2023-02-05 13:25:05 更新

概要

元の世界でいじめられていた主人公の渚と親友の裕翔が艦これの世界で色々やっていく物語です


前書き

ss投稿初めての初心者です。誤字脱字があったら温かい目で見守ってください
※キャラが掴めて無いので〇〇はこんな子じゃない!と思う事があるかもしれませんがご了承ください


キーンコーンカーンコーン

1日の終わりを告げる鐘とともに教室が賑やかになる

?「…さて、僕も始めるか」

渚(特に急いで帰る必要も無いし、ゆっくりこれをやって…)

?「おーい渚(なぎさ)〜帰ろうぜ!ってお前"艦これ"始めてんの?」


?→渚「別に良いだろ裕翔」

見事に思考をぶった切って来たこいつは僕のたった1人の親友"雨宮裕翔(あまみやゆうと)"と"涼風渚(すずかぜなぎさ)"こと僕は同じ高校2年生だ

?→裕翔「まぁ俺も時間あるし、一緒にやってこうかな」

渚「良いね、なぁ〜裕翔、お前どこまで進んだ?」

裕翔「え〜とねぇ」

裕翔とはよく2人で"艦隊これくしょん"通称"艦これ"をプレイしている。最近始めたばかりだが2人で熱中してる

だがその中に1つまみのノイズが走る

いじめっ子1「ねぇ、またアイツら2人で話てるよ〜」

いじめっ子2「うわぁ、キモオタが集まって何話してんだろ、気持ち悪い」

虫唾が走る

そしてそのノイズは更に大きさを増していく

渚「なぁ、裕翔…僕アイツらにっ!」

裕翔「止めとけ」

渚「でも!」

裕翔「どうせガヤで騒ぐだけの馬鹿どもだ 

好きに言わせとけば良いさ」

裕翔はそう言いながらもいじめっ子を睨みつけた

いじめっ子1「ひっ!今こっち見た!」

いじめっ子2「怖っ、あたしらに八つ当たりでもしてんの?ねぇもう帰ろ」

そう言って逃げるように帰っていった…これで良いのかな


事の発端は1ヶ月前の6月

僕は転校生として裕翔の居る高校へきた2週間後の雨の日

物珍しさからクラスの人達から声を掛けられる事があったが、それも無くなって、それでも唯一残ってくれたのが裕翔だった。

正直、最初は嫌だった。元々1人が好きだし、友達何て要らなかった、裕翔が邪魔だった

その日僕が帰ろうとした時薄暗い廊下の端に裕翔とそれを囲む男達が居た。

遠くて最初は何を話してたのか知らないし 裕翔も教えてくれなかった。

だけど次の瞬間それは「いじめ」という事が分かった、囲ってた男の1人が裕翔の事を笑いながら殴りだした。正直言ってどうでも良かった。そして、僕は1歩2歩と歩き出した

渚「っ!!!!」

そして次の瞬間、僕の右手はその男の顔面を殴った、そしてそのまま胸ぐらを掴み

渚「てめぇ!今裕翔に何しやがった!」

今でも何であんな事をしたのか分からない。

裕翔「渚!落ち着け!」

男「ひ、ひぃ!」

男達は走り去っていった、あの時反撃されなくて本当に良かった。

裕翔「渚…その…ありがとう」

渚「…帰るか」

その帰り道で僕は裕翔と一緒に艦これを始めようって話したんだっけ。僕達は簡単に分かり合えるような気がした。

そして次の日、あの一件は学校中に広まり僕もいじめの対象になっていった、だけど今まで僕達に直接的な干渉はしてこなかった。

そして、先生達も何も言わなかった。後から分かったんだけど、先生達はいじめを隠したかったらしい。

初めは嫌な奴は、今ではたった1人の親友になった


渚「帰るか」

裕翔「そうだな」

僕達は2人で海沿いの道路を歩いていった

裕翔「なぁ渚、もし艦これの世界があったらどうする?」

渚「うーん、提督になって吹雪とケッコンカッコカリする」

裕翔「はぁ?吹雪は渡さんぞ!」

そんないつも通りの話をしていた

ドンッ!

その会話は鈍い痛みと大きな衝撃で断ち切られた、僕と裕翔は車に跳ねられた。しかも海に投げ飛ばされる始末、翻った身体半周した頃、目に映ったのは

裕翔「渚っ…」

澄み渡る夏の青い空。僕の名前を呼びながら落ちていく裕翔。車で笑ういじめっ子の2人とその親。ゆっくりと世界が進んで行った。

そして青く暗い海に2人で、沈んだ


渚「痛った…ってあれ?」

裕翔「うぅん〜」

渚(何で…あの時…)

渚「…っておい!起きろ裕翔!」

裕翔「うっ…はっ…渚!!」

裕翔は飛び起きる

渚「なぁ裕翔、ここどこだ?」

裕翔「分からない…」

目の前には海、隣には煉瓦の建物

そして僕達の混乱は更に勢いを増した

?「あの、大丈夫ですか?」

1人の少女が僕達に話しかけて来た

僕達はその女の子の顔に見覚えがあった

2人「「吹…雪?」」

目の前に居たのは紛れもない吹雪、艦娘だ

?→吹雪「え?どうして私の名前を?」

嘘かもしれないが、信じない方がおかしいくらい吹雪だった

渚「何で吹雪が居るんだ?」

裕翔「知るかよ、俺に聞くな」

その後僕達は1分ほど話し合った、吹雪に聞こえないように

吹雪「2人で何を話してるんですか?」

裕翔「あぁ、何でもないよ」

渚「それより僕達帰る場所が無いんだ、どこかに宿とかないかな?」

吹雪「それでしたら私が住んでるところに来ます?」

2人「「良いのか?」」

吹雪「はい、では着いてきてください」

2人「「ありがとう」」

場所は変わり鎮守府へ

コンコン

吹雪「司令官、入っても良いですか?」

提督「良いぞ」

吹雪「失礼します」

ドアを開けると提督と呼ばれる男が机に座って書類を見ていた

渚(顎に髭を生やし、白い服…30歳ぐらいか)

