくは知らない

街を歩いて帰宅しているとふと広告が目に入る


提督「なになに?提督募集?そんな簡単に募集するもんか?」


目に付いた広告には「新規提督募集!あなたもこれから提督に!!」という文字と住所が書いてあった


別に何かが変わるわけがないと思い提督はその住所に向かう


大きなビルの中に小さな事務所があり、人はいないが端末が置いてある

適当に端末をいじると様々な白地の名前が表示される。が、どれを触ってみても反応はない


提督「まぁそうなるな。簡単になれたら誰でも提督だわな。泊地?なんだそれは」


何も出来ないことがわかると提督は家に帰りすぐに床に就く


8月某日


それからひと月たち毎日ストレスを抱えながら提督はすごしていた

職場から帰宅中にある広告が目に入る


提督「これは……この前の広告か?」


それは先月目にしたものと同じ広告だった。違いがあるとすれば住所が違うのと書体が変わり目につきやすいようになっていた


提督「どうせ無理だろうが行ってみるか」


直ぐにその住所に移動する提督

今度はある程度の人がいて顛末に数台の空きがある

提督は端末の前に立ち前回と同じ手順で操作をしていく


提督「ん?ここだけ他と色が違うな…」


リンガ白地の文字が他の白地とは違い薄く青く光っていた

物は試しと提督はそこをタッチしてしまう


端末「新たな提督が着任しました!」


突如端末から音声が流れ提督はそれに驚いてしまう


提督「!?!?」


提督「な、なんだ?どういうことだ?」


何が起きたか分からない提督

しばらくすると端末にウインドウが出てくる

そこには簡単な個人情報(名前、性別、年齢、連絡先等)を入力する所がある

提督は細かいことを考えずそれらを入力していく

次は日時を指定することとなり空いてる日時を指定し登録が完了してしまう


提督「こ、細かい説明も見ずに何も考えずに登録してしまったけどどうするんだ?」


自分が愚かなことをしたと気がつく

状況を理解するために周りを見渡し受付にいる女性に声をかける


提督「す、すみません・・・。細かい説明とかが乗っている洋紙貰えますか?」


女性は馬鹿を見るめで睨んだ後、分厚い紙束をわたしてくる

それを手に家に帰り自分の部屋で読み進めていく

悲しいことにその紙束は細かい説明が乗っているのではなく登録した後のことが書いてあったのだ

その中で一番怪しい文字を見つける


「あなたはこれから艦娘という軍艦を指揮して新たに現れた深海凄艦という脅威と戦ってもらいます」


提督「あー・・・あかん奴や・・・」


当時の提督は仕事を辞めようにも周りへの迷惑のことを考えてしまい簡単に踏み出せずにいた。

しかし、今回の件はある程度の給料、そして衣食住が支給され秘書艦というものが付くということが分かった


提督「秘書艦?秘書官じゃなくて?艦。これは軍艦などの船に使われるほうの漢字だな」


読み進めていき気になったワードを検索し、調べていく

権限などが関係して調べられる限界があるがそれでも調べていく

深海棲艦についてはニュースでしか知らなかった提督は一般解放されている情報を読んでいく

軽はずみで選択してしまったことを後悔し、自分の今後を考える


提督「なるほど。で、軍を指揮するものが提督と呼ばれると。」


調べていくうちに事の重大性に気がつく


提督「これは俺が指揮をするということか?できはなくは・・・できないね。ゲームでも指揮や戦術組み立てる事なんてできないし俺ってコミュ損だろ?それが原因で職場の空気悪いわけで・・・」


提督「あーどうするんだよ!!ん?この文字は・・・」


資料を読み解き調べ自身がうかつに何に登録したのかを知る

そして最後のページに「徴兵令」という文字を見つける


提督「徴兵令?拒否権ないって?てか俺に死ねと!?」


徴兵令とは軍から直々に来るものでありそれを拒否することは理論上できない


提督「ま、まぁこれは確定じゃないはずだ。断れば・・・あれ?徴兵令って強制だよな!?はは・・・この人生面白いこと何もなかったしその時はその時だ。まともに彼女さえ作れなかったし(いたにはいたよ・・・)お国のためにわが人生捧げますか!!」


細かい説明は行ったときに聞けがいいと能天気に考え床に就く


数日後

登録した番号に電話がかかってきて詳しい面接の日程が決定する


提督「二日後の14時に指定された住所の三階に身分証を持って行けと」


後日指定された場所に行き面接を受けた。

登録した理由やいきさつなどを聞かれると思っていたが帰ってきた答えは予想外の答えだった


面接官「君みたいな若い子が来るのを待っていたのだよ。ちょうど前任の奴が問題を起こして艦隊が解体されてしまってね。場所が空いたんだよ」


話を聞くと前任者が艦娘に手を出して憲兵?というものに連行されたそうだ


提督「え?理由とかなんかを聞くのではないのですか?」


面接官「ん?登録した時点で君は提督という職業に努めることになってるよ?」


予想はしていたが拒否権はないようだ


提督「え!?やはり拒否権はないと?それと会社にどう説明すればいいんですか?」


面接官「そこはこちらに任せてください。軍のものが直接会社に話を通す段取りになってますので」


提督「軍の人がですか・・・軍!?」


面接官「ええ。私はこういう面接とかの雑用がメインですがこれでも軍属ですよ?」


そういうとテレビでしか見たことのない海軍のバッチを見せてくれた


提督「すみません。話が呑み込めないのですが・・・」


面接官「まぁここからは私も詳しくないので専門の方に代わってもらいますね」


「ここからは私が話します。あなたは下がっていいですよ」


提督は声をしたほうを向くが姿が見えない


妖精さん「あ、ここですよ」


声は下からする。視線を下げると30㎝ぐらいの後に妖精さんと呼ばれる小人がそこにはいた


面接官「では私はこれで失礼します」


面接をしてくれた人は足早に部屋を出て行ってしまう


提督「小人とは・・・」


妖精さん「今から説明。と行きたかったのですが時間があまりないので移動しながらにしましょうか」


提督「え、どういうことですか・・・?」


妖精さん「話は長いんですよ。そのあと移動してたら遅くなってしまいますので」



情報開示

妖精さん

艦娘と共に現れた未知の生命体だ

艦娘たちの話を聞くと目が覚めるとそばにいて今の状況を説明してくれたそうだ

その話を元に各自行動に移し人類の危機を救った

その技術力は未知数で現代科学から数段階、下手すると100年単位で上をいっている

主に艤装の整備や戦闘の補助、そして鎮守府の管理を任されることが多い

体長は30と小さいがその力は強く鉄骨などを1人で軽々と運ぶことが出来る、がサイズの関係で複数人で運ぶ



提督は妖精さんのあとをついていき軍の車に乗って移動をする

フルスモークされた場違いの車に乗った提督は生きた心地がしなくなっていく


車の中で妖精さんが説明をしてくいく

軍の指揮経験があろうがなかろうが始めは妖精さんの仲間が手取足取り教えてくれるそうだ

提督としてやることは主に鎮守府近海の警備にあたることだ

力をつけてくると長距離の海域の制海権の維持などを任される

場所はリンガ白地にある小さな鎮守府。別にシンガポールにあるわけではなくて白地を作ったときに分けるための名称だそうだ

呉、佐世保、横須賀、舞鶴と規模のでかい鎮守府にはそれぞれ大多数の提督が配備され、それが第1陣となりこれから提督が配備される場所は第2陣となり死角を無くすために新規で建造された鎮守府となり、新人1人につき第1陣からいる練度の高い提督3人が近くに陣取り成長するまでの間守るという形となる

規模としては初めは小さいが戦果をあげていくうちに徐々に大きくなる

人によっては今回見たく転属して新人のフォローに回る人もいる

そのために周辺の土地を買取新規で鎮守府を建造しているのが今の現状となる


妖精さん「あと1時間ほどで到着しますからね」


長々と説明していた妖精さんは一息付きながら後どれぐらいで到着するか伝えてくる


提督「は、はい。ここまで何時間かかってます?暗くなってきてますが」


車に乗ったときは明るかった空だが今では黄昏時に入り暗くなってきている


妖精さん「そうだね。車の町を離れて大体5時間ぐらいかな?」


提督「えぇ!?ご、5時間!?あれだけ説明してもらって5時間!?」


途中お茶などを飲みながら説明を聞いていたが相当の時間が経っていたのだ


妖精さん「あれでも4割ぐらいだけどね。戦果をあげていくうちに取得できる情報を開放していくからそれを抜けば7割といったところだね」


妖精さん「それと荷物は大丈夫?」


提督「あ・・・」


妖精さん「親御さんには事情説明は既にすましてあるから大丈夫。荷物は明日に部屋の中身全部届く手はずになってるから」


提督が話をする前に軍の方が先に話を通していた


提督「中身すべて・・・非常にあかん奴だ・・・」


妖精さん「大丈夫。個人情報に触れるようなことは何もしない。PCの中身なんて特にね」


提督「ひぃ・・・」


提督「さらば我が家。もう会うことはないでしょう」


妖精さん「有給上げるからたまには帰りなよ。親が心配するぞ」


提督「うぇ・・・。了解です・・・」


妖精さん「っと。話が脱線しすぎたね。では初めに秘書艦を選んでもらいたい」


妖精さんは手に持っていたリストをめくっていきあるページを開き見えるように渡してくる


妖精さん「叢雲、漣、吹雪、電、五月雨この5人の中から好きな娘を選んでくれ」


底には5人の女の子の写真が載っていたので


提督「この娘達からですか?あー思い出しました。昔の軍艦の装備を身に着けた女の子・・・そういうことですか」


何かを察する提督


妖精さん「あ!今私たちのことを幼女を戦わせる変態と思ったでしょ!!」


提督「(´・ω・`)違うんですか?」


妖精さん「違いますよ!この子たちは駆逐艦です。えー軍艦の種類はわかりますか?」


提督「(´・ω・`)NO!!」


提督「軍艦=戦艦。OK?」


それが提督にとっての全てである

実際は駆逐艦、巡洋艦、空母、戦艦と詳しく別れている

軽巡と重巡は日本のせいで別れたとか軽空母と正規空母の違いとかを無茶苦茶手取り足取り全力で軍艦について教えられた


妖精さん「はぁ・・・はぁ・・・。理解できましたか?」


提督「(´・ω・`)なんとか」


妖精さん「いい加減その仮面は外してください」


ある時から使っていた顔文字

いつしか気に入り、仮面として作ってしまう始末

結構お気に入りで使い込んでいたりするMY装備豚のペルソナ

提督はかなりそれを気に入っている


提督「で、この娘たちは性能的に大きなちがいがあるんですか?」


妖精さん「特にないですね?強いて言うのなら趣味?好み?ですかね?」


提督「えぇードン引きですわー」ジトー


妖精さん「徐々に提督君の性格を理解してきましたよ?それに初めから戦艦や空母などになると最悪艦娘に殺されますよ?」


提督「(´・ω・`)あっはい」


艦娘といえど性格や人格、好みなどがある

気に入らなければ敵視することもあれば最悪提督を殺害することもある

過去何件か事案が発生している


妖精さん「では決まりましたか?」


妖精さんは焦らせるようにしゃべり始める。いつしかなんども腕時計を確認している


提督「ふむ。性能に大きな違いがない。か。ここは趣味か?だがなぁ・・・」


手に持ったリストをもって考え始めるていとく


提督(吹雪は丸顔であまり好きじゃないし・・・(偏見)叢雲?漢字がすごくて読めないし頭のファンネルっぽいの気になるけど目つき怖いん((((;゚Д゚))))


漣は・・・活発そうだけどなんか違うんよなぁ。電は。ないなぁ・・・。ここまで幼いとないなぁ・・・。となると五月雨?髪綺麗だなぁ。優しそうな顔してるし)


提督「五月雨ちゃん可愛いなぁ・・・」


妖精さん「五月雨ですね」


提督「あ、ちょ!声に出てたの恥ずかしい!!」


妖精さんは携帯を取り出して連絡を始める


妖精さん「ええ。私です。新任の提督の件です」


妖精さん「ようやく決まりましたよ。え?1時間遅いって?まぁまぁそこを何とか」


妖精さん「彼を任せる秘書艦は五月雨にお願いします」


妖精さん「え?彼が危ない?それは彼自身の責任でしょう?」


電話の相手と何やら物騒な話をし始める


提督「話が読めないのですが」


妖精さん「ああ。すみません」


ひとしきり話し終えた妖精さんは提督に目線を向け答え始める


妖精さん「秘書艦を鎮守府に配備したんですよ」


提督「そんな簡単に済む話なんですか?」


妖精さん「ええ。もともと5人は待機してましたから」


提督「あ、森を抜けましたね。あそこに光っているのが私が勤める鎮守府なんですか?」


森を抜けるとサーチライトで照らされ光り輝く港が見えてくる


妖精さん「はい。今は規模が小さいですけどね。鎮守府に着いた後は秘書艦の指示に従ってください」


じきに規模が拡張されるのと初めは初期艦の指示に従うよう指示される


提督「ここまでありがとうございました。勉強になりました。そしてさらに勉強して早く提督として成長したいです」


妖精さん「模範解答みたいでなんか嫌だね。でも君がやりたいことを見つけてそれに全力を注ぐといいよ」


少ししてから鎮守府の敷地内に入り車から降りる


五月雨「五月雨っていいます! よろしくお願いします。護衛任務はお任せください!」


そこには写真より少し幼い五月雨?という娘がいた


妖精さん「では私は設備のチェックをしてきますね」


そういうと妖精さんは工廠のほうに歩いて行ってしまう


情報開示

工廠(こうしょう)

艦娘と建造や装備の開発他には整備などを行う場所

権限が解放されていくと装備の回収や大型建造などが可能になる


提督「・・・。君が五月雨っていうのね」


妖精さんの後ろ姿をある程度見たあと提督は五月雨と向き合う


五月雨「はい!提督!よろしくお願いします!」


空のように澄んだ髪の女の子がいる


提督「ん~まだ提督って呼ばれるのなれないな」


その後、五月雨ちゃんにいろいろと艦隊の指揮の方法を教えてもらった


提督「俺の部屋は提督室から二つ隣か」


今の鎮守府には3階建ての本部となる場所と各艦種の艦娘の寮、そして工廠がある

そしてそこの2回の真ん中に提督室がありそこから2つ隣に提督の寝室が用意された

部屋からすぐ指示が出せるようにと提督の身の安全のためである

提督の寝室には電子ロックとアナログの鍵のロックのふたつがあり簡単に侵入できないようになっている


五月雨に案内されて提督室に移動する

道中何度か躓く五月雨を支えていく


提督室に入る2人

中はダンボールが積み上げられていて机みたいになっている

他には何もない


五月雨「お疲れ様です。わからないことはないですか?」


提督「今のところすべてがわからない。が、今日はもう遅いから続きは明日にしようと思う」


五月雨「では、おやすみなさい」


五月雨と別れた提督は自室に入る

鍵とパスワードは妖精さんと別れるときに貰っている


提督「ここが自室・・・」


ベットとテーブルしかない部屋

備え付けのキッチンと並みのサイズの浴槽があるよくある部屋だ


提督「明日荷物届くんだろ?どう配置してやろうか」


しばらく考えて簡単に図面に起こして寝る準備を整えていく


提督「俺が提督かぁ・・・」


ぼんやりとベットに腰かけていたらドアがノックされる


五月雨「あのぉ・・・いいですか?」


声の主は先程見送った五月雨だ


提督「どうした?」


提督は扉を開ける。そこには枕を持った五月雨がいた


五月雨「一人きりで寝るのが寂しくて・・・」


話を聞くとこの鎮守府には駆逐、軽巡、重巡、戦艦、空母の寮があり、それぞれの艦種はそこで過ごすそうだ

規模は前から大きく徐々に小さくなっていく


提督「バカでかい館の中で一人で寝るのは怖いよな」


五月雨「べ、別に怖いとかじゃなくて!」


提督「今うちには俺と君しかいない。怖いのは仕方ないよな」


五月雨「提督って自分のこと俺っていうんですね」


提督「これでも公私は使い分けてるぞ?まぁ立ち話もあれだし入りなよ」


入口で話しても埒が明かないと考え五月雨を部屋に招き入れる


提督(うわぁ・・・初日に女の子を部屋に入れちゃったよ。てかこの流れは一緒に寝るのか!?)


