そして、誰もいなくなった 旧
・内容一変?してます
・新規で書けばよかった?かも
。なにかあればお気軽に
-鎮守府-
西日が差しこむ執務室に佇む一人の男
目は窪み、淀んでいて、血色も悪い
執務室以外、鎮守府には人の気配はない。ただ、男の悲鳴に似た声が廊下に響くばかりである
金剛『テイトク、元気出して下サーイ』
高雄『ゆっくりお休みになったほうがよろしいですよ』
榛名『提督!夕日が綺麗ですよ』フフッ
赤城『久しぶりに祝勝会でもどうですか?』
提督「...黙れ」
大鳳『ストレスを溜めるのは良くないわ』
球磨『無理したらだめクマー』
提督「黙れよ!」ガンッ
加賀『八つ当たりは関心しませんね...』
北上『短期は損気、だよ』
提督「俺になんの恨みがあるんだよ!今すぐ消えろ!!」ガシャーン
提督「ハァ..ハァ...ハァ...ハァ..」
天龍『最近ちょっとおかしいぞ、提督』
電『最近の司令官さんはちょっと怖いのです..』
提督「...死んだだろ...死んだはずだろ...!未練なんて捨てて消えろよ!今すぐに!」
......
なにもない空間に向かって彼は叫ぶ。あらゆる物は壊され、床には物が散乱している。
壁に掛かった一枚の写真ーー大勢の艦娘と男が笑っている写真が、妙な存在感を醸し出している
何を記念して撮られたものだろうかーー。隅に『皇紀2×××年、鎮守府中庭ニ於ヒテ』と書き込まれている
皇紀2×××年ーーたった2年前のことである。この短い間になにが起こったといのか
―――――――――――
―――――――
―――
-2年前 市街地-
ラジオ「...海軍部発表、昨日未明、××諸島沖にて...敵艦多数を撃破し、我が軍の損傷は軽微なり..」
バンザイバンザイ! マタカッタゾ! ハハハハ...
ラジオ「海軍部発表、昨夜、××海にて、敵輸送艦の多数の撃破に成功し..」
モハヤテキナシダナ! ニッポンバンザイ! カイグンブバンザイ
-鎮守府-
大淀「破竹の勢いとはこのこと。向かうところは敵なしですね。提督!」
提督「ああ、勝利は時間の問題ってところだな..」ニヤリ
提督「これは今夜も祝勝会だな!」
大淀「今夜もですか?体を壊しますよ」
提督「これくらい平気だ。ほら、関係各所に連絡!特に場所取り急げ!」
大淀「まったく...了解しました」フフッ
-食堂-
提督「作戦成功を祝して、乾杯!」
「「かんぱーい!」」
イイノミップリデスワキタカミサン ソウカナ? ソコノトッテー ガヤガヤ..
響「酒は無理しないほうがいい」
暁「レディーはお酒も余裕よ!」
電「無理しない方がいいのです」
暁「ゴクゴク..」フラー
電「やぱっりなのです...」
響「予想通り、だな」グビー
アツカンハヤクー エッモウオカワリ!? サカナガタリナイー ワイワイ..
榛名「..zzz」
金剛「榛名はお酒に弱いですネー」グビグビ
比叡「ほんと、はるなはよわいですー」フネコギー
霧島「お姉様が、強すぎる..んですわ..それと、比叡は..もう飲まないでください」ウプッ..
赤城「それでですね、いっしゅのすきを突いて..」
加賀「その話3回目です」
翔鶴「あんまり酔っ払っちゃダメよ?瑞鶴」
瑞鶴「まだ酔っ払ってない、よっぱらってないから」グビグビ
...キモヂワルイ..ココデハクノハヤメテ!...モウノメナイ..モウノマナイデ!
チョコガアイテマスヨー モウノメン..テイトクヨワイデスネー...ナンバイノンダトオモッテル...アハハハッ..