提督「それで、どうした?」

吹雪「はい、鎮守府付近でこの2人と出会いまして」

渚「どうも」

裕翔「こんちは」

吹雪「それで、家が無いとのなので鎮守府に少しの間住まわせられませんか?」

提督「うーん…家が無いのか…君達見た感じ学生だけど、何かあったのか?」

渚「それが…僕達も良く分からなくて」

提督「そうか…良いぞ、うちはまだ空き部屋があったはずだ。ここで良ければ君達を受け入れよる」

2人「「ありがとうございます!」」

意外とあっさり承諾を得てしまった、多分この人提督はいい人っぽい

提督「ところで2人の名前を教えてもらえるかな?」

渚「僕は渚と言います!」

裕翔「俺は裕翔って言います!」

提督「渚君と裕翔君か、吹雪2人に鎮守府内を案内してあげなさい」

吹雪「了解しました!」

渚(提督が優しい人で良かった…ところでずっと気になってたんだが)

渚「提督さん」

提督「提督で良い」

素早いツッコミ

渚「提督、その資料何ですか?」

提督「あぁ、最近この付近でのヲ級の発見報告書と謎のキューブが届いてな」

2人「「キューブ?」」

提督「あぁ、これだよ」

目の前出されたのは正方形の青い立体、中は常に不思議な動きをしてる

渚「奇妙なキューブですね…」

裕翔「中身とかどうなってるんですか?」

提督「それが、コイツが何なのか私達も分かってないんだ」

渚(変なキューブ…でも何故かキューブに引き込まれる気がする)

裕翔「てか本当に何だこれ」

渚「ちょ!何触ってんの!これ触っても大丈夫なんですか!?」

提督「あぁ構わないが、それが何なのか分かってないから、あくまでも慎重に触れよ?」

裕翔「だってさ、でも動きもしないしただの青いキューブだぞこれ。渚も触るか?」

渚「う、うん」

渚(渡されてもなぁ…にしても本当にただのキューブだ…少し大きなルービックキューブを触ってるみたい…あれ?)

渚「これ、動くかも」

キューブを動かした瞬間、その隙間から青く眩しい光が部屋を埋め尽くす

渚「うっ!」

その場にいる全員が目を隠す。そしてその光はすぐに消え去った

渚「う…なんだったんだ?」

渚(なんだろ…少し身体に違和感が?)

裕翔「おい!お前何だよそれ!」

渚「え?…キューブ無くなってる!」

裕翔「そこじゃねぇ!腕見てみろ!」

渚(は?腕…ってなんだこれ!)

吹雪「渚さん、それ艤装じゃないですか!?」

渚「は?艤装!?」

渚(艤装って…でもそれって)

提督「艦娘の装備”艤装”…女にしかつかないはずなんだが…さしずめ艦息と言ったところか?」

吹雪「言ってる場合ですか!」

裕翔「お前…女になるのか…?」

渚「ならないよ!」

渚(というか少しだけ体が軽い…というか動きやすくなった気がする)

提督「ひとまず状況を確認したい…吹雪、悪いが裕翔君だけを先に部屋へ案内しててくれ、渚君には少し残ってもらう」

吹雪「りょ、了解しました」

裕翔「は?別に俺が居たっていいでしょ!」

提督「済まない、渚君が身につけているのは紛れもない”兵器”だ、まだ無関係の君に話を聞かせる訳にはいかないんだ…申し訳ない」

渚(僕が兵器…)

渚「…ごめん裕翔。先行っててくれ」

裕翔「でも…分かった、先に行って待ってるぞ」

吹雪と裕翔は扉を閉め出ていった。

渚(部屋には僕と提督だけ…初対面だから気まずい…)

提督「これで2人になった訳だが…渚君、身体はどうかな?」

渚「少し軽いくらいです…正直良く分からないです」

提督「そうか…男で馴染む例は初めてだが、身体に異常が無いから結構」

渚「それで、僕との話って何なんですか?裕翔を追い出したって事はそれだけじゃ無いですよね?」

渚(あの「兵器」って話も気になるし…)

提督「結論から言おう。君には戦ってもらいたい」

渚「え?」

提督「困惑するのも仕方ない、1から説明する。渚君、座ってくれ」

そう言って部屋にあるソファーに提督が座った

渚(僕も失礼して…座りにくいなこれ)

提督「じゃあこれから説明するけど、これからは軍事的な話と理解してくれるかな?」

渚「は、はい」

提督「ありがとう。じゃあまず、君の身体に付いてるのは"艤装"と言って、艦娘達が使う兵器だ。本来なら選ばれた女の子のみが使える能力なんだ…あの吹雪もね。そして君は今その力がある…そこで君にはその兵器を使って戦い…いや、深海棲艦と呼ばれる怪物供と殺し合いをしてもらいたい」

渚「殺し…合い…そんなの…」

何となく分かっていた…ゲームで見ていた物が現実に僕の目の前にある

提督「出来ないか?」

渚「だって他にも艦娘は居るでしょう?何故僕が戦わなくちゃっ!」

提督「居ないんだ!」

提督が初めて大声を出した

提督「居ないんだ…吹雪以外…」

その手は震えていた

渚「どうして…居なくなったらまた建造すれば…」

提督「建造する資源なんてもうここには無い…前回の作戦でここの艦隊は…」

その言葉に渚は言葉を失った

提督「全滅したんだ…中破した吹雪以外総動員して出撃させたのが間違えだった…」

その時見せた笑顔があまりにも無理に見えた

渚「…どうしてそんな事に」

提督「これだ」

すると1枚の紙を目の前に出してきた

渚(これはさっきの書類…)

渚「もしかして…ヲ級?でも最近発見されたって」

提督「元々うちの遠征隊が見つけたんだ…だけど俺が弱くて…」

渚「それで挙げ句の果てにはこの付近の海まで近づいてきたと」

提督「そうだ…それで君には戦ってもらいたいんだ、そうしないとヲ級を食い止める前にこの鎮守府は沈む。もちろん断る事だって出来るし、断ったとしてもここに住まわられる…でも頼む」

