2022-02-04 19:33:01 更新

概要

幽霊さんが住む鎮守府に着任した24歳の青年の記録。



のんびり気ままに書きたい( ・ω・ )。出して欲しい艦娘がいれば…コメント欄に遠慮なく書いて欲しいです…。


前書き

(因みに…)皆さんは…恐怖体験をしたことが…ありますか…?


提督「……暇」グデー…


俺はここ、霧山鎮守府という大自然に囲まれた辺境にある小さな鎮守府の提督だ。年齢は24歳。


鎮守府と言っても、俺はまだ新任提督。もちろん、艦娘も憲兵も妖精も俺以外誰一人といない。


だから、寂しい…。(T_T)


今の職場において、この寂しさ以外はこれといって不満はない。提督業は収入はいいので、今は充実した日々を送れている。


外<ザーーーーーー(雨音)


提督「おー…梅雨ですな…」


提督(今が六月だから…大体着任してからもう三ヶ月か…。早いもんだな…)


提督(ホント…ここに来たとき最初どうなるかと思っていたな…)

<ゴロッゴロッゴロ…


提督「ん?」


何かが転がる音が聞こえる。


提督「!あーー⁉︎」


音の方角を見ていると、さっきまで机の上にあったインク入れが3メートルくらい離れた床でインクをぶちまけていた。


提督「チッ(舌打)やってくれたな…」


この鎮守府では、よく“こういうこと”が起きる。俗に言う…ポルターガイストだ。


提督(…ほんと…勘弁して欲しいもんだよ…。俺がそう簡単に動けないことも知っての上かな?)


俺は幼い頃のある事故が原因で杖なしでは動けない体になっている。


提督「…よっと…」


提督「あーあーあーあー…」テク…テク…


やってくれるよ…本当…そんだけインク入れが嫌いか…。


インク入れがこうやってぶちまけられるのも、74回目となるともう慣れた。お陰でこの執務室の床はインク色に染まりつつあるけどな。


提督「ちょっとはインク代を考えてくれよ…。俺の給料から天引きされてるんだぞ…」


そんなこと言っても幽霊さんは聞いてくれないんだろうけど。


提督「はぁ…片付けるとしますか…」



青年お片付け中…



提督「ふう…ざっとこんなもんか…。しみが残るのは仕方ない」


グゥゥゥ…


提督「…腹減ったな…。もう夕飯時か」



その後夕食(支給品の栄養食)を食べて、風呂も入り

数時間後…



提督「はぁ…三ヶ月経って慣れたとは言え風呂に入るのは一苦労ですな…」


提督「…もう寝るか…」


こうして、今日も1日が終わる。山奥で色々大変だけど、充実はしているから、今のままで良い。


<パリーン!


提督「……」


…あの騒がしい霊さえなければな…。




翌日…




提督「おはようさんさんー…」ノビー


新しい朝が来た。


提督「今日は…」チラ


外<ザーーーーーー(雨音)


提督(…うん。梅雨だからね仕方ないね…)


早く明けて欲しいものだ。こんなジメジメした日が続くと余計なストレスがかかる…。


提督「…杖…杖…よっと…」


…いい加減誰かいないと色々と不便だな…。


本来、提督ならこう言う時は建造するべきなんだろうが、この鎮守府には致命的な問題がある。


…そう。妖精が一人もいないのだ!


妖精がいないと言うことは、建造ができない。


妖精がいないと言うことは、艤装の整備ができない。


つまり、この問題をどうにかしない限り俺はずっとぼっちなのだ!


え?憲兵はって?支給品を届に来る時にたまに俺を危惧してとどまろうとしてくれているが…


この鎮守府に2時間以上いると、俺以外の人間は原因不明の体調不良を起こす。調べたところ、これはいわゆる霊障っていうやつらしい。


だから、泣く泣く人間は諦めるしかないのだ。


他の鎮守府から妖精を連れてくる手も試してみたが、この鎮守府の半径50メートル内に入ると、妖精達はみんな怯えだし、近づくにつれパニック状態になってしまい、住ませるどころではないので、こっちも現時点では諦めるしかなかった


…これらの原因は全部あの幽霊だ。あいつが俺以外の者を全く寄せ付けないのだ…。


なので、あの幽霊をどうにかして黙らすか無力化するか成仏させるか封印するかしないと俺は永遠ぼっちなのだ。


…無理ゲーじゃね…?


提督(うん。無理ゲーだな。よし、とりあえず執務机に向かおう!)思考放棄


まあ、後々考えればいいでしょう!



3時間後…



提督「あー…やっぱ寂しいなー…」


ドア<ガチャ

提督「ん?」


ドア<ギィィィ…


提督「……」


グサっ!


提督「いってぇーー⁉︎」


ペンが俺の右手に刺さった。


提督「ちょ…おま…なんか今日えらく過激だな…。最近雨続きでお前もストレス溜まってんのか…?」


提督「…ったく…いってぇな…」


でもまあ…少しは寂しさが紛らわせられたかな…?


提督「…そう言えば…今日って…」


俺はスマホを開き、時刻を調べる。こんな山奥でもネットが使えるとは、いい時代になったもんだ。


提督「……やっぱりな…」


今日は支給品を届けにあの憲兵の皆様が来てくださる日だ。一ヶ月に一、二回しかないが、ここから動けない俺にとっては数少ない楽しみだ。


提督(待ち遠しいな…)



そして、さらに3時間後…(ヒトサンマルマル)



憲兵A「おー!お元気でしたか!霧山提督」


提督「この通り。まだ呪い殺されてませんよ」


憲兵B「はっはっは!お元気で何より。どうです?幽霊殿との関係は?」


提督「今朝机にあるペンで右手を刺されましたよ。痛かったですねぇ」ハハハ


憲兵C「なんでい、今日はいつもに増して過激なんすか?」


提督「ま、そんなところですな」


憲兵A「ありゃぁ…じゃあタイミング悪かったですかな…?」


提督「ん?ああ、大丈夫ですよ。2時間以内ならあいつは何もしてこないと思うので」


憲兵B「いや…それは知っているんだけどね…ちょっと…今日は支給品だけじゃないんですよ」


提督「…え?それはどう言うことですか…?」


憲兵A「まあ…説明する前に見てもらったほうが早いかと…」


憲兵C「ほら、おいで。ついたっすよ」


提督「…?」


憲兵Cのその言葉とともに女の子が降りて来た。


提督「…!この子はまさか…」


トラックの中から降りて来たその女の子は、茶色い髪に全身を黒い制服に身を包んでいる。


提督「…憲兵さん…」


憲兵A「ん?」


提督「いくらなんでも幼女誘拐は犯罪ですよ。今から然るべきところに電話するので逃げないでください」


憲兵達「ちょおいおいおいおい待て待て待て!」


憲兵B「誤解だ!」


提督「えぇ…」ジト…


憲兵C「そんな目で我々をみないで欲しいっす!」


提督「じゃあなんだと言うのですか?」


憲兵A「この娘は艦娘だ!」


提督「……」


??「え、あ…」オロオロオロ


提督「……」プルルルル プルルルル


憲兵A「かけるならせめて話を聞いてからにしろ!」



5分後…



提督「…で?説明してください」


憲兵A「はいはい…」ツカレタ


憲兵B「まず、この娘を紹介しましょう」


憲兵B「この娘は睦月型駆逐艦、七番艦の文月です」


提督「睦月型駆逐艦…てことは、この娘マジもんの艦娘なのか⁉︎」


憲兵C「そうっす。見た目はどこにでも居そうな学生っすが、れっきとした艦娘っす」憲兵A「さっき言っただろうが…」←後ろの小声


提督「はへぇ…こんな小さい娘が前線で戦ってるのか…」ジー…


文月「あ…えっと…文月って言います!よろしくお願いしまふ!」


憲兵A(噛んだ)


憲兵B(噛んだな)


憲兵C(噛んだっすね)


提督(噛んだ…可愛い……は!)ゾクゾク


提督(い…今どこかから冷たい視線が…)


憲兵A「あ、ゴホン!それで、この娘がここに配属された経緯ですが…」


憲兵A「この娘の前の鎮守府は辻内鎮守府というところです」


提督「へぇ、そこで何かあったのですか?」


憲兵A「はい…。そこの提督だった、辻内提督は、80を超えるとてもご高齢な提督でしてな…」


提督「80⁉︎そんな歳になるまで海軍で提督をやっていたのですか⁉︎」


憲兵A「ええ。彼自身は90まで提督業を続けると豪語しておりました」


憲兵A「しかし、三週間前…長年の無理が祟ってとうとう倒れられ、つい先日、息を引き取りました…」


憲兵B「享年87年…天寿を全うされました」


提督「そうだったのですか…」


憲兵C「息を引き取る最後の最後まで、残された家族と部下達を気にかけて居たそうっす」


憲兵A「…で、辻内提督の死後、残された艦娘達をどうするかの会議が開かれました」


憲兵A「そこで、あなたの上司的立場である弓織少将が、この娘を引き取ったのです」


憲兵A「もちろん、目的はあなたを支援するため」


提督「少将様が動いてくださったのか…。ありがたいお話です」


憲兵A「はい…」


提督「でも、当の彼女はそれでよかったのですか?かつての親しい仲間とも別れることになりましたし…」


憲兵A「…それは…」


提督「…これで彼女が悲しむのであれば、たとえ少将の指示といえど、彼女をここに置くわけにはいきません」


文月「あ…あの、」


提督「お、どうした?」


文月「文月は…大丈夫…」


提督「本当に?他の姉妹とか友達とかは…」


文月「大丈夫、離れていても寂しくないし、それに、二度と会えないんじゃないんでしょ?司令官?」


提督「…まぁ…そうだな…」


憲兵A「ホッ…」


提督「…ですが、問題は…」クイクイ


憲兵達「?」スタスタ


提督「あの娘にここは幽霊が出るって教えているのですか?」ゴニョゴニョ


憲兵A「いや…」ゴニョ 文月「?」


憲兵C「言ってないっす…」ゴニョニョ 文月「んー?」


提督「…マジですか…」ゴニョニョニョ 文月「???」テクテク


憲兵A「変に怖がっちゃっても…ね…」ゴニョゴニョ 文月(怖がるってなんだろう…)


提督「…まあ…これから配属される鎮守府には幽霊が出るなんて言えませんもんね…」 文月「幽霊⁉︎」


提督・憲兵達「!」ビクッ


一同「……」

提督(しまった…)


