2015-05-21 14:42:33 更新

概要

俺ガイル×俺物語!!のクロスオーバー
主人公の声優さんはどちらも江口拓也さんという驚き
そんな二人が出会ったら…


前書き

SS初投稿です!
江口さん声優力すげぇ!との思いから書いてみました。
まだまだキャラの特徴がしっかりと捉えられておらず至らない点があるかと思いますが、最後まで書ききりたいと思います!


-帰宅中-

八幡(今日も特に何もなく終わった。まぁ、それが一番なんだがな)


ドンッ


不良1「オイ、テメェ。何ぶつかってきてんだよ?」


八幡(こんな時代にもまだこんなのが残ってんのか…。めんどくせぇしここはさっさと終わらせてやるか)


不良2「なんだ?やんのかテメェ!」


八幡「おいおい、お前たちはそれでいいのか?1人に対して2人だぞ?恥ずかしいと思わねぇのか?(あれ?こんなこと言うつもりじゃなかったぞ?)」


不良1「っるせぇなぁ!」


八幡(あー、殴られるのか…)


ガシッ


不良1「あん?」


不良2「なんだ、テメェは?」


猛男「お前ら男として恥ずかしくないのか?」


八幡(でけぇ…)


不良2「しゃしゃりでんじゃねぇ!」ブンッ


猛男「フン!」バァン


八幡(華麗な一本背負い)


猛男「こいつと一緒にどっか行け!」


不良1「は、はぁい!!」ピューン


猛男「大丈夫か?」


八幡「あぁ」


猛男「そうか。それなら良かった」


八幡「助かった。じゃぁな」


猛男「おぅ!気をつけてな!」



-帰宅-

八幡「ただいま」


小町「おかえり、お兄ちゃん!ん?何かあったの?」


八幡「別に何もねぇよ」


小町「そう?でも、いつでも小町はお兄ちゃんの味方だからね!あ、今の小町的にポイント高い!」


八幡「で、今日の晩飯は?」


小町「ジャーン!小町お手製オムライスなのです!」


八幡「ケチャップで書いてあるこれは?」


『八幡LOVE』


小町「小町のキ・モ・チ」クネクネ


八幡「こんなことしてくれる妹を持ってる俺は幸せだな。今の八幡的にポイント高い!」


小町「そんなことより早く食べてね」


八幡「…はい」



次の日-奉仕部 部室-

結衣「やっはろー、ゆきのん」


雪乃「こんにちは、由比ヶ浜さん。それと、アナタ誰だったかしら?」


八幡「おい、同じ部員でいつも俺の名前をいじってたくせに忘れるとかありえねぇだろ」


雪乃「思い出したわ。確か腐企谷君だったかしら?」


八幡「全然思い出してねぇじゃねぇか」


雪乃「冗談よ、比企谷君」


結衣「あ、そういえば、ゆきのんさ……」



-帰宅中-

八幡(今日も何事なく終わった。良いことだ)


八幡(ん?あれは昨日俺を助けてくれた…。自販機の前で何してんだ?まぁ、どうでもいいか)スタスタ


猛男「おーい!おーい!」


八幡(気づかれちゃったよ。ここは長年のぼっちで培われたステルス機能を…)


猛男「おーい!こっちだー!」


八幡(はぁ、無理か)


八幡「どうした?」


猛男「飲み物を買いたいんだが、お金が足りなくてな」


八幡「はぁ、それで?」


猛男「恥を承知だ!貸してくれないか!?」


八幡(昨日のこともあるしな、いいだろ)


八幡「いくらだ?」


猛男「助かる。100円だ。絶対に返すからな!」


八幡「いいよ。昨日助けてもらったし」


猛男「ダメだ!金を借りたらきちんと返すように母ちゃんに言われてるんだ」


八幡「分かった。返せる時でいいから」


猛男「おぅ!必ず返すからな!」


八幡「じゃぁな」


猛男「またな!」ブンブン


八幡(アイツに2日連続で会うなんてよからんことが起きそうだ…)



次の日-奉仕部 部室-

ガラガラ

雪乃「あら、由比ヶ浜さんは?」


八幡「あいつなら職員室に呼ばれてる」


雪乃「そう」


ドドド

結衣「ねぇ!校門の前に不審な大男が現れたらんだって!」


八幡「由比ヶ浜騒がしいぞ」


結衣「ヒッキー、何言うし!大男だよ!見に行くっきゃないよ?」


八幡「そんなもん見て何になるってんだ(大男?まさかな…)」


雪乃「どうしたのかしら、比企谷君?」


八幡「いや、なんでもない(関わらないが吉だ)」


結衣「あー、そういえば、目撃した生徒が言ってたんだけど『100円を返しに来た!出てこい!』って叫んでたんだって。なんだそれ?って感じだし」


八幡(おい、マジかよ。いや、ここでスルーしておけば問題ない)


雪乃「比企谷君、アナタさっきからどうしたの?」


八幡「だ、大丈夫だ。問題ない…。ちょっとトイレに…」


結衣「ヒッキー、どうしたんだろ…」


雪乃「お手洗いを我慢してたとか、そういうことじゃないかしら」


結衣「そうかなぁ…」



-校門-

八幡(やっぱりあいつだ)チラッ


猛男「ん?おーい!こっちだ」


八幡(げ、見つかった…)


八幡「お前こんなところでなにしてんだ?」


猛男「もちろん100円返すためだ!」


八幡「もし、俺が先に帰ってたらどうしてたんだ?」


猛男「その時はまた明日来るまでだ」


八幡「お、おぅ(100円のためにどんだけ頑張るんだよ)」


八幡「まぁ、いい。100円」


猛男「あ、あぁ。ありがとな」


八幡「じゃ、これで(コイツともおさらばだ)」


猛男「ちょっと待ってくれないか?」


八幡(おいおい、なんなんだよホント)


八幡「どうした?これでも俺は忙しいんだ」


猛男「すまんな。手短に話す。この高校にはなんでも願い事を叶えてくれる部活があるそうじゃないか」


八幡「そんな流れ星みたいな部活なぞ知らん」


猛男「そうか…。名前は確か『奉仕部』だったかな」


八幡「」


猛男「これでも分からんか?だったら他の生徒に聞いてみる」


八幡(絶対めんどくさいことになる。しかし、コイツが校内の生徒から奉仕部の場所を聞き出すのも時間の問題。辿り着いたら俺がいることもバレる。そして雪ノ下の存在だ。奉仕部を頼る人間を見放したなんて思われたら罵言雑言のラッシュだ。それだけは避けたい)


八幡「おぅ、奉仕部なら知ってる。付いてこい」


猛男「そうか!」



-奉仕部 部室-

ガラガラ

結衣「ヒッキー、大丈夫?」


八幡「あぁ。ところで雪ノ下。今時間あるか?」


雪乃「あら珍しいわね。人のことなんて気にしない自己中心的なアナタが人のことを気にするなんて」


八幡「俺は別に自己中じゃねぇ。他人に興味がないだけだ。で、だ。ちょっと相談したいってやつが来てるんだがいいか?」


雪乃「そういうことね。それなら全然構わないのだけれど」


結衣「久々の相談者だね!」


八幡「入っていいぞ」


ドシンドシン

猛男「邪魔するぞ」


結衣「…え?」


八幡「こいつが相談者だ」


結衣「ちょっとヒッキー待ってよ!この人って校門前にいた大男じゃない!?」


八幡「そうだ。それがどうかしたか?」


結衣「どうかしたか?じゃないし!この人不審者だよ?」


結衣「アナタ、この校内に不審者を連れ込んでどういうつもりかしら?」


八幡「ちょっと待て。よく見ろ。高校の制服着てるだろ?」


雪乃「それが油断させるためのものだとしたら?」


八幡「そりゃないだろ。おい、学生証持ってるか?」


猛男「あぁ。これだ」


八幡「見ろお前ら。ちゃんとしたやつだぞ」


雪乃「確かに本物だわ」


結衣「こんなおっきい高校生がいるんだねぇ」


雪乃「先ほどまでの無礼謝罪させてもらうわ」ペコッ


結衣「ごめんなさい」ペコッ


猛男「いいんだ。慣れている」


雪乃「そう。まずは自己紹介からね。私は雪ノ下雪乃。この奉仕部の部長よ」


結衣「私は由比ヶ浜結衣。ここの部員よろしくね!」


八幡「比企谷八幡。よろしく」


猛男「剛田猛男だ。よろしく頼む!」


雪乃「で、相談というのはどんなことかしら?」


猛男「恥ずかしいのだが、俺には彼女がいてな。それd」


八幡「ちょっと待て。彼女がいるとかそんな妄想を聞かされるために集まったんじゃないぞ」


猛男「嘘じゃない。写真もある。ほれ」


八幡(めちゃくちゃ可愛いじゃねぇか!)