提督は頭を下げてきた

渚「…もし断った場合はどうなるんです?僕のこれは使い方を間違えればただの殺戮兵器ですよ?」

提督「面白い事を言うね…大丈夫、断った場合は艤装を解体するよ、まぁキューブから出た物だから解体出来るか分からないけど。あと、もし殺戮兵器になった場は俺が直接君の首を絞めるよ」

渚「ははっ…」

渚(多分この人に喧嘩を売ったらいけない気がする)

提督「それでどうする?」

渚「…」

渚(僕はゲームでしか傍観する事が出来なかった…ただのエンタメとして艦娘達の戦いを見てきた。だけど、この世界は違う…ここには、かつて居た艦娘達は轟沈していなくなったという真実がここにある…それに僕にも艦娘が轟沈した時の気持ちは分かる…それに提督は話し暮らした仲間が死んだんだ…僕なんかより辛いはず…なら僕は…)

渚「やります、僕戦います!」

提督「…本当に良いのか?」

渚「…これはただの我儘なんですが、僕は目の前で誰かが苦しんでいるのは見たくないんです。それに痛い思いをしてる人が居たら…それをただ見てるだけなんて嫌なんです!」

提督「…死ぬかも知れないんだぞ?これはゲームじゃない、現実の戦場だけ…それでも良いのか?」

渚「そんな事覚悟してます…だからやります!」

提督「…ありがとう、そしてようこそ我が鎮守府へ」

提督は立ち上がり右手を差し出した

渚「はい、よろしくお願いします」

僕はその手を握り返す

提督「死ぬなよ」

渚「…はい」

提督「それじゃあ、部屋に行っておいで」

そう言われ僕は提督に部屋までの印が書かれた地図を渡された

渚「失礼しました」

渚が部屋の前に行くと丁度吹雪が裕翔を案内しているところだった

渚「お〜い、裕翔〜」

裕翔「渚、話は終わったのか?」

渚「あぁ、お前は?」

裕翔「俺は今終わったところかな」

吹雪「それじゃあ私はこれで失礼しますね」

裕翔「吹雪、ありがとう」


吹雪が去った後

裕翔「とりあえずお前の部屋で少し話さないか?」

渚「あぁ、良いぞ」

そう言って僕は部屋に入った

裕翔「お邪魔しまーす」

渚「それで?話って何だよ」

裕翔「…提督とどんな話をしてきたんだ?」

僕は提督に戦ってほしいと言われたとだけ裕翔に話した

裕翔「…は?お前それ大丈夫なのかよ、もし轟沈でもしたら…」

渚「僕がやられる訳ないだろ?」

裕翔「でも!」

渚「安心しろ、お前を残して死んだりしないから」

裕翔「…本当か?約束出来るか?」

渚「あぁ、僕を信じろ」

裕翔「…あぁ、そこまで言うならお前を信じるよ…じゃあ俺部屋に戻るから」

そう言って裕翔が部屋から出ようとした瞬間だった

ゥウウウウウゥ…けたたましい音が鎮守府内に響き渡る

裕翔「何だ?」

渚(この音は…サイレン?)

コンコン

吹雪「渚さん!深海棲艦が!」

渚(攻めてきたのか…)

裕翔「え!?渚は訓練もした事無いのに無理に決まってるだろ!」

渚「…分かった、今行く」

裕翔「渚!」

渚「言ったろ?お前を残して死なないって、僕を信じろ」

裕翔「…分かった、絶対帰ってこいよ」


場所は変わり海の上へ

渚「あれが深海棲艦…」

渚(ゲームで見るより迫力があるな…そして何よりデカい!)

吹雪「渚さん!集中してください、きますよ!」

渚「あぁ…ごめん!」

ヲ級「…」バシュ

ヲ級が放った矢は艦載機へと変わり真っ直ぐ吹雪へと飛んでいく

吹雪「きゃあ!」小破

渚「吹雪っ!大丈夫か!?」

吹雪「は…はい…なんとか」

渚(吹雪が小破、まずい…少しでも僕がやらないと)

渚「くらえ!」ドン!

爆発音と共にヲ級の周りにいるイ級へと砲弾が放物線を描きながら飛んでいく。

渚(反動ヤバっ!)

イ級「…」miss

(外した!?狙いが外れたか!?)

イ級「…」ドン!

僕の弾を避けたイ級が猛スピードで突進し至近距離で砲撃した

渚「ぐっ!」小破

渚(ギリギリ避けたと思ったけどかすったか…痛い…これは早めに倒さないと…殺られるッ!)

渚「クソ!」ドン!

さっきとは違って近距離での砲撃。放たれた砲弾は直線に飛んでいく

イ級「」撃沈

黒煙を上げながら海に沈んでいった

渚「よし、当たった!」

イ級「…」ガチャ

渚「やばッ!」

もう一体居たイ級が僕に向かって飛びかかる

吹雪「お願い!当たってください!」ドン!

目の前のイ級の側面に砲撃があたる

イ級「」撃沈

渚「ありがとう吹雪!」

ヲ級「…」バシュ

ヲ級の攻撃が飛んでくる

渚「ッ!?」

渚(やばいッ!当たる!)

