2022-06-01 22:55:09 更新



ポコン



スマホ『優ちゃん、明日の夜、19時、例の公園に来てくれるかな?』






春香「あ、優ちゃん!」

優「お待たせ~」

春香「ごめんね、仕事早番切って呼び出したりして」

優「いいよ、いいよ、いつかなんとかするから」

春香「ここ久しぶりだね~」

優「懐かしいね。どれぐらいだろう?」

春香「ま、ベンチ座ろうか?」

優「うん」

春香「」座り

優「」座り

ふゅうーーーーーーーーー さわっ さわっ

春香「うわっ、さむっ」

優「そりゃ3月の30日だしね。これからだよ」

春香「……」

優「……」

春香「……」

優「……」

春香「うわあ……。見上げて、星空」

優「夜空だ……」

春香「綺麗だね……」

優「北斗七星があるよ!」

春香「綺麗!!!」

優「あっちには月がある」

春香「何と言うか、マンテンボシだね」

優「うん……。きれい……」

春香「あっちには、桜の木が咲いてる」

優「きれい……」

春香「……」

優「……」

春香「……」

優「……」

春香「……」

優「あ、そうそう」ガサゴソ

春香「なに、なに?」

優「じゃじゃーん。お酒!!!」

春香「お酒!?」

優「ちゃんと2缶買ってきたよ。はいこれ」

春香「ありがとう。というか優ちゃんがお酒!?」

優「私達もう24歳じゃん」

春香「いや、そうじゃなくて、明日結婚式だよ。二日酔いでキスしたらどうするの!?」

優「大丈夫だよ。そのために超低アルコールにしたんだから」

春香「うん……」

優「気に入らなかった?」

春香「ううん、嬉しい」

優「じゃ、飲もう?」

春香「うん!」

優「かんぱーい!」

春香「かんぱーい!」

優「」グビグビグビ

春香「」グビグビグビ

優「」グビグビグビ

春香「」グビグビグビ

優「……」

春香「……」

優「……」

春香「……」

優「ぷはーーー!!」

春香「ぷはーーーーー!!」

優「にがっ!」

春香「お酒の味―」

優「ピーチ味だー!」

春香「苦さと桃の味がマッチしているの、たまらなく好きなんだ」

優「あー、生き返る。今日もさー大変だったんだよ」

春香「聞いて。私もだよー」

優「仕事なんか行きたくないやい!」

春香「それ言っちゃう?」くすくすっ

優「春香っていいよね、公務員だしさ。楽しい?」

春香「うん、ばりばりきついけど、でも楽しいよ」

優「就職先が公務員って憧れるよね。将来安泰だしさ、左遷もないし、クビもない」

春香「そんなことないよ。私はね公務員の社会福祉課で働いているんだけど、

書類の作成や市民への案内や注意喚起、

報連相をきっちりしないと市民や上司からお叱りの声が届くの。

本当にきついよ。公務員って舐めてかかっちゃ痛い目に遭うよ」

優「大丈夫?」

春香「うん。でもね、楽しいんだ。上司によくやったとか言われたときとか、

小学生や老人の人からありがとうって言ってくれる、

それだけで天国に行きそうな気分なの。やってよかったって思える」

優「春香、かっこいいね」

春香「そう?優ちゃんの方がかっこいいよ。ちゃんと夢を持って働いているし」

優「聞いてよー!毎日シェフの下で働いているんだけどさ。技術訓練生ってやつ。

腕前は良いって褒められるんだけど、

園田、レシピを見ながら作るのやめなさい。

時間のロスを考えろ。記憶力に難ありの頭悪いな、ってほんとに言ってくるんだよー!パワハラー!」

春香「あはは……」

優「もうほんといやになっちゃう……」グビグビ

春香「私たち大変だよねー」グビグビ

優「ぷはーーーーー」

春香「ぷはーーーーーー」

優「……」

春香「……」

優「……」

春香「……」

優「ねえ、公園。懐かしいね。ある意味トラウマ」

