カケル「また赤点ギリギリだったよｗｗｗｗｗｗ」

友人A「笑いごとじゃねぇｗｗｗｗｗ」

カケル「ってか勉強とか必要ねぇだろｗｗ」

友人A「それなっ」

友人B「そーゆーAはどうせ学年トップ１０入るんだろっ」」

友人A「当たり前な！」

カケル「天才は帰れ」

友人B「そーだそーだ」

友人A「お前はどうなん？」

友人B「全部平均」

カケル「いつものことか…」

なぜ皆　勉強が出来るんだろう…

なぜ皆　勉強をするんだろう…

この世の中、賢さがすべてなのか………

俺はつまらない世界に生まれたんだと、つくづく思う。

俺は溜息をつきながら帰路についた。

カケル「あれ？この公園に人影がいるの珍しいな…」

いつもは人影のない公園に珍しく人がいた。

その人は挙動不審に動いているのが木の間から見えた。

カケル「どうしたんだろう…」

声をかけようとしたが、俺はすぐにやめた。

なぜならその人…いや、女はほぼ裸の恰好をしていたからだ。

女の人「ねぇ、そこの君」

カケル「な、なんですか？忙しいんですけど…」

俺はよく面倒事に巻き込まれる。

今回もいつもと同じだろう…

だから、話を流してさっさとこの場から離れたかった。

女の人「セックスしない？」

人は思っても見なかったことが起こると、

体が動かないんだと　この時初めて知った。

カケル「お、俺　童貞なんで無理ですっ」

頭が真っ白になっていて意味不明の返答をしてしまう。

そんな俺にクスクスと笑いながら近づいてくる。

カケル「ち、近づくなぁぁぁぁ」

俺はカバンを投げ、がむしゃらに家まで走った。

その夜　俺は後悔をしていたカバンに携帯を入れっぱだったのだ。

幸い、家の鍵はポケットに入っていた。

カケル「まぁ、襲われるよりマシか……それより何か食べよ…」

そう独り言を言いながら冷蔵庫を開ける。

しかし、冷蔵庫の中には食材が入ってなかった。

カケル「そういや今日買って帰るつもりだったんだ………」

その時気づいた…財布もカバンの中に入ってることを…

カケル「うわぁぁぁぁぁぁっ　絶対戻ってこないじゃん！貴重品は全部　痴女に投げちゃったじゃん」

ピンポーン

突然チャイムが鳴る。俺は覗き穴から外を見る。

カケル「あれ？誰もいない…」

恐る恐るドアを開ける。そこには人の影はなく、あったのは見覚えのあるカバンだった。

カケル「俺のカバン！！」

中身を確認する。確かに自分のカバンだった。

何かを取られたような形跡もない。

カケル「色々あったけど戻ってきてよかったぁ」

そう言いつつリビングに戻ると、帰りに見た女の人がソファに座っていた。

カケル「なんでお前がいるんだよぉぉぉぉっっ」

女の人「何でってあんたがカバンを投げて帰るからに決まってるじゃない」

カケル「俺の家はどうやって知った」

女の人「保険証にかいてあった。それよりセックスしよ」

カケル「うわあぁぁぁぁぁぁ」

俺は裸足のまま家を出た。

走っている途中、足に痛みがあったがそれを無視して走った。

生憎ここら辺には警察署や交番が無い。

しかし家に戻るわけにはいかなかった。

……気が付くと、帰りに通った公園にいた。

カケル「なんでここに来たんだろう……」

特にここら辺は。街灯が少ない。

夜になると真っ暗だ。

カケル「えーとっ、ここで一番明るいところは…」

５０メートルぐらい先に自動販売機があった。

いつもは必要のないソレが、今は非常に頼もしかった。

カケル「ん？なにこれ？」

そこには黒い物体が落ちてた。

始めはゴミかと思われた物体は、よく見ると弱ったコウモリだった。

カケル「このコウモリ、俺の足元を見ている気がする…」

そう言いつつ、俺の足を光に照らしてみた。

先ほどまでは暗くてわからなかったが、

いざ明るい所で見ると、俺の足は血だらけだった。

カケル「うわっっひどいことになってる！？」

かがんで血だらけとなった自分の足をよく見てみる。

ガラスの破片を踏んだのか大きな切り傷が出来ていた。

…ふと異変に気づく。

先ほどコウモリがいた場所に足が見えたのだ。

見上げてみると、黒髪の女の子が立っていた。

カケル「えーと…君はどこからきたの？夜に出歩くと危ないよ？」

女の子「…」

カケル「家はどこ？連れて帰ってあげるから」

女の子「…」

女の子は黙ったままだ。

俺はどうすることもできないまま、

足が洗えそうな水道がある駅まで歩くことにする。

…その女の子は、俺の後ろをついてきた。

カケル「どうしたの？」

女の子　「……………あなたの血をちょうだい」