結衣「えー!超可愛いし!」


雪乃「本当に彼女なのかしら?なんというか、不相応というか…。ごめんなさい、言葉が見つからないわ」


猛男「一緒に写ってるやつもあるぞ」


八幡(お前画面に入りきれてねぇぞ)


結衣「ちゃっちゃいねー」


八幡(いやいや、こいつがでかすぎるんだろ)


雪乃「ありがとう。確かにアナタと一緒に写ってるわね。相談の内容の途中だったわね」


猛男「続けるぞ。その彼女、大和って言うんだが、とても可愛くて素直でお菓子を作るのがとても上手なんだ。そして、いつも笑顔なんだ」


八幡(ただのノロケかよ)


猛男「でも、時々悲しそうな顔をするんだ。俺が何かしたかもしれない。もしかしたら学校で何かあったかもしれないと考えるんだが、全く答えが出ないんだ」


雪乃「なら、その大和さんがどうしてそうなったのかを調査すればいいのかしら?」


猛男「いや、違う。俺に『女心』を教えてくれないか?」


八幡(なんだそりゃ)


雪乃「それはどういうことかしら?」


猛男「女心というものが分かれば顔を見ただけで何があったのか分かる気がするんだ」


雪乃「そういうことね。私が言えることじゃないのだけれど、そう簡単に女心というものは分かるものではないと思うわ」


猛男「何もかも分からなくていい。今より少しでも大和のことを分かってあげたいんだ」


結衣「なんだかピュアピュアだねぇ~」


雪乃「では、依頼内容は『女心が分かるようになる』でいいのかしら?」


猛男「それで構わん」


雪乃「分かってもらいたいのは、あくまでも私達は手助けをするということ」


猛男「了解した」


結衣「明日休みだし、みんなで集まるし!」


雪乃「アナタは大丈夫なのかしら?」


猛男「大丈夫だ」


雪乃「では比企谷君。連絡先を交換しなさい」


八幡「何で俺なんだよ。部長のお前がしたらいいだろ」


結衣「これだからヒッキーはダメなんだよ」


八幡「…どういうことだよ」


雪乃「いいかしら。仮に私が彼と連絡先を交換して、それを彼女が見たらどう思うかしら?」


八幡「何も思わねぇだろ。思ったとしても友達程度だろ」


雪乃「はぁ、だから比企谷君は万年比企谷君なのね」


八幡「いや、意味分かんねぇって」


結衣「ヒッキー、女の子ってのはね、自分の他に女の子の連絡先があったら不安なんだよ?例え今幸せでも、もしかしたらすぐにさよならしちゃうのかもって思うんだよ?」


雪乃「この際だからアナタも女心というものを学びなさい」


八幡「別に小町がいればいいし」


雪乃「聞きなさい、シス企谷君。小町ちゃんもいずれ誰かのお嫁さんになるのよ」


八幡「俺が認めねぇよ」


雪乃「黙りなさい、ゴミ企谷君。アナタがどうであれいつかはいなくなるのよ?それと、アナタの将来の夢は主夫だったかしら?くだらないのだけれど、仮にそれを目指すにしたって結婚相手が必要でしょ。今のゴミ企谷君では女の子に声をかけることすらできないのよ。それなのに将来の夢は主夫だなんて笑わせてくれるわね」


八幡「いいだろ、別に。こんな俺にだって差し伸べられる手はあるはずだ」


雪乃「ないわね。億が一、兆が一アナタが誰かと結婚出来たとするわ。でも、そのあとの結婚生活は続けることができるのかしら?」


八幡「なんとでもなるだろ」


雪乃「はぁ、本当に救いようのないクズ企谷君ね。人の気持ちを考えないで共同生活なんて出来るわけがないのよ」


八幡(これ以上言われるのも嫌だし、適当にやっとけばいいだろ)


八幡「分かったよ、やる」


雪乃「そう。分かってくれて何よりだわ」ニコッ


八幡(アメとムチ使い分けるのやめて。ホレちゃうだろ)


八幡「じゃ、連絡先交換しようぜ」


猛男「おぅ、連絡待ってるぞ」


雪乃「では解散にしましょうか」



-自宅-

八幡(雪ノ下からメールだ『明日10時に駅前のファミレスに集合』ね)


八幡(女心とか言ってるくせに絵文字の1つも使いやしねぇな)


八幡「…寝るか」



次の日-ファミレス-

結衣「やっはろー!ヒッキー早いね」


八幡「おぅ。遅れたら雪ノ下に何か言われそうでな」


結衣「ははは…」


猛男「すまん、待たせたな」


結衣「ううん、私もヒッキーも今来たところだよ。で、そちらの方は…」


猛男「俺だけだと心配だからな。友達の砂に付いてきてもらった」


砂「どうも。砂川です」


八幡(あら、やだ。イケメン)


結衣「砂君ね!私は由比ヶ浜結衣だよ、よろしく~」


八幡「比企谷八幡。よろしく」


砂「よろしく」


結衣「後1人来るんだ。待っててね」


猛男「分かった!」


~10分後~

雪乃「私が最後かしら?待たせてしまって申し訳ないわね。ところであなたは?」


砂「猛男の友達の砂川です」


雪乃「雪ノ下雪乃よ。彼から話は聞いているわね?」


砂「…はい」


雪乃「では始めましょうか。考えたのだけれど、まずはあなたの『女心』に対する認識能力がどの程度なのか調べさせてもらうわ。どこかの目の腐った男よりはマシだと思うのだけれど」


結衣「何か質問していけばいいのかな?」


雪乃「そうね。砂川君にも頼めるかしら?男性からの視点もほしいのだけれど」


砂「いいですよ」


八幡(あれ?俺も男なんだが…)


結衣「まずは私から!ある出来事から助けてもらった女の子は、そこから助けてくれた男の子に近づきたいと思ってます。それはどういうことでしょう?」チラッ


八幡(随分と具体的だな)


猛男「そうだな。単純にお礼をしたいと思うのだが、違うのか?」


結衣「違わないけど、もうひと押し!人から見たらちょっとしたことだけど、そこから別の感情が出てくるというか…」


砂(姉さんも言ってたな)


八幡(女ってそんなもんなのか?)


砂「猛男、お前と大和さんの出会いってそんな感じだよな?」


猛男「確かにそうだな」


結衣「どういうことだし!?」


猛男「大和との出会いは痴漢から助けたことから始まったんだ」


結衣「なにそれ!?少女マンガみたい!(こんなことが起こるからもしかしたらヒッキーとも…、って何考えてるんだし!)」ブンブン


雪乃「では次は私ね。昨日、大和さんて子はお菓子を作ってくれると言ってたわね。それがどういうことか分かる?」


猛男「大和はお菓子作りが好きということだろ?で、俺が食べる」


雪乃「その行為そのものものに意味があるとは考えないのかしら?」


猛男「そう言われてもな、好きだからとしか言えない」


雪乃「そう。行為に意味があるとすれば、誰かのために何かしてあげたいといったところかしら。女の子というのはそういうものなのよ(と、本に書いてあったわ)」


八幡(雪ノ下が女の子がどうとかを語るということがかなりの違和感なんだが…)


雪乃「比企谷君、その顔は何かしら?」


八幡「べ、別に」


雪乃「で、砂川君からは何かないかしら?」


砂「大和さん、よくお前のこと見てるよな?」


猛男「そうなのか?全く気付かなかったな。それがどうした?」


砂「いや、別に。…以上です」


雪乃「ありがとうございます。由比ヶ浜さん大体分かったかしら?」


八幡(あれ?俺のターンは?)


結衣「うん!ばっちりだよ!剛田君は…全然女心が分かってないし!」


猛男(やっぱりかぁー!)ガーン


結衣「で、でもこれから頑張ればいいんだよ!」


猛男「そうだな!頼む!」ガシッ


結衣(か、顔が近いし…)


砂「」プププ


雪乃「剛田君の実力が分かったので次は実践的なことを行いたいと思います」


八幡「というと?」


雪乃「現場で体験してそこで考えてもらおうと思っているのだけれど」


結衣「ということで今回は協力者を呼んでるし!」



―ショッピングモール―

隼人「君たちの力になれるなら何でもするよ」


優美子「なんであーしがこんなこと…(隼人とデ、デートなんて!)」


雪乃「この二人ならリアルな反応が見られると思ったから読んだのよ」


八幡(どんな関係か知っていたら鬼だなこいつ)


雪乃「分かっていると思うけど、あなたたちの行動は監視させてもらうわ」


隼人「OK。剛田くんだったかな?力になれるか分からないけどよろしくね」


猛男「いや、わざわざありがとう」


雪乃「では、はじめてちょうだい」



―1F 服屋―

優美子「隼人見て見て!この服可愛くない!?」


隼人「いいんじゃないかな?優美子なら似合うと思うよ」


結衣「さてここで問題です。優美子はなぜ隼人に服の感想を求めたのか述べよ!」


猛男「可愛いとか言ってたから同意を求めたんだろう。女とはそういう生き物だとクラスメイトが言っていたぞ」


結衣「ブッブー!剛田君もクラスメイトも間違えています。模範解答を砂君どうぞ!」


砂「なんていうか…、間違えてたら黙っていてほしいんだけど、三浦さんは葉山君のことを好きなんじゃないかな?猛男の言うとおり同意を求めていることもあるけど、もっと別の言葉がほしかったとか。その、ほめ言葉とというか」


八幡(さすがイケメン。鋭いな)


結衣「砂君くらいになるとこのくらいは簡単だよね!」


雪乃「三浦さんは葉山君のことを…」ブツブツ


八幡(知らなかったのかよ!それでこの組み合わせとかどんだけ運がいいんだよ)


猛男「さすが砂だな。俺はもう一歩踏み込まないといけないようだな」


結衣「その意気だし!」


八幡「移動したぞ」


八幡(今度は男物のところか)


優美子「隼人、あーしがコーディネートしてやんよ!」


隼人「お、それは楽しみだな」


結衣「はい、問題です!これはどういうことか!?」


猛男「昨日部長さんが言っていた誰かに何かしてあげたいってやつじゃないか?」


結衣「おぉ、成長したね!だけど、もうちょっとなんだよなぁ。はい砂君!」


砂「俺毎回答えなきゃいけないの?」


結衣「剛田君がきちんとした答えが出ないときは回答してね!友達なんだからこのくらいは問題ないでしょ」


砂「猛男、なるべく正解を出してくれよな」


猛男「頑張る!」


砂「じゃ、合ってるか分からないけど、何かしてあげたいってことに加えて、自分の思う彼を創りたいんだと思う」


結衣「さすがだね!イケメンで女心分かってるなんて、モテモテでしょ?」


砂「うーん、よく告白はされる。だけど断っている」


八幡(なんて世の中は不平等なんだろうか)


結衣「えー?なんでなんで?」


砂「色々あるか、かな…」


結衣「あ、ごめん。聞いちゃまずかったかな?」


砂「別に」


雪乃「試着が終わったようね」


隼人「どうかな?」


優美子「とても似合ってんじゃん!流石隼人だね!」


隼人「優美子が選んでくれたからかな?」


優美子「ちょ、ちょっと…///」


結衣「きゃー!いい感じじゃない?」


八幡(なんでせっかくの休日にクラスメイトのイチャイチャを監視せにゃならんのだ)


