花陽「心の闇」
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いつだったろうかこの世界が歪んでいると気付いたのは
いつだったろうか大好きなものが大嫌いになったのは
いつだったろうかながされて妥協するようになったのは
いつからだろう
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ビーーーーー
一人で暮らすのには狭くもなく広くもない一室にアラームの音が鳴り響く
陽介「あぁ、めんどくさい」
中学から一人暮らしを始めたがいまだに朝だけはどうしても苦手だ
あと少しだけともう一度布団に潜り込みそうな体を無理やりおこす
陽介(そろそろか)
朝食を食べ終わり時計に目をやると家のチャイムがなる
花陽「あ、お..おはよう...陽介君」
凛「おっはようにゃーーー!」
陽介「」
とっさに俺はドアを閉めた
花陽「えぇっ!!」
凛「にゃっ!!」
_______________ __________ _______ ___ __
陽介「あーごめんな、ちょっとびっくりして...ありがとな」
花陽「ううん気にしなくて全然大丈夫だよ」
凛「全くひどいにゃーせっかく陽介君が遅刻しないように起きてるか確認しにきたのに」
陽介「あーーほんとごめん今度なんかおごるから」
凛「えーーっ!ほんとにー!」
花陽「り...凛ちゃん..」
陽介「はは...それより一花のやつは大丈夫なのか?」
花陽「うんお兄ちゃん、ただの風邪みたいだから一日休めば大丈夫だって」
陽介「そうか、そりゃよかった」
凛「帰りにお見舞いいかなきゃね!」
一花とは小学生のころからの友達..いわば幼馴染みたいなやつだ
ちなみに俺の隣を歩いている
眼鏡をかけたほわんとした雰囲気のほうが花陽ちゃん
クリンとした目をしていかにも騒がしそうなほうが凛
あ、ちなみに花陽ちゃんは一花の妹だ
毎朝学校がある日は俺が二度寝しないよう一花が俺の家に来るのが
日課なんだが風邪でいけないから代わりにこの二人をよこした次第である
陽介(全くどこまで心配性なんだあいつは..俺の母親かよ!)
と思ったが二人に迷惑をかけてしまい申し訳なく
この時ばかりは自分の朝の弱さを恨んだ
花陽「あ、あれは!」
しばらく歩いていると花陽ちゃんが急に興奮して走り出した
陽介「お、おい!」
凛「か、かよちん!」
花陽ちゃんについていくとそこには巨大なスクリーンがあった
花陽「ほわああああぁあああー!」
陽介「あぁ..今流行ってるスクールアイドル..だっけこりゃうちの学校が廃れる理由もわかるな」
凛「すごいにゃー!...この学校って芸能科とかもあるんだよね、すごいなぁー..凛には絶対むりだにゃー...」
陽介「いや...そんなことは..ん!?」
ふと本校舎のほうに目を向けると音ノ木坂の制服をきた女子が花陽ちゃんみたく興奮してガラスに顔をおしつけ中を覗いていた
???「ふおおおおおおおー!?」
陽介(おいおい...やめろよリボンの色からして二年生か?)
陽介「おっと!!すいません!」
??「イタタ...いやこっちのほうこそすいませ..!!!!すいません!!急いでるので...」
陽介「あれ?あいつやざ...」
凛「もぉーーー!二人ともはやくいかないと遅刻しちゃうにゃー!!」
陽介「お、悪い」
花陽「ハナシテェー!」
陽介(スクールアイドルかまあ所詮素人の寄せ集めみたいなもんか曲も王道のコード進行..歌唱力もたいして..っていかんいかん)
この時は思いもしなかった “伝説のスクールアイドル” µ’sの影の一員になることなど
陽介「あぁ、やっと学校終わった」
良太「よーうすーけくーん....たすけて」
陽介「ん?なんだ授業中に居眠りこいて呼び出しくらった山口良太くん」
良太「はぁーまじねえわあいつ俺日直の仕事あんのに」
陽介「あーいいよ代わってやるよ日直の仕事」
良太「ほんとに!?ごめん次おまえが日直の時代わるわ」
陽介「あーじゃあそれで頼む、早くいってぱぱっと終わらせろよ」
良太「おーう!いってくるわ!!」
陽介(叱られにいくやつがそんなテンションでいくなよ...)
陽介「あれ?花陽ちゃん」
花陽「あっ....陽介くん....」
陽介「なにみてるの?」
花陽「あ....えっと.....」
“スクールアイドルやりませんか!?”