-朝 執務室-
提督「オホン...今回の任務は○島付近で発見された敵艦隊の殲滅だ
参加艦は
長門、陸奥
赤城、加賀、飛龍、翔鶴
利根、筑摩、三隈、最上、大井、北上
荒潮、朝潮、如月、睦月、潮、響、暁の以上19隻である。
戦況が有利だとはいえ決して気を抜かないように」
「「はい!」」
-宿舎-
暁「...」ズーン
響「無理するから」
電「暁ちゃんのことをよろしくなのです」
響「ああ。じゃあ、行ってくる」ホラ、アカツキモ
赤城「フンフフーン」
加賀「浮かれていると足元を掬われる。提督も言っていたわ」
赤城「大丈夫ですよ。オイシイモノカッテー、イエデダラダラシテー...」ンフフー
加賀「全く...そろそろ作戦開始時刻よ。行きましょう」
赤城「はい!」
スタスタスタ...
―――――――
―――
-××-
××「...随分舐められたもんだな」クククッ
××「既に対策していますので心配には及びません」
××「どうだかな..今までのところを見ると」チラッ
××「...作戦の一部です」
××「ふっ...結果を楽しみにしてるよ」
××「はっ!」
―――――――
―――
-×島沖-
ザバーン ザバーン
筑摩水偵『敵機動艦隊見ユ ホクトウ25000』
長門「筑摩水偵より入電!北東方面に敵機動部隊だ!赤城、加賀、飛龍、翔鶴の一次攻撃隊の発艦急げ!」
「「はい!」」
赤城「それにしても暑いですね...」ギョライヨーシ...
加賀「そうね...ん..?赤城さん、あれ何かしら」
赤城「どれですか...?」エナーシャーマワセー...
...ゥゥゥ...
加賀「太陽あたりになにか別の光が...」..マエハナレー..
...ゥゥンブゥゥ...
赤城「そんなものありますかね...?」コンターク..
...ゥゥゥゥンブゥゥゥゥ...
加賀「....っ!赤城さん避けて!」
ブゥゥゥゥンブゥゥゥンブゥゥンブゥン...ヒューヒューヒュー..
赤城「え...?」
敵機から放たれた爆弾は吸い込まれるようにして赤城に向かっていく
ドガーン ドガードガーン..
閃光が煌き、爆風を感じる
赤城「あぐぅぅあ゛あ゛あ゛っ!!い゛だい゛!」
「っっっ!!かがざん゛っ!!」
加賀「赤城さん!」
長門「離れろ加賀!誘爆するかもしれない!」
加賀「赤城さんを見捨てろと言うんですか!」
長門「..何事にも犠牲は付き物だ..」
加賀「...っ見損ないましたよ長門さん..アカギサン!シュッケツガヒドイ...」
赤城「ハア...ハア...カガサ..ン..」コヒューコヒュー
陸奥「北西方向に敵機!多すぎて数え切れない...大編隊よ!」
長門「飛行甲板上の航空機を直ちに洋上投棄!直掩機は迎撃に当たれ!各艦回避行動準備!状況に応じて攻撃しろ!」
ブーーン ブゥゥウウーン
ダダダダッダダダダダダ...
ブゥゥゥン ダダダダダッブゥゥゥゥンブゥゥゥゥン ダダダダダダダッダダダダッダ
赤城への攻撃を皮切りに敵機の攻撃が開始された
青い空を黒に染め上げるほどの敵機
直掩機は呆気なく火を噴き、一機、また一機とその数を減らしていく
発射された魚雷が複数本、如月に命中し、火の手が上がる
如月「あ゛あ゛あ゛あ゛!あ゛づい゛っ!!む゛づぎちゃん゛!!」
睦月「き、如月ちゃん!」
如月「火があ゛づい゛の゛ぉ゛!!ばや゛ぐげしでっ!」
睦月「...ゴメン..」トオザカリー
大井「っ!避けて北上さん!」
爆発音と共に煙が広がる
北上「...!あ゛しが!!あ゛あ゛あ゛っっ!!あじが!!おおいざん゛っ!」
大井「北上さん!!」
朝潮「荒潮!後ろ!」
荒潮「え..?」
荒潮の背後から敵機が機銃を掃射する
荒潮「あ゛ぐっ!がはっ..」
朝潮「荒潮!」チカヨリー
荒潮「がはっ..来たら..だめ」
ドガーン
朝潮「あぐっ..あら..しお..」
静かだった海上に怒声や悲鳴、炸裂音が響き
火薬や、血生臭い匂いがあたりに立ち込める
翔鶴「あ゛がっっ!!い゛だい゛!い゛だい゛!!ずいかぐっ!だすげてっ!!」
加賀「っ!!がはっ..う゛っぐぐ...」
三隈「いだい゛っっ!!あづい゛!ああ゛あ゛ああ゛ああっ!もがみ゛..ん...」
ダレカ! ダスゲデ! .. アヅイ! ヒヲケシテ アヅイッ!!
