2015-06-21 01:22:51 更新

概要

ss速報VIPで書いているものの短編のみになります。
前のSSがタブ限界になったので新しく作りました。
提督「ショートランドの短編事情」の続きになります。
6/21 秋月編、矢矧編、天城編追加


筑摩

『読めない心』


筑摩「て、提督……」


提督「筑摩……すまん、今は忙しくてな…じゃあな!」


筑摩「あ!……提督」




筑摩「私、提督に何か粗相をしてしまったのでしょうか…」


利根「どうしたのじゃ筑摩よ?」


筑摩「利根姉さん…最近、提督がまともに話を聞いてくれなくて…」


利根「…ほほう、それで筑摩は提督に嫌われたのではないかと考えて落ち込んでいたと…」


筑摩「そ、そんなんじゃ…!」


利根「違うのか?」


筑摩「……そうです。提督に話しかけてもらえないだけで、これだけ落ち込んでいるんです」


利根「素直じゃのう…これは相当参っているようじゃな」


筑摩「姉さん…私、自分が知らないうちに提督に嫌われるようなことをしてしまったのでしょうか?」


利根「そんな事はないと思うぞ?ずっと前から秘書艦として提督の傍でずっと働いておるのじゃろう?」


筑摩「はい、それで考えていることも大体わかるようになってきたと思ったんですが…」


利根「この前は提督が言う前に必要な書類を用意し、演習のスケジュールを組んでおったのう」


筑摩「はい……それで提督が喜んでくれるのではと考えて、必要と思われる事を片付けていたのですが…それが気に障ったのでは」


利根「提督は筑摩はよくやってくれていると話しておったぞ。そんな事はない」


筑摩「本当にそうでしょうか…もしかしたら、誰にも言えずに溜め込んで、それが爆発しそうだから…とか」


利根「ええい!面倒くさいのう!じゃったら今すぐ提督に聞いて来い!それでわかるはずじゃ!」


筑摩「えぇ!そ、そんな事出来ません…提督のお邪魔にはなりたく…」


利根「どうせ提督が筑摩から距離をおき始めたのは5日前からじゃろう?」


筑摩「え、はい…そうですけど……なんで知って」


利根「じゃろうな、全く提督は気が小さいのが欠点じゃのう……」


筑摩「え?姉さん、今なんて…?」


利根「気にするな、ほらはよう行った行った!」


筑摩「は、はい!行ってきます!」





利根「まったく……ふぅ、我が妹ながら困ったものじゃ、義弟になるあやつも、もう少し鍛えてやらんといかんのう……」







利根

『我が伴侶』


提督「利根」


利根「……おお、提督ではないか。

どうしたのじゃ?なにか問題でもあったのか?」


提督「いやなに、最近利根と話してなかったと思ってな。一緒に煙をふかしに来たんだ」


利根「…おお、そう言えばそうじゃったな。自宅でも入れ違いになってばかりじゃったし、なかなか時間が合わなかったからのぅ」


提督「特別海域にかかりっきりなのもあったが、無事終えたしな」


利根「うむ、無事成功裏に終わった。加えて新規着任も増えたしのう…隣空いておるぞ」


提督「失礼して……ふう。」


利根「おお、そういえば最近の提督殿は、着任したばかりの女子をはべらせているともっぱらの噂が立っておったぞ?」


提督「……ふう、そんな噂が立っているのか?」


利根「うむ……その噂をばら撒いておる青葉から直接聞いたからのう、間違いはないぞ」


提督「また青葉か……青葉の情報伝達能力はズバ抜けてるが、いかんせん内容がなぁ…」


利根「それを制御し、使いこなすのも提督の役目じゃ…期待しておるぞ」


提督「嫁さんに言われたんじゃ逆らえんな。また鍛え直さないとな」


利根「そうじゃ、嫁の言う事に逆らったら、恐ろしいことになるからのぅ。精進せい」


提督「ははっ、夕食抜きにならないよう頑張るよ」





利根「うむ、頼んだぞ我が伴侶よ。

これからも…そしてその後もな!」





球磨

『姉さんだから』


球磨「ほら多摩、寝癖あるクマ。」


多摩「これくらい平気にゃぁ……」


球磨「だめクマ。身だしなみはちゃんとしないとダメクマ」


提督「…………」


球磨「木曾、ちゃんと朝ごはん食べろクマ。」


木曾「食べてるよ……」


球磨「そんな事言ってまた残す気満々だクマ。作ってくれた人のことを考えて感謝して食べるクマ」


木曾「……わかったよ」


球磨「好き嫌いせずにナスも食べるクマ」


木曾「ナスは……勘弁してくれ姉さん」


球磨「ダメクマ」


木曾「…あぁ………わかったよ」


球磨「大井も北上の身だしなみ整える前にさっさと食べるクマ。さっきから手をつけてないクマ」


大井「えぇ…でも、北上さんが……」


球磨「……大井……」


大井「わ、わかりました…姉さん」


球磨「北上もさっさと食べて身支度整えるクマ」


提督「…………」


球磨「?提督、ずっと球磨を見てどうしたクマ?」


提督「いや、お姉ちゃんしてるなって思ってさ……」


球磨「当然だクマ。皆のお姉ちゃんだクマ」





球磨「提督も早く慣れるクマ。球磨型の輪に入ったからには球磨の言うことはちゃんと聞いてもらうクマ」




瑞鶴

『信頼』


葛城「ず、瑞鶴先輩!お疲れ様です!」


瑞鶴「はいお疲れ。葛城もだいぶ慣れてきたわね。今日はいい動きしてた」


葛城「ほ、本当ですか!?ありがとうございます!これからもご指導、お願いします!」


瑞鶴「ん、ほら、あんたも損傷してるんだから。さっさと入渠してきなさい」


葛城「はい、それでは失礼します!」


瑞鶴「ゆっくり直してきなさいよ~……」


提督「瑞鶴、新人の訓練指導おつかれさん」


瑞鶴「あ、提督さん…」


提督「どうだ、葛城は?」


瑞鶴「私の後輩よ?そりゃあ優秀よ。向上心もあるしね」


提督「そうか…練度もある程度上がってきたし、そろそろ南方海域攻略に出そうと思ってるんだが…どう思う?」


瑞鶴「…いいと思う。練度も充分に上がったし、優秀な護衛がいれば、想定以上の活躍が出来ると思う」


提督「そうか……意外だな」


瑞鶴「意外?なにが?」


提督「自分が鍛え抜いたとはいえ、新米の葛城を南方へは連れて行きたくないんじゃないか…って思っていた」


瑞鶴「そりゃあ…心配はするわよ。でもあの子はあの地獄の戦争末期を生き抜いた運がある。

それに私が直々に鍛え上げたのよ?心配いらないわ」


提督「そうか…信頼しているんだな」


瑞鶴「うん。自慢の後輩よ」


提督「……分かった」


提督「実はな、今度南方海域に進出しようと思うんだが、その主力空母をお前と葛城にしようと考えていたんだ」


瑞鶴「え?ほんとに!?」


提督「ああ、今回我々の艦隊が先行して突入、橋頭堡を築いて味方艦隊を援護する……頼めるか?」


瑞鶴「ええ!もちろん任せてちょうだい!」






瑞鶴「私と葛城に任せてもらえれば、南方海域なんてすぐ攻略してあげるから!」



大鳳

『昼の木陰で』


大鳳「いい風……」


大鳳「提督?…ふふ、よく寝てる。」


大鳳「突然、膝枕をしてくれ!なんて言われた時は驚いたけど、たまには…いいわね」


大鳳「……提督、あなたは私たちに勝利を運んできてくれます」


大鳳「そして、私を重用してくれて、私の戦績は古参の人達には及ばないけど、ここの精鋭と呼ばれるくらいには活躍出来ました」


大鳳「…あなたのおかげなのよ?」


大鳳「いつも私を気にかけて、重要な海域にはほぼ必ずと言っていいほど出撃させてくれる」


大鳳「そして……特別な物まで渡してくれた」


大鳳「……ありがとう、提督……いえ、あなた」


大鳳「……え、て、提督……もしかして、起きていました…か?」


大鳳「や、やだ!恥ずかしいです…!」


大鳳「もう!女の子を騙すなんて、ひどいです…」