陽介「スクールアイドル....そっか花陽ちゃんアイドル好きだもんね、やるの?」
花陽「えぇっ!?私なんかに無理だよぉ...可愛くないしどんくさいし歌も上手くないし...」
凛「かよちーん!おまたせにゃー!あ、陽介くん!」
花陽「あっ...それじゃあ私これから凛ちゃんと陸上部みにいくから.... 」
凛「ばいばーい!」
陽介「あぁ、うん」
陽介(ほんとはやりたいんだ)
陽介「しかしまあ自分からスクールアイドルやろうなんて、よっぽど自分に自信があるやつかただの馬鹿かどっちか...」
穂乃果「えぇーー!やるよぉー!」
海未「やるって...まだ歌も踊りもできないじゃないですか!」
ことり「あはは...」
陽介(こりゃ後者だな)
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「楽しむだけじゃだめだ、一日12時間は練習しないとあと理論の勉強もしなくちゃ、プロの人はもっと努力してるんだ、皆こんな僕にきたいしてくれてるんだもっともっとうまくならなくちゃ」
「どうして真面目に練習しないんだ!?こんなの人前で出せるレベルじゃない!....え?楽しくやりたい、押し付けないでほしい?」
「もう一人でもいい練習しないと努力は裏切らないんだ、睡眠時間や食事の時間を削ってでも楽しいだけじゃダメなんだ、練習しなく...ちゃ...」
「れんbhggjっふういんgrsfvuybinmouo,omjugyftftcersesuyniy」
陽介「っ!!....はぁ夢か」
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一花「おはよう」
陽介「おう、もう大丈夫なん?」
一花「あぁ、もうばっちりだ」
陽介「廃校がショックでぶっ倒れたのかとおもったわ会計さん」
一花「はは...まあ会長さんがちょっとな...」
そう、俺たちの通う音ノ木坂学院は廃校の危機に瀕していた結構前からやばかったらしく俺たちの学年から共学にして生徒人数の増加を図ったのだが結局人数は年々減少していき今に至るというわけである。というか男子生徒は俺たちの学年度の男女比率が7:3ということもあり俺たちの入学年以降まったく入学していない。全校男子生徒20人程度という非常に肩身の狭い現状である。
一花「しかしまあなんというか自分が通ってた学校がなくなるのはなんかさみしいな」
陽介「そうか?」
一花「いや、おまえな...」
絵里「小泉くん、会議をさぼっておしゃべりとはずいぶん楽しそうね」
一花「っあ!...すいません絢瀬会長忘れてました」
絵里「全く...はいこれ今日の会議で配られた資料と会議の内容、次回の会議は二日後だからそれまでに目を通しておいてね」
一花「了解です、すいませんわざわざ」
絵里「いえ、誰にでもミスはあるもの仕方ないわ、それに病み上がりだったみたいだし風邪はもうだいじょうぶなの?」
一花「はいもう大丈夫です」
絵里「そう、それはよかったわ、無理はしないようにね」
一花「ありがとうございます...でも会長にそれはいわれたくないっすわ」
絵里「ふふ...それもそうねそれじゃあ私はいくわね」
陽介「.................」
一花「あーやっちまった...どうした?」
陽介「いや、なんか生徒会長苦手なんだよ....」
一花「なんか昔のお前みたいな感じだもんな」
陽介「....まじ?」
一花「あぁ、なんていうか必要以上に周りとかかわりを持たないようのするところとか、まあなんつーか悪く言えばちょっとこじらしちゃってる感じ?まあ、あとしいて言えば仲間や友達にはすげーやさしいところとか」
陽介「...............お前それ会長にいっといてやろうか?」
一花「おい!やめろって冗談だって!......でもなんつーかお前と微妙に雰囲気似てるよななんか瞳の奥にお前と同じものを持ってるっていうか」
陽介「はは...同族嫌悪ってやつか?」
一花「さあ...それはどうかな?しかしやっぱ美人だよな...」
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一花「ふう、やっと終わったな」
陽介「よし、じゃあ帰るか」
一花「あーすまんな実は生徒会の仕事があってだな...」
陽介「あーいいよ、待っとくわ暇だし何なら手伝おうか?」
一花「あーいいよいいよ、パパッと終わらしてくるから悪いけど少しまってくれごめんな!なんなら先に帰っててもいいぞ」
陽介「おーう、じゃあとりあえず教室で勉強しとくわ」
教室に戻ると肉食獣の檻に入れられた子ヤギのようにおびえまくっている先ほどまで話していた友人の妹がいた
花陽「うぅ.....どうしよう...やっぱり....でもこんなことできるのは....うぅじろじろみられてる...」
陽介「わあっ!!!」
花陽「ぴやああぁあ!!!」
陽介「どうした花陽ちゃん?一花になんか用か?それなら悪いけどいま一花生徒会の仕事に行ってるから」
花陽「はぁっ...はぁっ..もうびっくりしたよぉ!」
陽介「はははは、ごめんごめん、んでなんか用事?」
花陽「あ...うん...用事っていうのは陽介くんになんだけど......それでちょっといいにくいんだけど....」
陽介「俺に?大丈夫だよ無茶ぶりには慣れてるから」
花陽「あの...ね...その...ね...きょ....曲を作ってほしいんだ....」
陽介「.......................」
驚いた、まさか心の奥底にしまっていた、いうなれば自分にとってパンドラの箱、もう開くことはないと思って完璧に自分の日常から排除しようと思っていたものが、まさか親友の妹にこじ開けられることになろうとは
花陽「あの...ね...曲作りって言っても..もう曲はできてて...でも伴奏がピアノだけで...編曲っていうのかな...ギターとかドラムとかを付け足してほしいっていうか...それができそうな人ってこの学校には陽介くんしかいそうになくって...それで」
陽介「うん...全然だいじょうぶだよ!っていうか俺でいいの?」
花陽ちゃんに不安を感じさせないよう精一杯作った笑顔で答える
花陽「うん!その..あのむしろ陽介くんにお願いしたいなって...」
なぜ曲が必要になったのか経緯をまとめるとこうだ
廃校を阻止するためスクールアイドルを2年生の3人組が結成
新入生歓迎会でライブをやるが曲がない
一年生で曲を作れる子がいてその子に作ってもらう