提督「あ…えっとな…文月、幽霊って言っても、そんなに害のある幽霊じゃ文月「幽霊が出るの⁉︎」(*゚▽゚*)キラキラキラ」


提督「え?…うん…」


文月「わぁぁ!幽霊さんどんな人なの⁉︎ねぇねぇ!」キラキラキラ


提督「あ…えっと…」


提督(わぁ…逆に興味を持ってらっしゃる…)


提督「どんな人…と聞かれても、姿が見えないから俺は分からん…」


文月「えー…」


提督「まあ、ここに住むなら、必然的にその幽霊と触れ合うことになるから、それで少しはわかると思うぞ」


まあ肝心の俺は三ヶ月あの幽霊と過ごしてきたが、あいつのことなんて、ただのめんどくさいやつとしか分からんかったな…


憲兵C「と…とりあえず、一番の不安要素は解決っすね」


憲兵B「馬鹿野郎。もっとどデカい問題があるだろ!」


憲兵A「件の幽霊が、文月を受け入れるかどうか…」


憲兵C「あ…」


提督「それなんですけど…」



数分後…



提督「また後ほど連絡します」


憲兵A「わかりました。では、」


ブロロロロ…


提督「……」


俺は去っていくトラックが雑木林に完全に隠れるまで見届けた。


文月「司令官!早く早く!幽霊さんに会いたい!」ピョンピョン


提督「ああはいはい、待ってくれ。俺はそんなに早く移動できないんだよ…」カツ…カツ…


文月「…ところで…ずっと気になってたんだけど、」


提督「ん?なんだ?」


文月「司令官の右足って、どこにいっちゃったの?」


提督「俺の右足?…んー…さあな…どこに行っちゃったんだろうな…。今頃、イタリアあたりでパスタでも食ってるんじゃないかなぁ?」


文月「……」


提督「…冗談だ。幼い頃、事故で亡くした」


文月「事故ー?」


提督「ああ、事故」


文月「ふーん…」


提督「…っと…幽霊に会いにいく前に、まずは寮に行って文月の部屋を決めるのはどうだ?」


文月「えー…先に幽霊さんがいい…」


提督「そ、そうか…?じゃあ先に本館に行って幽霊と会うか」


文月「…幽霊さんって、寮には出ないの?」


提督「…ああ、そうだな。今まで数回ぐらい、用事があって寮の方に行ったことがあるんだが、ポルターガイストは全然起きたことがないな」


文月「ぽるたーがいすと?」


提督「うん、ポルターガイスト。ドイツ語で騒がしい霊っていう意味らしい」


文月「騒がしい霊…?ここの幽霊さんは騒がしいの…?」

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

幽霊「ヒャッハー!!」ブゥンブゥン!(バイク) ※文月の想像です

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

提督「ああ。騒がしくて迷惑な奴だ」


文月「」


提督「…ん?どうした?文月」


文月「…えっと…いつもバイクに乗り回して…」


提督「…バイク?…あ、(察し)…安心しろそっち方面の騒がしいじゃない、そんなんだったら俺の身が持たん」ハッハッハ


文月「そ、そうなんだ…」ホッ…



鎮守府廊下



文月「ここの執務室、一階にあるんだね」


提督「ああ。その点は助かっている。俺じゃあ階段を登るのは一苦労だからな…」


文月「うん…」


提督「っと、あのドアが執務室だ」


文月「幽霊さんも、だいたいここにいるの?」


提督「まあ…そう考えてもいいだろう…」ガチャ


俺は執務室のドアを開け、中に入る


提督「…さて、幽霊さんは居るかな…」ヒュン


インク入れ<ゴロッゴロッゴロ…


提督「……」


インク入れ<ドバァ


文月「え?え?」


文月「今…インク入れが…」


提督「飛んでたな。またやりやがった。75回目だ」


文月「ここここれもしかして幽霊さんの…」


提督「ああ。これがポルターガイストだ」


文月「……」


提督「どうした?怖くなったか?」


文月「…すごい!」キラキラキラ


提督「うぉ⁉︎」


文月「こんなの初めて見た!すごいすごい!」


文月は床に落ちたインク入れを持ち上げ、目をキラキラさせている。


提督「お、おう…」


結構好奇心旺盛だな。まあこのくらいの見た目の娘はこれくらいの元気がちょうどいいんだろう。


文月「ねえ司令官!幽霊さんとお話ししたい!」


提督「え?お話し?」


文月「うん!」


提督「あー…お話しねぇ…どうだろう…。あいつはこういうポルターガイストは結構起こすんだが、声を出したり、姿を表したりすることは一切無いな」


文月「そうなの…?」


提督「少なくとも俺の場合はな、文月ならわからんけど…」


文月「…じゃあ、頑張ってみる!」


提督「おう、頑張れ」



鎮守府玄関(中)



提督「さて、今度は文月の住む部屋を決めに行こうか」


文月「うん!」


外<ザーーーー(雨音)


提督「ありゃ…いつの間にか雨が降ってやがる…」


文月「本当だー…」


バサ! バサ!(傘をさす音)


提督「寮はあの建物だ」カツ…カツ…


文月「はーい」スタスタ


提督「ちょ、待ってくれ…そんなに早く歩かないでくれ…」カツ…カツ…


文月「えー…しょうがないなぁ…」



艦娘寮玄関



引き戸<ガラガラガラ


埃やチリ<モァ〜


文月「うっ⁉︎」


提督「ゴホッゴホッ…」


文月「うぅ〜…」


提督「すまんな…寮はあまり使わなかったから、掃除ができてないんだ…」


文月「妖精さんは?」


提督「え?」


文月「寮や、鎮守府の掃除は、だいたいいつも妖精さんがやっているって聞いたよ?」


提督「そうなのか?辻内鎮守府だけじゃなく?」


文月「うん」


提督「そうなのか…」


文月「そういえばー、ここにきてから妖精さんをみかけてないよおな…」


提督「ここには妖精も俺以外の人間もいない」


文月「えー⁉︎なんでなんで⁉︎」


提督「あの幽霊が問題なんだよ…」


文月「え⁉︎」


提督「普通の人間はここに2時間以上いるだけで原因不明の体調不良を起こすし、妖精達は一度他の鎮守府に頼んで何人か連れてこようと試みたのだけど、この鎮守府から半径50メートル以内に入ると急に怯え出し、近づくにつれパニックを引き起こし始めたから、仕方なく帰したな…。これらの原因は十中八九あの幽霊の存在と俺は思ってる」


文月「……」


提督「…だから、この鎮守府はゲームで例えると結構なハードモードではある」


文月「…じゃあ…そのうち文月にも何か…」


提督「あったときは俺がどこか受け入れてくれる鎮守府を見つけて異動させてやる」


文月「…司令官は…」


提督「俺?俺は多分もう大丈夫だろう。三ヶ月もここに住んでちょっと被害は被ってはいるが、急な病に侵されたり倒れたりとか、大事にはなったことは一度も無いから」


文月「…じゃあ、幽霊さんは司令官を認めてくれたってこと?」


提督「…まぁ、そんな感じだろうな…」


文月「じゃあ、文月も認めてくれるのかな?」


提督「さあな。なんせ、俺以外ここにいられる人を見たことがないから、どうとも言えないな…。艦娘はどうなんだろう…」


文月「…幽霊さん、文月はいい子にしますから、どうかここに居させてください…」


文月は手を合わせ、幽霊に祈った。


提督(…あいつが聞いてくれたらいいんだが…)


提督「…おっと、ここに来た目的を失念していた。まあこの寮も鎮守府同様一階しかないから、窓からの眺めはどこもあまり変わらないと思う」


文月「ふーん…」


提督「まあ、記念すべき一人目の入居者だ。気に入った部屋を使ってくれ」



数分後…




提督「この部屋でいいんだな?」


文月「うん」


提督「分かった。はいこれここの鍵」っ鍵


文月「ありがとう!」


提督「ん」


提督(やっていることがまるで大家さんのそれみたいだな…。そういえば、この寮にもいずれ寮長が必要になってくるんだろうな…)


ここは本当に色々足りない。主に人員が


提督「…さて、それじゃあ…」


文月の部屋<ゴチャァ…


提督「掃除するとしますか…」


文月「うん!」



提督、文月、掃除+家具設置中…



提督「ざっとこんなもんか…」


掃除をし始めてから数時間…。曇り空でもわかるくらい外は暗くなっていた。時刻はヒトナナフタナナ。


文月「ふいー…疲れたー…」


提督(照明とか机とか、さっき憲兵達が文月の入居のためにと持ってきてくれた家具はなんとか全部運べた…)


提督(後は、足りないものを申請しなくてはな…)


提督「…さて、文月、晩飯にするぞ」


文月「!ご飯!」


提督「ここにも食堂があるが、まだ使えないからしばらくは鎮守府の方で食べてくれ」


文月「分かったー!」



艦娘寮から鎮守府に移動する道中…



提督「あ⁉︎」


文月「⁉︎」ビクッ


提督(しまった憲兵さん達に連絡するのすっかり忘れてた…)


提督(文月がここに来てからもう4時間以上経ってるから、これは多分大丈夫だろう…)


提督「……」プルルルル…プルルルル…ピ!


憲兵A『霧山提督!遅いですよ!』


提督「あー、すみません。掃除とかですっかり忘れていました」


憲兵A『何かあったのかとお思い、こっちはドキドキしながら待ってましたよ!』


提督「それは本当に申し訳ございません」


憲兵A『はぁ……で、どうですか?』


提督「今も私の横で変わらず元気にしているので、多分大丈夫かと思います」


憲兵A『それは良かったです。これで我々も安心して少将に報告できます』


提督「ご苦労様です。今日はありがとうございました」


憲兵A『いえいえ。それではまた』


提督「はい、失礼します。はい」


プー、プー、プー、


文月「…幽霊さん、文月のこと認めてくれた?」


提督「多分な」


文月「やったー!」ピョンピョン


提督(…まあ良かった…。文月は今のところ特におかしいこともないみたいだし…)



提督の自室



提督「……」トス…トス…トス…


提督(こうやって料理するのも久しぶりだな…)


そう心の中で呟きながら、俺は黙々と作業をする。


文月には先に風呂に入ってもらった。こういう時のため、個室風呂をニ部屋掃除しておいて良かった…(文月が使っているのは普段俺が使ってない方)


提督(今日の夜は肉じゃがだ。喜んでくれるといいが…)