大鳳「……許して欲しいですか?本当に?」




大鳳「なら…これからも私、大鳳をそばに置いてくださいね?あなた……」





プリンツ

『ドイツ式(?)安眠術』


プリンツ「アドミラールさん!居心地はどうですか?」


提督「いや、非常に心地いい…けど」


プリンツ「けど…どうしました?」


提督「どうして添い寝なんだ?しかもものすごい抱き枕みたいに抱きしめられてるし…」


提督「(胸が顔を心地よく圧迫していて色々すごい)」


プリンツ「嫌…でしたか?」


提督「いや、正直かなり心地がいい……」


プリンツ「よかったぁ…最近アドミラルさんの疲労が溜まっていそうだったので、少しでもお役に立ちたくて…」


提督「む、そうか…バレていたのか。最近はあんまりよく寝れていなくてな。」


提督「よくわかったな。一応誤魔化しきれていたのだと思っていたのだが…」


プリンツ「ふふふ、私を舐めたらいけませんよ♪ビスマルク姉さまにも褒められるくらいにカンは鋭いんです!」


提督「なるほど……」


プリンツ「ほらアドミラルさん。おしゃべりしてないでゆっくりお休みになってください。」


提督「そうは言っても…突然であまり眠く…」


提督「(すごくいい匂い…それに、これはプリンツの心臓の音か……)」


提督「(落ち着く……それに暖かい………)」


プリンツ「アドミラルさんは頑張りすぎです。たまにはお休みしたっていいじゃないですか…」


提督「(ああ…そうだ、な………)」





プリンツ「ふふっ…よーしよーし、ゆっくりお休みになってくださいね。アドミラールさん♪」










不知火

『いつまでもこんな日が続くように』



不知火「司令、こちら本日の書類になります。」


提督「ん。すまんな」


不知火「既に私の方で目は通しておき、あとは司令の捺印で完了します」


提督「んむ。毎度さすがの早さだ」


不知火「ありがとうございます」





不知火「司令、昼食をお取りになってください。そろそろお昼の時間です」


提督「もうそんな時間か…」


不知火「本日はカレーの日です。中辛でよろしかったですか?」


提督「おう、ちょうどいい。助かるよ不知火」


不知火「お褒めいただき光栄です」





不知火「司令、そろそろ業務終了のお時間です」


提督「ちょっと待ってくれ…この書類だけ……」


不知火「その書類は明日でも問題ないはずです。早くご支度なさってください」


提督「ぐ…分かった。少し待っていてくれ」


不知火「はい…コートはこちらです。」


提督「…では帰るか」


不知火「はい」




不知火「司令、湯加減はどうですか?」


提督「ちょうどいいぞ。家に露天風呂は行き過ぎと思ったが、以外にいい物だな……」


不知火「喜んでいただけると、無理にでも通した甲斐があります」


提督「ああ、あの時の俺を説得してくれた不知火に感謝だな」


不知火「………もう少し寄ってもよろしいですか?」


提督「もう寄りかかってくるのに聞くか……お前も呑むか?」


不知火「いただきます……露天で月を酒見に飲むのもオツですね」


提督「だろう?ただ明日もあるから抑え目でな」


不知火「承知しております司令。それでは……」


提督「改めて乾杯するか…」


不知火「はい。それでは……何に乾杯しましょうか?」


提督「そうだな…不知火たち艦娘達に幸あらん事を願ってかな?」


不知火「指令もちゃんと入れてくださいね」


提督「わかったわかった。それじゃあ……」





不知火「不知火達艦娘と、司令に……幸多からん事を………乾杯」










ビスマルク

『褒めてちょうだい』


ビスマルク「提督、特別海域の攻略完了したわ!」


提督「おお、さすがビスマルクだ。ここまで早く終わるとは思わなかったぞ」


ビスマルク「ふふん、もっと褒めてもいいのよ?」


提督「えらいえらい、いつも必ず結果を出してくれるから安心して任せられる」


ビスマルク「そうでしょうやはり貴方には私が付いていないとダメね。まったく」


提督「そんな嬉しそうな顔で悪態つかれてもな…まあいいか」


ビスマルク「♪♪」





ビスマルク「提督…ごめんなさい。艦隊帰投したわ……」


提督「大丈夫かビスマルク!?皆を庇って大破したと聞いたぞ!」


ビスマルク「ええ……でも私は戦艦よ。これくらいどうってこと…いたたっ」


提督「ああほら、無茶しないで早く入渠してきなさい。報告はその後でいい」


ビスマルク「……わかったわ………ごめんなさい」


提督「気にするな。みんなが戻ってきてくれただけで俺は満足だ。海域にはまた行けばいい」


ビスマルク「……danke(ありがとう),アドミラル」





提督「ビスマルク。傷はもう大丈夫なのか?」


ビスマルク「ええ、ゆっくり休んだおかげでもう快復したわ。迷惑をかけたわね」


提督「迷惑だなんて、むしろ俺の不甲斐ない采配でビスマルクを傷つけたかと思うと心が痛むよ」


ビスマルク「気にしすぎはダメよ。私達をこれほど上手く使ってくれる提督はそうはいないわ。誇っていいのよ?

貴方は、私ビスマルクに認められているんだから」


提督「そうか……ありがとう。ビスマルク」


ビスマルク「ふふっ、もっと褒めてもいいのよ?」


提督「ああ…っと、そうだ。その前にビスマルクに渡したいものがあるんだ」


ビスマルク「渡したいもの?突然なんなの?」


提督「気に入ってもらえると嬉しいんだが……」





ビスマルク「戦艦ビスマルク、抜錨!」


提督「ビスマルク!気をつけていくんだぞ!今回の海域はかなり強力な深海棲艦が集結しているらしいからな!」


ビスマルク「安心していてちょうだいアドミラル。貴方の艦隊は……いえ、アナタのFrau(妻)はそう簡単に負けないし、

必ず帰ってくるわ!」


提督「ああ……信じてるぞ、ビスマルク!」


ビスマルク「帰ったら日本式の結婚式をしてみたいの、期待してるわね」


提督「………おう、任せろ!」




提督「…………」


加賀「突如出現した戦艦棲姫と艦隊が接敵、交戦開始。戦況は優位に進んだが、敵の増援もあり、連合艦隊は撤退を開始。

しんがりとしてビスマルクが敵を引きつけ艦隊を援護する……その後の行方は不明………です」


提督「…ご苦労だった。あとは私に任せてゆっくり休んでくれ」


加賀「はい……提督、ビスマルクは………」


提督「あいつは必ず帰ってくる。こちらから捜索艦隊も出す。お前たちは体を休めていてくれ」


加賀「……了解しました」



1週間後


提督「……ビスマルクは見つからず、あったのは敵艦隊の残骸だけ…か」


提督「帰ってこい。ビスマルク……!」


提督「…………こちら泊地、なんだ?」


提督「……なんだと?フードを被った女性がここに?」


提督「なに!?中に入れたのか!?何をしている!ここは最高機密の軍事施設だぞ!」


提督「…わかった。ここに向かってるんだな」


提督「…………鍵は」


??「掛かってないのよね?知ってるわ」


提督「な………に……」


??「帰投したわ。敵を撃滅したのは良かったんだけど。帰りに海流に流されてしまって、見当違いの場所に打ち上げられてしまったの。そこからここまで来るのに時間がかかってしまったわ」


提督「……生きて、いて…くれたのか……!」


??「当たり前でしょう?アナタのFrauはそう簡単に負けないって…言ったでしょう?」


提督「どう……だったかな……っぐ!」


??「ああほら、泣いたらダメでしょう?ほら……」


提督「あぁ……すまないっ!」


??「さて、改めて……」




ビスマルク「戦艦ビスマルク、作戦終了。母港に帰投したわ!