しかしピアノの伴奏だけでは少しきつい
その話を聞いた花陽ちゃんが俺に頼んできたというわけである
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“start:dash”
家に帰って渡された音源を聞いてみる、正直な話作曲といってもそこまで高度なものではないだろうどう作り直してやろうと思っていたが、聞いてみると多少荒削りではあるが作曲者はおそらくある程度の技術と知識を持っているものと想像することができた。
なによりもうあまり自分が感じることができなくなった音楽を心から楽しんでいるという気持ちがひしひしとつたわってくる。
歌詞もまるでこれから新しいことがはじまるあの頃の前向きな気持ちを思い出させてくれる。
もう二度と触ることはないと思っていたギターとキーボード、作曲機材をとりだす
陽介「まともに触るのは二年ぶりぐらいかな?」
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数日後
陽介「えーと......巻き毛でつり目で背が高くて近寄りがたくて美人な女の子......なんて失礼な....」
遡ること10分ほど前
陽介「えーと....花陽ちゃんは....と.....」
凛「あー!陽介くん!」
陽介「おー凛、花陽ちゃんしらない?」
凛「....かよちんなら委員会の会議だよ!」
陽介「まじか...しゃーない終わるまでまとうか」
凛「....かよちんになにか用事があるの?」
陽介「あー....うん実は曲の編曲をたのまれてな、一応編曲は終わったんだけど、作り終わってから流石に作曲者になんの断りもいれないのは失礼かと思って作曲者が誰なのか聞きにきたんだけど」
凛「...陽介くん大丈夫なの?」
陽介「ん?あぁ大丈夫だって編曲くらい」
凛「でも....」
陽介「あーほんとに大丈夫だから、それより困ったな...凛このことについてなにか知らないか?」
凛「うーんとね、作曲者の子なんだけど少し心当たりがあるっていうか」
陽介「まじか!?」
凛「うん、西木野さんって子なんだけど.....」
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音楽室
陽介「つりめで巻き毛で近寄りがたい雰囲気の子」
真姫「♪~」
陽介「あぁ.....多分というか絶対あのこだなどうやって入ろうか....」
真姫「♪~♪~」
陽介(なかなか渋い曲弾いてるな、それにうまい...こりゃ小さい頃からやってるパターンか、運指もすげーきれいだ)
真姫「♪~!!.........」
陽介(あ、気づかれた)
真姫 陽介「......................................」
真姫「っ!」バッ!
陽介「あっ!ちょっと...ちょっと待って!」
真姫「............何ですか?」
陽介(怖い、近寄るなオーラ出しすぎだろ...ここは世間話でもして)
陽介「あーっとジャズ好きなの?
真姫「!!........別に普通です」
陽介「あーそうなんだ俺も結構聞くんだ、あーっと自己紹介が先かはじめまして三年生の音又陽介っていいます」
(あれ?ちょっと食いついた?)
真姫「西木野真姫です....話はそれだけですか?それじゃあ」
陽介「いやいやちょっと待って!」
真姫「何ですか?忙しいんです」
陽介「えーっとこの曲作ったのって君であってる?」
真姫「!!........そうですけど......それがどうかしたんですか?」
陽介「えーっとね、ちょっと言いにくいんだけど実はこういうわけで..........」
___________________________________________ _________________
西木野「別にそんなこと私に聞かなくてもいいですよ.........私がピアノの伴奏とメロディーしか作れなかったのが悪いんですから.......」
陽介「いや、やっぱり曲っていうのは......いや曲だけに限ったことじゃないけどさ、やっぱり作った人の思いとか工夫とかなんというか...今までの人生で培ってきたいろんなものがつまってるわけだからさ....それをアレンジするわけだからやっぱりいっておくべきだなっておもって.....まあ許可とる前にしちゃったからその謝罪もこめてっていうか」
真姫「............」
陽介「あーごめん、長くなって....まあ取り合えず編曲した音源渡すから、もし気に入らないところがあったら遠慮なしにズバズバ言ってくれてかまわないから、もし嫌だったら捨ててくれても全然かまわない」
真姫「....」
陽介「もし、何かあったら...そうだな...同じクラスの小泉花陽か星空凛にでも伝えてくれたら大丈夫だから!それじゃあ..」
真姫「...あのっ!」
陽介「ん?」
真姫「あの...その...私の曲どうでしたか?」
陽介「.....悔しいけどいい曲だと思った」
真姫「!」
陽介「俺もかなり小さいころからギターやっててさほんとにプロ目指して音楽理論の勉強とかもしてたんだけど....まあ、今じゃ挫折しちゃってこの様なんだけど...ははは、やめちゃったのにいまだに未練たらたらなんだけどさ、おっと!ごめんな..まあとにかく..どうしても曲を聞いても、演奏のテクニック難易度とか音の使い方とかそういうのばっかりきにしてて、まあもちろんそういうのも含めていい曲とかいうんだろうけど...西木野さんの曲を聞いたときそういうの関係なしにいいなって思った、音楽って楽しいって心から思えるような...きっとこういうのがいい曲なんだろうって思えるようなそんな気持ちになった...ってごめんまた長くなってじゃあ..よろしくおねがいします、忙しかったのにごめんね」
真姫「.............ありがとう」
____________________________________________________________________
穂乃果「すっごいよ!すごいよ!海未ちゃんの歌詞が曲になってるよ、それもプロが作ったみたいになってるよ!」
海未「ほんとにすごいですね...これはいけるかもしれません」
ことり「西木野さんと花陽ちゃんと音又さん...だっけ?ちゃんとお礼しないとね!」
__________________________
数日前廊下にて
花陽(!?あの人たちスクールアイドルやろうとしてる二年生の人たちだ!)