長門「っ...撤退するぞ!離脱可能な者から早急に当該海域から脱出しろ!」
北上「...ごめん..大井..ち」ハァ...ハァ..
大井「北上さんのことなら全然迷惑じゃないわ。ほら、掴まって、早く離脱しましょ」
加賀「ほら、赤城さんも、肩に掴まって」
赤城「先に..行って..ください...」コヒューコヒュー
加賀「馬鹿なこと言わないで下さい。行きますよ」グイッ
赤城「..コヒュー...コヒュー..」
―――――――
―――
-執務室-
..カエッテキタゾ ハヤク...ヲ! ワーワー..
提督「騒がしいな...なにかあったのか」
ドアバーン
天龍「艦隊が帰還した、かなり手酷くやられてるぞ!」
提督「!?」ガタッ
天龍「俺は応援に行ってくる!」ドタドタ..
提督「俺も行く!」ドタドタ...
(あの艦隊を返り討ちにするほどの戦力が...到底有り得ないだろ...!)
ホカハドウナッ!タ ワカリマセン... エエイ... ギソウヲハズシテ、ジュウショウシャカラハコベ...
ドンドンッ
長門「報告だ」
提督「..ああ」
長門「..敵艦隊は攻撃に参加せず、航空機のみでの奇襲攻撃を仕掛けてきた。
戦果の方は敵航空機28機確実、21機不確実撃墜
損害は飛龍、翔鶴、三隈、筑摩、荒潮、朝潮、如月、沈没及び行方不明
赤城、北上、大破
加賀、陸奥、小破
その他軽微だ」
提督「...ご苦労」
長門「...失礼する」バタン
提督(狙ったようなタイミングでの統制の取れた攻撃、正確な爆、雷撃...あいつらに限って慢心することもない...となると...)
連戦連勝から一転しての大敗。この知らせは軍部に大きな衝撃を与え、見通しの甘さを露呈させた。しかし、国民の士気を高め、世論を味方に付けるために真相は知らされなかった
ラジオ『..日本海軍部発表、..強襲を敢行し、敵空母1隻、巡洋艦3隻を撃沈し..我が軍の損傷は軽微なり....』
街は歓声に包まれ、万歳三唱が響いたーー誰ひとりとして疑いを持つこともせずに
-鎮守府-
ドタドタ..ショウカクネエイマセンカ!...ショウカクネエ!ドタドタドタ...
瑞鶴「翔鶴姉いませんか!」
医者「...来てないぞ」
瑞鶴「失礼しました!」ドタドタ...
瑞鶴(..宿舎にも病院にもいない..つまり...)
ドタドタ..
瑞鶴(翔鶴姉...!)グッ
シュツゲキジュンビ
工廠員「そこで何やってる!」
瑞鶴「っ...」
工廠員「答えろ!なにしている!」
瑞鶴「関係ない!放っておいて」ジュンビバンタン
工廠員「関係ないことがあるか!あいつを抑えろ!」
オトナシクシロ! ウゴクンジャナイ!ハナセ! ウ゛..クルジイ..
瑞鶴(...翔鶴..ねえ...)ドサッ
ッタク、テマカケサセヤガッテ...ハコブゾ..セーノ...