アドミラル、これからも私は活躍するわ。だからもっと褒めてちょうだいね?」











『いつもの朝』


雷「司令官、ほらちゃんと朝ごはん食べて!」


提督「ん~……」


雷「あぁ~髪の毛ボサボサ、ほら梳いてあげるからこっち頭向けて」


提督「んあぃ……」


雷「あ、間宮さん!司令官に定食用意してあげて!いつもので」


間宮「ふふっ、はぁい」


暁「んん………」


雷「ほら暁も、ちゃんとごはん食べて、こぼしちゃうわよ!」


響「…………くぅ」


雷「響起きなさい!二度寝しないでご飯食べちゃって!」


電「…………」


雷「電、ちょっとドライヤー取ってきてくれない?司令官の寝癖かなり手ごわくて…」


電「わかったのです」



あぁほら、ちゃんと食べて!

んぉ~ぅ………

ふぁ~ぃ………

………スヤ……



電「…………」


榛名「あら、電ちゃん。おはようございます」


電「おはようなのです榛名さん」


榛名「ん?すごく笑顔だけど、なにかいいことあった?」


電「いえ、いつも通りの朝なのです」


榛名「そう…それにしてはいい顔してると思いますけど……」


電「いつも通りの、楽しい朝なのです!」


しれいかーん!