数分後



ドア<ガチャ

文月「気持ちよかった〜」


提督「お、来たか。晩飯できてるぞ」


文月「わぁ!肉じゃが!」バッ


提督「熱いから気をつけて食え…」

文月「あっちぃ⁉︎」


提督「…大丈夫か?(言わんこっちゃない…)」


文月「ふぇぇ…」涙目


提督「ちゃんと少し冷ましてから食べないと、そのままだと熱いから…」


文月「はーい…」


文月も子供だな…。孤児院に居たちびっこを思い出す…。


文月「ふー、ふー、ふー……あむ…」モグモグ


提督「…どうだ?」


文月「美味しいー!」(o^^o)ニコー


提督「それは良かった」


どうやらお気に召したようだ。


その後もなんの問題もなく、俺と文月は食事を続けた。


こうやって自分の作った料理を美味しい美味しいと食べてくれているのをみるのはいつぶりだろう…。とにかく、嬉しいもんだ。


その後、俺たちは無事食事を終えた。


文月「ごちそうさまでしたー!」


提督「お粗末様でした」


文月「司令官の料理ってとってもおいしいんだねー!」


提督「そ、そんなに美味しいか?」


文月「うん!すっごく美味しい!今まで食べたことないくらい!」


提督「そ、そうか。それは良かった」


時計<フタマルマルマル


提督「…っと、もうこんな時間か。文月、今日は自分の部屋に戻って寝なさい」


文月「えー、もうちょっとお話ししたい〜…」


提督「……しょうがないな…部屋まで送ってやるから、話の続きは部屋でしよう…な?」


文月「!うん!」


提督(俺の睡眠時間が削られるが、致し方ない犠牲としよう)


ドア<ガチャ



執務室



今更だが、俺の部屋と執務室は繋がっている。ただ、俺の部屋と廊下は繋がってないので、俺の部屋に行くには執務室を経由して行かないといけない。


??<ゴロッゴロッゴロ…


提督「ん?」


文月「あぁ…」


インク入れ<ドバァ


提督「……」


文月「幽霊さん…」


提督(幽霊…お前はブレないなぁ…)


76回目である。



文月の部屋



文月「司令官って孤児院に居たの?」


提督「んー?ああ、幼い頃に両親を亡くしてな」


文月「へぇー…」


提督「まあ対して裕福な家庭ではなかったから、義足も買うことができなかった」


文月「…?義足って高いの?」


提督「ああ、戦争が長く続いてるせいで、今の時代、義足の材料がなかなか手に入らないからな…。そうやすやすと手が届かないほど値段が高騰しているんだ。ましてや俺みたいに両親を亡くして、収入がない場合だと、義足なんて夢のまた夢だな…」


文月「…でも、もし手に入れられるなら、今も欲しいの…?」


提督「ん?……いや、今はそこまで欲しいってわけでもないかなぁ…?」


文月「?なんで?」


提督「なんでって言うか…今の松葉杖の生活に慣れてしまったからかな…?確かに今の生活は普通の人と比べて不自由なところもあるけど、そこまで大金払って義足を手に入れたいってわけでもないし…」


文月「……」


提督「義足がもっと安かったら、考えは違うだろうけど、今はこの生活に概ね満足しているから、いいかな…って思ってる」


文月「…へぇ…」


まあこれは俺個人の考えだから、他の同じような境遇の人たちがどう考えているかは…わからないけどね…。


その後も文月が寝るまで色々な話をし、寮を出る頃にはフタヒトサンマルになっていた。


提督「ふぃー…結構話し込んでしまった…」


提督「まあ俺も楽しかったからいっか」


提督「…さて、風呂入ってさっさと寝よ」



翌朝



提督「んあ…?」パチ


提督「……」ムクリ


提督「んん……はぁ…」ノビー


提督「…朝か…」ボケー


提督「杖杖…よっと、」


提督「さて、今日も一日頑張るとするか…」



執務室



提督「今日も書類がたくさんあるな…」


提督(…そういや俺、ここに来て全く提督らしい仕事をしたことがないな…)


提督(…いやまあ、書類仕事も立派な提督の仕事ってのは理解してるんだが…もっとこう…艦隊を指揮したりとか…)


提督(それを一切やらなくて大丈夫なんだろうか…)


提督「うーむ…」


提督(…それ以前の問題として、この鎮守府にはまず妖精がいないことが問題なんだよな…)


提督(あいつの力というか存在が強すぎて、妖精がいることが出来ない鎮守府になっている…)


提督(昨日の文月との会話の中にも、妖精の話が出てきたな…)


提督(これから先もここで働いていくからには、妖精達がいなきゃ不便…)


提督(…それに…)


ドア<ガチャ


文月「しれーかーん!」


提督「お、おはよう。文月」


文月「おはよー!」


提督「朝から元気だな」


文月「えへへー」


提督(妖精確保は急がなきゃならない…)


提督(文月のためにも…)



昨晩



提督「やっぱりこれからは妖精達の協力が必要不可欠か…」


文月「うん…」


提督「…問題はあの幽霊なんだよなぁ…」


文月「…本当に、あの幽霊さんのせいなの…?」


提督「…ああ。残念ながら…。そういえば、これは話したっけ…?」


文月「?」


提督「一度、この鎮守府に霊媒師が来たこと」


文月「霊媒師ー?」


提督「ああ。二週間くらい前な、今日文月をここまで送ってきてくれた憲兵さんの中に、雪村さん(憲兵C)っていう人がいただろ?」


文月「…えーっと…」


提督「あの語尾になんとかっす…って言っていた憲兵さん」


文月「あ、うん!あの人ね!」


提督「あの人の知り合いにちょうど霊媒師さんをやっている人がいてな。一ヶ月くらい前にここにきてもらったんだ」


文月「へぇー!それで?」


提督「鎮守府を一通りまわった後、その霊媒師さんは丁寧に説明してくれたよ」


提督「霊媒師さん曰く、ここの幽霊はこの建物…鎮守府に縛り付いている、いわば地縛霊っていう種類の霊らしい」


文月「地縛霊…」


提督「なんでも、何か大きな理由があって、この建物に自らを縛り付けているそうだ」


文月「…その理由は…」


提督「それはわからなかったらしい」


提督「地縛霊の他にも、いろいろ教えてくれたよ」


提督「妖精がここに近づくにつれパニックを起こす原因は、あの幽霊が無意識に大量の霊力を放出しているからとか、憲兵さん達がここで2時間以上いると体調不良を起こすのは、幽霊が俺以外の人間を拒絶しているからとか…」


文月「へぇ〜」


提督「でも、帰るときに、最後にこう言ってくれたな…」


提督「あの幽霊はそんなに悪い気はしない…って…」



現在



文月「幽霊さんのあふれる力をどうするのー?」


提督「それを考えたんだが、無意識に放出してるなら本人に言ったって意味ないわけだ。そこで…」


提督「その力をこの建物に封印するっていうのはどうかと思う…」


文月「…?」


提督「幽霊の溢れている霊力を、この建物の中までに留めて、外には一切出さないようにする。できるか出来ないか分からないけど、今のところ、これしか方法が浮かんでこないな…」


文月「…そうすれば、妖精さんと、幽霊さんがここに居られるのー…?」


提督「この施設の中ではな。霊力をこの建物の中に留める方法さえ見つけられれば、理論的には可能だと思う…。問題はその方法があるかないか…」


文月「……」


提督「…そうだ!お寺のお坊さんに相談とかできないかなぁ…」


文月「おぼーさん…?」


提督「お寺で仕事している人だよ。最近じゃあネットでもできるようにもなってるから…試してみようかな…」


提督「……うん、もう他にやりようもないんだし、やってみよう…」



3時間後…



提督「……」モクモク


文月「うーん…」ジー…カキカキ…


あの後、俺はどうにかここから一番近い距離にあるお寺の住職さんと連絡を取ることが出来た。


が、今は忙しいので、予定が空いている一週間後にお寺に来るように言われた。


住職さんの雰囲気は…なんというか、とにかく話しやすそうな人だった。ちょっと安心した。


で、今俺は書類を黙々と、文月は書類と睨めっこをしながら片付けている。


提督「…文月、」


文月「何ー?」


提督「ここはこうこうこうこう……だ」


文月「あ、ありがとー…」


提督「…文月…無理してやらなくてもいいんだぞ…?」


文月「いやー!やると決めたからやるのー!」


提督「お、おう…そうか。だが、わからないところは遠慮なくすぐに聞いてくれよ?」


文月「…わかってるー…」


提督(…健気だなぁ…)


しかし、このまま艦娘が彼女一人では、可哀想だ。できればもう一人…もっと言うなら、文月の姉妹艦でも迎え入れたいところだ。


提督「…そういえば、文月」


文月「なーに〜?」


提督「文月含む睦月型って、12人いるんだよな?」


文月「…?12人ー…?あたしが知ってる睦月型は11番艦までだよぉ〜?」


提督「え?」


文月「えー?」


提督「えっと…睦月型って…」


提督「睦月、如月、弥生、皐月、卯月、水無月、文月、長月、菊月、三日月、望月、夕月、だろ?」


文月「えっと…夕月ちゃん?って…誰?」


提督「…は?」


文月「前、辻内しれーかんの鎮守府にいた睦月ちゃんは、睦月型は11人って…」


提督「え?」


文月「えー?」


提督「……」


文月「……」


提督(…あれー…?おかしいぞ…?艦娘は昔にあった大戦に使われた艦艇がモデルになっているって聞いたのにな…?)


文月「…えっとー…」


提督「……」


文月「しれーかん…?」


提督(…やめよう、なんだか触れちゃいけないことに触れてしまいそうで怖い…)


文月「…?」


提督「ごめん、俺の記憶違いかもしれない。今の話は忘れてくれ…」


文月「…気になるけど、わかったー…」



昼食を挟んで4時間後(ヒトフタマルマル)



提督「ふぅ〜…終わった…」


文月「ふみゅぅ〜……」グデーン


提督「はは、お疲れさん」ナデナデ


文月「えへへ〜」(≧∀≦)


文月の手伝いあって、いつもより早めに終わらすことが出来た。あとの時間は何に使おう…


提督「…あとの時間何をしよう…」


文月「じゃあ文月、訓練したい!」


提督「訓練…か…。いいな。よし、じゃあ早速準備するか…」


文月「わーい!」



青年準備中…



提督「ま、こんなもんかな?」


俺は海上に的ブイを浮かべた。


提督「よーし、じゃあ文月、思いっきりやっていいぞ」


文月「本当⁉︎じゃあ…遠慮なくやっちゃうねー!」


提督「おう、最初はそこから動かずに撃ってみなさい」


文月「分かったー!いっくよぉー!」


提督(さて、文月のお手並み拝見と行こうか)


文月「…えい!」ドン!


的ブイ1「」バシャーン!


文月「…はぁ!」ドン!


的ブイ2「」バシャーン!


文月「…えーい!」ドン!


的ブイ3「」バシャーン!


提督「3発中、全弾外れたな…」


文月「むう〜…だって戦闘なんてしたことなかったんだもん…」ドン!