何かを悟り始める提督

そしてテーブルを挟むように2人は座る


五月雨「それでですね・・・今日ここで寝ていいですか?」


モジモジしながら五月雨は話し始める


提督(まじだよ)


提督「べ、別に構わないぞ?俺も一人が寂しかったところだし」


提督「てか布団は一つしかないぞ?」


五月雨「ふぇ!?」


そんな簡単なことを考えていなかった五月雨はその一言で見てわかるぐらいに顔を真っ赤にしてしまう


提督「まぁ今はそんなに冷えるわけじゃないし俺は床で寝るからベット使ってくれ」


そそくさと提督は押し入れから毛布を取り出す


五月雨「それなら仕方ないですね。じゃないですよ!」


一瞬納得しかけた五月雨はツッコミを入れる


提督「あれか?一緒のベットで寝たいというか?今日会ったばっかの異性と」


五月雨「・・・」


一瞬考えた後に更に顔を真っ赤にする

気のせいか頭の上に煙が見える


提督「俺はもう寝る。タンスにしまってあった毛布にくるまってな。脳が処理しきれないんだよ……」


五月雨「お、おやすみなさい・・・」


五月雨は提督のベット(になる予定)に、提督は床で毛布にくるまる


あまりにも情報量が多く提督の脳では処理しきれなくなった

これから始まる提督という職務のことを考え、艦娘との付き合い方を考え、悩み始めたところで眠りについていく


五月雨(やっちゃったよ……)



1章


次の日


提督「……」


8時すぎに提督は目が覚める


提督「遅刻!!!」


携帯の時計を見て飛び起きた提督


提督「あ…れ……?」


飛び起きたが見慣れない部屋で混乱する


五月雨「な、なんですか!?」


提督のベットで寝ていた五月雨は飛び起きた提督に驚き目を覚ます


提督「誰?」


五月雨「五月雨です!昨日会ったはばかりですけど忘れないでください!」


提督はしばらく考えた後思い出す


提督「あー……。大体思い出した。仕事辞めたんだった」


五月雨「もう……脅かさないでください」


突然起こされて五月雨は胸を撫で下ろす


提督「ええと……おはよう?」


五月雨「おはようございます。提督」


ベットの上で正座した五月雨は朝の挨拶を返してくる


提督「礼儀正しいのね。何すればいいか分からないから教えてくれる?」


五月雨「はい!まずは建造をしましょう!工廠に行きましょう」


提督「了解。とその前に。着替えようか」


お互いに寝巻きのままだったのを思い出し着替えるよう促す


五月雨「へ……?」


水色の水玉模様のパジャマのままの五月雨は自分の格好を理解する


五月雨「わわわわわわ。す、すぐ着替えてきます!!」


昨日寝る前に提督は浴室に移動して五月雨に寝巻きに着替えるよう伝えていた

五月雨は慌てて着替えを手に浴室に駆け込んだ


提督「俺がそこで着替えるんだがなぁ……」


提督は前日に支給されていた提督服に着替える

身だしなみを整え帽子をかぶる


提督「帽子苦手なんだがなぁ……。似合うかな?」


提督は着替え終わって出てきていた五月雨に問いかける


五月雨「似合ってます!」


提督「ありがと。んじゃ案内お願い」


その後部屋を出たふたりは本館を出て工廠へ移動する


五月雨「それでは今日は艦の建造・・・についてやっていきましょう!」


提督「ええと。艦の建造にはあらかじめ支給されている資材を使うと」


前日に手続きを行った時にある程度の初期資材を貰っている


妖精さん「あ、提督さんいらっしゃい。説明入りますか?」


昨日と服装が違う妖精さんが工廠で出迎えてくれた


提督「始めからすべてお願いします」


妖精さんは提督たちを奥にある怪しげな機械がある場所へと連れていく


妖精さん「ではそうですね。支給されている資材をここに投入してください。量はお任せします」


情報開示 建造

建造とは。工廠にあるポットに一定量の燃料、弾薬、鋼材、ボーキサイトを投入して艦娘を建造する

こことは違うところにある集合意識体から特定の意識をトレースし、それに合う肉体をポットの中で錬成する

投入し材料に応じて駆逐艦から戦艦までの艦種の艦娘が建造されることである


提督「今ある資材はそんなに多くないから適当でいいか」


提督はポットの上の投入口に25/3/20/3をそれぞれ投下して建造を開始する


妖精さん「4日ですか。待ってくださいね。今調べますから」


手に持ったリストをめくっていく


妖精さん「軽巡洋艦ですね。隣もあるのでそれも使っちゃってください」


同じ量を隣のポットに投下すると5日間と表示される


もとになる建造時間を4倍してそれを日数と見てます

軽巡なら1時間だから四倍して4時間。4日となります


妖精さん「っとこれは重巡洋艦クラスですか」


それぞれ軽巡と重巡が確定する


提督「やはりかなりの日数がかかるんですね」


日数を見た提督はそうボヤいてしまう


妖精さん「あ、別に私に敬語を使わなくてもいいですよ。今回は特別ですが高速建造材を使ってみましょう」


妖精さんは手に持ったバーナーで容器をあぶっていく


情報開示 高速建造剤


バーナーの見た目をした道具

これでポットを炙ることで中の時間を進めて建造の時間を一気にゼロにする


提督「なんかすごいことし始めたぞ」


先に建造を始めたほうが終わり、扉が開くと中から煙が漏れ出す

煙の中から少女が出てくる


天龍「オレの名は天龍。フフフ、怖いか?」


提督「おぉ~。眼帯」


片目に眼帯をし、ショートボブの少女が中から出てくる

片手に槍を持っているのが気になる提督


天龍「お前が俺の提督か。よろしくな!」


提督「おまけに俺っ娘と来たぞ」


五月雨「天龍さんですか」


天龍「お、五月雨じゃねぇか。元気してたか?」


五月雨「はい!天龍さんもお元気そうで!」


2人は再会を喜ぶ


妖精さん「次はこっちですね」


残ったほうのポットの扉が開き中から女性が出てくる


愛宕「ぱんぱかぱーん!私は愛宕。提督、覚えてくださいね。」


中からは凄いスタイルの女性が出てくる

金髪で肩までの長さの出るとこが出まくっている


提督「おおぅ・・」


五月雨「提督!どこ見てるんですか!!」


今まで見た事なかった女性を前に硬直する提督と提督の目の前で手を振り回す五月雨


提督「っとこれは失礼。ええと……天龍さんと愛宕さんでいいんだっけ?」


天龍「おう。さんはいらないぜ」


愛宕「私もよ~」


提督「昨日できたばっかの鎮守府だけどこれからよろしくな」


提督はそう言うと深くお辞儀をし2人を迎え入れる


妖精さん「まだ資材は残ってますけどどうしますか?」


2回の建造を行うが多少の資材が残っている


提督「今は少しでも戦力がほしいから建造しますか」


まだ提督として始まったばかりの提督は指揮をすることも出来ない。ので、残りの資材を全て建造に回す

日に一定量の資材は支給されるため多少無理をしてもマイナスにはならない


同じ資材量を入れ1日と4日半と表示される


妖精さん「ええと片方は駆逐艦でもう片方は・・・これは運がいいですね」


リストを見ていた妖精さんは運がいいと伝えてくる


提督「まぁ運がいいとか悪いとかじゃなくて今は戦力がほしい」


駆逐艦と軽巡と重巡と建造ができたがまだまだ戦力としては心もとない


妖精さん「では高速建造材がないので時間を待ってください。私は他の艦娘の艤装の整備を済ませますので」


妖精さんは新規で建造された艦娘の艤装の最終調整と整備に取り掛かる


提督「艤装はまだないんだっけ?頼む」


提督「んじゃ歓迎会でもしますか」


天龍「いきなりだな」


提督「昨日提督になったやつにいきなり指揮とれって無茶だろ」


愛宕「そうねぇ~。提督は料理は作れるの?」


提督「なんとかな」


五月雨「わ、私も作れますよ!!」


提督「ここにはまだ料理担当がいないから今いる奴でどうにかしないと」


4人はまだ稼働してない食堂に移動する


提督「んじゃ二人は食堂で待っててくれ。俺と五月雨ちゃんで作れるもの作るから」


1番近い席に2人を座らせると提督と五月雨は厨房に移動する


天龍「あいよ~」


提督たちは分かれて準備に取り掛かる


五月雨「で、何を作るんですか?」


提督「ん~。実は俺ほとんど作れないんだよ」



五月雨「えぇ!?」


提督「いや初対面の女性に見栄をはりたいのが男でしょ?で、五月雨ちゃんは?」


見栄だけで嘘をついた提督

まともな料理すら作れないこの男に料理ができるものか


五月雨「わ、私もそこまでのものは作れませんが・・・」


提督「カレーでいいよな。ルーはここに置いてあるし」


冷蔵庫を開いて中身を確認してカレーの材料があることがわかる

というか何故かそれ以外のものを作る材料がない

毎週食材が支給されるがまだその日まで日がある


五月雨「ではカレーを作りましょうか」


しばらく二人で格闘しながらカレーを作っていく


五月雨「うええん。うまくできないですぅ」


少し前から泣き続けている五月雨


提督「玉ねぎの大きさはでたらめ。ニンジンは無茶苦茶」


包丁をまともに握ったことがない提督は大きさをでたらめに切っていた


五月雨「水の分量は間違えました」


鍋には並々に湯が張っておりルーが溶けだして色が少し変わっている


提督「おまけに五月雨は包丁で指を何度も切りかけると来た」


途中交代した五月雨は何度も指を切りかけたまらず提督が包丁を握ることとなった


天龍「はぁ・・・いつまで経ってもできないと思ったら・・・」


愛宕「提督は料理が苦手だったのね。初めに言ってくれたら私たちが変わってあげたのに」


あまりにも遅いため二人が様子を見に来てしまう


提督「そこは俺に見えを張らせてくれよ」


天龍「で、これはなんだ?スープか?」


提督「カレーだよ!!」


天龍「はぁ・・・俺たちに任せて二人は座ってなって」


そうして二人にキッチンを奪われて提督たちは渋々椅子に座ることになった


提督「あいつら料理できたのかよ」


<愛宕。水がある程度飛ぶまで鍋を頼む。俺は足りない材料を切りそろえておく

<は~い。私はその間に味付けでもしようかしらぁ。ルーも入れなおさないとだわ


五月雨「私としたことが・・・」


提督「はぁ・・・。皿の準備だけでもするか」


提督は立ち上がりそれに五月雨がつづ


五月雨「わ、私も。うわぁ!」


こうとしたら足を躓いて倒れてしまう

すんでのところで提督が抱きかかえる


提督「だ、大丈夫か?」


五月雨「(優しい手・・・)だ、大丈夫です!!」顔真っ赤


提督「顔が赤いぞ?」


五月雨「な、なんでもないです!」


提督「…」


五月雨「…」


天龍「提督先に皿出してお……何してんだ?」


五月雨を抱き抱えたまま2人とも思考停止して固まっていた


天龍「はぁ……。いちゃつきたいのはわかるが後にしてくれ」


ため息をついた天龍は見なかったことにして厨房に戻ってしまう


五月雨「は、恥ずかしいので離して下さい!!」


やっと動けるようになった五月雨は提督の腕の中で暴れ始める


提督「すすすすすすまない!!!。抱きとめたまでは良かったがそのあとのこと考えてなかった。ほんとうに申し訳ない」


五月雨「わ、私がバランスを崩したのが悪いですし提督は悪くありません……」


提督「うぅ……。そ、そうだ!皿出さないと!」


やっと本題を思い出した提督は暑くなった顔を手で仰ぎながら五月雨に見られないようにせっせと皿を出していく


提督(うわぁ……。とっさとはいえあんな大胆なことしちゃったよ……。彼女に悪いことしたなぁ……)


五月雨(凄く暖かくて優しかった……)