ぉ~ぅ…起きてるぞ~……グゥ




雷「しれいかーん!起きて~!朝うちで重鎮会議でしょぉ!しれいかーん!!」













加賀

『指輪はいつですか?』



加賀「いつですか?」


提督「いや、そんな率直に聞かなくても……」


加賀「提督…」


提督「ひっ!はい!」


加賀「私が練度上限になったのはついこの間ではありません。1年前です」


提督「…その通りです」


加賀「さらに他の人には指輪を渡しているようじゃありませんか」


提督「いや、それは戦力向上の為のカッコカリの指輪で…」


加賀「それでも、筆頭秘書艦の私が一番最初でも良かったのではなくて?」


提督「……その通りです」


加賀「はい。それで、いつですか?」


提督「……もう1日待ってくれ」


加賀「また待たされるのですか……」


提督「頼む!あと1日だけ!1日だけでいいんだ!頼む!」


加賀「……わかりました。あと1日だけですよ?」


提督「ああ!それで大丈夫だ!」


加賀「……それでは私は演習がありますので、失礼します」





提督「……行ったか。」


提督「…………私だ。あれは出来てるか?」


提督「……ああ、サイズは前話したサイズで間違いない……ありがとう」


提督「それでな……明日までに用意はできるか?」


提督「っ!……ああ、すまないと思っているが、カッコカリの指輪をさっき急かされてな」


提督「私だけなぜ……とね」


提督「………ああ、予算は惜しまん。存分にやってくれ」


提督「もちろん自腹だ、今までこんな高い買い物はしたことがない」


提督「……ああ、頼んだ。今度奢るよ」


提督「なに!?艦娘も一緒にだと!?…………わかった、考えておく」


提督「……頼むぞ」


提督「…………さて、場所は料亭でも予約するか……それとも皆の前で宣言するか……」






提督「………あぁぁぁ!緊張する!頑張れよ俺!意地見せろぉ!ここまで待ってくれたんだ!答えてやれ!」





翔鶴

『ねぎらいあい』


翔鶴「あっ……提督、そこ……そこです…」


提督「ここか?」


翔鶴「んぅ…はい、いい感じです……」


提督「難しいものだな。強すぎないか?」


翔鶴「はい……ちょうどいいです」


提督「そうか……しかしMVPの褒美にマッサージをしてくれとは」


翔鶴「お嫌でしたか…?」


提督「いや、そんな事はない。今回の海戦は翔鶴の活躍なく勝利は取れなかった。それも味方艦に損害を出さない完全勝利だ」


翔鶴「ふふっ、ありがとうございます提督。そう言っていただけて、私は満足です」


提督「今日は……もう執務も終わったし、ゆっくりしてくれ……っ」


翔鶴「はい……お言葉に、甘えさせていただきます」


提督「……ほら、どうだ?」


翔鶴「おかげで体が軽くなりました。ありがとうございます」


提督「そうか…よかった。また腕を磨いておくとしよう」


提督「では俺はそろそろ自分の部屋にもどるよ」


翔鶴「あぁっ、待ってください提督!」


提督「?どうした翔鶴?」





翔鶴「次は…私が提督をねぎらう番です。さあ、こちらに横になってください。私のマッサージ、正規空母の皆さんに好評なんですよ?」






阿武隈

『期待』



阿武隈「提督!前髪直してください!」


提督「またか……ほら、顔近づけて」


阿武隈「はいっ!お願いします!」


提督「前は自分でやっていたじゃないか……」


阿武隈「提督が直してくれると綺麗に決まるんです。女性の大事な髪を触らせて上げてるんですから、丁寧にお願いします」


提督「はいはい………」


阿武隈「んぅ……提督に触られると、すごく気持ちいいです………」


提督「そうか……痛くないか?」


阿武隈「大丈夫です。ちょうどいい具合ですよ!」


提督「ん……ほら、直ったぞ」


阿武隈「ありがとう提督!……うん、いい感じです♪」


提督「まったく、これから輸送隊護衛だろ。きびきび働いてこいよ」


阿武隈「はい!阿武隈、ご期待に応えます!」


阿武隈「提督も、あんまり無理はしないでくださいね?」


提督「肝に銘じておくよ……じゃあ、いってらっしゃい阿武隈」





阿武隈「はぁい!阿武隈は、やるときはやっちゃうんだから!期待しててね♪」



村雨

『村雨さんにも息抜きを』




村雨「♪♪」


提督「あの…村雨さん?」


村雨「あら、何かしら?」


提督「なんで私の膝の上に座っているのでしょうか?」


村雨「ん~、このまえ提督が私たちをこき使ってくれたお陰で、だいぶまいっちゃったの…」


提督「う……」


村雨「新しい海域の攻略が可能になったら、なにかご褒美をくれるって言ってたし……ね?」


提督「確かに…褒美はやろうと言っていたが…これが?」


村雨「ええ、木陰の下、提督の膝の上で…一緒にのんびり日向ぼっこ……それが私へのご褒美」


提督「もっと他にないのか?例えば間宮の食べ放題件とか…」


村雨「私はこっちがいいのよ。提督さんはお嫌だったかしら?」


提督「まさか、こんな美少女を膝の上に乗せられて、大変恐悦至極に存じます。」


村雨「よろしい。美少女って言ってくれたのも評価が高いわよ提督♪」


提督「はいはい。ありがたいことです」






村雨「じゃあ、このまま一緒にお昼寝して。しっかり私を癒してちょうだいね♪」





弥生

『気を使ってください』




弥生「司令官、今日のお仕事は…」


提督「ああ、今日は鼠輸送を頼む。最近は深海棲艦の動きが活発で、護衛も精鋭を付けるようにと言われていてな」


弥生「了解です…ということは…睦月と、望月も一緒に……」


提督「ああ。うちの精鋭駆逐艦を付けるから。あと新任の秋月も連れて防空を担わせてやってくれ」


弥生「秋月も…ということは防空の先任、初霜も連れていけばいいんですね…」


提督「察しがよくて助かる。秋月は今後も鼠輸送の防空を任せたくてな」


弥生「分かりました……」


提督「うむ。今回も期待してるぞ」


弥生「はい…では司令官…いつものを、お願いします」


提督「おう、もうちょっとこっちに……よし」


弥生「…………んっ」


提督「よーしよし、今回も頼んだぞ弥生」


弥生「は、い…任せてください」


提督「しかし、任務の前に頭を撫でるのが日課になるとはな」


弥生「それは……んぅ、司令官が…気を使わせてくれと、せがむ…からです」


弥生「だから弥生は、仕方なく……撫でられているだけ。です」


提督「そうか…これからも撫でてやりたいから、俺に撫でられてくれよ?」







弥生「はい……仕方ないので、気を使わせてあげます……ん………」





羽黒

『映画鑑賞』




羽黒「司令官さん…あの、お呼びでしょうか?」


提督「おお羽黒!今非番だったよね?」


羽黒「えっ、はい…今日は1日非番ですけど…」


提督「よっしゃ、じゃあ映画鑑賞でもしないか?」