吹雪「危ない!」

目の前に吹雪が滑り込む

吹雪「きゃぁ!」大破

爆発と共に吹雪が吹き飛ばされる

渚「ッ!?」

渚(まずいまずいまずい!吹雪はもう前には立てない、増してや僕が出たところで戦力の差は明らか…手の震えが止まらない、足も動かない)

ヲ級「…」

渚(やばい…ここままじゃ負けr)

無線『何ビビってんだ渚!!』

渚(!?この声は)

裕翔(無線)『てめぇ、まさかこのままくたばるつもりだっかのか?』

渚「ははっ…相変わらず口が悪いな…」

裕翔『このままじゃ吹雪もろとも死ぬぞ?』

ヲ級「…」バシュ

ヲ級の攻撃が吹雪に向かって飛ぶ

渚「なら…やることは一つだけだ」

いつの間にか震えの止まった足…僕は全力で海の上を走る。次の瞬間ヲ級の攻撃によって海に大きな水しぶきが上がる

吹雪「!……え?」

渚「ごめん、怖い思いさせて…立てる?」

僕は攻撃を避けて吹雪を抱えていた

吹雪「は、はい」

渚「よし…裕翔!提督!こっからは僕1人が相手します!」

提督『しかし……分かった。吹雪、渚君の援護を頼む』

吹雪「分かりました!」

渚「裕翔、僕の体力的にあと2発だ…しかも当たるかどうかも分からない」

裕翔『言われなくともやりたいことは分かってる…そのために指揮しろって言うんだろ?』

渚「ご名答。それじゃあ…少し頑張るか!」

渚(とはいえ今吹雪が大破…ヲ級にはダメージはほぼ0。僕がヲ級の意識を吹雪から外らして確実に轟沈させれるダメージを…うわぁヲ級めっちゃ見てる…)

ヲ級「…」バシュ

裕翔『渚!右に旋回、そのまま近づけ!』

渚「了解!」

ヲ級の攻撃を余裕をもって回避した、あとは近付いて…

ヲ級「…っ!」バシュ

渚「危なっ!」

ヲ級の攻撃が頬を掠る、その傷から赤黒い血が頬を伝う

裕翔『大丈夫か!?』

渚「大丈夫…でもヲ級の意識が僕に向きすぎて近付けないかも」

提督『吹雪!魚雷でヲ級の注意を引け、渚君!その隙に一気に近付くんだ』

吹雪「はい!」ドン

吹雪から放たれた魚雷は水中に潜りヲ級に向かって一直線に進む

ヲ級「…!」小破

ヲ級に当たったのかヲ級の前に高い水飛沫が登る。

渚(よし今のうち!)

渚「っ!がはぁ!!」大破

腹部に鈍い衝撃が走る、至近距離でハンマーを振られたような血が登ってくる痛み。

渚(どこから撃ってきた?)

裕翔『渚!大丈夫か!?』

渚「あぁ、何とかな…それよりアイツ何処から撃った?何も見えなかった…」

提督『水しぶきだ。水飛沫の後ろから君に向けて撃ったんだ…』

裕翔『じゃあ注意を逸らすことも出来ねぇのかよ!』

渚(海さえ味方に付ける相手とは…ヲ級はどうして僕に攻撃が出来た?攻撃が来る前に僕を視認していた?そこからもし、僕の動きを予測して撃ったとしたら…)

渚「…いける!吹雪!魚雷と同時に砲弾をヲ級の近くに飛ばしてくれ!」

提督『何を行っているんだ!それだとまた同じ目に』

渚「大丈夫ですよ、僕にだって考えがありますから」

提督『しかし!アイツは!』

渚「とりあえず、見てて下さい…それに、分かりもしない結果を考えるのは止めましょうか」

提督『…分かった。吹雪、渚君の合図で撃つんだ』

吹雪「わ、分かりました!」

渚「ありがとうございます!」

渚(よし…まずは全速力で突っ走る!よし、ヲ級が攻撃体勢に入った)

渚「吹雪!今だ!」

吹雪「はい!」ドン

砲撃は空に放物線を描きながら、魚雷は水中に直線を伸ばしながら、ヲ級に向かって飛んでいく

ヲ級「…っ!」バシュ

即座に攻撃を魚雷に向けて放つ

渚「よし!今!」

その隙を狙って僕も砲撃を放つ。そして僕は海から足を離し、宙を走る

ヲ級「…っ!」

僕の目に見えたヲ級の目は戸惑いを隠せていなかったヲ級の前、左右の三方向に大きな水柱が立つ、それと同じタイミングで僕は足を海につけ全速力で走り出す

ヲ級「…っ?」

辺りを見渡すが、そこはただの白い景色のみ

渚「チェックメイト!」

ヲ級「っ!?」

ヲ級の見た景色はおそらくこうだろう…白く上がった水飛沫を攻撃体勢を取りながら見渡し、横を向いた瞬間…水柱の中から、飛びながら砲撃をする僕が現れた

その後は…僕が放った砲弾をゆっくりと眺めて、沈んだと思う。爆発の反動で飛ばされたのと、その黒煙でヲ級の姿は確認できなかった

渚「よっと…提督。吹雪…仇、取りました」

僕は吹雪と鎮守府の方角を向いて、右の拳を空に掲げた。その後すぐに吹雪の方に滑って行った

提督『はぁ……』

吹雪「……」

僕は呆然としてる吹雪の隣に立ち

渚「大丈夫?」

吹雪「ありがとうございます…渚さん」

渚「僕はやれる事をしただけだよ…戻ろうか」

吹雪「…はい!」

少し震えた吹雪の声を聞いたあと、僕達は鎮守府に向かって進み始めた

裕翔『良くやった渚!…だけど無茶し過ぎだ。あぁ…お前らのせいで提督が笑ってんのか泣いてんのか分からない顔してるぞ』

渚「はははっ…後で謝らないとな」

裕翔『なら、早く帰ってこい』

渚「あぁ…すぐに帰る」

僕と吹雪は少し笑いながらスピードを上げた


僕と吹雪が鎮守府に戻ると、裕翔と提督が出迎えてくれた

裕翔「2人ともおかえり」

渚「あぁ…ただいま」

吹雪「はい、ただいまです」

提督「…2人とも帰ってきた。お疲れ様」

渚(…提督少し顔やつれてない?)

