2015-06-14 17:17:14 更新

様々な野望が渦巻く、犯罪都市サウスタウン 久しぶりにこの街へ帰ってきた、英雄の

テリー・ボガードは旧友のリチャード・マイアーが経営しているパオパオカフェに向かった。


カラン コロン!


リチャード「やあ、テリー 帰ってきていたのか!?今日は珍しい顔がい居るよ。」

テリー「珍しい顔・・・・?」そう言ってカウンターを見ると、店に合わない黒い胴着を着た男が

カウンターで日本酒をチビチビと飲んでいた。

テリー「リョウじゃないか!?」テリーが声を掛けたのはこの街では知らぬ者はいない

テリ-に並ぶ英雄で、極限流空手の使い手、リョウ・サカザキであった。

リョウ「テリー!?帰ってきたんだな。前回のKOF以来だな。」

「ああ」と返事をしてリョウの隣に腰を掛け、リチャードにいつもの酒を注文する。

テリー「お前がパオパオカフェに来るなんて、どう言う風の吹き回しだ?この街から

離れる事がないわりに来る機会が無かったて言うのに・・・・。」

そう、テリーが聞くとリョウ何かを思い出すように酒の入ったお猪口を眺める。

リョウ「今日は俺の母親の命日でな・・・・・亡くなったのがこの近くなんで少し寄ってみたんだ。」

テリー「・・・・・・そうか、お前も親をこの街で亡くしていたんだったな。」

テリーもまた思い出していた。この街で顔も知らない内に生き別れた両親

そして、かつて自分が敵として倒した、今は亡きギース・ハワードに殺害された

義父、ジェフ・ボガードの事を・・・・。

テリー「なあ、聞いていいか?」

リョウ「何だ?改まって、遠慮する仲でもないだろ!」笑いなら、そう答えるリョウに

テリーも笑みを返すが、少しまじめな顔で

テリー「お前はギースが憎くなかったか?」

リョウ「・・・・?」

テリー「あいつのせいで、お前の母親は死に タクマとも10年間、離れ離れに暮らしていた

その間、お前とユリちゃんはかなり苦労したはずだろ?間接的とは言え、その元凶は

間違いなく 奴、ギース・ハワードだ。」

テリーは少しだけ、手に持ったコップを震わしながら話していた。

リョウ「・・・・昔は憎んださ、ギースやMr.Bigでなく、俺達を勝手に捨てた親父と非力な

俺自身をなをな。でもな、ある日 思ったんだ憎んでも現実(いま)は変わらない

それなら 今、守るべき奴を守るために強くなろうってな・・・・。」リョウの話を聞いて

テリーはなぜ、自分がKOF96の準決勝『ファイナルラウンド』でリョウに勝てなかったかが

ようやく分かった気がした・・・・自分はあの時、ギースへの私怨を果たす目的で闘っていた

もしかすれば、アンディもそうだったかもしれない。だが、リョウは初めてKOFの舞台で

出会った時の、戦い後の俺との再戦の約束を果たすために勝ち上がって来た。

テリー「お前は『守る気持ち』だけは極限に達しているな。」

リョウ「何の事だ?」

リョウは不思議そうに見返すがテリーはその話題に関してはそれ以上語らなかった。


テリー「俺にも得られるだろうか『守るための力』テリーは思った、かつてギースは

義父を殺した。そして自分も、敵討ちとしてギースを結果的には殺してしまった。

世間では自分を英雄と呼んでいる、隣に居るリョウも、誘拐されたユリを救うために

Mr.Bigを倒した。二人とも『成り行きの結果』が英雄と呼ばれる理由だ。

だが、自分は敵討ち、彼は妹の救出、戦った理由は天と地ほどの差がある。

 

リョウは思った、かつて自分はギースと闘った、この男と同じように・・・・

だが、その闘いではギースは逃亡して結果的には自分の勝ちとなったが

ギースに逃げる余裕があったことを考えれば、力の差は明白である。

初めて、テリー会った時 リョウはギースの影を見ていた。だから純粋に

自分と闘ったテリーに負けた、だが今は違う、お互いに過去を乗り越え

一人の格闘家として闘えている。しばらく沈黙が続き、やがてリョウが口を開いた。

 

リョウ「お前にもあるよ、『守る力』がな あのギースの息子を立派に育ててるじゃないか」

テリー「そうだな・・・・・でも、それはギースをあいつの父を殺した『罪』の意識から

そうせざるおえないだけかも知れない。」

リョウ「でも、お前には守るべきものがある。『それ』があるから俺達は闘って来れた

今も昔もな そう思わないか?」そう言うとテリーも笑みで返す。

テリー「そうだな・・・・・。」

リョウ「さてと、『次の場所』に行かないか?」と立ち上がるリョウ

テリー「そうだな、俺達が次に行くといったら『あそこ』だな。

かつてMr.Bigの組織が行っていた路上格闘大会が行われていた公園

そして二人が初めて出会い、闘った場所でもある。


夜の公園・・・・。


リョウ「さてせっかく 会えたんだし、もう少し飲んでても良いが」

テリー「俺達は口で語るより・・・・。」

リョウ&テリー『拳で語る方が生に合っているよな!!』


夜の公園で巨大な気がぶつかり合ったのは それからすぐの事だった。


THE END


後書き

リョウとテリーが一緒に酒を飲むとしたら、ツケも聞くパオパオカフェ。そして言葉で語るよりも
拳を交える方が互いの事が伝わると思いました


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しらこさんから
2015-06-12 20:45:36

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2015-06-12 20:45:38

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