穂乃果「どうしよう...ピアノの音だけじゃいまいちもりあがらないよ!」
海未「何をいっているんですか!曲を作ってもらっただけで十分ありがたいですよ!」
ことり「でもたしかにもっと派手な感じなほうがいいかも...」
穂乃果「そうだ!アレンジすればいいんだよ!?今、パソコンとかで曲つくれるじゃん!?」
海未「そうですが、パソコンを使う方法は西木野さんができないと言っていたではありませんか...それに例え私たちがやるにしてもライブまでにできるようになるとは到底思えないのですが...」
穂乃果「どうしよぉーーーー!!」
ことり「穂乃果ちゃん!落ち着いて何とかがんばろう!」
海未「なんとかなればいいのですが...」
花陽「あ...あのっ!!」
海未「!...あなたは確か...」
ことり「前話しかけてくれた一年生の...小泉花陽ちゃんだよね?」
穂乃果「!!...もしかしてµ'sに入ってくれるの!?...やったーメンバー確保ー!」
花陽「えぇぇーー!...いや..あのそうじゃなくて...」
海未「穂乃果!困っているではありませんか」
ことり「あはは....」
花陽「えっと...その..わたし知ってます」
穂乃果「ん?...何を?」
花陽「編曲できそうな人」
_________________________________________
陽介「µ’sファーストライブ...か」
一花「ん?どうしたんだそれ?...あぁ...例のお前が編曲したやつね」
陽介「....どうした?珍しいなお前が表情曇らせるって」
一花「そりゃあ...お前...」
陽介「あぁ...気にすんなって...せっかく死に物狂いでつけた知識と技術が無駄にならずに役に立ったんだむしろうれしいよ」
一花「そうか、それならいいんだ...まぁ...理由はそれだけじゃないんだが...」
陽介「?...ほかに何の理由があるんだ?」
一花「いやぁ...そのµ’sってグループうちともめてんだよ」
陽介「は?なんでだよ?」
一花「まぁもめてるっつても生徒会長が一方的に目の敵にしてるだけなんだけどさ」
陽介「何で?」
一花「軽々しい気持ちで学校の看板を背負ってほしくないって...おかげで会長さんここ数日ピリピリしてる...」
陽介「軽々しいって...生徒にそこまで要求するか?...ていうか軽々しいって遠まわしに西木野さんと俺もdisられてる?」
一花「はは、まあそういうつもりはないんだろうが...しかし、何が気に入らないんだろうな...ところで、どうなんだ成功しそうなのか?」
陽介「.....んーどうだろうなぁ...といっても俺部外者だしなぁ...練習だってちらっとしか見てないし何ともなぁ」
一花「なんだよ?いい曲なんだろ?俺も聞かしてもらったけどよかったと思うぞ?」
陽介「いや、人間ってさ思ったより自分以外の人間やら事柄に興味なんかないもんだぞ、それに知名度もゼロだし正直厳しいんじゃないか?それにもし...........」
一花「それに?」
陽介「いや、なんでもない」
一花「?.....でもお前見に行くんだろ?」
陽介「あーまぁ一応、見に来てくださいって言われたから...お前も一緒に来いよ」
一花「悪い、その日俺仕事があるから無理だわ」
陽介「......サボレヨ」
一花「ムリダ」
にこ「.............」
陽介(そう、思ったより人は他人に興味がない、打ちのめされようが死にたくなろうが誰も手を差し伸べてなんかくれない、俺の場合家族でさえそうだった、もし...もしもあの時、誰かが救いの手をさしのばしてくれたら俺の未来は変わっていただろうか、もし...助けを求める勇気が俺にあったなら...)
陽介「ライブか...あいつもみにくるんかな?」
一花「?..あ!明日は朝準備があるからおこしにいけないからな!頑張っておきろよ!」
陽介「おきれるわ!」
_____________________________ ___________ ________
「笑いなさいよ、昔から、あんだけでかい口叩いといてこの様よ...メッキがはがされちゃったわね...いやそもそも、そんなものなかった...もう皆やめちゃったわ...いいんだって、そういうの..楽しくやれればいいって...結局いつもそう....一人だけ、いつも一人だけ空回りしちゃって...もういいわ薄々わかってたの...私向いてないって...私なんかがなれるわけないって....だから...もう」
「俺は____」
__________________________________ ________ _______ ____ ___ __
当日 朝?