八幡「由比ヶ浜、本来の目的を忘れるなよ」


結衣「わ、分かってるし!(今度はヒッキーと私でしようかな!!//)」


隼人「せっかく優美子が選んでくれたし買っていこうかな」


優美子「そ、そう。ちゃんと着てよね!」


隼人「当り前さ」


結衣「優美子いいよー。次々に問題出してくれるね!さて、なぜ隼人の買っていこう発言にあんな態度をとったのでしょうか!」


猛男「うーん、全く分からん」


結衣「じゃ、砂君!」


砂「三浦さんがいつもどんなキャラか分からないけど、多分、あそこで大喜びしたら嫌われるとか思ったんじゃないかな」


結衣「言わずもがなだね!」


八幡「よくそんな難しい言葉を知っていたな」


結衣「ふざけんなし!」ゲシッ


八幡「痛っ!」


結衣「女の子は好きな男の前ではいい子にするもんなんだよ」


猛男「そうなのか!勉強になるな」


八幡(時間的にもそろそろだな)



―2F アクセサリーショップ―

結衣「いよいよラストだよ!今日の成果を発揮する時だよ!」


猛男「おぅ、任せろ!」


隼人「優美子、今日1日ありがとう。お礼に何か買ってあげるよ」


優美子「そんなんいいって!結衣に言われてやったことだし…」


隼人「遠慮すんな。いつも世話になっているからな」


優美子「そう?なら、お願いしようかな!」


結衣「いい感じのラストだね。ここからは小さい問題は捨てて難問を拾っていくし!」


砂(結局俺が答えなきゃじゃん)


雪乃「由比ヶ浜さん、注視しすぎて見落としが無い様にね」


結衣「了解だし!」


隼人「優美子の好みを教えてくれないか?」


優美子「隼人が選んでくれるなら何でもいいよ」


隼人「うーん、困ったなぁ…」


隼人「ん?このネックレスなんてどうだ?」


優美子「いい感じじゃん!うん、これがいい!」


隼人「会計してくるよ」


八幡「由比ヶ浜、終わったぞ」


結衣「優美子―!何で普通に終わったし…」


雪乃「私あまり分からないのだけれど、あの『何でもいい』はどういう意味かしら?」


八幡(俺も前々から気になっていたことだ。せっかく買ってもらうというのなら高価な物を買わせて、その後に売ればいいというのに)


猛男「大和もたまに何でもいいと言うな」


結衣「正直に言っちゃうと、あれは試してるんだよね。自分の中では決まってるんだけど、その決まってる中から男の子はちゃんと見つけてくれるかなって願ってるんだよ」


八幡(女ってめんどくせぇ!)


猛男「そうだったのか」


雪乃「なるほどね。そういう意味が含まれていたのね」


八幡「雪ノ下も女なんだから分かるだろ?」


雪乃「比企谷くんに言われると無性に腹が立つわね」


八幡「お前はそういう場面ないのかよ」


雪乃「生憎ないのだけれど」


八幡「そうか」


結衣「2人が戻ってきたよ」


隼人「今日の俺たちはどうだったかな?」


結衣「本当のカップルっぽかったよ!」


優美子「ちょっと結衣やめてよー//」


雪乃「今日は2人とも助かったわ。ありがとう」


優美子「別に雪ノ下さんのためじゃないから」


隼人「いいんだ。君たちには助けてもらってばかりだからね」


猛男「俺からも礼を言わせてくれ。今日はありがとう」ペコッ


隼人「いやいや、彼女さんのためだってね。頑張って、応援してるよ」


八幡「今日は悪かったな、いきなり呼び出して。それと、この後時間あるか?」


隼人「君からのお誘いとは珍しいな。いいよ、問題ない」


八幡「そうか。助かる」


雪乃「今日はここで解散したいと思います。また明日も行いたいと思うのだけれど、私は家の用事で来れないの。他にもいるかしら」


隼人「ゴメン、明日は部活なんだ」


優美子「隼人が来ないなら行かなーい」


砂「俺も家族で旅行なんだ」


雪乃「明日は由比ヶ浜さん、比企谷君、剛田君の3人ね。由比ヶ浜さん、申し訳ないのだけれど頼んだわ」


結衣「大丈夫だよ。任せるし!」


雪乃「では、解散しましょ」



―ショッピングモール カフェ―

隼人「で、話とはなんだい?」


八幡「今日の疑似デートの事だが、何だか腑に落ちなくてな」


隼人「まさか妬いているのか?」


八幡「そんなわけないだろ。ただ、デートとして完成されていたというかなんというか…」


隼人「何が言いたいのかな?」


八幡「言い方があってるか分からんが、今日のは演技だろ?」


隼人「ははは…、君には隠せないようだね。」


八幡「(やはりか)で、だ。言いたくはないんだが、三浦が今日の一件で惚れたらどうするつもりだ?」


隼人「優美子が俺に?それはないよ。仲良い友達さ」


八幡「(本当に気づいていないのか?でないと鈍感すぎるだろ)俺が言いたいのは、由比ヶ浜が居場所を失ってほしくないんだ。お前らのくだらんことで居場所を失わせたくない」


隼人「そんなことか。戸部の件でも話したが、僕たちの関係はそんなに簡単に崩れるようなことはない」


八幡「絶対だと言い切れるんだな?」


隼人「もちろんだ。約束するよ。でも、なんで結衣の心配なんかを?もしかして…」


八幡「勘違いするなよ。俺は俺の居場所を失いたくないだけだ。由比ヶ浜にダメージがあれば間接的にでも俺の元へダメージはくる。そんなことはごめんだからな」


隼人「君らしいね。この言葉を聞いたら結衣は喜ぶだろうね」


八幡「俺の言葉で喜ぶような奴じゃない」


隼人「そうかい?(気づいていないのは君の方だよ)」



―自宅―

八幡(今日は疲れたな…。この後の流れなんかも考えなきゃならんのか。大変だな)


小町「あれあれ~、お疲れの様子ですなぁ」


八幡「奉仕部の活動があったからな」


小町「内容はどんな感じ?」


八幡「彼女持ちの男が女心を知りたいとさ」


小町「お兄ちゃんで手助けになるの?」


八幡「ばっ、俺だってなんかこう…いい感じで助けになってるよ」


小町「はぁ、全く小町のお兄ちゃんは手がかかりますな。では、ここで小町アドバイス!人に教えるためには自分も分かってないとね!」


八幡「どういうことだよ」


小町「それは自分で考えなさい。じゃ、おやすみー」


八幡「あぁ」


八幡(今後のことについて雪ノ下に電話でもするか)プルプル


雪乃『こんな時間にどうしたのかしら?くだらない事なら許さないわよ』


八幡「今後のことなんだが…」


八幡「…ということだ」


雪乃『分かったわ。それで行きましょう。明日は由比ヶ浜さんを頼んだわよ』


八幡「任せろ」ピッ


八幡(次は由比ヶ浜に電話するか)プルプル


結衣『もしもし!ど、どうしたの、急に…』


八幡「さっき雪ノ下と今後のことについて話したからお前にも伝えておこうと思ってな。今大丈夫か?」


結衣『大丈夫だよ!で、どんな事を話したの?』


八幡「明日俺が模擬デートを行う」


結衣『はぁ!?だ、誰とデ、デートするの!?』


八幡「戸塚だよ」


結衣『彩ちゃん?なんで…』


八幡「明日来れる人手から考えた結果だ。剛田は見てないといけないし、由比ヶ浜は解説しなきゃいけないだろ。で、残った俺がデートしないといけないが、そんな事をしてくれる知り合いの女の子はいない。かと言って小町では意味が無い。だったら、見た目が可愛い戸塚に頼むしかないというわけだ」


結衣『ヒッキーが行ってくれたらデートくらい行くし…』ボソッ


八幡「すまん、聞き取れなかった」


結衣『何でもないし!』


八幡「そうか。で、その後だが、来週剛田には彼女とデートをしてもらう。もちろん女心を分かりたいということは伏せるため彼女には黙ってデートを監視する」


結衣『なんか黙って見てるのもね…』


八幡「他の手があればいいんだが今のところこの方法しか思いつかなかった。そのデートの後アドバイスをしてやる。幸い、あいつらはほぼ毎日会っているそうだ。その中で経験を積んでいってもらう。一定期間自力でやってもらいその後どれだけわかるようになったか確認をする。問題なければそこで終了だ。もちろん、分からないことがあれば逐次質問してもらってもかまわない。質問はあるか?」


結衣『別に…』


八幡「明日10時駅前な。街でもブラブラしようかと思う」


結衣『うん。何か楽しそうだね』


八幡「戸塚とデートできるからな」


結衣『そういことね…。うん!明日頑張ろうね!』


八幡「おぅ、また明日な」


八幡(剛田にメールして寝るか)



―駅前―

戸塚「おーい、はちまーん!」


八幡「おぅ(戸塚!きょうも相変わらず天使だな!)」


戸塚「あと二人来るんだよね。由比ヶ浜さんと依頼者が」


八幡「もうそろそろだろ」


結衣「ごめーん、待った?」


八幡「あぁ、待った」


結衣「ひどーい!そこは『俺も今来たとこ』でしょ!」


八幡(そんな恥ずかしいこと出来るかよ)


結衣「彩ちゃん、やっはろー!」


戸塚「やっはろー、由比ヶ浜さん」


ズドドド キー

猛男「すまん、待たせたな」


八幡(すげぇ勢いで来たぞ)


結衣「剛田くん、やっはろー」


猛男「や、やっはろー?」


八幡(無理にしなくてもいいんだぞ?それは頭がちょっとアレな子たちがやるやつだから。※ただし、戸塚を除く)


結衣「この子が今日手伝ってくれる戸塚彩加ちゃんです!」


戸塚「戸塚彩加です。よろしくね!」


猛男「剛田猛男だ。よろしく!」


八幡「今日俺と戸塚がデートする。昨日よりかは難易度低いだろうから頑張れよ」


猛男「おぅ!お前にこんな可愛い女の子の友達がいたとはな」


戸塚「僕は男だよ!」プンスカ


猛男「何ぃー!!」ショック


八幡(怒った戸塚も可愛い)


猛男「それは申し訳なかった」


戸塚「大丈夫だよ♪」


猛男「それでは男同士になるではないか」


八幡「剛田それは違う。確かに戸塚は男だ。だが見てみろ、この容姿!可愛いだろ!女の子なんだよ!そう思って今日は臨め」


結衣(今日のヒッキーは何だかアツいよ)


戸塚「はちまんまで言うなんてひどいよ!」


八幡「違うんだ。本来なら男女でやるところだが、今日はそうじゃない。俺が女やったところで意味が無い。お前を女だと思わせることが成功の鍵なんだ」


戸塚「…分かったよ、今日だけだからね!」


八幡「ありがとな」


結衣(今日はヒッキーとデートできると思ったのに…!)