羽黒「えぇ…とつぜんどうしたんですか?」


提督「いやなんとなく…早速1本目!」


羽黒「もう準備していたんですか!?」




ミ○ト鑑賞後


羽黒「し、司令官さん……最後が…」


提督「まさかあんな展開になるなんて…最後の数分で全部持っていったな……」


羽黒「それに…出てくる怪物が、すごく……怖くて…うぅ」


提督「さ、さぁ!次行こう次!」




ブラッ○ホークダウン鑑賞後


羽黒「うぅ……皆さん。可哀想です……グスッ」


提督「あぁ!羽黒そんなに怖かったのか!?」


羽黒「だって、皆さんあんなに頑張ったのに……」


提督「まあものすごいフラグ立てまくってたけどな…」


羽黒「グスッ……司令官さん!」


提督「さ、さあ次だ次!」





提督「そして……」


羽黒「クラリス…トッペマ……」


提督「羽黒が限界になりそうな所でやめました」


羽黒「しれいかんさぁん………」


提督「おおよしよし。映画の選択を間違えてしまったよ…ゴメンな羽黒」


羽黒「本当です……司令官さんたら…」


提督「す、すまん……」


羽黒「し、司令官さん…あの、映画を見て、すごく怖くなってしまいました…」


提督「だ、大丈夫か?今回は映画の選択を誤った俺に責任があるからなんでも聞くぞ?」






羽黒「で、でしたら……今日、夜眠れるか心配なので、一緒に寝てくれますか……?」




青葉

『言うこと聞いて』


青葉「ふおおおお……これが最新式の1眼レフ……青葉感激です!」


提督「それものすごい高かったんだからな…壊すなよ?」


青葉「壊したりなんかしませんよ!いやぁそれにしても太っ腹ですね提督!よっ!」


提督「最近の泊地でのめざましい活躍が評価されての給与アップだ。お前らのおかげでもあるしな」


青葉「あぁ~なるほど!それでも感謝ですよ!なんなら提督の言うことを一つだけ聞いてあげてもいいくらいです!」


提督「ん?今なんでもって言ったよね?」


青葉「いやぁ、いい性能です本当…え?」


提督「今なんでもいいって言ったよね?」


青葉「え、ええ…言いました、けど…」


提督「いやぁちょうどよかった。一つ頼みたいことがあったんだ」


青葉「ええぇ……本当にあったんですか?」


提督「なにか?」


青葉「いいえ!なんでも!」


提督「そうか」


青葉「まさか新海域への出撃…それとも練度上限到達の遠征任務へ駆り出し…ええいもうなんでもこいです!」


提督「青葉、ケッコンしてくれ」






青葉「はい喜んで!……………え?」




龍鳳

『私は甘い』



龍鳳「ふんふ~ん♪」


提督「…龍鳳!」


龍鳳「きゃっ!?提督?突然どうされました?」


提督「頼む!かくまってくれ!押入れの中に入らせてもらうぞ!」


龍鳳「あ、ちょっと提督……」


雷「龍鳳さん!司令官ここに来なかった!?」


龍鳳「い、雷さん…いえ、こっちには来てないみたいですが…」


雷「そう、ありがとう!しれいかーん!」


龍鳳「………提督、雷ちゃんは行きましたよ?」


提督「そうか…ありがとう龍鳳。助かったよ」


龍鳳「それで、なんで提督は追われてたんでしょうか?」


提督「あはは…ちょっと休憩しようとしてタバコ吸ってたんだけど…雷に見られちゃって」


龍鳳「ずっとタバコ吸っちゃダメ!って言われてましたね……」


提督「ちゃんと抑えて喫煙所で吸ってるんだがなぁ…」


龍鳳「抑えても体に悪いことに変わりはありませんからね」


提督「うっ…そう言われると何も言い返せない…」


龍鳳「人の事は言えないですけどね…」


提督「龍鳳も喫煙するからな…」


龍鳳「そうなんですよね……」


提督「よっしゃ、ちょっと一服しに行くか」


龍鳳「もう。懲りないんですね提督は……」


提督「ははは……」






龍鳳「……はい、提督。行きますよ」


提督「おう、今行く」


しれいかーん!





衣笠

『慢心厳禁』


衣笠「提督…」


提督「なんだ……」


衣笠「いい加減寝ましょうよ。これで2日続けて徹夜になっちゃいます」


提督「…いや、もう少しだけ……」


衣笠「提督……」


提督「この前の作戦失敗で資源の調達が難しくなってしまったおかげで、改二もままならない状態になってしまったからな…」


提督「だから他の所でやりくりして行かないと…」


衣笠「提督のせいじゃない……私達が、まんまと駆逐の陽動にかかって戦艦とレ級にやられたのがいけないんだから」


提督「陽動を警告してなかった俺の怠慢だ……」


衣笠「ちが……」


提督「いや、これは俺の責任だ。自分の失態は自分で拭う」


衣笠「……わかったわ。でもこれ以上の無理だけはダメ。しっかり寝てからじゃないと、艦隊の士気にも影響がかかっちゃう」


提督「ああ……これが終わり次第仮眠を取るよ……ありがとう衣笠」


衣笠「うん……」





提督「………うぅ」


衣笠「!!提督、提督しっかり!」


提督「……ここは…どこだ?」


衣笠「泊地の医務室。提督は夜戦の指揮中に倒れたの。無茶のしすぎで…」


提督「なに……みんなは?」


衣笠「私の指示で撤退中…もう少しで戻ってくるわ。全員無事」


提督「そうか……」


衣笠「提督。私言ったわよね?これ以上の無理はダメだって」


提督「ああ……聞いていた」


衣笠「その上で無視して執務をしていたのね?」


提督「……ああ、していた。私の責任だ」


衣笠「幸い今回の夜戦での被害はなし、みんな無事に帰投から良かったけど」


提督「取り返しのつかない事をしていたかもしれないな…」


衣笠「提督が無茶をしなければこんな事にはならなかったわね…」


提督「…返す言葉もない」


衣笠「通常の執務は私と大淀でなんとか出来ますから、提督は大人しく体を休めてください」


提督「…わかった。早く治すことを第一にしよう」


衣笠「それでいいの。じゃあ私はもう行くから」


提督「……衣笠」


衣笠「ん?」


提督「すまなかった……お前の言うことを聞いていれば…」


衣笠「ああ、気にしないで。提督がそういう性格なのはよく知ってるし」


提督「しかし、みんなの命を無駄に散らす可能性だってあったんだ……」


衣笠「……そうそう、ある方から伝言を預かっています」


提督「伝言?」


衣笠「んっん……『私達のことをもっと信頼してください。貴方の旗下でこの力は発揮されるのですから』との事です」


提督「……それ神通からだろ?」


衣笠「あら、ばれちゃいましたか」


提督「そりゃあ、旗下なんて言い回し。あいつか朝潮くらいしか使わない」


衣笠「あははっ。そうでしたね」


衣笠「ともあれ、私達の力は提督の下で初めて発揮されると確信してます。その期待を裏切らないでくださいね?」


提督「…わかったわかった。その期待に応えるために今は休むよ」






衣笠「ん。あとのことは私達に任せて、提督は休養をとってね…………お休みなさい……」 .