陽介「...はぁーよく寝たわ、今何時....!?」
PM 15:30
陽介「やっべ!もう学校おわるじゃねーか!!」
着信 30件
陽介「」
______________________
一花「はぁ、あいつ大丈夫か?事故にでもあったのか?心配だ...それにはじまっちまうぞ.....!」
from陽介
「ちょっと、アメリカまで散歩にいってた、いまからいく」
一花「......いまからかい!」
一年教室
花陽「ライブ.......」
凛「かーよちん!」
花陽「!....り....凛ちゃん....」サッ
凛「んー?かよちん何隠したのー?」
花陽「えぇっ!?な...何も隠してないよ..?」
凛「んー?まあいいにゃー、かよちん陸上部みにいこうにゃー!」
花陽「あっ..ちょっ...あのっ..」
凛「いくにゃー!!」
花陽「チョットマッテー!!」
穂乃果「さあっ!...いこう!!」
________________________
陽介「はぁっ!はぁっ!.........やっと着いた....」
PM16:02
陽介「やっべ!もうはじまってる!...?」
おかしい、始まっているという割に講堂のほうが静かだ
陽介「?...とりあえず急ごう...」ダッ
陽介「うおっと!」
希「きゃっ!」
急ぐことに夢中になりすぎていて曲がり角に人がいることに気が付かなかった、ぶつかった拍子に彼女のカバンから“タロットカード?”と思われるものが一枚だけ飛び出し偶然にも俺の足元に落ちてきた
陽介「いってて!?あぁ東條さん..ごめん!けがはない?」
ぶつかった相手は幸運にも同じクラスのまぁ仲がそこそこいい東條さんだった、これが性格の悪い女子なんかだったら悪口を言いふらされて、ただでさえ男子が少なくて肩身が狭い学校生活が地獄へとレベルアップするところだった
希「あぁ、うん大丈夫けがはないよ...って音又くん!?今日学校休んでなかった?小泉くんがすごーーーーーく心配してたよ?」
陽介「あー、そのちょっとさっきまで爆睡しちゃってて...」
希「ふふふ..音又くんは面白いなあ、でも、どうしてわざわざ放課後の学校に来たん?」
陽介「あぁーっと、まあ用事っていうか...!ごめんちょっと急がないとだめだから..ん?あ、このカード東條さんの?はい」
希「これは....」
陽介「!?ごめん!傷とか汚れとかついちゃった?」
希「....いやいや大丈夫!ほら!それより急いでるんやろ、うちは大丈夫だから急いだほうが...」
陽介「あ...ほんとにごめん!また今度何かおわびするから!じゃあ」
希「ううん、べつにいいんよ、それじゃあ」
希「....このカード....月の正位置」
月の正位置の意味
迷い、不安定、幻惑、現実逃避、裏切り
______________________
講堂
陽介「はぁ...やっとついた...?あれ花陽ちゃん?」
花陽「あ...陽介くん...」
陽介「あれ花陽ちゃんもみにきたの?」
花陽「うん...すぐこようって思ってたんだけど凛ちゃんに陸上部に連れて行かれそうになって...」
陽介「ははは....それにしても」
花陽「静か...だよね...」
陽介「まぁ...はいってみようか..」
花陽「は...はい」
陽介「............」
講堂の扉を開けると、ステージに3人だけ、きらびやかな衣装をまとった3人、ただそれだけしか目に入ってこなかった、確かに人は他人にあまり興味がないとはいっていたがさすがに観客0というのは予想しなかった、おそらくそれはここにいる全員だろう
花陽「よ...ようすけくん....」
10分ほど前
穂乃果「もぉー海未ちゃん、この期におよんでまだそんなこと言ってるの?」
海未「やっぱり、はずかしいです!そ..それにこんな短いスカート恥ずかしすぎます!」
ことり「大丈夫だよ海未ちゃん!似合ってるよ!それに私たちなりに今まで頑張ってきたんだから大丈夫だよ」
穂乃果「そうだよ!よく海未ちゃんいってたじゃん!努力は裏切らないって」
海未「そうですね...もうここまできたらやるしかないですよね.....わかりましたやってやります!」
穂乃果「そうだよ海未ちゃんその意気だよ!」
ことり「そろそろ時間だよ、いこう」
穂乃果「海未ちゃん、ことりちゃん!...がんばろうね」
海未「はいっ!」
ことり「うんっ!」
_____________________________________________________
______________________________________________
_______________________________________
________________________________
「ごめん....私たちも頑張ったんだけど....」
穂乃果「...........」
ことり「穂乃果ちゃん....」
海未「穂乃果.....」
穂乃果「あはは...そりゃあ...人生甘くない...でも..こんなのって..」
海未「ライブは....中止に....中止にしましょ」
ガチャンッ!