八幡「今日は昨日のように影から見守ることはしないでいい。ある程度距離を置いてくれればそれでいい。それと、1つの場所で最低でも1つアクションは起こそうと思ってる。由比ヶ浜は見逃さず頼むぞ」


結衣「OKだし!(ヒッキーに頼られてるしいいかも!)」


猛男「分かった」



―服屋―

八幡(正直デートなんてしたことないからな。昨日の葉山の動きでも真似するか)


八幡「気に入ったものがあれば試着していいぞ。なんなら買ってやる」


戸塚「そんなの申し訳ないよ…」


八幡「今日はデートなんだ。遠慮するな」


店員「いらっしゃいませ。可愛い彼女さんですね」ニコッ


戸塚「いや、僕h八幡「ちょっと待て。今日は女の子で頼む!」ヒソヒソ」


戸塚「分かったよ…」


八幡(てか、あんまこんなとこ来ないからな、店員の対応に困るな)


戸塚「大丈夫です!自分たちでゆっくりと考えますので」ニコッ


八幡(天使がここにいる!)


店員「そうですか。どうぞごゆっくり」


八幡「助かった」


戸塚「ううん、いいよ。それよりこの服かわいいよね!」


八幡「(戸塚の方が可愛いぞ!)そうだな。いくつかピックアップして試着してみろよ」


戸塚「うん!絶対覗かないでよ?」


八幡「(覗きたいが戸塚を悲しませるわけにはいかない)当たり前だろ」


戸塚「じゃ!」シャー


結衣「ヒッキーなんだかいい感じじゃない?本来の目的忘れてないよね?」ジー


八幡「忘れてねぇよ(忘れて普通に楽しんでいたなんて言えない)」


猛男「しかし、女物の服はたくさん種類があるのだな」


結衣「この際だし、服の名前とか覚えようよ!彼女さんに似合うやつがあれば今度のデートの時に買ってあげるんだよ?」


猛男「あぁ、頼む」


八幡「俺は戸塚を待ってる」


~着替え完了~

戸塚「ど、どうかな?」


八幡「似合ってる、可愛いぞ(写真撮って待ち受けに)」


戸塚「可愛いってのは複雑だな…」


八幡「次のやつに着替えようぜ」


戸塚「はちまん、絶対楽しんでるよね…」


結衣「ヒッキー、彩ちゃんどう?」


八幡「ん?あぁ、完璧だ。アイドルにしたいくらいだ。剛田は?」


結衣「種類が多すぎてパンクしちゃってる」ハハハ…


猛男「」シュー


八幡「(俺も覚えれる気はしないな)アクションはこの店を出てからにしよう。今の状態じゃムリだろ」


結衣「だね」


戸塚「はちまーん、どうかな?」


八幡「付き合ってくれ」


戸塚「え?//」


結衣「ヒッキー?」ゴゴゴ


八幡「じょ、冗談だって…」


戸塚(冗談なのか、残念…)


結衣「彩ちゃん本当に可愛いね!」


戸塚「ありがとう!」


八幡「どれがいい?」


戸塚「はちまん、これ全部女物だよ…?」


八幡「そうだったな(残念)」


八幡「だったら、由比ヶ浜、欲しいもの買ってやるよ」


結衣「え!?急にどうしたの?」


八幡「せっかくだし。いいだろ、早く選べよ」


戸塚「僕は?僕は?」ピョンピョン


八幡「(可愛い。持ち帰りたい)ここは女物専門みたいだし、別の場所でな」


戸塚「絶対だよ?」


八幡「約束だ。取ってきた服を元に戻してこい」


戸塚「うん!」


結衣「ヒッキーこれがほしい!」


八幡「いいんじゃねぇの?」


結衣「ちょっと!彩ちゃんの時とリアクションが違いすぎるし!」


八幡「俺そんなのよく分かんないから」


結衣「可愛いって言ってたじゃん!」


八幡「はいはい、可愛い可愛い」


結衣「…もういいよ。はい、お会計お願いね」


八幡「あぁ」



―公園ベンチ―

八幡「どうだ、具合は?」


猛男「あぁ、もう大丈夫だ。しかし、情けないな。あの程度で倒れてしまうなど…」


八幡「もう昼だしその辺で飯食おうと思ってるんだがいいか?」


猛男「構わんぞ。ところで、2人はどこへ?」


八幡「飲み物買いに行ってる」


戸塚「あ、目が覚めたんだね!はいこれ」


猛男「すまんな」ゴクゴク


結衣「ヒッキーはこれね」


八幡「サンキュー」ゴクゴク


八幡「昼飯のことなんだが行きたいとこあったら言ってくれ」


結衣「特にないかな?」


戸塚「この近くにイタリアンレストランができたから行きたいんだけど、いいかな?」


八幡「もちろんだ。場所は分かるか?」


戸塚「うん!」


八幡「じゃ、案内よろしく」



-レストラン-

店員「いらっしゃいませ。4名様ですか?」


戸塚「はい」


店員「では、こちらへ」


・席順 窓側から戸塚 八幡 結衣

反対側 猛男のみ


結衣「雰囲気いいよねー」


戸塚「でしょ?テレビでも取り上げられていたんだ。特にパスタが人気なんだって」


八幡(へぇ。こんな店こんな時にしか行かねぇな)


戸塚「みんな決まったら言ってね。僕がボタン押すから」


結衣「私決めた!」


猛男「俺も決めたぞ」


八幡「俺もだ」


戸塚「じゃ、呼ぶね」


店員「ご注文をお伺いします」


戸塚「季節の野菜パスタを1つお願いします」


結衣「エビたっぷり 海鮮カルボナーラを1つ!」


八幡「デミグラスソースハンバーグ1つ」


結衣「なんでハンバーグだし!?」


八幡「いいだろ、別に」


猛男「ミートスパゲッティ大盛10人前で」


八結戸「「「…え?」」」


結衣「頼みすぎじゃない?食べきれるの?」


猛男「このくらい普通だ」


八幡(すげぇな、おい。聞いただけで腹一杯になりそうだ)


店員「ご注文は以上でしょうか?」


戸塚「はい!」


店員「では、少々お待ちくださいませ」


八幡「お前すげぇな」


猛男「この体だからな。食べないとやってられん」


戸塚「彼女さんも大変そうだねぇ…」


結衣「ドリンクバー無料らしいから取ってくるね!」


猛男「1人で大丈夫か?」


結衣「このくらいはさせてよね!」タッタッタ


猛男「元気な子だな」


八幡「それだけがあいつの取り柄だからな」


戸塚「他にも取り柄あるんじゃないかな?」


八幡「例えば?」


戸塚「…明るいとか?」


八幡(一緒じゃん!でも、困った顔の戸塚も可愛い!)


結衣「ねぇ、今何話してたの?」


八幡「お前の悪口」


結衣「ヒドっ!そんなこと言うヒッキーにはドリンクありません!」


八幡「自分で行くわ」


結衣「由比ヶ浜ブロック!」バッ


八幡(ネーミングセンスダサっ!)


戸塚「由比ヶ浜さん、冗談だよ?由比ヶ浜さんは元気で明るいねって話をしてたんだよ」


結衣「ホント!?嬉しいなぁー」


八幡「主にコイツらがな」


戸塚「はちまん…」ハハハ…


店員「お待たせしました。季節の野菜パスタと海鮮カルボナーラのお客様」


戸塚「こっちと僕です」


店員「ごゆっくりどうぞ」


八幡「どうした、食べないのか?」


結衣「ヒッキー達の分がくるまで待つよ」


猛男「俺たちに構うな。比企谷はともかく、俺の分まで待つと冷えてしまうからな」


結衣「うん、合格だよ!剛田君」


八幡「何がだ?」


結衣「彼女との食事で、彼女の方が先にきてしまった時の対応だよ。待たずに先に食べていいよって言えるかなんだよ?」


猛男「そうか、合格か。良かったぞ!」


店員「デミグラスソースハンバーグのお客様」


八幡「あ、俺です」ドモ


八幡「先に食うぞ」


猛男「構わんぞ」


結衣「ヒッキー、それ女の子と2人の時に言ったら最悪だよ?」


八幡「言わねぇよ。そのくらいの分別は俺にだってある」


戸塚「このパスタ美味しいよ!はちまん、食べてみてよ!あーん」


八幡「ちょ、ちょっと待て。心の準備が…」


戸塚「早くしないと冷めちゃうよ!」


八幡「あ、あぁ。あーん」パクッ


戸塚「どうかな?」


八幡「うまいな」


戸塚「そう、良かった!」


八幡(今すぐ帰って枕に顔をうずめたい!)


結衣「ヒッキー、私のやつも美味しいよ!あーんして」


八幡「いや、いいって」


結衣「彩ちゃんはよくて私はダメなの?」


八幡「ちげぇよ(小町以外の女と間接キスとか経験ないからね?)」


結衣「口開けるし!」


八幡「ちょ、ちょっt」パクッ


結衣「どうかな?」ドキドキ


八幡「うまいな」


結衣「良かったー!」


八幡(無意識に間接キスなんてさすがビッチのやることは違うな)


戸塚「はちまんのやつ、食べたいな?」ウワメヅカイ


八幡「いいぜ、ほらあーん」


戸塚「あーん」パクッ


戸塚「美味しいね!(間接キスしちゃった!)」


結衣「私にもやれし!」


八幡「へいへい」


結衣「あーん」パクッ


結衣「美味しいー!」


八幡「ところで、剛田のやつ全然来ねぇな」


戸塚「あの量じゃまだかかりそうだね」


結衣「来たみたい…ってなにこの山盛りスパゲッティ!?」


戸塚「すごいね。写真撮ろ」パシャッ


八幡(写真を撮る戸塚を撮る)パシャッ


猛男「すぐに食べ終わる。いただきます!」バクバクカツカツ


八幡(めっちゃ早ぇ)


猛男「ごちそうさま!」ドンッ!


八幡(早っ!!)