祥鳳

『梅雨の季節』




祥鳳「……ふぅ……」


提督「祥鳳?」


祥鳳「!?て、提督!失礼しました!」


提督「いや喫煙所でまで気にしなくていい」


祥鳳「はい……ありがとうございます……」


提督「……ん?祥鳳、火持ってる?」


祥鳳「あ、はい。マッチですが……どうぞ」


提督「あぁ……ふぅ、すまんな」


祥鳳「いいえ」


提督「……雨、止まないな」


祥鳳「…はい、止みませんね」


提督「この時期は嫌いか?」


祥鳳「そこまででは…でも、やっぱり昔を思い出してしまいますから」


提督「祥鳳が生まれた時期であり、水底を見た時期でもあるからな…」


祥鳳「はい…ですが……」


提督「もう水底を見る気はない…だろう?」


祥鳳「その通りです。この泊地の皆と…提督と一緒なら、必ず」


提督「祥鳳にも期待してるぞ?軽空母のトップエース様?」


祥鳳「私なんて……いえ、そうですね。私がいる限り、深海棲艦に遅れは取りません」


提督「お、自信満々だな」




祥鳳「はい!この祥鳳、提督と皆の為、これからも機動部隊の精鋭として努力させていただきます!」





赤城

『空母先任の矜持』



赤城「ああ雲龍、もっと姿勢を正して…天城は少し射るのが早いです。葛城はもう少し的を意識するといいですね」


赤城「どう?……ふふ、良かったわ。間宮さんに教えられて初めて作ってみたのだけど。口にあってよかった」


赤城「暁さん。改二になったからと言って、慢心は禁物ですよ?……分かっていればいいのです」



赤城「ふう、今日も一日大変でした…」


提督「お疲れ赤城。気分はどうだ?」


赤城「上々です…提督の膝枕というのも、オツなものですね」


提督「本当は男女の位置が逆なのが多いんだけどな…男の太腿って固くないか?」


赤城「確かに筋肉質で少しかたい…?と思いますが、別段気にしておりません」


提督「そうか」


赤城「ええ、提督にしていただいていると思うだけで、心が穏やかになっていきます…」


提督「こんなところは他の皆には見せられないな。いつもは皆に頼られる空母の先任なんだから」


赤城「もちろんわきまえておりますよ。おおやけの場所では頼りになる先任の空母赤城として、ちゃんと皆を指導しております」


提督「それなら結構。今は存分に甘えてくれたまえ」



赤城「はい♪今は私だけの提督、そして提督だけの私です。思う存分甘え甘えられ……です♪」




イムヤ

『look at me』



イムヤ「司令官」


提督「ああイムヤか、ちょっと待ってくれ…ああ!島風走るな!ちゃんと髪の毛乾かせ!」


イムヤ「あの、しれいか…」


提督「時津風!風呂上がりにくっつくな。制服がびしょ濡れになるだろ!夕立は体振って水飛ばすな!」


イムヤ「…………」


提督「まったく……それでイムヤ。どうかしたか?」


イムヤ「……ううん。なんでもない」


提督「あっ!イムヤ!……なんだったんだ?」






イムヤ「司令官。今ちょっといい?」


提督「ん?イムヤか。少し待っててもらえるか?もう少しで書類が片付きそうだから」


イムヤ「…わかったわ。ここで待ってる」


提督「いや、食堂とかで待っててもらっても構わんぞ?」


イムヤ「いいの。ここで待ってる」


提督「そうか……うし、ならちゃっちゃと終わらせるか!」


提督「ん、外線か。もしもし?………なに!?」


イムヤ「!?」


提督「それで、あとどれくらいで到着されるんだ?………わかった、とりあえず出迎えの準備をする…ん、じゃあな」


イムヤ「………司令官どうしたの?」


提督「ああ、本土勤務の知人から、今日抜き打ちの査察があると連絡があってな。今から出迎えの準備をしなければいけなくなった」


イムヤ「査察?そんな突然……」


提督「なんですまん!先にこっちを片付けていいか?」


イムヤ「…………」


提督「…イムヤ?」


イムヤ「…しかた、ないよね。早くいってきて」


提督「すまんイムヤ!あとで必ず時間作るから!じゃ!」


イムヤ「…………」





提督「あぁ~やっと終わった。もう日を跨いだぞまったく…イムヤはもう寝てるだろうな」


提督「とりあえず執務室片付けるか」


提督「…ん?鍵空いてる?」


イムヤ「…………おかえり司令官」


提督「イムヤ!?どうしたんだ!こんな時間まで待ってたのか!?」


イムヤ「うん…すぐ帰ってくると思って……ここで待ってた」


提督「部屋も暗いし……風邪引いたら心配だ。今日は風呂入って寝よう」


イムヤ「……ねえ、司令官…………」


提督「なんだ?」


イムヤ「私って、司令官の傍にいてもいいの?」


提督「…………」


イムヤ「司令官。最近私の事見てくれなくて……胸が痛いの」


イムヤ「前はこんなことなかった…最近になって、もっと司令官に見て欲しい。もっと褒めて欲しいって思うようになったの…」


イムヤ「この前なんて提督と話してる駆逐艦の子達にすら嫉妬してた……」


イムヤ「私って、ひどい子だよね……」


提督「そんなことない」


イムヤ「………」


提督「そんなことない。絶対に」


提督「イムヤがひどい子だなんて、あるわけがない」


イムヤ「…………」


提督「イムヤ、こっちおいで」


イムヤ「…………ん」


提督「…あったかいなイムヤは、抱きしめてると、すごく安心する」


イムヤ「……私も、司令官とぎゅうってしてると、とってもあったかくて、安心する」


提督「あまり避けていたわけじゃないんだが……自然と恥ずかしくて見なくなってたのかもな」


イムヤ「司令官?どうしたの?」


提督「いや、なんでもない」


提督「……なあイムヤ。俺たちってケッコンカッコカリ、しただろ?」


イムヤ「うん…司令官がくれた指輪、今も大事につけてる」


提督「それ俺が選んだわけじゃなくて、軍からの支給品なんだ」


イムヤ「知ってる。でも司令官が直接私にはめてくれたから、とっても大事にしてるよ」


提督「あぁ~すごく嬉しい……が、実は一つお願いがあるんだ」


イムヤ「お願い?いいよ、司令官のお願いならなんでも聞いてあげる」


提督「そう、か……ありがとう」


イムヤ「それで?お願いって何?」


提督「うむ……肌身離さず持っていたのが功を奏したな」


イムヤ「…?」


提督「ん゛ん゛っ!……イムヤ、一度しか言わないからよく聞いてくれ」


イムヤ「……わかった」





提督「……………愛してる。俺とカッコカリじゃない結婚をしてくれ!もうお前なしじゃ生きていけないんだ」




鳳翔

『髪は女性の命』


提督「……こんな感じでいいか?」


鳳翔「はい、お上手ですよ提督」


提督「しかしいきなり髪を梳いてくれと言われたときは驚いたよ」


鳳翔「ええ、執務の終わった所を見計らってお願いいたしました」


提督「そうか…なにぶん女性の髪を触ったことなんてそうそうないから痛くしないか不安でならないよ」


鳳翔「いえ、とても優しく梳いていただいてますので、とても気持ちいいですよ」


提督「そう言ってもらえると助かる」


鳳翔「あ、提督…もう一つお願いが…」


提督「え、もう一つか?」


鳳翔「……お嫌、でしょうか?」


提督「わかったわかった。聞くからそんなに悲しい顔をしないでくれ。こちらまで悪い気持ちになってしまう」


鳳翔「そうですか……なら櫛ではなく、手で髪を梳いてもらえますか?」


提督「ん?手って…指でか?いいのか?」


鳳翔「はい。是非お願いします」


提督「わかった………よっと…どうだ?」


鳳翔「んっ……ええ……とても暖かくて、落ち着きます」


提督「鳳翔は食堂も手伝ってくれて、それに駆逐艦たちの子達も面倒見てくれてるし、これくらいはな」


鳳翔「ふふふ、なら今だけは……提督に甘えさせてもらいます」


提督「ははは…しかし…よかったのか?」


鳳翔「何がです?」


提督「女性の髪ってとても大事なものだろ?それを俺に触らせて……」


鳳翔「ああ…そのことですか……んぅっ」


鳳翔「もちろん……みだりに触らせたりはしません…」




鳳翔「提督だから……ですよ?」





明石

『最新型防衛装置』


明石「提督…この装置は一体…」


明石「新兵器…MSと、戦術機ですか?」


明石「…はい、艦娘の装備は基本金属ですが、その金属の量は多くありません」


明石「今までの兵器に比べて金属、そして希少資源も少量で済むのも利点ですが、その分を他の兵器に回した…と」


明石「しかしまさか人型とは……」


明石「あ、いえ!不満があるわけではないんですが、いかんせん2脚タイプの兵器はバランスが取りづらいので使いづらいのではと…」


明石「……はい、汎用性は非常に高いですね。手の部分のマニピュレーターが高性能なのは知っています。これで資材搬入なども効率的に行うこともできます」


明石「しかしこれでは…海からやって来る深海棲艦の相手にはあまり向かないかなと…」


明石「……はい、了解しました。整備等はマニュアルが届き次第作業にかかります。」


明石「それでこれはうちに何機配備されたのですか?……試作機1機、先行量産機3、専用機1…?」


明石「専用機は誰が……て、提督が自ら乗るんですか!?」


明石「ダメです!こんな巨大で人型の兵器なんて、深海棲艦に真っ先に攻撃されます!」


明石「……わかっています。それを守るのが艦娘の役目だというのでしょう?」


明石「わかりました。けど絶対に無茶はしないでくださいね!絶対ですよ!?」


明石「…はい、ではこちら5機は受領致します。」




明石「提督も乗る機体ですから、整備は万全に致します!明石にお任せ下さい!」




『改二よ!司令官!』



暁「司令官!わたし、ようやく改二になれたわ!」


暁「最近になってようやく設計図が見つかったみたいなの!」


暁「もう、レディーをこんなに待たせるなんて!失礼しちゃうわよね!」


暁「それで、響もようやく改二になってヴェールヌイになれたし、」


暁「響ってば、ずっと前から改二にはなれたのに、私が改二になるまで待っててくれたみたいなの」


暁「……いい妹よね。本当に……」