顔を真っ赤にしたまま五月雨は動けずにいる


提督「ど、どこか痛めたのか!?」


皿を並べ終えた提督は五月雨を心配して声をかける


五月雨「い、いえ!その「おう!カレーできたぞ!」」


愛宕「あらあらぁ」


鍋を手に持った天龍と炊飯器を手に持った愛宕は見つめあっている2人を見つけてしまう


提督「お、おう……」


愛宕「2人はぁそういう関係なのぉ?」


五月雨「そ、そういう!?」


一瞬考え意図を理解した五月雨は耳まで真っ赤になってしまう


提督「はぁ……勘弁してくれよ……。昨日初めてあったのにそんな関係になれるかよ。それよか腹減ったから飯にしようぜ。俺のせいで遅れてるんだし」


天龍「っち。面白くなると思ったのによォ」


察していた天龍は肩を落とす


愛宕「水気も飛ばして具材も入れ直したからこれで食べれるわ」


天龍「おう。誰かさんたちがめちゃくちゃなの作ってくれたから整えるのに手間取ったぜ」


提督「すまなかったって。じゃいただきます」


スプーンを持った提督はカレーをすくい口に運ぶ


提督「んぐっ!!?」


五月雨「て、提督!?」


口に入れてすぐむせる提督


天龍「んあ?もしかしてお前辛いの苦手なのか?」


愛宕「これぐらいのは辛いとはいえないわよ」


提督「わ、悪かったな!辛いの苦手なんだよ!」


五月雨「か、かりゃい……」


五月雨にも辛かった


天龍「あ、はははは。こいつは傑作だ。あはははは」


腹を抱えて笑い始める天龍と水を飲む2人


愛宕「そんなに笑っちゃ悪いわよぉ。はい。蜂蜜でも入れなさい」


提督「ありがとう。辛いのは置いといて美味いぞこれ」


愛宕「ありがとう。作ったかいがあるわ」


その後談笑をし食事を終える4人


五月雨「片付けは私がやりますね!これ以上2人に迷惑をかけていられません!」


提督「俺も手伝うぞ。それぐらいしか出来んし」


皿を机の上で重ねて運ぶために立ち上がる2人


五月雨「はわわわわ!」


だが、予測通り五月雨はバランスを崩して倒れてしまう


提督「なんか分かってた、よっと」


倒れかけた五月雨の手を掴んで抱き寄せる


天龍「あのなぁ……わざわざ見せつけるんなって」


愛宕「あらあらぁ」


提督「これで4回目だ」


五月雨「は、恥ずかしいのでいい加減離してください!!」


なんだかんだ言って抱きしめたままの提督だった


天龍「早く片付けしろよな」


そう言い残して天龍と、愛宕は部屋を出て割り振られた自分の部屋に行ってしまう


提督「本当に済まないな。けどケガしないように気をつけてくれ」


提督「君に怪我されると色々と困るんだよ」


五月雨「すみません……」


その後テキパキと片付けをする提督と結局2回ほど転倒する五月雨


五月雨「ふぅ。やっと終わりました」


提督「誰かさんがドジらなければもっと早く終わってたぞ?」


五月雨「提督!何度も謝ってるじゃないですか!それに提督もその度に抱きしめてましたよ?」


提督「あ、あれは……。君に怪我されると困るから……」


五月雨「本当は私目当てですよね?」


提督「うぐ……。ああもう!片付けも終わったし執務に移るぞ!何も分からないけど」


顔を少し赤くした提督は誤魔化すように話を切り替える


五月雨「只今の時刻はヒトゴウマルマルですので……」


提督「ひとご……なんだって?」


今まで普通に生活してきた提督にはその独自の読み方を理解できなかった


五月雨「えー……っと15時です」


提督「あー、そーいう?ヒトゴウで15か」


頷きながら納得する


五月雨「では提督室に向かいましょう。私も詳しくは無いですが書類仕事などがあるんですよ」


提督「うえぇ……」


ニガい顔をする提督とその手を引っ張る五月雨は執務室に消えていく


数時間後


天龍「邪魔するぜー」


やっと書類仕事に慣れてきた所でドアがノックされる


提督「天龍さんか」


天龍「おう!さんはいらないぜ。お前が頑張ってるって聞いたから夜食作ってやったぜ」


五月雨「夕食ですね」


時計の針は19時を指していた


提督「なんか済まないな。天龍ちゃ「あ゛?」ひぃ」


天龍「さすがの提督でもそれは許されんぞ?」


提督「怖い……」


五月雨「提督を怖がらせないでください!」


提督「いや……俺が悪かった……。で何を作ってくれたんだ?」


手に持ったままそれを見せるタイミングを失っていた天龍


天龍「カレーだな」


提督「また……?」


天龍「文句あるならやらんぞ?」


提督「あ、ありません!」


結局辛かったカレーを完食した提督はその後1時間かけて全ての作業を終える


提督「やっと終わった……。今後の艦隊活動の申請に資材の配分や使用の報告書、それに新規で建造された艦娘の報告ほかには……」


五月雨「増えた人数分の食料の供給量アップや艤装の申請それに」


提督「周辺の提督に挨拶を含めたメール」


相当量の作業を何とか終えた提督はクタクタになっている


五月雨「もうフタヒトマルマルなので今日は休みましょう」


提督「まさかまた俺の部屋に来るのか?」


五月雨「明日には新しい駆逐艦の娘が来ますけど……」


提督「はぁ……何とか布団を調達したから今日で最後だぞ?」


五月雨「いいんですか?」


提督「なんかもう気にしなくなってきた」


五月雨「変なことしないでくださいよ!?」


提督「するわけないだろ!」


軽く言い合ったあと別れて提督は自室に戻った


提督「やっと一人の時間だ……。いや?違うか」


提督は届いている荷物をにほどいていく


五月雨「し、失礼します。提督いますか?」


ドアをノックして外から五月雨が声をかけてくる


提督「んあ?五月雨か。今開けるから待っててくれ」


ダンボールを開きっぱなしのままドアの鍵を開けて五月雨を部屋に招き入れる


五月雨「散らかってますね」


提督「昼間届いてたみたいだからな。やれるだけやっときたいからくつろいでいてくれ」


だが部屋はダンボールが広がっていたり荷物が拡がっていたりで足の踏み場もない


五月雨「くつろげませんよ?」


提督「来るのはやすぎるんだよ」


改めて五月雨の格好を見て察する


五月雨「あ、あまり待たせてもあれだと思ったので……」


手にパジャマを持っているが髪はまだ水気を持っている


提督「はぁ……。髪、乾かしてこい」


持ってきていたドライヤーを五月雨に押し付けると浴室に五月雨を押し込む


提督「なんでそうなるのかなぁ……」


その後ドライヤーの音と途中櫛を要求してくる五月雨を他所に提督はやれるだけの荷物を片付ける


提督「まさか一緒に寝たいとか言わないよな?」


五月雨「言ったら……どうなります?」


提督「どうもこうも追い出す」


五月雨「冗談です。明日新しい駆逐艦の娘が来るのでこれで最後ですし」


提督「怖いこと言うな。まだ日は浅いがお前のこと信頼してるんだぞ?」


五月雨「ありがとうございます!嬉しいです!」


提督「夜更かしもあれだからもう寝るぞ」


話を終わらせて部屋の電気を切って提督は床の布団に潜る


五月雨「おやすみなさい」(やっぱり気づいてくれないかぁ)


五月雨の思い、提督の思い鈍感な彼にはそれが分からない


翌日


提督「7時……ちこ……!くじゃないな」


時計を見て慌てかけたところで落ち着く


五月雨「おはようございます……」


うっすらと開けた目を擦りながら五月雨が声をかけてくる


提督「起こしちゃったか。んじゃ活動開始と行きましょうか」


目覚めが良かった提督はすぐに身支度をしていく


五月雨「ふわぁ……」


ベットの上で五月雨は大きな欠伸をしている


提督「はぁ……。女の子なんだからはしたないでしょ。早く着替えてきなさい」


変えの制服を五月雨に手渡し浴室に押し込む


提督「可愛いとは思うけど恋愛感情は何か違うんだよなぁ……」


軍服に着替えて帽子をかぶると五月雨が浴室から出てくる


五月雨「……のこ……ださ……」


提督「ん?なんて?」


耳まで真っ赤にした五月雨は声を振り絞っている


五月雨「さっきのことは忘れてください!!」


提督「さっきのって?乱れた服のまま挨拶してきたことか?あくびの事か?」


五月雨「ッ!?」


目に見えて真っ赤になった五月雨は涙目で提督を睨んだ後提督の腹に全力のストレートをお見舞する


提督「ッヴ!」


そのまま提督はうずくまって意識を失う


五月雨「あ……れ?て、提督!?」


数時間後


天龍「はぁ……なんだ朝っぱらからお前たちのイチャイチャを見せつけられなきゃいけないんだよ……」


五月雨の叫び声で駆けつけた天龍は倒れている提督をベットに運び五月雨に説教をしていた


天龍「いくら恥ずかしい姿を見られたとはいえ上官を殴るとか最悪どうなるかわかるよな?」


五月雨「はい……」


天龍「お前に悪気がなかったことはわかるしこいつにデリカシーがないこともわかる」


天龍「まったく……ついてないぜ……」


提督「済まないな……」


目を覚ました提督は天龍に謝る


提督「何とか動けるから建造される……」


立ち上がろうとすると腹の虫が鳴る


天龍「く、はははは!こいつはお笑いだな!!」


腹を抱えて笑い出す


提督「し、仕方ないだろ!」


天龍「んじゃ朝食にしますか。五月雨は愛宕を呼んできてくれ」


五月雨「はい!」


天龍「提督は俺のあとをついて来い。どうせ迷子になるだけだ」


提督は極度の方向音痴で昨日五月雨と別れたあと提督室に戻れなくてウロウロしてる所を天龍に見られている


提督「すまんな」


その後食堂に移動した4人は少し遅めの朝食を食らう


愛宕「天龍ちゃん美味しかったわ。私はこの後重巡寮の掃除をしたいから抜けるわね」


提督「了解。んじゃ2人とも行きますか」


天龍「先に行くなよ。また迷子になられたら困る」


提督「そう何度も迷子になってたまるか。それにしても2人の料理は美味かったぞ」


天龍「逆にお前が出来なさすぎだぞ」


提督「うぐ・・・」


五月雨「新しい仲間を迎えに行きましょう!」


妖精さん「いいタイミングで来ましたね。では、開けますね」


タイミングよく妖精さんが現れる。機械をいじると左の容器の扉が開き中から少女が出てくる


響「響だよ。その活躍ぶりから不死鳥の通り名もあるよ」


中からは五月雨より少し幼い銀髪の可愛らしい少女が出てくる


提督「これは駆逐艦?でいいのかな?」


響「そうだね。暁型2番艦の響だよ。司令官よろしく頼む」


提督「ここにきて司令官呼びか・・・ややこしくなりそうだな」


響「嫌だったかい?」


提督になりそう呼ばれるのには多少慣れてきていたがここに来て新しい呼び名が出てきて困惑する提督


提督「君の好きに読んでくれたまえ」


五月雨「響ちゃん!!」


今まで静かだった五月雨が突如響に飛びつく


響「ああ。五月雨か。元気してたかい?」


五月雨「うん!」


提督「俺はこれから妖精さんに指揮について詳しく説明してもらうからみんなはゆっくりしていてくれ。もう一つの容器が開いたら一度海域に出ようかと思う」


提督「それまでにやれることをやっておきたいんだ」


容器には3日と記されている


五月雨「じゃぁ私の部屋いこ!ここには駆逐艦は響ちゃんと私しかいないから」


響「そうか。っと引っ張らないでくれないか」


提督「お前の部屋って言っても初日以降俺のへっが!!」


提督が余計なことを言い切る前に五月雨は提督の脛を蹴り飛ばして黙らせる


響「大丈夫かい?」


五月雨「大丈夫ですよ。そういう人だから。行こ」


五月雨は響を引っ張る形で駆逐艦寮に走っていく


天龍「そうなると俺は暇になるな」


提督「お前も一緒に勉強するか?」


天龍「そうだな。お前が寝ないように監視してやるぜ」


提督「こりゃきつい」


会議室に移動して妖精さんの元で指揮についてを1から勉強していく


駆逐艦寮


響「ここが五月雨の部屋か。何もないね」


五月雨「うん。だってまだここにきて三日だから」


3日間提督の部屋で寝たということを内緒にする五月雨とそれを察する響


響「なら響は他の娘たちが来るまではここで寝るとするよ」


五月雨の心境を察した響は一緒に過ごすことを宣言する


五月雨「うれしい!」


その言葉を聞いた五月雨は響に飛びつき抱きしめる


響「こら。抱き着かないでくれ。抱き着かれるのなら暁がいいんだよ」


五月雨「え?」


突然の発言に理解できない五月雨


響「こほん。聞かなかったことにしてくれ。司令官はいい人か?」


五月雨「提督?うん。すごいやさしくていい人だよ」


顔がにやけてると言いかけて飲み込む響


響「パッと見ただけでいい人だってわかったよ」


五月雨「今夜は夜更かししちゃおっか。私たくさん響ちゃんと話したいの」


響「ははは。あと三日は暇なんだろ?話すことなくなっちゃうよ?」


五月雨「大丈夫!提督のことたくさん話すから!」


響「これは面白くなりそうだ」


その日二人が床に着いたのはフタサンマルマルを過ぎていた


次の日


提督は朝から昨日の続きをしながら復習も兼ねて天龍相手に練習する


天龍「腰が座ってないぞ!シャキッと声出せ!」


人見知り気味の提督には指示を出すなど難しいこととだ


提督「わかってる!だから付き合ってくれ」


五月雨「何やってんだろ?」


会議室の前を通った五月雨と響はその光景を目にする


響「邪魔しちゃだめだよ」


五月雨「うん。ご飯食べたら部屋に戻って話の続きしよ」


昨日の夜から付き合っている響は少し疲れているが五月雨のにやけた顔と嬉しそうな顔を見てそれを楽しんでいる


響「ちなみに今どれぐらい?」


五月雨「んー6割?」


響「参ったな今日の夜には話すことなくなっちゃうね」


五月雨「そしたらお互いのこと話せばいいじゃん



2人は談笑しながら駆逐艦寮に帰っていく


その後提督は徐々に力をつけていく


そして2日が経つ


提督「大体の指揮系統は理解した」


天龍「まさかノート冊にわたってメモするとは思ってなかったぞ」


提督「俺は昔から気になったことは調べないと気が済まないタイプでな」


提督は常にメモを取ったノートを持ち運んでいる

そこには2人に教えてもらったことから自分なりに調べたこと、そしてそれを応用することなどが書き込まれている


提督「俺の不備で君たちを沈めてしまっては目覚めが悪いというか俺が死にたい」


天龍「まぁその時はその時だろ。あんまり思い込むなよ」


響「眠たい・・・」


五月雨「ご、ごめん・・・」


工廠に集まった4人

愛宕は未だ来ていない間宮の穴を埋めるために料理などに専念している


提督「二人は打ち解けてるみたいだな」


眠気まなこの二人を見て微笑む提督


天龍「まぁ毎日23時まで起きてればな」


妖精さん「あと5分です」


提督「今ある資材は2000以上。開発資材もそれなりにある」


提督が考えていると扉が開き少女が出てくる


夕張「はーい、お待たせ?兵装実験軽巡、夕張、到着いたしました!」


緑髪のショートボブの少女は夕張と名乗る


提督「駆逐艦か」一部を見ながら


夕張「あっていきなりそれはひどくない!?」


天龍「ああ。俺もそう思うな」獲物をのどに突き付けながら


五月雨「ほんっとデリカシーないですよね!」


提督「じょ、冗談だって。天龍はそれをしまいなさい」


不備の事態に備えて天龍は自分の獲物である槍を常に携帯している

本来、艤装は鎮守府内での装備は禁じられているがそれはあくまで艤装であって獲物などの携帯はある程度許可されている


夕張「ふむふむ。軽巡1、駆逐2、それにぴぴっときました。重巡が1ですか」


空を見上げて右手でこめかみを抑えて艦隊を当てていく


提督「電波少女?」


夕張「違いますって!電探で調べたんですよ。わたしにやることはありますか?」


妖精さん「それでは艤装のチェックをお願いします。あいにくとできたばっかの鎮守府なので人手が足りてないんです」


夕張「なら夕張さんにお任せあれ」


妖精さんは艤装が格納されている部屋に夕張を案内する


提督「高速建造材も一定数ある。戦艦を作ってみたい。お前たちはどう思う?」


天龍「いきなり戦艦は荷が重いだろ。というか俺たちを戦わせろ!」


提督「そういうと思った。俺の中の作戦もいい感じに仕上がっててな」


五月雨「出撃ですか?」


提督「ああ。鎮守府近海の制海権を取り返すぞ」


響「腕が鳴るね」


天龍「いよっしゃ!!世界水準を軽く超えてる天龍様の実力見せてやるぜ!」


提督「戦艦を建造に挑戦して完了するまでに近海の制海権を取るという作戦で行くが異論はあるか?」


誰も口を開かない


提督「なら建造させてもらう。一度きりだがな。残った資材で攻略していくだけだ」


40/3/60/3を投入する

表示には20日と映し出される


妖精さん「これは戦艦ですね」


中にはうっすらとシルエットが見える


提督「いよっしゃ!!あとは彼女が出来上がるまでに近海を制圧。そして艦隊の練度を上げていくぞ!」


全員「おー!」


提督の掛け声にみんなが答える


そして鎮守府近海、鎮守府正面海域に響、五月雨、天龍、愛宕の4名で出撃する

夕張は艤装のチェックなどがあり待機している

提督は艦隊の後方数百メートルで船に乗って着いてきている


五月雨「すぅ……はぁ……」


艦隊の旗艦は五月雨である


天龍「肩の力をぬけ、お前一人で全てを背負わなくていいんだ。周りを見て指示を出せばいい」


その手のことに慣れている天龍だが提督が五月雨を旗艦にしたことで補佐を買ってでた


提督「あー聞こえるか。聞こえてるなら答えなくていい。これより第1次作戦を始動する。近海を警戒しながら敵深海棲艦を索敵。見つけ次第倒してくれ。みんなまだ練度が低い。練度上げも含めてここを反復出撃する。五月雨はその間に感を掴んでくれ」