裕翔「2人とも無事なのは良いけど…無理しすぎだ。特に渚、お前は初めから飛ばしすぎた」

渚「あはは…ごめん」

裕翔「服をボロボロにして、口と顔に血を流しながらよく笑えるな…ほれコレ見てみろ」

するとスマホの内カメの画面を僕の前に見せつけた。それに頬を向けてみた

渚「うわぁ…ざっくりいってる…いてっ」

こんな風に血を流したのはいつぶりだろう。

提督「一先ず、2人が無事に帰ってきて良かった」

渚「こんなボロボロじゃ無事とは言い難い気が…」

吹雪「私達が生きて帰ってこれたなら…それで十分ですよ」

裕翔「傷だらけだけどな」

渚「仕方ないだろ…」

提督「でも、私もあまり2人には傷ついて欲しくないな」

裕翔「それに、女を傷だらけにした挙句、自分までボロボロになっ…」

渚「ちょっと黙ってろ」

裕翔「痛!」

僕は裕翔の足を蹴った。

渚(この性格は何とかならないかな…)

提督「とりあえず、続きの話は中でしようか」

そういえば、ずっと玄関で話してたんだった

渚「そうですね…うわ!」ドン

歩き出した途端、盛大にすっ転んでしまった。裕翔の足によって

吹雪「大丈夫ですか!?」

裕翔「因果応報だな」

渚「…なにも言い返せない」

服についた砂を払いながら立ち上がる

提督「裕翔君もあまりからかい過ぎない」

裕翔「仕方ないっすね…」

提督「とりあえず裕翔君は提督室へ。2人は…その格好のままにする訳にもいかないし入渠してから提督室へ」

吹雪「了解しました!」

裕翔と吹雪が提督を横切って行くのを見届けた。さてと僕も吹雪に着いていくか。そう思った時、提督からの言葉にふと足を止める

提督「渚君。今回は本当にありがとう…きっとアイツらも少しは気が晴れたと思う」

渚「礼を言うなら僕じゃなくて、裕翔や吹雪ですよ」

提督「いや、この勝利は間違いなく君が勝ち取った勝利だ。それに見ず知らずの人間に命を賭けて戦うなんて…私には到底できない」

渚「それは僕も同じですよ」

提督「それでも君はこの海で血を流し、勝った…それはどうして」

渚「僕達が異世界からやってきたからですよ」

提督「異世界…何故それが繋がる?」

渚(僕の言葉に提督は動揺しなかった…流石としか言えない。これが指揮者…提督か)

渚「僕達は元の世界であまり良い生活を送れなかったんですよ。裕翔も僕も居場所を奪われていって…挙句の果てには生きる権利すら奪われた。でもこの世界に生まれ変わって、提督や吹雪に居場所を貰った…裕翔にまだ生きていると自覚させて貰った…それだけで十分に命を賭ける理由になりますよ」

提督「君は…」

吹雪「渚さーん!どうしたんですか?」

吹雪が少し遠くから大きな声を上げた

渚「それに…あれを護らないと男が廃ります」

提督「…それもそうだな」

提督は少しだけ微笑んだ

渚「では俺達のことはまだ内緒に…」

提督「もちろん。さぁ行っていいよ」

そう言われると僕は提督を横切り吹雪の元へ向かった。その時後ろを振り返ると、夕日で見えない提督の顔に僅かな水滴が輝いていた

吹雪「なんの話しをしていたんですか?」

渚「なんでもないよ。それより行こうか」

吹雪「はい!」


場所は変わり入渠所へ

吹雪「着きましたよ渚さん、ここが入渠所です」

渚(ここが入渠所か、結構広いな…吹雪達はここで入渠してたのか)

渚「結構広いね、ここでみんな入渠してたの?」

吹雪「はい、みんな楽しそうに入ってました…みんなが沈んでしまってからは1人で入ってましたけど…」

渚「ごめん…」

吹雪「気にしないでください…そんな事より渚さん!入りましょう!」

渚「そうだね、入ろうか」

渚(…ん?ちょっと待って?もしかして一緒に入るのか?)

渚「ねぇ吹雪、もしかして一緒に入るの?」

吹雪「?そう言ったじゃないですか」

吹雪と入れるのは嬉しいけど僕の理性が…

渚「僕はあとで入るから吹雪先に入ってよ」

吹雪「何でですか、一緒に入った方が時間使わなくて良いじゃないですか、私と一緒に入るは嫌ですか?」ウルウル

渚(そんな顔されたら断れないよ…でも)

渚「嫌じゃないんだけどね?僕は男の人で吹雪は女の子だからさ」

吹雪「?仲間だから一緒に入るのは当たり前ですよ?」

渚(当たり前なのか…ってダメだ、流されそうになったら)

渚「だからね?僕は男で吹雪は女の子なの」

吹雪「まぁ良いじゃないですか、ほら早く入りますよ」

渚(はぁ…仕方ないなぁ…)

渚「…分かったよ、こっち見ないでね?」


場所は変わり提督達がいる部屋へ

裕翔「2人とも遅いっすね…」

提督「…もうじき来ると思うよ」

渚「ふぅ…さっぱりした〜」

吹雪「気持ち良かったですね!渚さん!」

ドアを開けるとそこには裕翔と提督が立っていた

裕翔「やっと来たか、気分はどうだ?」

渚「あぁ、お陰様でバッチリ」

吹雪「はい!体力満タンです」

裕翔「ところで渚、お前艤装つけっぱなしだけど…大丈夫か?」

渚「確かに…なぁ、これどうやって外すんだ?」

見た感じ、吹雪の偽装は取れてるし…

吹雪「それなら簡単ですよ。身体の力を抜くイメージで深呼吸して下さい」

渚(身体の力を…)

渚「スゥー…フゥー」

すると、艤装が仄かに光って消えていった

それと同時にじんわりと身体が重くなる

渚(なんか変な気分だ)