-執務室-
工廠員「~~~、~~~~」
提督「そうか、瑞鶴が...しばらく隔離しておいてくれ。頭を冷やせる程度に」
工廠員「はっ!失礼しました」バタン
提督「..瑞鶴と比べてお前は随分落ち着いているんだな」
天龍「戦争だからな...それに大事な人を失っていないだろ」
提督「..そうだな..」
―――――――
―――
-執務室-
医者「..負傷者の容態の件ですが...赤城は未だ意識不明です。北上は....右の足の膝から下切除という形を...。感染症は今のところ心配いりません。加賀、陸奥は宿舎に帰しましたので。」
提督「...切断ですか..」
医者「ええ、心配されるほどでもありません。環境も申し分ありませんから」
..バタン
天龍「見舞いに行ったほうがいいんじゃないか?」
提督「うーん...俺が行ったってなにがあるわけじゃないしな..」
天龍「薄情なやつだな」フフッ
提督「お前には言われたくないがな」
天龍「お互い様ってところだな。それと、書類溜まってるぞ」
提督「否定しないのか...これくらいお前がやってくれていいんだぞ」
天龍「何言ってんだよ。全部の仕事をこなしてこそ提督だろ」
提督「じゃあ、お前はなんだよ..」
天龍「お茶汲みってとこだな」ハハ..
提督「ったく...さて、仕事だ...」
『機密-××年度国内食糧事情』
...ヒツヨウエネルギーヲオオキクシタマワリ...ハイキュウハジュンエンガツヅキ....
『機密-国内資源白書』
..ボーキサイト、ゲンユ、トウアラユルジゲンガフソクシテ...コカツモジカンノモンダイデアル...
提督(資源、それに食料まで不足か...こんな状態じゃ勝利なんて到底..いや、それをどうにかするのが俺の役目..)ハァ...
-鎮守府内病院-
大井「手術成功ですってね!お祝いです」っキャラメル
北上「キャラメルかぁ、高かったでしょ?」
大井「これくらい安いもんですよ」
北上「ありがとう。大事に食べるよ」ニコッ
大井「元気そうでよかったです」
北上「いつまでも鬱々としてられないしね。気晴らしにどっか行きたいね」ハハ..
大井「行きましょう!北上さんの行きたいところに!」
北上「あ、ありがとう。いつか行けるといいね..」ボソ
大井「...?」
加賀「...赤城さん..」テニギリー
赤城「...」
加賀「こんなにも痩せてしまって...」
赤城「....」
加賀「...」テニギリー
赤城「.....」
看護婦(あの人大丈夫かしら...最近ずっと来ているし..)スタスタ...
-食堂-
夕立「すき焼き食べたいっぽい!」
吹雪「リクエストしたらいいとおもうよ。睦月ちゃん大丈夫?全然箸が進んでないけど」モグモグ
睦月「...」
夕立「睦月ちゃん、この魚食べないなら貰っていいっぽい?」
睦月「...うん..」
夕立「ありがとうっぽい!」ヒョイ モグモグ
吹雪「ちょっと夕立ちゃん、このタイミングでそれはダメじゃ...」ボソボソ
夕立「でも、睦月ちゃんはいいって...」ボソボソ
吹雪「ちょっとは気にかけてあげなよ!最近元気ないんだし」ボソボソ
夕立「はーい...」ボソボソ
夕立「睦月ちゃんは欲しいのあるっぽい?」
睦月「...いらない」ガタッ スタスタ...
夕立「..なんか悪いことしたっぽい?」
吹雪「夕立ちゃんのせいじゃないよ..たぶん」
(...まだ如月ちゃんのことを..)