天龍「さまになってんな。んじゃ行きますか」


五月雨「はい!複横陣で移動しながら索敵してください」


愛宕「りょうかーい。索敵行くわよ」


電探を起動して索敵していく


愛宕「前方10キロに適性反応。反応からしてイ級だわ」


提督「了解。陣形を単横陣に変更。射程に入り次第砲撃を始めてくれ」


砲撃戦とは

敵と抜擢して打ち合いを始めること

各艦種ごとに射程が決まっていて長いものから先制して攻撃する

その後雷撃戦に行こうし魚雷を装備している艦種が魚雷を放つ。相手が生存していた場合夜戦へと移行する


提督は手に持ったノートを読み練習の成果を見せていく


愛宕「主砲、うてぇーい!」


愛宕の主砲が火を吹き複数の弾が発射される

イ級に命中するが致命傷にはならない


天龍「っち。俺も続く!」


そう言うと槍を横なぎして砲撃する


提督「っおま!それ砲撃機能ついてんのかよ!!」


普通の槍だと、肉弾戦や近距離専用の護身具だと思っていた提督は度肝を抜かれる


天龍「うっさい!」


命中はしたが角度が悪くダメージが伸びなかった


天龍「お前のせいで集中が切れただろ」


深海棲艦は特殊なフィールドを持っている


情報開示 フィールド


深海棲艦は特殊なフィールドを所持している

イ級クラスなら対人兵器の飽和攻撃で破ることが出来るがサイズがでかくなるとその出力も上がる

人類が敗北した一番の原因とも言える

これにより基本的な武装は全部無力化されてしまう

けれど艦娘にも同じものが備わっている

彼女たち曰く精神力や気力で貼るという

このフィールドはお互いに敵対する場合鑑賞しあって消滅する

その結果艦娘と深海棲艦はお互いを攻撃することが出来る


五月雨「だったら!」


すかさず五月雨が砲撃する


イ級「ピィィィ」


機関部に直撃し爆発とともにイ級は海に沈んでいく


響「敵、轟沈を確認したよ」


提督「お疲れ様。初めての戦闘だったがどうだ?」


愛宕「カンが鈍ってるわ」


五月雨「運が良かっただけです」


提督「なるほど。引き続き警戒しながら索敵してくれ」


その後駆逐艦3隻の編成と戦い1度帰還する


天龍「ふぅ。みんな無事に帰ってきたぜ!」


響が小破した以外は誰も被弾していない


響「やられたよ。雷撃まで敵が残るね」


提督「そうだな。今は練度上げがメインだからもう一度出撃してくれ。同じように戦ったら帰投して昼休憩だ。そのあとは2回ほど出撃して今日は終わりだ」


天龍「おう!もっと強くなってやるぜ!」


その後出撃をし案の定響が大破する


響「派手にやられたよ。司令官いいかい?」


提督「なんだ?」


響「恨んでいい?」


提督「なんで!?」


天龍「小破とはいえ被弾してるんだ。それで出撃する奴がいるか」


提督「あー……すまない……」


響「あの程度を避けれなかった響が悪い。別に本心じゃないから安心して」


提督「安心できるか。次からは気をつけるからな」


提督「んじゃ昼食にするか」


響を入渠させ1時間後に昼食を取る


提督「カレーか」


天龍「嫌ならお前の昼飯は抜きになるぞ?」


提督「そうじゃない。他には無いのか?」


天龍「無いな。材料がこれしかないからな」


備蓄はカレーか肉じゃがを作るしか無い

次の補給日は明後日である


提督「スパイス気かけせて味の変化欲しいんだよなぁ……」


同じカレーを3日間連続で食べている

間に肉じゃがが入るが基本夜はカレーのみであった


天龍「それが届くのが明後日だろ」


提督「分かってるって!なんだかんだお前の味好きだぞ?」


天龍「ッバ!い、いきなり何いいやがる!!」


突然顔から火を噴く天龍とそれに驚き理解できない提督


五月雨「ほんっっっとこの人は……」


響「最低だね」


提督「お、俺が悪いのか!?」


天龍「そ、そんなに俺の味が好きなら今夜覚悟しとけよ!!!」


顔を赤らめた天龍は提督を指さすと宣戦布告する


提督「え?殺されるの!?」


響「もういいや。カレー食べるね」


2人がワーワー言い争ってる間に他のみんなはカレーを食べることにした

その後長い休憩の後2回ほど出撃してその日の出撃は終わる

そして夜のカレーは天龍の宣言通り辛口が出され提督は泣きながらそれを食べることになった


天龍「おらおら!!俺の味が好きなんだろ?だったら残すんじゃねぇぞ!!」


提督「た、助けて……」


何故か提督のカレーだけが辛口でほかのカレーは今まで通りだった

そして昼の1件もあって誰も提督に助け舟を出すことは無かった


次の日


提督「昨日は散々な目に……」


提督室で職務に当たっている提督は目が腫れている


五月雨「あれは提督が悪いですからね?」


提督「なんでだ?俺何か変なこと言ったか?」


五月雨「はぁ……。ほんとこの人は……。もういいです。今夜も辛口になるよう天龍さんに陰口言っときますね」


提督「なんでだ!?」


五月雨「提督はご自身の発言に責任を持ってよく考えてから言うようにしてください」


提督「なんでかなぁ……」


五月雨「はぁ……」


五月雨は自分の思いも含めて発言していくが提督はそれに気がつくことは無い

そのあとはやれる書類仕事を終わらせて出撃することなくその日を終える

その後は日に4回ほど出撃し艦隊の練度と新規の艦娘を抜錨していく


提督「建造されるまで後4日」


それなりの艦娘を抜錨していったが艦隊の編成は大きく変えてなかった

様々な性格の艦娘に困惑しながら何とか提督としてやっている


五月雨「楽しみですね」


五月雨は練度を上げていっている

天龍たちもそれなりに練度が上がっていて製油所地帯沿岸までの海域まで制海権を取り戻している


提督「お前たちも強くなったよな」


上がった練度をパソコンの画面を見ながら提督は確認する


五月雨「まだまだですけれど提督のお役に立ちます!」


その日は3回ほど出撃して終える


夜、提督室にて


提督「やぁーと今日が終わった……」


制服も脱がずにベットに倒れ込む


提督「毎日毎日色んな艦娘と話して出撃してくれ指示出して書類仕事こなしてだ。精神的に参ってきたわ」


元々素のスペックが高くない提督は提督の職務をこなすだけで手一杯で毎日をギリギリに過ごしていた


提督「なんにしても弱ってる姿は見せられない。それだけは俺が嫌うことだからな」


周りに心配させないよう、自分の意思を弱らせないよう意識を固くしていく


制服を脱ぎ洗濯し、風呂に入り寝巻きに着替える


???「提督今よろしいでしょうか?」


髪を乾かすためにタオルで拭いてる時にドアがノックされる


提督「こんな時間に誰だ?」


立ち上がりドアに向かいロックを外す

今の時間はフタフタサンマルを回っている

扉を開けると五月雨が後ろに手を組みながら立っていた


五月雨「やぶにすみま……きゃう……」


提督の格好を見ると五月雨は手で顔を隠して後ろを向いてしまう


提督「ど、どうした?」


今の提督はシャツと半ズボンに肩からタオルをかけている姿だ


五月雨「あ、いえ……」


手で顔を隠しながら隙間からチラチラとこちらを見る五月雨


提督「あーだらしない姿ですまない。筋トレした後に風呂はいってたからな」


五月雨「そ、そうだったんですね……。なんか新鮮です……」


顔を少し赤らめながら五月雨は提督の自室に入っていく


五月雨「汗の匂いが……」


提督「うおあ!い、今換気するから我慢してくれ!」


五月雨「……」


提督「……」


窓を前回にしたあと2人は机に向かい合って座って黙ってしまう


提督「そ、そのどうした?」


五月雨「えっと……色々起きすぎて忘れちゃいました……」


下を向いた五月雨はか細い声でそう答える


提督「えー……」


五月雨「というかなにもなしに来ちゃ……ダメですか……?」


上目遣いで五月雨がみてくる


提督「ダメじゃないけど……」


提督「というかそういう仕草とか発言とかむやみに使うなよ。俺だからいいけどほかの男だと何されるかわからんぞ?」


五月雨「て、提督だからやってる……」ッボソ


提督「なんだって?聞こえなかったわ」


五月雨「な、なんでもないです!あ、思い出しました!」


五月雨「もし、もしですよ?艦娘に恋愛感情を含めた告白を受けたら提督はどうします?」


五月雨は自分の感情や思いもおりまぜながら発言していく


提督「んーどうだろうな。俺自身モテないの知ってるし俺なんかにはもったいないし。その気持ちは有難いけど受け取れないって言って断るかな」


五月雨「そ、そうですか……」


それを聞いた五月雨の表情は暗くなっていく


提督「それに仕事に私情を持ち込むのは俺の主義じゃない。でもまだ全ての艦娘と出会ったわけじゃないからもしかしたらがあると思うし」


五月雨「……」


五月雨(やっぱり……。私の気持ちは伝わらないしあの人には分からないんだ……)


提督「どうした?それを聞きに来たんだろ?」


五月雨「は、はい……」


提督「んん?もしかしたらこの話ってさみ「違います!!」」


五月雨「ち、違いますから!」


目の端にうっすらと涙を貯めた五月雨は提督の話をさえぎる


提督「まぁそうだよな……結構仲良くなってきたと思ってたけどやっぱり上司と部下だもんだ……」


提督「思い込みとかほんと最低だよな……すまない……」


五月雨「な、なんで泣きそうなんですか……」


提督「昔ちょっとあってな……。本当は女の子と話すの怖いんだよ……」


五月雨「え……」


提督「仕事と割り切ってるから話せれるけどプライベートになると辛い」


五月雨「すみません……。答えてくれてありがとうございました。もう寝ますね」


提督「こっちこそすまんな。まぁ五月雨は可愛いから告白とかされたら受けるかもな。ははは」


五月雨「!?」


その発言を聞いた五月雨は音が聞こえそうなほど顔を真っ赤にする


提督「まぁでも見た目もあって犯罪臭するからつきあえないけどな!……っがぁ!!!」


顔を見られないように下を向いていた五月雨は突然提督の膝を蹴り飛ばし溝打ちに膝蹴りを入れ、そのまま提督の足を払い部屋から飛び出していく


提督「う……が……」


声にもならない悲鳴をあげながら提督は気絶する


翌朝


天龍「起きてるか?遅刻してんぞー」


普段提督が起きてくる時間になっても起きてこないので天龍が起こしに来る


天龍「返事がないか。まだ寝てんのか?そんな疲れるようなことしたか?」


ここ連日のことを思い出して寝坊するようなことがないのを確認する


天龍「はぁ……。おれがおこすの、あれ?」


鍵がかかっているであろうと思いながらドアノブを回すと扉が開く


天龍「おいおい。三重だか何重だかか忘れたが鍵あんじゃねぇの……おい!!」


扉を開けると床で提督が蹲り気絶している


天龍「おい!大丈夫か!!誰にやられた!!まさか敵襲か?いやそんな気配は電探には……」


提督を揺さぶりながら電探の反応を探す天龍


提督「うぐ……」


天龍「しっかりしろ!くそ!」


埒が明かないと考えた天龍は提督を抱き抱え医務室まで走る


医務室


天龍「はぁ……はぁ……」


さすがの天龍も大の大人の男性を運べば息も切れる


提督「いっつ!」


ベットに横たわらされた提督はしばらくして目を覚ます


天龍「やっと起きたか。誰にやられた!覚えてる限りでいいから答えろ!」


提督「こ、こは……天龍……?」


天龍「俺だ。お前の自室で倒れてたのを見つけてここまで運んだんだ」


提督「倒れ……五月雨……」


倒れる前の記憶を思い出し五月雨の名前を口にする


天龍「五月雨?あいつもやられたのか?いや朝あってんぞ?」


提督「いや、あいつに……」


天龍「話がおかしいぞ。詳しく聞かせろ」


昨日の出来事を細かいところを伏せながら天龍に伝えていく


天龍「く、ははは!あははははは!」


それを聞いた天龍は腹を抱えて床をころげ回る


提督「その反応は酷くないか!?殴られたんだぞ?!」


天龍「はははは!これは面白い。どう聞いてもお前が悪いわ。はははは!」


目に涙を浮かべながら天龍は提督が悪いと伝える


提督「俺が悪い!?何もしてないのに……いつつ」


全力で殴られた胸をさすりながら心当たりがないと答える提督


天龍「ほんとお前って最低だよな。あいつの気持ちも考えないで。これ以上は俺は答えないからな!」


笑いながら天龍は足早に部屋から出ていく


提督「あいつの事なぁ……。俺への気持ちは理解してる。けれどあの見た目じゃ純粋に犯罪なんだよ。それに彼女と言うよりは娘とかそういう風に見ちまうんだよなぁ。結婚してないけど」