吹雪「はい、収納出来ましたね。また出したい時は艤装を脳内でイメージすると現れますよ」

渚「ありがとう吹雪、助かったよ」

提督「いやー、初任務お疲れ様。ではお茶を入れるから3人ともそこに座ってて…」

吹雪「ああーっ!提督は座ってて下さい!ほら、お茶は私が入れるので」

提督「そうか?部下を労ってやるのも提督としての務めだと思ったのだが…」

吹雪「嬉しいですけど……提督のお茶って美味しくないんですよ。作るのはカレーと珈琲だけにして下さい」

提督「…そうか」シュン

渚「…吹雪が拒否しまくってない?」

裕翔「よっぽど不味いんだろうな…」

渚「…触れないでおこうか」

裕翔「そうだな」

若干眉が下がった提督が席に着いたのを見て、僕と裕翔も並んで椅子に座った

すると、提督の前に1つ、僕達の前に2つ、向かいの席に1つの紅茶の注がれたティーカップが置かれた

そして盆を定位置に戻した吹雪がカップの置かれた席に着く

提督が1口紅茶を飲み、カップを置く。そして、やっと提督から声が出る

提督「吹雪、渚君…改めて今回の任務お疲れ様。吹雪はこんな状況でも臆せず立ち向かって素晴らしかった。渚君は初任務でこれ程の大手柄…本当に良くやってくれた」

無意識だが、吹雪と呼吸が重なる

2人「「ありがとうございます!」」

吹雪のメンタルを気遣ってなのか、元々なのかは分からないけど…戦闘後のメンタルケアを怠らない…やっぱりこの人はすごいな

提督「吹雪、今回の報告を」

吹雪「はい!、今回は報告通りヲ級が一体、他の深海棲艦は見当たりませんでした。そしてそのヲ級を渚さんが討伐…という流れです」

提督が吹雪の話を聞きながらパソコンに何かしら打ち込んでいる

渚「今回のヲ級、明らかに僕達の…特に吹雪の動きを読んでいました。他のヲ級もこんな行動を取るんですか?」

提督「うーん…深海棲艦は知能が比較的低い、だから今回みたいに、 ”戦いを記憶していた” 可能性がある奴は初めてだ」

渚(やっぱり、吹雪の行動を覚えて可能性があるか)

裕翔「なぁ、渚。お前ヲ級倒そうとしてた時に変な行動取ってたよな?アレなんだ?」

コイツの質問に合わせて、パソコンからエンターキーが押される音がして、提督と少女が僕を見てくる

渚「そんなに変じゃないよ。戦ってて感じたのは、相手は僕達の行動を予測して攻撃していた。ならそれを利用して、予測させないように、水柱をたてて、足の動きを見られないために飛んでみせた。そしてその相手が意表を突かれたような顔を見て、身体を翻し、水柱に突っ込んでゼロ距離で撃つ…それだけだよ」

裕翔「いや、十分変だろ!」

吹雪「渚さん、そんなことを一瞬で考えてたんですね…私なら出来ないですよ」

渚(そんなに不思議な事だろうか?)

提督「あんな大胆な行動…十分な勝算もあったのだろう?」

渚「いや、無かったですよ」

裕翔「お前…よくそれで行けたな」

渚(何故か他3人が呆気に取られてる…)

渚「行けたも何も、行動に移せたのは全部裕翔のおかげだよ。正直、あのままだとパニックで2人で轟沈なんて十二分に有り得たからな」

提督「そうか…あの時、裕翔君が無線機を取らなければ今頃…」

渚(今回、勝てたから良いけど、初任務とはいえパニックになりかけてたのは明らかな実戦不足。このまま実戦を積むのもアリだけど、全部上手くいくとも限らない…そうなると…)

渚「提督、僕達に ”演習” の機会をくれませんか?。僕はまだ戦い慣れてないし吹雪の事もまだ理解出来てないです…だから安全な環境で実戦を積ませてください」

すると何かを感じたのか吹雪も提督の方に身体を向けて

吹雪「私からも、お願いします」

提督「…わかった、すぐに準備しよう」

2人「「ありがとうございます!」」

よしっ!これで経験が積める!

提督「…よしっ、渚、吹雪。報告ありがとう。2人とも明日の為に部屋で休んでくれ」

渚「えっ?裕翔は?」

提督「裕翔君は、少しだけ話がある…少し残ってくれ」

裕翔「お、俺??分かりました…渚、悪いけど先に戻っててくれ」

渚「分かった…じゃあ、あとで」

裕翔「おう」

吹雪「では、失礼しました」

渚「失礼しました…」

僕と吹雪は裕翔を残して部屋を後にした

渚(2人の話…なんだろうか?…あとで聞くか)


しばらく経った後

裕翔「それで話ってなんですか?2人に聞かせないって事は重要な話なんでしょ?」

提督「あぁ、今日の君を見て是非俺の後を継がせたいと思ってね」

裕翔「それって提督になれって事ですか?」

提督「俺が辞める時が来たらな、正確には助手をしてほしいんだ」

裕翔「助手…俺にそんな重要な事が務まるでしょうか」

提督「出来ると思うぞ、渚君も言ってたように裕翔が無線を取らなければ勝てなかったかもしれないからな」

裕翔「でも…俺は…」

裕翔(もし俺の指揮で渚達が沈んだら…)

提督「自分の指揮で沈むのを怖がっちゃいけない…」

裕翔(何で俺の考えてる事が分かったんだ?)

裕翔「何で分かったんですか?」

提督「顔にそう書いてあるからだ」

裕翔「提督は怖くないんですか?」

提督「怖くない訳ないだろ…君には話してなかったかもしれないが俺は吹雪以外のみんなを沈ませてしまった…俺にはもう正直上手く指揮出来る気がしないんだ…あの時にとっさにとった君行動を見て思ったんだ、この子には俺何かより指揮の素質があるってな」

あの時は渚に死んでほしくない一心で…

裕翔「あの時は親友に死んでほしくなかったから…あそこに居たのが渚じゃなかったら俺は何も出来てなかったと思います」

提督「だとしてもだ、君は行動出来たという結果が重要なんだよ、過程や前提はその次だ」

裕翔(結果が大事か…)