的ブイ3「」バシャーン!


提督「ん?もしかして、文月って辻内鎮守府にいた期間短かったのか?」


文月「うん…。来た時は辻内しれーかんが倒れたって大騒ぎだったから…」


提督「なんだ、まだ新人だったのか。てっきりそれなりに練度があるのかと思ってた。はは、」


提督「まあ、練習あるのみだ。壊れても的はまだたくさんある」


その後も文月は練習を続けた。最初こそはなかなか的に当てることが出来なかったが、練習していくにつれ、次第に当たるようになってきた。


ある程度当たりだした頃、次に俺は雷撃訓練を文月に命令した。


文月「えい!」バシャ、バシャ


魚雷<シャーーーーー


的ブイ47「」バッシャーーン!


提督「おお、当たった」


文月「やったー!」ピョンピョン


提督「だが、厳しいことを言うようでなんだが、敵は動いているからな」


提督(本来なら、その訓練もさせてやりたいが、生憎今は動かせる的がない…)


提督(…それに…)


俺はスマホを開き、時刻を確認した。(ヒトナナサンゴ)


提督(…やっぱり…時間が経つのはあっという間だな…)


提督「よし、文月、暗くなってきたし今日はこれくらいにするぞ」


文月「分かった〜」


提督(…さて、今日の夜は何にしようか…)






提督「今日はグラタンを作ったぞ」


文月「わぁ〜」


提督「熱いからちゃんと冷まして食べろよ」


文月「はーい」


文月「ふぅ…ふぅ…ふぅ…はむ…」


文月「……美味しい〜!!」キラキラキラ


提督(うん、いい顔だ)ホッコリ


本当にこんな少女が前線で戦っているのかと疑いたくなる顔だ。


文月「???」


提督「おっと、すまん。俺も早く食うとしよう」



食後…



文月「ごちそうさまでした」


提督「お粗末様でした」


提督「あと30分くらいしたら風呂に入りな。そのあとはすぐに寝るといい」


文月「はーい」


提督「……」


提督(つい昨日になるまで一人だったから寂しかったが、一人増えるだけでこんなにも楽しくなるんだな。これも文月が来てくれたおかげだ。文月と文月を送ってくれた少将には本当に感謝しかない)


提督(…だが、まだこの鎮守府にはいろいろ足りないところがあるが、……今のところは時間に任せるしかないな…)




同日、ある鎮守府…




??「あ〜最近つまらんのじゃ〜なんか面白いことでも起きてほしいのじゃ〜」(^p^)グデーン


??「しっかりしてください。まだ仕事は残ってますよ」


??「え〜やだやだやりたくないだるーい〜!」⊂((>⊥<))⊃パタパタ


??「はぁ〜…やらないなら、今日のおやつは無しです」


??「え⁉︎それだけは勘弁…」シュバ


??(相変わらずおやつのことになると早い…)


??「…はい、次はこれです」


??「はいはい」シュラシュラ


<コンコン


??「どうぞ」


ドア<カチャ

??「失礼するね」


??「おー!時雨ちゃん!どしたの?」


??→時雨「鎮守府の門にトラックが来てるよ」


??「え⁉︎今日補給の日⁉︎嘘⁉︎」バッ


カレンダー「6月○日 補給日」


??「マ・ジだーーー⁉︎」



数分後…



憲兵A「ご無沙汰しております。大城(おおき)提督殿」


??→大城提督「いやぁいつもありがとうございます鈴木さん」


憲兵A→鈴木さん「いえいえ、これも仕事ですから」


憲兵C→雪村さん「最近はどうっすか?」


大城提督「いやぁ、まずまずですよ。部下達ともうまくやってますし」


雪宮さん「そうっすか。大城提督はもう少しで少佐に昇格出来そうなところまで来ているので、この調子で頑張るっすよ!」


大城提督「え⁉︎そうなんですか⁉︎私がもうすぐで昇格…⁉︎」


雪村さん「あれ?知らなかったっすか…?」


大城提督「うんうん初耳」


雪村さん「そうだったっすか。まあとにかくもうすぐで少佐になれるっすから、頑張るっすよ!応援してるっす!」


大城提督「はい!がんばります!」


??(さっき仕事だるいだるいって駄々こねていたことは黙ってましょうか)


大城提督「…そういえば…話変わるけど、最近風の噂で聞いたんだけど、うちの秦少将が辻内提督の鎮守府の艦娘を一人引き取ったってマジ?」


鈴木さん「マジです。駆逐艦、文月を引き取りましたね」


大城提督「へぇ〜…それまたなんで?」


鈴木さん「それは、あなたと同じ秦少将の部下の一人、三ヶ月前くらいに霧山鎮守府に着任した、高瀬中康太(たかせなかこうた)という方を支援するためです」


大城提督「支援?」


鈴木さん「はい。高瀬中少尉がおられる霧山鎮守府ですが、訳あって妖精達がいられない状態になっているのです」


大城提督「妖精がいられないって…どういう状態よ…」


鈴木さん「そこのところは詳しくはお話できませんが、とにかく妖精がいないようじゃ、鎮守府運営ができない。ということで、着任から三ヶ月経った後も初期艦をもらえず…」


大城提督「…それで秦少将が…」


鈴木さん「はい…」


大城提督「ふーん…」



その後、憲兵達は大城提督といろいろ情報交換という名の世間話をしたのち、次があるということで大城鎮守府を去っていった。



大城提督「高瀬中少尉か…」


大城提督「…ふふ、ちょっと会ってみたいかも…」


??「そうですね…。でもあなたはその前にやることがまだたくさんありますよ。それからにしては?」


大城提督「分かってるわよ。よーし、チャチャっと終わらすぞー!」




三日後…




提督「よぉーし、今日も書類終わったー」


提督(…文月がこの鎮守府に来てから、四日がたった。一人だった頃が嘘のように寂しさと不安が無くなった)


提督(一人の時はいろいろと不安があったが、今では不安もなくなり、毎日が楽しい。一人増えるだけでこんなにもなるもんなんだな…)


提督(…だが、そろそろ文月以外の艦娘も欲しくなってきた…)


提督(…いや、文月に飽きたとかそんなんでは無いぞ?ただ…最近文月が少し寂しそうにしているのをよく見る)


提督(まあ、ここで話ができる奴が今のところ俺一人しかいないからな…。その話し相手が自分の司令官、しかも年上の男となれば、いろいろ寂しさはあるだろう…。同性の話し相手が欲しい気持ちはわかる)


提督(だから、戦力向上の意味も込めてあと4人くらい増えてほしいなぁと思っている。できれば文月の姉妹艦…睦月型とか…)


提督「……」


提督「…そういやさ、文月」


文月「なーに〜?」


提督「辻内提督の鎮守府にいた文月の姉妹艦って誰々なんだ?」


文月「えっとぉー…まず睦月ちゃんでしょー?あと、皐月ちゃんと、長月ちゃんと三日月ちゃん。それだけだったよ〜」


提督「ふーん…」


提督(…やっぱり、全員いた訳じゃ無いんだな。ということは、あと文月が会ったことがないのは如月、弥生、卯月、水無月、菊月、望月ということになる)


提督(着任させるなら、このあたりの子達にしたい)


提督(まあそれもこれも全部、妖精が居ない問題を片付けてからになるが…)


提督「……」コツ…コツ…


文月「?しれーかん、どこに行くのー?」


提督「散歩だよ。体を動かさないと、運動不足になるからな」


文月「あたしもついていってもいいー?」


提督「お好きに」








提督「……」カツ…カツ…


提督(…なんというか…何度見ても殺風景だな…。曇り空が余計にそれを引き立てる…)


この鎮守府には俺と文月以外誰も居ないので、活気がない。だから殺風景に見えるのだろう…。


提督(…そろそろ本格的に夏が始まるな…。クーラーとかも準備しないと…)


因みに文月の部屋のクーラーは、いつになるか分からないが近々届くそうだ。それまでは扇風機で我慢してもらっている。早く届け文月のクーラー


提督「…さて、散歩するといってもどこに行こうか…」←決めてなかった


提督(まあ、そこら辺を適当にほっつき歩くとしよう)


散歩と言っても名だけで目的は運動だからな。


提督「……」カツ…カツ…


文月「ねぇねぇしれーかん、」


提督「ん?」


文月「しれーかんはここに来る前、何をしてたの?」


提督「ここに来る前か…。ここに来る前、俺は士官学校に4年いて、その前はずっとバイトを転々とする毎日だったな…」


文月「ふんふん…つまりしれーかんは、ここに来る前はふりーたーっていうのやってたんだー」ヘェ~


提督「お、おう…そうだな…うん(どこでそんな言葉を覚えたんだ…)」


提督「…まあ、俺には両親も頼れる親族もいなかったからな…」


提督「…学歴も中卒止まりで、特に秀でた才能も能力もなかったから、定職になんてつけなかった…」


提督「おまけに18になると孤児院から追い出されたからな…。これは仕方ないことなんだが…」


文月「?どうして?」


提督「孤児院の決まりで、孤児が18になったら孤児院から出して独り立ちさせるようになってるんだ。まあいつまでも孤児院で世話になるわけにもいかないしな。俺は18の誕生日を迎えると同時に孤児院を去ったよ」


文月「ふーん…」


提督「まあ、一人暮らしし出したとはいえ、孤児院にいる時から訓練していたから、さほど苦労も無かった」


提督「そして、一人で暮らし始めて2年…やっとこの職に就けることになったから、一度報告しに戻った」


提督「先生達と孤児院長、ものすごく喜んでくれたよ。その夜は宴会になったな…」


文月「……」


提督「で、その後は4年間、提督になるための養成学校に通って、卒業後にここに着任が決まって今に至る…って感じかな」


提督「今思うと、結構順風満帆…だったのかなと思う」


文月「へぇ〜…」


提督「ま、ここに来る前はそんな感じだったよ」


提督「いつもバイトとかで忙しかったから、今度こそはのんびり気ままにいきたいと思ってる」


文月「のんびり気ままに…」




辻内睦月『司令官は海軍の中でも結構えらい少将でのんびりなんてできなかったから、休むことなんてほとんど無かったにゃしい…』




文月「……」ボー


提督「ん?どうした?文月」


文月「あ、なんでも…ない…」


提督「?」




同時刻…どこかの海の上…



??1「…ふわぁ…」アクビ


??2「大きいあくびね」


??1「…だってつまんないし退屈なんだもん…。どこまで進んでも見えるのがこーんな青いだけの地平線ばっかだと」


??3「…同感…」


??1「やっぱそう思うよね?やっぱり一回海流なんて無視して自分の足で動こうよ!」


??2「何言ってるのよ。そんなことしたらただでさえ少ない燃料が無くなるじゃない。そうなったら、いざというときに逃げられなくなるわ」


??1「えー、そのいざっていう時はいつ?」


??2「そうねぇ…例えば、私たちよりも強い敵に出くわした時とか…」


??1「本当にそんな時があるのかなぁ?」


??2「あるかどうかはわからないけど、もしあったときに逃げられなかったらそのまま死ぬしかないじゃない」


??3「……」??1「えー、倒せばいい話じゃない」


??3「…ん…?」??2「倒せない敵にあった場合の話をしてるの」


??3「……⁉︎」??1「そんな敵本当にいるの?」


??1「この主砲に耐えられる敵n「二人とも、あれ見て!」……え?」


??2「?どうした……の……………」




ル級エリート×2「……」


リ級エリート「…ヒヒ…」ニィ…


彼女達の目の前に現れたのは、二人のル級エリートを主軸とした艦隊だった。




??2「ひぃ…」


??1「あわわわわ…」ガクガクガク


??3「あう…あ…」



ル級エリート1「……」ギュィィ…(3人に砲口を向ける)



??3「ど…どうしよう…」


??1「ふ…ふん、大きい的は当てやすいのよ!これでもくらいなさい!」ドン!