陽介「ありゃま....」
花陽「え...えーっと」
穂乃果 海未 ことり「!」
穂乃果「...やろう!」
海未 ことり「穂乃果(ちゃん)」
穂乃果「今まで頑張って練習してきたんだもん、やろう!」
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花陽「ふわぁあああ」
凛「すごい...」
陽介「おぉ....」
真姫「......」
穂乃果 海未 ことり「ありがとうございました!」
最初は俺と花陽ちゃんだけだった観客もいつのまにか少し増えていた、といっても顔見知りばかりだが
ついさっきまでステージで踊っていた三人は緊張の糸が途切れたのかとても穏やかな顔をしている、そこへ予想外の人物が現れた
絵里「どうするつもりなの?」
一花「ちょっと....会長...」
穂乃果「生徒会長....」
花陽「おにいちゃんまで...」
絵里「....わかったかしら自分たちがしようとしていることの無謀さが」
真姫「ちょっと!そんないいかたしなくても...」
陽介「......」
穂乃果「確かに...結果だけを見れば今回のライブは失敗だったかもしれません、でも!たったこれだけの人数でもお客さんは来てくれました、それに私楽しかったんですお客さんの前で踊るのが!歌うのが!」
絵里 陽介「!!.....」
穂乃果「私続けたいんです!スクールアイドル!次はここを満員にして見せます!」
絵里「....楽しい?...そんなの認められ..」
陽介「いいんじゃないんですか?」
全員「!?」
一花「陽介...」
陽介「...生徒会長の言いたいこともわかります、確かに歌も踊りも技術的な面からみればまだまだかもしれない、結果だけ見れば最低なのかもしれない、でも彼女たちはそれでもやった、厳しい現実に直面してもやりきったその覚悟は認めてもいいんじゃないんですか?」
陽介「それに、よかったと思いますよ技術とかに目が行きがちですけど、彼女たちを見てて元気がもらえましたよ、それってアイドルにとって一番大事なことなんじゃないですか?....なぁ、一花?」
一花「馬鹿野郎なんで俺に振るんだよ!....ま...まぁ..たしかにそうだな」
絵里「.....そう...勝手にすればいいわ...でも...いつか...壁にぶつかるわよ....その時も楽しいといえるのかしら?」
陽介「きっと乗り越えられますよ、誰かが...手を差し伸べてやれば...あなたでも...俺でも....誰でもいいから...心が闇に...染まる前に」
花陽「陽介君?」
__________________________
_______________
___________
陽介「あー今日は疲れたな」
一花「おまえな...学校実質さぼってるじゃねーか」
陽介「しゃーないだろ!なぜかアラームならなかったんだよ!」
一花「全くもう...まぁ別に怒ってるわけじゃないんだ、ほんとに何かあったんじゃないかと思ってな」
陽介「いつも悪いな迷惑かけて」
一花「....なんだ?今日はやけにしおらしいな...それに...」
陽介「ん?」
一花「いや、なんでもない」
陽介(あいつもみにきてたな....)
_____________
花陽「すごかったなぁ...まるで本当のアイドルみたい...」
観客数が10にも満たない逆境の中でもめげずに、歌い切った、踊り切った、全力を出し切った、輝いていた、楽しそうだった、何よりもう遠い昔に置き去りにしてしまったあの期待に満ち溢れた気持ちを思い出させてくれた、まるであの頃の“彼”のようだった
花陽「私なんかにはやっぱり無理だよ...陽介君のあんな顔久しぶりに見た」
彼女は見てしまった、花陽が一花が凛が彼の友人がどんなに彼を励まそうと元気づげようと見ることができなかったあの表情を、彼女たちはいとも簡単に引き出してしまったことを
花陽「もし、私にもっと...」
彼のことは知っているようで何も知らない、昔からずっと付き合いのある花陽でさえ、一花でさえ、凛でさえ、彼の家族でさえ、何も知らない。ただ唯一、なんとなくだが、わかっていることは、彼の心は、もうきっと壊れてしまっていることだろう。
_____________
数日後
陽介「ちょっとのど乾いたから自販機いってくる」
一花「りょーかい」
自販機前
陽介「ん?」
にこ「んぐぐぐ!...なんでよりにもよって一番上に変更されてるのよ!」
そこには、自販機の一番上のボタンが押せなくて悶えている、ちっこい知り合いがいた
陽介「ほれ、押してやるよ」
にこ「ん?あぁ、あんたか...悪いわね...ってぇ!、あんた!、なんでブラックコーヒー押すのよ!どう考えても私いちごオレ押そうとしてたじゃないの!」
陽介「あはははは、悪いって冗談だって俺の金でいちごオレ買うから交換しよう、俺もともとブラックコーヒー買おうとしてたから」
にこ「全く!冗談にしてもたちが悪いわよ」
陽介「悪い....そんなに怒るとは思わなかった...」
にこ「あぁもう!別におこってないわよ...」
彼女...矢澤にこ、とは小学校、中学校、高校と一緒だった小学校の時からなぜか縁があり、小学校から高校まで同じクラスにしかなったことがないという、しかも小学校の時はほぼ隣の席が矢澤という状態でお互いにうげっ!またこいつかよ状態であった。いわゆる腐れ縁というやつなのだろうか。ただ、彼女のさっぱりとした性格のせいなのか、小さい身長のせいなのか知らないが、自分のなかでは女友達という感覚より、男友達という感覚である。小学校低学年まではお互い、にこちゃん、陽介くん、という感じに異性として接していたのだが、高学年ぐらいからだろうか、アイドルバカ、ギターバカ、とお互いに罵りあう関係になったのは、ただ素の自分を出すことができる数少ない人間の一人であることに間違いはない。