-宿舎-
暁「...」ボーッ
雷「暁はどうしちゃったの?」ボソボソ
響「この前の戦闘からああなんだ。ちょっと激しかったから」ボソボソ
雷「それで..なるほど」ボソボソ
電「暁ちゃん!羊羹を一緒に食べるのです」ミズヨウカンモユベシモアルノデス
暁「..いらない」
雷「はわわ...」
―――――――
―――
-執務室-
提督「...今回は輸送作戦だ。船団を三つに分けてそれぞれ別航路を取って、行動してもらう
第一隊は暁、白雪、三日月、古鷹
第二隊は雪風、初雪、睦月、青葉
第三隊は磯風、深雪、初霜、加古
輸送船の速度に気を使うように。準備できた隊から作戦に移れ。全艦の帰還を祈る」
「「はっ!」」
響「司令官」
提督「なんだ?」
響「今回の任務から暁を外したほうがいい」
ワイワイ...ガヤガヤ...テイトク!チョットコチラヘ!
提督「え?すまん、また後で聞く」スタスター
響「っ...」
―――――――
―――
加古「しっかし提督も用心深いねぇ。輸送船の護衛をこんなに固めるとは」フアァ..
古鷹「大事に思ってくれてる証拠ですよ」
加古「そういうことにしとくか」
古鷹「はい!頑張りましょうね、加古、青葉!」
「「よし!」」
「「出撃します!」」
ワーワー ガンバッテクダサイー ブウンチョウキュウヲー...
天龍「なあ提督。輸送作戦ごときにあんな立派な護衛必要なのか?」
提督「敵を完全に把握できない以上、警戒するのは当たり前だ。やりすぎることはないしな」
天龍「限度っていうのもあるんだぜ」
提督「..限度は弁えてるつもりさ。少しばかり臆病になってるのかもしれないが..」
天龍「みんな愛されてるなぁ」フフッ
提督「仲間だからな。どうでもいいやつはいないさ...ちょっと席外させてもらう」スタスタ
アア、ヒビキ。サッキナンテイオウトシタンダ? モウイイ ソウカ...スマンナ
-病院-
北上「あ、提督じゃん。お見舞い?」
大井「..」チッ..
提督「..元気そうでよかったよ。見舞いの品と言ってはなんだが..」っアセビの花
北上「ありがとう...なんていう花?」
提督「アセビの花だ。裏山に生えてるのを見つけてな」
北上「提督にしたらいいセンスだね」
提督「北上が褒めてくれるとはな。なかなか栄誉なことだ」フフッ
北上「提督が来てくれて助かったよ。毎日退屈でね」
大井「...」ギリッ
提督「大井がいてくれるだろ?」
北上「ま、そうなんだけどね...」ハハ..
提督「...今更だが本当に申し訳ない」ペコリ
北上「ちょっ...みっともないよ頭下げるなんて...」
大井「本当に今更過ぎるわよ!今更謝ってなにになるのよ!」ガシッ
提督「うぐっ..落ち着け大井..!」
北上「ちょっと大井っち!やりすぎだよ!...私はもう気にしてないから..」
大井「嘘よ..嘘よ!!気にしてないはずないじゃない!ほとぼりが覚めた頃にのこのこと現れて謝罪だけで済まそうだなんて...許さない...許さないゆるさないゆるさない」ググググッ
提督「...あがっ..大井..離して..くれ..」
北上「大井っち!やめて!!」
憲兵「病院内では静かに...っ何してる!」タッタッ
「手を離さんか...こいつ..!」グググッ
憲兵が力ずくで大井を提督から離させ、大井の動きを封じる
北上「大丈夫?提督」
提督「ゲホッ...ああ、大丈夫だ..」
北上「よかった...それと、私気にしてないから..」
提督「....また来るぞ、北上。それと、憲兵さんありがとうございます」
憲兵「ああ..アバレルンジャナイ」
ハナシナサイヨ!! アバレルナ! ガスッ ドガッ アグッ..
提督はその場から逃げるように立ち去った。大井を一瞥して
スタスタ...
提督(大井...お前の言う通りだな..いかんいかん、赤城のところに行くんだ...)ハァ...
コンコン
提督「入るぞ」
加賀「..提督ですか...」
提督「ああ..赤城は...」チラ
赤城「...」
加賀「..」
提督「そうか....最近ずっとここに入り浸ってるらしいじゃないか」
加賀「ええ」
提督「たまには日を浴びないと体に悪いぞ。それに心配している奴らもいる」
加賀「...赤城さんが心配ですから」
提督「そうか......邪魔したな」スタスタ...