ル級エリート1「……」ドカーン!


??1「ほら、どうよ!」


ル級エリート1「……」シュゥゥ…←無傷


??1「…へ?」


??3「硬すぎる…全然効いてない…」


ル級エリート「……」ネライサダメ


??2「…に…」


ル級エリート「…沈メ」ドドーン!

??2「逃げてぇーー!!」


バッシャーーン!


一同「きゃぁ⁉︎」


??2「っっ…機関全開!早くあいつらから離れるわよ!」


??3「わ、わかってる!…」


リ級エリート「……」ドーン!


??1「…え⁉︎」ヒュ~


??2「っ!危ない!」ガシ!


バッシャーーン!


??1「っっ…」


??2「怯んでいる暇はないわよ!ほら走って!」


??1「い、言われなくても!」


ヒュ~


??3「…っ!右…」シャ!

バシャーン!

??3「左…」シャ!

バシャーン!

??3「左…」シャ!

バシャーン!


ル級エリート2「チッ…チョコマカト…」


??3(…なんとか今は避けられているけど、このままじゃ燃料が底をつく…。なんとかして、その前に逃げ切らないと…)


??3(…っあ、あれ…?)


??3の足が思うように進まない。


??3(…うまく進めない…?なんで…っ⁉︎)


原因はすぐ分かった。


??3「う…海が渦巻いてる…」


その流れはなかなか強く、??3は全力で出ようと試みたが…


??3の艤装<シュゥシュゥシュゥ…………


??3「⁉︎」


最悪なタイミングで燃料切れを起こしてしまった。


??3(う…嘘…)

??3「きゃ⁉︎」グイ!


??3は一気に引っ張られ、体制を崩す。そして、渦の中へ巻かれていく…


??3「い…嫌!……うわっぷ⁉︎」バシャン


??3「あぶぶぶぶぶ」ブクブクブク


海水の冷たさが体全体に染み渡る。呼吸ができない。


それに加え、海の中も海流が強く、??3は流され続けた。


??3(ぁ…ぁ…意識が……)


??3(……)


??3(…)







ドア<ガチャ、ギィィィ…



提督「……ん?」


床に転がったインク入れ<ドバァ…


提督(うわぁまたやってるよ…)


提督「…えっと…何回目だっけ…」


文月「82回目だよー」


提督「ああ、そうだったな」


提督(あいつも懲りずにやるなぁ…)


提督(ここまで必要以上にインク入れを狙う幽霊の真意がわからん…)シャガム


文月「手伝うー」シャガム


文月も慣れたのかそこまで大きく反応することも無くなった


提督「……」


あと三日…お寺に行ったら何か変わるんだろうけど…。


提督「いい加減、やるならインク入れじゃなくて他のものでやって欲しいものだ…」



バサァ!


提督・文月「⁉︎」ビクッ


提督「…なんだ…?」


音がした方向を見てみると、床に大量の書類が散らばっていた。


提督「…余計なことを言うんじゃなかった…」




その夜…

ある鎮守府




??『元辻内鎮守府所属睦月型情報交換会?』


睦月「うん。皐月ちゃん」


睦月「私たち元辻内司令官の睦月型で、一旦現在の近況報告をするの」


??→皐月『へぇ。面白そう。でも、いつどこでやるの?』


睦月「来週の日曜日にしようと思ってる。場所は…どこがいいかなぁ…」


皐月『うーん…今回の転属でみんな離れ離れになったからね…。でもまだボクと睦月ちゃんと三日月ちゃんは同じ地方にある鎮守府に配属されたから来るのにそこまで苦労はしないけど…問題は文月ちゃんだね』


睦月「…そういえば、私文月ちゃんが配属された鎮守府知らないのよね…睦月たちは関東地方だけど、文月ちゃんは…」


皐月『四国地方だよ。それも、結構人里離れた辺境にある鎮守府って』


睦月「……」


皐月『…そう簡単には出てこれないよ…』


睦月「うーん…」


皐月『それに、文月ちゃんは電話を持ってないから…まず連絡もできない…』


睦月「う…」


皐月『…やるなら、文月ちゃん抜きでないと無理だと思う…』


睦月「……」


皐月『……』


睦月「…やっぱり、この話無かったことにして欲しいにゃしい…」


皐月『そう?分かった』


睦月「…話は変わるけど、皐月ちゃんは最近どう?」


皐月『まずまずかな…。こっちの鎮守府にも、睦月ちゃんがいる』


睦月「え?そうなの?」


皐月『うん。あと、もっちーも』


睦月「もっちー…望月ちゃんのこと?」


皐月『うん。みんなもっちーもっちー読んでるから、ボクもそう呼ばしてもらってる』


睦月「へぇー。私も会いたいなぁ…」




二日後…

午後の執務室




提督「…暇だ…」


提督(文月がこの鎮守府に来てから今日で一週間。今では書類仕事も覚え、立派な秘書艦として頑張ってくれている。そのおかげで今日も書類仕事は先ほど終わった)


提督「…文月は優秀だな…」


提督(…で、その文月はと言うと…)




鎮守府の西にある砂浜




文月「〜♩」←砂浜の上を散歩している


提督(砂浜に行ってくるってよ)


提督(この鎮守府の西方向、門の前、道路を挟んだところに細く、西に長く続く砂浜がある)


提督(あそこには近くの大規模な海水浴場からよく大量のゴミが流れ着いてくる。その上、大小様々な石が点在し、足場が不安定で危ないから、俺は全く行ったことないし、行きたくもないので、何があるかはわからない。だから、少し心配だ…)


提督「……」




文月「しれーかんが心配しているような気がするー…」


文月「そろそろ戻ろうかなぁ…」


文月「…?」


文月は数メートル先の岩陰に何かが倒れているのを見つけた。


文月「なんだろう…」


文月は恐る恐る近づいてみる


文月「…これは…人…?」


倒れていた者の正体は、紫色の髪をした女の子だった。




数分後…

執務室



ドア<ガチャ…


提督「おう、おかえ…」


文月「しれぇ…かん…」ゼェゼェ


??「」←おんぶされている


提督「ふふふ文月⁉︎その娘どうしたんだ⁉︎」


文月「砂浜に…打ち上げられてた…」ゼェゼェ


提督「おおおう、事情はよくわからんが、気絶しているようだ。少し小さいが、そこのソファーに寝かせてあげてくれ」


文月「わかりました〜…」




提督「…で、一体何が…」


文月「わかんない…。散歩していると、岩陰に倒れてたから…」


提督「…打ち上げられてたのか…?」


文月「うん…」


提督「…そうか…」


提督(これは起きた後に何があったか聞かなくては…)





まあ起きるまでに数時間かかっちゃって夜になっちゃったんだけどね…。





??「あ…う…ん…?」


提督「お、起きたか」


??「…ここは…」


提督「霧山鎮守府だ」


??「霧山…鎮守府…?」


提督「あー…鎮守府ってのは、海軍の施設って認識してもらったらいい…」


??「…あなたは…?」


提督「俺はこの鎮守府で提督業をしている人間だ」


??「…名前は…?」


提督「あー…高瀬中康太だ」


??「高瀬中…康太…」


提督「…君の名前は?」


??→弥生「私の…名前…私は睦月型駆逐艦、三番艦の弥生…です…」


提督「睦月型…てことは、文月のお姉さんか!」


弥生「え…?」


提督「…あれ?」


提督(疑問系?なんで私そんな子知らないですみたいな顔をして…!そういえば…)

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

文月『前、辻内しれーかんの鎮守府にいた睦月ちゃんは、睦月型は11人って…』

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

提督(あの時、あの発言……文月は、自分の姉妹が何人いるのかは辻内提督の鎮守府にいた姉の睦月に聞いたって言っていたな…。と言うことは、生まれたての艦娘は姉妹のことは知らないのか…?)


提督「…一つ聞いてもいいか…?」


弥生「はい」


提督「弥生は…前はどこにいたんだ…?」


弥生「…海の上です…」


提督「…どこかの鎮守府に属していたりとかは…」


弥生「ありません」


提督(はい仮説ほぼ立証)\(^o^)/ヨカッタネ


提督(いやよくねーよ!)


提督(…いや、だけど、考えたら妥当っちゃ妥当なのか…?確かに、今の弥生は生まれたての何も知らない赤ちゃんみたいなものだから、その赤ちゃん自身に、自分に姉妹がいるなんて言ったってその赤ちゃんにとっては初耳だもんな…)


弥生「あの…」


提督「あ、すまん。考え込んでた」


弥生「あ…いえ…」


<パリーン!