陽介「それよりお前な、隠れたり変装したりするならなもっとうまくやれよ。この前のライブ見に来てたのバレバレだったぞ」
にこ「っはぁー?ライブぅー?...にこぉー、なんのことかぁー、全然わかんない!」
陽介「....どうすんだ?お前もいっしょに「いいわ!」」
にこ「いいの...他人に期待してもどうしようもないから...あんただってわかってる...ごめん...」
陽介「そっか...まぁ手伝えることがあったら何でも言ってくれできる範囲なら手伝うからさ」
にこ「....ありがと」
俺が彼女に素の自分を出せる理由をもう一つあげるのなら、それは彼女もまた俺と同じような境遇を経験しているからなのかもしれない
にこ「ほら、もう帰るわよ」
陽介「あぁ、それにしてもお前大丈夫なのか?そんな余裕ぶっこいてて」
にこ「は?何が?」
陽介「次の授業テストあるぞ」
にこ「.....................」
________________
放課後一年教室
凛(かよちん、またあの紙みてるにゃ)
花陽「..........」
凛「かーよちん!」
花陽「わぁっ!凛ちゃん?どうしたの?」
凛「かよちん部活、何にするの?そろそろ決めろって先生もいってたにゃ」
花陽「え...えーっと...凛ちゃんはどうするの?」
凛「凛?凛は陸上部にゃ!かよちんは?」
花陽「えぇっとぉ....」
凛「あーっ!わかった!...かよちんスクルールアイドルやりたいんでしょ?」
花陽「えぇっ!む...むりだよぉ私かわいくないし、声も大きくないし...運動だって得意じゃないし」
凛「ううん!かよちんはかわいいよ!」
花陽「あの....あのね...もし...もし私がスクールアイドルやるって言ったら....凛ちゃんも一緒にやってくれる?」
凛「え!えぇー!凛にはむりだよぉー、凛、全然女の子っぽくないし、髪の毛だって短いし...」
花陽「!?そんなことないよ、凛ちゃんはかわいいよ!」
凛「あ、リ...凛そろそろ部活いかなきゃ...ま、またねかよちん!」
花陽「凛ちゃん....」
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花陽「やっぱり、無理...かな...!」
真姫「......」
花陽「....西木野さん?」
廊下を歩いていると西木野さんが掲示物を眺めていた
真姫「!」
花陽「あ...えっと...」
私に気が付くと、彼女は足早に去って行ってしまった。
花陽「あ...」
ふと、彼女が先ほどまで見ていた掲示物を見てみるとそれは彼女が先ほどまで眺めていた紙と同じものだった
“スクールアイドル”やりませんか?メンバー募集中
花陽「.....」
西木野さん、クラスメイトだがあまり話したことはない、というよりクラスメイトの誰かと仲良くしているところをあまり見たことがない。ただ、よく放課後や休み時間に音楽室でピアノを弾いたり、歌を歌っているのは知っている。
花陽「やっぱり、西木野さんみたいに可愛くて、背も高くて、歌がうまい人じゃないと無理だよね...あれ?これって」
何もない自分に失望し、うつむくと地面に生徒手帳が落ちていた
花陽「これ、西木野さんのだ..」
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陽介「花陽ちゃんと凛がµ'sに入った?」
一花「あぁ、あと西木野さんって子も入ったらしい」
陽介「まじか、花陽ちゃんは何となく予想してたけどその二人は驚いたな」
一花「それに...ほらこれみてみろよ」
陽介「?....これは」
一花から渡されたスマホをみるとそこには、あの日のライブを動画でとったものが投稿されていた。
陽介「だれがやったんだ....?」
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放課後
花陽「よし...今日から練習がんばらなきゃ!」
陽介「あ、花陽ちゃん」
花陽「あ...陽介君」
陽介「これから練習?」
花陽「うん!...ってどうしてそのこと知ってるの!?」
陽介「一花から聞いた、というかあいついいふらしまくってたぞ」
花陽「も、もうお兄ちゃん、いうんじゃなかった....うぅ...」
陽介「.....」ジー
花陽「?...え///えっと///..か、顔になにかついてる?」
陽介「あ..いや、なんか花陽ちゃんいい顔してるなーって」
花陽「えぇっ!?」
陽介「あぁ、いや変な意味じゃなくって..なんていうか希望に満ち溢れた顔っていうか」
花陽「そ、そうかな?...でも、私やっぱりどんくさいし、声も大きくないし、みんなみたいに可愛くないし、弱いし、私人を引き付ける力なんかないし孤独だし、私なんかがアイドルやってもいいのかなって...」
陽介「あーもうだーかーらーそれがだめなんだって!花陽ちゃんはかわいいから!大丈夫!頑張ろう!それに、花陽ちゃんのいいところはいっぱいあるよ、花陽ちゃんは一人なんかじゃないよ、もし世界中が花陽ちゃんの敵になったとしても少なくとも、俺や一花、凛は花陽ちゃんの味方だよ」
凛「かよちーん!そろそろいかないとってどうしたの?」
陽介「えっ!?花陽ちゃんどうしたの?」
真姫「ちょっと!何泣かしてるんですか!?」
陽介「えぇっと...ごめん!決して悪気があったわけじゃ...」