春香「あはは私のこと?実はあのときには話してはいない、優ちゃんの後日談があるの」

優「なにそれ?」

春香「優ちゃんが、あの時バカだった私のことを身をかばって振ってくれた。

優ちゃんは泣いて去っていった。でもそのあとにね、奇跡が起こったんだよ」

優「奇跡?」

春香「スミスミ先輩が公園のベンチに座って、

私が優ちゃんと同じ大学がいい、KじゃなくてM大学に行けば優ちゃんと一緒に行けるって、

今思えば恥ずかしいだだっこなことを考えてた。

それをスミスミ先輩は見破ってこう言ってくれたの。

私だって美月会長達のおかげで今こうして真っすぐ生きている。

変わったのは美月会長達のおかげじゃない。自分の力なんだって」

優「へえ……」

春香「は、恥ずかしい……。きゃーー///」

優「続けて」

春香「うん。で、その後スミスミ先輩は去った。

その後ようやく理解した私は、私は優ちゃんがいてくれたら変われたんじゃない。

自分が優ちゃんになろうって自分の意思で変われたんだって」

優「そっか……そんな裏話があったんだね」

春香「うん……/// ごめんね、あのときはバカで」

優「いいよ、理解してくれただけで、それだけで嬉しい。

高校最後の恋人の誓いのキスも分かっていてくれて嬉しかったよ。

ちゃんと将来に向かって進む春香が、私……好き」

春香「優ちゃん……。だからね、スミスミ先輩には頭が上がらないんだ」

優「どこにいるの?」

春香「さあ?明日の結婚式には来るんじゃない?電話番号も削除していないようだし」

優「また、話せると良いね」

春香「ううん、会いずらいよ」

優「そんなことないって、私と春香の仲にはうっすらとスミスミ先輩の意思が残っているんだから」

春香「そうだね。離れていても一緒だね」

優「そうそう♪」

春香「……」

優「……」

春香「……」

優「……」

春香「……」

優「……」

春香「ねえ、結婚するんだよね?」

優「そうだよ。明日」

春香「結婚したら新婚旅行に行く?」

優「新婚旅行か!」

春香「どっか行きたい場所ある?」

優「私達、ハワイに行ってみない?」

春香「なんで!!!!!?」

優「だって、高校時代春香が言ってなかった?新婚旅行はハワイが良いねって」

春香「私そんなこと言ったっけ!?」

優「言った言った。ちゃんと約束したじゃん」

春香「そうだっけ?」

優「ハワイに言ったら何したい?」

春香「泳ぐ―」

優「遊ぶー」

春香「砂浜で優ちゃんを捕まえるまで、まてまてー、ってするー」

優「じゃあ私は、海で水を春香にかけるー」

春香「それって日本の海でもできるよね?」

優「あはは」

春香「そうだ、ハワイって英語を使わないといけないんだよ。できる?」

優「うぅ……」

春香「Do you know English?」

優「イエス!あ、アイアム、抹茶プリン!」

春香「ぷーーーーーーーー!」

優「こらーーーーーーーー!笑うなーーーーーー!」

春香「ギャグとしては面白いよ!!!」

優「ちゃんとやったよ!!!!」

春香「もう。ハワイに行く際は勉強しようね」

優「また勉強するものが増える」

春香「じゃあ、やめる?」

優「やるに決まっているんでしょ!」

春香「……」

優「……」

春香「……」

優「……」

春香「最近、会えなくて寂しい……」

優「うん……」

春香「私は公務員、優ちゃんはコックさん。それぞれの道に進んでいるんだよね」

優「うん……」

春香「大学ともお別れして、優ちゃんと会う時間が減るのも辛い」

優「うん……」

春香「このまま……なのかな……」

優「……。違うよ」

春香「えっ?」

優「私達、恋人同士だよ。

キスもしたし、セックス……セックスもしました!!!!!!!!!!!!!!!