提督「ん?」

弥生「⁉︎」ビクッ


提督「なん…あー⁉︎」


割れた皿「」ゴリンジュウデス


提督が音のする方を振り向くと、皿が床に落ちて割れていた。


提督「ちくしょう…皿は少ないから貴重なのに…」


提督「やるんならまだインク入れでやってくれた方がまだ楽だ…」ブツブツ


弥生「……」

<ガチャ

弥生「、」


文月「ただいま〜」


提督「おう、おかえり」


文月「…あ、起きたのね!」


弥生「あ…はい…」


文月「あたし、文月っていうのー!よろしくー!」


弥生「む、睦月型駆逐艦三番艦の弥生です…」


文月「睦月型⁉︎それじゃあ文月のお姉ちゃんだー!」


弥生「え…あ…そうなるの…かな…?」


文月「うんうん!よろしくー!弥生ちゃん!」


弥生「う、うん…よろしく…」


弥生「…えっと…司令官…弥生はここにいても…いいのですか…?」


提督「構わん。むしろ大歓迎だ」


提督「これで少しは文月も寂しさが晴れるだろう…」(小声)


弥生「え?」


提督「あ、いや、こっちの話だ。気にするな」


提督「これからよろしく。弥生」


弥生「…はい…!よろしくお願いします」


提督「…あ、弥生の部屋決めないと…あと日用品も…」


文月「んー?」


提督「…困ったなぁ…届くまでどうしようか…」


文月「…弥生ちゃんはー、文月と一緒の部屋でも文句無いー?」


弥生「う、うん…特には…」


文月「じゃあしばらく弥生ちゃんのお部屋は、私のお部屋で決まり!」


提督・弥生「え?」


弥生「…いいの…?」


文月「うん。しれーかんもいいでしょ?」


提督「…これは俺の問題じゃ無いから、両者同意の上なら…いいと思うが…」


文月「じゃあ決まりー!」


提督(…ひとまず今は解決…でいいのか…?)


…まあ、本人たちがそれでいいなら、俺がとやかく言う必要はないか。




翌日…

鎮守府門前




提督「……」


弥生「司令官、どこに行くの?」


提督「…この鎮守府には幽霊がいる話は聞いたか?」


弥生「…うん…」


提督「その幽霊が、この鎮守府にどんな影響を与えているかは?」


弥生「…聞いた…」


提督「…その幽霊をどうにかする方法を探すために、お寺に行くんだ」


弥生「…どこに行くかはわかりました。しかし、どうやって行くのですか?」


提督「うん。確かに俺の足じゃあの舗装されてない山道を進むのは危険だ。というわけで…」


<ブロロロロ


提督「お?」


弥生「?」


提督「来た来た」


車の音が聞こえる。しばらく待っていると、林道の中から乗用車が出てきた。


雪村さん「霧山提督殿、おはようっす」


提督「おはようございます。雪宮さん。こんな朝早くからすみません…」


雪村さん「いいっすいいっす。お?」


弥生「あ、こんにちは…」


雪村さん「あれ?一人増えてるっす…」


提督「あー…この娘は弥生です。つい昨日うちに着任した娘です」


雪村さん「…ちょっとその話、あとでkwsk聞かせてもらうっすよ」


提督「あ、はい。それで…」


雪村さん「?あーあー、大丈夫っす。一人増えたくらい変わんないっす。さあ3人とも乗った乗った!」


提督「ありがとうございます。失礼します」



車<ブロロロロ…



雪村さん「弥生さんはついこの間まで野良艦娘だったっすのね。なるほどっす」


弥生「うん…」


提督「ふーん…」


お寺に向かう道中、なんやかんやあって聞きそびれていた、なぜ弥生はボロボロの状態で浜辺に打ち上げられていたのかについて俺は聞いた。


弥生「…海の上で気がついた時から何日かずっと海流に乗って流されているうちに…まず、叢雲に会いました…」


提督(…そういえば、海上で生まれた艦娘は、少量の弾薬と燃料しか持っていないって養成学校で教わったな…)


弥生「それから、叢雲と一緒に流されて行って、また数日経ったあと、今度は漣に会いました」


弥生「そこからは3人で一緒に海流に乗って、襲撃もありましたが、なんとか撃退していました」


弥生「…だけど、あの日…」


弥生「戦艦二隻を含めた艦隊に遭遇してしまって…」


雪村さん「ほぉ…」


弥生「必死で逃げ回ったけど、私は渦潮に巻き込まれて…燃料も無くなって…そのまま渦の中に…」


弥生「…ここからは、覚えてません…」


提督「…そうか…」


雪村さん「ふんふん、つまり、弥生さんは運が良かったということっすね」


提督「?どういうことだ?」


雪村さん「海の上で生まれた艦娘は、もし、ずっとどこの鎮守府に拾われなかった場合、どうなると思うっすか?」


提督「…えっと……まさか…」


雪村さん「…そうっす。今の弥生さんの話にもありましたが、いずれ深海棲艦に見つかり、沈められるっす」


提督「…マジか…」


雪村さん「…現実というのは厳しいものっす…」


提督「……」


提督(…じゃあ、今こうしている間でも、どこかの海では、艦娘が沈められているっていうことか…)


雪村さん「…っと、もうすぐで街に入るっす」



車<ブロロロロ…



車<キュ、バタン


雪村さん「ついたっすよ」


提督「おほ〜、ここが…」


目の前に大きな門が堂々と立っている。


文月「……」ホォ~←門を見上げてる


弥生「……」ホォ~←門をry


??「おお、来ましたか来ましたか!」


提督「ん?」


本堂らしき建物から住職らしき人が出てきた。


??→住職さん「こうしてお会いするのは初めてですな。私はこの寺で住職をやっとるものです」


提督「あ、どうも。はじめまして。霧山鎮守府で提督をやっております、高瀬中康介です。今日はお忙しいところどうもありがとうございます」


住職さん「はは、そんなかしこまらないでくださいな。さあ、ここで話すのは暑すぎますし、どうぞ中に入って。そちらのお嬢さん方も」


提督「あ、はい。失礼します。雪宮さんは…」


雪宮さん「うちはここで待ってるっす」


提督「分かりました。文月、弥生、おいで」


文月・弥生「はーい(はい)」




庫裏




ストストストスト(足音)


住職さん「お茶を持ってきました」


提督「ああどうも…」ペコ


文月「ありがとうございます!」


弥生「ありがとうございます」ペコ


住職さん「…さて、まずお話を聞かせてもらえませんかいな?」


提督「はい」




しかおどし<チョロチョロチョロ…コトン…




住職さん「…そうですか…」


提督「私としては、あの幽霊の溢れ出ている力をどうにか鎮守府の内部までに止めることさえできれば…と思うんです…」


住職さん「ふむ…」


住職さん「…少し待っていてくださいな」


提督「あ、はい」


そう言い残すと住職さんは立ち上がり、奥の部屋へ入って行った。


弥生「…司令官、」


提督「ん?」


弥生「…その幽霊は、あの鎮守府から動かせられたりはしないのですか…?」


提督「あー…うん、無理だな。あいつは地縛霊だからな」


弥生「…さっき住職さんとの会話にも出ていましたけど、地縛霊ってなんですか…?」


提督「地縛霊っていうのは、漢字で『地縛霊』こう書いて、漢字の通りその地に何か大きな理由があって縛り付けられている霊のことを指すらしい」


弥生「…大きな理由って…?」


提督「それは分からん。だけど、悪い霊じゃないみたいだから、今は成仏させなくてもいいんじゃないかななんて思っている」


弥生「…」


住職さん「お待たせしました」ストストストスト


提督「いえいえ」


文月(意外と早かった…手に持ってるのはなんだろう…?)


住職さん「これを」っ??


住職さんは、畳の上に、御札?らしきものを広げた。


提督「…これは…御札ですか?」


住職さん「はい」


御札…見るのは久しぶりだ。昔、孤児院のなかなか目につかないところによく見かけたのを覚えている。


住職さん「この御札は、霊力を遮断する結界を生み出す力を持っています」


提督「へぇ…」


住職さん「確か、件の地縛霊が根付いている霧山鎮守府は直方体の形をしていましたな?」


提督「ええ…はい、ほぼ直方体です」


住職さん「その建物内の頂点部分となる場所に貼ってください」


提督「分かりました」


提督(これなら意外と簡単に片付きそうだ。あとは、妖精がうちに来てくれたら、完璧なんだが…)


住職さん「…これで、一旦は様子見してください。それでもしまた何かありましたら、またこちらに電話していただければ」


提督「はい、わかりました」






帰り

車の中




雪村さん「それででっすよ、鈴木さんが少佐と気付かずに少佐に向かって、トマトを投げつけましてw」


提督「はっはっはwマジですかw」


雪村さん「そのあと額から血が出るくらいその場で土下座して…いやぁ、あの光景は見てておもろかったっすw」


お寺からの帰り道、俺は雪宮さんに、鎮守府まで送ってもらっていた。今は、去年の休暇中に雪宮さん達憲兵と、その3人の上司の計四人で行ったスペイン旅行の話を聞いている。


文月「いいなぁ〜…あたしもスペイン行きたいな〜…」


提督「そうだな。いつか行ってみたいな」


雪村さん「…そういえば…っすけど」


提督「どうかしました?」


雪村さん「いやぁ…今から通る道、あそこに踏み切りがあるっすよね」


提督「ああ、あれですか」


雪村さん「…三日ほど前っすけど、あそこで“自殺”があったらしいっすよ」


提督「…え?」


雪村さん「亡くなったのは近くの高校に通う高校生で、なんでも、いじめを受けていたとか…」


提督「……」


文月「……」


弥生「……」


雪村さん「…えっと…、こんな話するところじゃなかったっすね、スペイン旅行の話の続きをするっす」


提督「お、おう…」


提督(…あの事件か。ここだったんだな)



車<ソォォォォン(走行音)



弥生「……文月、眠くない…?」


文月「うん?うーん…ちょっと眠いかな…?」


弥生「じゃあ、膝枕してあげる…」トントン


文月「え、いいの?ありがとう!」ボフッ


文月「えへへぇ…弥生ちゃんの膝柔らかーい…」


雪村さん「後ろに天使が2名いるんすけど…」(*´ω`*)ホンワカ


提督「そ、そうだなぁ、」アハハ…


弥生「……」




鎮守府門前




車<キュッ、ガチャ、バタン


提督「今日は本当にお忙しい中ありがとうございました」


雪村さん「いいっすいいっす。これも仕事のうちっす。またなんかあれば気軽に相談するっす」


文月「ありがとうございましたー!」


弥生「ありがとうございました…」


雪村さん「またっす」ブロロロロ


そう言い残し、雪村さんは去っていった。


弥生「…司令官…」タギッ


提督「⁉︎」ビクッ


突然、弥生が服を掴んだ。


提督「どうした?」


弥生「…見えてた?」


提督「⁉︎なな何が?」


弥生「…あの時、文月に膝枕した時…」


提督「えっと…なんのことかな…」


弥生「……」ジー…


提督「…ああ。見えてた」

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

提督(あの時、後ろの窓に…)


血塗れの女性「ゔ あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛」

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

提督(…弥生にも見えていたのか…だから…)


提督「……は、」


弥生「……」ジワァ(涙目)


提督(泣いてらっしゃる…。無理もねぇな…俺だって叫びそうになったもん…)


提督「…よくやった。えらいえらい」ナデナデ


弥生「う…う…」ポロポロ


文月「…しれーかん…?」プクー


提督「⁉︎いや、これは違うぞ文月!俺が泣かしたのじゃなくて…」


文月「…」プイ


提督「冤罪だぁーー!!」


その後、弥生の説明(血塗れの女性についてはうまく誤魔化した)により、誤解は解けた。




文月「……」ペタペタ


提督「よし、そこでラストだな」


住職さんに言われた通り、俺達はこの建物の頂点となる部分にお札を貼り付けた。


文月「妖精さん、来るといいね」


提督「あーうん、来てもらわないと困る」


提督(頼むよ…?)