裕翔「本当に俺に務まるでしょうか…」

提督「あぁ、もちろんだ」

裕翔「本当に俺何かで良いんですか?」

提督「君にしか出来ない事だ」

俺にしか出来ないか、よし

裕翔「分かりました…やります、俺がアイツらの指揮をやってみます!」

提督「ありがとう。これからもよろしく頼む」

提督「じゃあ今日はもう戻りなさい」

裕翔「分かりました、失礼します」


場所は変わり部屋へ

渚「何の話してたの?」

裕翔「あぁ、ちょっとな」

渚「何だよそれ、教えろよ」

裕翔「分かったよ、指揮をしてほしいんだとさ」

渚「提督になるって事か?」

裕翔「正確には助手だな、辞める時が来た時の為に俺に色々させるらしい」

渚「へぇ!凄いじゃん、良かったな!」

裕翔「まぁな、とりあえず頑張ってみようとは思ってる」

渚「そっか…お互い頑張ろう」

裕翔「あぁ…頑張ろうな」

渚「今日はもう寝ようか」

裕翔「そうだな、寝るか」

渚「おやすみ」

裕翔「あぁ、おやすみ」


次の日

提督「じゃあこれを頼んでも良いかい?」

裕翔「はい、分かりました」

提督「渚君と吹雪は演習をしようか」

演習か…取り合ってくれてたのかな

吹雪「演習…ですか?」

提督「あぁ、昨日渚君が演習したいって言ってただろ?だからね他の鎮守府に頼んでみたんだ」

渚「ありがとうございます、それで何処の鎮守府なんですか?」

提督「"舞鶴鎮守府"だよ」

吹雪「え?あそこは確か凄く強くなったって噂がある所ですよね?前行った時も強かったですけど」

提督「そうだな、だからそこなんだ」

渚(なるほど、つまり)

渚「そこと演習して大幅なLvアップを図れって事ですよね?」

提督「大正解!じゃあ行こうか」

裕翔「え?俺は?」

提督「さっき頼んだやつをやっといてほしいかな」

裕翔「あれならもう終わりましたよ」

提督「仕事が早いね、じゃあ他の仕事も任せようかな」

裕翔「あれ全部ですか!?」

提督「冗談だよ、じゃあみんなで行こうか」

3人「「「はい!」」」


場所は変わり舞鶴鎮守府へ

?「久しぶりだね」

提督「久しぶりです"海上"さん」

?「その2人が話してた子達かい?」

提督「そうです」

渚「初めまして、渚って言います。こっちは」

裕翔「裕翔です」

?→海上「僕は海上蓮司(うみかみれんじ)、よろしく」

「「よろしくお願いします!」」

海上「元気があって良いね、じゃあ早速だけどやるかい?」

提督「そうですね、早いとこやりましょう」

海上「と、その前に僕の艦隊を紹介しておこうか」

裕翔(海上さんの艦隊か…誰がいるんだろう)

海上「この子達が僕の第四艦隊のメンバーだよ」

渚(第四艦隊か…大抵の提督は第一第二に火力を詰め込むはずだから勝てる可能性はあるかも)

朝潮改ニ丁「駆逐艦朝潮です!本日はよろしくおねがいします!」

夕立改ニ「駆逐艦夕立!よろしくっぽい!」

北上改ニ「重雷装巡洋艦北上、よろしく〜」

羽黒改ニ「重巡洋艦羽黒です、よろしくおねがいします」

榛名改ニ「戦艦榛名です、今日はよろしくおねがいしますね」

赤城改ニ「空母赤城です、皆さん本日はよろしくお願いします」

「「よろしくおねがいします!」」

海上「じゃあ演習始めようか?ほら準備してきなよ」

提督「海上さん、補給だけさせてもらって良いですか?」

渚(そういえば入渠はしたけど補給出来てなかったな…)

海上「あぁ、良いよ」

提督「ありがとうございます、2人とも補給してきてくれ」

2人「「分かりました」」

裕翔(今回は俺が指揮を取る…作戦は…アイツらと話す必要があるな)


補給後

裕翔「吹雪、渚、ちょっと良いか?」

渚(どうしたんだろう)

渚「演習前に何だよ?」

吹雪「どうかしましたか?」

裕翔「耳貸せ」

渚「?分かった」

吹雪「これで良いですか?」

裕翔「あぁ、第四艦隊って言ってたよな?勝てそうか?」ボソボソ

渚「正直分からない…やってみないと」ボソボソ

裕翔「だよなぁ…正直今回は2人の火力と渚の知恵が勝利への抜け道だからな」ボソボソ

吹雪「私は渚さんが入れば大丈夫だと思うんですけど」ボソボソ

裕翔「まぁ…考えたって仕方ない、2人とも頑張れよ、俺も出来るだけサポートする

」ボソボソ

海上「もう作戦会議は大丈夫かい?終わったのなら演習を始めたいのだけれど」

3人「「「はい!いつでも大丈夫です!」」」

海上「よし…じゃあ始めようか」


場所は変わり海の上へ

渚(相手は全員改ニ…こっちは吹雪だけ改二か…やっぱ分が悪いな…どうしようか…)

夕立「当たれっぽい!」ドン!

夕立の放った砲弾は渚に一直線に飛んでいく

吹雪「渚さん!何ボーっとしてるんですか!きますよ!」

渚「え?うわぁ!?」

すんでのとこで渚は避けたはずが頬にかすった

渚(いった!?小破になって無いのに…実弾じゃないのに…イ級の時より痛い!)

渚「クソ…この!」ドン!

渚の放った砲弾は勢いよく夕立に当たる

夕立「はぁぁぁ!」中破

渚(よし、ここままもう1人!)

僕は加速し北上に急接近した

渚「いっけ!」ドン!

至近距離で僕は砲撃し、砲弾は北上に命中した

北上「いたた…」撃沈判定

渚(よし、このままいけば勝てるかもしれない!)

裕翔『相手は空母もいるから油断は禁物だぞ渚』

渚「分かってる…」

渚(裕翔の言う通り空母がいるからな…空母だけならヲ級の時みたいに出来るんだけど…)

榛名「主砲!一斉放射!」ドンッ!

榛名は遠距離から砲撃する、放たれた砲弾は僕めがけて一直線に飛んできた

裕翔(まずい、渚が)

裕翔『渚!来るぞ!ぼーとするな!』

渚(!?やばい…避けれないっ…なら!)

避けられない事を悟って僕は抵抗して砲撃をした、放った砲弾は見事榛名に当たった

榛名「やだ…こんな…」撃沈判定

渚「グフッ…」中破

渚(何とか榛名を大破させれられた…あとは…)

吹雪「当たって!」ドン!