結衣「早すぎだし!」


猛男「このくらい普通だ」


戸塚「みんな食べ終わったみたいだし、出よっか」


猛男「みんなは先に行ってくれ。ここは俺が持つ」


結衣「いやいや、そんなの悪いし…」


猛男「頼みごとをしてる身だ。このくらいはさせてくれ」


八幡「あいつもあー言ってるし、ここは甘えとこうぜ」


戸塚「そうだね。ごちそうさまです!」


結衣「じゃ、ゴチになります!」



-レストラン 外-

猛男「食った食った。で、この後はどうするんだ?」


八幡「適当に店を回る。そのあとどっか話せる場所で反省会と今後の動きの確認だな」


戸塚「僕行きたい所あるんだけどいいかな?」


八幡「おぅ、どこにだって行ってやるよ」


戸塚「じゃ、あの約束果たしてね!」



-ゲームセンター-

八幡(ゲーセンか、久しぶりだな)


戸塚「ここのクレーンゲームの景品なんだ」ニコッ


八幡(クレーンゲームかよ。全然やったことねぇけど、この笑顔守りたい!)


八幡「どの台だ?」


戸塚「これだよ」


八幡(何かのキャラクターか何かかな?ぬいぐるみなんて可愛い趣味してるな)


戸塚「頑張ってね、はちまん!」


八幡(1play100円ね)チャリン


クレーン ウィーン


戸塚「いい感じだよ!」


クレーン ガシッ


戸塚「イケるよ!」


クレーン ポロッ


戸塚「あー…」


八幡(まだ100円失っただけだ、焦るな)チャリン


クレーン ガシッ


クレーン ポロッ



八幡「」ボロッ


八幡(3000円かけたが獲ることができなかった…)ガクッ


戸塚「大丈夫?はちまん。無理ならもういいよ?」


八幡「戸塚、男にはやらないといけないときがある。それが今だ」


戸塚「でも、もうお金が…」


猛男「手助けしていいか?」


八幡「憐みはやめてくれ。余計惨めになる…」


猛男「だが、このままではお前が…」


八幡「構うな。これは俺の戦いだ」


猛男「だったら、俺の金も使ってくれ」


八幡「いいのか?これがないとお前は…」


猛男「いいんだ。これでお前が助かるなら」ニッ


八幡「剛田、恩に着るぜ」チャリン


結衣(男の子ってホントバカだし)


クレーン ウィーン


クレーン ガシッ


猛男「諦めるな!こんなもんじゃないだろ!?」


クレーン ウィーン


八幡「そうだ、そのままだ」


クレーン ウィーン


八猛「「いけぇ!」」


ポト…


クレーンゲームマシーン「商品ゲットだよ!おめでとう!」


八幡「よし!」


猛男「やったぞぉ!」


八幡「戸塚、お前との約束果たしたぞ!」


戸塚「あ、ありがとう…。それより、ここから移動しない?」


ヤジウマ ザワザワ


八幡(熱くなりすぎて周りの目を引いてしまったか)


八幡「そうだなここを出よう(恥ずかしくて顔から火が出そうだ)」



―カフェ―

八幡「先ほどは申し訳ない」


結衣「ホント恥ずかしかったんだし!(ヒッキーの意外な一面見られて嬉しいな)」


戸塚「いいよ、僕のためだったんだよね」


猛男「久しぶりにゲームセンターなんて行ったから、つい盛り上がってしまった。でも、楽しかったな」


結衣「そうだね」


戸塚「これ大事にするね」


八幡「(ぬいぐるみを抱いている戸塚を抱きしめたい)時間も遅くなってきたし、ここで反省会と今後のことについて話す」


八幡「由比ヶ浜、頼んだぞ」


結衣「任せるし!最初に行った洋服のお店だけど、洋服の種類を覚えてくれたらいいかな?好きな男の子から服をプレゼントしてもらえたら嬉しいし…」チラッ


猛男「努力しよう」


結衣「お昼御飯だけど、あぁいうお店を知っているというのは大きいかな。ご飯は男の子のリードがうれしいし」


猛男「調べておこう」


結衣「で、最後のゲームセンターは、盛り上がりすぎないことが重要だし!」


猛男「気を付ける…」


結衣「クレーンゲームの他に協力してやるゲームもあるし、やっぱり最後はプリクラだよね!」


猛男「なるほど。女子はプリクラというものが好きらしいからな。今度から行くようにする」


結衣「以上で終わりだし!」


八幡「まぁ、今日の一件で少しでも何かを学んでくれたら報われる(特に俺が)」


八幡「今後からは自力で何とかしてもらう。もちろん相談には乗るからな。で、来週には彼女とデートをしてもらう。それを俺たちが見張る。いいか?」


猛男「大和には申し訳ないことをしているかもしれないが、我慢しよう」


八幡「よし。では何かあり次第連絡をくれ。俺にではなく雪ノ下に頼むぞ」


猛男「了解した」


結衣「今日は楽しかった!また遊ぼうね!」


戸塚「また何かあったら呼んでよね!」


八幡「じゃ、解散だ」



―自宅―

八幡(今日はホントに色々あった。これがリア充というものなのか…。だったら、リア充になんかならなくていいな)


八幡(明日の部活で雪ノ下に報告だな。…寝るか)



次の日―奉仕部 部室―

結衣「やっはろー、ゆきのん」


八幡「うす」


雪乃「こんにちは。昨日はどうだったかしら?」


結衣「色々あったけど、楽しかったよね!ヒッキー」


八幡「そうだな。けど、どちらかというとかなり疲れた」


結衣「もー、ヒッキーはすぐそんなこと言うし」


八幡「昨日の一件で疲れないのはおかしい」


結衣「あれが普通だよ?」


八幡「あれが普通とかどんな体してんだよ…」


結衣「どんな体とか…、ヒッキーキモい!」


八幡「何勘違いしてんだよ…」


雪乃「ん”ん”-」


結衣「ごめん、ゆきのん。報告するね。えっと…」


結衣「…って感じだったよ」


雪乃「そう。多少どこかの誰かさんのせいで迷惑をかけたようだけど、問題はないようね」


八幡「今日からはあいつ自身の力試しというわけだ」


八幡「ちなみに、あいつから俺に来るメールは雪ノ下に行くようにしてある」


雪乃「はぁ、あなたって人は…」


八幡「別に悪いことしてねぇだろ」


雪乃「同性同士の方が聞きやすいこともあるだろうからと配慮したのだけれど、勉強はできてもそういうことは分からないようね。残念だわ、残念企谷君」


八幡「無理やりすぎねぇか?まぁ、そういうことなら俺が何とかしておく」


ガラガラ

平塚「お前ら、新しい依頼が来たらしいじゃないか。しかも他校なんだろ?うちの知名度も学内を出たか」


八幡(俺にとっては迷惑なんですけどね)


平塚「で、依頼内容は?」


雪乃「比企谷君、よろしく」


八幡(こいつ俺に投げやがった。先生の反応が怖い、恋愛だけに)


結衣「ヒッキーどうしたの?じゃ、私が言うね」


八幡(ちょっと!?言葉を選ばないと先生が…!)


結衣「彼女持ちの男子が女心を分かるようになりたいってきたんですよ。彼女の悲しむ顔は見たくないとかで。ホンっトピュアピュでした!」エガオ


平塚「」ギリッ


八雪「「」」ゾクッ


平塚「カップルなんてこの世から消えればいいんだぁ!!」ダッ


八幡(せんせー!!高校生の恋愛事情にも嫉妬しちゃうなんてかわいそうだよ。ホント誰かもらってあげて!)


雪乃「由比ヶ浜さん、この世には言ってはいけないということが存在するのよ。そのうちの1つがさっきのことよ」


結衣「…え?」


八幡(こいつ全然わかってねぇ)


雪乃「まぁ、いいわ。二度と先生の前ではこの話をしないでちょうだい」


結衣「う、うん。分かった」


結衣「ねぇ、ヒッキー。どういうこと?」ヒソヒソ


八幡「俺に聞くな。世界の条理の聞いてくれ」


結衣「なにそれ」



猛男サイド

~帰宅中~

砂「そういえば、昨日どうだったの?」


猛男「そうだな、おかげでたくさん学んだことがある」


砂「そう、それならよかったじゃん」


猛男「今日も大和と会う約束をしてるんだ。ついてこいよ」


砂「大和さんはお前と2人っきりがいいんじゃないのか?」


猛男「俺の成長ぶりを見てもらいたいのだ」


砂(そういうことね)



―公園―

大和「ごめーん!たけおくん待った??」


猛男「いや、さっき来たばかりだ」


大和「ホント?良かった~、ウチ待たせたらいけないと思ってダッシュしてきちゃった」


猛男「俺は大和のためならいくらでも待てるぞ!」


大和「たけおくぅ~ん」


猛男「大和!」


ポワポワ~


砂(俺いらなくね?)


大和「そうそう、今日はねチーズタルトを焼いてきたんだよ~」


猛男「タルトか、大好物だ!」


大和「良かった~、砂川君もどうぞ」


砂「ありがとう」パクッ


砂(相変わらず旨いな)


猛男「おぉ、旨いぞ!!」バクバク


大和「うれしいなぁ~。たくさんあるから食べてね!」


猛男「あぁ!!」



―帰宅―

猛男(今日も大和はかわいかった。いつも通り変わったことはなかった)


猛男(うーん…)



猛男「砂、入るぞ!!」バァン!!


砂「どうしたの?」


猛男「昨日一昨日とあいつらにいろいろ助けてもらった。だが、その成果を発揮する機会がないように感じるんだが」


砂「ふーん、猛男は何のために協力してもらってるの?」


猛男「大和を悲しませたくない、悲しんでる顔をしたらそっと手を差し伸べてやりたい」


砂「そう。少なくとも今は大和さんが悲しい顔をすることはないかもね」


猛男「そうなのか?砂が言うなら信じるが…」


砂「それとこの前の経験は猛男にとっていらないものだとは思わないよ」


猛男「そうか」


砂「今週の日曜日だっけ?そこでみんなに大丈夫だってことを見せればそれでいいんじゃないかな」


猛男「そうだな!帰るぞ」バタン



―自宅―

猛男(比企谷に電話するか)プルプル


八幡『どうした?』


猛男「一応報告だ。今日大和と会ったんだ。特に変わりはなかった」


八幡『(ただのノロケ話聞かせるために電話してきたのかよ、コイツ)そうかよかったな。切るぞ』


猛男「ちょっと待て。今週の日曜日に大和とのデートで俺が大丈夫だということを証明したい。そこでだ、土曜日に模擬練習をしたいのだが時間あるか?」


八幡『由比ヶ浜なら大丈夫だと思うぞ。明日聞いといてやる』


猛男「そうか、助かる。お前も来いよ!!」


八幡『(ここ最近休みなくないですかね?週休2日制はどこへやら…)時間があったらな。じゃあな』ピッ


猛男(これで問題ない!)