それが何か悪いでしょうか!!!!!!!!」

春香「声が大きいよ!!!」

優「セックスって言って、セックスして……うわ恥ずかしい!!!!!!!!!」

春香「優ちゃん自爆しないの!」

優「よ、要するに、キスもしたでしょ。セックスもしたでしょ。結婚もするでしょ。

結婚するんだからこの先一緒にいられるよ」

春香「ありがとう……」

優「ふんっ!」決まった!

春香「優ちゃんの口からセックスね……。あはは」

優「やめなよ!!!!」

春香「あははははは」

優「次笑ったら絶交だからね!!!」

春香「うぅ……。はーい、ごめんなさーい」

優「……」

春香「……」

優「……」

春香「……」

優「……」

春香「……」

優「……」

春香「大学時代、衣装製作同好会に入ったけど、アパレルにしようか迷ったんだ。職先。

でも、優ちゃんのことを考えると将来のことを考えないといけないなって思って公務員にしたの。

稼げる女性として独り立ちしようって」

優「ふーん。なにかやらしいことされなかった?」

春香「な、なんで!?」

優「ふむむーーー!!!」

春香「SBJD」

優「なっ!?」

春香「魔法の言葉で、SBJD」

優「そんなんじゃないやい!」

春香「嫉妬深い」

優「うるさいー!」

春香「……」

優「……」

春香「……」

優「……」

春香「そういえば、廃校で結婚式を行うんだよね?」

優「懐かしいね。響きが。学校」

春香「そうだよね。思えば私達、誰もいない教室でキスをして、それが恋人に繋がったんだよね」

優「教室もまた、懐かしいよね。今じゃ仕事部屋だもん」

春香「今思えばお子様たちの、小さな世界だった」

優「いっぱいキスしたよね。数えきれないぐらい」

春香「時にはピンチに陥った時や、

美月さんに見つかった時もしてたよね……ああ、懐かしい。学校自体が私達の思い出だ」

優「幼いや~」

春香「また、あの時に帰りたいな……」

優「……。ううん、私はそうじゃない」

春香「なんで?イチャイチャしてたじゃない」

優「今の春香が好きだもん」

春香「優ちゃん……」

優「……」

春香「……」

優「……」

春香「……」

優「私達、花嫁衣装着るんだよね?」

春香「うんそうだよ、ドキドキするねー!」

優「私、花嫁抱っこに憧れているんだ―。でもできるかなー?」

春香「やってみる?」

優「ほんと?」

春香「私を抱いてよ」

優「いくよ……ふん!!!お、重い」

春香「ひっどーい!乙女に向かってそれはひどい!」

優「重い……重い……はぁ……」

春香「じゃあ、私がやるね」

優「やりたかったのになー」

春香「そーれ!!!」ひょい

優「あははは、はーい!」

春香「どう!優ちゃん、高い高い!!」

優「すごい!!すごい!!!」

春香「花嫁抱っこに憧れるけど、優ちゃんにできるかなー?」

優「すごいよ!!!!私達、現実に愛し合っているんだね!」

春香「そうだね!奇跡だね!!!」

優「もっとくるくる~して」

春香「それ~~~~~」くるくる

優「あははははは!!!!!!!」

春香「そーれ!」くるくる

優「きゃはははは!!!!!」

春香「よいしょ」

優「ふぅ。楽しかったよ」

春香「うん!」

優「……」

春香「……」

優「……」

春香「……」

優「……」

春香「……」

優「……」

春香「……」

優「……」

春香「……」

優「……」

春香「優ちゃん、肩に寄りかかっていい?」

優「うん……」

春香「こうしていられるのも、今のうちだから」

優「……」

春香「……」

優「……」

春香「……」

優「……」

春香「夜空、綺麗だね……」

優「星が奇麗……」

春香「あんな風に輝けたらいいのに……」

優「……」

春香「……」

優「……」

春香「……」

優「……」

春香「……」

優「……」

春香「ずっと、こうしていたい……」

優「……」

春香「……」

優「……」

春香「……」

優「……」

春香「……」

優「……」

春香「……」

優「……」

春香「……」

優「……」

春香「……」

優「……」

春香「……」

優「……」

春香「……」

優「そういえば春香、指輪届いた?」

春香「それなら、このバッグに……あ……」

優「どうしたの?」

春香「……」下にうつむく

優「な、失くしちゃったの!?」

春香「ううん……」

優「じゃあ、あるんだ……」

春香「……」

優「……」

春香「……」

優「はるか!」

春香「……」

優「悩みがあるなら言って。この表情、悩みがあるって顔だよね!?何でもいいから聞いて」

春香「……」

優「春香!これから一緒に家族になるんだよ?二人で解決していこうよ!!!!!どうしたの!?」

春香「……」

優「……」

春香「あのね、私、指輪をはめる資格ないと思う」

優「なんで?」

春香「優を支えきれないのかもって思うと不安で不安で、心が苦しくなっちゃう」

優「……」

春香「もし優に万が一守れなくて、

優を苦しませる未来しかなかったら、私の責任だ……。苦しいよ。優ちゃん……」

優「春香……」

春香「重いんだ指輪が。この先一緒に行くと思っても、私じゃ力不足なのかな?

私は強い人間じゃないことは分かりきっている」

優「……」

春香「結局未来の優ちゃんを楽しませることができなかったらって思うと胸が痛いの!!!!嫌なの!!!!

