○○鎮守府
どこかにある、とある鎮守府の、とある提督と、そこにいる不特定多数の艦娘たちのお話。
※艦娘の性格、言動については作者の勝手なイメージが多分に入ります、不愉快と思われる事があるかもしれません。
どうもこんにちは、というよりは初めましての人が大半かと思います、霞我優月(カスガユツキ)と申します。
とある投稿者達に触発されて自分も何か書いてみたくなりました。
初投稿、初SSの拙い文章ですが、少しでも楽しんで頂ければ幸いです。
それでは皆様、長くなるか短くなるかもわからないSSですが、どうかお付き合い下さい。
とある場所、鎮守府があった。
「・・・・・・・・・て・・・・・・く・・・・・・」
その鎮守府には、女性の提督と。
「・・・・・・・・・て・・・とく・・・・・・」
二人と多数の艦娘がいた。
「・・・・・・・・・提督!」
そして今その提督と艦娘は。
「提督!起きなさい!」
執務室の提督机を挟んで格闘していた。
提督「zzz」
片方は寝息しか出していないが、格闘中である。
「起きなさいって言ってるでしょ!」バンバン!
艦娘の方はと言うと、もう限界とばかりに提督机を両手で叩いている。が、提督の方はと言うと一向に起きる気配が無い。
提督「zzz」
しかし、艦娘の方には確信があった、この提督は起きている。が、狸寝入りをしていると。
「ふぅ・・・・・・もしかしてとは思うけど、ばれてないと思ってるの?」
先程まで叩いていた手を腕組みに変え、眉を寄せた表情で提督を見下ろす。
提督「・・・zzz」
艦娘の彼女が確信を持っているのはもちろん理由がある、それは勘とか経験ではなく、『今見ているもの』が動いているからだ。
「・・・・・・そう、ならこっちにも考えがあるわ。」
艦娘の彼女は提督机を回り込んで寝ている(ふりの)女性提督の横に行ってしゃがみ、女性提督の座る椅子、その後ろ側に手を伸ばし、動いている『それ』をあまり力を込めずに握った。
提督「っ!・・・z、zzz」
提督の体が一瞬震えた、が、また直ぐに寝息を出し始める。
「早く起きないと『これ』、引っ張るわよ?さ~ん」
艦娘の方が『それ』を握ったまま少し低くした声で言う、ついでにカウントダウン付きで。
提督「・・・・・・」
先程まで聞こえていた寝息が止んだ。さらには少し震えているようにも見える。
「に~い」
艦娘の方は手に少しずつ力を入れていく。
提督「・・・・・・っ!」
提督は震え、寝息は完全に止まっており、若干冷や汗もかいている。
「い~ち」
カウントが終わろうという時
提督「わーっ!タンマタンマ!やめて!それだけはやめてぇ!」
提督が起きた、いや、元から起きていたが。そのポーズは艦娘の握っている『それ』を気遣ってか胴体はそのままに、両手だけ上に上げて降参のポーズを取っている。
「はぁ、まったく、なんでこうなる前に起きないのよアンタは。」
艦娘は呆れたようにため息をつき、握っていた『それ』を放して立ち上がる。
提督「う~、だってぇ、お昼の後って眠いじゃん。私としてはお昼寝したい訳ですよ。叢雲ちゃんだってその気持ちはわかるでしょ?」
叢雲、そう呼ばれた艦娘は若干呆れつつも、こいつの好きにさせるわけにはいかないという思いで言葉を返す。
「猫かあんたは!」
提督の戯言に艦娘が突っ込んだ、が
提督「ふーんだ、猫だもーん。」
提督はというとまったく詫びれる様子もなく先ほど艦娘が握っていた『もの』、2本の尻尾を左右に振る。この態度がまずかった。
「・・・」スッ
この半分野良猫のような提督の言葉に艦娘は怒った、どれぐらいかというと言葉を放棄するほどに、そして言葉を放棄した人間がとる行動はというと。
提督「え?ちょっと?叢雲ちゃん?何で無言でまた私の尻尾掴んでるの?しかも何で私が逃げられないように体固定してるの?ちょっと待っt」
実力行使である。叢雲は提督の尻尾を引っ張った、もちろん無言で、そして笑顔で、しかし怒りの心で、でも千切れない様にほんのちょっとの優しさを持って。その行動に対して出た結果は提督の悲鳴だった。
~5分後~
提督の悲鳴はつい先程まで続いていた、そしてそこには、多少溜飲の下がった叢雲と、床で横たわって痙攣している半人半猫がいた、言わずもがな提督である。と、先ほどの話の続きを叢雲が始めた。