ベットに横たわった提督は誰に言うことなく天井に語り掛ける


五月雨「やっぱり気がついてたんだ。でもそんなことじゃ諦めきれないですよ……」


ドアの外で中に入ろうとしていた五月雨は提督の独り言を聞いてしまう


五月雨「だったらいつか振り向いてもらうためにもっと頑張らなきゃ!」


そう決心して医務室から離れていく五月雨。そして遠くで盛大にすっ転ぶ


提督「俺だって馬鹿じゃねぇぞ?」


そこまで聞き取れてないものの内容はある程度聞いていた提督


提督「このままじゃいかんな」


痛みに耐えながら立ち上がり天龍が持ってきた制服に着替え提督室に向かう


提督「すまない。ちょっとあって遅刻した」


何も知らないという顔で部屋に入り掃除をしていた五月雨に謝る


五月雨「お、おはようございます……」


提督「声が小さいぞ?朝食はちゃん食べたか?」


提督「昨日のことは俺が悪かったから機嫌を治してくれないか」


五月雨「……」


提督「無理もないか。仕事しますか」


その後沈黙が続く中書類仕事をしていく


五月雨「お茶入れました」


しばらくすると五月雨が後ろに手を組みながらお茶を入れてくれる


提督「すまないな」


五月雨「昨晩はすみませんでした……。錯乱してて……」


提督「殴ったことか?蹴り飛ばしたことか?」


五月雨「全部です!提督に手を出してしまいました……。上官に……。私はどうなりますか?」


提督「あー天龍に聞いたわ。どうしたいんだ?」


五月雨「……やです……」


提督「ん?」


五月雨「解体は嫌です!」


提督「ぷ、はははは」


突然提督は笑いだしてしまう


五月雨「え……?え……?」


提督「誰もそんなことしないわ。別に俺は怒ってなんかないぞ?」


提督「それにあれは俺が悪いと言ってるだろ?それかアレか?バツが欲しいとかか?」


五月雨「そうだけどそうじゃないというか……」


提督「だったら今日は俺の部屋で寝るか?いっその事二人い……」


天龍「ええ。はい。うちの提督が艦娘に手を挙げて。はい。もうすぐ?わかりました」


冗談を言っていたつもりの提督は話を聞いて電話をしている真顔の天龍と目が合う


天龍「よかったな。これから憲兵が来るってよ」


提督「へ?」


天龍「五月雨を見ろよ。うずくまって泣いてンぞ?」


今まで黙っていた五月雨の方を見るとうずくまって小さい声が聞こえる


提督「あー……。あー……」


全てを察した提督は


提督「本当に申し訳ありませんでした!!」


すごい勢いで土下座をする


提督「今のは俺の失言だし悪いのは俺でしかない。何度も何度も申し訳ない!!」


頭を何度も地面にたたきつけなから五月雨にあやまる提督


五月雨「……」


天龍「ふふふ」


それを見ている天龍はバレないように笑いをこらえている


提督「多分謝れるのはこれが最後になると思う。俺はこれから捕まるし戻ることはないと思う」


五月雨「……はは……」


提督「だからゆるし……あれ?」


うずくまったままの五月雨は肩を上下させて笑いをこらえている


天龍「も、もうむり……はははは!」


後ろでは天龍がまた転げ回っている


提督「な、なんだ?」


五月雨「やった。やった!」


顔を上げた五月雨は目に涙を浮かべながら笑っている


提督「どういうことだ?」


五月雨「はははは!ほんと提督は面白いですね!ははは」


女の子座りをしている五月雨はお腹を抑えながら声を上げて笑っている


提督「天龍ゥ!!」


察した提督は天龍の方を見るがそこには誰もいない


提督「あの野郎逃げやがったな!」


五月雨「あーあほんと面白い。これで懲りましたか?」


提督「あ、ああ。完全にセクハラだわ」


五月雨「殴られるより効きました?」


提督「思いっきりな」


五月雨「これに懲りたらセクハラまがいの発言は控えてくださいね」


提督「控えるよう努力するけど君もだぞ?」


五月雨「へ?」


提督「俺に対しての発言の数々、無防備な姿それらを気をつけろってことだ」


提督「俺だって男だ。恋愛対象にならなくても溜まるもんはあるぞ?」


五月雨「まーた言った」


提督「うっそやん」


五月雨「ふふ。冗談ですよ。それに提督にだけですよ?」


提督「なにがだ?」


五月雨「何がでしょうねぇ?」


いたずらっ子っぽく笑った五月雨はそのまま仕事に戻る


提督「んん?」


意図を理解できない提督も仕事に戻る

その後やることをやりながら3日が経つ


提督「ふわぁ……」


眠たい目を擦りながら提督は提督室に移動している


五月雨「昨日は提督が寝かせてくれないから……」


その横を五月雨が歩いている


提督「仕方ないだろ。資材管理や他のことが重なりすぎて俺一人じゃ手に追えなかったんだから」


ここ数日の出撃や練度上昇の資材消費量上昇など色々と重なり資材管理が追いついていなかった


五月雨「別に次の日にやれば……ふわぁ……」


手で口を抑えてはいるが大きく欠伸をしてしまう


提督「羞恥心とか無いのか?」


五月雨「ありますよ?でも提督じゃないですか」


提督「どういうことなのよ……」


五月雨「朝ごはん食べたら新しい艦娘を迎えに行くんでしょ?」


提督「おう。ここまでながったな色んな子を抜錨できたけど戦艦はまだだからな」


五月雨「食材もやっと入ってきましたし何食べます?」


提督「朝は白米と味噌汁に限るだろ。あ、君には作らせないからな」


五月雨「な、なんでですか!!」


提督「昨日任せたよな?指切ったよな?」


五月雨「っは!」


五月雨は右手に絆創膏をしている。そして後ろ手に隠す


提督「むしろ豆腐切るだけで指切るやつに任せたくないわ」


五月雨「作りたかったのになぁ……」


天龍「毎日毎日イチャイチャして飽きないのか?」


2人「!?!?」


いつの間にか二人の横を歩いていた天龍に驚く


提督「おっまいつから!」


倒れかける五月雨を支えながら大声をだす提督


天龍「いつからも何も途中で目に付いたから横を歩いてたぞ?」


五月雨「べ、別にイチャついてなんて!」


体制を建て直して提督の手を払い除けた五月雨が否定する


天龍「お前たちはそう思ってても俺達にはそう見えるぞ?」


にやにやしながら天龍がみてくる


提督「はぁ……。隣にいるということは朝食作ってくれるのか?」


天龍「毎日作らせておいてよく言えるよな」


ここ数日は愛宕と天龍が日替わりで食事当番をしている

朝食を食べた後工廠に移動する


提督「鎮守府近海の制海権はある程度は取り戻すことに成功した」


移動しながらこれまでのことをまとめ始める


天龍「艦娘も着々と抜錨してきてるしな」


五月雨「この鎮守府も大きくなってきましたね」


何度も出撃していくうちに艦隊は大きくなっていた

大本営からはようやく間宮、伊良湖、大淀、明石の四名が派遣されることが決定した


提督「駆逐艦は・・・白露型がそれなりに来てほかにも多数。軽巡は由良型?だっけかが幾数人は来たな。重巡は・・・ほとんど来てない」


あれから五月雨を秘書艦として天龍を補佐に艦隊運営を行っている

五月雨の能力は申し分ないが如何せんドジなため天龍がその後片付けをする形になっている


提督「んじゃお披露目と行きますか」


三人は工廠の建造エリアに到着する

端では夕張が明石に引き継ぐ準備をしながら装備のチェックをしている


五月雨「新しい仲間ですね♪」


扉が開き煙が流れ出てその中から女性が現れる


榛名「高速戦艦、榛名、着任しました。あなたが提督なのね?よろしくお願い致します。」


榛名「提督・・・」


煙の中から現れた女性は巫女服?のような服を着ていてうっすらと白みがかった髪を腰までの長さまで伸ばしている

頭には独特の形のカチューシャをしている

そして中から出てきた榛名と名乗った女性は突如泣き出し


榛名「提督ぅ!!」


提督に飛びついてくる


提督「ふぁ!?」


榛名「提督!会えてうれしいです!榛名は・・・榛名はぁ!!」


顔を見た瞬間に抱き着かれたため提督は思考停止して完全停止してしまう


提督「あばばばばば…」


五月雨「ちょっと!!離れてく、ださい!!」


それを見ていた五月雨はふくれっ面で全力で榛名をひきはがす


榛名「ああ!すすすすみません!!!」


引きはがされた榛名は提督の顔を見て深々とお辞儀をする


提督「あああ・・・いい匂い。柔らかい。優しい声。ふつくしい・・・」


焦点の定まらない目で虚空を見ながらつぶやく提督を


五月雨「むぅ~提督なに見とれてるんですかぁ!」


提督の目の前で手を振るが反応がない


五月雨「て、い、と、く!!」


五月雨は頬を引っ張る。ついでに膝に蹴りも入れる


提督「あだだだだだ。な、なんだ!?」


提督「今一瞬サンズリバーが見えたぞ…」


榛名「さ、先ほどはすみません。榛名、取り乱してしまいました」


提督「ええと。高速戦艦榛名・・・戦艦!?」


榛名「ええ。金剛型高速戦艦その三番艦榛名です」


提督「念願の戦艦を手に入れたぞ!!」


提督「それに・・・」


提督は榛名の全身をなめるように見渡す


榛名「て、提督??」


提督「(ああ。すごい美しいし、可愛い。俺が今まであった中で一番の女性だ。)好きだ」


抱きつかれたことを抜きに体に電撃が走り提督は榛名に一目惚れする


榛名「ふぇ!?」


五月雨「はぁ・・・声に出てますよ?」


提督の発言にあきれる五月雨と面白くなると思い笑いを堪える天龍


提督「うぇ!?またか!?」


榛名「ええと・・・。あってすぐ好きと言われたら榛名なんて言ったらいいのか・・・」


流石の榛名も困惑している


提督「でも榛名さんはあってすぐ抱き着いてきたよね?」


榛名「あ、さん付けはいいですので。それは・・・その・・・」


榛名「榛名は軍艦の時、国を、提督を守ることができなかったんです。今度はそれを守れると思ったらつい・・・」


提督「歓迎しよう。うちで初めての戦艦だ。しばらくは戦艦を含め戦い方を考えねば・・・」


そのあとは榛名の歓迎会をして戦艦を入れた艦隊運営を勉強していく


榛名が来てしばらくしてから

提督は空いた時間で軍艦榛名。高速戦艦榛名について詳しく調べることにした


提督「なるほど・・・金剛型最後の船で沈むことなく終戦を迎えれたと。でも副砲、高角砲、機銃の大半が外された状態で最後の戦いになったのか。そして呉の大空襲の時に敵編隊隊長機を砲側標準のみで吹っ飛ばしたという逸話ねぇ」


提督「他にも「着底したのだからもう沈まない」と言って士気が高まる・・・泣ける話ではあるが搭乗していた兵士たちは素直にかっこいいと思う。最後まで戦い抜いたのが本当にかっこいい!あぁ!すばらしい!本当に素晴らしい!」