プルプル


猛男「(大和からだ)もしもし、どうした?」


大和『あ、こんばんは、たけおくん。今いいかな?』


猛男「大丈夫だ」


大和『今週の土曜日なんだけど、どこかに遊びに行かない?』


猛男「すまん、その日は友達と約束をしているんだ」


大和『そうなんだ…。じゃ、日曜日はどうかな?』


猛男「問題ないぞ。元々俺から日曜日に誘おうと思っていたところだ」


大和『え!?そうだったの?一緒のこと考えてるってなんだか恥ずかしいね//』


猛男「そうだな。また明日」


大和『うん、また明日』ピッ



土曜日―駅前―

結衣「あ、ヒッキー。やっはろー!」


八幡「朝から元気だな」


結衣「ヒッキーがテンション低すぎなだけだし」


八幡「で、剛田は?」


結衣「まだみたいだね」


八幡(自分から誘っておいて遅刻と良い度胸してやるぜ)


猛男「すまん!電車が混んでいたのでな」


結衣「それなら仕方いよ、気にしないで」


八幡「今日はいないのか、あのイケメン君は」


猛男「砂は用事があるとかで来れない連絡があった」


八幡「今日はこの3人か(戸塚は部活か…)」


結衣「ふふふ、ヒッキー、今日は特別ゲストをお呼びしてるんだよ!」


八幡「はぁ?」


陽乃「やっはろー、比企谷君♪」


八幡「すまん、急に用事を思い出した」


陽乃「逃がさないぞ?」ガシッ


八幡「いや、なにしてんすか、マジで」


陽乃「ガハマちゃんから連絡があったのよ。おもしろs…、助けに来てほしいって」


八幡(今明らかに『面白そう』って言いかけたよね!?)


八幡「で、何のために呼んだんだ?」


結衣「剛田君の今日の相手だよ。私じゃ慣れてるから、慣れてない人で実力を図ろうと考えたんだよ!」


八幡(実に余計なことをしてくれたな)


陽乃「で、あなたが剛田君?」


猛男「はい。剛田猛男です。今日はよろしくお願いします」ペコッ


陽乃「私は雪ノ下陽乃よ。奉仕部部長の姉よ」


猛男「そ、そうなんですか?」


陽乃「雪乃ちゃんからは想像できないでしょうね」ニコッ


八幡(中身ならある意味同じですけどね)


結衣「剛田君、今までの成果を発揮しようね!」


猛男「おぅ!頑張るぞ」


陽乃「あなたのリードに期待するぞっ!」



―ぬいぐるみショップ―

陽乃「へぇ、君…、もとい猛男君はこんな店知っていたんだねぇ」


猛男「はい。本屋で頑張って調べました」


八幡(女性だらけのコーナーでこの図体浮くだろうな)


結衣「私が言ったことちゃんと実践してたんだね!えらいぞ!」


猛男「大和に喜んでもらいたいからな」


陽乃「一途だねぇ」


結衣「私たちはどうするの?」


八幡「外からじゃ分からねぇだろうし、入るしかないだろ」


陽乃「ん?さりげなくデートに誘っているのかな?」ニヤニヤ


結衣「え!?ヒッキーそういうつもりだったの!?」


八幡「ち、違えぇよ!そうしねぇと支障をきたすと思っただけだ」


陽乃「素直じゃないねぇ」


八幡「だからそうじゃないですって!」


陽乃「いいのよ~、照れ隠しなんでしょ~。じゃ、私たちは先に行ってるよ」


八幡(こんなことになるから苦手なんだよなぁ)


結衣「ヒッキー、さっきの…」


八幡「気にすんな。そんな気は0だ」


結衣「ヒッキーのバカ…」ボソッ



陽乃「これ可愛くない?」


猛男「そうですね」


陽乃「もしかして知らない?今流行のマスコットキャラクターよ」


猛男(今女子の間ではこれが流行っているのか)


陽乃「それと、仮にでもカップルなんだから敬語禁止ね」


猛男「あぁ、分かった」


陽乃「ところで、彼女さんの名前大和さんだっけ?その子はどんなものが好きなの?」


猛男「聞こうと思っていたがつい忘れてしまってな」


陽乃「なるほどね。そういう時はね、そこにどんなのが似合うのかってのを直感で考えるの」


猛男「分かった」



結衣「ねぇ、ヒッキー。陽乃さん、さすが年上だね」


八幡「もうあの人に任せて帰っていいか」


結衣「ダメだよ!これは私たちが受けた依頼なんだから」


八幡(こういうところは真面目なんだよな)


結衣「でも、良い感じだし、このまま普通に楽しもうよ!」


八幡(前言撤回だ)


八幡「生憎だが、こういうところは場馴れしてないからな」


結衣「私がいるんだし大丈夫だよ。で、私に何か買ってよ!」


八幡「俺の財布事情なめんなよ」


結衣「無駄遣いするからだよ」


八幡「先週、その無駄遣いをさせたのはどこの誰なんでしょうねぇ」


結衣「さ、さぁ…」


八幡(あと、俺にはセンスがない、絶望的に。小町の誕生日にぬいぐるみを買ったのだが、小町がそれを見た瞬間『来年は一緒に買いに行こうね!』と言われるほどのものだった)


八幡「それに、値段の桁が1つ多い気がする」


結衣「こんなもんだよ?」


八幡(いやいや、布と綿だけの既製品にこんな値段するのはおかしいだろ)


結衣「じゃ、安いやつでいいよ」


八幡「買うこと決定事項なのかよ」


八幡(部費で落ちるかな)


結衣「ヒッキーのセンスに文句言わないから選んでみてよ」


八幡「絶対文句言うなよ」


結衣「はいはい」


八幡「これなんかどうだ。お前っぽいだろ」


結衣「なんで犬だし!」


八幡「だってほら、お前、首輪つけてたじゃねぇか」


結衣「ふざけんなし!」ゲシッ


八幡「痛っ!文句いわねぇ約束だろうが」


結衣「これは言っていいやつだよ!」


八幡(意味わかんねぇ)


陽乃「2人とも~、楽しんでるようだねぇ」


八幡「これが楽しそうに見えますか?暴力女に襲われている善良なる市民がいるんですよ」


陽乃「またまたそういうことを言う」デコピン


八幡「っつ!」


結衣「何買ったんですか?」


陽乃「これだよ」<豹のぬいぐるみ


猛男「陽乃さんらしいものはこれだと思ったからな」


八幡(女豹か…)


陽乃「で、君たちは何を買ったのかな?」


結衣「聞いてくださいよぉ、ヒッキーったらケチなんですよー」


陽乃「デートで男の子がお金渋るとか絶対だめだよ」


八幡(そもそもデートじゃないんですけどね)


八幡「この犬のぬいぐるみならいいぞ」


結衣「…分かった。それをお願い」


陽乃「それでいいぞー。会計を済ませたら外に出てきてね」



―休憩所―

陽乃「こっちだよー!」


結衣「すみません、遅くなってしまって…」


陽乃「いいのいいの。それより、そのぬいぐるみは毎晩比企谷君だと思って抱いて寝るのかな?」ニヤニヤ


結衣「ちょ、ちょっと何言ってるんですか!?そんなわけないですよ!!///」


陽乃「慌てちゃってかわいいなぁ。それで次はどうするつもりなのかな?」


猛男「下見に行っておきたい服屋があるんだ」


陽乃「じゃ、そこにいきましょ」



―洋服店―

陽乃「なんだかかわいい服ばかりねぇ」


猛男「大和はこういうものが似合いそうだと思ってな」


陽乃「そうなんだ。で、どうするの?」


猛男「いくつか候補を絞りたいから付き合ってってくれ」


陽乃「いいよーん」



結衣「私たちはどうするの?」


八幡「幸い外からでも見れるし、陽乃さんついてるし、ここにいよう」


結衣「じゃ、クレープ買ってきてよ」


八幡「なぜそうなる」


結衣「何もしないで待つのってつまんないじゃん?」


八幡「俺本持ってきているから」


結衣「そういうことじゃないし!とにかく買ってきて。お金は私が出すから」


八幡「なら買ってきますかね。何味がいい?」


結衣「ベリー系がいいかな」


八幡「了解」



八幡「ほれ」


結衣「これ何?」


八幡「おすすめ出せっつったらミックスベリーが出てきた」


結衣「そうなんだ。ヒッキーのは?」


八幡「チョコバナナ」


結衣「なにそれ!超普通じゃん!」ウケル


八幡(クレープなんて食べたことねえんだよ)


八幡「普通で悪かったな」


結衣「ごめん、ごめん。ヒッキーの少し頂戴!」


八幡「…え?」


八幡(そんなリア充みたいなことできるかよ)


結衣「あ、ごめん。嫌だよね…」


八幡「食えよ」サッ


結衣「ヒッキーありがとう!」パクッ


八幡「…どうだ?」


結衣「ありきたりかと思っていたけど、予想以上だし!じゃ、私のもあげる」アーン


八幡「お、おぅ」パクッ


八幡(意外とうまいもんだな)


結衣「どうかな?」


八幡「うまいぞ」


結衣「ほっぺにクリームついてるよ。取ったげる」ヒョイッ


八幡「すまんな」


パクッ


八幡(なっ、俺についていたクリームを食べただと)