提督(ずっとあの調子か...艦娘とはいえ...やはり人間か..)ハァ...
-洋上 第一隊-
ザバー ザバー
暁「...」
古鷹「なにかあったんですか...?」
暁「...なんでもない」
古鷹「なにがあったか分からないですけど...レディーにはそんな顔は似合いませんよ」
暁「...」
古鷹「こんな任務なんかさっさと終わらせて、鎮守府でまた飲み明かしましょう!」
暁「...そうね」
古鷹(暁ちゃんどうしちゃったんだろ...?)
ザバーン ザバーン...
白雪「...!?ほぼ左舷正面に敵艦影らしきもの!」
古鷹「っ..全艦両舷全速並びに砲雷撃戦準備!できるだけ逃げきります!」
深海棲艦s「グォ゛ォ゛」
白雪「敵艦接近してきます!」
古鷹「っ..輸送船防衛を最優先にしつつ敵艦の撃破を!」
暁「...!」ザバー
三日月「暁さん!独断専行は危険です!私も行きます!」
暁「レディーに心配は無用よ!」ダーン ダーン
深海棲艦s「グォ゛ォ゛ォ゛」ダーンダーン ドボンッ ドボンッ(魚雷発射音
放たれた魚雷が輸送船に命中し、呆気なく黒煙を上げ沈没していく一方で暁の活躍は目を見張るものがあった
暁「舐めないで欲しいの!」ダーンダーン ドボンッ ドボンッ ドボンッ
ロ級駆逐艦「ぐぁ゛ぁ゛...」ドガーン
ル級戦艦「...」ダーン ダーン ダーン
砲弾が命中し、後頭部から背中が紅に染まる
暁「...アガッ..!」ドガーン
古鷹「暁ちゃん!」
古鷹「暁ちゃん下がって!三日月は暁の援護を!」
暁「..あ゛あ゛あ゛あ゛あ!!..よくもやったわね...ころしてやるころしてやるころしてやる!!」
古鷹の制止も聞かず、暁は半ば狂乱しつつ敵艦隊に突っ込んでいく。
暁「暁の実力はこんなもんじゃないんだから!!」ダーン ダーン
三日月「暁ちゃん!!」
暁「え...?」
暁が振り返るとほぼ同時にまたも砲弾が命中し、火の手が上がる
暁「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛っっ!い゛だい゛っ!!い゛だい゛よ!」
三日月「あ、あかつきちゃんが...」ボーゼン
古鷹「三日月ちゃん!立ち止まったら....!」ダーン ダーン
一段とけたたましい音が響き、衝撃波が周囲を支配する
古鷹「三日月ちゃん!...っ..作戦変更、鎮守府帰還を最重要目的にしてください!」ダダッ
白雪「ですが...!あぐっ...」ダーン
古鷹「いくらなんでも多勢に無勢、無闇に損失を増やせません!...アガッ...進路変更急いで!」ダーン ダーン
離脱を試みるが、そこはなにもない広大な海原ーーやがて、攻撃は止み、海は元の平静を取り戻した
-洋上 第二隊-
ドガーン...ドガーンッ
いきなりの爆発。輸送船の一隻が黒煙を上げ、二つに折れるように沈んでいく
青葉「...っ!」
ハッとして空を見渡すが機影はない。機雷も確認できない...つまりーー
青葉「敵潜水艦の感あり!駆逐艦は対潜行動を取ってください!」
にわかに艦隊内に緊張感が高まり、駆逐艦達はテンポよく爆雷を投下していく
ズーン ズーンという重低音ーー爆雷の爆発音が響くが、油は浮いてこない
青葉(逃がしーーいや、まだこの付近にいるはず...)