調べていくうちに声が大きくなっていく


提督「俺が感じた電波はこれなのかもしれない。勇敢にたたかった人たちの思いを受け継いだ船。ゆえに俺はすごいと感じそしてそれに惚れたと。なるほどね」


提督「たぶん俺はあの人に恋をしたのだろう。今までで何回かはした気がするけど今回はマジみたいだ」


提督「でもなぁ・・・。俺じゃなぁ・・・」


過去のことを思い出し高嶺の花と感じる提督


提督「悩んでても仕方ないし練度上げをするか」


提督は主力艦隊を集めて鎮守府近海の警戒作戦をすることにする


提督「以上だ。何かあるものは?」


提督の目の前には五月雨、響、天龍、夕張、愛宕そして新たに加わった榛名がいる


天龍「出会ったやつ全部たたけばいいのか?」


提督「話をした限りではそうなるが、違うな」


天龍「んじゃどういうことだよ」


提督「規模が小さいやつらはそのままにある程度の艦隊をつぶしていってもらいたい。6隻で一隻を囲んでも弾薬の無駄になる」


夕張「行ってることはわかるんですけどそれだと敵が集まった時どうなるんですか?」


提督「それは追々だ。今は新しく来た榛名の実力を見たいと思う」


榛名「提督のご命令であれば榛名なんでも致します!」


五月雨「心配だなぁ・・・」


そして榛名、響、夕張、天龍、五月雨、愛宕の6隻で鎮守府近海を反復出撃する


榛名「勝っては!榛名が!許しません!」


全砲門で敵を攻撃し一撃で轟沈する


天龍「やっぱすげえな」


今まで雷撃戦まで持ち込んでいた敵艦隊を砲撃戦で殲滅することが出来た


五月雨「すごい……」


五月雨「あ、ええと……。周りを警戒しながら進撃しましょう」


少しづつではあるが五月雨の余裕がなくなってくる

その後は射程ギリギリから先制攻撃しながら敵艦隊を撃破していく


提督「ある程度榛名の練度も追いついてきたか」


戦艦の射程は長く他の艦娘より遠距離から攻撃することが出来る

結果MVPを取りやすく練度が上がりやすい

ある程度の出撃の後状況確認のために五月雨を提督室に呼び話を聞く


五月雨「次は南西諸島海域に出撃しますか?」


鎮守府近海はある程度制圧できている

よって次の目的が決まる


提督「その予定ではあるが、もう少し練度をあげておきたい」


提督「すまないが少し走ってもらえるか?」


五月雨「なんでしょう」


提督「来週の初めに南西諸島海域に進出しようと考えているからそれを伝えてきてほしい」


五月雨「わかりました」


五月雨は他の艦娘のところに走っていく


提督「あ、こげ・・・たぞ」


離れていく五月雨は何度かよろけながら見えなくなる

それから数日出撃して二日の休暇を与える


五月雨「い、いよいよですね」


進出まで残り二日となる


ここ数日のことを提督自室で考える


提督「榛名の練度はすぐに追いついた。射程もあってMVPは比較的取りやすい。だが……」


ひとつ懸念することが生まれてしまう


提督「五月雨ちゃんの指揮に余裕がなくなってるのがなぁ……」


中が深まりちゃん付けしている提督

五月雨は索敵から雷撃まで全てを見て予測して提督に変わり指揮を出している

今まではほぼ近い射程の仲間に指示を出していたから余裕はあった

けれど今は戦艦の射程が加わり彼女自身のキャパを超え始めている


提督「本当は嫌だけど榛名に秘書艦を任せるか?」


榛名は周りを見て指示の補佐をしながら戦っている

天龍が始めしていたが榛名にいつの間にか変わっていたのだ


提督「考えてても埒があかんな。1度変えて見て様子を見るか」


時間もあり提督室に移動し、無線で五月雨を呼び出す


提督「五月雨ちゃんちょっといいかな?」


五月雨「はい。なんでしょうか?」


少し口篭りながら呼び出した五月雨に話をしていく


提督「俺もいろいろ考えた末なんだがさ。榛名を秘書艦にしようと思う」


五月雨「え・・・」


提督「べ、別に君が頼りないとかじゃないからな!駆逐艦である君に戦艦も含めた目線で戦ってもらうのは荷が重いと思ってだな」


実際全てを見ながら戦う五月雨に余裕が無いのが伝わってきている


五月雨「え、ええ。確かに・・・私は榛名さんに的確な指示を出しきれてなくて・・・」


徐々に五月雨の声が震えていく


提督「う・・・(下を向いているがたぶん泣いているだろうな。ばれないように必死に我慢して・・)」


五月雨「わ、私より榛名さんのほうが戦力になれますし指揮もうまいです。私は榛名さんが秘書艦でいいと思いますよ」


下を向いていた五月雨は顔を上げ目の端に涙を浮かべながら笑顔でそう答える


五月雨「わ、私はこれで!榛名さんを呼んできますね!」


逃げるように走り出そうとした五月雨はバランスを崩してしまう


提督「っぶない!」


倒れるギリギリで提督は五月雨を支える

二人の視線が合い数秒が経つ


五月雨「は、離してください!!」


提督の手を乱暴に振りほどいて立ち上がる五月雨


五月雨「あぅ・・・!。うぅ・・・」


バツの悪そうな顔で提督を見るとすぐに走り去ってしまう


提督「あーまぁそうなるよな。半月という期間ではあるが共に過ごしてきたわけなんだし」


提督「わかってる。彼女には酷いことをした。けれど彼女には荷が重いんだ……」


しばらくしてから榛名がやってくる


榛名「高速戦艦榛名参りました!提督。榛名が秘書艦とのことなのですが、本当に榛名で大丈夫でしょうか?五月雨ちゃんのほうが向いてるとは思うのですが・・・」


榛名「というよりいいに来た五月雨ちゃんの声が震えてたのですが・・・」


提督「あー五月雨には私から直接話してある。まぁ・・・彼女はすこしドジなところがあるが確かに秘書艦としての腕はある」


榛名「なら断然榛名より」


提督「駆逐艦に戦艦も含め戦いを考えて指揮を出すのは荷が重いだろ?」


榛名「えぇと・・・。おっしゃってる意味がよくわからないのですが・・・」


榛名を前にして緊張してしまい何が言いたいかわからなくなってしまう


提督「・・・・。はぁ・・・」


榛名「え!?提督大丈夫ですか!?榛名何かひどいことをしてしまったのでしょうか!?」


提督「あ、いや違うんだ!僕が悪いんだよ。僕の人生で榛名・・・榛名さんみたいに美しい人を身近で見たことがなくて・・・その・・・緊張しているんだよ」


榛名「は、榛名が美しいなんて。榛名より金剛お姉さまのほうがもっと凛々しくて美しいです!」


提督「あ、いやすまない。まだその金剛?には会ってないもので」


榛名「はい。ぜひ会ってもらいたいものです!だって金剛お姉さまはーーーーーー」


そのあと無茶苦茶金剛について説明された

具体的に言えば昼食を取り始めてから夕食を食べ終わるまでの時間ずっと

金剛の勇志、他の姉妹艦のことをじっくりと


榛名「っは!?もうこんな時間!提督すみません!榛名、お話に夢中でつい!」


提督「いや大丈夫よ。いやぁ金剛のことになるとここまでしゃべる娘だったんだって知れてよかったよ。」


榛名「あぁ榛名の印象が・・・提督にいいところをお見せしようと思ってたのに・・・」ッボソ


提督「ん?何か言った?」


榛名「あ、いえ何も。こんな時間までしゃべってしまったんですね。時刻はフタフタマルマルです」


提督「フタフタ?ごめんまだその呼び方慣れてないんだよね。五月雨ちゃんにも言われたけど」


榛名「では、榛名と一緒にこれから覚えて慣れていきましょう」


提督「うん。これからもよろしくね榛名」


榛名「??。榛名。と呼んでくださる時と榛名さん。と呼んでくださる時があるのですが、それはどういう意図があるのでしょうか?榛名、このままでは混乱してしまいます」


提督「ん~深い意味はあまりないかな?まだ出会って間もないし俺の中の葛藤、かな?提督として上に立たなければいけない俺と美人で年上のお姉さんに敬語を使わなければいけないという自分自身のね」


提督(本当は・・・)


榛名「そうなんですね。でも提督は私たちを指揮するものですから。敬語などは使わないほうがよろしいかと」


提督「ん~そこなんだよね。難しいところだよねぇ~。まぁそのあれだ・・・これからもよろしく榛名」


榛名「はい!榛名にお任せください!!」


その日はフタサンマルマルに話を終え解散となる


駆逐艦寮


五月雨「うえええん!!!」


未だ姉妹艦が抜錨していない2人は一緒の部屋で過ごしている


響「い、いい加減泣き止んだらどうだ?ココア入れたからこれ飲んでさ」


部屋に入ってすぐ泣き出した五月雨を見て響はココアを入れてくれる


五月雨「ありがとう響ちゃん・・・ぐす・・・」


響「話は大体はわかった。榛名さんが秘書艦になって五月雨が用無しと思ったわけか」


五月雨「そう・・・」


響「それは違うんじゃないかな?司令官は五月雨に負荷をかけないようにしようとしてだと思うよ」


五月雨「え・・・?」


響「だって五月雨は一生懸命榛名さんにも指示を出してるわけだし。横から見てても余裕がないのが見て取れるよ?」


五月雨「うぅ・・・でも私はあの人の隣にいたい。だって・・・」


響「あの人のことが”好き”だから。でしょ?」


五月雨「ふぇぇ!?なんでわかるの!?」


響の的を得た答えに耳まで真っ赤にしてしまう


響「いや露骨すぎでしょ・・・司令官が見てないところでじっと見てたり、あとをついて行ったり四六時中ずっといようとしたりしてればさすがにね」


五月雨「私がどんなにアピールしてもあの人は・・・」


響「それは仕方ないんじゃないかな?」


五月雨「それはあの人が榛名さんが好きだから?」


響「ん。そうだね。それと五月雨みたいな娘は恋愛対象にしてないようにも見えるよ」


響「妹か。それか娘みたいな目で見ているのかな?」


五月雨「あの人もそんなこと言ってた」


響「正直言って羨ましい。だから危険な目に合わせたくないんだと思うんだよ」


五月雨「そう・・・。娘か・・・」


響「もう遅いから寝よう。明日じっくり話を聞いてあげるから」


五月雨「響ちゃんごめんね。ありがとう好きだよ」


響「やめてくれ。暁に好きって言われたらうれしいけど五月雨に言われたら何て言ったらいいかわからないじゃないか」


五月雨「響ちゃんってたまにおかしなことを言うよね」


響「き、気のせいさ。作戦まであと二日。英志を蓄えようじゃないか」


五月雨「おやすみなさい」


そうして駆逐艦寮は寝静まった


<ぽーーいいいい!!!

<君は犬か!いや犬か?


次の日

提督は空いた時間で資材の調整をしていた


提督「戦艦を艦隊に入れると戦略の幅が広がるな。ただ資材消費が駆逐艦の比じゃないからそこを考えないといけないし」


榛名「提督。さっきから画面をにらんで何をなさってるんですか?」


提督が執務室にあるパソコンとにらめっこをしていると榛名がやってくる

昨日、秘書艦を交代したことを思い出す


提督「あぁ。榛名か。これは簡単に言えば家計簿みたいなものさ。その日の資材消費量や今日以降の供給量などを見ているんだよ」


榛名「なるほど。となると戦艦である榛名が原因で資材が大幅に消費されてませんか?」


榛名は的を得たことを言ってくる


提督「ん~否定したいのにできないのがつらい・・・」


榛名「別に榛名は大丈夫なので艦隊から外してもらっても構いませんよ?」


提督「そうしたいんだけど・・・ねぇ?」


榛名「外せない理由でもあるんですか?先ほどおっしゃっていた戦略の幅が広がるというのに関係しているのでしょうか?」


提督「それもあるんだけどね。一番の理由は榛名。君だ」


榛名「は、榛名ですか?」


提督「そう。今、私の艦隊の中で一番練度が高いのは誰だ?君ならわかるはずだ」


榛名「五月雨ちゃんじゃないですか?提督の一番初めの秘書艦ですし。それか重巡の愛宕さんですか?」


提督「惜しいがどれもはずれだ。というよりなぜ自分だと言わないのだ」


榛名「は、榛名が一番だなんて考えられないです」


提督「ところがどっこい君がナンバーワンだ。艦隊のせいでもあるがね。戦艦の火力と駆逐、軽巡の火力では差が大きい。そして射程でも差がある。駆逐、軽巡は中距離砲撃がメインだが戦艦は切込み役でもあるため遠距離からの砲撃の頻度が多い」


提督「ということは戦艦が必然的に一番戦果を稼ぐことになる」


榛名「榛名はもしかしなくても他の人たちの迷惑になっているのでしょうか」


提督「逆だよ逆。駆逐艦の娘からよく聞くんだよ。今までだったら雷撃まで持たなかったり雷撃で初めて倒せる相手を榛名さんが倒してくれるって」


榛名「それは榛名がお役に立ててるということですね!!」


提督「故に資材消費が多くても使わなければならない。これに関しては私が上に認めてさえもらえれば供給量が増えるということを最近知ったからその点は私がどうにかするさ」


榛名「あまり無理はなさらないでくださいね。提督に倒れられると艦隊活動、それ以前の問題で鎮守府全体の機能が止まってしまいます」


提督「心配ご無用。私は昔から無駄に耐久力はある方でね。昔、まぁ学生時代の時だがね。4時間睡眠を半年続けてそれでいて運動やバイトとかをやっても倒れなかった人間だ。ここで無理をしても多少は融通が利くはずさ」


榛名「提督が大丈夫でも榛名が大丈夫じゃありません!寝る時は寝る!頑張るときはがんばる!日常のメリハリをちゃんとしてください!このまま提督を放っておくといつか大事になりかねないので榛名が提督を見張ります!」


提督「えぇ・・・四六時中見張られても私にもプライバシーというものがあってでね・・・」


榛名「その点はご安心ください。提督が寝る時間を榛名が指定します。その時間以降起きているようであれば寝るまで榛名がそばにいます。提督が夜更かしをしないようにするためにはこれが一番です♪」


提督「寝るまで?」


榛名「はい。寝るまでです」


提督「俺寝つき悪いよ?」


提督(というかこんな女性に寝るまでって・・・。寝れるわけないだろ!!!)


榛名「榛名は大丈夫です!」


提督「そういう問題かなぁ」


榛名「そういう問題です」


提督「・・・」


榛名「・・・」


提督「は、話を変えよう。そうだ。そうしよう。明日の件はわかっているな?」


この空気に耐えられなくなった提督は話を切り替えようとする


榛名「はい。明日はかねてから考えられていた作戦の日ですね」


提督「あぁ。鎮守府近海の制海権は取り返した。明日からは南西諸島海域の警戒、可能なら敵の鎮圧、撃破をしてもらう」


提督「これまでは私も後ろから駆逐艦に守られながら遠巻きに戦況を見て指示を出していた。だが、これからはそれができない。理由は簡単だ鎮守府近海は敵はさほど強くない。そして数も少なく最低限の数でも対処ができたからである。」


提督「そこを離れればどこに何がいるかわからない。よって提督本来の席であるここ。提督室から旗艦の情報を頼りに戦況を分析。指示を出していく」


榛名「なるほど。となると旗艦は誰にしますか?やはり慣れている五月雨ちゃんですか?」


提督「彼女には荷が重い。今までであればよくて戦艦クラスが1体いる程度だったがこれからどうなるかわからない」


提督「故に榛名にしようと思う。君であれば戦況を分析して各人に的確な指示を出すことも可能だろ?」


榛名「榛名ですか・・・?ええ。榛名にお任せください!!提督のご期待に応えられるよう全力でやり遂げます!!」


提督「くれぐれも無理はしないように。危険だと思ったらどんな状況でも撤退するように。これは五月雨に初めに出した指示だ。我が身大事。味方大事で行け。誰一人かけることなく戻ってくるのを優先しろ」


榛名「はい!!」


書類仕事をあらかた片付けて解散する


五月雨「榛名さん!!」


提督室から出た榛名を待ち構えていた五月雨


榛名「どうしました?」


五月雨「わ、私負けませんから!」


榛名「え?え……?」


なにがなんだかわからない榛名を他所に五月雨は逃げるように走り去る


その日の夜

駆逐艦寮


五月雨「き、緊張してきた・・・」


響「明日だね」


作戦を明日に控え2人とも緊張している


五月雨「私さ。今まで響ちゃんと一緒に寝れてうれしかったよ」


響「な、なんだよ藪から棒に」


五月雨「ここができてすぐ響ちゃんがきて。それ以降ずっと一緒に寝てるんだもん」


響「そうだね。初めは響も寂しかったけど五月雨と一緒でよかったと思うよ」


五月雨「ありがとう。私ね。明日作戦が終わったら告白するの」


響「え・・・?」


何やら不振なことを五月雨が口にしていく


五月雨「あ……。べ、別に愛の告白とかじゃないよ!?」


響の反応を見て熱くなった顔を扇ぎながら五月雨が続ける


五月雨「なんて言ったらいいのかな・・・今まで通りでもいいけど娘として扱ってほしいっていうか・・・。あー!うまくまとめきれない!」


響「はぁ・・・そんなことか。素直に伝えればいいと思うよ。彼も多分わかっているはずだから」


五月雨「そうだけど・・・。でも今は目の前の作戦だね!終わってみないとわからないし」


響「ん。もう遅いから寝ようか」


五月雨「おやすみ」


五月雨「あ、それと明日作戦が終わったら間宮行こ!私が奢るから!」


あれから鎮守府には間宮、大淀、明石、伊良湖が派遣されている


五月雨「響ちゃん今までありがとうね。私響ちゃんのおかげで踏ん切りがついたよ」(ボソッ)