結衣「ん?どうかした?」


八幡「な、なんでもねぇよ!」


結衣「…そう」


陽乃「比企谷くーん、見ちゃった♪」


八幡「…何のことですかね」


陽乃「しらばっくれるなって。そりゃ、あんなことされたらドキドキしちゃうよねぇ」


八幡「なんのことかさっぱり…」


陽乃「あくまでも口を割らないと。これ以上言わないけど、雪乃ちゃんには報告しないとね!」


八幡「なんでそこで雪ノ下が出てくるんですか」


陽乃「気にしなさんなって。で、私たちのデートはどうだったかな?」


結衣「すみません、正直見てなかったです…」


陽乃「へぇ、周りが見えなくなるくらい盛り上がっていたと?」


結衣「ち、違いますよ!///」


陽乃「それは置いておいて、近くにいた私から。服を選ぶセンスを見るだけでも彼女のことをきちんと見てるんだなって思えるよ。ホントたいしたもんだよ」


猛男「そう言われると恥ずかしいな」


陽乃「で、私たちが買い物してる時に何か食べてたわよね?」ニヤリ


八幡(やはりバレてたか)


結衣「クレープを食べてました」


陽乃「そーなんだー。羨ましいなぁ」


八幡「もうすぐお昼ですし、今はいいんじゃないんですかね?」


陽乃「それもそうだけどー。今食べたいなぁ」


猛男「なら俺が買ってこよう」


陽乃「ダメよ。絶対比企谷君に買いに行かせるんだから」


八幡(何がそんなに動かすんですかね)


八幡「今お金がないもんで」


陽乃「私が出すから買ってきなさい。比企谷君だけじゃ不安だからガハマちゃんもついて行ってあげて」


結衣「はい!行こ、ヒッキー」



陽乃「ねぇ?彼女ちゃんのこと聞いてもいいかな?」


猛男「いいぞ」


陽乃「うまくいってるの?」


猛男「俺の初めての彼女が大和だ。だから、上手くいっているかどうかは分からない。だが、確実に言えるのは今が幸せだということだ」


陽乃(いいねぇ、そういうの)


陽乃「ところで、間違ってたらごめんね。向こうから私たちを見てる女の子は大和さんて子かな?」


猛男「や、大和!?どうしてここに!?」


大和「ご、ごめんね!たまたま通りかかったらたけおくんが見えたから声かけようとしたんだけど…。取り込み中のようだしね…。じゃあね!!」ダッ


猛男「大和待ってくれ!」ガシッ


猛男「離してくれ!」


陽乃「追っかけて捕まえてなんて言うつもり?」


猛男「勘違いだと言うべきだろ!」


陽乃「この状況を見た後なら言い訳にしかならないよ」


猛男「じゃあ、どうしろというのだ!?」


陽乃「まぁ、まずは落ち着きなさい。話があるの、聞いて」


猛男「…あぁ」


陽乃「これから付き合っていく上で今の状態が続くとは限らないわ。今回のようなことだって起こるかもしれない。その時にとる行動は2つあると考えているわ。1つは、猛男君がさっきとろうとした行動、すぐに動くことね。これは効果的な反面、ちゃんとした状況説明ができなかったりしたら終わりなわけ。で、2つ目だけど、あとから動くことよ。正直逃げた後を追って行った方が追いかけてくれたという気持ちが出てくるかもしれないけど、いいわけがましくなっちゃうかも。で、これからやるべきは2つ目よ。幸いなことに、こういうことが得意な子がいるの」


猛男「」プシュー


陽乃「ありゃりゃ、いきなりすぎてショートしちゃったかな?」


八幡「持ってきましたよ。って、なんなんですかこの空気は」


陽乃「ちょっと緊急事態がね…」



陽乃「…ということがあったの」


八幡(めんどくさいことになったな)


結衣「どうしよう、ヒッキー」


八幡「誤解を解くしかねぇだろうな」


陽乃「それは今日中にやるべきよ」


八幡(俺たちが全員で行ったところで何の解決にもならないだろうな)


陽乃「ここにいてもなんだから、家にきなよ」


結衣「いいんですか?」


陽乃「いいのよ、気にしないで」


八幡(由比ヶ浜のことも心配だしな)


猛男「大和…」


陽乃「猛男君、あなたは何も悪くないんだから。気に病むことはないのよ。ただの勘違いだからね」


猛男「だが、大和を悲しませたことに変わりはない」


陽乃「そう思うより早く仲直りするという方向に頭を持って行った方がいいと思うけど?」


猛男「…そうだな」


陽乃「じゃ、家にレッツゴー!」



―雪ノ下家―

陽乃「はろはろ~、雪乃ちゃん」


雪乃「姉さんどうして!?」


陽乃「そんなに驚くことないじゃない。それより、お友達もつれてきているわよ」


結衣「やっはろー、ゆきのん」


八幡「うす」


猛男「邪魔するぞ」


雪乃「どうしてみんなここに?」


陽乃「私が呼んだのよ」


雪乃「そうじゃなくて、今日は活動しないと聞いたのだけれど」


結衣「え?そんなこと言ってないよ?」


陽乃「ごめんねぇ、嘘ついちゃった☆」


雪乃「姉さん、あとで話があります」


陽乃「雪乃ちゃんこわーい」


雪乃「それで、ここに来た理由は何かしら?」


結衣「実はね…」



結衣「…ということがあったんだ」


雪乃「なるほど。大和さんという子には悪いことをしたわね」


陽乃「ところで、おなかすいてない?」


結衣「もうお昼すぎちゃってますね」


八幡(あなたたちさっきクレープ食べてませんでしたかね)


陽乃「雪乃ちゃん何か作ってよ」


雪乃「なぜ私が姉さんのために料理を作らないといけないのかしら」


陽乃「いいじゃん、別に」


結衣「あ、じゃあ、私が作りますよ!」


八雪「「それはダメだ(よ)」」


結衣「…あ、はい」


雪乃「仕方ないわ、私が作ります。じゃ、比企谷君はこういうことにしか使わない脳をフル活用してちょうだい」


八幡「へいへい」


陽乃「今日の夕方に行くとして…、おうちは知ってるの?」


猛男「住所は分かる」


陽乃「そう。それと申し訳ないけど、あなただけじゃ不安なのよねぇ」


八幡(確かに。もう少し強い見方がほしいところだ)


結衣「ヒッキーがついていくってのは?」


八幡「ダメだ。全く知らないやつがついてきても何の解決にもならない。むしろ悪化しそうな気がする」


陽乃「そうね。謝りに来た彼氏が知らないやつ連れて来たら意味わかんないし」


猛男「なら、砂はどうだ。あいつは大和ともよく会っているし」


陽乃「誰それ?」


猛男「幼馴染で、大和と会うときもついてきてもらっている」


陽乃「なにそのベストパーソン」


八幡「今呼び出せるか?」


猛男「用事は午前中で終わると言っていたし多分大丈夫だろう」


プルプル


砂『もしもし、どうしたの?てか、家に大和さんが来たよ』


猛男「何!?どういうことだ?」


砂『泣いててよく分かんなかったけど、猛男と何かあったことだけは雰囲気で分かったかな』


猛男「そうなのか…。そのことで話があるんだ。実は…」



猛男「…ということがあってな」


砂『なるほどね。で、今は集まって話し合ってるというわけね』


猛男「今からここに来てもらえないだろうか?」


砂『いや、行かない。正直俺の中で答え見つけたから』


猛男「どういうことだ?」


砂『話は帰ってからにしよう。とりあえず帰ってこい』


猛男「分かった」ピッ


陽乃「その砂川君て子は頭がいいんだね」


猛男「そうだな。テストでもいつも上の方にいるな」


八幡「俺たちの出番はここで終わりだな」


陽乃「まだよ。きちんとこの子たちが仲直りしてから謝りに行かないと」


八幡「なぜですか?」


陽乃「その方が後味いいじゃない?」


八幡(そういうことか)


結衣「私ちゃんと謝りたいし…」


雪乃「ここは部長としてもきちんと謝罪するべき時だと思っているわ」コトッ


陽乃「さすが私の妹!」


結衣「すごーい!これゆきのんが作ったの!?」


陽乃「私の妹だからね」


雪乃「地中海の料理よ。というか、姉さんは料理をしないでしょ」


陽乃「やればできる子なのよ!」


八幡(自分で言っちゃったよ)


猛男「では、これをいただいた後に戻ることにする。無事に終わったら連絡を入れよう」


雪乃「頼んだわ」


結衣「じゃ、いったっだきまーす!」



猛男「じゃ、俺は行くぞ」


陽乃「いってらっしゃい。頑張ってね!」


結衣「無事に仲直りできるといいね」


猛男「おぅ!では行ってくる」バタン


八幡「で、俺たちはどうするんだ」


雪乃「ここで待ってもらっていて構わないわ」


結衣「なんだかドキドキするよ~」


八幡「俺は寝るわ」


雪乃「ごめんなさい、今ベランダは掃除してなくて…」


八幡「なんでベランダなんだよ。ここで寝かせてくれよ」


雪乃「仕方ないわね、床で妥協するわ」


八幡「妥協して床なのかよ。それならそれでいいけどな。何かあったら起こしてくれ」


陽乃「寝てる間にいたずらしちゃおうよ」ヒソヒソ


結衣「それいいですね」ヒソヒソ



―砂川家―

猛男「砂はいるかぁ!?」


砂「ここにいるよ」


猛男「今すぐ大和のもとへ行きたいのだが」


砂「そうだね。家へ来ている時点でショックはそんなに大きくないかもね」


猛男「では早速行こう!」


砂「とりあえず俺に任せてくれたらいいから」


猛男「おぅ!!」


~大和家へ移動中~

砂「で、メールと電話は?」


猛男「どっちもダメだ」


砂「やっぱり直接行くしかないね」


猛男「待っていろよ、大和!」



―大和家―

ピンポーン

砂「カメラに顔近づけすぎ」


猛男「そうか。大和はいるかー?俺だ。話がある」


ブーブー

猛男「大和からメールだ」


砂(声は聞こえているんだ)


大和『たけおくん、ここに何をしにきたの?さっきの女の人といればいいじゃん』


砂(意外と重症だった)


猛男「や、大和ぉー!!」ダァー


砂(あー、泣いちゃった)


砂「大和さん、聞こえてるんでしょ。出てきてよ。さっきのことで話があるんだよ」


ブーブー

大和『うちたけおくんがあんなことする人だなんて思わなかった』


猛男「うおぉー!!」ダァー!!