青葉「警戒を維持してください!」
警戒を促し、自分も海面に目を凝らすーーがなかなか見つかるものではない
初雪「間違いかもよ。帰りたい」ボソ
雪風「さっさと見つけて殲滅しちゃいますよ!」
しばらくはなにも起こらなかった。先の爆発は事故かもしれないーーそう思ってしまう程...しかし
ドガーンッ ドガーンッ
初雪「...ッあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!」
青葉「...っ..っ!」
声を出そうとしたが、出なかった。さらに、海面を見ると複数本の雷跡が見える。しかし、その雷跡のいく先を見ることしかできなかった
ガンッ
睦月「っう゛う゛...!え、え..?」
不発の魚雷。睦月の顔に恐怖の色がひろがる
輸送船ばかりが沈んでいく。数え切れないほどの数だったものが、今やほんの数隻ーー
青葉「...行きましょうか」
-第三隊-
ブゥゥゥゥゥゥゥン ヒューーー ドガーン ドガーン
加古「っ..飛行機か...」ダーン ダーン
初霜「...海の真ん中...陸上用飛行機...ということは..」ダダダダッ
「「!!」」
加古「敵艦隊にも注意を払え!」ダーン ダーン ダダダダッ...
空母の存在に気を取られすぎたのだろうかーー
ダダダダダダダダッ
初霜「アガッ...ゴフッ..アグッ」
敵の銃弾に撃ち抜かれる者
ブゥゥゥゥゥゥゥゥン... ドボンッ ドボンッ
磯波「深雪ちゃん!」
深雪「..っ!.」
慌てたが故に操作を誤りーー
初霜「あぐっ!?」
深雪「..っっ!」
衝突し、格好の的になる者
初霜「う゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ!!いだい゛...い゛だい゛よ!」
深雪「..動かない動かないうごかない!!..あがっ..う゛ぐっ...あ゛づい゛!!!」
敵は他の艦には目もくれず、ひたすら2人に攻撃を加え続ける
加古「動ける艦だけでも離脱するぞ!..あぐっ...今しかない!」
初霜「私は...コヒュー..置いて..いかないで...う゛ぁ゛ぁ゛..」
加古「...後で助けに来る..」ドーン ドーン
初霜「嘘だ...う゛そだ..コヒュー...う゛そだ...あぐっ...」
加古「..いくぞ!」ザバーン
あまりにも見え透いた嘘。徐々に小さくなっていく加古たちの後ろ姿とどんどん強くなっていく敵の攻撃
ーーー!ーーーっ!
悲痛な叫びが聞こえた気がしたーーいや、幻聴だろう
-執務室-
オネエサマーマッテクダサイー...ヒエイモハヤククルデース...ワーワー...キャッキャ..
ラジオ「..カッテーアオウートーチカッテイッタートモノエリガーメニシミル..」
提督(自覚がないのか、それとも...)ペラッペラッ
ラジオ「...オレモナノアルアノハタヲー...」
提督「フーンフーフンフーン」ペラペラッ
大淀「...ご機嫌ですね」
提督「あ、すまんな...つい」デンゲンオフー
「それで、なにか用か?」
大淀「...輸送隊隊の件ですが
...3隊の深雪、初霜並びに大半の輸送船が撃沈しました...」
提督「...撃沈..?」
その言葉を聞いた途端、視界はぐるぐると回り、頭に霧がかかったようになり、呼吸が激しくなる
大淀「提督?」
提督「...報告書をおいて戻れ」ハァ...ハァ..