でもこんなこと言ったらまた逃げだ!逃げだと思われて優ちゃんがどっかに行っちゃう!!!」

優「……」

春香「好きだよ!好きなのに辛いよ!!!つらいんだよ!!!!!!!!!!!!」

優「……」

春香「……」

優「……」

春香「優ちゃん……まだ私……ダメみたい。ごめんね、優ちゃん……」

優「謝るのやめてよ! 私も好き……。大好き。迂闊に結婚なんかできない。

だって自分の将来の人を決める最後のイベントだもん。もう学校みたいに修学旅行や遠足はないんだ」

春香「優ちゃん……?」

優「でも、春香がいてくれたから。高校時代一緒にキスをしたり遊んだり、

誰もいない世界で場所でキスをいっぱいしたり、いっぱいあったね」

春香「うん」

優「なんで私が春香を選んだか分かる?」

春香「……」

優「私がドキドキしてるから」

春香「……」

優「それだけだよ。それだけなのに、一緒いて幸せなんだ」

春香「私……優ちゃんのことが好き。好きだからこそ悩んじゃう。

でもなよなよしてる私は嫌いだよね。どっか遠くに行ってほしいよね!!!」

優「違うよ」

春香「えっ?」

優「あのときは春香の嫉妬が凄まじくて、同じ料理専門学校に通いたいって言って、

自分の将来でさえも閉鎖しようとした頃だったから、別れようと言ったの」

春香「……」

優「でも違うじゃん。今度は。好きで、好きでたまらない。愛おしすぎて、私なんかをさ。

でも今度は自分の幸せを私のために叶えようとして四苦八苦してる。私は贅沢ものだ」

春香「優ちゃん……」

優「未来のために頑張ってる。自分を救うために」

春香「……」

優「そんな春香を、私は、見捨てたりなんかしない!」

春香「……」

優「……」

春香「大好き。大好き優ちゃん……」

優「春香……春香……」

春香「そうだよね。こんなことでくじけちゃだめだよね。

今では強い味方がいるもんね。私、優ちゃんのことが大好き!!!」

優「ふっ……。人生ってなんだろね。100年間生きて楽しいのかな?」

春香「そりゃ楽しいと思うよ。100年間あればなんだってできるもん」

優「今から変なこと言うよ」

春香「うん」

優「私、死んだ人が羨ましい」

春香「え、ちょっと優ちゃん!?」

優「いいなあって。

もちろん叶わずに死んだ人は不幸せだと思う。でもね何かを成し遂げてそれで死んだ人もいる。

100年間生きられなくたって、叶えられて、そして死んで、幸せだなあって。

孤独のまま100年生きたら悲しいだけだよ。誰かを愛せずに死ぬなんて悲しいだけだよ」

春香「優ちゃん……」

優「笑って、怒って、泣いて、その回数が一番多い人ほど、幸せなんだと思う」

春香「……」

優「私、そんな生涯を送りたい」

春香「長生きするのが幸せじゃない。感情を抱いた回数だけ幸せな人なの?」

優「そういうこと。私、憧れているんだ」ニコッ

春香「優ちゃん……」

優「なれるかな……私達」