これでもし来なかったら、手詰まり状態になってしまう…。それはなんとしても避けたい。


提督「ああ、妖精の神様、どうかこの俺に妖精を恵んでください…」


と、俺は上を向き、妖精の神様に祈った。……実在するかは知らないけど…。


文月「妖精の神様って…?」


弥生「…知らない…」




翌日…効果は早速現れた。




工廠

建造ドック



建造妖精A「オッス!オラ建造妖精!」


提督「……え?」


いきなりだった。朝起きた俺は早速お札の効果を確かめるため、妖精はいないかとまず工廠に行ってみたのだが…早速いた…。


提督「えっとぉ…君はどこから来たのかな…?」


建造妖精A「オラは気がついたらここにいた!」


提督「へぇ…」


全くもってよくわからん。


え?何?妖精って環境が整えさえすればこうも簡単に勝手どっかから湧いてくるものなの?


提督「……」


建造妖精A「まあまあ、気にしたら負けってやつだ。それよりも、なんか建造する?オラ、早くこの新品サラサラの綺麗な建造ドックを使いたいんださ!」


提督「え?建造かぁ…」


そういえば、この子がいるからもう建造もできるのか…。


提督「…じゃあ、頼んでもいいかな?」


建造妖精A「そう来なくっちゃ!資源はどれくらい?」


提督「資源は…そういえば、今資源はどれくらいあるんだっけか…?」


建造妖精A「オラが見た時は、鋼材3000、燃料3500、弾薬3500、ボーキサイト2000だった」


提督「…じゃあ………………」


数分後…


建造妖精A「…よし!準備OK!みんな!仕事だぞぉ!」


提督(…ん?みんな…?)


建造妖精B「なぬ⁉︎」ヒョコ


提督「⁉︎」


建造妖精C「仕事…だと…」ヒョコ


建造妖精D「やったぜ!」ヒョコ


建造妖精E「おお!」ヒョコ


建造妖精F「待ってたぞ!」ヒョコ


周りの物陰から妖精4人が出てきた。


提督(え?こんなにいたの?いつの間に…)


建造妖精A「よぉーし!取り掛かるぞぉ!」


建造妖精達「「「オーー!」」」


提督「……」




艦娘寮




玄関<ピカーーー


提督「…え?」


まあなんと言うことでしょう…。つい昨日まで埃やら蜘蛛の巣やらで散々だった玄関が、文字通り綺麗になっているではありませんか。


提督「え?ちょ、これも妖精のおかげ…?」


まじかよ妖精有能すぎん…?


清掃妖精A「あ、提督だ」


清掃妖精B「こんにちは」


提督「お、おう、こんにちは。すごいな、いつの間にこんなに綺麗にしたんだ?」


清掃妖精A「今朝。4時くらいから掃除を始めたよ」


提督「4時⁉︎…それはご苦労様でした…」


文月「あ、しれーかん!」


提督「おう文月、おはよう」


文月「おはよー!妖精さん来たね!」


提督「ああ、良かった。これでこの鎮守府もまわせられるぞ!」


文月「やったー!」


提督「ははは!…弥生は?」


文月「まだ寝てる」


提督「そうか」


??「おーい」チョンチョン


提督「ん?」


誰かに肩を叩かれた。肩を見てみると、


建造妖精E「建造、終わったよ」


提督「ゑゑ⁉︎早すぎない⁉︎」


建造妖精E「今回は特別に高速建造材を使ったから…」


提督「・・・え?高速建造材?」


建造妖精E「うん、高速建造材」


提督「…高速建造材って…」


建造妖精E「倉庫の奥の方にあったやつ…」


提督「…そんなものあったか…?」


高速建造材…そんな物を倉庫に入れた覚えは無い。


建造妖精E「…あれ?おかしいなぁ…でも確かに倉庫にあったやつなんだけど…」


提督(…俺が忘れてるだけか?)


提督(……)


提督(…まあいいや。あったものはあったんだろう…)


提督「とりあえず、行ってみようか。新顔を迎え入れに」


文月「しれーかん、建造したの?」


提督「ああ、うん。なんか建造妖精がどうしてもと言うから…」


建造妖精E「…“A”ちゃんだね。ごめんなさい」


提督「ああ、いや、別に気にして無いから」


建造妖精E「そう」


提督「さ、早く行くとしよう。待たせても申し訳ない」


文月「わかったー」




安価を取ります。

建造で出来た艦娘は誰がいいですか?誰でもいいです。


<伊8



建造ドック



伊8「グーテンターク…じゃなかった…伊八と言います…『はち』とでも、『はっちゃん』とでも呼んでくださいね」


提督「お…おう…俺はここ霧山鎮守府で提督をやっている高瀬中康太だ。俺の呼び方は任せる…」←伊8から出来るだけ目を逸らせてる


文月「あたしはね、睦月型駆逐艦7番艦の文月って言うの〜。よろしくぅ」


提督「あ、後もう一人、文月の姉に弥生っていう娘がいるんだが、後で紹介するとしよう…」←横向きながら話してる


提督「と、とりあえず、これからよろしく頼むぞ。はち」横向きry


伊8「…よろしくお願いします」


文月「……」


伊8「……」


建造妖精B「…さっきから何してんねん…提督…」


提督「いや…ちょっと…」


建造妖精C「明らかにはっちゃんから目を背けてるように見えるんだけど…」


建造妖精D「まさか会ってそうそう嫌いとか言い出すんじゃないよね?」


伊8「」ビクッ


提督「いやいやいや!そんなことは断じて一切ない!」


建造妖精D「じゃあ何なのさ?」


提督「…君たち、俺が男っていうのを忘れてないか…?」


建造妖精達「…………あ…」


伊8「?」←スク水&白ニーソ


文月「ふぇ?」


建造妖精F「なるほど…確かにこれは…」


建造妖精A「…そういうことなら、一度二人とも席を外してくれないか。オラ達がどうにかするからさ」


文月「え?え?」


提督「ん。分かった」


伊8「???」


俺と文月は、建造妖精達に言われるがままその場を後にした。




執務室




提督「他と違ってこの建物にはやっぱいないか…」


妖精達を遠ざけていた原因そのものが居座っている建物だから当然か…


提督(…いつかこの建物の中にも妖精が入れるようになったらいいな…)


提督「…さて、今日の仕事をさっさと終わらせるか…」


積み上がった書類<バーーン!


提督(…あれ?いつもより多く感じるな…?)


文月「あたしも手伝う〜」




1時間後…




弥生「……」カキカキ←50分前に来た


文月「…むむむ…」ジー


提督「……」モクモク


ドア<コンコン


提督「ん?どうぞー」


伊8「失礼します…よし、あってた」


提督「あ、すまん。執務室の場所言うの忘れてたな」


伊8「いえいえ。それより、服に着替えてみました」


提督「おお、」


提督(上は水兵の服、下は白いスカートか)


提督「なかなか似合ってると思うぞ」


伊8「ありがとうございます」


弥生「…えっと…」


提督「あ、はち、紹介しておこう。文月の姉、睦月型駆逐艦三番艦の弥生だ」


弥生「弥生です…よろしくお願いします…」


伊8「伊8です。気軽にはちとでもはっちゃんとでも呼んでください」


弥生「…では、はちさんで…」


伊8「はい!」


良かった。仲良くやれそうだな。




???(場所不明)




??1「ぐぉぉぉ…」zzz


<コンコン

ガチャ、

??2「失礼しまーすってまた寝てるし…」


??3「いつものことでござる。起こせばいいんでござるよ」


??2「…今日はどーすんの?」


??3「今日でござるか?今日は…」カチャ…


??2(銃…?)


??3「位置について…よーい…」


バン!


??1「うぉ⁉︎」ガクガクッ


??2(起きた)


??3「起きたでござるか?」


??1「お…おう…起きた…」


??3「今日の仕事と新聞でござる、そこに置いているでござるよ」


??1「わ、わかった…」


??1「…霧蔵さんや…」


??3→霧蔵「安心するでござる。スターターでござるよ」


??1「…おけ…」


??2「すたーたー?」


霧蔵「スターターピストルのことでござるよ」


??2「何それ?」


霧蔵「おや、敷波殿は存じないでござるか?」


霧蔵「簡単に言うと弾の出ない銃とでも思ってたらいいでござるよ」


??2→敷波「ふーん…」


??1「…ん…?」


一枚の書類に目が止まった。


??1「……」


霧蔵「?どうしたでござるか?」


??1「これ見ろよ…」


二人「…?」


敷波「…捜索命令…?」


霧蔵「捜索対象は………」





文月「出撃っ!」クワッ


提督「うぉ⁉︎」ビクッ



戻って霧山鎮守府

四人で黙々と書類を片付けている中、その沈黙を破ったのは文月だった。



提督「…どうした?急に…?」


文月「出撃したい!」


提督「ほ…ほう…?」


確かに、可能ではある。


妖精は居る、資源はある、戦力はまだ乏しいにしろ、低級の深海棲艦くらいはやれるだろう…


それに、ここら辺近海であれば、さほど強い艦隊とは出くわさないと思う。


だが、どうしても不安だ…。


提督「…なぁ、二人はどう思う?」


伊8「私は別に出撃しても構わないわ」


弥生「……」


提督「弥生は?」


弥生「……」


提督「ん?弥生…?」


弥生「あ、だ、大丈夫です。出撃できます…いえ、します」


提督「そうか…」


…やってみるか…?出撃…





数時間後…海上にて…




ザザッ


文月「あはは〜!あははは!」バシャ、バシャ、


伊八「文月さん!艦隊から離れないでください!急に敵から攻撃を受けたらどうするんですか⁉︎」


文月「ヘーキヘーキ!」


伊八「全く…」


提督(はちのやつ、苦労してるな…)


現在、うちの鎮守府近海に三人はいる。ここら辺は強くても軽巡ホ級(ノーマルのみ)くらいしか確認されていない。


今の練度の低い俺たちにはピッタリな海域だろう。


しかし、いくら低級の敵とはいえ、これは実戦なので、油断しないで欲しいものだ。


提督『いくら低級の敵しかいない海域とはいえここも明確な戦場なんだから、勝手な行動は謹んでくれ』


文月「えー…」ゲンナリ


弥生「…文月…真面目にして」←怖い顔


文月「う…わかったよ…」


提督(あれ?弥生さん今すんごい声のトーン下がったよね?)←無線でしか繋がってないため、向こうの状況が音でしかわからない



文月「…む?11時の方向に敵はっけーん!」


お?早いなもう出るのか


提督『敵の編成は?』


伊八「えっと…2隻。あれはイ級です」


提督『そうか』


そのくらいなら対処は可能だろう。


文月「ねぇ?しれーかん、」


提督『なんだ?』


文月「こいつら、やっちゃていい?」


提督『……弥生、はち、やれそうか?』


弥生「…はい」


伊八「問題ないわ」


提督『…じゃあ、戦闘を許可する』




イ級1「……」


イ級2「…ギュ?」

ヒュ〜


イ級1「ギュゥゥゥ⁉︎」ドカーン


イ級2「⁉︎」キョロキョロ


イ級2「ギュ!!」



文月「あたった〜」


弥生「えいっ」ドーン!