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凛「なーんだ、そーゆうことだったのかにゃ!」
花陽「ごめんね、凛ちゃん、真姫ちゃん心配させちゃって、陽介くんもごめんね」
陽介「いや、こっちこそなんかごめん」
真姫「........あの......音又さん」
凛「真姫ちゃん、別に陽介くんに敬語使わなくてもいいにゃー、凛が許すにゃー」
真姫「いや、でも先輩だし..っていうか敬語使わないあなたのほうがおかしいわよ!」
陽介「あー別にそんなかしこまったいいかたしなくても大丈夫だよ、ため口でも敬語でも好きなほうで構わないよ?」
真姫「うえぇっと、あのその音又先輩...」
凛「変わってないにゃー」
陽介「もう!おまえはちょっとだまってなさい!」
凛「はーい」
真姫「あのこれ新しい曲の楽譜と音源です...そのまたお願いしても大丈夫ですか?」
陽介「あーいいよいいよ、どうせ暇だし」
凛「.............」
陽介「じゃあ三人とも、練習頑張ってな」
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後日、放課後
穂乃果「いやー、ほんとにありがとうございました!あのこれ、つまらないものですがどうぞ、どうぞ、うちの家で作った饅頭です!」
陽介「いやいや、別にお礼なんていいのに、こっちも好きでやったことだから」
穂乃果「いやいや!音又先輩にはほんとにいろいろ助けてもらったんでそのお礼です、たいしたものではないんですけど受け取ってください!」
陽介「じゃあ、すいません、ありがたくうけとらせていただきます」
海未「ほんとにすいません新曲までつくっていただいて....ほんとなんといっていったらいいか」
陽介「いやいや、あれはほとんど西木野さんが作ってるから、僕はそんなにたいしたことは..」
真姫「.......何言ってるんですか、悔しいぐらいよくしてるくせに....」
陽介「ははは...」
海未「ほら、ことりもちゃんとお礼を」
ことり「....う...うん...あの、その、えーっと、ライブに来ていただいてほんとにありがとうございました...」
陽介「.....ごめん、なにか嫌なことしちゃった?」
穂乃果「あーっと、ことりちゃん、男の人と話すのちょっとにがてで...」
ことり「ほ、穂乃果ちゃん...」
凛「大丈夫だよことりちゃん!陽介君は一日14時間もギター練習してたぐらい、ギターや音楽にしか興味がない変態だから私たちに変なことは絶対しないから大丈夫だよ!」
陽介「やめろ!変態って言葉を使うな!」
海未「す、すごいですね」
陽介「見ろ!やっぱりどんびきしっちゃてるじゃねーか!」
海未「してた、ということは、いまはされてないんですか?」
凛「あっ...ごめん陽介君...」
花陽「りんちゃん..」
穂乃果 海未 ことり 真姫 「????」
陽介「あぁ...いまはちょっと指をけがしちゃったのと、ギターがいやになっちゃったのもあって、あんまり弾いてないんだ」
穂乃果「じゅ、、、じゅうよじかん??すいみんじかんじゃなくて?」
ことり「ほのかちゃん...」
陽介「じゃあ、すいません俺はこれで、練習頑張ってください」
穂乃果「あ!よかったら練習見ていきませんか?」
花陽「えぇっ!」
海未「いいですね、やはり私たちは大勢の人前で踊ったりもしなくてはいけないわけですし、違った視点で見てもらっ意見というのはさんこうになるかもしれませんね」
真姫「でも、音又先輩の都合が...」
陽介「少しならいいけど、ほんとにいいのか?」
凛「なんで?」
陽介「いや、なんていうか...」
ことり 花陽「うぅ....恥ずかしい」
海未「なにをはずかしがっているのですか!?こんなのでは人前で踊ることはできませんよ?」
ことり「うぅ、海未ちゃんだって最初ものすごく恥ずかしがってたくせに」
海未「うっ!」
ことり「それに、人前で踊るのがはずかしいんじゃなくて...」
海未「?」
花陽「うぅ~緊張するよぉ~」
陽介「あー今日は見るのやめとくよ、また今度よかったら誘ってくれ」
凛「えー今日こないのー?帰りにラーメンでも一緒にたべてかえろうとおもったのに~」
陽介「あぁ、今日は俺がいても邪魔になりそうだし...また今度よかったら誘ってくれ」
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「僕は、多分先生が思ってるよりもずっとつまらない空っぽな人間なんです」
「何をやっても満たされない、きっと人で失ったものは、人でしか取り返せないんでしょう。ギターなんかでは、もうものでは、もう僕一人できっと取り返せない」
「でも、きっとそれはかなわないなぜなら僕は、俺は人間がこの世界が大嫌いだから。彼らは、僕らは悪意の塊でしかない。ひょっとしたら善意でさえも悪意という感情から生まれている、結局同じところに帰ってくるものかもしれない。」
「よく、”生まれてくることは奇跡だ”といいますよね、すごいですよね何億いやひょっとしたらそれ以上の確立で僕という人間がうまれてきたんですから」
「でも、最近思うんです人間に生まれてしまったことは、この世界に生まれてしまったことは、生まれながらにして互いを蹴落とすことを余儀なくされたこの残酷な世界に生まれてしまったことは”悲劇”だと」
「でも、もう前を向くしかないんですそれでも生きていかなければ....僕は、俺はいったい誰なんでしょうか....こんな世界を生き抜いていくことに価値はあるんでしょうか?」
おとのき女子校…
ちゃんと読めよ…
共学制にしたって書いてあるだろ