春香「……。なれるよ。ううん、なってみせる!必ず優ちゃんを幸せにしてみせる!」

優「……。あはは。その言葉を待ってたんだ。元気出た?」

春香「ありがとう……優ちゃん。拙い私でごめんね」

優「いいよ。だって私の妻なんだもん……」

春香「……」

優「……」

春香「……」

優「……」

春香「……」

優「……」

春香「私ね!」

優「うん」

春香「好きの意味がやっと分かった気がしたんだ!」

優「うん。聞くよ」

春香「あのとき、高校最後で涙で言えなかった言葉、聞いてくれる?」

優「うん……」

春香「今までは好きって言葉を、ずっと一緒にいるって意味にしてた。どんな時も離れない。大好きな関係」

優「うん」

春香「でも違った。優ちゃんのあの勇気があったからこそ気づけたんだと思う。

どんなに遠く離れてもその思いは消えない。

例え大学や仕事で離れ離れになったとしても、遠距離恋愛になっても、

2人の好きだって思いは、ずっとずっと続いているんだ!」

優「うん……」

春香「どんなに遠く離れても、切れない糸」

優「うん……」

春香「愛は人を変える。私は自分の力で甘えた私を変えられた。だけどそれは優ちゃんのおかげ。

もし優ちゃんが本当に死んでしまっても、私は心の底でずっと優ちゃんを愛している!

だけど変わる!私自身が!だから本当に死んでも大丈夫!」

優「……」

春香「でも、どんなに遠く離れても、この思いはずっと変わらない」

優「……」

春香「それが……私の、好きです」

優「春香……」

春香「私ね!」

優「うん」

春香「いろいろな優ちゃんが好き!

怒った優ちゃんが好き!

ワガママな優ちゃんが好き!

応援団長を務めたがる優ちゃんが好き!

いじらしい優ちゃんが好き!

抹茶を好む優ちゃんが大好き!

大学生にもなって嫉妬する優ちゃんが好き!

頭が悪い優ちゃんが好き!

でも私をリードしてくれる優ちゃんがもっと好き!」

優「……」

春香「すべて好き……。全ての中でどの優ちゃんが好きかと言われたら、どの優ちゃんも好き!!!!」

優「……」

春香「好きなの!!!!!!優ちゃん!!!!!!!愛しているの!!!!!!!!!!!!!!!!」

優「……」

春香「結婚してほしい……」

優「はるか」

春香「うん」

優「まだ、私の気持ち、聞いてないよ」

春香「うん」

優「私はね、高校の頃、嫉妬する春香のことがうっとおしくて、たまに消えてほしいって思ってた。

でもそれは愛の形の一種で、私のことを本気で思ってくれてた」

春香「うん」

優「私も好き!ほんのちょっと会話するだけで嫉妬する春香が好き!

お母さんみたいに世話する春香が好き!

でもたまにポンコツになる春香が好き!

激しい妄想ばっかりする春香が好き!

キスするときちょっぴり伺う春香が好き!

いつもキスをリードしてくれた春香が好き!

大好き!大好き!大好き!

ほんとは死んでほしくないよ!100年後とか考えたくない!