心配する大淀を強引に追い出すと、苦しそうに椅子に腰掛け、目を瞑りーーやがて執務室は静寂に包まれる
机の上に置かれた報告書には「ミユキ、ハツシモ、沈没 原油、ボーキサイト、鉄鉱石 約2ヶ月分。1隊、連絡不能」と書き殴られている
―――――――
―――
古鷹『提督!古鷹以下4名、ただいま帰還しました!』
暁『特別に頭を撫でてくれてもいいのよ?』
深雪『これだけ資源が取れればまだまだ戦えるな!』
「...お前ら...!よく帰って来てくれた!」ダキシメー
古鷹『力入れすぎですよ、提督』フフッ
暁『しばらくこのままでもいいのよ?』
深雪『やっぱり色男はちがうねぇ』ケラケラ
「深雪もして欲しいのか」ダキシメー
深雪『そんなこと言ってねぇよ』
古鷹『正直じゃないんだから..』ニコニコ
「さて、食堂行くぞ!」
古鷹『なぜ食堂に?』
「成功祝いだよ。好きなもの奢るぞ」
暁『なんでもいいの!?』キラキラ
「好きなものをいくらでもーー
―――――――
―――
××「おい!提督!」
声をかけられ、現実に引き戻される。目の前にいるのはーー
提督「...どうした、天龍」
天龍「指令本部から電報だーーすぐに出頭しろ、だとよ」
提督「...そうか。ありがとう」
天龍「...?顔色悪ぞ。大丈夫か?」
提督「..大丈夫だ。留守を頼む」バタン
提督(...やはり...あれは夢、か...)スタスタ...
-会議室-
参謀1「....先の作戦の結果、きかせてもらったよ」
参謀2「..君に頼らざるを得ない我々も不甲斐ないが..」
参謀3「..これは酷い、な..」
提督「申し訳ございません..」
参謀4「口先だけの謝罪などだれも求めていない。ずべては結果だ、結果」
参謀5「艇も無限に沸くものではないんだがね。いい加減自覚して頂きたい」
参謀6「空母の喪失は痛いですな」
参謀7「食糧の融通も楽ではないんですよねぇ...」
提督「次回までには必ず...」
参謀8「口約束にならないことを願うよ...下がれ」フッ..
提督「...はっ」バタン
ヤハリ、レイノサクセンヲ...シカシ、コウカノホドガ...ジッセンデタメセバイイ...
-宿舎-
青葉「...」ボヤー
衣笠「ボーっとするのもつまらないくない?取材でもしてくれば?」
青葉「...」
衣笠「反応なし、か...」
川内「輸送作戦失敗したって噂だよ」
神通「また失敗ですか...」
那珂「那珂ちゃんなら輸送任務くらい楽勝なのに」
川内「...ちょっと黙って」
電「暁ちゃんたちの隊遅いのです...」
響「...そのうち帰ってくるさ」
雷「怪しいところね」ボソッ
艦載機の描写が胸おどらされて読んでて楽しいです
砲雷撃戦早くよみたいです
ページ後半長門のセリフ間違っていると思います
しおり失礼します、更新楽しみにしてますー
よっこーさん
ご指摘ありがとうございます。手直しします
稚拙な文ですが、、ありがとうございます。
あまりこういうのないからいいね👍
>>3さん
ありがとうございます!
艦娘が敵弾喰らったときの描写に感激です、参考にさせて頂きまs(
てんりゅうちゃんの今後に期待!
>>よっこーさん
コメありがとうございます(二度目
こんなのでよければ参考にしてください
続き気になるな~
>>7さん
ありがとうございます
面白いです。続き待ってます。
>>9さん
ありがとうございます!
できるだけ早く書きます
無理しないでください
自分のペースで続けてください
いいと思います!被弾の所とてもひやひやして凄かったです!
自分もss書いているので参考にさせていただきます!
>>11さん
返信遅くてすいません
ありがとうございます
>>いちごオレさん
ありがとうございます
自分で読むとキモイって思うんですけどね←
ひっそりと楽しみにしております。
それと誤字と思われるものを見つけたのでご報告。
ズーン ズーンと内蔵に響くような爆発音←内臓?
>>wktk氏さん
ありがとうございます
指摘等々あればどんどん書いてください
リアルだとこんな感じになるよね
>>16さん
そうですね
余計な部分かもしれないですけど
更新ないか毎日チェックしています
沈んだ娘達はウチで元気にやってます
>>18さん
ありがとうございます。更新おそくてすいません
元気で良かったです←
楽しみにしてます
>>20さん
ありがとうございます
早く更新します
楽しみにしてます。
>>22さん
ありがとうございます