一色いろはのバレンタイン 2
まぁ、前回の続きですね文章力については、ゆる〜く見てくださいm(_ _)m
一部比企谷八幡視点です。
結局あの後、自分がどうやって帰ったのかも覚えていない。酷く頭がぼんやりしていて、もう今日の出来事は全部夢だったのかもしれないと思うほどだった。けれど、冷えた身体のなか右手を覆うような暖かみがそれを真実だと告げている。そう、全ては実際にあったことで、葉山先輩に気付かされた気持ちも、泣きながらの告白も……先輩と…つ…付き合ったのも……。
「………っ‼︎」
思い出すだけで顔が真っ赤になる。わたしは今、比企谷先輩の彼女。やばい、凄く恥ずかしくなってきた。顔を枕に押し当てて布団の上を転げ回った。てゆうかこんな事やる人いないと思ってたのに。
「むぎゅっ」
……落ちた。枕がクッションになってくれたものの、少し痛い。けどそんなの気にならないくらい恥ずかしい。珍しく全く考えがまとまらない。もう寝たほうがいい。多分わたしはいま疲れてるんだ。羊が一匹。羊が二匹。羊が3比企谷…………やっぱり寝れるわけない。羊の顔が全部どことなく先輩ににている。そういえば今先輩は何してるんだろう?小町ちゃんに連絡取れば分かるかもしれない。だけど彼女は今受験生だというので、流石に邪魔をするのは気がひけるし…もう、何も考えないでいれば寝れるかも。
眠い…結局昨日は一睡もできなかった。おかげで目の下にはクマができているかもしれない。まぁ、恋人同士目が腐っているというのも嫌だし、薄めのメイクで消しておいたけど…
「ふぁ〜ぁ…あ」
不意に、廊下で同じように欠伸をしている先輩と目があった。
「……」
「……」
気まずいっ‼︎やばい昨日あんなにラブコメめいたことしただけに凄く気まずい‼︎てゆーか先輩そんなキョロキョロしないでください気持ち悪いです…
「お…おはようございます…先輩」
「お…おう」
やばい今絶対顔真っ赤だ。誰かっ!誰か助けて‼︎
「やっはろーヒッキー」
天使の声が聞こえたかと思った。すごい!ナイスです結衣先輩‼︎
「ヒッキー今日は早いね〜。あれ?いろはちゃんも一緒なん…だ……あれ?なんで⁇」
「おいなんだよその反応、俺に失礼なんじゃないの?」
「い、いやー別にヒッキーが女の子と一緒にいるってのが信じられなかったわけじゃないよ本当に〜あははははは」
「言ってるから、本心だだ漏れだから」
「と、とにかく私先教室行ってるね〜ばいばいいろはちゃん」
…逃げた。とゆーか話の流れに全くついていけなかったのが少しショックだった。
「それじゃあ先輩、また」
「おう、またな」
結衣先輩のおかげで少しは緊張もほぐれたのか、その日の授業は半分くらい寝てしまった。
俺が部室に入ると、意外な事に、雪ノ下はいなかった。代わりに、一色が机に突っ伏して、寝ている。
やはりこいつも昨日は眠れなかったんだろう。気持ちよさそうに寝息を立てている。恥ずかしいけど、俺はこいつの彼氏だ。頭くらい撫でてやるべきだろうか?
「なぁ比企谷、私は、お前が刑事罰に問われるような事はしないと思っていたんだがな」
やばい、殺気を感じる。
「ち、違うんです平塚先生、これは…えっと…」
やべぇ弁解できねぇ。まぁぼっちが他に誰もい
ない部屋で寝てる女の子の頭撫でてたら俺でも通報するだろうしな。
「何が違うんだね、はぁ…君は心を入れ替えたと思っていたのだが、残念だよ」
その言い方だと俺が初めから犯罪起こしそうなやつだったみたいじゃねぇか。
「いや初めから俺犯罪とかしませんからマジで」
ぼっちは別に構わないが、犯罪者のレッテルは流石に御免だ。さて、どうすれば分かってもらえるんだ?
「んんっ」
被害者起床。
「あれ⁇先輩居たんですか?あ、平塚先生も、どうしたんですか?」
あぁ、これは終わったな。
「今しがた女子高生の貞操を狙う卑劣な男を捕らえたところだよ」
キャースベテヲマッスグツタエルセンセーカッコイー。いや、全然違うんだけどね。
「ふぇ?」
まだ少し寝ぼけている一色は、まず周囲を見回して俺を確認、そして自分を見て、
「あっ…ななにゃなななななななにゃにをしたんですか先輩⁉︎」
状況を理解したみたいですね、おめでとう。いやこれも間違ってるんだけどね、とはいえ流石にこのままではまずい、弁明しなければ。
「一色」
俺は優しく声をかける
「ひゃいいいいいっ‼︎」
帰ってきたのは悲鳴のような何か…やべえ泣きそう。あぁ、これは懐かしい記憶、確か俺が声をかけると悪霊でも見たような顔で悲鳴を上げて走り去る同じクラスの山田さ…いや、この話はよそう。俺は未来だけを見て生きていくんだ。取り敢えず今は、いとも容易く潰れてしまいそうな未来をどうにかしないといけない。
「誤解だ。まぁ、見方によっては誤解でもないんだが、くっそ、どう説明すりゃいいんだ?」
「寝ている女の子に手を触れようとするなど犯罪以外の何があるんだ。別に君達は恋人同士というわけでもあるまい……し…………」
ぴくーん!恋人という単語に一色が盛大に反応した。ねぇこの子隠し事とか実は下手なタイプなんじゃないの?その反応を見た平塚先生の目が見開かれ、俺と一色の間を行ったりきたり。
「り……」
り?
「リア充爆発しろぉぉぉぉぉぉ‼︎」
それ高校教師の台詞かよ⁉︎
平塚先生 は 逃げ出した。
沈黙の降り立った部屋。
それから何分経っただろうか、いやもしかしたら何十分だったのかもしれない。とにかく、それくらい経った時俺はやっと口を開く事ができた。
「今日はもう帰るか」
「しかし一体私に何をしようとしたんですか〜?先輩」言うと先輩は少し赤くなって、
「なんもしてねぇよ、ほれ、忘れろ忘れろ」
そう言われるとますます気になるんだけどなぁ。まぁ、当然の事ながら先輩は女子との喋り方なんて分かってないわけで、適当にあしらうなんて微塵もできないのは当然だから仕方ないんだけど…。
「そういえば先輩、この前お願いした事、ありましたよね」
「ん?まぁ、あったかもな」
この反応は覚えてるのかな?ちょっと怪しいかなぁ。
「次の土曜日でいいですよね?先輩暇ですし」
「おいちょっと待て、なんでそんな事知ってんだよ」
先輩、分かってないのかなぁ……
「どうせ先輩に用事なんてあるわけないじゃないですか」
こんな感じに思われてる事。
「くっ…否定できねぇ」
「じゃあ9時集合でお願いしますね〜」
言って、逃げるように帰宅。先輩は私の携帯の番号を知らないはずだから、これで来ざるを得ないはず。
なんだかうれしくて思わず玄関で独り言。
「初デート、楽しみにしてますよ。先輩♪」
次回は、本編のストーリを少し改造しただけになると思います。全ては俺の想像力のなさが悪い
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