暁「雷も…私のせいじゃないなんて……電だって、落ち込んでる私を…支えてくれた」


暁「みんな、自慢の妹たちよ……」


暁「………ねえ司令官。私、これでまた一人前のレディーに近づけたわ」


提督「…………」


暁「早く起きないと……おじいちゃんになっちゃうわよ?……司令官」


暁「深層海域で私をかばって、ずうっと眠り続けて……もう半年」


暁「みんな欠かさずお見舞いに来るけど、最近は深海棲艦の動きが活発になり始めた海域にでずっぱり…」


暁「私が入れ替えてるけど……花も、もう枯れそうだね」


暁「……司令官は、こんな風にいなくなったりしないわよね?」


暁「私達の所からいなくなったりなんて……しない、わよね…グスッ」


暁「……グスッ、しれい、かん……」


暁「起きてよ……起きてよぉ!」


暁「起きて……私を褒めてよ……」


暁「よくやった…頑張ったなって……頭を撫でてよぉ……うぅ……」


提督「…………」


暁「お願いだから……目を開けてよ……司令官!」


提督「…………き………」


暁「司令官!……しれいかん……!」


提督「…あ…か…つき…」


暁「………え、しれい…かん?」


提督「……もう、一人前の……レディー……だな」



提督「綺麗に……なったな…………そんなお前を置いて……逝けないよな」


暁「……グスッ!し、しれいかん………うわぁぁぁぁぁぁ!」


提督「…おおっ、いてて…そんなに慌てるなって……」


暁「しれいかん!…司令官!しれいか……ん!」


暁「もう、暁を……レディーを一人ぼっちにさせたらダメなんだから!」




川内

『オトナな川内』


川内「……はい、これでよし。あとは大人しく寝てれば治るよ」


川内「ほら、おとなしく寝なって……ん、おやすみ」


提督「お疲れ川内」


川内「あ、提督。おつかれさま~」


提督「あの子で最後か?」


川内「そ、今日はもうおしまい」


提督「おつかれさん。今日はどうする?」


川内「え?うぅん……やめとく。みんなも疲れてるだろうし」


提督「そうか…?綾波とか夕立なら喜んで行きそうだが」


川内「夕立はともかく、綾波はまだダメ。改二になったばっかりで猪突猛進になりそう」


提督「そうか…川内がそう言うならまだ経験積ませるか……」


川内「ん、そうしてあげて。まだ夜戦に連れて行くには実戦経験がまだ甘いから」


提督「…………」


川内「……どうしたの?突然見つめて」


提督「いや、だいぶ大人になったなぁって思ってな……」


川内「大人?」


提督「さっきも夜戦演習で怪我した駆逐の傷を見てやっていたし、今じゃ夜戦で右に出るのはいないくらいだ」


提督「それに夜間警備まで率先してやってくれて、おかげで俺たちは安心して夜は寝れる」


川内「もう……おだてたってなんにもでやしないよ?」


提督「いやいや、素直に褒めてるんだって。前は夜戦だ夜戦だ!って騒いでいただけなのに」


川内「私も成長するってことだよ」


提督「そこで成長して頑張ってくれている川内になにか褒美を上げようと思っていてな……何がいい?」


川内「え?うぅん……いつも突然だよね。提督って」


提督「ほっとけ。ほら、何がいいんだ?間宮券か?外出許可か?外出なら何人か一緒に……」


川内「あ!一個あるよ。欲しいご褒美」


提督「お、なんだ?やっぱり外出きょ………」


提督「……突然どうした。夜とはいえ泊地内の医務室だぞ?誰か来たりしたら…」


川内「こんな夜に来るなんて、よっぽどのもの好きか、出歯亀狙いの記者だけだよ」


提督「記者はいるからなぁ……部屋でじゃ嫌か?」


川内「ん~…部屋でもいいけど、今はすぐにご褒美が欲しい気分なんだよね」


提督「そうか……お手柔らかに」



川内「ふふ、あんまり保証はできない……かな?」



伊勢

『月の酒』


伊勢「………静かだねぇ」


提督「……だな」


伊勢「こうして提督と二人で酒呑んでタバコ吸って月を見るのも久しぶりだよねぇ」


提督「だなぁ…今はだいぶ大所帯になったからな」


伊勢「提督、火ぃちょうだい。マッチ切れた」


提督「ん?ほら……」


伊勢「んぃ……ふぅ」


提督「吸いすぎだぞ」


伊勢「提督が吸うのやめたら私もやめるよ」


提督「……ほどほどにしとけよ」


伊勢「提督もね~」


提督「……なあ伊勢」


伊勢「ん~?どした?」


提督「この泊地……初めて来た時と比べてどうだった?」


伊勢「どうってねぇ……艦娘はたくさん来てたよね…」


提督「あぁ…さっきも言ってたが、こうして二人で静かに月を見るのも久々だしなぁ」


伊勢「騒がしいのはいい事さ。最初の頃は私の他には駆逐艦の子達と軽巡しかいなかったねぇ」


提督「あの時はびっくりした。重巡すっ飛ばしていきなり戦艦が出てきてな」


伊勢「あの時の提督の顔ったらなかったよ!いやぁ、今でも酒の肴になるくらいさ」


提督「言ってくれるな。思い出しても恥ずかしい……」


伊勢「いやぁ、あのうだつのあがらない提督様が、よもや中将まで昇進されるとはねぇ」


提督「ほっとけ」


伊勢「まあ、それだけの活躍もしてたしね。逆にここまで昇進しなかったのが不思議なくらいさ」


提督「……そんなことないさ」


伊勢「ま、まだ自信がついてないのが唯一の欠点かな?」


伊勢「……んん!そろそろいくわ」


提督「そうか……」


提督「向こうでも、達者でやれよ」


伊勢「提督は、ゆっくりきなよ?」


提督「もちろんだ。お前が守ってくれたこの泊地も、艦娘も全員守ってみせる」


伊勢「そう……なら、守った甲斐があるってものよ」


伊勢「……じゃあ、またね提督」




日向「…提督、こんなところにいたのか。もう夜が開ける……」


提督「日向…わかった。すぐ戻るよ」


日向「……杯に、灰皿がもう一つあるが……誰かいたのか?」


提督「……ああ、いた」




提督「とても、大切な……子がね」





蒼龍

『最近見てくれない…』


蒼龍「見て提督!アジサイ柄の可愛い浴衣ですよ!どうです?似合いますか?」


提督「お、似合うなぁ蒼龍」


蒼龍「え?ほんとう!?ならこれにしちゃおうかなぁ……あ、でもこっちの方もかわいい~!」


提督「は、はは……まあ好きなものを選んでくれ」


蒼龍「もちろん!最近提督が私の事見てくれないって言ったら……なんでもする!って自分で言ってたもんね」


提督「そ、その通りです……」


蒼龍「ここで浴衣買ったらそのあとはアクセサリー買いに行くからね!」


提督「ははは……はい」





蒼龍「はぁ~楽しかった!こんなにいっぱい買い物できたし」


提督「ま、満足してもらってよかったよ……」


蒼龍「これで最近私のことを構ってくれなかったことはおおめに見てあげます」


提督「さ、さいですか…」


蒼龍「それで、そろそろ教えてもらってもいいですか?」


提督「な、何がかな?」


蒼龍「私のことを最近避けていた理由です!なんでですか?」


提督「いやぁ、それは…」


蒼龍「……教えてくれないんですか?」


提督「その目で見ないでくれ…」


蒼龍「ていとくぅ……」


提督「んんんん………わかったわかった!言うから!」


蒼龍「ふふっ、やった♪」


提督「まったく……」


蒼龍「それで、どうして避けてたんですか?」


提督「あぁ~…それはだな」


蒼龍「それは?」


提督「いや、これを取りに来ていて……な。いざとなってから怖気づいてしまって…」


蒼龍「怖気づいた…?」


提督「だから、だな…」




提督「この、指輪を渡したかった……んだよ。うん」


蒼龍「へぇ~指輪を…………え?」






秋月

『一日』





秋月「………んぅ」


秋月「んっしょ………朝ですね」


秋月「司令は……まだお休み中ですね」


提督「…………」


秋月「寝てます…よね?」


秋月「起きませんよ~に……そ~っと…」


秋月「…よし」


秋月「…あなた~、朝ですよ~」


提督「…んん」


秋月「今日は二人でお出かけするんじゃないんですか~?」


提督「……あき、づき……」


秋月「………ふふふ♪」


秋月(夢の中まで私がいるんですね。少し嬉しいです♪)


秋月「しれいか~ん……起きましょうよ~」


提督「………んぁ?」


秋月「あ、お目覚めですか?」


提督「…ああ、おはよう秋月」


秋月「はい!おはようございます司令」


提督「……俺枕で寝てたよな?なんで今秋月に膝枕されてるんだ?」


秋月「あ、先ほど私も起床しまして、その…申し訳ないと思いましたが、起こさないように…」


提督「なるほどね……」


秋月「ご迷惑…でしたか?」


提督「まさか、起きてすぐ秋月の顔が見れて幸せだなぁって思ってな」


秋月「ほ、本当ですか?」


提督「ああもちろん」


秋月「ありがとうございます!さ、もう起きて朝ごはん食べましょう!」


提督「そうだな…今日は二人で出かけるしな」


秋月「二人での休暇が取れたのは今日だけですからね!」


提督「お、元気だな秋月。そんなに嬉しいのか?」


秋月「は、はい…その…け、ケッコンしてふたりっきりは、初めてなので…」


提督「…………」


秋月「……?司令?」


提督「かわいいなぁ!秋月は!」


秋月「ひゃあ!」


提督「あぁ~愛い奴じゃのう秋月は~」


秋月「なんで利根さんみたいな喋り方して撫でくり回すんですか~!」


提督「可愛いのぉ秋月は~ほれほれ~」


秋月「あっ、ちょっとしれいかん!やめ!」


秋月「やめてぇ~!!」




提督「なぁ…機嫌直してくれよ秋月」


秋月「いやですっ!やめてって言ってもやめてくれなかった司令がいけないんですっ!」


提督「ごめんよぉ秋月。頼むよ~」


秋月「………本当に反省してますか?」


提督「してるしてる」


秋月「……なら、許してあげます」


提督「ほ、ほんとか!?」


秋月「代わりに、今日のデ、デートはしっかりとエスコートしてくださいね?」


提督「うぐっ…仕方ないな……」


秋月「…お願い致しますねしれい」


提督「わかったよ……では行こうか、お姫様?」


秋月「…は、はい!」


秋月(お、お姫様!お姫様って!!)