朝潮「うっ…いたた…」撃沈判定

夕立「目潰しっぽい!」ドン!

羽黒「当たって!」ドン!

夕立の魚雷は一直線に進んでいったが羽黒がそれに合わせて魚雷に砲撃した、吹雪に当たる事は無く爆発音と共に吹雪の前に高い水飛沫が上がる

赤城「全力で参ります!」バシュ

水飛沫に隠れていた赤城が放った矢は艦載機へと変わり吹雪へ一直線に飛んでいった

裕翔『吹雪危ない!避けろ!』

吹雪「え?きゃ!」大破

艦載機は吹雪に攻撃が命中させる

渚(マズいな…あっちのペースに呑まれてきてる…何とかしなきゃ…)

渚「クソ…どうすれば!」

裕翔『落ち着け渚、ここからは俺もサポートする。お前らついて来れるか?』

2人「「あぁ!(はい!)」

裕翔(大丈夫そうだな…これなら俺も心置きなく指揮をとれる)

裕翔『いくぞ!』

裕翔(うちは渚が中破で吹雪が大破か…相手は撃沈判定が榛名・朝潮・北上、中破が夕立だけで無傷が羽黒と赤城か…正直空母を削れてないのはちょっとキツいがここまでは想定内)

渚「どうする…僕はまだ動けるけど吹雪が…」

吹雪「うっ…」

渚「運良く3人を撃沈されたけど僕もこのままだとちょっとキツいかな…」

渚(どうしよう…)

裕翔『渚、吹雪』

2人「何?(何ですか?)」

裕翔『お前らあとどのくらい動けるんだ?』

渚「僕はまだ全然動ける、ただ長くは持たない」

吹雪「そんなには動けないですけど私もいけます」

裕翔(なるほど…よし)

裕翔『渚、夕立と羽黒を引きつける事出来るか?』

渚「多分出来ると思うけど…引きつけてどうするんだ?」

裕翔『まず渚が夕立と羽黒の注意を引いて、吹雪は夕立を狙って撃ってくれ。夕立がやられたら羽黒の気が一瞬でも緩むはずだからその隙をついて渚が至近距離で撃つ。これで倒せなかったらすぐそこから離れてくれ」

渚「赤城はどうするんだ?空母がいるんじゃ好きに動けないぞ?」

吹雪「確かに上からも狙われるからあまり自由に動けないですね…」

裕翔『そこは目眩しだ。ヲ級の時みたいにうまく連携して赤城の視界を封じ、その隙に夕立と羽黒を倒してくれ。この方法だと30秒程度しか赤城を封じる事が出来ないが出来そうか?』

渚(30秒か…それだけあれば)

吹雪「やります!」スッ

渚「30秒あれば充分!」ガチャ

裕翔『よし、やれ』

吹雪「当たってください!」ドン

吹雪の放った酸素魚雷は赤城の前まで行った

渚「はぁ!」ドン!

僕が酸素魚雷目がけて放った砲弾は命中し高い水飛沫が登り赤城の視界を覆い尽くした

渚「さぁ…やるか」

渚は夕立と羽黒の所へ一気に距離を詰め、水に向かって砲弾した為水飛沫が登る

吹雪「いっけぇ!」ドン!

吹雪が放った砲弾は一直線に飛んでいき見事夕立に命中する

夕立「これじゃ戦えないっぽい〜」撃沈判定

吹雪「やりました!」

羽黒「夕立ちゃん!?」フリムク

羽黒が夕立の方に視界を移し僕から意識が外れ隙が出来た

渚(よし!今だ!)

渚「いけ!」ドン!

僕は至近距離で羽黒に砲弾した、放った砲弾は至近距離な事もあり相当な威力で羽黒に命中し高い高い水飛沫が登る

羽黒「そんな…」撃沈判定

裕翔(よし!後は赤城だけ!)

赤城「慢心してはダメ…全力でいきます」バシュ

水飛沫に隠れていた赤城が放った矢は艦載機へと変わり僕と吹雪へ一直線に飛んでいき命中した

渚「ぐっ…」大破

吹雪「ごめんなさい…」撃沈判定

渚(どうする…吹雪が撃沈判定で僕が大破じゃだいぶキツいぞ…)

裕翔『渚!まだ終わりじゃない!一気に詰めて魚雷と砲弾を同時に撃て!』

渚(1対1ならあの時みたいに!)

渚「当たれ!」ドン!

僕の放った砲弾は空に放物線を描きながら、魚雷は水中に直線を伸ばしながら赤城に向かって飛んでいく、赤城の目の前で渚の砲弾と魚雷は爆発し高い水飛沫が登る。

赤城「!?」

渚「これで最後だ!」ドン!

一気に距離を詰めた僕は砲弾を放った、放った砲弾は赤城に命中した

赤城「一航戦の誇り…こんな所で失うわけには…」撃沈判定

渚「勝った…」

吹雪「やりましたね!渚さん!」

渚「あぁ!」

裕翔『お疲れ様、早く帰ってこいよ』


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1: 獅子堂陸八魔 2021-07-06 17:32:47 ID: S:CmDrld

初めてにしてはとても良く出来ていると思い、これからの伸びしろ等に期待して星4を付けさせて頂きました。
これからも是非頑張っていただけたらなと思います。応援しています!

2: SS好きの名無しさん 2021-07-08 17:21:45 ID: S:jVRbUT

共感性羞恥、黒歴史、数年後に後悔するやつ、見ていてこっちが恥ずかしくなる

3: 盈月 2021-08-03 22:56:10 ID: S:Uqddq4

見さてもらいました。これからも頑張ってください!

4: Zeke 2021-08-20 11:53:37 ID: S:RS3CxD

頑張ってください!

5: 幻ノBot 2021-11-30 19:33:13 ID: S:XMdM7s

入りやすい内容だからとても面白い


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1: SS好きの名無しさん 2021-08-11 08:02:29 ID: S:epuqh6

ええでこれ


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