「あのねぇ、貴女はそうかもしれないけど、私達としてはそうはいかないのよ、いくらここが」コンコン
叢雲がそこまで言ったところで、執務室のドアがノックされた。
提督「は、は~い・・・どうぞ~・・・」
提督は床に横たわったまま顔だけなんとかドアに向けて声を出す。
???「入るね提督~。」
入ってきたのは艦娘、緑色の制服に髪型はおかっぱおさげ、雰囲気は若干のほほんとしている感じだ。
提督「あら・・・北上ちゃん・・・・・・どしたの?」
提督は入ってきた艦娘に笑顔で質問する。彼女は北上、この鎮守府の二番目の古株の艦娘である。
北上「どしたのって聞きたいのはこっちだけど・・・。」
そこまでで言葉を切る、彼女はなんとなくわかっている、まぁ要するには『いつものこと』なんだろうと。
北上「まぁいいや、叢雲っちもいるなら丁度いい。ちょっと呼びに来たんだ、次の子が来るからさ。」
1番古株の艦娘と提督は、北上が言った言葉の内容に少し顔を曇らせる。
提督「次、来ちゃったか・・・うん、みんなで迎えよっか。ね、叢雲。」
提督は曇らせた顔を一変、笑顔に変え、横に立つ叢雲に笑いかける。横たわっているので見上げる形になってはいるが。
叢雲「そうね、行きましょうか。」
叢雲も笑顔を返し、扉へと向かう。
提督「うん、ところでさ、二人共・・・」
提督が何か申し訳なさそうに二人を見上げる。
北上(叢雲)「何さ(何よ)?」
早く工廠へ行こうとしている艦娘二人へ、提督は苦笑いのような顔で言う。
提督「さっきので腰抜けちゃった、肩貸して。」
その後、提督は艦娘二人に両脇を支えられ、足を引き摺られながらも、三人で工廠へと向かった。
執務室→工廠
今現在、提督と叢雲、北上の3人は工廠へと向かっている。
提督「・・・」ズルズル
最初は提督の両脇を叢雲と北上が支えて歩いていたのだが、今は少々可笑しな状態になっていた。
叢雲・北上「・・・」ズルズル
提督は逆さまになり、その両足を叢雲と北上が片方ずつ持って引き摺っているのだ。
提督「あのぉ・・・二人共?」
提督が恐る恐る声をかける。
叢雲・北上「・・・」
二人は無視して歩く、ひたすら工廠へと向かって。
提督「あのぉ、もしもーし、聞いてます?」
繰り返し呼ぶが一向に二人から反応は無い。
提督「う~・・・」
何故こんなことになったのか、話はほんの数分前に遡る。
執務室を出たとき、叢雲と北上は確かに提督の肩を支えていた、尻尾を引っ張られて腰が抜け、提督は自力で歩けなかったからだ。
提督「いやぁごめんねぇ二人共、いつもこんな風で。」
申し訳なさそうにしつつも提督が二人に笑顔を向ける。
叢雲「いいわよ、もう慣れっこだし、というか・・・ねぇ・・・。」
北上「半分は叢雲っちがやりすぎたってのもあるしねぇ♪」
叢雲「うっ。」
北上が悪戯な笑みを浮かべ、叢雲を笑う。それに対し叢雲も言葉が出ない。
確かに提督はだらだらとし過ぎていたが、だからといって腰が抜けて動けなくなるほどやることは無かった。
というよりそこまでやっては本末転倒である。叢雲自身それはよく解っている、それ故に言い返せない。
提督「まぁまぁ、今回は私もだらけ過ぎたよ、でも・・・」
提督が左右にいる二人の肩に回している手を動かす、と
提督「ちょっとやられすぎたからご褒美あっても良いと思うんだよ、ね!」
掴んだ、突然に、なんの前触れも無く、それは左右の手で大きさは違ったが柔らかく、掴むというよりは触るという程度のものだが、それをされた本人たちは固まった。
掴んだのは提督、掴まれたのは北上と叢雲、そしてその胸だった。
提督「お、二人共ちょっと大きくなった?でも叢雲はまだまだちっちゃいなぁ、北上ちゃんは結構好みな大きさかなっふぉ!?」
提督が妙な声を挙げる、というのは突然に体が支えを失って落ちたのだ。
その理由は当然、支えていた二人が提督から離れ、支えを解いたからだが。
それから二人は無言のまま提督の足を掴み、モップよろしく引き摺って来ているわけだ。
ただ、提督は完全になされるがままで気付かなかったようだが、提督を引き摺る艦娘二人の頬は真っ赤に染まり、少々緩んでいたそうな。
変に書き方を固定すると書きづらいことに気づいた・・・
女性提督物ですね!
やったぜ
続き期待です