私だってべたべたもっと甘えてほしかったよ!

なでなでしてほしいよ!

ずっとそばにいてほしいよ!

童話の絵本みたいにいつまでも幸せに暮らしましたとさって世界に春香と私だけの世界に住みたいよ!

でもできないんだよ!!!!だって」

春香「……」

優「だって、今の春香が一番好きなんだもん……」

春香「……」

優「夢に向かって、今も公務員やって、自分と私の生活を考える」

春香「……」

優「そんな春香を、一番愛しています……」

春香「……」

優「……」

春香「優ちゃん……」ダキッ

優「はるかーーーーーー!」ダキッ

春香「うぅ……」

優「うん……」

春香「……」

優「……」

春香「ずっと一緒だからね」

優「うん、ずっと一緒」

春香「……」

優「……」

春香「……」

優「……」

春香「キス……しよ?」

優「……。春香はいつもそうだよね。リードしてくれる。私、好き」

春香「……」

優「しよっか!しようじゃないか!」

春香「怖くない……?」

優「……もう、大丈夫」

春香「……。いくよ」

優「……。うん」

春香「うー」

優「うー」

春香「」ちゅ♡

優「」ちゅ♡

春香「んん……んふ……んん」

優「ん……んん……んん」

春香「ん……ん……ん」

優「んん……ちゅぱ……んん」

春香「んん……んん……んん」

優「んちゅ……んん……レロ」

春香「レロレロ……んちゅ……んふ」

優「レロレロ……レロ……ちゅちゅ」

春香「ちゅーーーーーーーーー」

優「ちゅーーーーーーーーーー」

春香「ふぅ///」

優「ふぅ///」

春香「なんだかいい気持ちだね///」

優「ねえ、私達、とうとう恋人になったよ。キス友じゃないよ!」

春香「やり残してたこと、消えちゃったね……」

優「これからは、家族!」

春香「そう、家族と言えば」

優「指輪」

春香「そうだね。指輪出そう」

優「わー、きれい」

春香「見て見て。水晶の指輪」

優「やっと届いたんだ」

春香「うん、きれい」

優「これ、私達のお金を貯めて買ったんだよね」

春香「愛の結晶?」

優「そうだね///」

春香「はめていい?指輪」

優「うん……」

春香「」そー

優「あ、薬指だからね」

春香「雰囲気台無しにしないでよおお!」

優「春香なら間違えるかと思って」

春香「じゃ、はめるね」

優「」ドキドキドキドキドキドキ

春香「あー、はまった!」

優「きれい……」

春香「これからは、私の優ちゃんになるんだ」

優「ありがとう、この気持ち忘れないよ」

春香「もう一つ」

優「今度は私がはめるね」

春香「」ドキドキドキドキドキドキ

優「」そー

春香「はまった!」

優「綺麗だよね!!!綺麗!!!」

春香「これからは、私の優ちゃんか……。長かったな」

優「うん、長かったね。色々なことがあったね」

春香「……」

優「……」

春香「」ちゅ♡

優「」ちゅ♡

春香「ちゅ、ちゅ、ちゅ」

優「ちゅ、ちゅ、ちゅ」

春香「ちゅうううううううううう」

優「ちゅううううううううう」

春香「ちゅ、ちゅ、ちゅぱちゅぱ」

優「ちゅぱちゅぱ、レロレロ」

春香「はぁ」

優「ふぅ」

春香「やっぱりキスは気持ちいいね」

優「私、この世界が好き♡ 救われないこともあるけど、でも私達の愛の力なら不可能じゃないと思う」

春香「優ちゃんがいるだけで最高に幸せだよ」

優「それは私のセリフ!」

春香「……」

優「……」

春香「ありがとう……優ちゃん……」

優「え……」

春香「大好き……」

優「ねえ。とうとう……私達は……ここまでこれて……そして……キスをして……」

春香「優ちゃん!?」

優「うわああああああん」

春香「優ちゃん……」

優「嬉しいよお!うわああああああああああああああああん」

春香「我慢してたのに、私も、もう……」

優「うわああああああああああああああああああああああああああああああああああああああん」

春香「うわあああああああああああああん」

優「うわああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああん」

春香「うわあああああああああああああああああああああああああああん」

優「うわああああああああああああああああああああああああああああああああん。ぎゃああああああああああああああああああああああああああああああ」

春香「うわああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああん」

優「うわああああああああああああああああああああああああああああ。ぎゃあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ」