秋月「……ふふふっ♪」


提督「秋月?」


秋月「ひゃ!な、なんでもないです!」


提督「そ、そうか…それじゃあ着替えて飯食って行こうか」


秋月「はい。では着替えてきますね」


提督「おう」




提督「あっつー……もうそろそろ夏だなぁ」


秋月「司令!お、お待たせしました」


提督「お、白いワンピースに白リボンの麦わら帽子か」


秋月「この前買っていただいてから着ていませんでしたので、ちょうどいいかと思いまして」


提督「似合ってる。すっごくカワイイ」


秋月「か、かわっ……」


提督「シンプルイズベスト。秋月は着飾らなくても十分カワイイな」


秋月「ううっ…金剛さんに選んでもらった時も言われました……」




金剛「アッキーは素材がいいから、ナチュラルメイクにシンプルな服装がベストデース」


金剛「本当ならもう少しメイクはするんデスけど、素材がグッドだとこれだけでベリーキュートデース!」




秋月「と言われて…」


提督「そりゃあうちの嫁さんは美人だからな、何着ても似合うだろう。」


秋月「うぅ……嬉しいけど、凄く恥ずかしいです……」


提督「そんなに麦わら帽子ふかくかぶらんでも……」


秋月「は、恥ずかしいです司令!」


提督「わかったわかった。この話はおしまいにしよう。ほら行くぞ?」


秋月「……手、繋いでください」


提督「ん……小さいな」


秋月「司令の手は、大きいですね…それに、ゴツゴツしてます」


提督「男の腕だからな、ゴツゴツしてるだろう。さらに一応軍人だしな」


秋月「でも、凄く……暖かくて、安心します」


提督「お気に召したなら良かった。行くぞ」


秋月「はい!」




秋月「はぁ~…泊地の近くにこんな大きなしょっぴんぐもーる?が出来ていたんですね」


提督「最近は深海凄艦の襲撃も無かったし、だいぶ発展してきたな。それもこれも秋月達が頑張ってくれているおかげだ」


秋月「そ、そんな!秋月はまだまだ新米ですし…最初期の海を解放した初霜さんや雷には及びませんし…」


提督「その二人が秋月には安心して任せられるって言ってるんだよ。おかげで二人は後進の育成に集中できている」


秋月「お二人がそんな事を…」


提督「まあ、秋月はもう少し自信を持って良いぞ……お、着いたぞ秋月」


秋月「はい……ここは?」


提督「まあ普通のどこにでもある服屋だな」


秋月「しかし、男性物はほとんど置いてない気がしますが…」


提督「もちろん秋月の服を買いに来たんだ」


秋月「え!?そんな!このワンピースも買っていただいたばかりなのに!」


提督「そりゃあもちろん。俺の嫁さんには綺麗でいてほしいし、不自由なく暮らしてほしいからだ」


秋月「し、司令……」


提督「まあ本音は秋月にいろんな服着せて俺がにやにやしたいだけだがな」


秋月「……え?」


提督「さあ行くぞ秋月!あのスカートとかどうだ?色も抑え目でいい感じだと思うぞ!」


秋月「え、ちょっと司令!さっきのどういう事ですか!司令!?」



秋月「司令ってば~!返事してくださ~い!」


提督「いやぁ買った買った」


秋月「うぅ…色々試着させられてしまいました…」


提督「店員さんもノリノリで選んでくれたなぁ。」


秋月「司令も一緒に選んでましたね…」


提督「久しぶりに服選びで楽しかったよ。選ぶ相手が嫁さんていうのもあるのかね?」


秋月「よ、よめさん………えへへ」


提督「お、秋月も楽しかったか。よかったよかった」


秋月「…今日のお出かけは楽しかったです」


提督「今日のデートは楽しかったなぁ」


秋月「で、デート……」


提督「顔真っ赤じゃないか秋月」


秋月「な、なんでもありません!」


提督「そうか…もう泊地着くぞ」


秋月「は、はい…でも、荷物を全部持たせてしまって…」


提督「ここは男を立ててくれ。嫁さんに重いものを持たせるわけにはいかん」


秋月「司令……ありがとうございます」


提督「…秋月」


秋月「はい?」


提督「また、デートしような」


秋月「…はい」


提督「また、二人で買い物行こうな」


秋月「はい」


提督「……愛してるぞ秋月」


秋月「……私もです」


提督「…これからも艦隊を頼むぞ」





秋月「はい!この秋月、艦隊も司令も!きっとお守り致します!」




矢矧

『そ~いうことなら私からも仕掛けてもイイのかしら、ねっ?』


矢矧「……失礼します」


提督「おうお疲れ。今日は?」


矢矧「空母と軽巡級の編成での演習と模擬戦。重巡組は基礎訓練。金剛達戦艦、潜水艦に駆逐艦達は近海防衛と偵察をお願いしたわ」


提督「ん…ほい承認」


矢矧「ありがとう。じゃあこのまま編成案は各艦種の秘書艦にお願いしておくわね」


提督「編成は任せると伝えてくれ。ただし後衛に即応戦力は残すように徹底させてくれ」


矢矧「いつも通りね、分かったわ」


提督「頼むよ」


提督「……今思うと最初に比べると秘書官らしくなってきたなぁ」


矢矧「そう?そんなに変わったことはしてないと思うのだけど」


提督「変わったさ。最初はデイリーの任務も簡単にこなせなかったからな」


矢矧「う、あの時のことは忘れて!忘れなさい!」


提督「ははは。わかったわかった」


矢矧「もう!」


提督「今じゃあ重要な任務以外の編成は、各艦種の秘書艦に任せてるからだいぶ執務がやりやすい」


矢矧「戦闘開始時にはちゃんと指揮を取ってくれるから、みんな安心してるのよ」


提督「それなら頑張った甲斐があるな」


矢矧「もちろん私も信頼してるのよ?」


提督「ほんとか?いやぁ嬉しいなぁ」


矢矧「そうやって調子に乗らなければもっと信頼してもいいのだけれど…」


提督「ここは変わりそうにないからなぁ…」


矢矧「ちゃんと努力してよ?じゃないと私の妹に会うのがさらに遠くなるから」


提督「うぐっ……すまん」


矢矧「もう…でも無茶はいけないわよ?」


提督「わかってる。誰も沈めてはいないし、これからもさせる気もない」


矢矧「期待してるわよ。あなた?」


提督「お、おぉう………任せとけ……」


矢矧「…ふふ、顔が真っ赤よ?提督」


提督「…昔はちょっと好きだって言っただけで矢矧の方が赤くなってたのに…いつの間に逆転したんだ……」


矢矧「ふふふ、あなたのお嫁さんになったのだから、これくらいは鍛えられるわ」


提督「うぅ……昔の可愛かった矢矧はどこへ…」


矢矧「…それって今はかわいくないって事?」


提督「ち、違う!今は可愛いっていうかなんかこう……美人!美人になったよ!」


矢矧「ふっふふふ!そんなに慌てなくてもいいのよ……わかってるから」


提督「……え?」


矢矧「ふふふふ!やっぱりあなたって可愛いのね」


提督「…く、くそう……」


矢矧「…落ち込んでないで仕事してちょうだい」


提督「……矢矧がやればいいじゃないか……」


矢矧「もう……ごめんなさい。いじめすぎたわ」


提督「…………」


矢矧「許して?ね?」


提督「…じゃあ、目を瞑っててくれるか?」


矢矧「目?瞑ればいいの?」


矢矧「瞑ったわこれでいい?」


矢矧「…んむ!?……!…ん」


矢矧「ぁ……ん………」


提督「……俺の、勝ちだな」


矢矧「……まだ、負けてないわよ」


提督「え?」




矢矧「私の力侮らないことね。私からも仕掛けるんだから。ね?提督♪」




天城

『挫折から未来へ』



加賀「……そこ、間違ってるわ」


天城「あぁ、すみません!」


加賀「二回目の間違いはダメよ?」


天城「はい!」


加賀「これが終わったら演習に参加するから。それまでに終わらせてちょうだい」


天城「は、はい!」




加賀「前を向きなさい!姿勢は崩さずに!」


天城「はい…っ!」


加賀「被弾したらすぐに損害報告」


天城「はい!」




加賀「それじゃあ今日はここまでにしましょう」


天城「は…はい。ありがとうございました!」


加賀「もう夕食の時間は過ぎていますが、間宮さんには話をしてありますので取りに行くように」


天城「はい!」






天城「はぁ……疲れた」


天城「今日も加賀さんに注意ばっかりされてしまいました…」


天城「……このままご迷惑ばっかりかけてしまうんでしょうか…」


天城「…はっ!いけない!間宮さんに気を使われてしまいます…」


天城「笑顔…笑顔…」





間宮「天城さん。今日はお疲れ様です」


天城「はい。お疲れ様です」


間宮「加賀さんからお話は伺っております。こちらが本日の夕食です」


天城「ありがとうございます。いただきます」


間宮「……はい、ごゆっくり」


天城「ふぅ……バレなかったみたいです」


提督「ん?天城か。こんな時間に夕食か?」


天城「て、提督!?お、お疲れ様です!」


提督「俺も相席しもいいかな?」


天城「あ…はい!どうぞ」


提督「あぁ食べる時くらいかしこまらんでもいいぞ」


天城「は、はい」


提督「それでは…いただきます」


天城「いただきます…」


提督「今日は加賀と一日秘書艦の訓練と演習か。お疲れ様」


天城「ありがとうございます……」


提督「……うまく行かなくて悩んでるのか?」


天城「え!?そ、そんな事は…」


提督「顔に出てるぞ」


天城「……うぅ、はい……」


提督「最初はそんなもんさ」


天城「書類仕事も、演習でも加賀さんだけでじゃなくて、艦隊の皆さんにご迷惑ばかりかけてしまっていて」


提督「ふむ…」


天城「私は、本当にここにいてもいいのか不安になって…」


提督「……」


天城「………すみません。提督に愚痴を吐いてしまって」


提督「いや、正直に不安を言ってくれてありがとう」


提督「……実はな、俺もこの泊地に所属したときは失敗ばかりしていたんだ」


天城「え?提督もですか?」


提督「ああ。その時は初霜に迷惑ばかりかけてしまってな。書類の不備だったり、編成のミスだったり色々した」


提督「その度に周りに助けてもらって事なきを得ていた」


天城「そうなんですか……」


提督「最初から上手く出来る奴なんてこの世にいない。最初は叱られて…怒られて成長していくんだ。人も艦娘も」


提督「それにな天城。加賀はお前の前では絶対に言わないが、天城の事を褒めていたぞ?」


天城「え?加賀さんがですか?」


提督「ああ。最初に天城が着任して、直ぐに加賀から訓練やら何やらが始まったが、あれは加賀が俺に提案してきたんだ」


提督「あの子は優秀だ。私の手で育ててやりたい。だから私に任せてちょうだい…てな」


天城「加賀さんが……」


提督「だから天城、お前はダメなんかじゃない。みんなから期待されているし、今はその期待に応えるために、頑張ってくれ」


天城「提督……ありがとうございます」


提督「うん。頑張れ……あ、このことは加賀には内緒で頼むぞ?俺が怒られるから」


加賀「聞こえているわ」


提督「げぇっ!加賀!いつからそこに!」


加賀「つい先ほどよ。提督、天城には言わないでと言ったのに……」


提督「い、いやほら…天城が悩んでいたからさ……」


加賀「このことは矢矧に報告させていただきます」


提督「それだけは勘弁してくれ!怒らせると怖いんだから矢矧は!」


加賀「さて……どうしようかしらね」


提督「勘弁してくれよ~……」


天城「提督……ありがとうございます…加賀さん!」


加賀「なに?」


天城「これからも、天城にご指導よろしくお願いします!」


加賀「そう……厳しくいくけど、期待しているわ」





天城「はい!新生第一航空戦隊の力、必ずお見せいたします!」


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