ヒュー


イ級2「ギィ!」

バシャーン


弥生「あ…(外した)」


イ級1「ギュゥゥ!」ドーン!


文月「おっと…」

バシャーン


弥生「次弾装填、えい!」ドーン!


イ級1「ギャ!」ビシッ

ドカーーン!!


弥生「敵艦一隻、爆沈」


提督『よし、』


イ級2「キュァ!」ドーン!


弥生「え?きゃ⁉︎」ドカーン!


文月「ふぇ⁉︎」


提督「や、弥生!」


弥生「こほっ、」


文月「弥生ちゃん!」ザザッ


弥生「だ、大丈夫…」


イ級2「…」クワッ


魚雷<シャーーー


イ級2「」ドカーーン!!


文月・弥生「?」


伊八「イ級2撃沈」


提督「よくやった!」




文月「弥生ちゃん、」


弥生「大丈夫…かすり傷程度…」


提督「かすり傷でも油断は出来ない。今日はもう戻ってこい」




鎮守府




提督(帰り道に敵と出会さなくてよかった…)


戦果はイ級二隻撃沈。初めてにしてはなかなかいい戦果が挙げられたんじゃないか…な…?


文月「弥生ちゃん、ドックに入れてきたよー」


提督「ん、ご苦労さん」


伊八「近くの海域だったってのに、昼が潰れちゃったわね」


時計<ヒトロクサンマル


提督「もう夕方か…」


提督「そういえば、ハチの自室…」


文月「あ…」


伊八「え?」


インク入れ<ゴロッゴロッゴロッゴロドボドボドボ…




艦娘寮




妖精さん「ご心配なく!既に用意してあります!」ドン!


提督「マ・ジ・で⁉︎」

提督(こんな短時間で⁉︎)


妖精さん「疲れを取れるよう、ちゃんと家具も置いてあります!」


妖精さん「また、急な人員増加に対応できるよう、全部屋同じように用意しています!」


提督「嘘ぉ⁉︎」


伊八「…杞憂だったみたいね」


提督「いやもうほんとによかった。ありがとうございます!」ペコリ!




その後、弥生に自分の部屋が出来たと伝えた。


しかし、弥生は文月と同じ部屋でも大丈夫だと言い、文月も弥生と一緒がいいと言うので、弥生が入るはずだった部屋は空き部屋に戻った。





提督の自室



提督「ふぅ…」ボフッ


提督(ちょっと色々疲れた…)


でも、進歩のある三日間だった。


鎮守府運営における致命的な欠陥が一気に解決されたのだ。


これでようやく俺も他の同期達と同じスタートラインに立ったわけだ。


まあ、スタートラインに立つのが遅すぎてみんな先に走って行ってるがな…。


提督(これからどうやるかは…また明日考えよう…)ゴロン


提督(うーん…あ、明日俺は休日だ)


提督「…zzZ」




文月と弥生の部屋




弥生「……」


弥生(眠れない…)


弥生(文月は…)チラ…


文月「すゃぁ…zzZ」


弥生(寝てる…か…)


弥生「……」


弥生(前にもあったな…あの時居たのは叢雲さんだっけ…)


弥生(…あの二人は、あのあとどうなったのかな…?)


弥生(生きているかな…)


…いや…あの状況から生き残っている確率は低い…。


戦艦二隻相手に、燃料弾薬切れの駆逐艦二人…どうなるかなんて、火を見るよりも明らか。


どこかの鎮守府所属の味方艦隊が通り掛からないきり、逃げ切るのは無理だろう…。


雪村さん『弥生さんは運が良かったということっすね』


弥生(…運が…良かった…か…)


弥生(……)





東北地方、某県某市某町の居酒屋



男四人「「「かんぱーい」」」


ゴク…ゴク…ゴク……プハァ


??1「いやぁ!こうやってみんなで集まって酒を飲むのはいつぶりだろう!」


??2「皆なかなか予定が合わなかったからな」


??3「ホントそれ、海軍忙しすぎんよぉ〜マジ、」


??2「まあこうやってみんなでまた呑めたからいいじゃねぇか!今日くらい仕事のこたぁ忘れて呑もうぜ!」


??4「まあ若干ニ名いねぇけどな」


??1「あぁ…高瀬と宮口のやつな…」


??1「宮口は明日普通に仕事あるから無理で、高瀬は…」


??3「あいつが今いるのは四国だぞ、四国から東北までこれのために呼びだすのもな…。あと高瀬“中”な」


??4「それに明後日から普通に仕事はあるし。わざわざこのために呼び出すのもな…」


??2「まあ、あいつの方にはまた予定が合えばこっちから会いに行ったらいいさ。あ、焼酎二瓶頼みまーす」アイヨ>



後書き

2021年6月12日午後1:50執筆開始
ヤベェ…文月様のキャラが意外と難しい…
2021年6月14日時点、のんびり△ 気ままに△ 目立たず○ 無難に○ 働く○
霊媒師が来た日を一ヶ月前から二週間前に変えました。急な変更、誠に申し訳ございませんでした。
運営様、夕月の実装至急求む。
次霧山鎮守府に着任する艦娘は誰にしよう…?
そんなに壮大なストーリーにするつもりはないです。
いつか安価も入れたいな…。
メンテよ、はよ終われ。(願望)
メンテやっと終わった…。(歓喜)
今回初めてイベント参加したのだが…イマイチよく分からず、あまり進めずに終わったジョーズ提督であった…。
弥生かわゆす(´ω`)
ちょっとこれから一週間ほどリアルが忙しくなるので、更新速度が著しく落ちてしまいます。すみません。
ヤベ…誤字が…
数日更新が空いてしまって、本当にすみません。
結論、幽霊は怖い!
少しずつ更新頻度を上げていきます。
久しぶりに安価をしてみました。
ダメだ…最近リアルで頭が疲れてるのかなかなか展開が出て来ない…
なんやかんやリアルが忙しくて一週間ほど空いてしまいました。申し訳ございません。
多分ここしばらくは忙しくなるので、前みたいに毎日更新ということはもうできないと思います。
訳あって忙しく、一週間以上進められていませんでした。本当に申し訳ございません…。(最近多い…)
五輪いつの間にか明日閉会式やん…時が過ぎるのって早いな…。
約2週間も失踪してしまい、申し訳ございませんでした。

明けましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします。1ヶ月も失踪してしまい申し訳ございませんでした。
個人的にソビエツキー・ソユーズが実装されればなと思う今日この頃…。


このSSへの評価

9件評価されています


SS好きの名無しさんから
2021-08-24 20:20:40

悠人さんから
2021-07-10 05:50:14

SS好きの名無しさんから
2021-06-28 18:24:46

SS好きの名無しさんから
2021-06-20 15:45:09

多聞丸さんから
2021-06-15 21:27:13

初心者さんから
2021-06-15 19:47:42

SS好きの名無しさんから
2021-06-20 20:27:57

SS好きの名無しさんから
2021-06-13 21:07:05

セロリさんから
2021-06-13 00:16:15

このSSへの応援

9件応援されています


SS好きの名無しさんから
2021-08-24 20:20:44

悠人さんから
2021-07-10 05:50:25

SS好きの名無しさんから
2021-07-04 21:10:44

SS好きの名無しさんから
2021-06-28 18:24:47

多聞丸さんから
2021-06-15 21:27:08

初心者さんから
2021-06-15 19:47:43

SS好きの名無しさんから
2021-06-15 19:25:38

SS好きの名無しさんから
2021-06-13 21:07:06

セロリさんから
2021-06-13 00:16:16

このSSへのコメント

11件コメントされています

1: 初心者 2021-06-15 19:48:12 ID: S:HiOC40

好き、頑張ってね

2: ジョーズ 2021-06-15 19:49:54 ID: S:i2NhZL

ありがとうございます!

3: 多聞丸 2021-06-15 21:27:59 ID: S:dtrr7z

お疲れ様です!頑張ってくださいね!!

4: ジョーズ 2021-06-15 21:40:12 ID: S:04sCzF

そちらもお疲れ様です!お互い頑張りましょう!

5: SS好きの名無しさん 2021-06-28 18:25:48 ID: S:FDsfBn

早く描いてくれ 続きが気になる
でもむりはするなよ

6: ジョーズ 2021-06-28 19:27:46 ID: S:3QtRU4

ありがとうございます!これからも頑張ります!

7: SS好きの名無しさん 2021-07-04 17:02:58 ID: S:rRkywP

良いぞ良いぞ

8: 悠人 2021-07-10 05:51:50 ID: S:k1Z7-h

凄い面白いです、頑張ってください

9: ジョーズ 2021-07-10 13:16:04 ID: S:D9G6vR

ありがとう御座います!頑張ります!

10: SS好きの名無しさん 2021-07-15 18:52:09 ID: S:Vz_f_x

新しいシリーズお書きになってたんですね><
しかも・・・安価・・・割とキャラの濃い潜水艦あたりでも捻じ込んで
伊58か伊8あとは伊168あたりどうでしょう?

11: ジョーズ 2021-07-15 22:40:28 ID: S:yoOY0H

回答ありがとうございます。分かりました、今回は伊8にします。毎度同じく更新は本当に不定期ですが、よろしくお願いします。


このSSへのオススメ

2件オススメされています

1: 初心者 2021-06-15 19:48:24 ID: S:xfMY0z

好き

2: SS好きの名無しさん 2021-06-28 18:25:58 ID: S:pauGiZ

おもろい


オススメ度を★で指定してください