春香「あっ」

優「うわあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああん」

春香「優ちゃん」

優「うわああああああ」

春香「優ちゃん!」肩ぽんっ

優「ん……ひっぐ」

春香「優ちゃん……」目じっ

優「あ あ あ、やめて/// 恥ずかしい/// 鼻水が/// 涙が///」

春香「」ずいっ

優「……///」

春香「」鼻筋ペロペロ 鼻水ごくん

優「……///」

春香「」鼻水ペロペロ 鼻水ごくん

優「……///」

春香「」鼻水ペロペロ

優「……」

春香「」鼻水ペロペロ

優「……」

春香「」涙筋ペロペロ

優「……」

春香「……」涙筋ペロペロ

優「……」

春香「」涙ペロペロ

優「……」

春香「」涙ペロペロ

優「……」

春香「……」涙ペロペロ

優「……」

春香「……」涙ペロペロ

優「……」

春香「……」

優「……」

春香「……」

優「……」

春香「どんな優ちゃんも、素敵だよ」

優「……」

春香「……」

優「……」

春香「……」

優「ガチで惚れるからやめてよそういうの……///」

春香「ふふふっ」

優「あはは」

春香「ふふふふふふ」

優「あははははははは」

春香「あははははははははははははは!!!!!!!」

優「あははははははは!!!!!!」

春香「ううん、本心」

優「あの……春香……」

春香「なーに?」

優「酒くさーい」

春香「ちょっ、ちょっ、ちょっ」

優「顔が酒臭くなったー!!!」

春香「恥ずかしいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいい」

優「いいよ、この春香の香りが好き」

春香「優ちゃん……優ちゃん……優ちゃん……」

優「なんか、春香。変わったね?」

春香「私が?」

優「うん、昔はそんな積極的じゃなかったのに。昔はもっと甘えてたのに」

春香「優ちゃん……」

優「変わったね……。私、春香に続いてきてよかったよ」

春香「ありがとう……優ちゃん」ダキッ

優「春香ーーーーーーーー!」ダキッ

春香「」ちゅ♡

優「」ちゅ♡


春香「……」

優「……」

春香「……」

優「……」

春香「さて、帰りますか」

優「だね。もう1時だし」

春香「星が奇麗だね……」

優「月も綺麗……」

春香「あそこに咲いてある桜もきれいだね」

優「夜桜?」

春香「そうそう」

優「うん、すごく、すてき」

春香「思えばあの桜で恋をして、木の下でキスをした。

桜がなかったらたぶん私達は一緒じゃなかったと思う。

あの桜の魅力に引き寄せられてキスをして恋をして家族になった。

この広い世界で逢えた奇跡、いったいどれぐらいの確率で優ちゃんと出会えたのかな?

1つの運命が私達を引き寄せた。この運命をなんて言おうか。なんてね」

優「……」

ヒョオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ 

ふぁさーーーーーーーーーー

ふぁさーーーーー

春香「うわっ、かぜつよ!」

優「風が舞ってる!!」

春香「桜の木が大揺れで揺れてる!!!」

優「桜が、桜が、いっぱい散ってる!!!」

春香「みて……きれい」

優「桜が……飛んでる……」

春香「……」













優「桜Trick」











春香「ん?」

優「桜が見せた奇術。桜Trickって言おうよ。ねえねえ、桜Trick!!!」

春香「桜Trick?」

優「そうだよ!!私達が生まれた関係!!!桜Trickだよ!!!