砂「聞こえてるでしょ、猛男泣いてるよ」


砂(どっちが女か分からなくなってきた)


猛男「頼む大和!開けてくれ!あれは勘違いなんだ!」


砂「ホント勘違いなんだよ。きちんと説明したいから、開けてくんない?大和さんが思っているようなことは絶対にないから。ていうか、猛男がそんな器用なことできると思う?」


ブーブー

大和『ホント?』


猛男「本当だ!!」


ガチャッ

大和「たけおくんのこと信じていいかな?」


猛男「や、大和ぉ!!」ダキッ


大和「ちょ、ちょっと、たけおくん?///」


猛男「大和!悲しませてすまない!俺は大和だけが好きなんだ!!」


大和「うちも…たけおくんのことが好きだよ」


砂(なんだかあっさりでよかったな)


大和「でも、どうしてあんなことになったのかちゃんと説明してくれなきゃヤダよ?」


猛男「もちろんだ」


大和「散らかってるけど、どうぞ…」


猛男(大和の家に初めて入った!!)



大和「はい、紅茶だけど大丈夫?」


猛男「大和が淹れてくれるものなら何でも好物だ」


大和「ありがとー!」


砂「で、発端なんだけど、猛男から説明する?」


猛男「すまん、砂頼めるか?」


砂「いいよ。大和さんもいいでしょ?」


大和「うん」


砂「で、なんでこうなったかというと…」



砂「…というわけ」


大和「じゃぁ、うちは勝手に勘違いをしてたけおくんに迷惑をかけてたの!?//」


猛男「いや、これは俺の力不足が招いた結果だ。大和は何も悪くない」


大和「ううん、少しでもたけおくんを疑ったうちは悪い子だよ…」


砂「あの場面を見てのリアクションとしては正しいと思うよ。でも、猛男のこと信じてたでしょ?」


大和「…うん。絶対たけおくんはうちのところに来てくれるって思ってた!」


猛男「俺は大和がいるところならどこにでも行くぞ!!」


砂「こういう男だし、もう大丈夫でしょ」


大和「すなかわくん、ほんとうにありがとう!!」ペコッ


猛男「おれからも礼を言わせてくれ」


砂「別に友達だし、気にしないでいいよ」


大和「それと、うちのために色々していてくれたことは嬉しいかな」


猛男「すまんな、恥ずかしくて言い出せなかったんだ」


大和「ううん、その気持ちだけでも十分だよ!」


猛男「大和は優しいな」


大和「たけおくんもだよ?」ニコッ


猛男(大和、好きだぁ!)


砂「じゃ、この件は終了ということで。連絡してみれば?」



―雪ノ下家―


プルプル


八幡(電話が鳴ってる、終わったのか)ファー


八幡「もしもし、どうだった?」


猛男『ちゃんと分かってもらえたぞ』


八幡「それは良かったな。で、明日少し時間をくれるか?」


猛男『もちろんだ』


八幡「じゃ、10時に公園に頼む」


猛男『分かった。じゃあな』ピッ


八幡「大丈夫だったとさ。じゃ、俺はこれで」


クスクス


八幡「なんだ由比ヶ浜、人の顔を見て笑うなんて失礼だぞ」


結衣「ご、ごめん」プププ


陽乃「こういう時に使うのかしら『鏡見てから言いなさい』」


八幡(ホント何言ってんだか)


雪乃「待ちなさい。本当にあなたはそのまま帰るのかしら?」


八幡「どういうことだよ」


雪乃「言った通りの意味だけれど。日本語も通じなくなったのかしら」


八幡「そうことじゃなくてな。別に持ってきたものはないし、そのまま帰っても問題ないんじゃないか?」


陽乃「じゃ、ヒントをあげよう。洗面所で鏡を見てきなさい」ククク


八幡(…まさか)


~洗面所~


ラクガキダラケ


八幡「こういうことか」


陽乃「ようやく気付いたね。そのまま出て行ったら笑われ者だったのよ」


八幡「もとはというとあんたたちがやったんでしょうよ」


結衣「ごめんね、ヒッキー。ついやりたくなっちゃって」


八幡「雪ノ下もやったのか?」


雪乃「少しだけよ」


八幡(意外だな)


雪乃(由比ヶ浜さんとクレープだなんて、その報いよ)


八幡「てか、まさか油性?」


陽乃「それしかなかったのよ」


八幡「取れなかったらどうしてくれるんすか」


陽乃「ここに泊まればいいじゃない」


結衣「ヒッキー、それは絶対ダメだし!」


陽乃「なんでガハマちゃんはそこまで必死なのかなぁ?」ニヤニヤ


結衣「べ、別にいいじゃないですか!」


雪乃「あなたがここに泊まるというのは不快となる対象が自分の近くにいるということだから絶対に許さないわね」


八幡(そうですか)


陽乃「そんなこと言って~、ホントは泊まっていってもらいたいんでしょ??」


結衣「ゆきのんそうつもりなの!?」


雪乃「由比ヶ浜さん、姉さんの言うことに耳を貸してはダメよ」


陽乃「ちぇー」


雪乃「それとこれを。除光液よ。これなら取れるはずだわ」


八幡「サンキュー、助かる」



八幡(何とか取れた)


八幡「じゃ、由比ヶ浜帰るぞ」


結衣「うん!」


雪乃「明日は絶対に遅刻しちゃだめよ」


八幡「分かってる」


陽乃「比企谷君、ちゃんと真っ直ぐ返すのよ?」


八幡「こいつと行きたいところなんてありませんよ」


陽乃(そういうことじゃないんだけどなぁ)


陽乃「気を付けて」


雪乃「それでは」


八幡「あぁ」



―帰宅中―

結衣「ヒッキーは今回の依頼で、その、なんていうか、彼女ほしいとか思わないの?」


八幡「思わない」


結衣「楽しそうじゃん?」


八幡「今回の件で女というものはめんどくさいとさらに思うようにはなったかな」


結衣「ヒッキーったら…」


八幡「じゃ、お前はどうなんだよ」


結衣「え!?私…。今はいいかな。みんなと一緒にいるのが楽しいし」


八幡「そうか」


結衣「でさ、明日午後から時間できるし、みんなでお買いものしない?」


八幡「いいぞ」


結衣「約束だし!」


八幡「分かった」


結衣「わ、私はここでいいから!じゃ、また明日ね、ヒッキー」


八幡「おぅ、またな」



日曜日―公園―

結衣「どんな子が来るのかなぁ」


八幡「写真で見ただろ」


結衣「実際にあってみないとわかんないじゃん」


陽乃「写真を見せてもらったけど、ホントかわいい子だったよねぇ。あぁいう子がタイプなのかしら?」チラッ


八幡「なんで俺を見るんすか」


陽乃「別に~」


結衣「手を出しちゃだめだよ」


八幡「出さねぇよ。バカか」


結衣「あー!今バカだって言ったし!」


八幡「本当のことだろうが」


結衣「言っていいことといけないことがあるよ!」


八幡「来たっぽいぞ」


猛男「すまん、またせたな」


大和「みなさん初めまして!彼女の大和凜子と言いますっ!」


結衣「かわいいー!私は由比ヶ浜結衣です!凜子ちゃんてよんでいいかな?」


大和「あ、はい」


雪乃「由比ヶ浜さん、初対面でいきなりすぎではないかしら」


結衣「ご、ごめん。かわいくてつい」


雪乃「初めまして。私は奉仕部部長の雪ノ下雪乃。よろしく」


大和「よろしくです!」


陽乃「私は雪乃ちゃんの姉の陽乃よ」


大和「お姉さんなんですね!よろしくお願いします!」


八幡「比企谷八幡だ」


大和「お話は聞いてます!よろしくです!」


雪乃「それでさっそくで悪いのだけれど、今回はあなたを悲しませてしまう結果となったことを謝罪させてほしいの。ごめんなさい」


結衣「ごめんね!」


陽乃「ごめんねー」


八幡「すまなかった」


大和「いいんですよ!皆さん頭をあげてください!」


雪乃「姉さん、さっきの謝り方は何」


陽乃「いいでしょ、相手が許してくれたんだから」


雪乃「そういう問題ではなくて」


大和「あ、あの…。たけおくんのために色々してくれてありがとうございます!」


雪乃「別にいいのよ。依頼となればしっかりとサポートするのが奉仕部なのだから」


猛男「今回は本当に助かった。ありがとう」


陽乃「ちゃんと彼女を大事にするのよ。こんないい子そうそういないわよ」


猛男「もちろんだ。大和は俺が守る!」


大和「たけおくん…」


陽乃「その意気よ」


猛男「それと比企谷、改めて礼を言おう」


八幡「別にいいって」


猛男「お前もがんばれよ」


八幡「何をだよ」


猛男「あの由比ヶ浜って子はお前の彼女じゃないのか?」


八幡「はぁ?ちげぇよ!」


猛男「そうなのか。俺はてっきり」


八幡「もういいだろ。彼女が待ってんぞ」


猛男「そうだな。また何かあったらよろしくな!!」


八幡「おぅ」




猛男「じゃ、俺たちはもう行くぞ」


結衣「凜子ちゃん、今度一緒に遊ぼうね!」


大和「連絡待ってるね!」


八幡「いつ交換したんだ」


結衣「さっきだよ」


八幡(いつの間に)


猛男「じゃあな!」


大和「バイバーイ」


結衣「またねー!」


雪乃「では、私たちは帰りましょうか」


結衣「あのね、この後みんなで遊ぼうってヒッキーと話してたんだよ。ゆきのんいいでしょ?」


雪乃「そうね。特に用事はないし」


陽乃「私は大学の集まりがあるから。楽しんでらっしゃい」


結衣「ということで、レッツゴーだし!」ダッ


八幡「おい、由比ヶ浜、引っ張るなよ!」




やはり俺物語の青春ラブコメはまちがっている -完-


後書き

何とか書き終わりました。予定より長くなりましたが、満足のいくものとなりました。
実力がどんなものか分かったので、それを生かして今後の作品を仕上げていきたいと思います!!


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2015-06-15 05:29:03

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1: SS好きの名無しさん 2015-11-22 02:51:48 ID: TpL9CjHu

大和こんなクズ女じゃねーだろ


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