響「ふむ」


そして二人は床につく


次の日


提督「各自準備は済んだか?」


提督「戦艦榛名を旗艦に重巡愛宕、軽巡夕張、天龍、駆逐艦五月雨、響の編成でカムラン半島の哨戒作戦を始める」


榛名「はい!勝っ手は榛名が許しません!」


提督「それと五月雨ちゃんいいかな?」


出撃前に五月雨をよびとめる


五月雨「なんでしょう?」


提督「なんか胸騒ぎがするんだ。頼むから無茶なんてしないでくれよ?」


五月雨「え……?」


提督「君は大切な部下でもあるが俺の大切な人でもあるんだぞ?」


五月雨はその発言に五月雨は耳まで真っ赤にして提督の目が見れなくなってしまう


五月雨「そそそそそれって!!?」


提督「あ、いや勘違いしまでくれ!いやなんだろう……」


提督「その……」


五月雨「もういいです。帰ってから聞きますから!」


耐えれなくなった五月雨が先に逃げてしまう


提督「行っちゃったよ……。なんか嫌な予感がする……。頼むぞ榛名……」


榛名「任せてください」


提督「い、いつからそこに!?」


いつの間にか横にいた榛名


榛名「五月雨ちゃんが離れたあたりからですね」


提督「そうか。ならもう一度言わせてくれ。五月雨の事頼んだぞ」


榛名「榛名にお任せ下さい!」


その後提督の指示の元、艦隊が編成される

そしてカムラン半島へと移動を始める


提督「執務室からの指示はあまり経験がない。普段より負荷をかけるかもしれないと思うがみんな頑張ってくれ」


ついていくことのできない提督は各艦とつないである無線を頼りに指揮をすることになる


榛名「みなさん。これより敵の海域となりますので警戒を怠らないように。念のために天龍さんは偵察機を飛ばして索敵してください」


天龍「おうよ!俺に任せな!」


天龍は装備されている偵察機を飛ばし周辺の索敵をしていく


提督「映像がないのがつらいところだな・・・中破艦が出たら撤退するようお願いするよ。まぁいつもと変わらないがね」


天龍「偵察機の情報では敵影は見えないぞ。どうする?」


提督「なら前進してくれ。今回はこの海域の全域を確認するのを優先してくれ。どこに敵の補給場所があるのかを把握しておきたい」


榛名「敵影がなくても各自、警戒を怠らないでください。敵はまだ未確認の部分のほうが多いので慎重に行きます」


提督「今までだと敵と遭遇するぐらいなのだが場所が違えばこうも違うというのか?」


近海ならすでに会敵しているはずだ


榛名「提督どうかなさいましたか?」


五月雨「!?。今何か聞こえたような!」


榛名「五月雨ちゃんどうかしました?」


電探に耳をすましていた五月雨は小さな音を拾う


五月雨「今2時の方向から何かが聞こえた気がしたんです」


榛名「電探には反応がありませんが」


提督「音・・・・海上ではないとしたら。ん?艦種はまだあったような・・・戦艦に空母・・・空母!?やばい!これは――――」


榛名「気のせいとは言えないので2時の方角の警戒をしながら進んでください」


天龍「榛名!いいか?」


榛名「はい。天龍さんどうしました?」


天龍「さっきから偵察機から反応が返ってこないんだ。憶測だが撃墜された気がする」


提督「空母だ!俺の鎮守府にはまだいないが空母に違いない!」


過去に数回だけ空母とは戦闘したことがある

ただその数回も敵と遭遇した後に発艦された艦載機を相手にしたものであって相手が先に飛ばしてきたということはこれが初めてである


榛名「空母ですって!?失念してました!ということはさっきの音というのは!」


榛名が気づくと同時に上空にまで接近していた敵艦載機が急降下しながら爆雷を放つ


榛名「各自散会!対空砲火打ち方始めてください!」


五月雨「ってぇー!!」


提督「敵艦載機を放っている個体がいるはずだ!索敵してくれ」


響「いたよ!3時の方角!音が聞こえたって言っていた場所よりさらにおく。距離にして15km!」


榛名「っ!敵艦隊、島影から出てきました!」


3時の方向には島がありその陰から敵艦隊が姿を出す

艦載機を先に飛ばし索敵、攻撃をしてから本体を送り出すというよくある作戦をやられてしまう


提督「編成は!?」


五月雨「あ、あれは!?」


提督「どうした!?っく!うまく聞き取れない!電波が悪いのか!」


徐々に音声にノイズが入っていく。後でわかったことだが鎮守府近海以外の海域の深部での戦闘では特殊な電波が発生して通信などができなくなる


榛名「提督!?聞こえますか敵は空母ヲきゅ―――――」


提督「通信が切れた!?くそ!」


提督「空母ヲ級?最近聞いた気がするぞ。資料をあさってみるか。大丈夫だと思うが通信はこのまま切らずにこの場で敵の情報を探ろう。みんな・・・無事でいてくれよ・・・」


通信をONしたまま近くの資料を探していく


情報開示


空母ヲ級

そう呼ばれる個体は後に重巡クラスに認定された深海凄艦が姿を現してからしばらくしてから現れた個体である

珍妙な帽子をかぶった人型の深海凄艦であり、帽子は空母の甲板と見立てそこから艦載機が放たれる

当時、深海側にも空母はいた。が、それを凌駕する力を持っていて人類の戦闘機を凌駕し制空権を奪われる

それの登場により人類は艦娘が現れるまで敗退を繰り返した


提督「なるほどな。近海で姿を見ないわけだ。勢力を広げてきているのか?それとも初めから後ろにいただけなのか?」


「・・・く・!てい・・!・・・聞こえますか!提督!」


提督「!?この声は榛名か!」


榛名「提督!?ようやくつながった!」


時間として40分。調べているうちにそれだけ立っていた

無線から榛名の声が聞こえてくる

戦闘が終わったということか?


提督「榛名!無事か!?」


榛名「っ!は、榛名は無事です・・・」


提督「ならよかった・・・じゃない!榛名は無事でも他は!?」


榛名「報告・・・します。榛名は小破です。天龍さん、響ちゃんが中破。愛宕さんが大破、夕張さんは無傷です」


提督「被害はデカいが最悪な事態に・・・え?今なんていった?天龍、響、愛宕、夕張、榛名・・・一人足りなくないか?五月雨は?五月雨はどうしたんだ!?」


榛名の報告に五月雨の名前がない

提督は嫌な予感を感じる


榛名「うぅ・・・五月雨ちゃんは・・・五月雨ちゃんは・・・」


普段の彼女からは想像できない声が帰ってくる


天龍「いっつ!この程度なんてことないからここからは俺が話すぜ。提督。これは榛名には荷が重すぎる」


反応がなくなった榛名の代わりに天龍が答える


提督「っ!ということはやっぱり五月雨は!」


天龍「ああ。提督との通信が途絶えてすぐ――――――」


天龍は通信が途絶えてからのことを話し始める

五月雨に何があったのかすべて


榛名「敵は空母ヲ級です!至急指示を!繰り返します!敵は空母ヲ級です!提督!!聞こえますか!?」


響「これは・・・敵の妨害電波で通信が切れたようだね」


徐々にノイズがひどくなりついに通信が遮断されてしまう


榛名「なんてこと!そういえば前、提督が・・・」


榛名は提督にもしもの時のことが起きたときの指示を受けていた


提督「もしも俺から指示が受けれない状態になった場合は各自で行動するのではなく旗艦に全ての指揮権を渡す。旗艦に負荷がかかるかもしれないがやみくもに戦うよりましだと俺は思う」


榛名「思い出しました。各自に通達!提督からの指示が受け入れない状態になったのでこれより指揮権は榛名に移りました!私の指示に従ってください!」


榛名「ええと・・・。響ちゃん!敵の編成は!?」


響「了解だよ。敵の編成はヲ級を旗艦に空母ヲ級、軽母ヌ級、重巡リ級、駆逐ハ級、駆逐ハ級だよ!」


榛名「空母が三隻ですって!?敵の艦載機の攻撃をよけながら響ちゃんと五月雨ちゃんは対空砲火に集中をしてください!夕張さんと愛宕さんは敵の重巡、駆逐を狙ってください。天龍さんは駆逐艦に砲撃が行かないように守ってください!榛名は空母の注意を引きながら敵を撃ちます!」


五月雨「でも、それって!榛名さんに敵の全艦載機が集中しますよ!?」


今までの経験もあり的確な指示を出していく


榛名「はい!それでも榛名は大丈夫です!ですから五月雨ちゃんたちはそっちに行った艦載機を叩いてください!二人が砲撃に集中できるように!」


指示を出していく榛名の顔は今まで見た事もないぐらい真剣だ


響「わかった。不死鳥の名は伊達じゃない」


夕張「くれぐれも無茶はしないでよね!」


天龍「はぁ!?俺がこいつらのおもりだぁ!?しゃぁねぇな!しっかり俺が守ってやるよ!」


愛宕「そっちは任せるわよぉ。こっちを早く終わらせて援護に行くまで頑張ってね!」


五月雨「無茶はしないでくださいね!」


榛名「わかってます!では皆さんお願いします!」


榛名「撃ち方・・・はじめぇ!!」


榛名の掛け声を合図に戦闘の火蓋が切って降ろされた

敵はすでに展開していた艦載機は榛名たちに向けて放ち、空母を後ろに前を重巡たちが守る複単陣を組む


榛名「少しでも響ちゃんたちの負担を減らすためにもここは榛名が艦載機の数を減らさないと!三式弾装填!てぇ!」


空を覆いつくすような数の艦載機の中心に向かい三式弾を放つ

三式弾の中に山なりを描くように徹甲弾を織り交ぜ空と海を同時攻撃する


榛名(この光景・・・。私が軍艦だった時に見た呉の大空襲と同じ・・・でも!あの時も今回も守るものがあるから!榛名は負けるわけにはいきません!」


響「敵艦載機数を減らしながらこっちに来るよ。榛名さんの頭上に数40。残りの30機はこっちに向かってきてる。やれるね五月雨」


五月雨「わかってます!やるしかないでしょ!」


響「空は私たちに任せてみんなは敵機をお願いするよ」


2人は対空砲をフル稼働して敵艦載機を攻撃していく


天龍「おうよ!って俺はお前たちの援護か。対空砲弾幕切らすなよ!」


夕張「大丈夫!私たちも守るから!」


榛名を先頭に駆逐艦を守るように輪形陣を取り、砲撃戦を始める


榛名「他の皆さんは・・・大丈夫みたいですね。妖精さん対空砲をお願いしますね。榛名は敵空母を狙います!」


対空砲の妖精さんに対空射撃を任せ榛名は三式弾を撃ちながら距離を詰める


響「榛名、敵の攻撃を躱しながら敵に接近してるよ。私たちは空に集中しないといけないから愛宕さん達は援護射撃をお願いするよ」


愛宕たちの援護射撃が始まり軽母ヌ級を中破させ、そして駆逐艦を大破と轟沈までダメージを与えた

敵も一筋縄ではいかず愛宕が中破、天龍、響が小破してしまう


榛名「これなら!」


大破してる駆逐と無傷の重巡に向かって全門一斉射撃をし、駆逐を轟沈させ重巡を中破まで追い込むことに成功する


五月雨「榛名さん!2時の方角から魚雷来ます!」


敵の動きを見ていた五月雨は榛名に魚雷のことを伝える


目の前の敵に集中していたため右舷から接近する艦載機に反応が遅れてしまう


榛名「っ!?油断した!」


敵の魚雷が命中するがダメージが小さく小破で済む


榛名「五月雨ちゃんありがとうございます!そっちの数はどうなってますか?」


一度敵から距離を取り艦載機部隊の迎撃に力を入れる榛名


五月雨「こっちはあらかた片づけた、といいたいんだけど。残ってた艦載機がヲ級の護衛に戻ったの」


弾を撃ち尽くしたのか、敵の指示なのか敵艦載機群が全て撤退している


榛名「一度合流してから再度攻めましょう!と言いたいんですけど敵機艦載機もう一度来ます!」


一度母艦に戻った敵艦載機が補給を済ませ再度発艦して榛名に向かっていく


響「敵さんは榛名さんが危険だと認識したみたいだよ。残ってた艦載機の半数以上が榛名さんのところに向かったよ。私たちはどうする?援護に行った方がいい?」


榛名「いえ、この程度榛名は大丈夫です!それよりも敵空母の殲滅をお願いします。長くはもたないので!」


天龍「やっと俺の出番だぜ!世界水準軽く超えてる俺の力を見せてやるぜ!」


夕張「私もいるって!っておいてかないでよぉ~!」


中破している愛宕を守るように天龍、夕張は敵に肉薄していく


響「皆行ったようだね。私たちも行くよ」


五月雨「でも榛名さんが心配!」


響「彼女なら大丈夫だと思うけど。でも念のために行ってあげて」


五月雨「はい!」


返事を聞きながら榛名の元に向かっていく


天龍「おらよ!」


天龍、愛宕、夕張の飽和攻撃で敵に少しずつ被害を与えていく


夕張「敵は残り4隻よ!一気に畳みかけましょう!」


榛名「敵艦載機、残り30!三式弾の残りは5発・・・やれる限りやるまでです!もう二度とあんな悲しいことは繰り返したくはないから!」


五月雨「榛名さん少しずつ焦ってるの?今助けますから!」


榛名に近づく五月雨は彼女が焦っているのがわかる


榛名「はぁ・・・はぁ・・・残弾は残りわずか・・・。提督すみません・・・」


体力が限界に達し片膝をついてしまう榛名

そこを狙ってか敵艦載機が直上から爆撃体制に入る


五月雨「榛名さぁん!」


すんでのところで五月雨が敵艦載機を撃ち落し榛名を救う


榛名「五月雨ちゃん!?なんでこっちに!」


五月雨「えへへ。榛名さんが危なかったから助けに来たの」


榛名「五月雨ちゃん・・・そうよ!榛名はまだ負けられません!」


三式弾を発射し避ける艦載機を2番砲塔の砲側照準で狙い撃破する


榛名「勘はまだ衰えてない!榛名はまだやれます!」


その一瞬の油断を見逃さなかった敵は榛名の後ろから接近し魚雷を落としていく


五月雨「榛名さん危ない!」


カバーしていた五月雨はそれに気づくがすでに遅かった

避けれないと察した五月雨は最大速力まで機関を加速させ榛名に突進して無理やり回避を試みる


榛名「え・・・なんで・・・」


五月雨「榛名さんは提督の大事な人です。私は提督の悲しむ顔を見たくないんです。だって私は提督のことがーーーーーーーーーーー」


榛名に抱きつき距離を稼ぐが五月雨の足に魚雷が直撃してしまう

その胸の中で五月雨は目の端に涙を浮かべながら笑顔でそう言う

そして五月雨の足を中心に爆発が起き2人をさらに遠くに吹き飛ばしてしまう


榛名「五月雨ちゃぁぁん!!」


五月雨が直撃したのと同じとき天龍達は空母ヲ級の撃破に成功する

指揮官を失った深海艦載機はそのまま海へと落下していく

倒したヲ級が敵の最後の生き残りで戦いが終わる

天龍、響中破、愛宕大破、夕張無傷で何とか戦闘を終える


榛名「なんで・・・。なんで私をかばったんですか!私は戦艦ですよ!?あなたは駆逐艦!かばわなくても!」


五月雨の両足は膝より下が吹き飛びグチャグチャになってしまっている。それを見た榛名の声は震え、戦場に響き渡る


五月雨「ダメ・・・なんですよ。それじゃ・・・榛名さんは提督にとって大事な方なんです。あなたに万が一があっては・・・ダメなんです」


榛名「ですが!あなたは一番初めから提督を支えてきたんですよ!?提督はあなたを失う方がもっと悲しむんですよ!!なんでそれがわからなかったんですか!!」


五月雨「!?っはは・・・。そう・・・ですよね・・・。榛名さんに自分の場所を取られた。もう自分はいらないんだとそう思ってたんですよ。最後は提督の大事な人を守ろうって思ったんですよ……」


響「え・・・五月雨が・・・沈む・・・?」


敵を撃破した響たちだが、それと同時に榛名の声が聞こえたから急いで戻ってくる

戻ってみるとうずくまっている榛名と榛名に抱えられ足が無くなっている五月雨を目にする


天龍「おいおい・・。それってあんまりだろ・・・」


榛名「だから……だからって!」


五月雨「あーあ……。こんな姿なの人に見せたくないなぁ……」


痛みに耐えながらそれでも笑顔を壊さなかった五月雨だが提督のことを思うと泣き始めてしまう


榛名「まだ……まだ修理すれば……」


五月雨「多分ダメなんです。もうこのまま沈ませてください……」


榛名「ダメです!あの人に想いを伝えるんでしょ!?」


五月雨「っ!?あーやっぱわかりますよね。でもあの人鈍感でアピールしても反応してくれなかったんですよ・・・」


五月雨「榛名さんがきて、私が秘書艦から降ろされて、でもそれでも・・・」


五月雨は涙で顔をぐちゃぐちゃにしながらそれでも続ける


榛名「話してる時間が惜しい!今から陸に戻ってあなたを修理します!」


五月雨「もう・・・遅いんですよ・・・。船が沈むということはあなたもわかっているはずです」


榛名「でも!まだ間に合うはずです!」


五月雨「もう間に合わないんです!!」


榛名「!?」


五月雨「榛名さんすみません。最後まで守れずに・・・これからはあなたがあの人を・・・私たちの暮らす場所を守ってください」


榛名「な、なにを言ってるんですか?あなたも一緒に行くんですよ!?あなたがいないと・・・うぅ」


榛名は懸命に止血をし、沈まないように抱き抱えている

榛名が言い終わる前に五月雨は意識を失ってしまう


榛名「さ、五月雨ちゃん!?五月雨ちゃん!!」


力いっぱい揺するが意識を取り戻すことはなく呼吸が浅くなっていく


響「榛名さん・・・。もう楽にしてあげよ・・・」


状況をやっと飲み込んだ響が隣に来て榛名に話しかける


榛名「ダメです!まだ・・・まだ助かるんです!」


天龍「お前はぁ!!」


五月雨を必死に支える榛名に痺れを切らせた天龍は榛名を掴み上げそして殴り飛ばす


天龍「っ!!お前は・・・!お前はなんでわかってやらないんだ!!五月雨の気持ちがぁ!!」


榛名「わかってます!!」


五月雨を落とさないように立て直した榛名は五月雨を抱きしめながら天龍を強く睨みつける


榛名「わかってるんです!!彼女の気持ちも!それでも!!」


天龍「ならなんで楽にしてやらないんだよ!!」



榛名「私にはわかるんです!!大破着底して終戦を迎えた私には!」


胸ぐらを掴んでくる天龍に怯むことなく榛名は強く怒鳴りつける


榛名「彼女の意識はまだここにある!沈みたくないと叫んでるんです!あの人の元に戻りたいと!」


榛名「ですから!ですからここは榛名に任せてください!」


五月雨を抱き抱え帰路に着く榛名その後ろ姿は誰も今まで見た事ないほどに悲壮感が漂っている



天龍「その後、妨害電波の影響の無いところまで移動したあと榛名がお前に連絡を入れた。という訳だ」


天龍はことの結末を五月雨の気持ちを隠して提督に報告する


提督「さ、五月雨が……」


耐性がない提督は少し吐き気を催してしまう


天龍「つらいと思うが耐えてくれ。お前は俺たちの指揮官だ」


提督「あぁ。わかっている!!すまない・・・。大破している愛宕と榛名を中心に陣を組み警戒体制のまま鎮守府に戻ってくれ。戻り次第入渠をし各自休んでくれ。俺はその間五月雨についている」