一種のマジックだよ!私達はそのマジックにかかっているんだ!」

春香「あはは。そうだね。確かにそうだね。私達はマジシャンに試されていたのかな?」

優「ねえ。結婚まで連れてきてくれてありがとう……桜Trick」

春香「優ちゃんと結ばれました。ありがとう……桜Trick」

ふぁさーーーーーーーーー

ふぁさーーーー























翌日 廃校にて行われる結婚式場にて


ゆず「二人とも結婚するの!?マジで!?そういう関係なのは知っていたけど」

かえで「今頃気づいたんだ。遅いね」

ゆず「かえではいつから知っていたんだよ」

かえで「知っているけど、特有条件があるね。教えない」

ゆず「なんだよ。知っているなら教えろよ」

かえで「じゃあ、後ろ向いて」

ゆず「」クルッ

かえで「」ほっぺ ちゅ♡

ゆず「バ、バカヤロー/// 何するんだ!!!!!」

かえで「フフフッ」

ゆず「からかうなよー/// ってか人前でやるな!」

かえで「嘘じゃないよ」真顔

ゆず「えっ」

かえで「ごめん、嘘」フフフッ

ゆず「かぁああああああああああああああああ お前ってほんと無表情だよな///////」

かえで「うん?」

ゆず「でも、」

かえで「うん」

ゆず「好きだぜ」

かえで「か、か、か、か、か、」ぽっぽーーーーーーーーーーーー!!!!

ゆず「ちゅ ♡」

かえで「わ、わ、わ、私……///」

ゆず「照れてやんの、かわいい」


コトネ「あーあ、先越されちゃった」

しずく「二人とも結婚おめでとう」

コトネ「財閥のお嬢で大忙しと思ったら、あの二人とも私達と同じ深い仲だったのね」

しずく「結婚って憧れる……」

コトネ「えっ!?しずくちゃあああああん!!!その言葉嘘じゃないよね!

じゃあ来週結婚する!?段取りはいつから!?皆の前でぶっちゅうするの恥ずかしいよね!!!!」

しずく「やっぱいい……」

コトネ「なんで!?」











『それでは花嫁と花嫁のお二人方の登場です』






カラーン、カラーン




春香のお母さん「おめでとう」


春香のお父さん「うわああああああああああああああああん!!!

ついにか!娘が嫁に行くのかあああ!おめでとおおおう!」男泣き


優のお母さん「おめでとう」


優のお父さん「おめでとう」


コトネ「おめでとう」


しずく「おめでとう」


かえで「おめでとう」


ゆず「おめでとう」


理奈「おめでとう」


美月「優、おめでとう。春香さん、あなたを心の底から祝福します」


玲「おめでとう」


るな「おめでとう」


しのぶ「おめでとう」


なる姉「おめでとうございます」


森島空「おめでとうございます」


澄「はるか、うわーーーーーーーん。おめでとうなのじゃーーー!!!!」










誓いのキス


春香「……」

優「……」

春香「……」

優「……」



春香「優。……。ずっと、ずっと、愛してる」


優「春香、私も離れたくないよ。……。ずっと、愛している」








ねえ、知ってる?

桜の木って、特別な木なんだよ。

なんでも人を惹きつけてしまうとか。

その木の下で恋をして、キスをした。

だからね、

他の娘とは違うことをしようよ。

それができたら、私達は特別だよね。

私たちは桜の木に花が咲いて、そして永遠になるんだ。

恋が実って、愛に変わる。

好きだよ……。


ううん、













愛してる……。














春香「ちゅ ♡」

優「ちゅ ♡」












それもこれも、


桜の木が見せた、


桜の奇術、『桜Trick』かもしれない。





















私達は、遠くに行っても、

ずっと、ずっと、一緒だよ。

















桜Trick 終わり



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