得意なことがあったんだ。

今はもう忘れちゃったけどね。

なんでかって言うともっと得意な奴がいたんだ。

まあ分かってたんだけどさ、自分の為の世界じゃないなんて。

でも問題ないよね？

『僕くらい寝てたって、ね？』

生活は普通で平凡だよ。

でも僕にとっては難しいんだよね。

今は地球の隅で活動中ってやつかな？

声援があったかって？

無いに決まってんじゃん。

脚光なんて尚更だよ。

僕は、僕の命は

『期待されるような命じゃない。』

大切な夢があったんだよ。

もう忘れたいんだけどね。

だってね？

本当に叶えても全く金にならないからね。

痛いほどわかってるんだよ。

俺のためにいるあなたじゃない。

問題ないだろ？

『俺ぐらい消えたって』

ある売れてないミュージシャンのファンだったんだ。

新譜を聞いては暇潰ししたよ。

でもなぜか売れてからどうでもいいんだよね。

はいはい。

全部綺麗事だよ、当たり前じゃないか。

こんなの信じてたのかい？

まぁ１つ言うなら

『死にたくなるよ、なるだけだけど』

そんなときあいつは、『冬馬』はいたんだ。

冬馬は僕より得意なことがあって。

俺より大きな夢を持ってた。

そんな将来有望の冬馬くんが、『頑張れ』ってさ。

怠けて見えたか？って聞いたら頷くのか？冬馬。

あぁ…

『『死にたくなるよ、生きていたいよ。』』

世界のための僕じゃない。

誰かのための俺じゃない。

得意なことがあったこと。

大切な夢があったこと。

俺らは皆わかってただろ？北斗、翔太？

自分の為に歌われた歌なんてないんだよ。

でも関係ねーだろ。

『俺らが歌えば良いんだよ。』

唇から零れ落ちたラララ

その喉から溢れ出したラララ

とても愛しい距離。

その耳だけ目指す歌

僕が歌う僕のための歌

君が歌う君のための歌

大きな声で歌う僕らの歌 ラララ