天龍「了解。通信終わり」


天龍からの通信が切れ提督は徐々に現実に戻っていく


提督「五月雨が・・・か。な・・んで・・・だよ。なんでだぁ!!!」


両手を机にたたきつけ、そのまま机に伏せて泣き始める。五月雨と出会い、新しい艦娘に出会い、五月雨との楽しかった思い出を思い出しながら提督は泣き続けた


天龍たちはその後敵の襲撃もなく鎮守府に帰還する

愛宕と被弾した艦娘たちを入渠させ榛名は自分のダメージを無視して明石の元に向かう


榛名「明石さん!!」


工廠のドアを蹴り破って榛名が部屋に飛び込む


明石「あ、え、なにごと!?」


装備の調整をしていた明石は榛名の登場に驚き椅子から転げ落ちてしまう


榛名「五月雨ちゃんが!五月雨ちゃんがぁ!!」


榛名は抱えている息も絶え絶えの五月雨を明石に見せる


明石「う……。こ、これはひどい……」


五月雨を見る明石。彼女の足は榛名の服で止血されているものの色が黒くなってきている


明石「わ、私に出来る限りのことはやります!」


五月雨を受け取ると机の上のものを叩き落として止血用の服を剥いていく


明石「ここからは私の仕事です!!榛名さんは見ないでください!2時間後に提督に来るよう伝えてください!」


榛名「わ、わかりました……」


明石に追い出されるように部屋から出ると提督室に足を運ぶ


提督「くそ……」


あの後ずっと泣いていた提督は泣き疲れて椅子に深く腰掛けて天井を見ていた


提督「無事に帰ってこいって言っただろが……」


提督「まだまだ伝えたいことあったんだぞ……」


誰に話すでもなく天井に語り掛ける


榛名「て、提督……」


ドアの前まで来た榛名はノックをすることなくドア越しに声をかける


提督「なんだ」


榛名「すみません……彼女を守りきれなくて……」


部屋に入ってきた榛名

その姿は服の袖はなく白く輝いていた制服は赤黒く染っていた


提督「その姿は……」


榛名「き、着替える余裕がなくて……」


提督「そうじゃない!五月雨の血だろそれは!」


榛名「っひ……」


今まで見た事なく提督の気迫に榛名は小さく悲鳴をあげてしまう


提督「それだけ血を流してたら普通は……」


察した提督は部屋にあったバケツに胃の中身をぶちまける


榛名「て、提督!?大丈夫ですか!?」


いきなり嘔吐した提督に驚くがすぐに背中をさする


提督「あ、ああ。で、用件はなんだ?」


榛名「は、はい。明石さんに五月雨ちゃんを預けました。2時間ほどしたら来るよう伝えてくれと……」


提督「そうか……。最期を看取るのか……」


提督「どうにかなると信じているがならなかった時のことを考えておかないとな」


提督「あとは俺が引き継ぐから君は部屋で休んでてくれ。負担をかけたな」


榛名「い、いえ!榛名もお供「休んでろ!」」


榛名の言葉を遮る提督


提督「2度も言わせるな!俺にさらに大事な人を失えと言うのか!?」


榛名「え……榛名が大事!?」


提督の発言とは裏腹に榛名は顔を赤く染める


提督「あ、いや……ちが……なんでもいい!部屋で休んでろ!」


思わず口にしてしまった提督だが五月雨のこともあり榛名を部屋から追い出す


提督「っち。イライラしてると言わなくていいことも言っちまう」


提督「準備もあるしやれる限りのことをやるか」


提督はパソコンを開き資材などを見ていく

資材を管理を済ませ上に今回の作戦のことを文書で伝える


提督「もしもの時・・・いや続けられる自信なんてない・・・」


やれることをすべて終え、提督はあるものを書き始める


そのころ工廠にて


明石「や、やれる限りのことはやった……」


顔面蒼白の明石はひと仕事終えたところである

担ぎ込まれた五月雨の治療を行った

壊死した足を切り落とし皮膚を伸ばして結合

血液が足りなくなってたので輸血

他にもかなりの事をやった


五月雨「……」


目の前にはベットに横たわり点滴を受けている五月雨がいる

浅くはあるが呼吸が戻っている


明石「あとは目を覚ませば……でも……」


普通ならここから義足にするなりがあるが彼女は艦娘である

通常、戦えなくなったら近代化改修に回されるか解体しか選択肢がない


明石「どうにかしてあげなきゃ……」


いまの明石の技術力では到底五月雨を戦線復帰させることはできない

半月ほど五月雨を見てきた明石は彼女が提督をどう見ていたかを知っていた


明石「ひと休みしよ……提督が来るまであとすこし……」


手術も含め施せることを全部やり終えたら2時間以上たってしまっている


提督「何から何まですまないな・・・・」


ドアの外ですべてが終わるのを待っていた提督が部屋に入ってくる


明石「へ?提督!?」


明石は提督の予想外の登場に驚いてしまう


提督「時間通りに来たらせわしなく動いていたから建物の外で待たせてもらったぞ」


明石「びっくりさせないでくださいよ。五月雨ちゃんは見ての通り山場は越えました。でも・・・」


提督「わかってる。彼女に戦う力はない。すまないが二人きりにしてくれないか?」


明石「まさかこの状態の五月雨ちゃんに何かすると?」


提督「そんな変態じみたことできるか。目が覚めるまでそばにいてやりたいしそのあと話がしたいだけさ」


明石「わかりました。意識を持って初めての施術だったので疲労がやばいので眠らせてもらいますね。何かあったら起こしてください」


大本営から来た明石といえどほかの艦娘と同じ

違う点があるとすれば知識と記憶を大本営の明石から引き継いでいるという点だけである

よって知識だけでここまでやり遂げた明石には相当の疲労がたまっていることになる


提督「すまないな。あとは任せてくれ」


榛名から明石と二人から引き継ぐ


提督「本当に両足が・・・」


彼女の下半身を布団ごと観察した提督は本来足があるべき場所が盛り上がってないことを確認する


提督「なんでなんだろうな。お互い話したいことが、伝えたいことがあるのにいざ伝えようとするとうまくいかない」


その姿を見て泣きそうになるのをこらえながら寝ている五月雨のほほを触る


提督「そばにずっといたのにこうやって触れることもなかった。事故はあっても故意はない。お前の気持ちをわかってやれなくて済まない」


聞こえてないのはわかっていても伝えられずにはいられない


提督「気づいていたが踏み込めなかった。俺は失うのが怖かったんだ」


今までまともに触れたことがなかった五月雨の髪を手で梳いてみる


提督「これじゃ俺が変態みたいじゃないか!」


自分の行いに気が付いた提督は五月雨から手を放し備え付けの椅子に腰掛ける


提督「いつまでたってもこれだ。まともに女性と接することもできない」


提督「目が覚めるまでそばにいてやるからな」


五月雨の手を握ると黙り込む


五月雨は夢を見ていた


提督「お前の気持ちわかってやれなくて済まない」


五月雨「て、提督は悪くありません!悪いのは伝えられない私ですから!」


提督「俺はお前を失うのが怖いんだよ」


五月雨「私はどこにも行きませんから!おいていかないで!」


目の前の提督が徐々に遠ざかっていく


五月雨「まって!おい・・・うぅ・・・」


追いかけようとするが地面を踏み込めず倒れこむ

そして足を見てしまう


五月雨「わ、私の足が・・・」


今の自分の状況を理解してしまう


ベットで寝ていた五月雨が小さくうなり声をあげる


提督「目が覚めたのか?」


五月雨「足が!!いやぁぁ!!」


目の焦点が定まらない五月雨が突如叫びだす


提督「混乱してるのか?!」


提督「たぶん完全には目が覚めてない!五月雨ちゃん!」


暴れる五月雨を抑えるため振り回される腕をよけながら提督は五月雨を抱きしめる


提督「五月雨ちゃん!落ち着くんだ!!」


五月雨「いやだ!あの人においてかれたくない!!見捨てられたくない!!」


提督「俺はここにいる!だから目を覚ませ!!」


暴れる五月雨を強く抱きしめる


五月雨「あ・・・・」


提督「目が覚めたか?」


腕の中で暴れる力が弱くなったのを感じ目が覚めたと感じる


五月雨「わ、たしは・・・」


提督「おはよう。今の状況は理解できるかな?」


心情を察せられまいと優しく声をかける


五月雨「私は榛名さんを守るために魚雷を・・・」


提督「ああ。そして足を失った。頼むから暴れないでくれよ?」


五月雨「意識がはっきりとして痛みもあるのでわかってます」


提督「意外と冷静なんだな」


五月雨「腐っても軍人ですから」


五月雨「これから私はどうなりますか?」


震える声でこの後のことを予測して答えを求めてくる


提督「正直無理だと思う。義足で戦うにも両足だときついし今の技術力ではそこまでは・・・」


五月雨「そう・・・ですか・・・」


わかってはいた。わかってはいたがその答えを聞いた五月雨は泣き出してしまう


五月雨「やだなぁ・・・提督にこんな姿見せたくなかったのに・・・・」


今のひどい状態を提督に見られ五月雨は大声を出して泣き出ししまう

提督はそっと抱き寄せて五月雨が泣き止むのを待つ


五月雨「ありがとうございます」


提督「どうする?足が無くてもやれることはあるぞ?」


五月雨「何があると?戦うこともできない。歩くこともできない。こんな私にやれることがあるっていうんですか!?」


提督「すまない・・・」


五月雨「謝らないでください・・・」


しばらく沈黙が続く


五月雨「解体か近代化改修してください」


提督「それは嫌だ」


五月雨「何でですか!!私にこれ以上生き恥を晒せと!?」


五月雨「好きな人にこんな醜い姿を見せて行けというんで・・・あ・・・」


提督「君の気持ちには気がついていよ。答えられずすまない……」


五月雨「ほんと私ってバカ。こんな最低なことってないよ・・・」


五月雨「いいんです。今の提督には榛名さんがいるじゃないですか」


提督「君がいないとだめだ」


提督「君がいたから俺はここまでやってこれた。君以外じゃダメなんだよ」


五月雨「でも提督前に言ってましたよね?私に恋愛感情は沸かないって」


提督「あの時のこと聞いてたのかよ・・・」


五月雨「そして彼女とかというより娘って」


提督「そこまで聞いてたのかよ!!!」


五月雨「ふふ。お互いにすれ違ってばっかでしたよね」


提督「本当にな。どうしてもだめなのか?」


五月雨「何度も言わせないでください。それにこんな私を見ていたいですか?」


布団をめくり包帯がまかれ膝より下がない足を見せつける


提督「いや・・・」


五月雨「だったら私の気持ちを理解してください」


提督「君を・・・失いたくない・・・」


今までどうにかこらえていたが提督は泣き出してしまう


提督「それに君を失うのなら・・・」


提督は胸ポケットから封筒を取り出す


五月雨「それは・・・」


封筒には大きく”辞表届”と書かれていた


提督「これは俺の失態だ。君を失ったあとやっていける自信がないしやっていきたくない」


五月雨「ダメです!あなたは提督ですよ!?」


提督「だからこそだ。責任はちゃんと果たす」


五月雨「榛名さんが・・・」


提督「それも仕方ないと思う」


五月雨「お互いに意志は固そうですね」


提督「脅してるわけじゃないがな」


五月雨「はぁ・・・」


五月雨は大きくため息をつき何かを考え始める


五月雨「私のわがまま・・・聞いてくれますか?」


ほほを赤くした五月雨が小さくつぶやく


提督「なんだ?やれることならやってやるぞ?」


五月雨「なら・・・なら耳を貸してもらえますか?」


提督「別に二人しかいないから聞かれる心配はないけどな・・・んむ!?」


提督が顔を近づけると待ってましたと言わんばかりに五月雨はネクタイをつかむと力いっぱい提督を引っ張る

そしてそのまま五月雨と提督の唇が重なってしまう

状況を理解しきれないまま固まってしまう提督と手に力を入れたまま目を強くつぶる五月雨


提督「ぶ・・・はぁ!!いいいいいいいきなりなんだ!!!」


息を止めていた提督だが限界を迎え五月雨を押しのけて離れる


五月雨「な、なにって!言わせるんですか!?」


今まで見たことがないぐらいに耳まで真っ赤に染めた五月雨が目の前にいる


提督「はぁ・・・はぁ・・・」


何が起きたか理解するが処理しきれない提督は深く息を吸い込む


五月雨「わ、私の初めてですよ!?何か言うことはないんですか!?」


提督「何かって・・・ごちそうさま?」


五月雨「ああもう!ほんとこの人は!!」


恥ずかしさのあまり目を合わすことができない五月雨


提督「俺の心臓を止める気か。俺だって初めてだわ!!」


五月雨「そうだ。響ちゃんに私を近代化改修してください。彼女に私の遺志を継いでもらいます」


五月雨「それに提督は提督です。ここで逃げても何も始まりませんよ?」


提督「わかってるが・・・」


五月雨「あーあ。恋人は無理でも娘みたいにもっと扱ってほしかったなぁ・・・」


両手を上げてベットに倒れこむ


五月雨「未練なくいこうと思ってたけど無理そう・・・」


提督「キ、キスまでしといてまだ未練が・・・・いやすまない・・・」


五月雨「私の分まで響ちゃんをよろしくお願いします」


提督「あ、ああ。不甲斐ない提督で済まないな」


五月雨「いえ。私にとっては最高に尊敬できる提督でした!」


ベットから起き上がった五月雨は笑顔でそう言う


提督「あとは明石に任せる。いいだろ?」


ドアの間から見ていた明石に声をかける


明石「気が付いていたんですね」


提督「普通に見えてるわ」


明石「いやぁ・・・寝てたんですけどのろけ話や他のことでうるさくてぇ・・・」


提督「何度もすまないな。あとのこと任せていいか?」